JP2012116991A - 光素子封止用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、高屈折率、耐熱性、耐ヒートサイクルに優れるとともに、硫黄バリア性にも優れた光素子封止用シリコーン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】芳香族基含有ジアルコキシシラン由来のD単位とアルケニル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位とが、D単位/T単位のモル比0.2/1〜4.0/1で、ランダムに結合し、重量平均分子量が1000〜30000であるポリシロキサン誘導体と、アルケニル基と反応可能な硬化剤と、反応触媒とを含有する光素子封止用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】芳香族基含有ジアルコキシシラン由来のD単位とアルケニル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位とが、D単位/T単位のモル比0.2/1〜4.0/1で、ランダムに結合し、重量平均分子量が1000〜30000であるポリシロキサン誘導体と、アルケニル基と反応可能な硬化剤と、反応触媒とを含有する光素子封止用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、LED等の光素子のための封止樹脂に関する。
従来、LED等の光素子のための封止樹脂としては透明エポキシ樹脂が多用されてきたが、LED動作時に発生する熱やLED素子が発する短波長光の暴露により、経時的に黄変し易い性質があった。
このエポキシ樹脂の欠点を克服するものとして、硬化性シルセスキオキサン組成物からなる光素子封止剤が提案された。例えば、特許文献1、2及び3には、オルガノポリシロキサンを加水分解・縮合硬化させる封止用組成物が開示されている。しかしながら、このようなポリオルガノシロキサン系硬化性組成物は、その硬化物が、脆く、靱性が充分ではなく、機械的変形に対して弱いという問題があった。
これに対して、特許文献4には、アルコキシル基を含有するシリコーン樹脂とオルガノハイドロジェン化合物架橋剤を含有する耐クラック性のLED用封止組成物が開示されている。該組成物はアルコキシル基を含有することにより可撓性が付与され、熱衝撃時の耐クラック性が高くなるとされている。またフェニル基の導入により高屈折率が得られることが教示されている。
ところで、LEDは性能向上のために高輝度化が要請されており、そのためにリフレクターが使用されているが、このリフレクターの銀メッキが半田フラックス由来の硫黄化合物と反応して黒色化し、輝度が低下するという問題が認識されている。硫黄化合物は容易にシリコーン樹脂を透過してLEDの封止内部に存在するリフレクターの銀メッキと反応する。この解決策として、例えば、銀メッキ上にプライマーを塗布した後にシリコーン樹脂で封止する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この方法ではシリコーン樹脂封止工程とともにプライマー塗布工程を必要とする。
上述の現状に鑑みて、本発明は、透明性、高屈折率、耐熱性、耐ヒートサイクルに優れるとともに、硫黄化合物の透過を阻止する性能(以下、本明細書中、硫黄バリア性ともいう。)にも優れた光素子封止用シリコーン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、芳香族基含有ジアルコキシシラン由来のD単位とアルケニル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位とが、D単位/T単位のモル比0.2/1〜4.0/1において、ランダムに結合し、重量平均分子量が1000〜30000であるポリシロキサンと、アルケニル基と反応可能な硬化剤と、反応触媒とを含有する光学素子封止用組成物(以下、本発明の組成物ともいう。)である。
本発明はまた、本発明の組成物を用いて封止してなる光素子である。
本発明はまた、本発明の組成物を用いて封止してなる光素子である。
上述の構成により、本発明の組成物の硬化物は、シリコーン樹脂本来の透明性、高屈折率、耐熱性を有するとともに、耐ヒートサイクルに優れ、しかも硫黄バリア性を有する。
本発明の組成物におけるポリシロキサンは、芳香族基含有ジアルコキシシラン由来のD単位とアルケニル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位とを有する。D単位とはR2SiO2/2単位であり、T単位とはRSiO3/2単位である。
本発明の組成物におけるポリシロキサンにおいて、芳香族基含有ジアルコキシシランとしては、フェニル基を含有するジアルコキシシランを好ましく挙げることができる。具体的には、例えば、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジ(p−トリル)ジメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメトキシシラン、3−シアノプロピルフェニルジメトキシシラン、(p−メチルフェニルエチル)メチルジメトキシシラン、ネオフィルメチルジメトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、より好ましくは、機械強度が向上するので、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン及びフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の組成物におけるポリシロキサンにおいて、アルケニル基含有トリアルコキシシランとしては、ビニル基、アリル基、スチリル基、アクリル基、メタクリル基等のアルケニル基を含有するトリメトキシシランを好ましく挙げることができる。具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシシラン等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、より好ましくは、反応性に優れているので、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン及びp−スチリルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種である。
