JP2006084678A - 電子写真用部材および画像形成装置 - Google Patents

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泰裕 内藤
Shunichiro Nishida
俊一郎 西田
Hiroharu Nakayama
寛晴 中山
Daisuke Miura
大祐 三浦
Naotoshi Miyamachi
尚利 宮町
Kazutaka Takeuchi
一貴 竹内
Taku Kanai
卓 金井
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【課題】高い絶縁破壊電圧と高いフィルム強度、難燃性、及びキャリアー傷による耐久性、クリーニング性の悪化を低減することができる、画像特性に優れた電子写真用部材を提供することにある。
【解決手段】樹脂及び導電性カーボンを含んでいる基材を具備している電子写真用部材であって、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び導電フィラーを含む膜の硬化膜からなるする表面層を有していることを特徴とする電子写真用部材転写材担持部材。
【選択図】なし

Description

本発明は、転写材担持部材や中間転写部材等に用いる電子写真用部材、及びそれを用いた画像形成装置(電子写真装置)に関するものである。
従来より、画像担持体上の画像を転写材に転写するとき用いられる転写材担持部材としては様々なものがある。たとえば、(帯電)−(像露光)−(トナー現像)−(転写)−(クリーニング)と言った画像形成手段を有する電子写真装置においては、感光体上のトナー画像を転写材(たとえば紙)に転写する手段として図1および図2にそれぞれ示されるような転写ドラムおよび転写装置が挙げられる。また、画像担持体上の画像を転写材に転写する前に中間転写部材上に転写し、中間転写部材上からトナー画像を転写材に転写して画像形成する電子写真装置としては、図3に示されるような転写装置が挙げられる。
図1において、転写ドラム10は、両端に配置されたシリンダ12、13及びこれらのシリンダを連結する連結部14とから構成される支持体を有し、この支持体の外周面開口域には、転写材担持部材11が張設される。また前記連結部14には、給紙装置から送給された転写材を把持する転写材グリッパ15を有する。このように構成された転写ドラム10は、図2に示す転写装置に配置され、その内側および外側には転写用放電器21、および除電手段を構成する内側除電用放電器23および外側除電用放電器22、24が配置される。なお符号25は放電ワイヤー、26は絶縁性部材、27は押圧部材、28は分離爪、31は回転式現像装置を示す。なお図3に示す画像形成装置については後述する。
上記のような画像形成装置における転写工程において、転写材担持部材には転写材の搬送、転写帯電、除電及びクリーニングなど様々な機械的あるいは電気的外力が加えられるため、これら外力に対する耐久性、すなわち機械的強度、耐磨耗性や電気的耐久性といった様々な特性が要求される。また中間転写部材に関しても、同様の特性が要求される。特に近年、電子写真プロセスの更なる高速化と共に、画像のカラー化・フルカラー化を実現するために、シアン,マゼンタ,イエローの3色またはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナー像を順次連続的に転写材担持部材上の転写材に、または中間転写部材に転写を行う電子写真装置を使用するようになってきている。このように特にフルカラーの場合、連続的に転写工程を行うため、転写材担持部材または中間転写部材のチャージアップ特性や耐電圧特性、及び機械的特性の条件も更に厳しくする必要が生じている。
従来、転写材担持部材または中間転写部材としては、テフロン,ポリエステル,ポリフッ化ビニリデン,トリアセテート、及びポリカーボネート等の樹脂や、イソプレン,ブタジエン,スチレン−ブタジエン,クロロプレン−アクリルゴム,ウレタン,シリコーン,アクリル等のエラストマーが用いられてきたが、これら単体では抵抗値が高すぎ連続転写時にチャージアップの現象が起き、転写抜けや転写不良等の問題が生じることがあった。またチャージアップ対策として抵抗を下げるために、カーボンブラックや金属、金属酸化物などの導電フィラーの分散が提案されている(特許文献1)。しかし、本発明者の検討によれば、これらの方法では絶縁破壊電圧の低下、機械的強度の低下、電気的・機械的耐久劣化などが起こりやすく、このことは画像特性に悪影響を与える恐れがある。原因として、導電性フィラーを分散する場合、これらの樹脂とフィラーの相容性が悪いため、分散の不均一またはフィラーの凝集などが起こり、これによりミクロ的な抵抗の不均一化による絶縁破壊電圧が低下し、同時にバインダー高分子化合物本来の機械的強度を低下させると推測される。また、カーボンブラック等を添加した場合、その転写材担持部材または中間転写部材の難燃性は著しく低下する。
さらに、感光ドラムにトナーを転写する際、トナーの帯電性、搬送性を上げ、転写効率を向上させるため、鉄粉、フェライト、磁性粉などいわゆるキャリアーをトナーに混入し、トナーのみ転写材担持部材または中間転写部材に転写しているが、感光ドラム上でキャリアーを完全には回収できないため、感光ドラム上の残キャリアーが転写材担持部材または中間転写部材に付着することがある。この状態でクリーニング、及び次の転写を行っているため、キャリアーによる引掻き傷が発生し、転写材担持部材または中間転写部材を傷め、耐久性を低下させ、さらには画像特性、クリーニング性に悪影響を与えている。
特開2000−47455号公報
よって本発明の目的は、高い絶縁破壊電圧と高いフィルム強度、難燃性、及びキャリアー傷による耐久性、クリーニング性の悪化を低減することができる、画像特性に優れた電子写真用部材を提供することにある。
また本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を安定して得られる画像形成装置を提供することにある。
即ち、本発明の一態様に係る電子写真用部材は、樹脂及び導電性カーボンブラックを含んでいる基材を具備している電子写真用部材であって、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び導電フィラーを含む膜の硬化膜からなるする表面層を有していることを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る電子写真装置は、上記の電子写真用部材を具備していることを特徴とするものである。
本発明によれば、導電性を付与した表面コート層を基材表面に積層することで、必要な抵抗値が得られ、フィルム強度、クリーニング性、及び耐久性が大幅に向上し、繰り返し使用しても転写ムラや転写抜けなどの欠陥のない良好な画像の得られる転写材担持部材または中間転写部材等に用いられる電子写真用部材、およびそれを用いた画像形成装置を得ることができる。
本発明に係る電子写真用部材は、樹脂及び導電性カーボンブラックを含んでいる基材を具備し、且つジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び導電フィラーを含む膜の硬化膜からなる表面層を有している点に一つの特徴を有する。
(1)基材について;
(1−i)基材の構成成分であるところの樹脂としては、基材に良好な難燃性を担持させるために、シロキサン構造を含む構成単位とフルオレン構造を含む構成単位とを有する熱可塑性ポリカーボネート樹脂(以降「第1のポリカーボネート樹脂」と略)を含むものを用いることができる。また、上記シロキサン構造を含む構成単位とフルオレン構造を含む構成単位とを有する熱可塑性ポリカーボネート樹脂とは異なる第2のポリカーボネート樹脂を更に含んでいてもよい。
以下に第1及び第2のポリカーボネート樹脂について詳述する。
先ず、前記第1のポリカーボネート樹脂を構成する、シロキサン構造を含む構成単位、及びフルオレン構造を含む構成単位の具体例としては、各々下記式(1)および(3)で示されるものが挙げられる。
Figure 2006084678
(式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または炭素数7〜17のアラルキル基であり、R5〜R8は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基または炭素数7〜17のアラルキル基であり、R9及びR10は各々独立して単結合又は炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表し、Xは、−SiO(R11)(R12)−で示される構成単位、−SiO(R13)(R14)−で示される構成単位、及び−SiO(R29)(R30)−で示される構成単位から選ばれる少なくとも一つの単独重合体、若しくは二つ又は三つのブロック共重合体またはランダム共重合体を表し、重合度は0〜200であり、R11〜R14、R29およびR30は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または炭素数7〜17のアラルキル基である)
Figure 2006084678
(式(3)中、R25〜R28は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す)。
