JP2012114976A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】周方向の磁力分布を変化させることで特性を変更可能なモータにおいて、構成が複雑化したり、構成に要する費用や重量が増大することを防止しつつ、ロータの磁力分布の変化を適切に検出する。
【解決手段】モータ1はロータユニット3の周方向の磁力分布を変化させることで特性を変更可能であって、ロータユニット3が固定された回転軸4の回転角を検出する第1回転角センサ48と、磁気結合によってロータユニット3に非接触で同期回転可能な被検出ロータ43の回転角を検出する第2回転角センサ42と、第1回転角センサ48により検出された回転軸4の回転角と、第2回転角センサ42より検出された被検出ロータ43の回転角との角度差に基づき、ロータユニット3の周方向の磁力分布の変化を検出する位相制御部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータに関する。
従来、例えば互いの回転軸が同軸に配置されて相対位相を変更可能な内周側ロータおよび外周側ロータからなるロータを備え、相対位相の変更に応じてロータのトルクに寄与する磁石磁束つまりロータの周方向の磁力分布を変更可能な電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電動機では、内周側ロータと外周側ロータとの相対位相を油圧ベーンによって変化させており、外周側ロータの軸方向両端部に配置された端面板は回転軸およびベーンロータに固定されている。そして、外周側ロータのベーンロータは、内周側ロータの環状ハウジングと外周側ロータの端面板とによって形成された油圧室内に配置され、この油圧室内の油圧によって環状ハウジングとベーンロータとが相対的に回動することで、内周側ロータと外周側ロータとの相対位相が変化する。
そして、内周側ロータと外周側ロータとの各回転角に基づいて相対位相の変更に伴うロータの周方向の磁力分布の変化を検出するために、レゾルバなどの回転角センサが各内周側ロータおよび外周側ロータ毎に設けられている。
特開2009−27860号公報
ところで、上記従来技術に係る電動機において、レゾルバなどの回転角センサを各内周側ロータおよび外周側ロータ毎に設けるために、例えばレゾルバのロータと各内周側ロータおよび外周側ロータとを適宜の接続箇所で機械的に接続すると、ロータの磁力分布の変更時において、各接続箇所も内周側ロータおよび外周側ロータと共に相対的に回動可能である必要が生じる。
しかしながら、各接続箇所を回動可能に構成するためには複雑な機構が必要になり、モータの構成に要する費用やモータの重量が増大してしまったり、複雑な機構に起因する新たな不具合が発生する虞がある。
例えば、上記従来技術に係る電動機では、内周側ロータにレゾルバのロータを機械的に接続するために、外周側ロータの端面板に開口を形成して、内周側ロータに設けられた連結ピンを端面板の開口から突出させてレゾルバのロータに連結する必要が生じる。
これにより、端面板の剛性が低下してしまったり、あるいは、端面板の所望の剛性確保のために、開口の大きさつまり内周側ロータと外周側ロータとの相対的な回動可能範囲(ロータの磁力分布の変更可能範囲)を制限する必要が生じる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、周方向の磁力分布を変化させることで特性を変更可能なモータにおいて、構成が複雑化したり、構成に要する費用や重量が増大することを防止しつつ、ロータの磁力分布の変化を適切に検出することが可能なモータを提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係るモータは、周方向の磁力分布を変化させることで特性を変更可能なモータ(例えば、実施の形態でのモータ1)であって、ロータ(例えば、実施の形態でのロータユニット3)が固定された回転軸(例えば、実施の形態での回転軸4)の回転角を検出する第1回転角検出手段(例えば、実施の形態での第1回転角センサ48)と、磁気結合によって前記ロータに非接触で同期回転可能な検出用ロータ(例えば、実施の形態での被検出ロータ43)の回転角を検出する第2回転角検出手段(例えば、実施の形態での第2回転角センサ42)と、前記第1回転角検出手段により検出された前記回転軸の回転角と、前記第2回転角検出手段により検出された前記検出用ロータの回転角との角度差に基づき、前記モータにおける前記磁力分布の変化を検出する磁力分布変化検出手段(例えば、実施の形態での位相制御部65)とを備える。
さらに、本発明の第2態様に係るモータでは、前記ロータは、周方向の磁力分布を有する内周側ロータ(例えば、実施の形態での内周側ロータ6)と、該内周側ロータの外周側に前記内周側ロータと同軸に配置され、周方向の磁力分布を有する外周側ロータ(例えば、実施の形態での外周側ロータ5)と、前記内周側ロータと前記外周側ロータとを相対的に回動させて前記内周側ロータと前記外周側ロータとの相対的な位相を変更する位相変更手段(例えば、実施の形態での位相変更手段12)とを備え、前記内周側ロータは、前記回転軸に対して回動可能に配置され、前記外周側ロータは、前記回転軸の軸方向の端部に設けられた端面板(例えば、実施の形態でのドライブプレート16A,16B)によって前記回転軸に対して回動不能に固定され、前記検出用ロータは、前記磁気結合によって前記内周側ロータに非接触で同期回転可能であり、前記第2回転角検出手段は、前記検出用ロータの回転角から前記内周側ロータの回転角を検出する。
さらに、本発明の第3態様に係るモータでは、前記磁力分布変化検出手段は、前記磁気結合の負荷トルクに応じて前記角度差を補正する。
さらに、本発明の第4態様に係るモータでは、前記検出用ロータは、前記ロータに配置された永久磁石または前記ロータに設けられた磁性材からなる突極部に対して磁気的に結合する。
本発明の第1態様に係るモータによれば、第2回転角検出手段はロータに非接触で磁気結合しており、この結合状態はロータの周方向の磁力分布の変化に伴って変化し、検出用ロータの同期回転もロータの周方向の磁力分布の変化に伴って変化する。一方、ロータが固定された回転軸は、ロータの周方向の磁力分布の変化にかかわらずに、ロータと同一の回転を行なう。