上記ポリシロキサンにおけるD単位/T単位のモル比は、0.2/1〜4.0/1である。モル比が0.2/1未満であると機械強度が低下し、4.0/1を超えると硬化性が低下する。フェニル基含有D単位の量が多いほど分子構造中の自由度が大きくなるため、耐ヒートサイクル性が高くなり、フェニル基含有量が増えることで遮蔽効果が大きくなり、硫黄バリア性が高くなる。
上記ポリシロキサンにおけるD単位/T単位のモル比を制御するには、原料アルコキシシランの仕込みモル比を制御すればよい。なお、ポリシロキサン中のD単位/T単位のモル比の判定方法としては、1H−NMR分析によりアルキル基とフェニル基のピーク積分比から求める方法、29Si−NMR分析によりアルキル置換基のSiと、フェニル置換基のSiのピーク積分比から求める方法を挙げることができる。
上記ポリシロキサンは、重量平均分子量が1000〜30000のものである。重量平均分子量がこの範囲であると良好な機械強度が得られる。好ましくは1500〜15000である。重量平均分子量はポリスチレンを標準試料としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。
上記ポリシロキサンは、所定モル比で原料アルコキシシランを仕込み、加水分解・縮合反応(hydrolytic condensation)をすることにより得ることができる。原料アルコキシシランを撹拌混合して溶液中で反応させることで反応系中のアルコキシシラン同士はランダムに結合する。従って、芳香族基含有ジアルコキシシラン由来のD単位とアルケニル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位とがランダムに結合したポリシロキサンが得られる。
この加水分解・縮合反応の条件としては、20〜150℃、1〜24時間が好ましく、より好ましくは、30〜100℃、2〜12時間であり、さらに好ましくは40〜80℃、3〜6時間である。この反応条件は、原料アルコキシシランが完全に反応し、アルコキシル基は残存しない条件である。アルコキシル基の存在はアルコール交換反応を利用して生成するアルコールをガスクロマトグラフィで分析して確かめることができる。
上記ポリシロキサンの製造には分子量制御等のために塩基性触媒を使用してもよく、上記塩基性触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドを挙げることができる。
上記反応には必要に応じて溶媒を使用することができる。このような溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソプロピルアルコール(IPA)、1−プロパノール、イソブタノール、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、N、N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)等を挙げることができる。
本発明の組成物における硬化剤としては、アルケニル基と反応可能な化合物を使用することができる。このような化合物としては、ヒドロシリル基、メルカプト基等を有する化合物が挙げられるが、これらのうち、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物を好適に使用することができる。このような化合物としては、例えば、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン等を挙げることができる。好ましくは、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン及びテトラメチルジシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種である。
上記硬化剤としてはまた、アリール基又は炭素数1〜12のアルキル基を含有し、複数のシロキサン結合を有するヒドロシリル基含有シロキサン化合物(以下、単にヒドロシリル基含有シロキサン化合物ともいう)を使用することができる。このような硬化剤は、機械強度や耐熱性に優れた硬化物を与えることが出来る。
上記ヒドロシリル基含有シロキサン化合物としては、テトラメチルジシロキサンと、アリール基又は炭素数1〜12のアルキル基を含有するトリアルコキシシランとを必須成分として、共加水分解・縮合することで得られるヒドロシリル基含有シロキサン化合物を好適に用いることができる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル、ベンジル、トリル、キシリル等のほか、メチル、エチル、プロピル、ブチル基等の置換基を有していてもよいフェニル基やナフチル基等を挙げることができる。これらのうち、耐熱性の観点から、フェニル基が好ましい。
上記炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−又はt−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、オクチル、イソオクチル、ドデシル基等を挙げることができる。これらのうち、相溶性、耐熱性の観点から、メチル基、エチル基、イソブチル、ヘキシル基が好ましい。
上記テトラメチルジシロキサンと上記トリアルコキシシランとのモル比は、10:90〜90:10であることが好ましく、より好ましくは、20:80〜70:30である。テトラメチルジシロキサンのモル比が10未満であると硬化後の架橋密度が低くなり、硬化性が低下する恐れがある。
上記ヒドロシリル基含有シロキサン化合物は、モノ又はジアルコキシシランの少なくとも1種類を60モル%以下、好ましくは、5〜50モル%程度、併用しても良い。
上記モノ又はジアルコキシシランの具体例としては、例えば、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、テトラヒドロフルフリロキシトリメチルシラン等が挙げられる。
上記ヒドロシリル基含有シロキサン化合物の分子量Mwは、400〜20000が好ましく、分子量がこの範囲にあると良好な機械強度が得られ、600〜10000がより好ましい。
