JP2012116131A - サーマルヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 印刷品質を低下させることなく電極配線を保護できるサーマルヘッド及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 電極配線5と発熱抵抗体4とを覆って保護する耐摩耗保護層11と、電極配線5を覆うとともにボンディングパッド9に開口部を設けた感光性絶縁膜12と、ボンディングパッド9とボンディングワイヤ40とを覆って保護する封止樹脂13と、を有し、電極配線5は、ボンディングパッド9が設けられたパッド領域と、発熱抵抗体4から前記パッド領域までの配線領域とに亘って配置されて、前記配線領域で耐摩耗保護層11に覆われ、前記配線領域の前記パッド領域近傍で耐摩耗保護層11及び感光性絶縁膜12に覆われており、封止樹脂13は、前記配線領域の前記パッド領域近傍で発熱抵抗体4側の感光性絶縁膜12を露出させるように感光性絶縁膜12の一部を覆っていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 電極配線5と発熱抵抗体4とを覆って保護する耐摩耗保護層11と、電極配線5を覆うとともにボンディングパッド9に開口部を設けた感光性絶縁膜12と、ボンディングパッド9とボンディングワイヤ40とを覆って保護する封止樹脂13と、を有し、電極配線5は、ボンディングパッド9が設けられたパッド領域と、発熱抵抗体4から前記パッド領域までの配線領域とに亘って配置されて、前記配線領域で耐摩耗保護層11に覆われ、前記配線領域の前記パッド領域近傍で耐摩耗保護層11及び感光性絶縁膜12に覆われており、封止樹脂13は、前記配線領域の前記パッド領域近傍で発熱抵抗体4側の感光性絶縁膜12を露出させるように感光性絶縁膜12の一部を覆っていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、通電により発熱する複数の発熱抵抗体を備えたサーマルヘッド及びその製造方法に関し、特に、印刷品質を低下させることなく電極配線を確実に保護できるサーマルヘッド及びその製造方法に関する。
サーマルヘッドは、放熱性基板上に複数の発熱抵抗体と、この複数の発熱抵抗体を通電するための電極配線と、これらを覆う耐摩耗保護層とを備え、プラテンローラに巻きつけられた印刷媒体にインクリボンを介して圧接することで印刷をおこなう。
たとえば、特許文献1に開示されているように、最近のサーマルヘッドは、発熱抵抗体の高密度化や基板小型化に伴い、電極配線は微細化する傾向にある。特に、一対の発熱抵抗体を折返配線によって接続し、この折返配線を介して一対の発熱抵抗体を通電するコモン配線及び個別配線が設けられた構造では、その配線幅が30μmなどの細い配線パターンであり、きわめて断線しやすい。また、駆動ICを接続するボンディングワイヤの本数も増加しており、隣接するボンディングワイヤ同士の接触や、他の電極配線にボンディングワイヤが接触する短絡不良も起きやすくなっていた。
そのため、ボンディングワイヤを接続するためのボンディングパッド以外は絶縁性の耐摩耗保護層によって覆われている構造が考案されたが、これに必要な精度で耐摩耗保護層をパターン形成することは実用上困難であった。したがって、発熱抵抗体と電極配線とを耐摩耗保護層が覆った構造においてもボンディングパッド近傍の電極配線部は耐摩耗保護層で保護することができず、この部分には封止樹脂を塗布していた。この封止樹脂は、ボンディングワイヤ同士の接触がおきないように個々のボンディングワイヤを絶縁固定し、またボンディングパッド等の電極配線部を他の導電性部材から絶縁するとともに腐食性物質から隔離する保護材料として機能する。
しかしながら、封止樹脂を塗布する工程はボンディングワイヤを接続する工程の後であるため、電極配線を形成する工程後からボンディングワイヤを接続する工程までの途中工程では耐摩耗保護層によって覆われていない電極配線部が露出している状態であり、その領域に断線不良を生じていた。たとえば、複数のヘッド基板を大判の放熱性基板上で一括形成した後に個片化するダイシング工程において、削られた放熱性基板の破片(粉)が電極配線露出部分に衝突して電極配線にキズや剥れを発生させていた。
さらに、耐摩耗保護層で覆われていない電極配線部を封止樹脂で覆うために、耐摩耗保護層上にもかかるように封止樹脂を塗布する必要があった。ところが、耐摩耗保護層上に塗布された封止樹脂は、微細なピッチで形成された電極配線の凹凸形状に沿って流動する現象が生じていた。このため、封止樹脂が発熱抵抗体近傍まで達し、プラテンローラでの圧接に影響して印刷のかすれを生じ印刷品質が低下する不具合が見られた。この不具合対策として封止樹脂を塗布した工程後に目視検査し、封止樹脂が流れ出ている場合には有機溶剤等を使用した払拭作業によって除去することが必要であった。
