JP2012118322A - 帯電ローラおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基体と、該導電性基体外周上の導電性弾性体層と、該導電性弾性体層外周上の表面層とを有する帯電ローラであって、該表面層がバインダーと導電性粒子とを含有し、該表面層は膜厚が1μm以上10μm以下であり、表面層における該導電性粒子は5体積%以上30体積%以下存在する。表面層の基層近傍を表面に平行に切断した断面には、導電性粒子の疎な部分と密な部分が斑点状に分布しており、疎な部分が直径10μm以上100μm以下の斑点である。該表面層は表面粗さRzが3μm以下である。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明に係る表面層はバインダーと該バインダーに分散された導電性粒子とを含有している。当該表面層は、1μm以上、10μm以下の厚さを有し、かつ、該導電性粒子を表面層に対して5体積%以上、30体積%以下含んでいる。
そして、該表面層は、基層に近い側を帯電ローラの表面に平行に切断した断面においては、導電性粒子が密に集中している部分と、導電性粒子が疎な部分とを有している。また、導電性粒子が密に集中している部分同士は、導電性粒子が疎な部分により隔てられている。さらに、導電性粒子が疎な部分は、直径が10μm以上、100μm以下である。
一方、導電性粒子の分布が均一な場合には、表面層中の電荷の周り込みが起こる。そのため、導電性が面方向に均一になり、放電が長手方向に連なってしまう。図8にその概念図を示す。また、導電性粒子の分布は均一であるが、表面に凹凸がある場合は、表面層中の電荷の周り込みは起こるが、凸の部分からの放電電荷量が多いため、放電が長手方向には連ならない。図3にその概念図を示す。
1)少なくとも、未加硫のエピクロルヒドリンゴムと、平均粒径が10μm以上100μm以下のフッ素樹脂またはシリコーン樹脂からなる粒子とを含有する未加硫のゴム組成物を該導電性基体外周上に被覆する工程、
2)該未加硫のゴム組成物を加硫する工程、
3)加硫したゴム組成物を研磨し導電性弾性体層を形成する工程、
4)イソシアネートモノマーと導電性粒子とを含む塗料、または、アクリルモノマーと導電性粒子とを含む塗料を該導電性弾性体層外周上に塗布し塗膜を形成する工程、
1)〜3)の工程により、導電性弾性体層の表面が、加硫したエピクロルヒドリンゴムとフッ素樹脂またはシリコーン樹脂からなる粒子とからなるドメイン構造を有する表面になる。
表面層の導電性粒子が疎密分布した塗膜を形成する方法としては、上記の方法に限られたものではない。一例としては、以下のようなものが挙げられる。導電性粒子の濃度の異なる2種類以上の塗料をインクジェットでパターニングして塗膜を形成する方法。導電性粒子の濃度の異なる2種類以上の粉体塗料を静電塗装によって塗装して塗膜形成する方法、導電性粒子を含有する塗料のベナール対流を利用して導電性粒子を偏在させる塗膜の形成方法。
本発明の帯電部材に用いられる導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる導電性弾性体層等を支持する機能を有するものである。材料としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理等を施してもよい。さらに、導電性基体として、樹脂製の基材の表面を金属等で被覆して表面導電性としたものや導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。
導電性弾性体層に用いるバインダーとしては、表面層のバインダーとして用いるイソシアネートモノマーやアクリルモノマーの浸透性が高いため、エピクロルヒドリンゴムを用いる。エピクロルヒドリンは、1×104Ω・cm〜1×108Ω・cm程度の中抵抗領域の導電性を有し、導電性弾性体層の電気抵抗のバラツキを抑制できるので、好適に用いられる。
ここでフッ素樹脂とシリコーン樹脂の粒子の平均粒径は、コールターカウンターマルチサイザー等を用いて測定することができる。
〔表面層〕
続いて、導電性弾性体層の外周上の表面層について述べていく。
ファーネスブラックとしては以下のものが挙げられる。SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、I−ISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEF、GPF、SRF−HS−HM、SRF−LM、ECF、FEF−HS。サーマルブラックとしては、FT、MTがある。
また、これらの導電性粒子を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
導電性粒子は、その表面を表面処理してもよい。表面処理剤としては、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物等が挙げられる。