上記ヒドロシリル基含有シロキサン化合物の加水分解・縮合反応の条件としては、20〜150℃、1〜24時間が好ましく、より好ましくは、20〜100℃、1〜12時間であり、さらに好ましくは20〜80℃、1〜6時間である。
上記ヒドロシリル基含有シロキサン化合物の製造には、酸性触媒を使用してもよく、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、ギ酸、硝酸を挙げることができる。
上記反応には必要に応じて溶媒を使用することができる。このような溶媒としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
本発明の組成物における硬化剤の配合量(固形分比)としては、上記ポリシロキサン中のビニル基含量と硬化剤中のSiH基含量のモル比、すなわちビニル基/SiH基のモル比が0.5/1〜2.0/1であることが好ましく、0.8/1〜1.2/1であることがより好ましい。
本発明の組成物における反応触媒としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が挙げられ等を挙げることができる。これらのうち好ましくは白金触媒である。
上記白金触媒としては具体的には、例えば、塩化白金酸のアルコール変性物、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体(例えば、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン複合体等)、白金のカルボニル錯体等を挙げることができる。
本発明の組成物における必須成分たる上記反応触媒の配合量としては、本発明の組成物100重量部に対して、好ましくは10〜1000ppm、より好ましくは20〜500ppmであり、さらに好ましくは20〜100ppmである。
本発明の組成物には、必要に応じて、任意成分として、エポキシ化合物、ビニル化合物、アリル化合物等を使用することができる。その配合量は、例えば、エポキシ化合物の場合、本発明の組成物100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましい。
本発明の組成物の硬化条件としては、80〜200℃、60〜300分が好ましく、120〜180℃、60〜180分がより好ましい。
本発明の組成物を適用するに好適な光素子としては、LED、有機EL、太陽電池等を挙げることができる。
以下に合成例、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1
ポリシロキサン誘導体(A−1)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK100g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液7.6g(水酸化テトラメチルアンモニウム16.7mmol)、蒸留水16.9g(1528.4mmol)を仕込んだ後、フェニルメチルジメトキシシラン20.1g(110.4mmol)、ビニルトリメトキシシラン79.9g(539.0mmol)を40〜45℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK100gを加え、次いで50gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。有機層を炭酸ナトリウムで乾燥、ろ過した後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(A−1)を得た。A−1は、Mw=3,700、分散度Mw/Mn=1.7であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/ビニル=1.0/4.9である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
ポリシロキサン誘導体(A−1)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK100g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液7.6g(水酸化テトラメチルアンモニウム16.7mmol)、蒸留水16.9g(1528.4mmol)を仕込んだ後、フェニルメチルジメトキシシラン20.1g(110.4mmol)、ビニルトリメトキシシラン79.9g(539.0mmol)を40〜45℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK100gを加え、次いで50gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。有機層を炭酸ナトリウムで乾燥、ろ過した後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(A−1)を得た。A−1は、Mw=3,700、分散度Mw/Mn=1.7であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/ビニル=1.0/4.9である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
合成例2
ポリシロキサン誘導体(A−2)の合成
合成例1の手順でジフェニルジメトキシシラン62.2g(254.7mmol)、ビニルトリメトキシシラン37.8g(254.7mmol)を加水分解・重縮合させ、目的の化合物(A−2)を得た。A−2は、Mw=1,500、分散度Mw/Mn=1.8であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/ビニル=2.1/1.0である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
ポリシロキサン誘導体(A−2)の合成
合成例1の手順でジフェニルジメトキシシラン62.2g(254.7mmol)、ビニルトリメトキシシラン37.8g(254.7mmol)を加水分解・重縮合させ、目的の化合物(A−2)を得た。A−2は、Mw=1,500、分散度Mw/Mn=1.8であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/ビニル=2.1/1.0である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