また前記第2のポリカーボネート樹脂としては、上記一般式(1)で示される構成単位と、下記式(2)で示される構成単位と、を有しているものが挙げられる。
Figure 2006084678
(式(2)中、R15〜R18は、各々独立して、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、Yは、
Figure 2006084678
であり、ここにR19〜R24は、各々独立して、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表すか、R21とR22、および/またはR23とR24が一緒に結合して、炭素数3〜12の炭素環または複素環を形成する基(但し、フルオレン構造を除く)を表し、aは0〜20の整数を表す)。
前記一般式(1)で示されるポリシロキサン構造を含む構成単位を誘導する化合物の具体例としては、下記のものが例示される。
Figure 2006084678
これらは、2種類以上併用することも可能である。Xには、ジメチルシロキサンが1〜100個またはジフェニルシロキサンが1〜100個含まれるものおよびそれらのランダム共重合体が好ましい。中でも、特に、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルジフェニルランダム共重合シロキサン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが好ましい。
また、前記一般式(3)で示されるフルオレン構造を含む構成単位を誘導する化合物としては、具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,6−ジメチル−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,5−ジメチル−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,6−ジメチル−9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,6−ジフェニル−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等を挙げることができる。特に9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。これらの化合物は2種以上併用して使用することも可能である。
第2のポリカーボネート樹脂中の、前記一般式(2)で示される構成単位を誘導する化合物としては、具体的には、例えば4,4’−ビフェニルジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ−ルA;BPA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ;BPZ)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ジメチルビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(ビスフェノールAP;BPAP)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(トリメチルビスフェノール−Z;TMBPZ)等が例示される。これらは2種類以上併用することも可能である。またこれらの中で特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
尚、第1のポリカーボネート樹脂は、前記一般式(1)及び(3)で示される構成単位以外の構成単位を含んでいてもよく、例えば第2のポリカーボネート樹脂の構成単位として述べた前記一般式(2)で示される構成単位を含んでいてもよい。そして第1のポリカーボネート樹脂は、例えば前記一般式(1)で示される構成単位を誘導する化合物と、前記式(3)で示される構成単位を誘導する化合物と、更には前記式(1)及び(3)で示される構成単位以外の構成単位、例えば前記式(2)で示される構成単位を誘導する化合物と、の総質量に対し、前記一般式(1)で示される構成単位を誘導する化合物を10〜90質量%、前記式(3)で示される構成単位を誘導する化合物を10〜90質量%、前記式(1)及び(2)以外の構成単位を誘導する化合物を0〜80質量%を、各々炭酸エステル形成化合物と反応させることによって合成される。また、第2のポリカーボネート樹脂は、例えば前記式(1)で示される構成単位を誘導する化合物と、前記式(2)で示される構成単位を誘導する化合物と、の総質量に対し、前記式(1)で示される構成単位を誘導する化合物を0.1〜50質量%、前記式(2)で示される構成単位を誘導する化合物を50〜99.9質量%を、各々炭酸エステル形成化合物と反応させることにより合成される。
上記の各構成単位を誘導する化合物と炭酸エステル形成化合物との反応方法としては、例えば、ビスフェノールAから誘導されるポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるいはビスフェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)などの方法を採用することができる。
また上記炭酸エステル形成化合物としては、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのビスアリールカーボネートが挙げられる。これらの化合物は2種類以上併用して使用することも可能である。
前者のホスゲン法においては、通常酸結合剤および溶媒の存在下において、本発明における一般式(1)で示される構成単位を誘導する化合物、一般式(2)で示される構成単位を誘導する化合物、一般式(3)で示される構成単位を誘導する化合物とを、ホスゲンと反応させる。酸結合剤としては、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、キシレンなどが用いられる。さらに、縮重合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン触媒などの触媒を、また重合度調節には、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、アルキル置換フェノール類、ヒドロキシ安息香酸アルキル類やアルキルオキシフェノール類などの一官能基化合物を分子量調節剤として加える。さらに、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α’’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンなど分岐化剤を少量添加してもよい。反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするのが適当である。反応時間は反応温度によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持することが望ましい。
一方後者のエステル交換法においては、本発明における一般式(1)で示される構成単位を誘導する化合物、一般式(2)で示される構成単位を誘導する化合物および一般式(3)で示される構成単位を誘導する化合物とをビスアリールカーボネートと混合し、減圧下で高温において反応させる。この時、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、アルキル置換フェノール類、ヒドロキシ安息香酸アルキル類やアルキルオキシフェノール類などの一官能基化合物を分子量調節剤として加えてもよい。反応は通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応により生成した該ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜6時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、また、所望に応じ、酸化防止剤や分岐化剤を添加して反応を行ってもよい。ホスゲン法とエステル交換法では、一般式(1)で示される構成単位を誘導する化合物、一般式(2)で示される構成単位を誘導する化合物および一般式(3)で示される構成単位を誘導する化合物の反応性を考慮した場合、ホスゲン法が好ましい。
本発明においてホスゲン法を採用する場合は、用いられる三級アミン重合触媒として、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N’―ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’―ジエチルアニリン、ジエチルアミノピリジン等があるが、触媒活性や洗浄除去の問題からトリエチルアミンが好ましい。重合触媒の添加量は、使用される全ビスフェノール類に対して、0.001〜5mol%が好ましい。
本発明においてホスゲン法を採用する場合は、反応を効率よく行うため第四級アンモニウム塩を少量添加してもよい。具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイドなどが例示され、これらのうちトリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドが好ましい。この第四級アンモニウム塩は、使用される全ビスフェノール類に対して、一般に0.0005〜5mol%使用されることが好ましい。