つまり、第2回転角検出手段により検出された検出用ロータの回転角は、ロータの周方向の磁力分布に、いわば直接的に関連しており、第1回転角検出手段により検出された回転軸の回転角と、第2回転角検出手段により検出された検出用ロータの回転角との角度差は、ロータの周方向の磁力分布の変化に応じて変化する。
これにより、回転軸の回転角と検出用ロータの回転角との角度差に基づき、ロータの周方向の磁力分布の変化を、精度良くかつ信頼性高く、検出することができる。
しかも、ロータあるいはロータが固定された回転軸には第2回転角検出手段の検出用ロータを機械的に接続する必要が無く、ロータの周方向の磁力分布の変化を検出するために、例えば複雑な機構が必要になったり、例えば複雑な機構に起因する新たな不具合が発生したり、例えばモータの構成に要する費用やモータの重量が増大する、という各種の問題が生じることを防止することができる。
本発明の第2態様に係るモータによれば、外周側ロータを端面板によって回転軸に固定した状態であっても、この外周側ロータの内周側に配置される内周側ロータと第2回転角検出手段の検出用ロータとを機械的に接続する必要が無い。これにより、機械的な接続のための複雑な機構が不必要であり、端面板に開口や切り欠きなどを設ける必要が生じず、例えば端面板の剛性が低下したり、例えばロータの回転にアンバランスが生じる、という各種の不具合の発生を防止することができる。
本発明の第3態様に係るモータによれば、回転軸の回転角と検出用ロータの回転角との角度差を、磁気結合の負荷トルク(例えば、ロータの急減速時や位相変更手段の作動液の低温時などに磁気結合に作用する負荷トルクなど)に応じて補正することから、ロータの周方向の磁力分布の変化を、より一層、精度良く検出することができる。
本発明の第4態様に係るモータによれば、予めロータに配置されている永久磁石または突極部を用いて、第2回転角検出手段の検出用ロータをロータに磁気結合させることから、検出用ロータをロータに磁気結合させるための特別な部材をロータに追加する必要無しに、モータの構成に要する費用やモータの重量が増大することを防止することができる。
本発明の実施形態に係るモータを回転軸方向に平行に破断して示す断面図であって、図2に示すA−A線矢視図である。 本発明の実施形態に係るモータを回転軸方向から見た平面図である。 本発明の実施形態に係るモータの内周側ロータの斜視図である。 本発明の実施形態に係るモータの内周側永久磁石と外周側永久磁石が同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図と、内周側永久磁石と外周側永久磁石が異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るモータの一部を分解して示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るモータの制御装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る回動機構の作動液の温度と、内周側ロータに磁気結合する第2回転角センサの被検出ロータに作用する負荷トルク(温度)との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るモータの角加速度と、内周側ロータに磁気結合する第2回転角センサの被検出ロータに作用する負荷トルク(角加速度)との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る内周側ロータに磁気結合する第2回転角センサの被検出ロータに作用する負荷トルクと、回転角の検出値との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る内周側ロータに磁気結合する第2回転角センサの被検出ロータに作用する負荷トルク(合成)と回転角補正値との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るモータの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の第1変形例に係るモータを回転軸方向に平行に破断して示す断面図である。 本発明の実施形態の第2変形例に係るモータを回転軸方向に平行に破断して示す断面図である。
以下、本発明のモータの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態によるモータ1は、例えば図1〜図3に示すように、円環状のステータ2の内周側にロータユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスDCモータである。
ステータ2は、複数相のステータ巻線2aを有し、ハウジング90にブラケット91を介して固定されている。
ロータユニット3は、軸芯部に回転軸4を有し、この回転軸4は、軸受92A,92Bを介してハウジング90に回転自在に支持されている。
なお、このモータ1は、例えばハイブリッド車両や電動車両などの車両の走行駆動源として用いることができ、この場合には、モータ1の回転力はトランスミッション(図示略)を介して車輪の駆動軸(図示略)に伝達される。また、車両の減速時には、モータ1は発電機として機能して、発電電力を回生エネルギーとして回収することもできる。
また、例えばハイブリッド車両においては、モータ1の回転軸4を内燃機関(図示略)のクランクシャフト(図示略)に連結して、内燃機関の駆動力により発電することが可能である。
ロータユニット3は、円環状の外周側ロータ5と、この外周側ロータ5の内側に同軸に配置される円環状の内周側ロータ6を備え、外周側ロータ5と内周側ロータ6とは所定角度の範囲内で相対的に回動可能とされている。
各外周側ロータ5および内周側ロータ6は、ロータ本体である円環状の各ロータ鉄心7,8を備え、各ロータ鉄心7,8は、例えば複数の電磁鋼板を回転軸4の軸方向に積層して成る積層鋼板によって形成されている。