上記帯電ローラは、表面粗さRzjisが3μm以下であることが好ましい。帯電ローラの表面粗さRzをこの範囲とすることにより、汚れが凹凸に蓄積しにくくすることができる。Rzjisの測定法について下記に示す。JIS B 0601−1994の表面粗さの規格に準じて測定し、表面粗さ測定器「SE−3500」(商品名、株式会社小坂研究所製)を用いて行う。Rzは、帯電部材を無作為に6箇所測定し、その平均値である。尚、測定条件は以下の通りである。
カットオフ値 0.8mm
フィルタ ガウス
予備長さ カットオフ×2
レベリング 直線(全域)
評価長さ 8mm
導電性粒子が疎な部分の直径の算出方法としては、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope)(以降「TEM」と略)の画像から算出する。TEMで観察するサンプルとしては、表面層の基層近傍を表面に平行に切断した薄片を用いる。このとき基層近傍の薄片とは、表面層の膜厚に対して、基層寄りの5分の1の位置を厚さ方向の中心とする膜厚50nmの薄片とする。薄片は超薄切片法によって調整する。切削装置は、クライオミクロトーム(商品名「Leica EM FCS」、ライカマイクロシステムズ株式会社製)を用いる。切削温度は、−100℃とする。この切片を観察するTEMとしては、株式会社日立ハイテクノロジーズ製H−7100FAを用いる。加速電圧は100kVに、視野は明視野にする。この薄片をTEMで観察した画像を、画像処理して、疎な部分の直径を算出する。
導電性粒子の体積%の算出方法としては、原料の配合から算出する方法と製造した表面層から算出する方法がある。
カーボンブラックの場合には、窒素をフローしながら室温から600℃まで昇温し、乾燥空気をフローしながら600℃から900℃まで昇温する条件で測定する。室温から600℃までの減量%は、樹脂分として、600℃から900℃までの減量%は、カーボンブラックとして、900℃の時点で残っている減量%は、灰分として扱う。このカーボンブラックの減量%を比重で割ったものが、カーボンブラックの体積%となる。
上記表面層は、その膜厚が、1μm以上10μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以上5μm以下である。1μm未満である場合は、帯電ローラの抵抗に対する導電性弾性体層の寄与が大きくなり、導電性弾性体層の表面にフッ素樹脂粒子やシリコーン樹脂粒子がある部分の抵抗が高くなりすぎるため、点状の画像不良が発生するため好ましくない。10μm以上である場合には、導電性弾性体層の表面にフッ素樹脂粒子やシリコーン樹脂粒子がある部分にも電荷が表面層中に回り込み、導電性の分布ができないために好ましくない。
導電性粒子の疎な部分と密な部分における導電性の測定は、原子間力顕微鏡(AFM)(Q−scope250:Quesant社)を用いて、導電性モードによって測定した測定値を採用することができる。図5に導電性測定装置の構成図を示す。帯電ローラ61の導電性基体に直流電源(6614C:Agilent社)64を接続して10Vを印加し、表面層にはカンチレバー62の自由端を接触させ、AFM本体63を通して電流像を得る。測定の条件を表1に示す。斑点状の導電性粒子の疎な部分について、100箇所測定し、その平均値を得る。密な部分の平均電流値を疎な部分の平均電流値で割った値を抵抗比とする。抵抗比が大きいほど、密な部分の体積抵抗が疎な部分の体積抵抗に比べて低いことを示す。
本発明の帯電ローラを備える電子写真装置の一例の概略構成を図6に示す。
電子写真装置は、感光体、感光体を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、転写材に転写する転写装置、感光体上の転写トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置等から構成されている。
感光体71は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。感光体71は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
帯電装置は、感光体71に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ72を有する。帯電ローラ72は、感光体の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源713から所定の直流電圧を印加することにより、感光体を所定の電位に帯電する。
感光体71に静電潜像を形成する潜像形成装置78は、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された感光体に画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、感光体に近接又は接触して配設される現像ローラ73を有する。感光体帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーを反転現像により、静電潜像をトナー像に可視化現像する。