更に本発明に分子量調節剤を用いる場合には、特に一価フェノールが好ましく、具体的には、フェノールやブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デカニルフェノール、テトラデカニルフェノール、ヘプタデカニルフェノール、オクタデカニルフェノール等のアルキル置換フェノール;ヒドロキシ安息香酸ブチル、ヒドロキシ安息香酸オクチル、ヒドロキシ安息香酸ノニル、ヒドロキシ安息香酸デカニル、ヒドロキシ安息香酸ヘプタデカニル等のヒドロキシ安息香酸アルキルエステル;ブトキシフェノール、オクチルオキシフェノール、ノニルオキシフェノール、デカニルオキシフェノール、テトラデカニルオキシフェノール、ヘプタデカニルオキシフェノール、オクタデカニルオキシフェノール等のアルキルオキシフェノール類が例示される。この分子量調節剤の添加量は全ビスフェノール類に対して0.1〜50mol%である。好ましくは、0.5〜10mol%である。
これらの反応で合成された本発明に関る第1のポリカーボネート樹脂と、第2のポリカーボネート樹脂は、極限粘度が0.2〜1.0dl/gの範囲であることが、機械的強度に優れ、且つ成形性にすぐれたものとなる点で好ましい。
更に、第1及び第2のポリカーボネート樹脂の全使用モノマー中、前記一般式(1)で示される構成単位を誘導する化合物が1〜50質量%、好ましくは2〜20質量%である。第1及び第2のポリカーボネート樹脂の全使用モノマー中、前記一般式(1)で示される構成単位を誘導する化合物の全使用モノマーに対する割合を上記の範囲とすることで、本発明に係る転写材担持部材、中間転写体に目標とする難燃性(例えば、UL、94V−1、94VTM−1)を確実に付与することができ、また成形品として十分な強度を担持させることができるものである。
第1及び第2のポリカーボネート樹脂組成物は、窒素下における熱重量分析において、1%加熱減量温度が380℃以上、および/または5%加熱減量温度が430℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは、1%加熱減量温度が400℃以上、および/または5%加熱減量温度が450℃以上であることが好ましい。
(1−ii)導電性カーボンについて;
本発明の熱可塑性ポリカーボネート樹脂組成物に用いられる導電性カーボンの一例としての導電性カーボンブラックとしては、例えばスーパーコンダクティブファーネスブラック、コンダクティブファーネスブラック、エキストラコンダクティブファーネスブラック、スーパーアブレージョンファーネスブラック、ケッチェンブラックECやケッチェンブラック600JD、及びカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等を用いることができる。
導電性カーボンブラックは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が100〜500ml/100g、好ましくは120〜400ml/100gであることが必要である。DBP吸油糧が500ml/100gより大きい場合、カーボンの分散状態が悪化し、樹脂組成物を成型した際に凝集塊が多量に存在することになり、また、DBP吸油量が100ml/100g以下未満の場合、導電性付与効果に劣ることとなり、好ましくない。このような特性を有するカーボンブラックとしては、導電性カーボンブラックとして市販されているもの、例えばライオン社製ケッチェンブラックEC(商品名)、キャボット社製バルカンXC−72,XC−305,XC−605(以上商品名)、電気化学工業社デンカブラック(商品名)などが挙げられ、その他ナフサなどの炭化水素を水素及び酸素の存在下で部分酸化して、水素及び一酸化炭素を含む合成ガス製造する際に副生する上記特性のカーボンブラック、あるいはこれを酸化または還元処理を行った上記特性のカーボンブラックなどが挙げられる。なお、上記導電性カーボンブラックとしては、平均粒径が10〜100μm、比表面積が200m2/g以上のものが好ましい。
導電性カーボンの一種として、炭素繊維も挙げることもできる。具体例として、平均繊維径(直径)200nm以下の炭素繊維であり、筒状の構造を有する繊維で、単層構造でも多層構造でもよい。例えば特表平8−508534号公報に記載されている炭素フィブリル等が好ましく使用できる。炭素フィブリルは、当該フィブリルの円柱状軸に実質的に同心的に沿って沈着されているグラファイト外層を有し、その繊維中心軸は直線状でなく、曲がりくねった管状の形態を有する。この炭素フィブリルの平均繊維径は、製法に依存し、ほぼ均一なものである。炭素フィブリルの平均繊維径が200nmより大きいと、樹脂中でのフィブリル同士の接触が不十分となり、安定した抵抗値が得られ難い。従って、炭素フィブリルとしては平均繊維径200nm以下のものを用いる。特に炭素フィブリルの平均繊維径が20nm以下であると、得られる成形体の抵抗値が均一になるので望ましい。ただし、炭素フィブリルの平均繊維径が過度に小さいと、製造が著しく困難となるため、炭素フィブリルの平均繊維径は0.1nm以上、特に0.5nm以上であることが望ましい。
また、炭素フィブリルは、長さと平均繊維径との比(長さ/径)が5以上のものが好ましく、特に100以上、とりわけ1000以上の長さ/径比を有するものが望ましい。また、微細な管状の形態を有するフィブリルの壁(管状体の壁厚)厚みは、通常3.5〜75nm程度である。これは、通常フィブリルの外径の約0.1〜0.4倍に該当する。
本発明に係るポリカーボネート樹脂組成物中の導電性カーボン量は、基材の全質量に対して0.5〜30質量%、好ましくは0.5〜15質量%である。この範囲内とすることで、基材の成形性、機械的強度を維持し、基材の導電性も良好なものとなる。なお、導電性カーボンの量が上記範囲の中でも少ない場合、低電圧では樹脂組成物の導電性が低くなる場合もあるが、電圧を上げることにより、十分な導電性を得ることができる。また、本発明に係る基材は、体積抵抗率をρv1Ω・cm、表面抵抗率をρs1Ω/□とすると、下記式(i)〜(iii)の関係を満たすものとすることが好ましい。
106≦ρv1≦1010 ・・・(i)
108≦ρs1≦1013 ・・・(ii)
ρs1/ρv1≧102 ・・・(iii)
基材には、本発明の目的を損なわない範囲で、次のような化合物を配合することができる。即ち、耐衝撃剤としてはポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、SEBS,SBR,MBS,MASアクリル酸エステルコア−シェルグラフト共重合体、スチレン系コア−シェルグラフト共重合体等である。
ポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル,ポリアミド,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,アクリロニトリル・スチレン樹脂,アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂,ポリメチルメタクリレートなどを挙げることができる。さらにエラストマーとしては、例えばイソブチレン−イソプレンゴム,スチレン−ブタジエンゴム,エチレン−プロピレンゴム,アクリル系エラストマー,ポリエステル系エラストマー,ポリアミド系エラストマー,コアシェル型のエラストマーMBS,MASなどの熱可塑性エラストマーも使用することができる。これらは単独で用いることもでき、2種以上を適宜組合わせて用いることもできる。
安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール化合物、リン化合物、イオウ化合物、エポキシ化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。これらの中で、ヒンダードフェノール化合物及びリン化合物から選ばれた少なくとも1種の酸化防止剤が好ましく用いられる。ヒンダードフェノール化合物としては、具体的には、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)等が挙げられる。これらの中で、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3’,5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンが好ましい。
リン化合物としては、3価のリン化合物で有ることが好ましく、特に亜リン酸エステル中の少なくとも1つのエステルがフェノール及び/又は炭素数1〜25のアルキル基を少なくとも1つ有するフェノールでエステル化された亜リン酸エステル、又はテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジホスホナイトから選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。亜リン酸エステルの具体例としては、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリスノニルフェニルホスファイト、ジノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フッ化ホスファイト、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、モノノニルフェノール及びジノニルフェノールからなる亜リン酸エステル等を挙げることができる。また、リン化合物とフェノール化合物を併用することによって、着色性の改良効果が高まる。
紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機紫外線吸収剤の他、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物等の有機紫外線吸収剤が挙げられる。本発明ではこれらのうち有機紫外線吸収剤が好ましく、特にベンゾトリアゾール化合物,2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール,2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール,2,2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン],[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−プロパンジオイックアシッド−ジメチルエステルから選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−ビス(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール,2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール,2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール,2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール,2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール,2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール,2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール,[メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール]縮合物等を挙げることができる。特に好ましいものは、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール,2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール,上記式(5)の化合物、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール,2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノールである。
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルから選ばれた少なくとも1種の化合物である。これらの中で、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステルから選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸は、脂環式カルボン酸も包含する。このうち好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36のモノ又はジカルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和モノカルボン酸がさらに好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。脂肪族カルボン酸エステルを構成する脂肪族カルボン酸成分としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、脂肪族カルボン酸エステルを構成するアルコール成分としては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族アルコールは、脂環式アルコールも包含する。これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸オクチルドデシル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトール(モノ,ジ,トリ,テトラ)ステアレートなどが挙げられる。
着色剤としては、アンスラキノン骨格を有する化合物、フタロシアニン骨格を有する化合物等が使用できる。これらの中で、アンスラキノン骨格を有する化合物が、耐熱性の観点から、好ましく用いられる。
着色剤の具体例としては、MACROLEX Blue RR,MACROLEX Violet 3R,MACROREX Violet B(バイエル社製商品名),Sumiplast Violet RR,Sumiplast Violet B,Sumiplast Blue OR(住友化学工業(株)製商品名)、Diaresin Violet D, Diaresin Blue G, Diaresin Blue N(三菱化学(株)製商品名)等が挙げられる。
難燃剤としては、スルホン酸金属塩系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、アンチモン含有化合物系難燃剤、燐含有化合物系難燃剤、珪素含有化合物系難燃剤等が挙げられるが、環境問題に配慮して、好ましくはスルホン酸金属塩系難燃剤、珪素含有化合物系難燃剤が良い。なお、本発明の熱可塑性ポリカーボネート樹脂(b)は、単体で難燃効果がある。
ここで、スルホン酸金属塩としては、脂肪族スルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられる。スルホン酸金属塩の金属としては、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられ、アルカリ金属およびアルカリ土類としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウム等が挙げられる。スルホン酸金属塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用することもできる。スルホン酸金属塩としては、難燃性と熱安定性の点より、好ましくは、芳香族スルホンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩等が挙げられる。芳香族スルホンスルホン酸金属塩としては、好ましくは、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩などが挙げられ、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩は重合体であってもよい。芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’ジスルホン酸のジカリウム塩などが挙げられる。パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩としては、好ましくは、パーフルオロアルカン−スルホン酸のアルカリ金属塩、パーフルオロアルカン−スルホン酸のアルカリ土類金属塩などが挙げられ、より好ましくは、炭素数4〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ金属塩、炭素数4〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ土類金属塩などが挙げられる。
パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロブタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタン−スルホン酸カリウム、パーフルオロメチルブタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロメチルブタン−スルホン酸カリウム、パーフルオロオクタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタン−スルホン酸カリウム、パーフルオロブタン−スルホン酸のテトラエチルアンモニウム塩などが挙げられる。
有機スルホン酸金属塩の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.05〜1質量部とするのが好ましい。特に、0.1〜0.3質量部とするのがさらに好ましい。0.05質量部より少ないと、良好な難燃性、熱安定性が得られないことがあり、1質量部より多いと、転写担持部材または中間転写部材表面にブリードが発生し、当接する感光ドラムに悪影響を及ぼすことがある。
