以下に、本発明にかかるパチンコ遊技機の一実施例を、図1〜図7に基づいて説明する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島(図示省略)に固定される長方形状の外枠2と、該外枠2の前面開口部分を覆うように取付けられた遊技機本体3とからなる。
遊技機本体3は、遊技盤15(図2参照)が取付けられる本体枠(図示省略)と、該本体枠の前面側に配設された前面扉4とを備えており、本体枠と前面扉4が外枠2にヒンジ部材5を介して夫々片開き可能に枢結されている。前面扉4は、その中央上部寄り位置に形成された略円形の開口部を遮蔽する透明板6を備えており、該透明板6を介して遊技盤15の遊技領域17(図2参照)が透視可能となっている。
前面扉4の前面下部には、図示しない発射装置に供給される遊技球を貯留する発射球貯留皿7が設けられている。該発射球貯留皿7内の左端奥部には、賞球や貸球が払い出される球払出口8が開口されている。また、発射球貯留皿7の右側内部には、遊技球を整列する整列部(図示省略)が形成され、該整列部の右端に遊技球を発射装置へ供給するための球供給口(図示省略)が開口されている。
遊技機本体3(本体枠)の前面下部には、下部パネル9が配設されており、この下部パネル9の前面下部中央に余剰球貯留皿10が設けられている。該余剰球貯留皿10の内部には球放出口11が開口されており、発射球貯留皿7が満杯の場合にオーバーフローした遊技球が遊技機本体3内の球流路(図示省略)を流下して球放出口11から余剰球貯留皿10内に放出される。また、余剰球貯留皿10の右側には発射ハンドル12が突設されており、余剰球貯留皿10の左側には操作ボタン14を備えた演出ボタン装置13が配設されている。この演出ボタン装置13は本発明の要部にかかるものであり、詳しくは後述する。
前記遊技盤15には、図2に示すように、その前面側に略円形の誘導レール16で囲繞された遊技領域17が設けられており、該遊技領域17の略中央にセンターケース18が配設されている。このセンターケース18には、液晶表示器からなる図柄表示装置19が組み付けられており、該図柄表示装置19の表示画面20には、三つの特別図柄A,B,Cと二つの普通図柄E1 ,E2 が変動表示されるとともに、様々な演出画像F(図7参照)が表示される。尚、前記図柄表示装置19としてはCRT表示器等を用いることも可能である。
センターケース18の中央下部には、4個の発光ダイオードからなる特別図柄始動記憶数表示装置21が配設されている。この特別図柄始動記憶数表示装置21は、後述する特別図柄始動スイッチS1 からの遊技球検知信号が、所定数を上限として後述する主制御基板60(図6参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その特別図柄始動記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。また、センターケース18の左下部には、4個の発光ダイオードからなる普通図柄始動記憶数表示装置22が配設されており、後述する普通図柄始動スイッチS2 からの遊技球検知信号が、所定数を上限として主制御基板60(図6参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その普通図柄始動記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。尚、特別図柄始動記憶数と普通図柄始動記憶数は、夫々4個が上限数として設定されている。
一方、センターケース18の左右側方には、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)23,23が配設されており、遊技球の通過により、各普通図柄始動ゲート23が具備する普通図柄始動スイッチS2 (図6参照)から遊技球検知信号が発生すると、前記表示画面20の普通図柄E1 ,E2 が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示される。
センターケース18の下方には、内部を特別図柄始動領域25とするとともに、可動翼片26,26により入賞口を兼ねた入り口の開口度を変化させるようにした普通電動役物24が配設されている。そして前記普通図柄E1 ,E2 の表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド31(図6参照)を駆動源とする駆動機構(図示省略)によって可動翼片26,26が所定時間(例えば約 0.2秒間)拡開されて、特別図柄始動領域25に遊技球が入り易い状態となる。この特別図柄始動領域25は、前記図柄表示装置19の特別図柄A,B,Cを変動させる契機となる入賞口となっており、その内部に配設された特別図柄始動スイッチS1 (図6参照)による遊技球の入賞検知に伴って、前記図柄表示装置19の表示画面20に特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。また、特別図柄A,B,Cの変動中にあっては、特別図柄始動スイッチS1 からの遊技球検知信号数が特別図柄始動記憶数として主制御基板60(図6参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶され、当該変動が終了すると、その特別図柄始動記憶数に基づいて特別図柄A,B,Cの変動が再び開始される。