本発明は上記課題を解決するためのものであり、特に、印刷品質を低下させることなく電極配線を保護できるサーマルヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のサーマルヘッドは、放熱性基板と、前記放熱性基板に積層され所定ピッチで並ぶ複数の発熱抵抗体と、前記放熱性基板に積層され前記発熱抵抗体に接続された電極配線と、前記電極配線に設けられた駆動IC接続用のボンディングパッドと、前記ボンディングパッドに接続されたボンディングワイヤと、前記電極配線と前記発熱抵抗体とを覆って保護する耐摩耗保護層と、前記電極配線を覆うとともに前記ボンディングパッドに開口部を設けた感光性絶縁膜と、前記ボンディングパッドと前記ボンディングワイヤとを覆って保護する封止樹脂と、を有し、前記電極配線は、前記ボンディングパッドが設けられたパッド領域と、前記発熱抵抗体から前記パッド領域までの配線領域とに亘って配置されて、前記配線領域で前記耐摩耗保護層に覆われ、前記配線領域の前記パッド領域近傍で前記耐摩耗保護層及び前記感光性絶縁膜に覆われており、前記封止樹脂は、前記配線領域の前記パッド領域近傍で前記発熱抵抗体側の前記感光性絶縁膜を露出させるように前記感光性絶縁膜の一部を覆っている、ことを特徴とする。
これにより、電極配線が耐摩耗保護層に覆われた配線領域では耐摩耗保護層によって表面が保護されて、電極配線が耐摩耗保護層に覆われていないパッド領域では感光性絶縁膜と封止樹脂とによって保護される。よって、感光性絶縁膜がその工程以後の電極配線のキズや剥れを防止する。また、感光性絶縁膜の開口部であるボンディングパッドは封止樹脂で保護される。さらに、封止樹脂は所望のパッド領域及び配線領域の感光性絶縁膜上の一部に保持され、発熱抵抗体側にはみ出すことがない。
したがって、印刷品質を低下させることなく電極配線を保護できる。
さらに、前記ボンディングパッドは前記発熱抵抗体に対応して一列に配列していることが好ましい。こうすれば、放熱性基板に形成された発熱抵抗体からパッド部の間隔を最短にできるので、基板小型化できる。
また、前記電極配線は、個別配線と、幅狭の共通狭配線及び幅広の共通広配線からなるコモン配線と、前記コモン配線が接続される共通電極と、を少なくとも含み、前記発熱抵抗体に前記個別配線と前記共通広配線との一端部が接続され、前記個別配線の他端部に前記ボンディングパッドが設けられており、前記共通狭配線は前記パッド領域で前記ボンディングパッド間に並設されて、前記発熱抵抗体側端部が前記共通広配線に接続され、他端部が前記共通電極に接続されるとともに、前記感光性絶縁膜は前記パッド領域で前記共通狭配線と前記共通電極とを覆っていることが好適である。これにより、パッド領域では共通狭配線が感光性絶縁膜に保護されて断線や短絡不良を防止でき、共通狭配線が接続される共通電極も感光性絶縁膜に保護されているので、ボンディングワイヤの接触による短絡不良を防止できる。
さらに、駆動ICを搭載するIC基板を有し、前記IC基板において前記駆動ICと前記ボンディングワイヤとが接続されており、前記封止樹脂は、前記IC基板と前記放熱性基板とに跨り前記ボンディングワイヤを覆っていることが好ましい。この場合、放熱性基板とは別にIC基板を製作しておいて、2つの基板でサーマルヘッドを構成する。こうすれば、放熱性基板にIC搭載のスペースを設ける必要がないため、放熱性基板を小型化できる。また、封止樹脂が一括してボンディングワイヤを覆って保護しているので、ボンディングワイヤの断線や短絡を防止できる。
本発明のサーマルヘッドの製造方法は、
(a)放熱性基板に、所定ピッチで並ぶ複数の発熱抵抗体を形成し、前記発熱抵抗体に接続された電極配線を形成する工程、
(b)前記電極配線の一部と前記発熱抵抗体とを覆って保護する耐摩耗保護層を形成する工程、
(c)前記放熱性基板全体に感光性絶縁膜を塗布し、フォトリソグラフィ法により前記電極配線と前記耐摩耗保護層の一部を覆うとともに前記電極配線に設けられた駆動IC接続用のボンディングパッドを露出させるパターニングをおこなう工程、
(d)前記ボンディングパッドにボンディングワイヤを接続する工程、
(e)前記ボンディングパッドと前記ボンディングワイヤとを覆って封止樹脂を塗布するとともに、前記耐摩耗保護層を有する領域では前記発熱抵抗体の側に前記感光性絶縁膜が露出しているように前記感光性絶縁膜上に封止樹脂を塗布する工程、
を有することを特徴とする。
(a)放熱性基板に、所定ピッチで並ぶ複数の発熱抵抗体を形成し、前記発熱抵抗体に接続された電極配線を形成する工程、
(b)前記電極配線の一部と前記発熱抵抗体とを覆って保護する耐摩耗保護層を形成する工程、
(c)前記放熱性基板全体に感光性絶縁膜を塗布し、フォトリソグラフィ法により前記電極配線と前記耐摩耗保護層の一部を覆うとともに前記電極配線に設けられた駆動IC接続用のボンディングパッドを露出させるパターニングをおこなう工程、
(d)前記ボンディングパッドにボンディングワイヤを接続する工程、
(e)前記ボンディングパッドと前記ボンディングワイヤとを覆って封止樹脂を塗布するとともに、前記耐摩耗保護層を有する領域では前記発熱抵抗体の側に前記感光性絶縁膜が露出しているように前記感光性絶縁膜上に封止樹脂を塗布する工程、
を有することを特徴とする。
これにより、電極配線が耐摩耗保護層に覆われた配線領域では耐摩耗保護層によって表面が保護され、電極配線が耐摩耗保護層に覆われていないパッド領域では感光性絶縁膜と封止樹脂とによって保護される。よって、感光性絶縁膜がその工程後における電極配線のキズや剥れを防止する。また、感光性絶縁膜の開口部であるボンディングパッドは封止樹脂で保護される。さらに、感光性絶縁膜上の封止樹脂は所望のパッド領域及び配線領域の一部に保持され、発熱抵抗体側にはみ出すことがない。
したがって、印刷品質を低下させることなく電極配線を保護できる。
