JP2012114187A - 有機光電変換素子、およびそれを用いた有機太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、従来よりも安価な金属グリッド電極を用いフィルファクター低下を抑制すると共に、逆層構成であっても開放電圧(Voc)に優れた有機光電変換素子、及びそれを用いた有機太陽電池を提供することにある。
【解決手段】透明電極からなる第1の電極と、第2の電極との間に、p型半導体材料とn型半導体材料を少なくとも有する光電変換層と、電荷輸送層とを含む有機光電変換素子において、前記透明電極が導電性高分子を含み、且つ、透明電極表面の仕事関数が、光電変換層に含まれるp型半導体材料の最高占有軌道(HOMO)レベルよりも、少なくとも0.5eV以上浅いことを特徴とする有機光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機光電変換素子に関し、更に詳しくは、有機太陽電池に用いることのできる有機光電変換素子に関し、更に詳しくは、発電性能と素子耐久性とを両立させた逆層型の光電変換素子、およびそれを用いた有機太陽電池に関する。
有機太陽電池(有機光電変換素子)は、透明電極上にp型半導体とn型半導体を含む発電層と、発生した電荷を電極まで輸送する電荷輸送層とを有し、光吸収によって形成した励起子を失活する前に電荷分離し、発生した電荷を効率よく電極まで取り出せる構成であり、近年その効率向上は著しいものがある。
また、有機太陽電池は有機物を含む溶液を塗布法や印刷法といった簡便な方法で成膜し生産出来ることから、ロールツーロールの大量生産に最適とされ、従来の太陽電池に対して大幅なコストダウンが期待される次世代の太陽電池といわれている。
一般的に有機太陽電池の透明電極はITO(スズドープ酸化インジウム)、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)等の金属酸化物が用いられるが、これらの多くは導電性が不充分なため、集電電極から離れるほど抵抗による電圧損失が発生し、対応電池の性能を決めるフィルファクターが低下し、大面積化において課題となっている。
この様な課題に対し、金属酸化物に替わる電極として、金属グリッド電極と導電性高分子を透明電極に用いた試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。この構成では、導電性高分子の抵抗が高いものの、金属グリッド電極が補助電極として効率よく集電をするため、基板サイズが大きくなってもフィルファクターの低下が起きにくい。また、金属グリッド自体も印刷法などで生産でき、従来の金属酸化物電極に対して高いコストメリットがある電極といえる。
一方で、通常の有機太陽電池とは逆に、透明電極側から電子を取りだし、仕事関数の深い安定な金属電極側から正孔を取りだす、所謂逆層構成の有機太陽電池が提案されている(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照)。この構成は酸化されやすい浅い仕事関数の金属を電極に使用しないので、電極劣化を抑え素子寿命を大幅に向上できる特徴がある。
しかしながら、上述の導電性高分子を透明導電層として用いた場合、導電性高分子の仕事関数が深いため、透明導電層と正孔阻止層(電子輸送層)との仕事関数差から効率よく電子を取りだせないだけでなく、透明電極と金属電極間のビルトインポテンシャルの低下が起き、充分な開放電圧(Voc)を得ることができず、金属グリッド電極と逆層型の技術を併用した高い変換効率と素子寿命を両立した有機太陽電池を得ることができなかった。
特開2009−76668号公報 特開2009−146981号公報
APPLIED PHYSICS LETTERS,92,17 3303,2008
本発明の目的は、従来よりも安価な金属グリッド電極を用いフィルファクター低下を抑制すると共に、逆層構成であっても開放電圧(Voc)に優れた有機光電変換素子、及びそれを用いた有機太陽電池を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成することができる。
1.透明電極からなる第1の電極と、第2の電極との間に、p型半導体材料とn型半導体材料を少なくとも有する光電変換層と、電荷輸送層とを含む有機光電変換素子において、前記透明電極が導電性高分子を含み、且つ、透明電極表面の仕事関数が、光電変換層に含まれるp型半導体材料の最高占有軌道(HOMO)レベルよりも、少なくとも0.5eV以上浅いことを特徴とする有機光電変換素子。
2.前記透明電極の少なくとも最表面が、導電性高分子を含み、且つ、アミン類またはイミン類から選ばれる添加剤を含有することを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
3.前記透明電極の少なくとも最表面が、導電性高分子を含み、且つ、アルカリ金属塩を含有することを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
4.前記導電性高分子が、ドープされたポリチオフェン類からなることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
5.前記透明電極が、高導電性の導電性高分子組成からなる層と、前記仕事関数を制御した層とを有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
6.前記透明電極が、開口部を有する金属グリッド電極を補助電極として有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
7.前記透明電極が、前記導電性高分子に加え、更に水溶性ポリマーをマトリックス材料として含むことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載の有機光電変換素子を用いたことを特徴とする有機太陽電池。
本発明により、大面積であっても優れたフィルファクターと開放電圧を達成し、更には高温・高湿時の素子耐久性に優れた有機光電変換素子、およびそれを用いた有機太陽電池を提供することができた。
本発明の光電変換素子好ましい一例を断面図で示した図である。 透明電極表面の仕事関数及びp型半導体材料のHOMOレベルの関係を示す図である。
本発明者らは、透明電極からなる第1の電極と、第2の電極との間に、p型半導体材料とn型半導体材料を少なくとも有する光電変換層と、電荷輸送層とを含む有機光電変換素子において、前記透明電極が導電性高分子を含み、且つ、透明電極表面の仕事関数が光電変換層に含まれるp型半導体材料の最高被占軌道(HOMO)レベルよりも、少なくとも0.5eV以上浅いことを特徴とする有機光電変換素子を提供することで、上述した課題に対して優れた解決策となることを見出した。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(有機光電変換素子および太陽電池の構成)
先ず、本発明の光電変換素子について図を用い説明する。
図1に本発明の光電変換素子の断面構成の好ましい一例100を断面図で示した。
図において光電変換素子100において、基材101上に金属グリッド電極102が例えば網目状に設けられ、更に導電性高分子を含む透明電極層103が形成され、金属グリッド電極102、透明電極層103を併せて第1の電極が構成されている。第1の電極上には、正孔素子層(電子輸送層)104、光電変換層105(p型半導体材料とn型半導体材料とのバルクヘテロジャンクション構造であることが好ましい)、正孔輸送層106が順次形成され、第2の電極107が形成され光電変換素子を形成している。