各ロータ鉄心7,8は、例えば周方向に所定間隔をおいて形成された複数の各磁石装着スロット7a…,8a…を備え、各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された平板状の各外周側永久磁石9Aおよび内周側永久磁石9Bが夫々装着されている。
各磁石装着スロット7a…,8a…は、各外周側ロータ5上および内周側ロータ6上で夫々周方向で隣接する2つが一組を成し、例えば図2に示すように、各組の磁石装着スロット7a,7aおよび8a,8aには、磁化方向が同方向の各外周側永久磁石9A,9Aおよび内周側永久磁石9B,9Bが夫々装着されている。
また、各外周側ロータ5上および内周側ロータ6上で夫々周方向で隣接する異なる組の磁石装着スロット7a,7aおよび8a,8aには、磁化方向が逆方向の各外周側永久磁石9A,9Aおよび内周側永久磁石9B,9Bが夫々装着されている。
すなわち、外周側ロータ5においては、外周側がN極とされた外周側永久磁石9Aの対と外周側がS極とされた外周側永久磁石9Aの対とが、周方向に交互に並んで配置されている。
同様に、内周側ロータ6においては、外周側がN極とされた内周側永久磁石9Bの対と外周側がS極とされた内周側永久磁石9Bの対とが、周方向に交互に並んで配置されている。
また、各外周側ロータ5および内周側ロータ6の各磁石装着スロット7a…,8a…は夫々同数設けられ、各外周側ロータ5および内周側ロータ6の各永久磁石9A…,9B…が夫々1対1で対応している。
これにより、例えば図4(b)に示すように、外周側ロータ5と内周側ロータ6との各磁石装着スロット7a,8a内の各永久磁石9A,9Bを径方向において互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、ロータユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁の状態になる。
一方、例えば図4(a)に示すように、外周側ロータ5と内周側ロータ6との各磁石装着スロット7a,8a内の各永久磁石9A,9Bを径方向において互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、ロータユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態になる。
ロータユニット3は、外周側ロータ5と内周側ロータ6とを相対回動させるための回動機構11を備えている。この回動機構11は、両ロータ5,6の相対位相を任意に変更するための位相変更手段12を構成するものであり、例えば、非圧縮性の作動流体である作動液(例えば、車両のトランスミッション用の潤滑油、エンジンオイルなどでもよい)の圧力によって操作される。
位相変更手段12は、例えば図6に示すように、回動機構11と、この回動機構11に対する作動液の給排を制御する液圧制御装置13とを主要な要素として構成され、液圧制御装置13は、例えば、オイルタンク(図示略)から作動液を吸い上げて通路に吐出する電動のオイルポンプ(EOP)32と、このオイルポンプ32から吐出された作動液の圧力を調整するレギュレータバルブ33となどを備えている。
回動機構11は、例えば図1〜図3に示すように、回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14(アクチュエータ部材)と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15とを備えている。
環状ハウジング15は内周側ロータ6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14は、環状ハウジング15と内周側ロータ6の軸方向の両端部を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16A,16B(端板)を介して外周側ロータ5に一体に結合されている。
これにより、ベーンロータ14は回転軸4と外周側ロータ5とに一体化され、環状ハウジング15は内周側ロータ6と一体化されている。
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に径方向外側に突出する複数のベーン18が周方向に等間隔に設けられている。
一方、環状ハウジング15は、内周面に周方向に等間隔に複数の凹部19が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応するベーン18が収容配置されている。
各凹部19は、ベーン18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の仕切壁21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、ベーン18が一方の仕切壁21と他方の仕切壁21の間を変位し得るようになっている。
複数の仕切壁21のうちの回転中心に対して対称な位置に配置される2つのものは、付根部側に周方向両側に膨出する膨出部30a,30bを備え、付根部側の周方向幅が他のものに比較して広くなっている。
ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時には、膨出部30aまたは30bが隣接するベーン18と当接することにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動、延いては外周側ロータ5と内周側ロータと6の相対回動が規制される。
また、内周側ロータ6に固定される環状ハウジング15のベース部15aはほぼ一定厚みの円筒状に形成されるとともに、例えば図1に示すように、内周側ロータ6や仕切壁21に対して軸方向外側に突出している。
このベース部15aの軸方向外側に突出した各端部は、ドライブプレート16A,16Bに形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持されている。これにより、環状ハウジング15と内周側ロータ6は外周側ロータ5と回転軸4にフローティング状態で支持される。
