JP2012116920A - ポリオキシメチレン樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼却しても、大気中の二酸化炭素量を増大させにくいポリオキシメチレン樹脂を製造する方法を提供する。
【解決手段】メタノールからホルムアルデヒドを製造する第一工程と、上記第一工程で得られたホルムアルデヒドからポリオキシメチレン樹脂を製造する第二工程と、を備え、第一工程で使用するメタノールとして、植物を原料とするメタノールを含むメタノールを使用する。植物を原料とするメタノールとしては、バイオディーゼル製造時に得られるグリセリンから製造されたものを使用することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオキシメチレンの製造方法に関する。
エンジニアリングプラスチックと呼ばれる一群の樹脂は、優れた強度等の物性を有するため、様々な分野に使用されている。例えば、軽量化等のために、金属部品から樹脂部品に変更する際の樹脂部品の材料として使用される。
エンジニアリングプラスチックの中で、ポリオキシメチレン樹脂は、結晶化度が高く、剛性、強度、耐薬品性、耐溶剤性等の点で特に優れている。このような性質から、ポリオキシメチレン樹脂は、主に射出成形材料として自動車、電気機器の機構部品の分野で幅広く使われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−126523号公報
特許文献1に記載されるような一般的なポリオキシメチレン樹脂は、天然ガスや石炭等の化石資源(以下、天然ガス等の化石資源)から製造されるメタノールを原料に製造する。天然ガス等の化石資源は地中から採掘されるため、一般的な方法で製造されたポリオキシメチレン樹脂を焼却処分すると、大気中の二酸化炭素の量を増大させる。即ち、従来から行われる方法で製造したポリオキシメチレン樹脂を焼却処分することは、地中から炭素を取り出し、二酸化炭素を大気中に排出することを意味する。
近年の環境・資源問題として、二酸化炭素等の温室効果ガスの増加への対応策、将来の化石資源の枯渇への対応策が社会的に求められている。上記の通り、ポリオキシメチレン樹脂が焼却処分されると、大気中の二酸化炭素量が増大する。このため、大気中の二酸化炭素量を増大させる上記問題を解消し、ポリオキシメチレン樹脂を環境負荷の少ない材料にする方法が求められる。
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、焼却しても、大気中の二酸化炭素量を増大させにくいポリオキシメチレン樹脂を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、植物から製造されたメタノールを原料にポリオキシメチレン樹脂を製造すれば、大気中の二酸化炭素量を増加させないことに着目し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) メタノールからホルムアルデヒドを製造する第一工程と、前記第一工程で得られたホルムアルデヒドからポリオキシメチレン樹脂を製造する第二工程と、を備え、前記メタノールは、植物を原料とするメタノールを含むポリオキシメチレン樹脂の製造方法。
(2) 前記メタノールは、バイオディーゼル製造時に得られるグリセリンを原料として製造される(1)に記載のポリオキシメチレン樹脂の製造方法。
(3) 前記第二工程は、ホルムアルデヒドからトリオキサンを製造し、該トリオキサンからポリオキシメチレン樹脂を製造する工程である(1)又は(2)に記載のポリオキシメチレン樹脂の製造方法。
(4) 前記トリオキサンと環状エーテルとを共重合させてポリオキシメチレン樹脂を製造する(3)に記載のポリオキシメチレン樹脂の製造方法。
(5) 前記環状エーテルは、植物を原料とする環状エーテルである(4)に記載のポリオキシメチレン樹脂を製造する方法。
本発明では、ポリオキシメチレン樹脂を製造するために用いるメタノールが、植物由来のメタノールを含む。植物は、光合成を行なうため、成長の過程で大気中の二酸化炭素を吸収する。その結果、植物由来のメタノールを用いて製造したポリオキシメチレン樹脂を焼却して二酸化炭素を排出したとしても、その排出された二酸化炭素の少なくとも一部は、植物が吸収した二酸化炭素が大気中に戻っただけと見ることができる。つまり、ポリオキシメチレン樹脂を焼却処分した際の、大気中の二酸化炭素の増加量を従来よりも抑えることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<ポリオキシメチレン樹脂の製造方法>
本発明のポリオキシメチレンの製造方法は、メタノールからホルムアルデヒドを製造する第一工程と、上記第一工程で得られたホルムアルデヒドからポリオキシメチレン樹脂を製造する第二工程と、を備える。以下、各工程について説明する。
[第一工程]
第一工程は、メタノールからホルムアルデヒドを製造する工程である。本発明は原料となるメタノールが、植物を原料とするものを含むため、本発明の方法で製造されたポリオキシメチレン樹脂を焼却処分したとしても、大気中の二酸化炭素量の増加を従来よりも抑えることができる。
本発明に使用する植物を原料として製造されるメタノールの製造方法は特に限定されないが、例えば以下の方法で製造することができる。