更に、本発明の光電変換素子の断面構成の好ましい一例200を示す。ここにおいては、基板201上に金属グリッド電極202、透明電極層(高導電層)203a、仕事関数制御層203bが順次形成された第1の電極、その上に、正孔阻止層(電子輸送層)204、光電変換層205、正孔輸送層206が順次形成され、第2の電極207が形成され光電変換素子を形成している。
本発明の光電変換素子は、(1)透明電極からなる第1の電極と、第2の電極との間に、p型半導体材料とn型半導体材料を少なくとも有する光電変換層と、電荷輸送層とを含む有機光電変換素子であって、前記透明電極が導電性高分子を含み、且つ、透明電極表面の仕事関数が、光電変換層に含まれるp型半導体材料の最高被占軌道(HOMO)レベルよりも、少なくとも0.5eV以上浅いことを特徴とする(図2にこの関係を示す)。
透明電極表面の仕事関数が、逆層構成の場合、光電変換層に含まれるp型半導体材料の最高被占軌道レベルよりも、少なくとも0.5eV以上浅い仕事関数とすることで、内部に発生する電位差を大きくすることができ、結果としてより高い開放電圧Vocを得る。
透明電極表面の仕事関数と、光電変換層に含まれるp型半導体材料の最高被占軌道(HOMO)レベルの差は、好ましくは0.5〜1.5eVであり、より好ましくは0.6〜1.2eVである。
p型半導体材料の最高占有軌道(HOMO)レベルと透明電極表面の仕事関数(またはイオン化ポテンシャルとも呼ぶ)は、例えば紫外光電子分光法(UPS)等を用いることで求めることができる。即ち、これらの化合物の単体膜を、ガラス基板上にスピンコートした薄膜のUPSを測定することで膜のHOMOレベルを、また仕事関数を測定することができる。
例えばアルバック−ファイ(株)製ESCA 5600 UPS(ultraviolet photoemission spectroscopy)にて測定される値を用いることができる。
本発明において、第1の電極(透明電極)である導電性高分子(層)表面の仕事関数を制御する方法は特に限定されないが、その手段として、導電性高分子(層)に、窒素含有材料を含有させる構成、アルカリ金属塩を含有させる構成などを例示することができる。好ましい窒素含有材料の例としてはアミン類、イミン類が挙げられ、これらの材料を添加もしくはオーバーコートして2層構造とする構成、アルカリ金属塩を添加もしくはオーバーコート、他のマトリックス中にアルカリ金属塩を分散させて積層する構成などを挙げることができる。また、仕事関数の浅い金属をコートする方法なども本発明の好ましい形態である。仕事関数の制御において特に浅い方向へ制御すると、一般的には、大気中の酸素や水分と反応しやすくなり、有機薄膜デバイスの性能劣化要因となり得るため、より安定性の高い材料を選択することが好ましい。
特に電極としての導電性高分子を含む層に加え、仕事関数を制御する構成からなる層を別途、仕事関数制御層として積層する構成が本発明においてより好ましい形態である。
従って、本発明の有機光電変換素子は、(2)前記透明電極の少なくとも最表面が、導電性高分子を含み、且つ、アミン類またはイミン類から選ばれる添加剤を含有することが好ましい。
本発明で好ましく用いることができるアミン類は、一級アミン、二級アミン、三級アミンから選ばれるが、より好ましくはアルカリ性を示すアミン化合物がより好ましい。
アルカリ性を示すアミン化合物として、例えばアミノアルコール類を挙げることができる。
本発明において用いられるアミン類の具体的化合物例としては、例えば、アミノアセトニトリル、シクロペンチルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノアセトニトリル、2−ジエチルアミノエタンチオール、3−ジエチルアミノプロピオン酸、3−アミノプロピオニトリル、3−アミノ−2,2−ジメチルブタン、2−アミノエタンスルホン酸、2−アミノエタンチオール、アミノメチルシクロヘキサン、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、イミノジアセトニトリル、n−プロピルアミン、iso−プロピルアミン、n−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ジメチルアミノアセトニトリル、2−ジメチルアミノエタンチオール、3−ジメチルアミノプロピオンニトリル、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−アセチルエチレンジアミン、2,2−チオビス(エチルアミン)、エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N′−メチル−2,2′−ジアミノジエチルアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、グリシン、2−アミノ−n−酪酸、4−アミノ−n−酪酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸、1−アミノシクロペンタンカルボン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、2−アミノピメリック酸、N−(3−アミノプロピル)グリシン、N−(2−アミノエチル)グリシン、2−アミノイソ酪酸、3−アミノイソ酪酸、バリン、イソレウシン、レウシン、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、セリン、イソセリン、ホモセリン、1−アミノ−2−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノシクロヘキサノール、4−アミノシクロヘキサノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エタノール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、N−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン、3−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、エタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−(3−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−3−ヒドロキシ−n−酪酸、トリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、レウシノール、イソレウシノール、グルカミン、トレオニン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−エチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ−1−ブタノール、3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノールまたは3−ジメチルアミノ−1−プロパノール等が挙げられる。中でも、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールが最も好ましい。
以上、本発明において用いられるアミン類について具体的化合物例を挙げたが、本発明において用いられるアミン類についてはこれらに限定されるものではない。
