JP2012118422A - 光ユニット、光ユニットからの光ファイバ取出し方法及び光ファイバケーブル - Google Patents

光ユニット、光ユニットからの光ファイバ取出し方法及び光ファイバケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバを容易に取り出すことのできる光ユニットを提供する。
【解決手段】帯状のフィルム5を円筒形状に成形してフィルム両端縁5a、5bを突き合わせるか又はフィルム両端縁5a、5bを円周方向で重ねて形成したチューブ3内に複数本の光ファイバ2が収納され、且つチューブ3の外周囲を樹脂被覆層4で被覆してなる光ユニット1。この光ユニット1では、樹脂被覆層4を構成する樹脂の破断伸びが180%以下であり、且つ前記樹脂のヤング率が50MPa以上1000Mpa以下であり、また、前記フィルム5の突き合わせ部又は重なり部における前記樹脂被覆層4の厚みを10μm以上300μm以下とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバを複数本纏めて収納した光ユニット、光ユニットからの光ファイバ取出し方法及び光ファイバケーブルに関する。
例えば、特許文献1には、プラスチックテープ等からなる帯状材料の幅方向両端部を接着テープで貼り合わせて形成された筒体内に複数本の光ファイバテープ心線を収容させ、その外周囲をシースで被覆した光ケーブルが記載されている。
この光ケーブルのケーブル端末部から或いはケーブル途中から光ファイバを取り出すには、光ファイバを取り出す部位のシースを剥ぎ取った後、接着テープを剥がして筒体の両端部を開いて中から光ファイバテープ心線を引き出す必要がある。
特開2000−137153号公報
しかし、特許文献1に記載の光ケーブルから光ファイバを取り出すには、細い筒体の側面に貼られた接着テープを剥がすのは困難である。特に、ケーブルの途中からシースを剥ぎ取って光ファイバを取り出す中間分岐作業を行う場合は、尚更接着テープを剥がし難い。
そこで、本発明は、光ファイバを容易に取り出すことのできる光ユニット、光ユニットからの光ファイバ取出し方法及び光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、帯状のフィルムを円筒形状に成形してフィルム両端縁を突き合わせるか又はフィルム両端縁を円周方向で重ねて形成したチューブ内に複数本の光ファイバが収納され、且つチューブの外周囲を樹脂被覆層で被覆してなる光ユニットであって、前記樹脂被覆層を構成する樹脂の破断伸びが180%以下であり、且つ前記樹脂のヤング率が50MPa以上1000Mpa以下であり、また、前記フィルムの突き合わせ部又は重なり部における前記樹脂被覆層の厚みを10μm以上300μm以下としたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ユニットであって、前記フィルムの突き合わせ部近傍又は重なり部近傍に、前記光ファイバの取出し時に前記樹脂被覆層を裂く引裂き紐を、該光ファイバの長手方向に沿って設けたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の光ユニットであって、前記引裂き紐を、前記複数本の光ファイバを収納した前記チューブ内に存在する水分を吸収する吸水部材としたことを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の光ユニットから光ファイバを取り出す光ファイバ取出し方法であって、前記光ファイバを取り出す部位の前記樹脂被覆層を取り除いた後、前記フィルムの突き合わせ部又は重なり部から前記光ファイバを取り出し持ち上げて前記樹脂被覆層を該光ファイバで引き裂くようにしたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の光ユニットから光ファイバを取り出す光ファイバ取出し方法であって、前記光ファイバを取り出す部位の前記樹脂被覆層を取り除いた後、前記フィルムの突き合わせ部又は重なり部から前記引裂き紐を取り出し持ち上げて前記樹脂被覆層を該引裂き紐で引き裂くようにしたことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか1つに記載の光ユニットを、少なくともシースで被覆してケーブル内に収容した光ファイバケーブルであることを特徴としている。