さらに、前記(a)工程では、前記ボンディングパッドが前記発熱抵抗体に対応して一列に配列して設けられていることが好ましい。こうすれば、ボンディングワイヤを同じ長さで形成できるので、製造が容易であり、ワイヤボンディング工程後にボンディングワイヤが変形する不具合を防止できる。また、放熱性基板に形成された発熱抵抗体からパッド部の間隔を最短にできるので、基板小型化に最適である。
また、前記(a)工程では、フォトリソグラフィ法によりパターニングをおこなって、個別配線と、幅狭の共通狭配線及び幅広の共通広配線からなるコモン配線と、共通電極と、を少なくとも形成し、前記発熱抵抗体に前記個別配線と前記共通広配線との一端部が接続され、前記個別配線の他端部に前記ボンディングパッドを設け、前記共通広配線と連続する前記共通狭配線が前記パッド領域で前記ボンディングパッド間に並設されて、前記発熱抵抗体側端部と異なる他端部で前記共通電極に接続されるように設けられ、前記(c)工程では、前記感光性絶縁膜が前記共通狭配線と前記共通電極とを覆うようにパターニングされることが好適である。これにより、ボンディングワイヤとの短絡不良を防止できる。
さらに、前記(d)工程の前に、駆動ICをIC基板に搭載する工程を有し、前記(d)工程では、前記ボンディングパッドにボンディングワイヤの一端を接続するとともに、前記駆動ICに前記ボンディングワイヤの他端を接続し、前記(e)工程では、前記ボンディングパッドと前記ボンディングワイヤとを覆って封止樹脂を塗布するとともに、前記耐摩耗保護層を有する領域では前記発熱抵抗体の側に前記感光性絶縁膜が露出するように前記感光性絶縁膜上に前記封止樹脂を塗布することが好ましい。すなわち、放熱性基板とは別にIC基板を製作しておいて、2つの基板でサーマルヘッドを製作する。こうすれば、放熱性基板にIC搭載のスペースを設ける必要がないため、放熱性基板を小型化できる。また、封止樹脂が一括してボンディングワイヤを覆って保護しているので、ボンディングワイヤの断線や短絡を防止できる。
本発明のサーマルヘッド及びその製造方法によれば、封止樹脂は所望のパッド領域及び配線領域の一部に保持され、発熱抵抗体側にはみ出すことがないので、印刷品質を低下させることなく電極配線を保護することができる。
図1は本実施形態のサーマルヘッド1の構成を示す部分断面図であり、図2は本実施形態のサーマルヘッド1のパッド領域15近傍を示す部分拡大断面図、図3は本実施形態のサーマルヘッド1の実装状態を示す模式平面図、図4は本実施形態のサーマルヘッド1の実装状態を示す模式断面図である。
サーマルヘッド1は、複数の発熱抵抗体4を有するヘッド基板10と、この発熱抵抗体4を通電制御するためのIC基板20とを独立に備え、それらを取付台30に実装した態様で提供される。図1に示すサーマルヘッド1の部分断面図は、ヘッド基板10の断面図である。
図1及び図3に示すように、ヘッド基板10は、Si、セラミック材料や金属材料等からなる放熱性基板2をベースとして形成される。放熱性基板2の表面にはグレーズ層3を有する。グレーズ層3は、放熱性基板2の一端部近傍に位置する略半円筒状の凸面段差部3aと、この凸面段差部3aの底部に連続して均一な膜厚で形成された平坦部3bとで構成されている。凸面段差部3aの頂上部と底部の段差は、10〜200μm程度である。
グレーズ層3の凸面段差部3aの上には発熱抵抗体4が部分的に形成され、発熱抵抗体4の両端で重なるように電極配線5が形成されている。電極配線5は折返配線6、個別配線7、コモン配線8等にパターン形成され、個別配線7は放熱性基板2の他端部近傍でボンディングワイヤ40に接続されている。図1及び図2のように、発熱抵抗体4と電極配線5及びボンディングワイヤ40は、耐摩耗保護層11、感光性絶縁膜12、または封止樹脂13で覆われて保護されている。
発熱抵抗体4は、図3のX1−X2方向に所定のピッチで一列に並んで複数形成されている。なお、説明を分かりやすくするために、図3では耐摩耗保護層11及び感光性絶縁膜12は輪郭線(点線及び一転鎖線)のみを示し、また封止樹脂13は省略している。複数の発熱抵抗体4は、Ta2N又はTa−SiO2等を用いてグレーズ層3上に成膜され、各発熱抵抗体4の所定の大きさ(抵抗長、抵抗幅)にパターン形成される。隣り合う発熱抵抗体4の間にはグレーズ層3が露出する隙間が設けられており、本実施形態では、隣り合う一対の発熱抵抗体4(4a、4b)により1個の印刷ドットDが構成される。発熱抵抗体4の間のグレーズ層3が露出する隙間は10μm程度である。
一対の発熱抵抗体4a、4bは、図3のように、互いの抵抗長方向の一端部が折返配線6によって接続されていて、一方の発熱抵抗体4aの抵抗長方向の他端部には個別配線7が接続され、他方の発熱抵抗体4bの抵抗長方向の他端部にはコモン配線8が接続されている。個別配線7とコモン配線8は一対の発熱抵抗体4a、4bに対してY2方向に接続され、個別配線7とコモン配線8の間にはグレーズ層3が露出する隙間が設けられている。個別配線7とコモン配線8は、線幅が30μm程度で、グレーズ層3が露出する隙間が15μm程度である。
折返配線6は、個別配線7とコモン配線8とともに、発熱抵抗体4の抵抗長を規定するように配置されている。図3では、折返配線6が矩形状に形成されているが、平面形状がコ字状、U字状、V字状であっても、前述の目的を満たしていればよい。このように電極配線5が接続されることで、発熱抵抗体4a、4bは均一に通電発熱し、個々の印刷ドットDにおける発熱抵抗体4a、4bは等価である。