ハロゲン含有化合物系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノール、臭素化芳香族トリアジン、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAエポキシポリマー、デカブロモジフェニルオキサイド、トリブロモアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルエタン、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモシクロドデカン等が挙げられる。これらのハロゲン含有化合物系難燃剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用することもできる。
上記ハロゲン含有化合物系難燃剤をポリカーボネート樹脂組成物に配合する際には、アンチモン含有化合物系難燃剤を難燃助剤として配合する事が出来る。難燃助剤として配合するアンチモン含有化合物系難燃剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等が挙げられる。これらのアンチモン含有化合物系難燃剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用する事も出来る。
燐含有化合物系難燃剤としては、赤燐、被覆された赤燐、ポリ燐酸塩系化合物、燐酸エステル、シアヌルサン酸、シアヌル酸メラミン、フォスファゼン等が挙げられる。
燐酸エステル系化合物の例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)及びビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、R1〜R4がアルコキシ例えばメトキシ、エトキシおよびプロポキシ、または好ましくは(置換)フェノキシ例えばフェノキシ、メチル(置換)フェノキシであるビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート等が挙げられ、好ましくはトリフェニルホスフェート及び各種ビスホスフェートである。これらは単独で用いても良いし、2種以上組合わせて用いても良い。
本発明に係る基材の燃焼時の滴下防止用ポリテトラフルオロエチレンとしては、重合体中に容易に分散し、かつ重合体同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものである。滴下防止用ポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。滴下防止用としては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より、テフロン6Jまたはテフロン30J(以上商品名)として、あるいはダイキン化学工業(株)よりポリフロンF201L(商品名)として市販されている。
無機充填材としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、珪酸カルシウム、カーボンブラック、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化ケイ素、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素、窒化ケイ素繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウム繊維あるいはウィスカー、芳香族ポリアミド繊維などで具体的に例示される繊維状、板状、フレーク状、あるいは粉末状の充填材が挙げられる。無機充填材としては好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク等が挙げられる。また無機充填材は、樹脂との密着性を向上させる目的で、アミノシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤などによる表面処理、あるいは取扱い性を向上させる目的で、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などによる集束処理を施して使用しても良い。
さらに必要に応じて、相溶化剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、抗菌剤、蛍光増白剤等の添加剤を配合することができる。
さらにはコスト低減等の目的で、本発明の熱可塑性ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、従来のビスフェノールA型ポリカーボネートを10〜98質量部、好ましくはビスフェノールA型ポリカーボネートを20〜95質量部混合して使用する事も可能である。ビスフェノールA型ポリカーボネートが10質量部未満ではコスト低減効果が小さく、98質量部を越えると接触角が低下することがある。
本発明に係る基材は公知の方法で製造することができる。例えば、第1のポリカーボネート樹脂と導電性カーボン、必要に応じて配合されるその他の化合物をブレンダー等で予め混合した後、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機などで溶融・混練して熱可塑性樹脂組成物を製造する。その後、この熱可塑性樹脂組成物を例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、ブロー成形、真空成形、回転成形等により成形して基材を得ることができる。溶融・混練条件と成形条件等により炭素繊維のアスペクト比及び分散状態が変化し、それによって帯電防止効果も異なってくるので、適切な条件の選定が必要である。
本発明に用いられる、転写材担持部材または中間転写部材は、押出し成型、射出成型、キャスト成型等の方法により、フィルム状、シート状、ベルト状、ドラム状の形状が可能で、形状はシート状でも、シート端部を熱融着、超音波融着、及び接着剤による接着等の手段によりエンドレスベルト状としても良く、用いる画像形成装置によって任意の最も好ましい形状にするのが良い。本発明の転写材担持部材または中間転写部材の膜厚は、バインダーのヤング率や体積抵抗値によって異なるが、50μm〜2000μm、特には70μm〜800μmが好ましい。
(ii)表面層について;
本発明に用いられる、転写材担持部材や中間転写部材に用いられる電子写真用部材は、その表面に、保護層、中抵抗層として、1層以上の表面層を付与している。表面コート剤は、必要な硬度、耐摩擦性を有する熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などの樹脂に、必要な電気抵抗を付与させるため導電フィラーを添加したものである。
熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂など、加熱すると、硬化反応を起こしてオリゴマー分子の巨大成長化と三次元網目構造化が起こり、不溶不融化する樹脂である。
光硬化性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂などのように、光重合性オリゴマーに対して光重合性希釈剤を適量配合して粘度調整したものに、光重合開始剤を配合し、必要に応じて増感剤を添加したものを樹脂材料とし、紫外線などの光エネルギーを照射してラジカル重合、カチオン重合、チオール.エン付加型のラジカル付加反応で硬化させるものである。
分子内に1個以上または2個以上のアクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートの具体例としては、例えばペンタエリスリトールモノアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどのポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレートなどのエポキシアクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得ることが出来るポリエステルアクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られるウレタンアクリレート、ポリシロキサンポリアクリレートなどを挙げることができる。前記の重合性アクリレートは単独で用いてもまたは2種以上混合して用いてもよい。
電子線硬化性樹脂としては、ポリエステル骨格を有する5官能以上、好ましくは7〜13官能の分岐状分子構造を有する電子線硬化性樹脂及びシリコン変性電子線硬化樹脂が挙げられ、これらの官能基により硬化反応促進、及び硬度向上を図ることができる。
これらの中で、表面硬度が高く、耐磨耗性が優れている点から、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含有するアクリル系が特に好ましい。
表面コート剤に添加される導電性フィラーは、金属微粒子、導電性カーボンブラック、導電性金属酸化物、導電性高分子微粒子,又はイオン性導電材料からなるものであるが、光透過性が高いという観点から、導電性金属酸化物がより好ましい。