転写装置は、接触式の転写ローラ75を有する。感光体からトナー像を普通紙などの転写材74(転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。)に転写する。
クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材77、回収容器を有し、転写した後、感光体上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。
ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。
定着装置76は、加熱されたローラ等で構成され、転写されたトナー像を転写材74に定着し、機外に排出する。
図7に示すように、感光体71、帯電装置72、現像装置73、クリーニング装置77等を一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計されたプロセスカートリッジを用いることもできる。
すなわち、帯電ローラ72が感光体71と少なくとも一体化され、電子写真装置本体に着脱自在に構成されているプロセスカートリッジであり、該帯電ローラが上記の帯電ローラである。
また、電子写真装置は、少なくとも、プロセスカートリッジ、露光装置及び現像装置を有し、該プロセスカートリッジが上記のプロセスカートリッジである。
Φ6mm、長さ252.5mmの鉄製の円柱に、熱硬化性接着剤(メタロックU−20:株式会社東洋化学研究所製)を塗工し、乾燥したものを導電性基体として使用した。次いで、下記表1に記載の各材料を密閉型ミキサーにて10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、シリコーン樹脂粒子2(平均粒径12μm、商品名「トスパール3120」、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ株式会社製)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層2を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、シリコーン樹脂粒子3(平均粒径100μm。両末端がヒドロキシル基であるジメチルポリシロキサン、両末端がトリメチルシロキシ基であるメチルハイドロジェンポリシロキサン、触媒からなる液状シリコーン組成物を純水中でエマルジョン化した後、硬化させ、加熱して水分を除去したシリコーン樹脂粒子。)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層3を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、シリコーン樹脂粒子4(平均粒径5μm、商品名「X−52−1621」:信越化学工業株式会社製)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層2を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、シリコーン樹脂粒子5(平均粒径200μm。両末端がヒドロキシル基であるジメチルポリシロキサン、両末端がトリメチルシロキシ基であるメチルハイドロジェンポリシロキサン、触媒からなる液状シリコーン組成物を純水中でエマルジョン化した後、硬化させ、加熱して水分を除去したシリコーン樹脂粒子。)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層5を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、フッ素樹脂粒子1(平均粒径30μm、商品名「テフロン(登録商標)7A」:三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層6を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、フッ素樹脂粒子2(平均粒径10μm、商品名「PTFEパウダー」:サンプラテック株式会社製)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層7を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、フッ素樹脂粒子3(平均粒径100μm。商品名「テフロン(登録商標)850A」:三井・デュポンフロロケミカル株式会社製を粉砕し分級したもの。)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層8を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、フッ素樹脂粒子4(平均粒径5μm、商品名「ルブロン L−5」:ダイキン工業株式会社製)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層9を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、フッ素樹脂粒子5(平均粒径200μm。