外周側ロータ5とベーンロータ14とを連結する両側のドライブプレート16A,16Bは、仕切壁21を含む環状ハウジング15の軸方向の両端面に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の軸方向両端部を夫々閉塞する。
したがって、環状ハウジング15の各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16A,16Bとともに夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、作動液が導入される導入空間となっている。
各導入空間内は、ベーンロータ14の対応する各ベーン18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24(液室)、他方の部屋が遅角側作動室25(液室)とされている。
進角側作動室24は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側ロータ6を外周側ロータ5に対して遅角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側ロータ6を外周側ロータ5に対して進角方向に相対回動させる。
この場合、「進角」とは、内周側ロータ6を外周側ロータ5に対して、例えば図2の矢印Rで示すモータ1の主回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側ロータ6を外周側ロータ5に対して、モータ1の主回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25とに対する作動液の給排は回転軸4を通して行われる。
具体的には、進角側作動室24は、液圧制御装置13の進角側給排通路に接続され、遅角側作動室25は液圧制御装置13の遅角側給排通路に接続されている。さらに、進角側給排通路と遅角側給排通路の一部は、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。
そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした2位置に形成された環状溝26bと環状溝27bに夫々接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c…,27c…に接続されている。
進角側の導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側の導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
この実施形態のモータ1において、外周側ロータ5の周方向に配置された複数の外周側永久磁石9Aによって外周側ロータ5が有する周方向の磁力分布と、内周側ロータ6の周方向に配置された複数の内周側永久磁石9Bによって内周側ロータ6が有する周方向の磁力分布とによって形成されるロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布は、回動機構11によって任意に変更可能な外周側ロータ5と内周側ロータ6との相対的な位相に応じて変化する。
例えば図4(a)に示すように、内周側ロータ6が外周側ロータ5に対して最遅角位置にあるときに、内周側永久磁石9Bと外周側永久磁石9Aが異極同士で対向して、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布は強め界磁の状態になる。
また、例えば図4(b)に示すように、内周側ロータ6が外周側ロータ5に対して最進角位置にあるときに、内周側永久磁石9Bと外周側永久磁石9Aが同極同士で対向して、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布は弱め界磁の状態になる。
このモータ1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、このように磁界の強さが変更されると、これに伴って誘起電圧定数が変化し、この結果、モータ1の特性が変更される。
すなわち、強め界磁によって誘起電圧定数が大きくなると、モータ1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数が小さくなると、モータ1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
一方のドライブプレート16A側において、ドライブプレート16Aの環状のガイド溝16aに摺動自在に保持される環状ハウジング15のベース部15aの軸方向外側に突出した端部には、例えば周方向に所定間隔をおいて複数の内周側ロータ側結合用磁石40が固定されている。
そして、回転軸4の軸方向で一方のドライブプレート16Aに隣接する位置には、例えばレゾルバからなる第2回転角センサ42の被検出ロータ43を保持する保持リング44が軸受45を介して支持されている。
この保持リング44のドライブプレート16A側の軸端には、径方向外側に延出するフランジ46が設けられ、このフランジ46の径方向外周側端部のドライブプレート16A側の表面には、回転軸4の軸方向で複数の内周側ロータ側結合用磁石40に対向するようにして、例えば周方向に所定間隔をおいて複数の第2回転角センサ側結合用磁石41が固定されている。
内周側ロータ側結合用磁石40および第2回転角センサ側結合用磁石41は、例えば厚み方向に磁化された平板状であって、互いの磁化方向を回転軸4の軸方向で反対方向として対向可能に配置され、対向する内周側ロータ側結合用磁石40と第2回転角センサ側結合用磁石41との間に磁力による吸引力が作用するように設定されている。
被検出ロータ43の外周側には、第2回転角センサ42の検出部である環状のレゾルバステータ47が設けられている。このレゾルバステータ47は、ハウジング90の内壁に固定設置され、被検出ロータ43の外周面に対して微小隙間をもって対峙している。
そして、第2回転角センサ42は、内周側ロータ側結合用磁石40と第2回転角センサ側結合用磁石41との磁気結合によって内周側ロータ6に非接触で同期回転可能な被検出ロータ43の回転角を検出する。