また、本発明で好ましく用いることができるイミン類は、低分子、オリゴマーまたはポリマーを好ましく用いることができる。
本発明において好ましく用いられるオリゴマーおよびポリマーのイミン類は、直鎖構造、分岐構造のいずれであってもよい。より好ましくはポリマーである。重合度としては特に限定されるものではないが、通常1〜10,000の範囲であり、3〜3,000の範囲であることが好ましく、5〜1,000の範囲であることがより好ましい。重合度が5以上であれば安定性が向上し、10,000以下であれば十分な溶解性が得られるため好ましい。
前記ポリアルキレンイミン鎖(a)は一般的に市販、又は合成可能なものであれば、特に限定されることなく使用することができるが、工業的な入手の容易さ等から、ポリエチレンイミン鎖、ポリプロピレンイミン鎖であることが好ましい。
ポリマー種については一概に好ましい官能基を類型化できないが、例えば、窒素を含有した好ましいポリマー種としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系高分子、ポリエチレンイミンなどのイミン系高分子、イミダゾール系高分子、ポリアセトアミドなどが挙げられる。これらの中では、ポリエチレンイミン、ポリアセトアミド系が特に好ましい。エチレンイミン、ビニルアセトアミドを含有する共重合性ポリマーも好ましく用いられる。
本発明の有機光電変換素子は、(3)透明電極の少なくとも最表面が、導電性高分子を含み、且つ、アルカリ金属塩を含有することが好ましい。
アルカリ金属塩の種類としては特に制限はないが、有機アルカリ金属塩が好ましく、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩が挙げられ、好ましくはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、より好ましくはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩等の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩が好ましく、脂肪族カルボン酸の炭素数が4以下であることが好ましい。最も好ましくは酢酸塩である。
有機アルカリ金属塩のアルカリ金属の種類としては特に制限はないが、Na、K、Csが挙げられ、好ましくはK、Cs、さらに好ましくはCsである。
有機アルカリ金属塩としては、前記有機物とアルカリ金属の組み合わせが挙げられ、好ましくは、ギ酸Li、ギ酸K、ギ酸Na、ギ酸Cs、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、プロピオン酸Li、プロピオン酸Na、プロピオン酸K、プロピオン酸Cs、シュウ酸Li、シュウ酸Na、シュウ酸K、シュウ酸Cs、マロン酸Li、マロン酸Na、マロン酸K、マロン酸Cs、コハク酸Li、コハク酸Na、コハク酸K、コハク酸Cs、安息香酸Li、安息香酸Na、安息香酸K、安息香酸Cs、より好ましくは酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、最も好ましくは酢酸Csである。
有機アルカリ金属塩の濃度により、有機薄膜型太陽電池の寿命等への影響が出てくるため、有機アルカリ金属塩の含有量は添加する層に対し好ましくは1.5〜35質量%であり、より好ましくは3〜25質量%であり、最も好ましくは5〜15質量%である。
また、本発明における導電性高分子に含まれるアルカリ金属塩は、光電変換層が積層される側においてアルカリ金属塩の濃度が高いことが好ましく、光電変換層に最も近い領域に局在している構成がより好ましい。
本発明において、(4)透明電極に用いられる前記導電性高分子は、ドープされたポリチオフェン類からなることが好ましい。
本発明に好ましく用いられる導電性高分子は一般にπ共役系高分子と呼ばれる。分子内でπ電子が非局在化した分子構造であることが特徴である。また、π共役系高分子はポリアニオンによるドープ効果により、分子内にポーラロンが多数形成され、有機薄膜としてはキャリア密度を大きく向上できるため、導電性を大幅に向上させることができる。
〈π共役系高分子〉
本発明で好ましく用いられるπ共役系高分子としては特に限定されないが、所謂導電性高分子であることが好ましい。更には、π共役系高分子とポリアニオンとを有してなることがより好ましい。こうした高分子は、後述するπ共役系高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
本発明に用いることができるπ共役系高分子としては、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類、の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。さらにはポリエチレンジオキシチオフェン類であることが好ましい。
本発明に用いることができるπ共役系高分子を形成する前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にも、その主鎖にπ共役系が形成されるものを好ましく用いることができる。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
〈ポリアニオン〉
本発明で好ましく用いられるポリアニオンは特に限定されないが、アニオン性基として、スルホ基を有することがより好ましい。
具体的なポリアニオンの例としては、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものが好ましい。
このポリアニオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。また、ポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にフッ素基を有するポリアニオンであってもよい。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Du−pont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)等を挙げることができる。
これらのうち、スルホン酸を有する化合物であると、導電性高分子含有層を塗布、乾燥することによって形成した後に、100℃以上200℃以下の温度で5分以上の加熱処理を施した場合、この塗布膜の溶媒耐性が著しく向上することから、より好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、得られる導電性高分子の導電性をより高くできる。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合またはラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有しない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリアニオン塩である場合には、ポリアニオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