前記普通電動役物24の下方には、可変入賞装置27が配設されている。該可変入賞装置27は、横長矩形状の大入賞口28と、該大入賞口28を開閉する横長矩形状の開閉板29とを備えており、該開閉板29が大入賞口ソレノイド32(図6参照)を駆動源とする駆動機構(図示省略)によって、前方に傾倒して大入賞口28を開放する開放位置と、この開放位置から後方に起立して大入賞口28を閉鎖する閉鎖位置とに開閉制御されるようになっている。尚、開閉板29及び前記可動翼片26,26の駆動機構は、公知のものが夫々適用され得る。
そして、前記図柄表示装置19の表示画面20に変動表示される特別図柄A,B,Cが、所定の組み合わせの当り図柄態様で確定表示された場合に大当たりとしての特別遊技作動が実行される。この特別遊技作動は、開閉板29が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉板29の上面の案内作用を介して、大入賞口28内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒間)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば9個)の遊技球の入賞により開閉板29が起立して大入賞口28が閉鎖される開閉ラウンドを、所定制限回数(例えば14回)繰り返すものであって、この特別遊技作動の実行によって多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利益が供与される。可変入賞装置27の内部には、一回の開閉ラウンド毎の入賞球数を計数するカウントスイッチS3 (図6参照)が設けられている。
その他、遊技領域17には、複数の一般入賞口30が配設されており、その内部に設けられた一般入賞スイッチS4 (図6参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。
次に、本発明の要部にかかる演出ボタン装置13について説明する。
上述したように下部パネル9(図1参照)には、余剰球貯留皿10の左側に位置させて操作ボタン14を備えた演出ボタン装置13が配設されている。このように操作ボタン14を遊技機本体3の前面側に露出させて設けることによって、遊技者によるボタン操作が可能となっている。
演出ボタン装置13は、図3〜図5に示すように、略三角筒形を呈する外郭筒部34と、該外郭筒部34の下部に固定されてその下部開口を塞ぐ底板部35とからなる内空状のケース筐体33を備えており、該ケース筐体33が下部パネル9に形成された取付孔37に上方から装入された状態で、該取付孔37の下壁部38に複数のビス39で固定されている。ケース筐体33の内部には、後述する表示板53の裏面に光を照射する光源40が複数配設されている。該光源40には発光ダイオードが用いられており、該光源40は、前記底板部35から上方に突設されたプリント回路板41の上端部に実装されている。また、該プリント回路板41には、操作ボタン14の押圧操作を検知するフォトセンサーからなる押圧検知センサー42が実装されており、該押圧検知センサー42及び前記光源40と、その他の抵抗等の所要電子部品(図示省略)とがプリント配線により電気的に接続されて所定の基板モジュールが構成されている。このプリント回路板41及び後述する電磁ソレノイド57,57には、コネクタ43を介して複数の導電線からなるリード線群44が接続されており、該リード線群44によって光源40、押圧検知センサー42及び電磁ソレノイド57,57への作動電流の供給や押圧検知センサー42が送出する押圧検知信号が導出される。前記光源40は、遊技の進行状況に応じて発光するように、後述する遊技制御手段によって発光制御され、また、前記電磁ソレノイド57,57は、後述する駆動制御手段によって光源40の発光制御と同期して駆動制御される。
前記底板部35にはバネ受け座45が上方に向けて設けられており、該バネ受け座45には圧縮により弾発力を生じるコイルスプリングからなる圧縮バネ46の一端が座定されている。また、ケース筐体33の内部には、外郭筒部34内を上下動可能な操作ボタン14が配設されている。該操作ボタン14は上下に分割形成されており、上方に位置する上ボタン部材14aと、その下部を支持する下ボタン部材14bとによって構成されている。下ボタン部材14bは、3個の上下方向の円筒部36aと、これらを連結する連結杆部36bとによって略三角枠状に形成されており、その上部に設けられた天板部36cの下面に前記圧縮バネ46の他端が当接されている。これにより、下ボタン部材14bが圧縮バネ46の弾発力によって上方向に付勢されている。
一方、操作ボタン14の上ボタン部材14aは、略三角形状を呈する透明材質からなる表面板部49と該表面板部49の周縁から下方に延成された三角筒状の側壁板部50とを備えており、該側壁板部50には、周方向で対向する位置に外方に突出する一対の係合爪51,51(図5参照)を下端に備えた弾性舌片部54,54が設けられている。該弾性舌片部54,54の係合爪51,51は、外郭筒部34に形成された作動口52,52内を上下方向に移動可能であり、かつ該作動口52,52の上部口縁に係合可能となっている。上ボタン部材14aは、側壁板部50の下端が前記下ボタン部材14bの周縁上面に当接する状態で外郭筒部34内に収納されており、前記圧縮バネ46の弾発力によって上方向に付勢される下ボタン部材14bを介して常時下方から上方向に付勢されている。そして、このように下方からの付勢によって側壁板部50の係合爪51,51が外郭筒部34の作動口52,52の上部口縁に係合されることによって、上ボタン部材14aがケース筐体33の上部開口端から若干上方へ突出する上動位置に保持されており、この上動位置が操作ボタン14の押圧操作位置となっている。