合成例3
ポリシロキサン誘導体(A−3)の合成
合成例1の手順でジフェニルジメトキシシラン79.4g(324.8mmol)、ビニルトリメトキシシラン20.6g(139.2mmol)を加水分解・重縮合させ、目的の化合物(A−3)を得た。A−3は、Mw=1,800、分散度Mw/Mn=1.7であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/ビニル=4.5/1.0である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
ポリシロキサン誘導体(A−3)の合成
合成例1の手順でジフェニルジメトキシシラン79.4g(324.8mmol)、ビニルトリメトキシシラン20.6g(139.2mmol)を加水分解・重縮合させ、目的の化合物(A−3)を得た。A−3は、Mw=1,800、分散度Mw/Mn=1.7であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/ビニル=4.5/1.0である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
合成例4
ポリシロキサン誘導体(A−4)の合成
合成例1の手順でジフェニルジメトキシシラン86.8g(355.4mmol)、ビニルトリメトキシシラン13.2g(88.8mmol)を加水分解・重縮合させ、目的の化合物(A−4)を得た。A−4は、Mw=2,600、分散度Mw/Mn=1.6であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/ビニル=8.3/1.0である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
ポリシロキサン誘導体(A−4)の合成
合成例1の手順でジフェニルジメトキシシラン86.8g(355.4mmol)、ビニルトリメトキシシラン13.2g(88.8mmol)を加水分解・重縮合させ、目的の化合物(A−4)を得た。A−4は、Mw=2,600、分散度Mw/Mn=1.6であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/ビニル=8.3/1.0である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
合成例5
硬化剤(B−2)の合成
撹拌機及び温度計を設置し、窒素雰囲気にした反応容器に、MIBK80g、フェニルトリメトキシシラン65.3g(329.1mmol)、テトラメチルジシロキサン14.7g(109.7mmol)を仕込んだ後、塩酸の35%水溶液0.9g(塩酸8.8mmol)、蒸留水23.1g(1316.5mmol)、IPA23.1gを室温で徐々に加え、1時間撹拌放置した。反応終了後、減圧下でMIBK、IPAを留去して目的の化合物(B−2)を得た。B−2は、Mw=800、分散度Mw/Mn=1.1であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/水素=1.6/1.0である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
硬化剤(B−2)の合成
撹拌機及び温度計を設置し、窒素雰囲気にした反応容器に、MIBK80g、フェニルトリメトキシシラン65.3g(329.1mmol)、テトラメチルジシロキサン14.7g(109.7mmol)を仕込んだ後、塩酸の35%水溶液0.9g(塩酸8.8mmol)、蒸留水23.1g(1316.5mmol)、IPA23.1gを室温で徐々に加え、1時間撹拌放置した。反応終了後、減圧下でMIBK、IPAを留去して目的の化合物(B−2)を得た。B−2は、Mw=800、分散度Mw/Mn=1.1であり、1H−NMR測定で置換基比フェニル/水素=1.6/1.0である、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
合成例6
シルセスキオキサン誘導体(SQ−1)の合成
合成例1の手順でビニルトリメトキシシラン42.8g(288.6mmol)、フェニルトリメトキシシラン57.2g(288.6mmol)を加水分解・重縮合させ、目的の化合物(SQ−1)を得た。SQ−1は、Mw=3,120、分散度Mw/Mn=1.9であるラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
シルセスキオキサン誘導体(SQ−1)の合成
合成例1の手順でビニルトリメトキシシラン42.8g(288.6mmol)、フェニルトリメトキシシラン57.2g(288.6mmol)を加水分解・重縮合させ、目的の化合物(SQ−1)を得た。SQ−1は、Mw=3,120、分散度Mw/Mn=1.9であるラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体であった。
各合成例で得られた化合物の重量平均分子量(Mw)と仕込み量にもとづくD/Tモル比を表1に示した。1H−NMR測定で判定されるD/T比はこの値とよく一致していた。なお、Mwはポリスチレン換算のGPCにより測定した。
実施例1〜4、比較例1〜2
表2の配合によりそれぞれ各成分を混合し、各サンプル組成物を得た。ここで、表2に示す各成分の配合比率は、固形分(溶媒を含まない)について記載しており、固形分濃度が20重量%となる様に調製した。この組成物を、10分間真空脱泡した後、150℃、180分の条件で硬化させ、厚さ1mm、20mm×20mmの大きさのサンプルをそれぞれ製造した。
表2の配合によりそれぞれ各成分を混合し、各サンプル組成物を得た。ここで、表2に示す各成分の配合比率は、固形分(溶媒を含まない)について記載しており、固形分濃度が20重量%となる様に調製した。この組成物を、10分間真空脱泡した後、150℃、180分の条件で硬化させ、厚さ1mm、20mm×20mmの大きさのサンプルをそれぞれ製造した。
評価
各サンプルを以下の方法で評価した。結果を表2に示した。
屈折率:多波長アッベ屈折計DR−M2(アタゴ社製)を用いて、589nm光により試料温度25℃にて測定した。
初期透過率(T%):1mm厚みの硬化物を上記硬化条件にて作成し、島津製作所社製分光光度計UV−2450にて、450nm波長光の透過率を求めた。