こうした導電性高分子(ポリマー)は市販の材料も好ましく利用できる。例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、H.C.Starck社からCLEVIOSシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSS483095、560598として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明において、こうした剤も好ましく用いることができる。
導電性高分子(ポリマー)は、第2のドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。本発明で用いることができる水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。
前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、ヒドロキシ基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物等が挙げられる。前記ヒドロキシ基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、等が挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
本発明においては、(5)前記透明電極が、高導電性の導電性高分子組成からなる層と、前記仕事関数を制御した層とを有する構成であることが好ましい。
導電性高分子においては、前記第2のドーパントを含むことで、導電性を大きく向上させることができる。後述する金属グリッド電極等、補助電極を有する透明電極の場合、開口部に形成される導電性高分子からなる層は、補助電極の集電を助けるため窓部の抵抗が低いほどより好ましい。また、上述の仕事関数を制御する層を形成する場合、第2のドーパントを含む高導電性の導電性高分子組成からなる層と仕事関数を制御した層が積層された構造が、電極としての導電性と仕事関数の制御を両立できることから、本発明において最も好ましい態様である。
また、(6)前記透明電極は、開口部を有する金属グリッド電極を補助電極として有することが好ましい。
〈電極〉
本発明に関わる有機光電変換素子においては、少なくとも透明電極と対電極とを有する。また、タンデム構成をとる場合には中間電極を用いることでタンデム構成を達成することができる。以下に好ましい透明電極、及び対電極の構成について述べる。
なお透明電極及び対電極は、透光性があるかどうかといった機能から表現した電極の名称であるが、キャリアの流れる種類で電極を呼び分ける場合、本発明においては主に正孔が流れる電極を陽極と呼び、主に電子が流れる電極を陰極と呼ぶ。
第1の電極が陽極である場合は、正孔と電子からなるキャリアの内、正孔を主に取り出す構成のため、上述した様に、第1の電極と光電変換層の間に正孔輸送層を有することが好ましい。同様に、第2の電極が陰極である場合は電子を主に取り出す構成のため、第2の電極と光電変換層との間に電子輸送層を有することが好ましい。
〈透明電極〉
有機光電変換素子における透明電極としては、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。電荷輸送層との接合構成に応じて最適な仕事関数の材料組成を選択できる。仕事関数が浅い組成としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等の極薄膜が挙げられる。また、仕事関数の深い組成としては、金、銀、白金等の極薄膜、またはそれらのナノ粒子・ナノワイヤー層、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性金属酸化物材料、および導電性ポリマー等が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
更には、このような金属薄膜、ナノ粒子・ナノワイヤー、金属酸化物材料を併用して高透過率と高導電性を両立した透明電極とすることも本発明の好ましい態様である。
更に本発明においては、大面積化した場合にもフィルファクターを大幅に減少させないために、透明電極である第1の電極として、導電性高分子等の導電膜に、開口部を有する補助電極(グリッド電極、バスライン電極ともいう)を併用することが好ましい。
補助電極は導電性がよい点で金属であることが好ましく、金属材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタン等が挙げられる。また導電部の金属は合金でもよく、金属層は単層でも多層でも良い。
補助電極の形状は特に制限はないが、例えば、導電部がストライプ状、あるいはメッシュ状、ハニカム状、あるいは、ランダムな網目状である。導電部がストライプ状、あるいはメッシュ状、ハニカム状、の補助電極を形成する方法としては、特に制限はなく、従来公知な方法が利用できる。例えば、基板全面に金属層を形成し、公知のフォトリソ法によって形成できる。具体的には、基板上に全面に、蒸着、スパッタ、めっき等の1あるいは2以上の物理的あるいは化学的形成手法を用いて導電体層を形成する、あるいは、金属箔を接着剤で基材に積層した後、公知のフォトリソ法を用いて、エッチングすることにより、所望のストライプ状、あるいはメッシュ状、ハニカム状に加工できる。
別な方法としては、金属微粒子を含有するインクをスクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、あるいは、インクジェット方式などの各種印刷法により所望の形状に印刷する方法や、メッキ可能な触媒インクを同様な各種印刷法で所望の形状に塗布した後、めっき処理する方法、更に別な方法としては、銀塩写真技術を応用した方法も利用できる。こうした方法の中でも、金属微粒子を含有するインクを各種印刷法により所望の形状に印刷する方法は簡便な工程で製造できることから製造時にリークの原因となるような異物の巻き込みを低減でき、また、必要個所にしかインクを使用しないので液のロスが少なく、また、化学的な後処理工程を必要としないため、除去しきれない薬品などのコンタミの懸念もないことから、本発明においては最も好ましい実施形態である。
膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは100〜200nmの範囲で透過率/抵抗の観点から選ばれる。
更に前記補助電極を有する場合は、10Ω/□であることが好ましく、より好ましくは0.01〜8Ω/□である。この場合、シート抵抗は補助電極の形状(線幅、高さ、ピッチ、形状)によって決まり、補助電極よりも抵抗の高い材料の場合は窓部(導電性高分子材料層)の抵抗影響は殆ど受けない。
〈対電極〉
一方、対電極も同様に、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。但し、金属類などは薄膜である必要はなく、所望の電気伝導度が得られれば特に膜厚や組成に制限はない。また、接する電荷輸送層に応じて最適な仕事関数の材料を選択することが好ましい。具体的な材料としては、上述の透明電極で挙げた例と同様な材料を用いることができる。
対電極側から電子を取り出す構成の場合、より好ましくは上述の材料の中から、より仕事関数が浅い材料を選択することで、電子を効率よく取り出すことができより好ましい。
また、(7)前記透明電極層においては、導電性高分子に加え、更に水溶性ポリマーをマトリクス材料として含むことが好ましい。
有機光電変換素子は、前述した第1の電極または第2の電極107の両方が透明でよいが、少なくとも第1の電極は透明電極であり、本発明においては、透明電極である第一電極には導電性高分子とポリアニオンに加え、水溶性ポリマーである下記ポリマー(A)を含むことがより好ましい。