個別配線7は、一対の発熱抵抗体4a、4bで構成される複数の印刷ドットDを個別に通電する配線であって、各印刷ドットDに設けられている。図3に示すように、各個別配線7は、発熱抵抗体4aに接続した一端部とは反対側の他端部に形成された外部接続用のボンディングパッド9を有している。さらに、ボンディングパッド9にはボンディングワイヤ40の一端が接続され、ボンディングワイヤ40の他端はIC基板20上の駆動IC21に接続されている。駆動IC21は複数の印刷ドットDを選択的に通電する通電制御を行う。ボンディングパッド9は、複数の印刷ドットDに対応して印刷ドットDの配列方向(図3のX1−X2方向)に一列に配列し、個別配線7よりも幅広に形成されて、ボンディングワイヤ40が確実に接続できるように考慮されている。
一方、コモン配線8は、複数の印刷ドットDに共通電位を与える配線であって、ボンディングパッド9の間に位置して幅が狭い共通狭配線8aと、この共通狭配線8aよりも幅が広い共通広配線8bとを有している。1本の共通広配線8bは発熱抵抗体4側が隣り合う印刷ドット2個の発熱抵抗体4bに分岐接続される。
共通広配線8bは、ボンディングパッド9の近傍で共通狭配線8aに連続的に変化する。ヘッド基板10は、複数の共通狭配線8aを有し、これらの共通狭配線8aが接続される単一の共通電極8cを有している。この共通電極8cは、複数の印刷ドットDの配列方向(図3のX1−X2方向)に延び、共通広配線8bよりも大きな幅寸法で形成されている。共通電極8cは、X1−X2方向の端部でボンディングワイヤ40によりIC基板20の電源22が接続され給電されている。
共通狭配線8aは、ボンディングパッド9の間に並設されて、共通広配線8bと共通電極8cを接続している挟配線部である。ボンディングパッド9の幅を広く形成するために、共通狭配線8aのラインアンドスペースがライン約10μm、スペース約10μm程度となっており、個別配線7、共通広配線8b及び共通電極8cに比べて狭い。共通狭配線8aは感光性絶縁膜12で覆われている。なお、図3では、サーマルヘッド1の一部を示し、また、印刷ドットDの1個分に符号を付与し、他の印刷ドットについては符号を省略している。
折返配線6、個別配線7及びコモン配線8を含むヘッド基板10の発熱抵抗体4側領域は、絶縁性の耐摩耗保護層11により覆われている。耐摩耗保護層11は、SiO2やSiAlON等の絶縁材料からなり、プラテンローラとの接触による摩擦等からヘッド基板10を保護する。本明細書では、耐摩耗保護層11により覆われていない領域をパッド領域15(ボンディングパッド9、共通狭配線8a、共通広配線8bの共通狭配線8a近傍部分、共通電極8c)と定義する。パッド領域15及びボンディングワイヤ40は、封止樹脂13で覆われて保護されている。いっぽう、個別配線7及びコモン配線8が耐摩耗保護層11により覆われている領域は配線領域16と定義する。図2に示すように、パッド領域15と配線領域16との境界は耐摩耗保護層11の端部である。
ここで、感光性絶縁膜12はパッド領域15で共通電極8cを覆ってボンディングパッド9に開口部が設けられている。また、配線領域16のパッド領域15近傍は感光性絶縁膜12が耐摩耗保護層11を覆っており、さらに封止樹脂13が感光性絶縁膜12を部分的に覆っている。すなわち、配線領域16で発熱抵抗体4側の感光性絶縁膜12が露出するように、封止樹脂13は感光性絶縁膜12の一部のみを覆っている。
IC基板20は、ヘッド基板10に隣接して設けられ、その表面に駆動IC21と電源22を備えている。駆動IC21は、各印刷ドットDの発熱抵抗体4aへの通電/非通電を切り替えるスイッチング素子として機能する。図3では簡略化かつ部分的に描いてあるが、駆動IC21は、128bit等の印刷ドットDに対応する多数の制御ラインを備えており、IC基板20に複数個が搭載されている態様が多い。
図4に示すように、最終的なサーマルヘッド1の実装状態では、IC基板20の駆動IC21及びヘッド基板10のボンディングパッド9は、封止樹脂13により封止されている。
上記全体構成を有するサーマルヘッド1において、感光性絶縁膜12はパッド領域15で共通狭配線8aと共通電極8cとを覆ってボンディングパッド9に開口部が設けられて形成されている。また、配線領域16のパッド領域15近傍は耐摩耗保護層11を介して感光性絶縁膜12に覆われており、封止樹脂13は、パッド領域15で感光性絶縁膜12を覆うとともに、配線領域16のパッド領域近傍で発熱抵抗体4側の感光性絶縁膜12を露出させるように感光性絶縁膜12の一部のみを覆っている。
これにより、電極配線5が耐摩耗保護層11に覆われた配線領域16では耐摩耗保護層11によって表面が保護されて、電極配線5が耐摩耗保護層11に覆われていないパッド領域15では感光性絶縁膜12と封止樹脂13によって保護される。よって、感光性絶縁膜12がその工程以後の電極配線5のキズや剥れを防止する。また、感光性絶縁膜12の開口部であるボンディングパッド9は封止樹脂13で保護される。さらに、封止樹脂13は所望のパッド領域15及び配線領域16の感光性絶縁膜12上の一部のみに保持され、発熱抵抗体4側にはみ出すことがない。
したがって、印刷品質を低下させることなく電極配線5を保護できる。
ボンディングパッド9は発熱抵抗体4に対応して一列に配列している。より具体的には、一対の発熱抵抗体4a、4bに対応して、ボンディングパッド9は、発熱抵抗体4aに接続した個別配線7の他端部に形成され、一列に配列している。こうすることで、放熱性基板2に形成された発熱抵抗体側からパッド部側(Y1−Y2方向)の必要寸法が最短にできる。したがって、ヘッド基板10を小型化できる。