耐熱性試験後透過率(%):1mm厚みの硬化物を送風乾燥機内180℃、100時間曝露後の450nm波長光の透過率を求めた。
耐ヒートサイクル性:厚さ5mm、直径20mmの硬化物を−40℃、30分間、120℃、30分間の条件で100サイクル後、クラックの有無を目視で観察した。評価基準は以下のとおり。
クラックが全くない:○
クラックがある:×
硫黄バリア性:銀メッキSPCC(10mm×10mm×1mm)を内部に含んだ厚さ5mm、直径20mmの硬化物を、硫黄雰囲気下、80℃、500時間放置後、銀メッキの着色の有無を目視で観察した。評価基準は以下のとおり。
着色無し:○
着色有り:×
各サンプルを以下の方法で評価した。結果を表2に示した。
屈折率:多波長アッベ屈折計DR−M2(アタゴ社製)を用いて、589nm光により試料温度25℃にて測定した。
初期透過率(T%):1mm厚みの硬化物を上記硬化条件にて作成し、島津製作所社製分光光度計UV−2450にて、450nm波長光の透過率を求めた。
耐熱性試験後透過率(%):1mm厚みの硬化物を送風乾燥機内180℃、100時間曝露後の450nm波長光の透過率を求めた。
耐ヒートサイクル性:厚さ5mm、直径20mmの硬化物を−40℃、30分間、120℃、30分間の条件で100サイクル後、クラックの有無を目視で観察した。評価基準は以下のとおり。
クラックが全くない:○
クラックがある:×
硫黄バリア性:銀メッキSPCC(10mm×10mm×1mm)を内部に含んだ厚さ5mm、直径20mmの硬化物を、硫黄雰囲気下、80℃、500時間放置後、銀メッキの着色の有無を目視で観察した。評価基準は以下のとおり。
着色無し:○
着色有り:×
表2中の略号の意味は以下のとおり。
シルセスキオキサン誘導体SQ−1:合成例6で得られた、ビニル基/フェニル基比=50/50である。
シリコーンゴム:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製IVS−4312
硬化剤B−1:1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン
硬化剤B−2:合成例5で得られたシロキサン誘導体
白金触媒:白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン複合体
なお、誘導体と硬化剤の配合比は、ビニル基/SiH基モル比=1.02/1である。
シルセスキオキサン誘導体SQ−1:合成例6で得られた、ビニル基/フェニル基比=50/50である。
シリコーンゴム:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製IVS−4312
硬化剤B−1:1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン
硬化剤B−2:合成例5で得られたシロキサン誘導体
白金触媒:白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン複合体
なお、誘導体と硬化剤の配合比は、ビニル基/SiH基モル比=1.02/1である。
表2からわかるとおり、本発明の組成物の硬化物は、透明性、高屈折率及び耐熱性とともに、耐ヒートサイク性、硫黄バリア性をバランスよく発揮することができた。
Claims (10)
- 芳香族基含有ジアルコキシシラン由来のD単位とアルケニル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位とが、D単位/T単位のモル比0.2/1〜4.0/1において、ランダムに結合し、重量平均分子量が1000〜30000であるポリシロキサンと、
アルケニル基と反応可能な硬化剤と、
反応触媒とを含有することを特徴とする光素子封止用組成物。 - 芳香族基含有ジアルコキシシランは、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン及びフェニルジエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の光素子封止用組成物。
- アルケニル基含有トリアルコキシシランは、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン及びp−スチリルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載の光素子封止用組成物。
- 硬化剤は、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン及びテトラメチルジシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載の光素子封止用組成物。
- 硬化剤は、アリール基又は炭素数1〜12のアルキル基を含有し、複数のシロキサン結合を有するヒドロシリル基含有シロキサンである請求項1〜3のいずれか記載の光素子封止用組成物。
- 硬化剤は、テトラメチルジシロキサンと、アリール基又は炭素数1〜12のアルキル基を含有するトリアルコキシシランとを必須成分として、共縮合して得られるヒドロシリル基含有シロキサン化合物である請求項5記載の光素子封止用組成物。
- トリアルコキシシランは、フェニルトリアルコキシランである請求項6記載の光素子封止用組成物。
- 硬化剤は、さらにモノ又はジアルコキシシランの少なくとも1種を5〜50モル%使用して得られるヒドロシリル基含有シロキサン化合物である請求項6又は7記載の光素子封止用組成物。
- 反応触媒は、白金触媒である請求項1〜8のいずれか記載の光素子封止用組成物。
- 請求項1〜9のいずれか記載の光素子封止用組成物を用いて封止してなる光素子。
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WO2014061318A1 (ja) * | 2012-10-19 | 2014-04-24 | 信越化学工業株式会社 | 太陽電池セル封止用シリコーンゲル組成物及び太陽電池モジュール |
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2010
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