本発明によれば、樹脂被覆層を構成する樹脂の破断伸びを180%以下、ヤング率を50MPa以上1000Mpa以下、厚みを10μm以上300μm以下としたので、樹脂被覆層を引き裂くための抵抗が小さくなり、該光ファイバに過剰な引っ張り力を発生させることなく折れ及び断線させずに当該光ファイバを取り出すことができる。
図1は本実施形態の光ユニットを示し、(A)は一部のフィルム及び樹脂被覆層を取り除いて示した斜視図、(B)は(A)のY−Y線位置の断面図である。 図2は本実施形態の光ユニットにおいて、光ユニット端末部から光ファイバを取り出す工程を順次示す工程図である。 図3は本実施形態の光ユニットにおいて、光ユニット中間部から光ファイバを取り出す工程を順次示す工程図である。 図4は引裂き紐を設けた本実施形態の光ユニットの断面図を示し、フィルムの突き合わせ部近傍又は重なり部近傍の各位置に設けた例をそれぞれ示している。 図5は本実施形態の光ユニットをシースで被覆してケーブル内に収納した光ファイバケーブルを示し、(A)はルースチューブ型光ファイバケーブルの断面図、(B)はCスロット型光ファイバケーブルの断面図である。 図6は光ユニットから光ファイバを取り出す実験を行った時の引裂き力測定方法を示す模式図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[光ユニットの構造説明]
先ず、本発明を適用した光ユニット1について図1を参照して説明する。光ユニット1は、複数本の光ファイバ2と、これら光ファイバ2の束を内部に収納するフィルムにより円筒形状に成形されたチューブ3と、このチューブ3の外周囲を被覆する樹脂被覆層4とで構成されている。
光ファイバ2は、中心に設けられる石英ガラスファイバの周囲に紫外線硬化型樹脂及び着色層を被覆して形成される着色光ファイバ素線からなる。また、着色光ファイバ素線を複数本並べて紫外線硬化型樹脂で一括被覆した光ファイバテープ心線や、互いに隣接する着色光ファイバ素線間を間欠的に固定した光ファイバテープ心線も、本発明の光ファイバ2に含むとする。
チューブ3は、帯状のフィルム5の幅方向両端であるフィルム両端縁5a、5bを円周方向で一部重なるようにして円筒形状に成形することで形成されている。かかるチューブ3は、例えば入口から出口に向かって徐々に内径を小さくした成形型の内部に、複数本の光ファイバ2を配置したフィルム5を通過させることにより、円筒形状に成形される。前記チューブ3を成形するフィルム5は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性フィルムからなる。
この他、チューブ3は、フィルム両端縁5a、5bを円周方向で重ねて成形せずにそれらフィルム両端縁5a、5bを互いに突き合わて円筒形状としてもよい。
樹脂被覆層4は、例えば紫外線硬化型樹脂をフィルム5の表面に塗布し乾燥させることで形成されている。かかる樹脂被覆層4には、余長を持たせた光ファイバ2をチューブ3内に収納することから前記フィルム5の重なり部から飛び出ないように押さえること、及び光ファイバ引き出し時に当該光ファイバ2に強いテンションを与えずに樹脂被覆層4が引き裂けることが要求される。
前記要求を満たすための条件としては、樹脂被覆層4を構成する樹脂の破断伸びが180%以下、前記樹脂のヤング率が50MPa以上1000Mpa以下、前記フィルム5の重なり部(突き合わせ部も含む)における前記樹脂被覆層4の厚みを10μm以上300μm以下とする。