また、前記下ボタン部材14bには、前記押圧検知センサー42を構成するフォトセンサーに上下方向で一致する位置に遮光片部48が設けられており、上ボタン部材14aに対する押圧操作に伴って下ボタン部材14bが下動すると、図4(B)に示すように、遮光片部48がフォトセンサーの発光部と受光部間に設けられたスリット42a内に進入し、該発光部と受光部間の光の通過を遮断することにより、押圧検知センサー42から押圧検知信号が送出されるようになっている。
前記操作ボタン14の表面板部49の裏面には、透光性材質からなる表示板53が配設されており、該表示板53には「PUSH」や「CHANCE」等の報知文字(図示省略)が透光性インキで印刷されている。そして、前記光源40の発光によって表示板53の裏面に光が照射されると、表面板部49の上方から報知文字が鮮明に視認可能となる。このように、光源40が発光すると操作ボタン14が光輝して報知文字が鮮明に表示され、これによって、遊技者に操作ボタン14の押圧操作を促すようになっている。
前記下ボタン部材14bの各円筒部36aの下端と、ケース筐体33の底板部35との間には作動間隙56(図4(A)参照)が夫々設けられており、該作動間隙56によって操作ボタン14の上下動が可能となっている。各作動間隙56の内、少なくとも2つの作動間隙56,56(図4(A)において左右の作動間隙56,56)の側傍には、進退ロッド58,58を備えた電磁ソレノイド57,57が、各進退ロッド58,58を各作動間隙56方向に夫々向けた状態で、底板部35上に固着されている。各進退ロッド58,58の先端には、作動間隙56の上下幅より若干小さい厚み幅の挿入端66を備えたストッパー部材59,59が夫々連結されており、該ストッパー部材59,59の挿入端66,66が進退ロッド58,58の進退作動を介して、前記作動間隙56,56内に進出して操作ボタン14の下動を規制するロック位置(図4(A)参照)と、該ロック位置から退避して操作ボタン14を下動可能とする非ロック位置(図4(B)参照)とに変換されるようになっている。そして、前記電磁ソレノイド57,57が、ストッパー部材59,59をロック位置と非ロック位置とに変換する駆動装置となっている。
各電磁ソレノイド57,57の進退ロッド58,58には、コイルスプリングからなる復帰バネ67,67が圧縮状態で外嵌されており、電磁ソレノイド57,57を駆動する通電状態では、復帰バネ67,67の付勢力に抗して進退ロッド58,58が後退してストッパー部材59,59が非ロック位置に変換され、電磁ソレノイド57,57が非駆動となる通電停止状態では、復帰バネ67,67の付勢力を介して進退ロッド58,58が進出してストッパー部材59,59がロック位置に変換されるようになっている。これにより、操作ボタン14が光輝する所定の押圧促し状態以外の状態では、電磁ソレノイド57,57を非駆動とすることにより、復帰バネ67,67の付勢力を介してストッパー部材59,59を無電力でロック位置に保持し得るようにしている。また、電磁ソレノイド57,57の駆動は、後述する駆動制御手段によって制御されるようになっている。
上述のパチンコ遊技機1の遊技制御手段を構成する制御回路について、図6に示すブロック図に基づいて説明する。
マイクロコンピュータにより構成される主制御基板60には、パチンコ遊技機1の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものである。また、該主制御用中央制御装置CPUによって、電磁ソレノイド57,57からなる駆動装置を常時は非駆動としてストッパー部材59,59をロック位置に保持させ、操作ボタン14の表示板53が光輝する所定の押圧促し状態開始時に駆動装置を駆動制御してストッパー部材59,59を非ロック位置に変換し、押圧促し状態終了時にストッパー部材59,59をロック位置に復帰させる駆動制御手段が構成されている。そして、該駆動制御手段による電磁ソレノイド57,57への通電開始制御により進退ロッド58,58が後退して、ストッパー部材59,59が非ロック位置に変換され、駆動制御手段による電磁ソレノイド57,57への通電停止制御により復帰バネ67,67の付勢力を介して進退ロッド58,58が進出してストッパー部材59,59をロック位置に復帰させるようになっている。
主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル、普通当り乱数テーブル、普通当り図柄乱数テーブル等の固定データが格納されている。そして、特別図柄始動領域25を遊技球が通過して特別図柄始動スイッチS1 がON作動すると、主制御用中央制御装置CPUによって所要乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、リーチ態様乱数値等が選出される。また、普通図柄始動ゲート23を遊技球が通過して普通図柄始動スイッチS2 がON作動すると、主制御用中央制御装置CPUによって所要乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、普通当り乱数値、普通当り図柄乱数値が選出される。一方、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,普通図柄始動スイッチS2 ,カウントスイッチS3 ,一般入賞スイッチS4 からの球検知信号数が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