また、感光性絶縁膜12はパッド領域15で共通狭配線8aと共通電極8cとを覆っている。これにより、パッド領域15では共通狭配線8aが感光性絶縁膜12に保護されて断線や短絡不良を防止でき、共通狭配線8aが接続される共通電極8cも感光性絶縁膜12に保護されているので、ボンディングワイヤ40との接触による短絡不良を防止できる。
また、駆動IC21を搭載するIC基板20を有し、IC基板20において駆動IC21とボンディングワイヤ40とが接続されており、封止樹脂13は、IC基板20とヘッド基板10とに跨りボンディングワイヤ40を覆っている。この場合、放熱性基板2をベースに製作するヘッド基板10とは別にIC基板20を製作しておいて、2つの基板で構成することができる。こうすれば、放熱性基板2にIC搭載のスペースを設ける必要がないため、放熱性基板2を小型化できる。また、封止樹脂13が一括してボンディングワイヤ40を覆って保護しているので、ボンディングワイヤ40の断線や短絡を防止できる。
次に、図5〜図12を参照し、本実施形態によるサーマルヘッド1の製造方法について説明する。図5はサーマルヘッド1の製造工程の流れを示すフローチャートである。図6〜図11は、サーマルヘッド1の各製造工程を示す断面図である。図12はボンディングパッド9とその周辺を部分拡大した平面図であり、図8に示す製造工程に対応している。
以下、図5のフローチャートに沿ってサーマルヘッド1の各製造工程を説明する。なお、10個〜100個程度のヘッド基板10を一括して形成できるように、短辺または直径が50mm〜150mmの矩形または円形の放熱性基板2を用いる。この基板外形サイズは主に成膜装置と露光装置の有効エリアによって決定されるものであり、本実施形態を制限するものではない。
先ず最初に、グレーズ層3を有する放熱性基板2の表面に、Ta2N又はTa−SiO2等からなる抵抗体層を全面的に成膜する(S1)。
続いて、第1レジストパターンをマスクにして抵抗体層をエッチングし(S2)、グレーズ層3の凸面段差部3aの上に発熱抵抗体4を得る。エッチング後は、第1レジストパターンを除去する。グレーズ層3は発熱抵抗体が通電によって温度上昇したときの保温層として機能する。
抵抗体パターニング工程後は、発熱抵抗体4を含むグレーズ層3の上に、Al導体層を全面的に成膜する(S3)。なお、Al導体層を成膜する前に他の材料の導体膜を成膜して2層構造としてもよい。
続いて、図6に示すように、第2レジストパターンをマスクにしてAl導体層をエッチングし(S4)、Al導体層により構成される折返配線6、個別配線7、及び共通電極8cを得る。個別配線7の一端部にはボンディングパッド9を発熱抵抗体4に対応して一列に配列して形成している。また、図6の断面には図示されないが、コモン配線8の共通広配線8bと共通狭配線8aを同時に形成している。エッチング後は、第2レジストパターンを除去する。なお、導体膜を2層構造とした場合は、2層を一括してエッチングしてもよいし、2回に分けてエッチングをおこなってもよい。また、2層のうち1層だけをエッチングしてから、第2レジストパターンを除去した後、第2レジストパターンとは異なる第2’レジストパターンを形成して残る1層のエッチングをおこなってもよい。
続いて、図7に示すように絶縁性の耐摩耗保護層11を形成する。この耐摩耗保護層11は、SiO2やSiAlON等からなる絶縁材料膜を成膜する前に、ボンディングパッド9、ボンディングパッド9間に位置する共通狭配線8a及び共通電極8cを含むパッド領域を粘着樹脂テープで覆っておき(S5)、絶縁材料膜を成膜したら(S6)、粘着樹脂テープを除去することによって不要な絶縁材料膜をリフトオフして(S7)形成される。これにより、ワイヤボンディングを阻害しないように、耐摩耗保護層11はパッド領域15を除いた配線領域16のみを覆っている。なお、粘着樹脂テープのかわりにレジストによるリフトオフパターンを形成してもよい。
続いて、フォトレジストを全面的に塗布し(S8)、フォトリソグラフィ法により露光及び現像をおこなって第3レジストパターンを形成する(S9)。この第3レジストパターンは現像後にハードベークをおこなった後、そのまま構造体として残し、図8に示すように、ボンディングパッド9に開口部を設けた感光性絶縁膜12を得る。ハードベーク処理は、摂氏160度〜300度でおこなう熱硬化処理である。感光性絶縁膜12は、ポジタイプ、ネガタイプのいずれの感光性材料であってもよい。フォトリソグラフィ法を適用するので、精度よく形成することが可能である。
このとき、図12に示すように、感光性絶縁膜12は電極配線5(個別配線7及び共通広配線8b)と耐摩耗保護層11の一部を覆うとともに個別配線7に設けられたボンディングパッド9を露出させる。また、ボンディングパッド9に並設している共通狭配線8aと共通狭配線8aが接続されている共通電極8cとを覆うように第3レジストパターンはパターニングされ、感光性絶縁膜12が形成される。これにより、電極配線5が耐摩耗保護層11に覆われた配線領域16では耐摩耗保護層11によって表面が保護され、電極配線5が耐摩耗保護層11に覆われていないパッド領域15では感光性絶縁膜12によって保護される。よって、感光性絶縁膜12がその工程後における電極配線5のキズや剥れを防止する。
こうして、耐摩耗保護層11と感光性絶縁膜12でほぼ全面を保護した基板の状態から、ヘッド基板10を個片化するダイシングをおこなう(S10)。ダイシングの際に、放熱性基板2、グレーズ層3及び耐摩耗保護層11が研削されて、破片や粉状の切りくずを発生するが、ワイヤボンディングに必要な開口部以外は保護された状態であるので、切りくずが電極配線5にキズをつけるような不具合を防止できる。