本発明においては、前記導電性高分子に加えポリマー(A)を含むことで、膜の導電性を低下させずに透過率を向上させることが可能となり、膜をより厚膜化しても性能を低下させないため、好ましい実施形態である。
Figure 2012114187
本発明で好ましく用いられるポリマー(A)において、Xは水素原子又はメチル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキレン基を表す。l、m、及びnは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表し、50≦l+m+n≦100とすることが好ましい。構成比は70≦m≦100の範囲内であることが更に好ましい。
本発明においては、更に、ポリマー(A)と併用して、水系溶媒(後述)に溶解、あるいは分散できるポリマーで、親水性のポリマーバインダーを用いることが好ましい。例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂を挙げることができる。具体的な化合物としては、例えば、ポリエステル系樹脂としてバイロナールMD1200、MD1400、MD1480(以上、東洋紡社製)を挙げることができる。
本発明に係る親水性のポリマーバインダーとしては、後述する架橋剤と反応する基を有する化合物であれば、より強固な膜を形成することから、より好ましい。こうした親水性のポリマーバインダーとしては、架橋剤と反応する基としては架橋剤によって異なるが、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基等をあげることができる。中でも、側鎖にヒドロキシ基を有することが最も好ましい。
本発明に係る親水性のポリマーバインダーの具体的な化合物としては、ポリビニルアルコールPVA−203、PVA−224、PVA−420(以上、クレハ社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH−06、60SH−50、60SH−4000、90SH−100(以上、信越化学工業社製)、メチルセルロースSM−100(信越化学工業社製)、酢酸セルロースL−20、L−40、L−70(以上、ダイセル化学工業社製)、カルボキシメチルセルロースCMC−1160(ダイセル化学工業社製)、ヒドロキシエチルセルロースSP−200、SP−600(以上、ダイセル化学工業社製)、アクリル酸アルキル共重合体ジュリマーAT−210、AT−510(以上、東亞合成社製)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどをあげることができる。
上記ポリマー(A)を一定量含む場合、π共役系高分子を含有する透明電極の導電性を向上させることが可能で、さらに、π共役系高分子との相溶性も良好で高い透明性と平滑性が達成できる。さらに、ポリアニオンがスルホ基を有する場合は、上記ポリマー(A)であれば、スルホ基が効果的に脱水触媒として働き、架橋剤等の追加の剤を利用しなくても、緻密な架橋層を形成でき、膜強度の向上が期待できることからより好ましい実施形態である。
ポリマー(A)の主たる共重合成分は、前記ポリマー(A)が含有する、3つの単位構造であり、共重合成分の50mol%以上の成分が該3つの単位構造のいずれか、あるいは、該3つの単位構造の合計が50mol%以上ある共重合ポリマーである。ポリマー(A)は該3つの単位構造の合計が80mol%以上であることがより好ましく、さらに、該3つの単位構造のいずれか単独のモノマーから形成されたホモポリマーであってもよく、また、好ましい実施形態である。
ポリマー(A)においては、水系溶媒に可溶である範囲において、他のモノマー成分が共重合されていても構わないが、親水性の高いモノマー成分であることがより好ましい。
また、ポリマー(A)は数平均分子量において、1000以下の含有量が0〜5%以下であることが好ましい。
このポリマー(A)の数平均分子量において、1000以下の含有量が0〜5%以下とする方法としては、再沈殿法、分取GPC、リビング重合による単分散のポリマーを合成等により、低分子量成分を除去する、または低分子量成分の生成を抑制する方法を用いることができる。再沈殿法は、ポリマーが溶解可能な溶媒へ溶解し、ポリマーを溶解した溶媒より溶解性の低い溶媒中へ滴下することにより、ポリマーを析出させ、モノマー、触媒、オリゴマー等の低分子量成分を除去する方法である。また、分取GPCは、例えばリサイクル分取GPCLC−9100(日本分析工業社製)、ポリスチレンゲルカラムで、ポリマーを溶解した溶液をカラムに通すことにより分子量で分けることができ、所望の低分子量をカットすることができる方法である。リビング重合は、開始種の生成が経時で変化せず、また停止反応等の副反応が少なく、分子量の揃ったポリマーが得られる。分子量はモノマーの添加量により調整できるため、例えば分子量を2万のポリマーを合成すれば、低分子量体の生成を抑制することができる。生産適正から、再沈殿法、リビング重合が好ましい。
本発明のポリマー(A)または親水性のポリマーバインダーの数平均分子量、重量平均分子量の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行うことができる。分子量分布は(重量平均分子量/数平均分子量)の比で表すことができる。使用する溶媒は、ポリマー(A)または親水性のポリマーバインダーが溶解すれば特に制限はなく、THF、DMF、CHClが好ましく、より好ましくはTHF、DMFであり、更に好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
本発明に係るポリマー(A)の数平均分子量は3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは4,000〜500,000、更に好ましくは5000〜100000の範囲内である。ポリマー(A)の分子量分布は1.01〜1.30が好ましく、より好ましくは1.01〜1.25である。
数平均分子量1000以下の含有量はGPCにより得られた分布において、数平均分子量1000以下の面積を積算し、分布全体の面積で割ることで割合を換算した。
リビングラジカル重合溶剤は、反応条件下で不活性であり、モノマー、生成するポリマーを溶解できれば特に制限はないが、アルコール系溶媒と水の混合溶媒が好ましい。リビングラジカル重合温度は、使用する開始剤によって異なるが、一般に−10〜250℃、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜100℃で実施される。
本発明に係るポリマー(A)の存在比は、前記透明電極層中に固形分比率が10質量%〜90質量%であることが好ましい。更に好ましくは20質量%〜80質量%である。10質量%以上であれば導電性を著しく低下させることなく透過率向上に効果が得られ、90質量%以下であれば充分な導電性を保つことができ本発明において好ましい存在比である。
[透明電極の形成]
本発明においては、透明電極である第1の電極が、前記ポリマー(A)と、π共役系高分子とポリアニオンとを少なくとも含むことがより好ましい。例えば、ポリマー(A)を含む親水性のポリマーバインダー成分と、π共役系高分子成分と、ポリアニオン成分と、溶媒とを少なくとも含んでなる塗布液を塗布、乾燥することで形成することができる。