さらに、上記主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
また、上記主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、図柄表示制御基板62,音源制御基板63,光源制御基板64,払出制御基板65の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS1が接続されるとともに、盤面中継基板61を介して、押圧検知センサー42,普通図柄始動スイッチS2 ,カウントスイッチS3 ,一般入賞スイッチS4 が接続されている。そして、主制御基板60は、所定時間毎(例えば2ms毎)に上記押圧検知センサー42及び各スイッチS1 〜S4 の検知状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して電磁ソレノイド57,大入賞口ソレノイド32,普通電動役物ソレノイド31が接続されており、これらが主制御用中央制御装置CPUが送出する制御指令信号に基づいて作動される。
また、主制御用中央制御装置CPU及び上記各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65に夫々送信し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
上記図柄表示制御基板62には、図柄表示装置19の表示画面20に表示される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この記憶装置ROMには、上述した特別図柄A,B,C及び普通図柄E1 ,E2 の図柄形態及び変動表示パターンが記憶され、さらに特別図柄A,B,Cの当りパターン,リーチ態様パターン等の固定データやその動作プログラムが記憶されている。
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60からの制御指令信号を入力ポートを介して受信すると、図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄変動を演出する特別図柄A,B,Cと普通図柄E1 ,E2 の各変動パターンデータを、出力ポートを介して表示用ドライバに夫々送信する。該表示用ドライバは前記各変動パターンデータに従って、図柄表示装置19の表示画面20に所定の変動パターンで特別図柄A,B,Cと普通図柄E1,E2を変動表示させる。そして、この表示用ドライバ及び図柄表示制御基板62と前記主制御基板60とによって、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、その選定された図柄生成行程を図柄表示装置19の表示画面20に表示する図柄制御手段が構成されている。
また、図柄表示制御基板62の記憶装置ROMには、図柄表示装置19の表示画面20で表示する演出画像F(図7参照)の演出画像データが複数種類記憶されており、主制御基板60からの演出制御指令信号に基づいて所定の演出画像データが表示用ドライバに送信され、図柄表示装置19の表示画面20に演出画像Fが表示される。
一方、上記音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この音源制御基板63は、特別図柄A,B,Cの図柄変動実行時や特別遊技作動の実行時あるいは賞球払い出し時等に、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに送信して、スピーカから所定の効果音を出力させる。
また、上記光源制御基板64には、演出ボタン装置13の光源40やパチンコ遊技機1に設けられた電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、光源40や電飾装置の点灯,点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、点滅パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この光源制御基板64は、演出画像F(図7参照)の表示時や特別図柄A,B,Cの図柄変動実行時時、あるいは特別遊技作動の実行時や賞球払い出し時等に、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を光源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の光演出データを出力ポートを介して光源作動基板に送信し、光源40や、電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプを所定態様で点灯,点滅させる。また、光源制御基板64には光源作動基板を介して特別図柄始動記憶数表示装置21と普通図柄始動記憶数表示装置22とが接続されており、これらが具備する発光ダイオードが主制御基板60からの制御指令信号に基づいて点灯,点滅される。