金属粒子の具体例としては、アルミニウム、鉄、ステンレス、金、白金、銀、銅、亜鉛、チタン、ニッケル、錫などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの合金であっても用いることが出来る。
導電性カーボンブラックとしては、例えばスーパーコンダクティブファーネスブラック、コンダクティブファーネスブラック、エキストラコンダクティブファーネスブラック、スーパーアブレージョンファーネスブラック、ケッチェンブラックECやケッチェンブラック600JD、及びカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
金属酸化物としては、酸化チタン、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化スズ被覆酸化チタン、酸化スズ被覆硫酸バリウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム、及びチタン酸カリウム等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの金属酸化物粒子は単独で用いても、2種類以上混合しても良い。2種類以上混合する場合は、単にそれぞれを同時に用いるだけでなく、固溶体や融着したものを用いても良い。
導電性高分子微粒子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン及びポリアセチレン等が挙げられる。
イオン導電剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエステル、アルキルベタイン及び過塩素酸リチウム等が挙げられる。
表面コート剤に含まれる導電性フィラーの粒径は、その光学的特性から、数平均粒径で1μm以下、特には0.3μm以下であることが望ましい。また、粒子の体積抵抗は100Ω・cm以下であることが好ましく、特には70Ω・cm以下であることが更に好ましい。
表面コート剤においては、樹脂100質量部に対し、導電性フィラーを0.1〜50質量部配合するのが好ましい。特に導電性フィラーのうち、導電性金属酸化物を配合する場合は、1〜30質量部配合するのがさらに好ましい。導電性金属酸化物の配合量が1質量部未満では、抵抗値を下げる効果が少なく、30質量部を越えると膜の強度の低下及び分散不良が発生する恐れがある。
表面層の厚さは、0.5〜10μmとすることが好ましい。特に1〜3μmの範囲とすることがより好ましい。
表面層を設けた基材、即ち本発明に係る電子写真用部材の体積抵抗率をρvΩ・cm,表面抵抗率をρsΩ/□とすると、下記式(iv)〜(vi)の関係が満たされることが好ましい。
106≦ρv≦1010 ・・・(iv)
108≦ρs≦1013 ・・・(v)
ρs/ρv≧102 ・・・(vi)
表面層の体積抵抗及び表面抵抗は、基層の熱可塑性樹脂組成物の体積抵抗及び表面抵抗と必ずしも同じになる必要はない。
表面コート剤に含まれる樹脂と導電性フィラーの配合は、例えばミキサーやホモジナイザーなどのような方法で行うことができ、導電性フィラーを単純にブレンドすることができる。
転写材担持部材または中間転写部材の表面に均一にコート剤を塗布する方法としては、コート液で満たされた液槽に該部材を浸漬して調速しながら引き上げて塗布を行うディップコートや、コート液を該部材に向けて霧状に噴霧して塗布するスプレーコート、あるいは特公平07−052296号公報や特開平08−323264号公報に記載されているようにノズルからコート液を吐出させ、ノズルと基材を相対移動させることにより塗布する方法等があるが、必ずしもこれに限るものではない。
硬化手段としては、表面コート液が熱硬化性樹脂の場合は、必要に応じた熱をあてることで硬化させることができ、また光硬化樹脂の場合は、その感光域の波長を含む光を照射することで硬化させることができ、また電子線硬化樹脂の場合は、必要に応じた電子線を照射することで硬化させることができる。
また、本発明の転写材担持部材または中間転写部材は、裏面にも保護層、中抵抗層を設けることができ、この他表面、裏面に誘電層、低〜高抵抗層、導電層を有することができる。
本発明の画像形成装置に用いられる接触帯電部材の形態としては、ローラー、ブラシ(磁気ブラシ)、ブレードなどが挙げられる。また接触帯電部材の材質としては、各種金属、導電性金属酸化物、導電性カーボン、およびこれらを混合したものから選ばれる。あるいは、樹脂、エラストマー中に前記の導電性粉体を分散させたものを用いてもよい。
本発明の転写材担持部材を有する画像形成装置の態様の具体例を図3〜図6に示す。図3〜図6に示される画像形成装置はいずれも多色(フルカラー)画像形成装置の例である。
まず図3を参照して説明する。図3に示される多色電子写真複写装置は、回転自在に軸支されて矢印a方向に回転する画像担持体、すなわち感光ドラム33を備え、その外周部に画像形成手段が配置される。この画像形成手段は任意の手段とし得るが、本例では、感光ドラム33を均一に帯電する一次帯電器34と、色分解された光像、またはこれに相当する光像を照射し、感光ドラム33上に静電潜像を形成する、例えばレーザービーム露光装置等からなる露光手段32と、感光ドラム33上の静電潜像を可視画像とする回転式現像装置31とを具備する。回転式現像装置31は、イエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤、およびブラック色現像剤の4色の現像剤を各々収納する4個の現像器31Y、31M、31C、31BKと、これら4個の現像器を保持し、かつ回転自在に軸支された略円柱形状の筐体とからなっている。この回転式現像装置31は、筐体の回転によって所望の現像器を感光ドラム33の外周面と対向する位置に搬送し、感光ドラム上の静電潜像の現像を行い、4色分のフルカラー現像が可能となるように構成されている。感光ドラム33上の可視画像、すなわちトナー像は、転写装置10に担持されて搬送される転写材Pに転写される。本例において転写装置10は、回転自在に軸支された転写ドラムである。
以下に、上述した構成の多色電子写真複写装置によるフルカラー画像の形成工程を説明する。感光ドラム33に一次帯電器34により均一な帯電を行った後、露光手段32にて画像情報に応じた光像Eが照射され、感光ドラム33上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、回転式現像装置31により、感光ドラム33に樹脂を基材としたトナーでトナー像として可視化される。
一方、転写材Pは、レジストローラ36により、画像と同期して転写ドラム10へと送られ、グリッパ15等によりその先端部を把持され、図中矢印b方向に搬送される。
次いで、感光ドラム33と当接する領域において、転写ドラム10が有する本発明の転写材担持部材11の背面から、転写用放電器21によってトナーと逆極性のコロナ放電を受けることにより、感光ドラム33上のトナー像が転写材Pに転写される。転写材Pは、必要回数の転写工程が行われた後、除電用放電器22,23および24により除電を受けつつ、分離爪28の作用により転写ドラム10から剥離され、搬送ベルト38により定着器39にて熱による定着を受けた後、機外に排出される。
他方、感光ドラム33は、表面の残留トナーをクリーニング装置37で清掃後、再度画像形成プロセスに供される。
また転写ドラム10の転写材担持部材11表面も、同様にブレードまたはファーブラシ等を有するクリーニング装置35a及びクリーニング補助手段35bの作用により清掃された後、再度画像形成プロセスに供される。
本発明においては、図2に示すように、転写用コロナ放電器21の転写ドラム10の回転方向(矢印bの方向)下流側のシールド板に絶縁性部材26、たとえばポリカーボネート樹脂板などを設けて、転写コロナのうち感光ドラム33方向に向かう転写コロナ量を多くした構成とすることが好ましい。
また本発明においては、転写材担持部材11の導入側から、その移動方向下流側に向けて伸びる、弾性を有した押圧部材27を設けてもよい。この押圧部材27は、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートなどの、好ましくは体積抵抗率が1010Ω・cm以上、特に好ましくは1014Ω・cm以上であるような合成樹脂フィルムで構成し、転写部の全域にわたって配設される。
またこの押圧部材27は、それ自身の持つ弾性力により転写材担持部材11を押圧し、その転写材担持部材11側の先端部は転写材Pが感光ドラム33に接触し終えた位置、もしくは接触を開始する位置、または極力近接した位置に対応する位置とするのが好ましい。
図4は、図3に示された多色電子写真複写装置において、転写材担持部材11の背面からトナーと逆極性の電荷を与える転写用帯電器21として、ブラシ帯電器21aを設けた例を示している。図4において、他の要素の構成および動作は図3のものと実質的に同じであるので、その詳細な説明は省略する。
図5には、形状をエンドレスベルト状にした場合の本発明の転写材担持部材を用いた画像形成装置の具体例が開示されている。図5に示された画像形成装置は、感光ドラム41a〜41dを有し、その周りに1次帯電器42a〜42d、露光手段43a〜43d、現像器44a〜44d、転写帯電器45a〜45d、除電放電器46a〜46dおよび47a〜47d、感光ドラム用クリーニング装置48a〜48dが配置され、さらにこれらのユニットを貫通するように感光ドラムの下方にエンドレスベルト状の本発明の転写材担持部材40が配置され、ウレタンブレード49を有する転写材担持部材用クリーニング装置50が配置される。転写材Pは給紙ローラにより給紙された後、エンドレスベルト状転写材担持部材40により各転写用放電器45a〜45dが配置された転写部を通して搬送される。