本発明に使用する植物を原料として製造されるメタノールは、草木や紙ごみ等の固体成分や、糖質や油脂等の天然由来の有機成分から取り出した液体成分等のバイオマスを原料として、これを従来公知の一般的な方法で、水素(H)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)を主成とする合成ガスにガス化し、このガスを触媒存在下で合成することにより製造することができる。
特に有利な方法として、植物由来の材料から得たグリセリンを、メタノールに変換する方法が挙げられる。本発明においては、特に、バイオディーゼルの製造時に副生成物として、生成するグリセリンを使用することが好ましい。バイオディーゼルの製造時に生成するグリセリンを使用することで、従来不要とされていたグリセリンを原料とすることができる結果、グリセリンの製造工程を設ける必要が無くなり、工業的に有利である。
バイオディーゼルの製造時に生成するグリセリンは、植物由来の油脂類と例えば第一級アルコールとを、アルカリ環境下でエステル交換反応をさせることで、生成する。上記エステル交換反応後のバイオディーゼルとグリセリン等との混合物から、バイオディーゼルを精製により除去したグリセリンをメタノール製造のための原料として、上記の通り好ましく使用することができる。
メタノールの製造に使用する植物由来の油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、アマニ油、ヒマワリ油、桐油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、サトウキビ油、大豆油、菜種油、カノーラ油、ゴマ油、米油、オリーブ油、落花生油、ヒマシ油、カカオ脂、ヤシ油、紅花油、クルカス油、ミフクラギ油、スナバコノキ油等を挙げることができる。
上記のようにして得られたグリセリンからメタノールを製造する方法は特に限定されない。例えば、先ず、グリセリンを精製し、次いで、必要に応じて炭化水素、水蒸気を加え、ニッケル系触媒下、所定の温度にて反応させ、水素(H)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)を主成分とする合成ガスを生成する。次いで、銅、亜鉛系のメタノール合成触媒上で上記合成ガスを所定の圧力、温度で反応させて粗メタノールを合成する。最後に、一般的な蒸留工程を経てメタノールが得られる。この場合、添加する炭化水素は植物由来であっても、また、天然ガス等の化石資源に由来していてもよく、植物由来のメタノールの純度を任意に調整することができる。
第一工程において、原料として用いるメタノールには、上記のような植物油来のメタノール以外に、更に天然ガス等の化石資源から製造されたメタノールが含まれていてもよい。植物由来のメタノールと、天然ガス等の化石資源に由来のメタノールとを混合する場合、その混合比は特に限定されないが、植物由来のメタノールの使用量が多いほど、環境負荷が少ない。つまり、ポリオキシメチレン樹脂を焼却処分した場合に、大気中の二酸化炭素の増加を抑える効果が大きい。
また、植物由来のメタノールと、天然ガス等の化石資源に由来のメタノールとを混合する場合の混合比は、例えば、ポリオキシメチレン樹脂の製造コスト等を考慮して適宜調整することができる。
天然ガス等の化石資源に由来のメタノールの製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。従来公知の方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
先ず、改質器において、ガス状炭化水素と水蒸気とをニッケル系触媒下、所定の温度にて反応させ、水素(H)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)を主成分とする合成ガスを生成する。次いで、銅、亜鉛系のメタノール合成触媒上で上記合成ガスを所定の圧力、温度で一酸化炭素と水素又は二酸化炭素と水素とを反応させて粗メタノールを合成する。最後に、一般的な蒸留工程を経てメタノールが得られる。
第一工程で原料となるメタノールは、上記の植物を原料として製造されるメタノール又は、このメタノールと天然ガス等の化石資源から製造されるメタノールとの混合物である。
メタノールからホルムアルデヒドを製造する方法は特に限定されないが、例えば、銀接触法、Formox法等を挙げることができる。銀接触法は、銀触媒又は銅触媒存在下で、メタノールの脱水素又はオキシ脱水素を行なう方法である。Formox法は、鉄を含有する酸化モリブデン触媒の存在下で、メタノールを酸化する方法である。
[第二工程]
第二工程とは、上記第一工程で得られたホルムアルデヒドからポリオキシメチレン樹脂を製造する工程である。第二工程で製造されるポリオキシメチレン樹脂は、ホモポリマーであってもよいし、コポリマーであってもよい。
ホモポリマーの場合には、例えば、ホルムアルデヒド及び公知の分子量調節剤を原料とし、公知の有機アミン、有機或いは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒、炭化水素等の溶媒を用い、公知の一般的な重合方法及び末端安定化方法でポリオキシメチレン樹脂を得ることができる。