本発明に係るπ共役系高分子の存在比は、前記透明電極層中に固形分比率が10質量%以上であることが好ましい。更に好ましくは10質量%〜90質量%、より好ましくは20質量%〜80質量%である。本発明においては前記のポリマー(A)を含むポリマーバインダーとの相溶性にもよるが、20質量%〜50質量%でも、導電性を保ったまま透過率を向上できるため本発明においてより好ましい存在比である。
例えば、π共役系高分子であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリアニオンであるポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマーの場合、π共役系高分子とポリアニオンの組成比が重要となる。特に、本発明の光電変換素子において透明電極層として用いる場合、π共役系高分子に対してポリアニオンの組成量が、3倍以上、50倍以下であることが好ましい。3倍以上であれば、正孔電荷を選択的に輸送し、且つ、電子電荷を効果的に阻止できるため好ましい。また、50倍以下であれば、正孔電荷の移動度が十分に高く、本発明において好ましい。更に好ましい組成比は5倍以上、10倍以下である。
また、透明電極層として用いる場合の導電率としては、1S/cm以下であれば機能するが、より好ましくは1×10−2S/cm以下、1×10−6S/cm以上であり、より好ましくは1×10−3S/cm以下、1×10−5S/cm以上である。この範囲の導電率であれば、本発明の光電変換素子において好ましい形態である。
溶媒としては、水系溶媒を好ましく用いることができる。ここで、水系溶媒とは、50質量%以上が水である溶媒を表す。もちろん、他の溶媒を含有しない純水であってもよい。水系溶媒の水以外の成分は、水に相溶する溶剤であれば特に制限はないが、アルコール系の溶媒を好ましく用いることができ、中でも、沸点が比較的水に近いイソプロピルアルコールを用いることが形成する膜の平滑性等には有利である。
塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。
透明電極層の乾燥膜厚は、30〜2000nmであることが好ましい。本発明に係る透明電極層は、電極形成時のダメージ抑制の観点から100nm以上の膜厚がより好ましく、リーク防止効果をより高める視点からは200nm以上の膜厚であることがさらに好ましい。また、高い透過率と膜としての抵抗低減を維持する視点から1000nm以下の膜厚であることがより好ましい。
塗布した後、溶媒を揮発させるために、適宜乾燥処理を施す。乾燥処理の条件として特に制限はないが、基板や導電性ポリマー含有層が損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。例えば、80〜150℃で10秒から10分の乾燥処理をすることができる。
本発明の透明電極層において、乾燥膜に含まれるポリマー(A)の固形分比率が10質量%〜90質量%であることがより好ましい。15質量%以上であれば、添加量に応じて膜の透過率を向上させることができより好ましく、また70質量%以下であれば膜抵抗が低く保てるため本発明において好ましい。
[架橋構造の形成]
本発明の透明電極層において、ポリアニオンとしてスルホ基を有するポリマーと、上記ポリマー(A)を含む場合、水酸基の脱水反応による製膜後の架橋反応によって、膜強度が大幅に高くなることが分かっており、より好ましい構成である。
本発明では、架橋反応を促進する目的で、製膜乾燥後に追加の加熱処理をする架橋反応工程を有することが好ましい。加熱処理の条件に制約はないが、基板や他の層が損傷しない範囲の温度で処理することが好ましい。例えば、80〜150℃で2分から120分の乾燥処理をすることができる。また、40℃〜100℃程度の比較的低温で10〜200時間程度の長時間の処理を施しても良い。更に、加熱処理の方法としては、一般的な熱風によるドライヤー加熱の他に、IRヒーターやIHヒーター、マイクロウェーブによる加熱、またはこれらを併用することで、より短時間で架橋反応を起こすことができるが、脱水反応を伴うため、熱風による加熱を少なくとも用いることが好ましい。
[ナノインデンテーション弾性率]
本発明の架橋反応による膜強度の向上は、ナノインデンテーション法を用いた弾性率により評価することができる。本発明におけるナノインデンテーション弾性率とは、特殊なSPMのカンチレバーを一定荷重で対象膜に押し付け、カンチレバーのへこみ具合から、弾性率を算出する手法である。
前記の弾性率は4GPa以上、10GPa以下であることが好ましい。
本発明の有機光電変換素子は、第1の電極と第2の電極と、両者に挟まれた発電層(p型半導体とn型半導体が混合された層であり、バルクヘテロジャンクション層、またはBHJ層、i層とも言う)が少なくとも1層以上あり、光を照射すると電流を発生する素子である。
以下、本発明の好ましい態様について詳細に説明する。
〈電荷輸送層:正孔輸送層、電子輸送層〉
電荷輸送層の本来の機能として、発電層(光電変換層)で発生した正孔または電子のみを電極まで輸送し、反対のキャリアの輸送を阻止する阻止層としての役割がある。この場合、正孔輸送層を電子阻止層、電子輸送層を正孔阻止層と言い換えることができる。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、より詳しくは電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の電極上での再結合確率を向上させることができる。
また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発電層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、より詳しくは正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。
上述のように、本発明の電荷輸送層の乾燥膜厚は、30〜2000nmであることが好ましい。特に後から電極形成する側の電荷輸送層(例えば、図1中104)は、電極形成時のダメージ抑制の観点から100nm以上の膜厚がより好ましく、リーク防止効果をより高める視点からは200nm以上の膜厚であることがさらに好ましい。また、高い透過率と膜としての抵抗低減を維持する視点から1000nm以下の膜厚であることがより好ましい。
一方、基板側の電荷輸送層(例えば、図1中104)は5〜500nmであることが好ましく、膜抵抗および透過率の観点から、7〜200nmがより好ましく、更には10〜100nmが最も好ましい。
〈正孔輸送層〉
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC、酸化ニッケル、酸化モリブデン等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂、p型正孔輸送材料を用いることもできる。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
また、n型の伝導性を有する無機酸化物(酸化チタン、酸化亜鉛等)も用いることができる。
具体例としては、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン(TPD)や4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物やその誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4′,4″−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポルフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体等を好ましく用いることができる。