商品名「テフロン(登録商標)850A」:三井・デュポンフロロケミカル株式会社製を粉砕し分級したもの。)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層10を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)を入れない以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層11を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、シリコーンエラストマー粒子1(平均粒径30μm、商品名「KMP602」:信越シリコーン株式会社製)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層12を得た。
製造例1のシリコーン樹脂粒子1(平均粒径30μm)の替わりに、ヒドリンゴム粒子1(平均粒径30μm。製造例1の導電性弾性体層1を粉砕して分級したもの。)を用いた以外は製造例1と同様の方法で、導電性弾性体層13を得た。
以下のものを混合し混合液を調製した。
表面層のバインダーとなるアクリルモノマーとしてトリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート(3官能、分子量428、3molエチレンオキサイド付加物) 95質量部
シランカップリング剤(商品名「KBM−5103」:信越化学工業株式会社製) 5質量部
導電性粒子としてカーボンブラック(商品名「#52」:三菱化学株式社製) 20質量部(10体積%相当)
メチルイソブチルケトン(MIBK) 400質量部
ガラス瓶に混合液と平均粒径0.8mmのガラスビーズとを共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて60時間分散して表面層用塗料1−1を調製した。
製造例14のカーボンブラック 20質量部を8質量部(5体積%相当)にした以外は製造例1と同様の方法で、表面層用塗料1−2を得た。
製造例14のカーボンブラック 20質量部を70質量部(30体積%相当)にした以外は製造例1と同様の方法で、表面層用塗料1−3を得た。
製造例14のカーボンブラック 20質量部を6質量部(4体積%相当)にした以外は製造例1と同様の方法で、表面層用塗料1−4を得た。
製造例14のカーボンブラック 20質量部を160質量部(50体積%相当)にした以外は製造例1と同様の方法で、表面層用塗料1−5を得た。
以下のものを混合し混合液を調製した。
表面層のバインダーとなるアクリルモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(3官能、分子量296) 95質量部
シランカップリング剤(KBM−5103:信越化学工業株式会社製) 5質量部
導電性粒子としてカーボンブラック(商品名「#52」、三菱化学株式社製)20質量部(10体積%相当)
メチルイソブチルケトン(MIBK) 400質量部
ガラス瓶に混合液と平均粒径0.8mmのガラスビーズとを共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて60時間分散して表面層用塗料2−1を調製した。
製造例19のカーボンブラック 20質量部を8質量部(5体積%相当)にした以外は製造例19と同様の方法で、表面層用塗料2−2を得た。
製造例19のカーボンブラック 20質量部を70質量部(30体積%相当)にした以外は製造例19と同様の方法で、表面層用塗料2−3を得た。
以下のものを混合し混合液を調製した。
表面層のバインダーとなるアクリルモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6官能、分子量578) 95質量部
シランカップリング剤(KBM−5103:信越化学工業株式会社製) 5質量部
導電性粒子としてカーボンブラック 20質量部(10体積%相当)
メチルイソブチルケトン(MIBK) 400質量部
ガラス瓶に混合液と平均粒径0.8mmのガラスビーズとを共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて60時間分散して表面層用塗料3−1を調製した。
製造例22のカーボンブラック 20質量部を8質量部(5体積%相当)にした以外は製造例22と同様の方法で、表面層用塗料3−2を得た。
製造例22のカーボンブラック 20質量部を70質量部(30体積%相当)にした以外は製造例22と同様の方法で、表面層用塗料3−3を得た。
以下のものを混合し混合液を調製した。
表面層のバインダーとなるポリオールとして(商品名「プラクセルDC2016」:ダイセル化学工業株式会社製)(固形分70質量%) 100質量部
表面層のバインダーとなるイソシアネートモノマーとしてブロックイソシアネートIPDI(商品名「ベスタナートB1370」:デグサ・ヒュルス社製) 22.5質量部