回転軸4の軸方向で他方のドライブプレート16Bに隣接する位置には、例えばレゾルバからなる第1回転角センサ48の被検出ロータ49を保持する保持リング50がスプライン嵌合されている。
被検出ロータ49の外周側には、第1回転角センサ48の検出部である環状のレゾルバステータ51が設けられている。このレゾルバステータ51は、ハウジング90の内壁に固定設置され、被検出ロータ49の外周面に対して微小隙間をもって対峙している。
そして、第1回転角センサ48は、回転軸4を介して外周側ロータ5に固定された被検出ロータ49の回転角を検出する。
このモータ1の制御装置60は、モータ1の界磁特性の変更(例えば、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布の変更など)と、モータ1の運転制御とを行なう。
制御装置60は、例えば図6に示すように、位相変更手段12を構成する回動機構11と、液圧制御装置13と、第1回転角センサ48と、第2回転角センサ42と、温度センサ61と、角加速度算出部62と、回転角補正部63と、減算部64と、位相制御部65と、モータ制御部71と、PDU(パワードライブユニット)72と、バッテリ73と、2つの相電流センサ74,74と、バッテリ電圧センサ75とを備えて構成されている。
温度センサ61は、回動機構11の作動液(例えば、潤滑油)の温度を検出して、検出結果の信号を出力する。
角加速度算出部62は、第1回転角センサ48から出力される外周側ロータ5の回転角の検出結果に基づき、単位時間当たりの回転角の変化から外周側ロータ5の角速度(回転数)を算出し、さらに、単位時間当たりの角速度(回転数)の変化から外周側ロータ5の角加速度を算出して、算出結果の信号を出力する。
回転角補正部63は、第2回転角センサ42から出力される内周側ロータ6の回転角の検出結果、つまり内周側ロータ6に非接触で同期回転可能な第2回転角センサ42の被検出ロータ43の回転角の検出結果を、内周側ロータ6と第2回転角センサ42の被検出ロータ43との間に作用する磁気結合に対する負荷トルクに応じて補正し、補正結果の信号を出力する。
この補正は、第2回転角センサ42の検出結果による回転角と内周側ロータ6の実際の回転角との間のずれが、負荷トルクの大きさに応じて変化することに基づいており、この補正結果は内周側ロータ6の実際の回転角に対応している。
回転角補正部63は、温度センサ61により検出された回動機構11の作動液(例えば、潤滑油)の温度に基づき、例えば予め記憶している第1所定マップなどを参照して、作動液の温度に応じて変化する負荷トルク(温度)TFの大きさを検知する。
この第1所定マップは、例えば予めモータ1に対して実施された試験などに基づいて作成され、例えば図7に示すように、作動液の温度が上昇することに伴い、負荷トルク(温度)TFの大きさが減少傾向に変化している。
この負荷トルク(温度)TFは、例えば第2回転角センサ42の被検出ロータ43を保持する保持リング44が支持される軸受45などに作用する摩擦力に起因するものであって、内周側ロータ6の回転方向に対して第2回転角センサ42の被検出ロータ43の回転を遅れさせるように作用する。
このため、モータ1が主回転方向(例えば図2の矢印Rで示す方向)に回転する正回転時には、第2回転角センサ42の検出結果による回転角は内周側ロータ6の実際の回転角よりも遅角側にずれることから、このずれを相殺するようにして回転角補正値を加算するプラス補正が行なわれる。
一方、モータ1が逆方向(例えば図2の矢印Rで示す方向の逆方向)に回転する逆回転時には、第2回転角センサ42の検出結果による回転角は内周側ロータ6の実際の回転角よりも進角側にずれることから、このずれを相殺するようにして回転角補正値を減算するマイナス補正が行なわれる。
また、回転角補正部63は、角加速度算出部62により算出された外周側ロータ5の角加速度に基づき、例えば予め記憶している第2所定マップなどを参照して、外周側ロータ5の角加速度に起因する負荷トルク(角加速度)ΔTの大きさを検知する。
この第2所定マップは、例えば予めモータ1に対して実施された試験などに基づいて作成され、例えば図8に示すように、角加速度が増大することに伴い、負荷トルク(角加速度)ΔTの大きさが増大傾向(例えば、第2回転角センサ42の被検出ロータ43のイナーシャIを比例係数として角加速度に比例増大など)に変化している。
この負荷トルク(角加速度)ΔTは、例えばモータ1の回転の急激な加速または減速に対する第2回転角センサ42の被検出ロータ43の追従遅れをもたらすものであって、加速時には内周側ロータ6の回転方向に対して第2回転角センサ42の被検出ロータ43の回転を遅れさせるように作用し、減速時には内周側ロータ6の回転方向に対して第2回転角センサ42の被検出ロータ43の回転を早めるように作用する。
このため、例えば図9に示すように、モータ1が主回転方向(例えば図2の矢印Rで示す方向)に回転する正回転かつ加速時、あるいはモータ1が逆方向(例えば図2の矢印Rで示す方向の逆方向)に回転する逆回転かつ減速時には、第2回転角センサ42の検出結果による回転角は内周側ロータ6の実際の回転角よりも遅角側にずれることから、このずれを相殺するようにして回転角補正値を加算するプラス補正が行なわれる。
一方、モータ1が正回転かつ減速時、あるいはモータ1が逆回転かつ加速時には、第2回転角センサ42の検出結果による回転角は内周側ロータ6の実際の回転角よりも進角側にずれることから、このずれを相殺するようにして回転角補正値を減算するマイナス補正が行なわれる。
回転角補正部63は、モータ1の回転方向と加減速の状態とに応じて、各負荷トルク(温度)TFおよび負荷トルク(角加速度)ΔT毎にプラス補正またはマイナス補正の何れを行なうかを選択して、負荷トルク(温度)TFと負荷トルク(角加速度)ΔTとを合成(例えば、加算または減算)して負荷トルク(合成)を算出する。
そして、負荷トルク(合成)に基づき、例えば予め記憶している第3所定マップなどを参照して、第2回転角センサ42の検出結果による回転角を補正するための回転角補正値を検知する。
この第3所定マップは、例えば予めモータ1に対して実施された試験などに基づいて作成され、例えば図10に示すように、負荷トルク(合成)の大きさが所定の極大値TMAXまで増大することに伴い、回転角補正値θcが所定値θcMまで増大傾向に変化している。