さらに、上記払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等の払出を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニットが具備する各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の払出を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム,貸球や賞球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この払出制御基板65は、入力ポートを介して主制御基板60から制御指令信号を受信し、該制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニットが具備する図示しない各種ソレノイドを作動させて、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。
次に、図6に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機1の作動に従って説明する。
発射ハンドル12の回動操作により遊技球が遊技盤15の遊技領域17に発射され、この遊技球が普通図柄始動ゲート23を通過し、普通図柄始動スイッチS2 がON作動すると、その信号を認識した主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている普通当り乱数テーブルと普通当り図柄乱数テーブルから抽選によって、普通当り乱数値と普通当り図柄乱数値を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。尚、遊技球が普通図柄始動ゲート23を連続的に通過した場合には、普通図柄始動スイッチS2 のON作動に基づいて抽選される上記各乱数値が、発生順に主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されるとともに、普通図柄始動スイッチS2 による遊技球検出数が普通図柄始動記憶数として主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、上述したように普通図柄始動記憶数表示装置22の発光ダイオードがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、普通図柄始動記憶数を最高4個まで表示する。この発光ダイオードは表示画面20の普通図柄E1 ,E2 が変動開始する度に消灯されて、始動記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(4個)となっている場合には、普通図柄始動ゲート23,23を遊技球が通過しても無効となる。
そして、普通図柄始動スイッチS2 のON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている普通図柄始動記憶数の消化の何れかによる普通図柄始動条件の成立を契機として普通図柄E1 ,E2 の図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、普通当り乱数値を判定し、その結果に基づき、図柄表示装置19の表示画面20に表示される普通図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。そして、普通当り乱数値が所定の当り乱数値である場合、図柄表示制御基板62は、普通当り図柄乱数値に従い普通図柄E1 ,E2 を当り態様で停止させて確定表示する。このように普通図柄E1 ,E2 が当り態様で確定表示されると、主制御基板60は、制御指令信号を送信し、盤面中継基板61を介して普通電動役物ソレノイド31を駆動して、普通電動役物24の可動翼片26,26を所定時間(例えば0.2秒間)逆ハ字形に外側方に拡開させて傾動位置に変換する。
一方、遊技領域17を転動流下する遊技球が特別図柄始動領域25を通過し、特別図柄始動スイッチS1 がON作動して球検知信号が送出されると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている各乱数テーブルから抽選によって、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、リーチ態様乱数値を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。
さらには、特別図柄始動スイッチS1 からの球検知信号に基づき、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に送信するとともに、賞球払出作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々送信する。主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットの図示しないソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球払出音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球用光源の作動指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプを点灯、点滅させる。