次に、図9に示すように個片化したヘッド基板10及び別途準備したIC基板20を取付台30に固定し、図10に示すようにワイヤボンディングをおこなって、ボンディングパッド9にボンディングワイヤ40の一端を接続するとともに、駆動IC21にボンディングワイヤ40の他端を接続する(S11)。感光性絶縁膜12が共通電極8cと共通狭配線8aとを覆っているので、ボンディングワイヤ40が変形しても共通電極8cや共通狭配線8aとの接触による短絡不良を防止できる。
続いて、図11に示すように、エポキシ樹脂からなる封止樹脂13を塗布した後に加熱して硬化させる(S12)。ボンディングパッド9とボンディングワイヤ40とが封止樹脂13により完全に覆われて封止されるので、外力を受けて剥がれたり破断したりすることはない。このとき、ボンディングパッド9とボンディングワイヤ40とを覆って封止樹脂13を塗布するとともに、耐摩耗保護層11を有する領域では発熱抵抗体4側に感光性絶縁膜12が露出するように感光性絶縁膜12上に封止樹脂13を塗布する。こうすることで、感光性絶縁膜12上の封止樹脂13は所望のパッド領域15及び配線領域16の一部に保持され、発熱抵抗体4側にはみ出すことがない。
以上の工程により、サーマルヘッド1が完成する。
これにより、電極配線5が耐摩耗保護層11に覆われた配線領域16では耐摩耗保護層11によって表面が保護され、電極配線5が耐摩耗保護層11に覆われていないパッド領域15では感光性絶縁膜12と封止樹脂13によって保護される。よって、感光性絶縁膜12がその工程後における電極配線5のキズや剥れを防止する。また、感光性絶縁膜12の開口部であるボンディングパッド9は封止樹脂13で保護される。さらに、感光性絶縁膜12上の封止樹脂13は所望のパッド領域15及び配線領域16の一部に保持され、発熱抵抗体4側にはみ出すことがない。したがって、印刷品質を低下させることなく電極配線5を保護できる。
さらに、ボンディングパッド9を一対の発熱抵抗体4a、4bに対応して一列に配列して設けることによって、ボンディングワイヤ40を同じ長さで形成できるので、製造が容易であり、ワイヤボンディング工程後にボンディングワイヤ40が変形する不具合を防止できる。
また、放熱性基板2のY1−Y2方向の必要寸法が小さくできるので、基板小型化に最適である。さらに、駆動IC21が搭載されたIC基板20を別に用意することで、放熱性基板2にIC搭載のスペースを設ける必要がないため、基板小型化できる。また、駆動IC21は封止樹脂13が一括してボンディングワイヤ40を覆って保護しているので、ボンディングワイヤ40の断線や短絡を防止できる。
本実施形態では、折返配線6、個別配線7及びコモン配線8をAl導体層で形成しているが、Alに限らず、Cr、Ta、Mo、W、Ti等の高融点金属材料、高融点金属材料を含む合金材料、Alを含む合金材料、Cu及びCuを含む合金材料のいずれかにより形成してもよい。また、2種類以上の材料を積層してもよい。特に、1層目はグレーズ層3に密着性が良い材料を形成し、2層目はAl等の低抵抗材料とすることが好適である。なお、この場合は1層目に発熱抵抗体4と同じ材料を用いてもよい。発熱抵抗体4をパターン形成する際に、同時に形成することも可能である。
本実施形態で説明したように、感光性絶縁膜12は耐摩耗保護層11を形成する工程の直後に塗布されることが望ましい。こうすれば、工程中で電極配線5を保護することができ、電極配線5のキズや剥れを防止できる。感光性絶縁膜12はフォトレジスト、感光性ポリイミド樹脂、感光性ソルダーレジスト、感光性有機無機複合材料、等のフォトリソグラフィ法によってボンディングパッド9に開口部を形成できて、かつ電極配線5を変質させない絶縁材料であればよい。電極配線5を保護するため、フォトレジストを用いる場合はハードベーク処理をおこなうことが望ましい。また、耐腐食性を向上するため、水分や腐食性ガスの透過が少ない材料であることが好ましい。
図1、図2及び図12に示す本実施形態の構成を、他の構成の比較例とともに実施した。
実施例の発熱抵抗体4はTa−SiO2を膜厚0.2μm、電極配線5はAlを膜厚1μm、耐摩耗保護層11はSiAlONを膜厚6.5μmとして、上述の製造工程で製作した。比較例もまったく同様に製作された。
続いて、実施例ではフォトレジスト(信越化学工業株式会社製SIPR3251)をスピンコーターによって塗布し、通常の露光及び現像をおこなった後、乾燥炉で摂氏250度60分のハードベークをおこなって、感光性絶縁膜12を膜厚約3μmで形成した。なお、比較例1は感光性絶縁膜12を形成しなかった。
引き続き、製造工程で説明したように、ヘッド基板個片ダイシング工程(S10)、ワイヤボンディング工程(S11)、及び、封止樹脂塗布・硬化工程(S12)をおこなった。なお、硬化は乾燥炉で加熱しておこない、硬化温度が摂氏120度、加熱硬化時間は60分である。
このとき、図13は実施例の状態を示す顕微鏡写真、図14は図13の状態を示す模式平面図である。配線領域16の耐摩耗保護層11はパッド領域15近傍が感光性絶縁膜12に覆われ、その感光性絶縁膜12が露出するように封止樹脂13が塗布時の形状を保ったまま硬化していることが分かる。