表面層のバインダーとなるイソシアネートモノマーとしてブロックイソシアネートHDI(商品名「デュラネートTPA−B80E」:旭化成工業株式会社製)33.6質量部
導電性粒子としてカーボンブラック 30質量部(10体積%相当)
メチルイソブチルケトン(MIBK) 500質量部
ガラス瓶に混合液と平均粒径0.8mmのガラスビーズとを共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて60時間分散して表面層用塗料4−1を調製した。
製造例25のカーボンブラック 50質量部を14質量部(5体積%相当)にした以外は製造例25と同様の方法で、表面層用塗料4−2を得た。
製造例25のカーボンブラック 50質量部を140質量部(30体積%相当)にした以外は製造例25と同様の方法で、表面層用塗料4−3を得た。
以下のものを混合し混合液を調製した。
表面層のバインダーとしてポリアミド樹脂(商品名「アラミンCM8000」:東レ株式会社製) 100質量部
導電性粒子としてカーボンブラック 20質量部(10体積%相当)
エタノール 400質量部
ガラス瓶に混合液と平均粒径0.8mmのガラスビーズとを共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて60時間分散して表面層用塗料5−1を調製した。
製造例14のカーボンブラック 20質量部を導電性酸化スズ 60質量部(10体積%相当)に替えた以外は製造例14と同様の方法で、表面層用塗料6−1を得た。
製造例29の導電性酸化スズ 60質量部を30質量部(5体積%相当)にした以外は製造例29と同様の方法で、表面層用塗料6−2を得た。
製造例29の導電性酸化スズ 60質量部を240質量部(30体積%相当)にした以外は製造例29と同様の方法で、表面層用塗料6−3を得た。
製造例29の導電性酸化スズ 60質量部を24質量部(4体積%相当)にした以外は製造例29と同様の方法で、表面層用塗料6−4を得た。
製造例29の導電性酸化スズ 60質量部を550質量部(50体積%相当)にした以外は製造例29と同様の方法で、表面層用塗料6−5を得た。
導電性弾性体層12の表面に表面層用塗料1−1を、ディッピング塗工した。その後、常温で30分間以上風乾して、電子線照射装置(商品名「ELECTOROBEAM-C EC150/45/40mA」:岩崎電気株式会社製)を用いて表面層用塗料1−1を電子線架橋し帯電ローラを得た。電子線は、加速電圧150kV、線量1200kGy、酸素濃度300ppm以下の条件で照射した。更に160℃で1時間加熱して、表面層用塗料1−1の架橋を完結させた。こうして導電性基体上に導電性弾性体層及び表面層を有する帯電ローラを得た。
得られた帯電ローラについて、膜厚、表面層の導電性粒子が疎な部分の直径、疎な部分と密な部分の抵抗比を測定した。結果を表4に示す。
また、得られた帯電ローラを用いて、以下のように画像ムラの評価を行った。
作製した帯電ローラを、電子写真装置(LBP5400:キヤノン株式会社製)の記録メディアの出力スピードが200mm/secになるよう改造した改造機のブラックカートリッジに装着した。この改造機により、15℃/10%RHの環境下で、画像の出力を行った。
画像出力条件としては、A4紙の画像形成領域の1面積%にランダムに印字した画像を使用し、1枚画像を出力すると電子写真装置を停止させ、10秒後また画像形成動作を再開するという動作を繰り返し3万枚の画像出力耐久試験を行った。3万枚耐久後の評価用画像の出力条件は、ハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く、中間濃度の画像)を1枚出力した。この画像を用い、以下の基準で評価を行った。
A:横スジ状の画像ムラも点状の画像ムラもなかった。
B:軽微な横スジ状の画像ムラもしくは軽微な点状の画像ムラがあった。
C:横スジ状の画像ムラが画像の広範囲にあり、画像品位を著しく損なっていた。もしくは、点状の画像ムラが画像の広範囲にあり、画像品位を著しく損なっていた。
実施例1では、疎な部分の大きさが10μm以上100μm以下の範囲に入っており、疎な部分と密な部分の抵抗比が適正であった。そのため、横スジ状の画像ムラはランクAになり、高い画像品位を保っていた。結果を表4に示す。
実施例1の導電性弾性体層12に替えて、表3に記載する導電性弾性体層1・3・4・6・8・9を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2〜7の帯電ローラを作製した。
実施例1の導電性弾性体層12に替えて、表3に記載する導電性弾性体層2・5・7・10・11・13を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1〜6の帯電ローラを作製した。
実施例2〜7、比較例1〜6の帯電ローラについて、膜厚、表面粗さRz、表面層の導電性粒子が疎な部分の直径、疎な部分と密な部分の抵抗比を測定した。結果を表4に示す。
また、実施例2〜7、比較例1〜6の帯電ローラを用いて、画像ムラの評価を行った。結果を表4に示す。