前記樹脂の破断伸びが180%を越えると、樹脂被覆層4の剛性が高くなり過ぎて光ファイバ2に過剰な曲りが加わり、当該光ファイバ2が折れたり断線し易くなる。その結果、光ファイバ2に対する過剰な引っ張り力が作用して光ファイバ取出し前後の余長が変わってしまい伝送損失ロスが発生する。前記樹脂の破断伸びが180%以下であれば、前記問題は発生しない。
前記樹脂のヤング率が1000Mpaを越えると、樹脂被覆層4の剛性が強くなり過ぎて光ユニット1を曲げるのが困難になる等、取り扱い性が悪くなる。この一方、樹脂のヤング率が50Mpa未満であと、余長を持たせた光ファイバ2がフィルム5の重なり部から飛び出し、当該光ファイバ2を押さえ込むことができなくなり、樹脂被覆層4が割れる恐れがある。前記樹脂のヤング率が50MPa以上1000Mpa以下であれば、前記問題を解消することができる。
前記樹脂被覆層4の厚みは、薄い程、光ユニット1の細径化には有利であるが、余長を持たせた光ファイバ2がフィルム5の重なり部から飛び出ないようにするためある程度の厚みが必要となる。樹脂被覆層4の厚みは、厚ければ厚い程、光ユニット1は丈夫になるが、光ユニット1の細径化や光ファイバ2の取出し性を向上させるためには必要以上の厚みがあると不利である。樹脂の種類により必要な樹脂被覆層4の厚みは異なるが、その厚みは10μm以上300μm以下であることが好ましい。
また、前記樹脂被覆層4とフィルム5は、それらの間の密着力が強すぎる場合には光ファイバ2を取り出すことが困難になり、一方で密着力が弱すぎる場合には樹脂被覆層4の剥離や脱落が起こり易くなる。これら樹脂被覆層4とフィルム5の密着力は、光ユニット1の強度と光ファイバ2の取り出し易さを考慮して決められる。前記樹脂被覆層4とフィルム5間の密着力を調整する方法としては、例えばフィルム5の表面性を変える方法や、樹脂に剥離し易くするための材料を添加する方法などが挙げられる。フィルム5の表面性を変えるには、例えばシリコーンをフィルム表面に塗って、該フィルム5と樹脂被覆層4との密着力を低くする。樹脂に剥離し易くするための材料を添加する場合は、例えばフィルム5を構成するPETや樹脂被覆層4を構成する紫外線硬化型樹脂にシリコーンを添加する。
本実施形態の光ユニット1では、フィルム5で包まれた複数本ある中から特定の光ファイバ2を取り出す場合に、他の光ファイバ2の特性に影響しないように該光ファイバ2を取り出すこと(これを活線分岐という)が求められる。この活線分岐を実現するには、フィルム5の重なり部の重なり具合(ラップ具合)、樹脂被覆層4の樹脂の破断伸び、フィルム5と樹脂被覆層4との密着力、樹脂被覆層4の厚みなどの調整を行うことで実現できる。
[光ユニットからの光ファイバ取出し方法の説明]
次に、図1に示す構造の光ユニット1から光ファイバ2を取り出す方法について説明する。光ユニット端末部から光ファイバ2を取り出すには、図2に示す工程を順次行う。
先ず、図2(A)の光ユニット1を用意した後、光ユニット端末部の樹脂被覆層4を所定範囲に渡って同図(B)に示すように除去する。所定範囲の樹脂被覆層4を除去するには、例えばヤスリなどを使用して取り除くか、或いは刃物で切り取る。その結果、樹脂被覆層4で覆われていたチューブ3(実際にはフィルム5)が露出する。
次に、口出しされたチューブ3を構成するフィルム5の重なり部からフィルム5を開き、図2(C)に示すように内部に収納された光ファイバ2を取り出す。フィルム5の重なり部は、フィルム両端縁5a、5bが接着されることなく単に重なっている。そのため、この重なり部を開くことでチューブ3から光ファイバ2を簡単に取り出すことができる。なお、この例では、数本の光ファイバ2をチューブ3から外に取り出している。もちろん、本発明では、複数本あるうちの特定(1本)の光ファイバ2のみを取り出すことも容易である。