コポリマーの製造方法としては、ホルムアルデヒド単体を主モノマーとする共重合法及びホルムアルデヒド誘導体を主モノマーとする共重合法がある。ホルムアルデヒド誘導体としては、一般式(CHO)n〔但し、nは3以上の整数〕で表され、ホルムアルデヒドの環状三重体であるトリオキサンが代表として挙げられる。トリオキサンは一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を加熱することによって得られ、例えば、加熱後に蒸留等の方法で精製して用いることができる。
共重合法では、主モノマーに加えて副原料としてコモノマーを使用する。コモノマーとしては、公知の環状エーテル(環状ホルマールを含む)等が挙げられる。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−へキサンジオールホルマール等の環状エーテルが挙げられる。これらは混合して使用してもよい。
上記コモノマーに関し、その合成において植物由来の原料を一部又は全部使用することにより、植物原料からなるコモノマーとなり、これの使用により、更に環境負荷の小さいポリオキシメチレン樹脂を得ることができる。植物由来のコモノマーとしては、例えば、植物由来のエチレングリコールと上述の植物由来のホルムアルデヒドから公知の方法で1,3−ジオキソランが合成できる。
コモノマーの使用量は、特に限定されず、得られるポリオキシメチレン樹脂の剛性、耐薬品性等の物性を考慮して決めることができる。
重合時に分子量調整成分を添加することも可能である。分子量調整成分としては、従来公知の低分子量アセタール化合物等が挙げられ、具体的には、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテル等のアルコキシ基を有する化合物が挙げられる。
上記低分子アセタールも植物由来のものを使用することで、更に環境負荷の小さいポリオキシメチレン樹脂を得ることができる。
更にジグリシジルエーテル化合物等の従来公知の分岐・架橋を形成しうる多官能性化合物を加えて重合したりすることも可能である。
具体的な重合は、触媒の存在下に行われる。触媒としては、一般にカチオン重合触媒が用いられ、具体的には、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の無機及び有機酸、トリエチルオキソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラフロロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等のアルキル金属塩、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらのカチオン重合触媒はそのままでも、有機溶剤等で予め希釈して用いることもでき、その調製方法は特に限定されない。
また、ポリオキシメチレン樹脂の製造に用いる重合装置も特に限定されるものではなく、従来公知の装置を製造することができる。具体的には、バッチ式の装置、連続式の装置等、いずれも使用可能である。また、重合温度は40℃以上135℃以下に保つことが好ましい。
このようにして重合させた後、触媒の活性を停止させるための失活処理を行う。触媒の失活は、重合反応後、重合装置より排出される生成反応物、或いは、重合装置中の反応生成物に塩基性化合物或いはその水溶液等を加えて行う。重合触媒を中和し失活するための塩基性化合物としては、アンモニア、或いは、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン等のアミン類、或いは、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物塩類、その他公知の触媒失活剤が用いられる。また、重合反応後、生成物にこれらの水溶液を速やかに加え、失活させることが好ましい。
かかる重合方法及び失活方法の実施後、必要に応じて更に、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を従来公知の方法にて行う。更に、不安定末端部の分解除去又は安定物質による不安定末端の封止等、必要により公知の方法による安定化処理を行い、必要な各種安定剤を配合する。ここで用いられる安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等のいずれか1種又は2種以上を挙げることができる。上記により、コポリマーのポリオキシメチレン樹脂を得ることができる。
<効果>
最後に本発明の効果について、簡単に説明する。先ず、本発明は、植物由来のメタノールを原料として、ポリオキシメチレン樹脂を製造する。植物は成長の際に光合成を行なう。つまり、植物は大気中の二酸化炭素を吸収しながら成長する。この大気中の二酸化炭素を吸収する植物を原料として製造したポリオキシメチレン樹脂を焼却処分して二酸化炭素が排出されたとしても、植物が吸収した二酸化炭素が大気中に戻ることになり、大気中の二酸化炭素の増加が抑えられることになる。一方、従来の天然ガス等の化石資源を用いて製造したメタノールを原料に製造したポリオキシメチレン樹脂を焼却処分すると、地中に存在していた炭素が二酸化炭素として大気中に排出されることになり、大気中の二酸化炭素の量を増大させる。なお、植物由来のメタノールと天然ガス等の化石資源に由来のメタノールとの混合物を使用してポリオキシメチレン樹脂を製造する場合には、植物由来のメタノールの使用量が多いほど、大気中の二酸化炭素の増加を抑える効果が大きい。