なお、内周側ロータ6の内周側ロータ側結合用磁石40と、被検出ロータ43の第2回転角センサ側結合用磁石41との磁気結合の強さを設定する初期の段階などにおいて、磁気結合の強さが負荷トルク(合成)の所定の極大値TMAよりも大きくなるようにして回転角補正値θcの所定値θcMが設定されている。これにより、被検出ロータ43が脱調しないように、つまり負荷トルク(合成)に起因して被検出ロータ43が内周側ロータ6に対して同期回転不能になることがないように設定されている。
そして、回転角補正部63は、負荷トルク(合成)に基づいて検知した回転角補正値を用いて、第2回転角センサ42の被検出ロータ43の回転角の検出結果を補正し、この補正結果を内周側ロータ6の実際の回転角に対応する検出値として出力する。
減算部64は、第1回転角センサ48から出力される外周側ロータ5の回転角から、回転角補正部63から出力される内周側ロータ6の回転角を減算して角度差を算出し、この算出結果の信号を出力する。
この角度差は、外周側ロータ5と内周側ロータ6との位相差の検出値であって、モータ1の界磁特性であるロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布に関連するものである。したがって、この角度差の算出により、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布の変化が検出される。
位相制御部65は、減算部64から出力された角度差に基づきロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布の変化を検出する。そして、角度差つまり外周側ロータ5と内周側ロータ6との位相差の検出値を、モータ1の界磁特性(つまり、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布)を指定する位相指令値に一致させるようにして、液圧制御装置13による作動液の給排を制御する。
つまり、液圧制御装置13による作動液の給排により、進角側作動室24および遅角側作動室25の一方に作動液を供給するとともに他方から作動液を排出する。
これにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15が相対的に回動し、これに伴って外周側ロータ5と内周側ロータ6の相対位相およびロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布が操作される。
モータ制御部71は、例えば、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を行うものであり、3相のモータ1に対するトルク指令値に基づきd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcを演算し、d軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcに基づいて各相出力電圧Vu,Vv,Vwを算出する。
そして、各相出力電圧Vu,Vv,Vwおよびバッテリ73の端子間電圧VBに応じてPDU72にゲート信号であるPWM(パルス幅変調)信号を入力すると共に、実際にPDU72からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの何れか2つの相電流をdq座標上の電流に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御を行う。
このため、モータ制御部71には、各相電流Iu,Iv,Iwの何れか2つの相電流を検出する2つの相電流センサ74,74から出力される検出結果の信号と、バッテリ73の端子間電圧VBを検出するバッテリ電圧センサ75から出力される検出結果の信号とが入力されている。
この実施形態によるモータ1は上記構成を備えており、次に、このモータ1の動作、特に、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布に関連する外周側ロータ5と内周側ロータ6との位相差を検出するために必要とされる第2回転角センサ42の検出結果による回転角を補正するための回転角補正値を検知する処理について説明する。
先ず、例えば図11に示すステップS01においては、第1回転角センサ48により外周側ロータ5の回転角を検出する。
次に、ステップS02においては、第2回転角センサ42により内周側ロータ6の回転角、つまり内周側ロータ6に非接触で同期回転可能な第2回転角センサ42の被検出ロータ43の回転角を検出する。
次に、ステップS03においては、温度センサ61により回動機構11の作動液の温度を検出する。
次に、ステップS04においては、作動液の温度に応じて変化する負荷トルク(温度)TFの大きさを検知する。
次に、ステップS05においては、外周側ロータ5の回転角の検出結果に基づき、単位時間当たりの回転角の変化から外周側ロータ5の角速度(回転数)を検知する。
次に、ステップS06においては、外周側ロータ5の回転角の検出結果に基づき、モータ1の回転方向を検知する。
次に、ステップS07においては、単位時間当たりの外周側ロータ5の角速度(回転数)の変化から外周側ロータ5の角加速度を検知する。
次に、ステップS08においては、外周側ロータ5の角加速度に応じて変化する負荷トルク(角加速度)ΔTの大きさを検知する。
次に、ステップS09においては、モータ1は正回転であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、このステップS10においては、第2回転角センサ42の検出結果による回転角に対して、負荷トルク(温度)TFによるプラス補正を行なうことを指定して、後述するステップS12に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS11に進み、このステップS11においては、第2回転角センサ42の検出結果による回転角に対して、負荷トルク(温度)TFによるマイナス補正を行なうことを指定して、後述するステップS13に進む。