次に、チューブ3から外に取り出した光ファイバ2を持ち上げる。すると、フィルム5の重なり部上の樹脂被覆層4は、図2(D)に示すように光ファイバ2によって切り裂かれる。この時、光ファイバ2には、樹脂被覆層4の切裂き時に張力が作用する。しかし、樹脂被覆層4の樹脂の破断伸びとヤング率と樹脂厚さを前記した条件で規定しているため、光ファイバ2の折れや破断を発生させることなく且つ伝送損失を発生させることなく当該光ファイバ2を取り出すことができる。なお、樹脂被覆層4の切裂き長さは、チューブ3から取り出した光ファイバ2に別のケーブルと接続し得る程度の長さとする。
この他、光ユニット中間部位から光ファイバ2の口出しを行う場合は、図3に示す工程を順次行う。先ず、図3(A)の光ユニット1を用意した後、光ユニット中間部位の光ファイバ2を取り出す部位に相当する樹脂被覆層4を所定範囲に渡って同図(B)に示すように除去する。樹脂被覆層4の除去は、先の例と同様、ヤスリで擦るか或いは刃物で切り取るようにする。その結果、図3(B)で示すように、樹脂被覆層4で覆われていたフィルム5が露出する。
次に、図3(C)に示すように、樹脂被覆層4が取り除かれた部位のチューブ3を構成するフィルム5の重なり部からフィルム5を開く。フィルム5の重なり部は、フィルム両端縁5a、5bが接着されることなく単に重なっている。そのため、この重なり部を開くことでチューブ3から光ファイバ2を簡単に取り出すことができる。
次に、図3(D)に示すように、チューブ3から外に取り出した光ファイバ2を持ち上げる。すると、フィルム5の重なり部上の樹脂被覆層4は、図3(E)に示すように光ファイバ2によって切り裂かれる。この時、光ファイバ2には、樹脂被覆層4の切裂き時に張力が作用する。しかし、樹脂被覆層4の樹脂の破断伸びとヤング率と樹脂厚さを前記した条件で規定しているため、光ファイバ2の折れや破断を発生させることなく且つ伝送損失を発生させることなく当該光ファイバ2を取り出すことができる。
[引裂き紐を設けた光ユニットの構造説明]
図4は、引裂き紐を光ユニットに設けた例を示している。この光ユニット1では、光ファイバ取出し時に当該光ファイバ2をできる限り曲げないようにするために、引裂き紐を使用している。
引裂き紐6の配置位置は、前記フィルム5の重なり部近傍(突き合わせ部近傍も含む)に、光ファイバ2の長手方向に沿って設けることが望ましい。具体的には、図4(A)に示すように、フィルム5の内側であって重なり部の内側に位置するフィルム端縁5aに引裂き紐6を配置する。または、図4(B)に示すように、重なり部の外側に位置するフィルム端縁5bに引裂き紐6を配置する。更には、図4(C)に示すように、重なり部の上下のフィルム5間に引裂き紐6を配置する。但し、フィルム5と引裂き紐6の間に光ファイバ2が存在するように当該引裂き紐6を配置すると、引裂き紐6を引っ張った時に光ファイバ2を挟んでしまい断線させてしまうので、この位置には配置しないようにする。
前記引裂き紐6には、複数本の光ファイバ2を収納したチューブ3内に存在する水分を吸収する吸収部材を使用することが望ましい。引裂き紐6に吸収部材を使用すれば、チューブ3内に水が浸入した時、水がチューブ長手方向に広がることを止めることができる。吸収部材としては、例えば吸水ヤーンが使用できる。
この光ユニット1では、所定部位の樹脂被覆層4を取り除いて露出させたフィルム5の重なり部を開き引裂き紐6を外へ引っ張り出して持ち上げると、この引裂き紐6によって樹脂被覆層4を切り裂くことができる。そのため、光ファイバ2にテンションを掛けることなく当該光ファイバ2を取り出すことができる。引裂き紐6を用いた場合でも樹脂被覆層4の樹脂の破断伸びが180%を越えると、引裂き紐6のみが引き抜かれて光ユニット1が引きつれを起こす。そのため、前記樹脂には破断伸び180%以下の樹脂を使用する必要がある。
[光ファイバケーブルの構造説明]
図5は、本実施形態の光ユニットをシースで被覆してケーブル内に収納した光ファイバケーブルとした断面図である。図5(A)はルースチューブ型光ファイバケーブル、図5(B)はCスロット型光ファイバケーブルである。
