JP2012116296A - プリテンショナー、これを有するシートベルトリトラクタ、およびこれを備えたシートベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリテンショナー8のピストン25の外周側面25fに円弧状に湾曲した凹部25hが形成されるとともに、ピストン25の初期セット状態で、凹部25hがパイプ10の湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1に密着または
ほぼ密着する。これにより、ピストン25の外周側面25fがパイプ10の湾曲部10eにセットされても、パイプ10の湾曲部10eの内周面10dの部分10d1へのピスト
ン25の外周側面25fのラップを小さくすることができる。したがって、ピストン25とパイプ10との間の摺動抵抗を、外周側面に凹部を有さない円柱のピストンに比べて小さくすることができる。
【選択図】 図4
Description
aの軸方向に向かって直線状に形成されることが考えられる。
合、円柱のピストンaの外周側面a1がピストンaの軸方向に向かって直線状になってい
るとともにシール性を確保するために、ピストンaの大きさによって、図9(a)に示すようにピストンaの外周側面a1がパイプcの湾曲部c1の内周面c2に圧接されて食い込
んだラップ状態にならざるを得ないか、図9(b)に示すようにピストンaの外周側面a1がパイプcの湾曲部c1の内周面c2に食い込むほどではないが圧接された状態にならざ
るを得なくなる。このため、パイプcとピストンaとの間の摺動抵抗が大きくなり、スプリングの付勢力がボールからなる力伝達部材dに効率よく伝達されず、スプリングにより力伝達部材dを移動しないように効果的に付勢することが難しくなる場合が考えられる。このため、力伝達部材dが若干がたついて、隣接する力伝達部材dどうしが接触することによるがたつき音が発生するという問題が起こる可能性が考えられる。
とも有し、前記プリテンショナーが前述の本発明のプリテンショナーのいずれか1つであることを特徴としている。
図1は本発明にかかるシートベルトリトラクタの実施の形態の一例を備えたシートベルト装置を模式的に示す図である。
このシートベルト装置1におけるシートベルト4の装着操作および装着解除操作も、従来公知のシートベルト装置と同じである。
図2に示すように、シートベルトリトラクタ3は、本発明に係るプリテンショナーの実施の形態の一例であるプリテンショナー8を備えている。この例のプリテンショナー8は、シートベルトリトラクタ3のフレーム9に支持されている。フレーム9は、車室内側(図2において左側)に位置して車体に取り付けられるベース部9aと、このベース部9aから折曲されて設けられる一対の側壁9b,9cとを有する。
ド部材11がボルト等の適宜の固着具によって一方の側壁9bに固定されたパイプ取り付け部24に取り付けられている。
ス圧が作用したとき凹部25cを取り囲む外周縁部25eの外周側面25fがパイプ10の内周面10dの全体に密着可能となる。また、他方の凹部25dにより、受圧端面25aにガス圧が作用してピストン25がボール12aを押圧したときこの凹部25dにボール12aの一部が侵入することで、凹部25dを取り囲む外周縁部25g側の外周側面25fがパイプ10の内周面10dに密着するようになる。ピストン25のこれらの密着により、ピストン25とパイプ10との間のシール性が向上されている。
6(a)および(b)に示すようにピストン25の外周側面25fの凹部25hはパイプ10の湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1に倣って密着
またはほぼ密着するようになっている。その場合、凹部25hの深さd(外周側面25f
から凹部25hの底までの長さ;図5(d)に図示)が比較的深い(大きい)と、図6(a)に示すようにピストン25の凹部25hと湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1とのピストン軸方向の密着長さが大きく設定され、また、凹部
25hの深さdが比較的浅い(小さい)と、図6(b)に示すようにピストン25の凹部25hと湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1とのピスト
ン軸方向の密着長さが小さく設定される。このようにピストン25の凹部25hと湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1との密着量が凹部25hの
深さdに応じて種々設定可能となっている。なお、パイプ10の湾曲部10eの湾曲した外周側10gの内周面10dの部分10d3とピストン25の凹部25hとは離間してい
る。
がパイプ10の湾曲部10eにセットされても、ピストン25の外周側面25fがパイプ10の湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1に圧接する圧
接力は、凹部25hを有さない図8(a)ないし(c)に示す比較例の円柱のピストンに比べてはるかに小さくなる。これにより、ピストン25とパイプ10との間の摺動抵抗も小さくなる。したがって、スプリング26の付勢力はピストン25を介してボール12aに効率よく伝達され、プリテンショナー8の非作動状態での各ボール12aのがたつきは効果的に抑制されている。
転し、車両衝突時等の車両に大きな減速度が加えられた緊急時に作動されるロック機構によりその回転がロックされることでスプールのシートベルト引き出し方向の回転を阻止するものである。複数のボールを用いたプリテンショナーおよびロッキングベースを有するELRとして、例えば特開2001−233172号公報等に記載されたELRがあり、この公開公報を参照すればロッキングベースの作動を理解することができるので、その詳細な説明は省略する。
撃緩和部材として機能する。
プリテンショナー8の非作動時には、図2に示すようにリングギア15が非作動位置にされている。したがって、リングギア15はその内歯15aがピニオン19の外歯19aに噛合しない状態に保持されている。また、スプリング26の付勢力でピストン25がボール12aを押圧するので、最初の第1のボール12aがストッパ16のリングギア回転方向上流側の側縁16aに当接した状態に保持される(なお、リングギア15の回転方向は図2において反時計回り、すなわちシートベルト巻き取り方向である)。このとき、スプリング26の付勢力がピストン25を介してボール12aへ効率よく伝達されるので、各ボール12aは順次互いに隣接するボール12aどうしが当接した状態にされてがたつくことなく保持される。このとき、ガスジェネレータ14がガスを発生しなく、ボール12aはリングギア15側のストッパ16をスプリング26の付勢力で軽く押圧するだけで、リングギア15が作動する程度には実質的に押圧しない。