いっぽう、図15は比較例1の状態を示す顕微鏡写真、図16は図15の状態を示す模式平面図である。図17は比較例1の部分拡大断面図である。従来のように、配線領域16の耐摩耗保護層111表面の凹凸形状に沿って、封止樹脂113が流動していることが分かる。また、塗布時の形状113aが全体的にも乱れて、封止樹脂113の境界が歪んでいた。封止樹脂113は耐摩耗保護層111表面への濡れ性が良く、加熱硬化する過程で流動してしまうと考えられる。
封止樹脂113はボンディングワイヤ同士の接触がおきないように個々のボンディングワイヤを絶縁固定し、またボンディングパッド等の電極配線部を他の導電性部材から絶縁するとともに腐食性物質から隔離する目的であるから、封止樹脂113の流動を防止する構成として、耐摩耗保護層111表面に塗布せず、パッド領域15の電極配線105の露出部分だけに封止樹脂113を設けることが考えられる。しかしながら、耐摩耗保護層111と封止樹脂113との境界(パッド領域15と配線領域16の境界)で水分等が浸入しやすく腐食されてしまうことが知られている。このような構成では充分な保護ができない。
図18は比較例2の部分拡大断面図である。前述のような耐腐食性を向上させる目的からは、図18に示ように、感光性絶縁膜112を封止樹脂113が完全に覆っているほうが望ましく、技術常識的な手法である。しかしながら、比較例2の構成では、耐摩耗保護層111に塗布された封止樹脂113が塗布時の形状113aを保つことができず、やはり流動してしまった。したがって、感光性絶縁膜112を封止樹脂113が完全に覆うのではなく、発熱抵抗体104の側で感光性絶縁膜112が露出していることが必要である。こうすれば、図12のように、感光性絶縁膜12上の封止樹脂13は所望のパッド領域15及び配線領域16の一部に保持され、発熱抵抗体4側にはみ出すことがない。
以上の説明から明らかなように本実施形態では、ヘッド基板10を従来より小型化したので、パッド領域15がプラテンローラと接近する配置になったことから、きわめて顕著な効果が得られた。また、従来のように大きな基板であっても、封止樹脂13が発熱抵抗体4側に流動して固まると不具合を生じてしまうことに変わりなく、本実施形態で示した構成が有効である。さらに、凸面段差部3aを形成しない薄型基板に適用してもよい。そのような薄型サーマルヘッドにおいて、本発明はきわめて有効である。
本実施形態の説明において、各印刷ドットDが折返電極6を有し、コモン配線8が印刷ドット2個の発熱抵抗体4bに分岐接続する共通広配線8bを有する折返構造としたので、必要な配線数を削減できる。なお、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、印刷ドット1個ごとに共通広配線8bを独立して配置した構造であってもよいし、各発熱抵抗体4の両端に個別配線7とコモン配線8が接続され、基板外周に沿ってコモン配線8を引き回した構造であってもよい。
1、101、110 サーマルヘッド
2、102 放熱性基板
3、103 グレーズ層
3a 凸面段差部
3b 平坦部
4、4a、4b、104 発熱抵抗体
5、105 電極配線
6 折返配線
7 個別配線
8 コモン配線
8a 共通狭配線
8b 共通広配線
8c 共通電極
9、109 ボンディングパッド
10 ヘッド基板
11、111 耐摩耗保護層
12、112 感光性絶縁膜
13、113 封止樹脂
15 パッド領域
16 配線領域
20 IC基板
21 駆動IC
22 電源
30 取付台
40、41、140 ボンディングワイヤ
113a 塗布時の形状
D 印刷ドット
2、102 放熱性基板
3、103 グレーズ層
3a 凸面段差部
3b 平坦部
4、4a、4b、104 発熱抵抗体
5、105 電極配線
6 折返配線
7 個別配線
8 コモン配線
8a 共通狭配線
8b 共通広配線
8c 共通電極
9、109 ボンディングパッド
10 ヘッド基板
11、111 耐摩耗保護層
12、112 感光性絶縁膜
13、113 封止樹脂
15 パッド領域
16 配線領域
20 IC基板
21 駆動IC
22 電源
30 取付台
40、41、140 ボンディングワイヤ
113a 塗布時の形状
D 印刷ドット
Claims (8)
- 放熱性基板と、
前記放熱性基板に積層され所定ピッチで並ぶ複数の発熱抵抗体と、
前記放熱性基板に積層され前記発熱抵抗体に接続された電極配線と、
前記電極配線に設けられた駆動IC接続用のボンディングパッドと、
前記ボンディングパッドに接続されたボンディングワイヤと、
前記電極配線と前記発熱抵抗体とを覆って保護する耐摩耗保護層と、
前記電極配線を覆うとともに前記ボンディングパッドに開口部を設けた感光性絶縁膜と、
前記ボンディングパッドと前記ボンディングワイヤとを覆って保護する封止樹脂と、
を有し、
前記電極配線は、前記ボンディングパッドが設けられたパッド領域と、前記発熱抵抗体から前記パッド領域までの配線領域とに亘って配置されて、前記配線領域で前記耐摩耗保護層に覆われ、前記配線領域の前記パッド領域近傍で前記耐摩耗保護層及び前記感光性絶縁膜に覆われており、
前記封止樹脂は、前記配線領域の前記パッド領域近傍で前記発熱抵抗体側の前記感光性絶縁膜を露出させるように前記感光性絶縁膜の一部を覆っている、
ことを特徴とするサーマルヘッド。 - 前記ボンディングパッドは前記発熱抵抗体に対応して一列に配列していることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