ルースチューブ型光ファイバケーブル7は、図5(A)に示すように、円筒形状のシース8内に本実施形態の光ユニット1を複数本(この例では2本)収納させている。シース8は、例えばポリエチレン樹脂からなり、押し出し成形にて形成される。
Cスロット型光ファイバケーブル9は、図5(B)に示すように、複数本の光ユニット1を収納させるスロット溝10を有した断面C字形状のスロットコア11を有し、そのスロット溝10の開口部を覆う押さえテープ12を含めてスロットコア11全体をシース13で被覆した構造とされている。
このように構成されたルースチューブ型光ファイバケーブル7及びCスロット型光ファイバケーブル9から光ファイバ2を取り出すには、光ファイバ取出し位置に対応するシース8、13を切り取る。そして、シース8、13内に収納された光ユニット1を引き出す。その後の手順は、前記した図2又は図3の手順に従って光ファイバ2を取り出す。
[実施例]
実際に4種類の光ユニットを作製し、それぞれの光ユニットから光ファイバを取り出した時の取り出し易さを調べた。12本の光ファイバを、幅4mmのPETフィルム上に置いて円筒状に成形してチューブとし、そのチューブ外周全体に樹脂(紫外線硬化型樹脂)を塗布し硬化させることで光ユニットを形成した。光ユニットの構造は、図1に示した構造であり、各部位の寸法は表1の通りである。また、塗布した樹脂A〜Dの樹脂特性(破断伸び、ヤング率、破断強度)と光ファイバ取出し性調査結果を表2に示す。
Figure 2012118422
Figure 2012118422
光ファイバ取出し性調査結果は、光ファイバ2をケーブル3から取り出し樹脂被覆層4を引き裂いた時の引裂き力と、光ファイバ2を引っ張った事による光ユニットの引きつれの有無で評価した。引裂き力を測定するには、図6に示すように、光ユニット端末部でケーブル3及び樹脂被覆層4から外に露出した複数本の光ファイバ2の端部にクランプ部材14を取り付け、このクランプ部材14を固定した後、ケーブル3及び樹脂被覆層4の端部に別のクランプ部材15を取り付ける。そして、一方のクランプ部材15を矢印Z方向へ引っ張り、その時のケーブル3及び樹脂被覆層4の引裂き力を測定器で測定する。引っ張りスピードは、500mm/分とした。
引裂き力が0.1kgf未満であった場合を○とし、0.1kgf以上0.5kgf未満の場合を△とし、0.5kgf以上を×とした。表2では、引裂き力を○、△、×で評価した。引裂き力が0.1kgf未満であれば、容易に手で引き裂くことができる。引裂き力が0.1kgf以上0.5kgf未満であれば、抵抗を感じるが手で引き裂くことが可能である。引裂き力が0.5kgf以上であると、引き裂き時に光ファイバの断線が発生する。
樹脂A及びBを使用した光ユニットでは、何れも引裂き力が○であった。樹脂Cを使用した光ユニットは、光ファイバを引っ張るとケーブル3及び樹脂被覆層4を引き裂くことはできたが、引裂き力は樹脂A及びBを用いた光ユニットと比較して大きな値となった。樹脂Dを使用した光ユニットでは、引き裂き時に光ファイバに過剰な曲げが加わったために光ファイバが断線した。
光ファイバを引っ張ったことによる光ユニットの引きつれは、樹脂A、B、Cを使用した光ユニットでは何れも生じなかった。樹脂Dを使用した光ユニットでは、引きつれが生じた。これらの結果から、樹脂被覆層を構成する樹脂の破断伸びが180%以下、且つ前記樹脂のヤング率が50MPa以上1000Mpa以下、また、前記フィルムの突き合わせ部又は重なり部における前記樹脂被覆層の厚みが10μm以上300μm以下であれば、光ファイバを折ったり破断させることなくしかも伝送損失を発生させることなく光ファイバを容易に取り出すことができる。
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、樹脂被覆層4を構成する樹脂の破断伸びを180%以下、ヤング率を50MPa以上1000Mpa以下、厚みを10μm以上300μm以下としたので、樹脂被覆層4を引き裂くための抵抗が小さくなり、該光ファイバ2に過剰な引っ張り力を発生させることなく折れ及び断線させずに当該光ファイバ2を取り出すことができる。