実施例1の表面層用塗料1−1の替わりに、表6に示す表面層用塗料を用い、以下に示すように塗布と架橋の条件を変更した以外は、実施例1の帯電ローラと同様の方法で実施例8〜42の帯電ローラを作製した。
下記のように塗布条件を変更することで膜厚を調整した。実施例8〜10、16〜18、25〜27、34〜36においては、固形分が元の1/3になるように表面層用塗料をMIBKで希釈した。実施例13〜15、22〜24、31〜33、40〜42においては、表面層塗料が元の固形分の2倍になるまで、MIBKを蒸発させた。
バインダーの種類に合わせて下記のように架橋条件を変更した。実施例34〜42では、電子線架橋をせず、160℃で1時間加熱して架橋させた。
実施例1の表面層用塗料1−1の替わりに、表6に示す表面層用塗料を用い、以下に示すように塗布と架橋の条件を変更した以外は、実施例1の帯電ローラと同様の方法で比較例7〜11の帯電ローラを作製した。
下記のように塗布条件を変更することで膜厚を調整した。比較例7においては、固形分が元の1/10になるように表面層用塗料をMIBKで希釈した。比較例10においては、表面層塗料が元の固形分の4倍になるまで、MIBKを蒸発させた。
バインダーの種類に合わせて下記のように架橋条件を変更した。比較例11では、風乾して溶媒を揮発させる以外は何も行わなかった。
抵抗比が4以上50以下の場合(実施例9、14、16〜24,26、28〜30,32が該当)にはランクA、2以上4未満の場合(実施例8、10〜13、15、25、27、31、33〜42が該当)にはランクB、2未満の場合(比較例8〜11が該当)には横スジ状の画像ムラが発生してランクC、50より大きい場合(比較例7が該当)は、点状の画像ムラが発生してランクCであった。
実施例1の表面層用塗料1−1の替わりに、表7に示す表面層用塗料6−1〜6−3を塗布した以外は、実施例1の帯電ローラと同様の方法で実施例43〜45の帯電ローラを作製した。
実施例1の表面層用塗料1−1の替わりに、表7に示す表面層用塗料6−4〜6−5を塗布した以外は、実施例1の帯電ローラと同様の方法で比較例12〜13の帯電ローラを作製した。
12‥‥導電性弾性体層
13‥‥表面層
21‥‥導電性粒子
22‥‥表面層のバインダー
23‥‥導電性弾性体層
24‥‥表面層中の電荷の流れ
53‥‥加硫したエピクロルヒドリンゴム
56‥‥フッ素樹脂またはシリコーン樹脂からなる粒子
61‥‥帯電ローラ
62‥‥カンチレバー
63‥‥AFM本体
64‥‥直流電源(6614C:Agilent社)
71‥‥感光体
72‥‥帯電ローラ
73‥‥現像ローラ
74‥‥印刷メディア
75‥‥転写ローラ
76‥‥定着装置
77‥‥クリーニングブレード
78‥‥露光装置
79‥‥帯電前露光装置
710‥弾性規制ブレード
711‥トナー供給ローラ
712、713、714‥電源
81‥‥トナーシール
Claims (3)
- 導電性基体と、該導電性基体外周上の導電性弾性体層と、該導電性弾性体層外周上の表面層とを有し、表面の十点平均粗さRzjisが3μm以下である帯電ローラであって、
該表面層は、
バインダーと導電性粒子とを含有し、膜厚が1μm以上10μm以下であり、
該導電性粒子は該表面層に対して、5体積%以上30体積%以下の割合で含有されており、
該表面層の基層近傍の、該帯電ローラの表面と平行に切断した断面においては、該導電性粒子が密に集中している部分と該導電性粒子が疎な部分とが存在し、
該導電性粒子が密に集中している部分同士は、該導電性粒子が疎な部分によって互いに隔てられており、かつ、該導電性粒子が疎な部分の直径が、10μm以上、100μm以下であることを特徴とする帯電ローラ。 - 前記導電性粒子が密に集中している部分の体積抵抗が、103〜109Ω・cmであり、前記導電性粒子が疎な部分の体積抵抗が、該導電性粒子が密に集中している部分の体積抵抗の2倍以上、100倍以下である請求項1に記載の帯電ローラ。
- 導電性基体と、該導電性基体外周上の導電性弾性体層と、該導電性弾性体層外周上の表面層とを有する帯電ローラの製造方法であって、
(1)未加硫のエピクロルヒドリンゴムと、平均粒径が10μm以上100μm以下のフッ素樹脂またはシリコーン樹脂からなる粒子とを含有する未加硫のゴム組成物の層を該導電性基体外周上に形成する工程と、
(2)該未加硫のゴム組成物を硬化せしめ、硬化したゴム組成物を研磨し導電性弾性体層を形成する工程と、イソシアネートモノマーと導電性粒子とを含む塗料、または、アクリルモノマーと導電性粒子とを含む塗料を該導電性弾性体層外周上に塗布し塗膜を形成する工程と、
(3)該塗膜を架橋させて表面層を形成する工程とを有し、
該イソシアネートモノマーまたはアクリルモノマーの加硫したエピクロルヒドリンゴムへの浸透率が、該イソシアネートモノマーまたはアクリルモノマーのフッ素樹脂またはシリコーン樹脂からなる粒子への浸透率より大きいことを特徴とする請求項1に記載の帯電ローラの製造方法。
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