〈p型半導体材料〉
本発明の発電層(バルクヘテロジャンクション層)に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17, Fukuoka, Japan, 2007, P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008000664に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv Mater,2007p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
また、発電層上に電子輸送層を塗布で製膜する場合、電子輸送層溶液が発電層を溶かしてしまうという課題があるため、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料を用いても良い。
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17, Fukuoka, Japan, 2007, P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号、および特開2008−16834号等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料などを挙げることができる。
〈n型半導体材料〉
本発明のバルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
しかし、本発明のチオフェン含有縮合環を有する材料をp型半導体材料として用いる場合、効率的な電荷分離を行えるフラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でも[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−n−ブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−n−ヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7329709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
[中間電極]
また、タンデム構成の場合に必要となる中間電極の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、前記透明電極で用いたような材料(ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層またはナノ粒子・ナノワイヤーを含有する層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等)を用いることができる。
なお、前述した正孔輸送層と電子輸送層の中には、適切に組み合わせて積層することで中間電極(電荷結合層)として働く組み合わせもあり、このような構成とすると1層形成する工程を省くことができて好ましい。
(基板)
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
(光学機能層)
本発明の有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していて良い。光学機能層としては、たとえば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、陰極で反射した光を散乱させて再度発電層に入射させることができるような光拡散層などを設けても良い。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
また光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属または各種無機酸化物などのナノ粒子・ナノワイヤー等を無色透明なポリマーに分散した層などを挙げることができる。
(製膜方法・表面処理方法)
電子受容体と電子供与体とが混合された光電変換層、および輸送層・電極の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、光電変換層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また塗布法は、製造速度にも優れている。
この際に使用する塗布方法に制限は無いが、例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。さらには、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法でパターニングすることもできる。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、光電変換層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、光電変換層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
発電層(バルクヘテロジャンクション層)は、p型半導体とn型半導体とが混在された層で構成してもよいが、それぞれ混合比が膜厚方向で異なる複数層または混合比のグラデーション構成でもよい。
(その他の機能層)
太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、図1に示されるような第1の電極および第2の電極間でサンドイッチした構造に替わり、一対の櫛歯状電極上に素子を形成させたバックコンタクト型の有機光電変換素子が構成とすることもできる。
更には、図1には記載していないが、エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層、平滑化層などを挙げることができる。
対電極の導電材として金属材料を用いれば対電極側に来た光は反射されて第1の電極側に反射され、この光が再利用可能となり、光電変換層で再度吸収され、より光電変換効率が向上し好ましい。
(パターニング)
本発明に係る電極、発電層、正孔輸送層、電子輸送層、ブロック層等をパターニングする方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。
発電層、電荷輸送層等の可溶性の材料であれば、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取ってもよいし、製膜後に炭酸レーザーなどを用いてアブレーションする方法、スクライバで直接削り取る方法等でパターニングしてもよいし、インクジェット法やスクリーン印刷、グラビア印刷等の各種印刷方法を使用して直接パターニングしてもよい。
電極材料などの不溶性の材料の場合は、真空蒸着法や真空スパッタ法、プラズマCVD法、電極材料の微粒子を分散させたインキを用いたスクリーン印刷法やグラビア印刷法、インクジェット法等の各種印刷方法、蒸着膜に対しエッチングまたはリフトオフする等の公知の方法、また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成してもよい。
(封止)