また、本実施形態によれば、フィルム5の突き合わせ部近傍又は重なり部近傍に引裂き紐6を光ファイバ2の長手方向に沿って設けたので、引裂き紐6を引っ張ることで樹脂被覆層4を切り裂くことができ、光ファイバ2を引っ張る必要が無くなる。
また、本実施形態によれば、引裂き紐6を吸収部材としたので、チューブ3内の防水性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、本発明の光ユニット1から光ファイバ2を取り出すに際して、樹脂被覆層4を取り除いた後、フィルム5の突き合わせ部又は重なり部から光ファイバ2を持ち上げると、光ファイバ2で樹脂被覆層4を簡単に引き裂くことができる。
また、本実施形態によれば、引裂き紐6を設けた本発明の光ユニット1から光ファイバ2を取り出すに際して、樹脂被覆層4を取り除いた後、フィルム5の突き合わせ部又は重なり部から引裂き紐6を持ち上げると、この引裂き紐6で樹脂被覆層4を簡単に引き裂くことができ、光ファイバ2に張力を与えないで済む。
また、本実施形態によれば、本発明の光ユニット1を、シース8で被覆してケーブル内に収納して光ファイバケーブル7、9としたので、この光ファイバケーブル7、9を使用することで、光ファイバ2を折らずに且つ破断させることなく光ユニット1から光ファイバ2を容易に取り出すことができる。
本発明は、光ファイバの束を円筒状に成形したフィルムの中に収納し、そのフィルム表面を樹脂で被覆した光ユニットに利用することができる。
1…光ユニット
2…光ファイバ
3…ケーブル
4…樹脂被覆層
5…フィルム
5a、5b…フィルム端縁
6…引裂き紐
7…ルースチューブ型光ファイバケーブル
8…シース
9…Cスロット型光ファイバケーブル

Claims (6)

  1. 帯状のフィルムを円筒形状に成形してフィルム両端縁を突き合わせるか又はフィルム両端縁を円周方向で重ねて形成したチューブ内に複数本の光ファイバが収納され、且つチューブの外周囲を樹脂被覆層で被覆してなる光ユニットであって、
    前記樹脂被覆層を構成する樹脂の破断伸びが180%以下であり、且つ前記樹脂のヤング率が50MPa以上1000Mpa以下であり、また、前記フィルムの突き合わせ部又は重なり部における前記樹脂被覆層の厚みを10μm以上300μm以下とした
    ことを特徴とする光ユニット。
  2. 請求項1記載の光ユニットであって、
    前記フィルムの突き合わせ部近傍又は重なり部近傍に、前記光ファイバの取出し時に前記樹脂被覆層を裂く引裂き紐を、該光ファイバの長手方向に沿って設けた
    ことを特徴とする光ユニット。
  3. 請求項2記載の光ユニットであって、
    前記引裂き紐を、前記複数本の光ファイバを収納した前記チューブ内に存在する水分を吸収する吸水部材とした
    ことを特徴とする光ユニット。
  4. 請求項1に記載の光ユニットから光ファイバを取り出す光ファイバ取出し方法であって、
    前記光ファイバを取り出す部位の前記樹脂被覆層を取り除いた後、前記フィルムの突き合わせ部又は重なり部から前記光ファイバを取り出し持ち上げて前記樹脂被覆層を該光ファイバで引き裂くようにした
    ことを特徴とする光ユニットからの光ファイバ取出し方法。
  5. 請求項2又は請求項3に記載の光ユニットから光ファイバを取り出す光ファイバ取出し方法であって、
    前記光ファイバを取り出す部位の前記樹脂被覆層を取り除いた後、前記フィルムの突き合わせ部又は重なり部から前記引裂き紐を取り出し持ち上げて前記樹脂被覆層を該引裂き紐で引き裂くようにした
    ことを特徴とする光ユニットからの光ファイバ取出し方法。
  6. 請求項1から請求項3の何れか1つに記載の光ユニットを、少なくともシースで被覆してケーブル内に収容した光ファイバケーブル。
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