尚、遊技球が特別図柄始動領域25を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1 による遊技球検知数が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶に基づいて上述したように特別図柄始動記憶数表示装置21の発光ダイオードがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、特別図柄始動記憶数を最高4個まで表示する。この発光ダイオードは表示画面20の特別図柄A,B,Cが変動開始する度に消灯されて、記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(4個)となっている場合には、特別図柄始動領域25を遊技球が通過しても無効となる。
そして、特別図柄始動スイッチS1 の遊技球通過によるON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている特別図柄始動記憶数の消化の何れかによる図柄始動条件の成立を契機として特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数値を判定し、大当り図柄乱数値とハズレ図柄乱数値の何れか一方を有効とするとともに、リーチ乱数値に従ってリーチとするかどうかを判定する。そして、これらの結果に基づき、図柄表示装置19で実行される特別図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
上記図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、該図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の動作プログラムを用いて、表示画面20で演出する図柄表示態様を決定する。そして、該図柄表示態様に従って特別図柄A,B,Cを順次停止し、特別図柄A,B,Cを確定表示する図柄生成行程を実行する。
また、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を上記図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に送信するとともに、電飾制御指令信号と演出制御指令信号を光源制御基板64に送信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の音データをサウンドジェネレータを介してスピーカより出力する。また前記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の光演出データに基づいて、光源作動基板を介して、電飾装置の発光ダイオードまたは装飾ランプを点灯、点滅させる。また、光源制御基板64は、演出制御指令信号に基づいて、光源作動基板を介して演出ボタン装置13の光源40を連続または点滅等の所定態様で点灯させる。
上述の大当り特別乱数値が所定の当り乱数値である場合、主制御基板60は、大当り図柄乱数値を有効とするとともに、リーチ図柄乱数値,リーチ態様乱数値を有効とし、図柄表示制御基板62に所定の図柄制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は、リーチ図柄乱数値に従い特別図柄をA=Cで停止して、リーチ態様乱数値に従い所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を実行した後、大当り図柄乱数値に従って、所定の当り図柄態様の特別図柄A,B,Cを確定表示する。同時に音源制御基板63及び光源制御基板64が所定の効果音と電飾演出を発生させる。尚、リーチ態様乱数値によって選定されるリーチ変動態様としては、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速走行、図柄の反転等、種々の変動態様がある。
このように所定の当り図柄態様が確定表示されると、主制御基板60は可変入賞装置27を作動させて大当りとしての特別遊技作動を実行する。即ち、大入賞口ソレノイド32が開放駆動されて開閉板29が開放位置に変換された後、閉鎖位置へ復帰する開閉ラウンドが開始される。この開閉ラウンドによって大入賞口28が開放され、この開放は所定開放時間(例えば30秒間)が経過するか、この所定制限時間内で、カウントスイッチS3 により所定個数(例えば9個)の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。そして、このような開閉ラウンドが所定制限回数(例えば14回)実行されると特別遊技作動が終了する。