- 前記電極配線は、個別配線と、幅狭の共通狭配線及び幅広の共通広配線からなるコモン配線と、前記コモン配線が接続される共通電極と、を少なくとも含み、前記発熱抵抗体に前記個別配線と前記共通広配線との一端部が接続され、前記個別配線の他端部に前記ボンディングパッドが設けられており、
前記共通狭配線は前記パッド領域で前記ボンディングパッド間に並設されて、前記発熱抵抗体側端部が前記共通広配線に接続され、他端部が前記共通電極に接続されるとともに、
前記感光性絶縁膜は前記パッド領域で前記共通狭配線と前記共通電極とを覆っていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッド。 - 駆動ICを搭載するIC基板を有し、
前記IC基板において前記駆動ICと前記ボンディングワイヤとが接続されており、
前記封止樹脂は、前記IC基板と前記放熱性基板とに跨り前記ボンディングワイヤを覆っていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。 - サーマルヘッドの製造方法であって、
(a)放熱性基板に、所定ピッチで並ぶ複数の発熱抵抗体を形成し、前記発熱抵抗体に接続された電極配線を形成する工程、
(b)前記電極配線の一部と前記発熱抵抗体とを覆って保護する耐摩耗保護層を形成する工程、
(c)前記放熱性基板全体に感光性絶縁膜を塗布し、フォトリソグラフィ法により前記電極配線と前記耐摩耗保護層の一部を覆うとともに前記電極配線に設けられた駆動IC接続用のボンディングパッドを露出させるパターニングをおこなう工程、
(d)前記ボンディングパッドにボンディングワイヤを接続する工程、
(e)前記ボンディングパッドと前記ボンディングワイヤとを覆って封止樹脂を塗布するとともに、前記耐摩耗保護層を有する領域では前記発熱抵抗体の側に前記感光性絶縁膜が露出しているように前記感光性絶縁膜上に前記封止樹脂を塗布する工程、
を有することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。 - 前記(a)工程では、前記ボンディングパッドが前記発熱抵抗体に対応して一列に配列して設けられていることを特徴とする請求項5に記載のサーマルヘッドの製造方法。
- 前記(a)工程では、フォトリソグラフィ法によりパターニングをおこなって、個別配線と、幅狭の共通狭配線及び幅広の共通広配線からなるコモン配線と、共通電極と、を少なくとも形成し、前記発熱抵抗体に前記個別配線と前記共通広配線との一端部が接続され、前記個別配線の他端部に前記ボンディングパッドを設け、前記共通広配線と連続する前記共通狭配線が前記パッド領域で前記ボンディングパッド間に並設されて、前記発熱抵抗体側の端部と異なる他端部で前記共通電極に接続されるように設けられ、
前記(c)工程では、前記感光性絶縁膜が前記共通狭配線と前記共通電極とを覆うようにパターニングされることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のサーマルヘッドの製造方法。 - 前記(d)工程の前に、駆動ICをIC基板に搭載する工程を有し、
前記(d)工程では、前記ボンディングパッドにボンディングワイヤの一端を接続するとともに、前記駆動ICに前記ボンディングワイヤの他端を接続し、
前記(e)工程では、前記ボンディングパッドと前記ボンディングワイヤとを覆って封止樹脂を塗布するとともに、前記耐摩耗保護層を有する領域では前記発熱抵抗体の側に前記感光性絶縁膜が露出するように前記感光性絶縁膜上に前記封止樹脂を塗布することを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のサーマルヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010269018A JP2012116131A (ja) | 2010-12-02 | 2010-12-02 | サーマルヘッド及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015189121A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 東芝ホクト電子株式会社 | サーマルヘッド |
JP2016155285A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
CN109484036A (zh) * | 2017-09-13 | 2019-03-19 | 青井电子株式会社 | 热敏头 |
-
2010
- 2010-12-02 JP JP2010269018A patent/JP2012116131A/ja not_active Withdrawn
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JP2015189121A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 東芝ホクト電子株式会社 | サーマルヘッド |
JP2016155285A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | 京セラ株式会社 | サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ |
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