図6は、図5に示された画像形成装置において、転写帯電器45a〜45dに代えて、転写用ブレード帯電器45e〜45hを使用した例を示している。図6において、他の要素の構成および動作は図5のものと実質的に同じであるので、その詳細な説明は省略する。
図7は、エンドレスベルト状の本発明の中間転写部材を用いた他の画像形成装置を示している。この装置は、感光ドラム51を有し、その回りに1次帯電ローラー52、像露光手段53、回転現像器54、1次コロナ転写帯電器55、感光ドラム用クリーニング装置56が配置され、さらに感光ドラムの下方にエンドレスベルト状の本発明の中間転写部材57が配置され、中間転写部材ユニットには2次転写帯電器58が配置される。
転写材Pは給紙ローラーにより給紙された後、エンドレスベルト状中間転写部材57と、2次転写ローラー58との間の2次転写部を通して搬送される。
図8は、図7に示された画像形成装置において、1次コロナ転写帯電器55aに代えて、1次転写ローラー帯電器55bを使用した例を示している。図8において、他の要素の構成および動作は図7のものと実質的に同じであるので、その詳細な説明は省略する。
以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
ホスゲン法により、下記シロキサン構造化合物5質量部とビスフェノール−A 95質量部よりなる共重合ポリカーボネートを合成した。得られた共重合ポリカーボネートの極限粘度は0.48dl/gで、以下SIPCと略記する。
Figure 2006084678
(aは平均39)
上記SIPCを80質量部と、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱化学製、商品名「ユーピロンS−1000」、以下PCAと略記)を20質量部、及び導電性カーボンブラック(ケッチェンブラックEC、ライオン(株)社製商品名、DBP吸油量:360ml/100g、比表面積800m2/g)を9質量部、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩(大日本インキ化学工業製、商品名:メガファックF−114P)を0.2質量部を、ベント付き二軸押出機を用いてペレット化した。得られたペレットを圧縮成型して厚さ100μmのフィルムを作製し、抵抗測定機(三菱化学社製、商品名「ハイレスタ」)を用いて、100V印加時の体積抵抗ρv1、表面抵抗ρs1を用いて測定した。この後、表面コート剤をフィルム表面に固形分で厚さ3μmになるように塗布し、硬化させた。
表面コート液は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含有するアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料(JSR社製、商品名「デソライト」)30質量部に対し、導電フィラーとして、酸化ケイ素を10質量%添加して金属酸化物表面を絶縁処理したアンチモン酸亜鉛のイソプロパノールゾル(日産化学製、商品名「セルナックス」)を15質量部添加して混合した後、イソプロピルアルコールを45質量部、メチルイソブチルケトンを10質量部添加混合後、塗布を行い、紫外線で硬化させた。
得られたフィルムに同様にハイレスタを用いて100V印加時の体積抵抗ρv、表面抵抗ρsを測定した。また、MIT屈曲耐久試験(東洋精機社製、商品名「MIT−DA」)を行い、50000回で破断しなかった場合を○、50000回未満で破断した場合を×として、結果を表1に記した。
上記樹脂フィルムを用いて、図1に示されるような転写ドラムを作製した。すなわち、図1に示す転写材担持部材11として、前記樹脂フィルムを2つのアルミニウムシリンダ12,13の間に張架して転写ドラム10を作製した。転写材担持部材11の両端部は転写ドラム10を構成する2つのアルミニウムシリンダ12,13を連結する連結部14上に固定した。
本実施例においては、転写ドラム10の直径を160mm、移動速度を160mm/secと設定した。同時に感光ドラム33などの移動スピードであるプロセススピードも160mm/secとした。また、転写用コロナ放電器21の開口幅は19mmに、放電ワイヤー25と感光ドラム33の外周面との距離は10.5mmに、放電ワイヤー25と転写用コロナ放電器21のシールド板底面との距離は16mmに、それぞれ設定した。
また、押圧部材27としてはポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いた。
本実施例においては、図3に示されるような画像形成装置にてマイナス極性に帯電され感光ドラム33に潜像を形成し、平均粒径8μmのトナーを用いて反転現像にてトナー画像を得た。この時、トナーは樹脂を色材その他微量の帯電制御性や潤滑性を向上させるための添加剤などにより構成され、現像器中でキャリヤ粒子と摩擦帯電されてマイナス極性に帯電するものであった。
その後、このトナー画像を上記構成の転写装置によりプラス極性により転写材に転写した。次いで転写材を転写ドラム10より分離し、定着器にて定着した。
本実施例においては、転写ドラム10の転写材担持部材11の表面をウレタンブレードを有するクリーニング装置35a、およびクリーニング補助手段35bによりクリーニングする。
上記構成の多色電子写真複写装置にて、10000枚の画像出し耐久テストを行った。初期と10000枚転写後の画像特性とキャリアーによる傷発生の頻度を評価した。傷発生頻度が多いものを×、発生しても僅かな場合を○とした。同時にキャリアーによる傷の深さを表面形状測定機(テンコール社製、商品名:PC−10)を用いて測定した。その平均深さを表に掲載した。
(実施例2)
ホスゲン法により、下記シロキサン構造化合物を37質量部、ビスクレゾールフルオレンを56質量部、及びビスフェノール−Aを7質量部よりなる共重合ポリカーボネートを合成した。得られた共重合ポリカーボネートの極限粘度は0.28dl/gで、以下FLPCと略記する。
Figure 2006084678
(ジメチル体の合計の平均が26、ジフェニル体の合計の平均が13)
実施例1に係るSIPCを65質量部、上記FLPCを15質量部、PCAを20質量部、導電性カーボンブラックを9質量部、及びパーフルオロアルカンスルホン酸金属塩を0.2質量部を、ベント付き二軸押出機を用いてペレット化した。得られたペレットを圧縮成型して厚さ100μmのフィルムを作製し、同様にハイレスタを用いて各抵抗を測定した。
得られたフィルムを同様に表面コートし、同様の測定、評価を行った。また、転写担持部材を作製して、同様の測定、評価を行った。
(実施例3)
実施例1で作製したフィルムをエンドレスベルト状に成型した後、表面コート剤を塗布し、硬化させて中間転写部材を作製し、図7で示される画像形成装置と、実施例1と同様のトナーを用いてその画像を評価した。さらに、上記多色電子写真複写装置にて20000枚の画像出し耐久テストとキャリアーによる傷の頻度、及び傷深さを評価した。
(実施例4)
実施例2で作製したフィルムをエンドレスベルト状に成型した後、表面コート剤を塗布し、硬化させて中間転写部材を作製し、実施例3と同様の測定、評価を行った。
(比較例1)
PCAを100質量部、比表面積800m2/gの導電性カーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックインターナショナル社製)9質量部、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩(大日本インキ化学工業製、商品名:メガファックF−114P)0.2質量部を、ベント付き二軸押出機を用いてペレット化した。得られたペレットを圧縮成型して厚さ100μmのフィルムを作製し、同様にハイレスタを用いて各抵抗を測定した。
このフィルムを用い、表面コートを施さない以外は、実施例1と同様にして転写担持部材を作製して、実施例1と同様の測定、評価を行った。
(比較例2)
比較例1で作製したフィルムをエンドレスベルト状に成型して表面コートを行わない以外は実施例3と同様にして中間転写部材を作製し、実施例3と同様の測定、評価を行った。
Figure 2006084678
以上のように、本発明によれば、導電性を付与した表面コート層を基材表面に積層することで、必要な抵抗値が得られ、フィルム強度、クリーニング性、及び耐久性が大幅に向上し、繰り返し使用しても転写ムラや転写抜けなどの欠陥のない良好な画像の得られる転写材担持部材または中間転写部材およびそれらを用いた画像形成装置を提供することができる。
本発明の転写材担持部材を用いた転写ドラムの概略構成例である。 本発明の転写材担持部材を用いた転写装置の概略構成例である。 シート状の本発明の転写材担持部材を用いた画像形成装置の概略構成例である。 シート状の本発明の転写材担持部材を用いた画像形成装置の概略構成例である。 エンドレスベルト状の本発明の転写材担持部材を用いた画像形成装置の概略構成例である。 エンドレスベルト状の本発明の転写材担持部材を用いた他の画像形成装置の概略構成例である。 エンドレスベルト状の本発明の中間転写部材を用いた画像形成装置の概略構成の例である。 エンドレスベルト状の本発明の中間転写部材を用いた他の画像形成装置の概略構成の例である。