そして、ステップS12においては、モータ1は加速時であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS15に進む。
また、ステップS13においては、モータ1は加速時であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS15に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS14に進む。
そして、ステップS14においては、第2回転角センサ42の検出結果による回転角に対して、負荷トルク(角加速度)ΔTによるマイナス補正を行なうことを指定して、ステップS16に進む。
そして、ステップS15においては、第2回転角センサ42の検出結果による回転角に対して、負荷トルク(角加速度)ΔTによるプラス補正を行なうことを指定して、ステップS16に進む。
そして、ステップS16においては、各負荷トルク(温度)TFおよび負荷トルク(角加速度)ΔT毎に指定したプラス補正またはマイナス補正の何れを行なうかの指定結果に応じて、負荷トルク(温度)TFと負荷トルク(角加速度)ΔTとを合成(例えば、加算または減算)して負荷トルク(合成)を算出する。そして、負荷トルク(合成)に基づき、例えば予め記憶している第3所定マップなどを参照して、第2回転角センサ42の検出結果による回転角を補正するための回転角補正値を検知して、エンドに進む。
上述したように、本発明の実施形態によるモータ1によれば、第2回転角センサ42の被検出ロータ43は内周側ロータ6に非接触で磁気結合しており、外周側ロータ5をドライブプレート16A,16Bによって回転軸4に固定した状態であっても、この外周側ロータ5の内周側に配置される内周側ロータ6と第2回転角センサ42の被検出ロータ43とを機械的に接続する必要が無い。
これにより、機械的な接続のための複雑な機構が不必要であり、ドライブプレート16A,16Bに開口や切り欠きなどを設ける必要が生じず、例えばドライブプレート16A,16Bの剛性が低下したり、例えばロータユニット3の回転にアンバランスが生じる、という各種の不具合の発生を防止することができる。
そして、外周側ロータ5の回転角と内周側ロータ6の回転角との角度差は、モータ1の界磁特性であるロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布に関連するものであり、第1回転角センサ48により検出される外周側ロータ5が固定された回転軸4の回転角と、第2回転角センサ42により検出される内周側ロータ6に非接触で同期回転可能な第2回転角センサ42の被検出ロータ43の回転角とによって、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布の変化を、精度良くかつ信頼性高く、検出することができる。
しかも、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布の変化を検出するために、例えば複雑な機構が必要になったり、例えば複雑な機構に起因する新たな不具合が発生したり、例えばモータ1の構成に要する費用やモータ1の重量が増大する、という各種の問題が生じることを防止することができる。
さらに、内周側ロータ6に非接触で同期回転可能な第2回転角センサ42の被検出ロータ43の回転角の検出結果を、内周側ロータ6と第2回転角センサ42の被検出ロータ43との間に作用する磁気結合に対する負荷トルクに応じて補正することから、ロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布の変化を、より一層、精度良く検出することができる。
本発明の第4態様に係るモータによれば、予めロータに配置されている永久磁石または突極部を用いて、第2回転角検出手段の検出用ロータをロータに磁気結合させることから、検出用ロータをロータに磁気結合させるための特別な部材をロータに追加する必要無しに、モータの構成に要する費用やモータの重量が増大することを防止することができる。
なお、上述した実施の形態において、内周側ロータ側結合用磁石40と第2回転角センサ側結合用磁石41とは、互いの磁化方向を回転軸4の軸方向で反対方向として対向可能に配置されるとしたが、これに限定されず、他の方向、例えば径方向などで対向するように配置されてもよい。
また、上述した実施の形態においては、例えば図12に示す第1変形例のように、内周側ロータ側結合用磁石40は省略されてもよい。
この第1変形例のモータ1では、第2回転角センサ側結合用磁石41は内周側永久磁石9Bの軸方向端部に対向可能に配置され、対向する第2回転角センサ側結合用磁石41と内周側永久磁石9Bとの間に磁力による吸引力が作用するように設定される。
また、上述した実施の形態においては、内周側ロータ側結合用磁石40を省略し、内周側ロータ側結合用磁石40の代わりに、内周側ロータ6のロータ鉄心8の外周面上から径方向外方に突出する複数の突極部を設け、これらの各突極部に軸方向で対向可能に第2回転角センサ側結合用磁石41を配置し、対向する第2回転角センサ側結合用磁石41と突極部との間に磁力による吸引力が作用するように設定してもよい。
なお、上述した実施の形態においては、各回転角センサ42,48をレゾルバとしたが、これに限定されず、例えば光学式や磁気式のエンコーダなどを用いてもよい。
例えば図13に示す第2変形例では、第2回転角センサ42としてレゾルバの代わりにピックアップセンサを用いており、回転軸4の軸方向で一方のドライブプレート16Aに隣接する位置には、保持リング44が軸受45を介して支持されている。
そして、この保持リング44のドライブプレート16A側の軸端には、径方向外側に延出するフランジ46が設けられ、このフランジ46の径方向外周側端部のドライブプレート16A側の表面には、回転軸4の軸方向で複数の内周側ロータ側結合用磁石40に対向するようにして、例えば周方向に所定間隔をおいて複数の第2回転角センサ側結合用磁石41が固定されている。