本発明において、植物由来のメタノールを、バイオディーゼル製造時に得られるグリセリンから製造すれば、工業的に有利である。
また、共重合体のポリオキシメチレン樹脂を使用する場合、コポリマー成分についても植物由来の原料にすることで、更に環境負荷の少ない樹脂になる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
鉄含有の酸化モリブデン触媒(モリブデン酸塩及び鉄塩の水溶液の混合物から鉄モリブデン酸塩を沈殿、濾別、洗浄後、乾燥、粉砕、成形、焼成する公知の方法で得た)を、反応管に充填した。次いで、バイオディーゼルを得る際に生成するグリセリンから製造したメタノール(BioMCN社製、70%植物由来)と酸素と窒素とを混合比6.6:23.4:70.0(メタノール:酸素:窒素)で含む混合ガスを反応管に流し、メタノールを酸化することによりホルムアルデヒド水溶液を製造した。酸化反応は320℃で行なった。反応ガスはラシッヒリングを詰めたストリッピングカラム中で、水でストップした。この操作でメタノールの90モル%がホルムアルデヒドに転化した。なお、ホルムアルデヒド水溶液中にはホルムアルデヒドが25質量%含まれていた。
次いで、上記ホルムアルデヒド水溶液を濃縮して50質量%としたホルムアルデヒド水溶液99質量部と触媒である硫酸を1質量部とを混合し、110℃で1.5時間反応させた。この反応の気相部からトリオキサンを得た。ホルムアルデヒドのトリオキサンへの転化率は20%であった。
外側に熱(冷)媒を通すジャケットが付き、断面が2つの円が一部重なる形状を有するバレルと、パドル付き回転軸で構成される連続式混合反応機を重合機として用い、ジャケットに80℃の温水を通し、パドルを付した2本の回転軸をそれぞれ150rpmで回転させながら、その重合機の一端に3.3質量%の1,3−ジオキソランを含むトリオキサンを連続的に供給し、更に分子量調節剤としてメチラール0.1質量%、触媒の三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートのジブチルエーテル溶液をトリオキサンに対して三フッ化ホウ素換算で0.003質量%となる様に連続的に添加供給し塊状重合を行った。重合機から排出された反応生成物は速やかに破砕機に通しながら、トリエチルアミンを0.05質量%含有する60℃の水溶液に加え触媒を失活した。更に、分離、洗浄、乾燥後、粗ポリアセタール共重合体を得た。ついで、この粗ポリアセタール樹脂100質量部に対して、トリエチルアミン4質量%水溶液を4質量%添加し2軸押出機にて210℃で溶融混練し不安定部分を除去した。更に安定剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.3質量部、及びメラミン0.15質量部を添加し、2軸押出機にて210℃で溶融混練し、ペレット状のポリオキシメチレン樹脂を得た。
上記コポリマーの場合、ポリオキシメチレン樹脂1kgを焼却すると、1.47kgの二酸化炭素を排出する。本発明では、二酸化炭素を吸収しながら成長した植物を主原料として、ポリオキシメチレン樹脂を製造したため、ポリオキシメチレン樹脂を焼却したとしても、0.99kg分の二酸化炭素量の増大を抑えることができる。
<実施例2>
実施例1で使用した副原料の1,3−ジオキソランを植物原料由来とした以外は実施例1と同様の方法でポリオキシメチレン樹脂を得た。ここでは、植物由来のホルムアルデヒドと植物由来のエチレングリコールを原料して、公知の方法で合成した1,3−ジオキソランを用いた。
上記コポリマーの場合、ポリオキシメチレン樹脂1kgを焼却すると、1.47kgの二酸化炭素を排出する。本発明では、二酸化炭素を吸収しながら成長した植物を全てのモノマー原料として、ポリオキシメチレン樹脂を製造したため、ポリオキシメチレン樹脂を焼却したとしても、1.03kg分の二酸化炭素量の増大を抑えることができる。

Claims (5)

  1. メタノールからホルムアルデヒドを製造する第一工程と、
    前記第一工程で得られたホルムアルデヒドからポリオキシメチレン樹脂を製造する第二工程と、を備え、
    前記メタノールは、植物を原料とするメタノールを含むポリオキシメチレン樹脂の製造方法。
  2. 前記メタノールは、バイオディーゼル製造時に得られるグリセリンを原料として製造される請求項1に記載のポリオキシメチレン樹脂の製造方法。
  3. 前記第二工程は、ホルムアルデヒドからトリオキサンを製造し、該トリオキサンからポリオキシメチレン樹脂を製造する工程である請求項1又は2に記載のポリオキシメチレン樹脂の製造方法。
  4. 前記トリオキサンと環状エーテルとを共重合させてポリオキシメチレン樹脂を製造する請求項3に記載のポリオキシメチレン樹脂の製造方法。
  5. 前記環状エーテルは、植物を原料とする環状エーテルである請求項4に記載のポリオキシメチレン樹脂を製造する方法。
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JP2016520155A (ja) * 2013-05-29 2016-07-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se ポリオキシメチレンの製造方法

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