イド溝22にガイドされてリングギア15の回転とともに移動する。そして、図7(a)に示すように第1のボール12aがケース本体側のストッパ23aに当接する。このとき、リングギア15のストッパ16のリングギア回転方向下流側の側縁16bが対向するボール12aに当接していない。
のボール12aへの当接力が増大する。この楔効果は、ストッパ16の外周端縁16cとパイプ10の内周面10dの部分10d2との間の間隔がボール12aの移動方向(つま
り、リングギア15の回転方向に向かって次第に狭くなることで発揮される。これにより、このボール12aは移動不能となり、リングギア15の回転が停止する。したがって、ピニオン19およびスプールの回転も停止し、スプールによるシートベルト巻き取りが終了する。このプリテンショナー8によるシートベルト4の巻き取りにより、シートベルト4による乗員の拘束力が高められる。なお、このときのリングギア15の回転量とスプールの回転量(すなわち、スプールのシートベルト巻取り量)との関係は、リングギア15の内歯15aとピニオン19の外歯19aとのギア比を適宜設定することにより決定される。
この例のプリテンショナー8の他の作動は、従来の複数のボールを用いたプリテンショナーの作動と実質的に同じである。また、この例のシートベルトリトラクタ3の他の作動も、従来のELRあるいはALRの作動と実質的に同じである。
向に沿って湾曲した凹部25hの断面形状の半径が湾曲部10eの内周側10fの内周面10dの部分10d1の半径と同じかまたほぼ同じに設定することで、凹部25hがパイ
プ10の湾曲部10eの湾曲した内周側10fにおける内周面10dの部分10d1に倣
って密着またはほぼ密着するようになる。このようにピストン25の外周側面25fがパイプ10の湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1に倣って
密着またはほぼ密着することで、ピストン25の外周側面25fがパイプ10の湾曲部10eにセットされても、パイプ10の湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1へのピストン25の外周側面25fのラップを小さくすることができる
。したがって、ピストン25の外周側面25fがパイプ10の湾曲部10eの湾曲した内周側10fの内周面10dの部分10d1に圧接する圧接力を、外周側面に湾曲した凹部
を有さない図8(a)ないし(c)に示す円柱のピストンに比べてはるかに小さくすることができるので、ピストン25とパイプ10との間の摺動抵抗も小さくすることができる。これにより、スプリング26の付勢力をピストン25を介してボール12aに効率よく伝達させることができ、プリテンショナー8の非作動状態での各ボール12aのがたつきを効果的に抑制することが可能となる。その結果、プリテンショナー8の非作動状態での各ボール12aのがたつき音を低減することができる。
eの湾曲した内周側10fのパイプ10の内周面10dの部分、10d2…切欠部10c
と反対側のパイプ10の内周面10dの部分、10e…湾曲部、10f…湾曲部10eの湾曲した内周側、10g…湾曲部10eの湾曲した外周側、12…力伝達部材、12a…ボール、13…圧力容器、14…ガスジェネレータ、15…リングギア、16…ストッパ、17…レバー、19…ピニオン、25…ピストン、25a…受圧端面、25b…押圧端面、25f…外周側面、25h…凹部、26…スプリング、27…スプール
Claims (5)
- パイプと、緊急時にガスを発生するガスジェネレータと、前記パイプ内に移動可能に設けられるとともに前記ガスジェネレータで発生した前記ガスのガス圧を受圧して力を発生するピストンと、前記ピストンが発生した前記力を伝達する複数の力伝達部材と、非作動時に前記ピストンを前記力伝達部材の方へ付勢するスプリングと、少なくとも回転可能に設けられるとともに、内周に複数の内歯を有しかつ外周に前記力伝達部材で伝達される前記力で押圧される複数の被押圧部を有するリングギアと、スプール側部材に設けられるとともに、前記内歯に噛合する外歯を有しかつ前記スプール側部材を回転させるピニオンとを少なくともを備え、緊急時に、前記力伝達部材が前記リングギアの被押圧部を押圧することで前記スプール側部材をシートベルト巻き取り方向に回転させるプリテンショナーにおいて、
前記ピストンの外周側面に前記ピストンの軸方向に向かって湾曲した凹部が形成されていることを特徴とするプリテンショナー。 - 前記パイプは湾曲された湾曲部を有し、
非作動時に前記ピストンは前記パイプの前記湾曲部にセットされているとともに、前記ピストンの外周側面に形成された前記凹部の少なくとも一部が、前記パイプの前記湾曲部の湾曲した内周側のパイプの内周面の部分に当接していることを特徴とする請求項1に記載のプリテンショナー。 - ピストン軸方向に沿う前記凹部の断面形状が円弧状に湾曲して形成されているとともに、前記凹部の前記断面形状の半径が、前記パイプの前記湾曲部の前記パイプの前記内周面の部分の半径と同じかまたはほぼ同じに設定されていることを特徴とする請求項2に記載のプリテンショナー。
- シートベルトを巻き取るスプールと、緊急時に前記スプールをシートベルト巻き取り方向に回転させるプリテンショナーとを少なくとも有し、
前記プリテンショナーは請求項1ないし3のいずれか1に記載のプリテンショナーであることを特徴とするシートベルトリトラクタ。 - シートベルトと、前記シートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタと、シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、車体に設けられるとともに前記タングが係脱可能に係止されるバックルとを少なくとも有し、
前記シートベルトリトラクタは請求項4に記載のシートベルトリトラクタであることを特徴とするシートベルト装置。
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