一方、大当り特別乱数値が所定の当り乱数値でない場合には、主制御基板60は、上述のハズレ図柄乱数値に基づく図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信し、該図柄表示制御基板62は、この図柄制御指令信号に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ図柄態様で表示する。ここで、ハズレ図柄乱数値が当り図柄態様を選出していた場合には、再びハズレ図柄乱数テーブルでハズレ図柄乱数値を選出して、ハズレ図柄態様を表示する。また、リーチ乱数値によりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数値に従って、特別図柄をA=Cで一旦表示し、リーチ態様乱数値に従って、所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を発生させるようにした後、ハズレ図柄態様を確定表示する。
かかる構成にあって、上述したように、リーチ乱数値によってリーチ作動を実行することとなった場合に、演出画像Fが割り当てられた所定のリーチ態様乱数値が選出されていると、図柄表示装置19の表示画面20に演出画像Fが表示される。この演出画像Fは、図7に示すように、例えば発射台にセットされたロケットf1 の画像及びロケットf1 への燃料の充填量を示すゲージf2 の画像と、操作ボタン14の押圧操作を促す「ボタンを連打」等のメッセージf3 の画像とで構成されている。そして、図7(A)に示すように、特別図柄がA=Cで停止してリーチ作動が発生すると、図7(B)に示すように、リーチ態様乱数値に従って演出画像データによる演出画像Fが表示画面20に表示される。これと同期して主制御基板60から光源制御基板64に演出制御指令信号が送信され、操作ボタン14(図4参照)の光源40が所定態様で発光制御されて操作ボタン14が光輝する所定の押圧促し状態が開始される。このように遊技者に操作ボタン14の押圧操作を促す押圧促し状態が開始されると、これと同期して主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUによる通電開始制御により電磁ソレノイド57,57に駆動電流が供給され、進退ロッド58,58が後退してストッパー部材59,59が非ロック位置(図4(B)参照)に変換される。これにより、操作ボタン14が下動可能となり、遊技者は支障なく操作ボタン14を押圧操作することができる。
そして、上記のように表示画面20に表示された演出画像Fの「ボタンを連打」等のメッセージf3 の画像(図7(B)参照)に従って遊技者が操作ボタン14を押圧操作すると、押圧検知センサー42からの押圧検知信号が主制御基板60に入力される。主制御基板60は、その信号の入力回数を計測し、予め定められた回数に達する毎に図柄表示制御基板62へ所定の図柄制御指令信号を送信し、この図柄制御指令信号に基づいて図柄表示制御基板62は、図7(C)〜(E)に示すように、演出画像Fを順次変化させる。即ち、燃料の充填量を示すゲージf2 の目盛りが順次上昇し、燃料が満タンとなるとロケットf1 を打ち上げる画像が表示される。
このような表示画面20での演出画像Fの表示が終了すると、これと同期して主制御基板60から光源制御基板64に送信される演出制御指令信号によって操作ボタン14の光源40が消灯し、押圧促し状態が終了する。そして、この押圧促し状態終了と同期して主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUによる通電停止制御により電磁ソレノイド57,57への駆動電流の供給が停止されると、復帰バネ67,67の付勢力によって進退ロッド58,58が押し出され、ストッパー部材59,59の挿入端66,66が作動間隙56,56内に進出する。これにより、ストッパー部材59,59がロック位置(図4(A)参照)に復帰し、操作ボタン14が下動不能の状態となる。
このように本発明によれば、操作ボタン14が光輝する所定の押圧促し状態以外の状態、即ち押圧操作の非有効時には、ストッパー部材59,59がロック位置に変換されて操作ボタン14の下動が規制されていることにより、操作ボタン14を押圧しても該操作ボタン14が下動せず、これによって操作ボタン14の押圧操作が無効であることを遊技者に知得させることができる。そして、これにより、遊技者による操作ボタン14の無意味な連続叩打を抑制し得るので、操作ボタン14の激しい連続叩打による故障発生や周囲の遊技者に対する迷惑も回避することができる。
また、各電磁ソレノイド57の進退ロッド58に連結されたストッパー部材59を作動間隙56内に進出させることによって操作ボタン14の下動を規制し、ストッパー部材59を作動間隙56内から後退させることによって操作ボタン14を下動可能としたので、直進式の進退ロッド58にストッパー部材59を連結することによって、ストッパー部材59の駆動機構を極めて簡単に構成することができるとともに、作動間隙56内に進出させたストッパー部材59に対して上方から押し下げられる操作ボタン14の下部を当接させるので、操作ボタン14の下動を確実に規制することができる。さらに、電磁ソレノイド57の進退ロッド58は迅速に進退作動するため、ストッパー部材59の進退駆動を迅速に行わせることができる。
尚、上述した実施例においては、ストッパー部材59をロック位置と非ロック位置とに変換する駆動装置として電磁ソレノイド57を用いる構成について説明したが、駆動装置としてはモータとギヤ機構を用いる構成とすることも可能である。