符号の説明
10 転写ドラム
11 転写材担持部材
12,13 シリンダ
14 連結部
15 転写材グリッパ
16 転写用帯電器
22,24 外側除電用放電器
23 内側除電用放電器
31 回転式現像装置
32 露光手段
33 感光ドラム
34 一次帯電器
35a クリーニング装置
35b クリーニング補助手段
36 レジストローラ
37 クリーニング装置
38 搬送ベルト
39 定着器
40 転写材担持部材
41a〜41d 感光ドラム
42a〜42d 1次帯電器
43a〜43d 露光手段
44a〜44d 現像器
45a〜45d、45e〜45h 転写帯電器
46a〜46d、47a〜47d 除電放電器
48a〜48d 感光ドラム用クリーニング装置
51 感光ドラム
52 1次帯電ローラー
53 像露光手段
54 回転現像器
55a 1次転写コロナ帯電器
55b 1次転写ローラー帯電器
56 感光ドラム用クリーニング装置
57 中間転写部材
58 2次転写帯電器

Claims (21)

  1. 樹脂及び導電性カーボンを含んでいる基材を具備している電子写真用部材であって、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び導電フィラーを含む膜の硬化膜からなる表面層を有していることを特徴とする電子写真用部材。
  2. 該樹脂が、シロキサン構造を含む構成単位とフルオレン構造を含む構成単位とを有するポリカーボネート樹脂を含んでいる請求項1記載の電子写真用部材。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂が、下記一般式(1)で示される構成単位と、下記一般式(3)で示される構成単位を有している請求項2に記載の電子写真用部材。
    Figure 2006084678
    (式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または炭素数7〜17のアラルキル基であり、R5〜R8は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基または炭素数7〜17のアラルキル基であり、R9及びR10は各々独立して単結合又は炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表し、Xは、−SiO(R11)(R12)−で示される構成単位、−SiO(R13)(R14)−で示される構成単位、及び−SiO(R29)(R30)−で示される構成単位から選ばれる少なくとも一つの単独重合体、若しくは二つ又は三つのブロック共重合体またはランダム共重合体を表し、重合度は0〜200であり、R11〜R14、R29およびR30は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または炭素数7〜17のアラルキル基である)
    Figure 2006084678
    (式(3)中、R25〜R28は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す)。
  4. 該樹脂が、前記シロキサン構造を含む構成単位とフルオレン構造を含む構成単位とを有するポリカーボネート樹脂とは異なる第2のポリカーボネート樹脂を更に含んでいる請求項2又は3記載の電子写真用部材。
  5. 前記第2のポリカーボネート樹脂が、下記一般式(1)で示される構成単位と、下記一般式(2)で示される構成単位とを有する請求項4に記載の電子写真用部材。
    Figure 2006084678
    (式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または炭素数7〜17のアラルキル基であり、R5〜R8は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基または炭素数7〜17のアラルキル基であり、R9及びR10は各々独立して単結合又は炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表し、Xは、−SiO(R11)(R12)−で示される構成単位、−SiO(R13)(R14)−で示される構成単位、及び−SiO(R29)(R30)−で示される構成単位から選ばれる少なくとも一つの単独重合体、若しくは二つ又は三つのブロック共重合体またはランダム共重合体を表し、重合度は0〜200であり、R11〜R14、R29およびR30は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または炭素数7〜17のアラルキル基である)
    Figure 2006084678
    (式(2)中、R15〜R18は、各々独立して、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、Yは、
    Figure 2006084678
    であり、ここにR19〜R24は、各々独立して、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表すか、R21とR22、および/またはR23とR24が一緒に結合して、炭素数3〜12の炭素環または複素環を形成する基(但し、フルオレン構造を除く)を表し、aは0〜20の整数を表す)。
  6. 前記一般式(2)で示される構成単位が、下記式(6)で示される構造を有する請求項5記載の電子写真用部材。
    Figure 2006084678
  7. 前記式(1)中、R5〜R8が各々独立にメチル基又はフェニル基である請求項3、5及び6の何れかに記載の電子写真用部材。
  8. 前記式(1)で示される構成単位が、下記式(4)で示される構造、及び下記式(5)で示される構造の少なくとも一方である請求項7に記載の電子写真用部材。
    Figure 2006084678
    (上記式(4)及び(5)中、Xは各々独立に−SiO(R11)(R12)−で示される構成単位、−SiO(R13)(R14)−で示される構成単位、及び−SiO(R29)(R30)−で示される構成単位から選ばれる少なくとも一つの単独重合体、若しくは二つ又は三つのブロック共重合体またはランダム共重合体を表し、重合度は0〜200であり、R11〜R14、R29およびR30は、各々独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、または炭素数7〜17のアラルキル基である)。
  9. 前記一般式(1)で示される構成単位と、前記一般式(3)で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂において、前記一般式(1)で示される構成単位の割合が10〜90質量%、前記一般式(3)で示される構成単位の割合が10〜90質量%である請求項3に記載の電子写真用部材。
  10. 前記基材が更に有機スルホン酸塩を含んでいる請求項1〜9の何れかに記載の電子写真用部材。
  11. 前記有機スルホン酸金属塩が、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、又は芳香族スルホンスルホン酸金属塩である請求項10記載の電子写真用部材。
  12. 前記導電性カーボンが、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が100〜500ml/100gの導電性カーボンブラックである請求項1〜11の何れかに記載の電子写真用部材。
  13. 前記基材の体積抵抗率をρv1Ω・cm、表面抵抗率をρs1Ω/□としたとき、ρv1及びρs1が下記式(i)〜(iii)の関係を満たす請求項1〜12の何れかに記載の電子写真用部材。
    106≦ρv1≦1010 ・・・(i)
    108≦ρs1≦1013 ・・・(ii)
    ρs1/ρv1≧102 ・・・(iii)
  14. 前記表面層中の導電フィラーが、導電性金属酸化物微粒子を含む請求項1〜13の何れかに記載の電子写真用部材。
  15. 前記表面層の厚みが0.5〜10μmである請求項1〜14の何れかに記載の電子写真用部材。
  16. 前記電子写真用部材の体積抵抗率をρvΩ・cm、表面抵抗率をρsΩ/□としたとき、ρv及びρsΩ/□が下記式(iv)〜(iv)の関係を満たす請求項1〜15の何れかに記載の電子写真用部材。
    106≦ρv≦1010 ・・・(iv)
    108≦ρs≦1013 ・・・(v)
    ρs/ρv≧102 ・・・(vi)
  17. 形状がシートである請求項1〜16の何れかに記載の電子写真用部材。
  18. 形状がエンドレスベルトである請求項1〜16の何れかに記載の電子写真用部材
  19. 前記電子写真用部材が、転写材担持部材である請求項1〜18の何れかに記載の電子写真用部材。
  20. 前記電子写真用部材が、中間転写体である請求項1〜18の何れかに記載の電子写真用部材。
  21. 請求項1〜20の何れかに記載の電子写真用部材を具備していることを特徴とする電子写真装置。
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