さらに、フランジ46のドライブプレート16A側の反対側の表面には、周方向に交互に凹凸が形成された凹凸部81が設けられ、この凹凸部81に対向するようにしてピックアップセンサ82が配置されている。
ピックアップセンサ82は、フランジ46に設けられた凹凸部81を検出することによって、内周側ロータ6に非接触で同期回転可能な保持リング44およびフランジ46の回転角を検出する。
また、上述した実施の形態において、モータ1のロータユニット3は、外周側ロータ5と内周側ロータ6との相対的な位相を変化させることでロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布を変更可能であるとしたが、これに限定されず、例えば、ロータユニット3を、回転軸4の軸方向で対向するように非接触で隣接する第1ロータおよび第2ロータにより構成してもよい。
このモータ1では、例えば、周方向に配置された複数の永久磁石を有する円筒状の第1ロータが回転軸4に対して回動不能に固定され、周方向に配置された複数の永久磁石を有する円筒状の第2ロータが回転軸4に対して回動可能に配置され、第1ロータと第2ロータとの相対的な位相を変化させることでロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布を変更可能である。
この場合、例えば、回転軸4に固定された第1ロータの回転角は第1回転角センサ48により検出され、第2ロータの回転角は第2回転角センサ42により検出される。
また、上述した実施の形態において、モータ1のロータユニット3は、外周側ロータ5と内周側ロータ6との相対的な位相を変化させることでロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布を変更可能であるとしたが、これに限定されず、例えば、ロータユニット3を、1つのロータと、このロータに配置された複数の永久磁石の相対位置を変更可能な適宜の位置変更機構とを備えて構成してもよい。
このモータ1では、例えば、1つのロータに配置された複数の永久磁石の相対位置が位置変更機構により変更されることでロータユニット3の全体としての周方向の磁力分布を変更可能である。
そして、このロータには、例えば、このロータが固定された回転軸の回転角を検出する第1回転角センサ48と、このロータに非接触で磁気結合により同期回転可能な第2回転角センサ42とが備えられる。
つまり、第2回転角センサ42はロータに非接触で磁気結合しており、この結合状態はロータの周方向の磁力分布の変化に伴って変化し、第2回転角センサ42の被検出ロータ43の同期回転もロータの周方向の磁力分布の変化に伴って変化する。一方、ロータが固定された回転軸は、ロータの周方向の磁力分布の変化にかかわらずに、ロータと同一の回転を行なう。
つまり、第2回転角センサ42により検出された検出用ロータの回転角は、ロータの周方向の磁力分布に、いわば直接的に関連しており、第1回転角センサ48により検出された回転軸の回転角と、第2回転角センサ42により検出された被検出ロータ43の回転角との角度差は、ロータの周方向の磁力分布の変化に応じて変化する。
これにより、回転軸の回転角と被検出ロータ43の回転角との角度差に基づき、ロータの周方向の磁力分布の変化を、精度良くかつ信頼性高く、検出することができる。
しかも、ロータあるいはロータが固定された回転軸には第2回転角センサ42の被検出ロータ43を機械的に接続する必要が無く、ロータの周方向の磁力分布の変化を検出するために、例えば複雑な機構が必要になったり、例えば複雑な機構に起因する新たな不具合が発生したり、例えばモータ1の構成に要する費用やモータの重量が増大する、という各種の問題が生じることを防止することができる。
1 モータ
3 ロータユニット(ロータ)
4 回転軸
5 外周側ロータ
6 内周側ロータ
12 位相変更手段
16A,16B ドライブプレート(端面板)
42 第2回転角センサ(第2回転角検出手段)
43 被検出ロータ(検出用ロータ)
48 第1回転角センサ(第1回転角検出手段)
65 位相制御部(磁力分布変化検出手段)

Claims (4)

  1. ロータの周方向の磁力分布を変化させることで特性を変更可能なモータであって、
    前記ロータが固定された回転軸の回転角を検出する第1回転角検出手段と、
    磁気結合によって前記ロータに非接触で同期回転可能な検出用ロータの回転角を検出する第2回転角検出手段と、
    前記第1回転角検出手段により検出された前記回転軸の回転角と、前記第2回転角検出手段により検出された前記検出用ロータの回転角との角度差に基づき、前記モータにおける前記磁力分布の変化を検出する磁力分布変化検出手段とを備えることを特徴とするモータ。
  2. 前記ロータは、
    周方向の磁力分布を有する内周側ロータと、該内周側ロータの外周側に前記内周側ロータと同軸に配置され、周方向の磁力分布を有する外周側ロータと、
    前記内周側ロータと前記外周側ロータとを相対的に回動させて前記内周側ロータと前記外周側ロータとの相対的な位相を変更する位相変更手段とを備え、
    前記内周側ロータは、前記回転軸に対して回動可能に配置され、
    前記外周側ロータは、前記回転軸の軸方向の端部に設けられた端面板によって前記回転軸に対して回動不能に固定され、
    前記検出用ロータは、前記磁気結合によって前記内周側ロータに非接触で同期回転可能であり、
    前記第2回転角検出手段は、前記検出用ロータの回転角から前記内周側ロータの回転角を検出することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記磁力分布変化検出手段は、前記磁気結合の負荷トルクに応じて前記角度差を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ。
  4. 前記検出用ロータは、前記ロータに配置された永久磁石または前記ロータに設けられた磁性材からなる突極部に対して磁気的に結合することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載のモータ。
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