作製した有機光電変換素子が大気中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することで封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)または有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
更に本発明においては、エネルギー変換効率と素子寿命向上の観点から、素子全体を2枚のバリア付き基板で封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター、酸素ゲッター等を同封した構成であることが本発明においてより好ましい。
本発明の光電変換素子は有機太陽電池として有利に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
〔ポリマー(A)の準備〕
ポリマー(A)として、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合成を行った。
まずは開始剤を合成すべく、50ml三口フラスコに2−ブロモイソブチリルブロミド(7.3g、35mmol)とトリエチルアミン(2.48g、35mmol)及びTHF(20ml)を加え、アイスバスにより内温を0℃に保持した。この溶液内にオリゴエチレングリコール(10g、23mmol、エチレングリコールユニット7〜8、Laporte Specialties社製)の33%THF溶液30mlを滴下した。30分攪拌後、溶液を室温にし、更に4時間攪拌した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧除去後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、分液ロートに移した。水を加えエーテル層を3回洗浄後、エーテル層をMgSOにより乾燥させた。エーテルをロータリーエバポレーターにより減圧留去し、開始剤を8.2g(収率73%)得た。
続いて、上記合成した開始剤(500mg、1.02mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(4.64g、40mmol、東京化成社製)、50:50 v/v% メタノール/水混合溶媒の5mlをシュレンク管に投入し、減圧下液体窒素に10分間シュレンク管を浸した。シュレンク管を液体窒素から出し、5分後に窒素置換を行った。この操作を3回行った後、窒素下で、ビピリジン(400mg、2.56mmol)、CuBr(147mg、1.02mmol)を加え、20℃で攪拌した。30分後、ろ紙とシリカを敷いた4cm桐山ロート上に反応溶液を滴下し、減圧で反応溶液を回収した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量13100、分子量分布1.17、数平均分子量<1000の含量0%、のポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を2.60g(収率84%)得た。
構造、分子量は各々H−NMR(400MHz、日本電子社製)、GPC(Waters2695、Waters社製)で測定した。
〈GPC測定条件〉
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
〔有機光電変換素子SC−101の作製〕
ガラス基板上にグラビア印刷機を用い、銀ペースト(インクテック社製)を線幅約50μm、高さ0.5μm、ピッチ約1mmのグリッド電極を約10mm幅となるよう印刷し、200℃で15分焼成しグリッド電極を形成した。続けて、導電性高分子としてPEDOT−PSS(Clevios PH510、H.C.スタルク社製)分散液に対し、上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液し、乾燥膜厚が約400nmになるようにブレードコーターを用いて塗布乾燥した。その後、150℃で30分間加熱処理し第1の電極を成膜した。
この透明電極上に、イソプロパノールに溶解したポリエチレンイミンと、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテルの混合溶液を塗布し、ホットプレート上で120℃10分間乾燥させ、正孔阻止層を成膜した。
続けて、o−ジクロロベンゼンにP3HT(BASF社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン、HOMO:−5.2eV、LUMO:−3.4eV)とPCBM(フロンティアカーボン社製:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル、HOMO:−6.1eV、LUMO:−4.3eV)を3.0質量%になるように1:0.8で混合した液を調製し、フィルタでろ過し乾燥膜厚が約200nmになるよう前記基板上に光電変換層を製膜した。続けて、導電性高分子およびポリアニオンからなるPEDOT−PSS(Clevios P 4083、H.C.スタルク社製)、花王ケミカル株式会社製エマルゲン、イソプロパノールを含む液を調液し、乾燥膜厚が約100nmになるように塗布乾燥した。そのあと、150℃で10分間加熱処理し正孔輸送層を製膜した。
次に、上記一連の機能層を製膜した基板を真空蒸着装置チャンバー内に移動し、1×10−4Pa以下まで真空蒸着装置内を減圧した後、蒸着速度1.0nm/秒でAgメタルを200nm積層することで第2の電極を形成した。得られた有機光電変換素子SC−101を窒素チャンバーに移動し、封止用キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が10×10mmサイズの有機光電変換素子SC−101を作製した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、紫外光電子分光法(UPS)を利用した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ仕事関数は約5.2eVであった。
〔有機光電変換素子SC−102の作製〕
前記有機光電変換素子SC−101の作成において、導電性高分子としてPEDOT−PSSに加え、ポリフッ化スルホン酸化合物(Nafion分散液、Aldrich社製)を乾燥膜の固形分で3.0質量%含むよう調液し、更に上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液した以外は前記SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−102を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約5.5eVであった。
〔有機光電変換素子SC−103の作製〕
前記有機光電変換素子SC−101の作成において、導電性高分子としてPEDOT−PSSに加え、トリエタノールアミン(日本触媒社製)をPEDOT−PSSの分散液に対して3.0体積%含むよう調液し、更に上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液した以外は前記SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−103を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.8eVであった。
〔有機光電変換素子SC−104の作製〕
前記有機光電変換素子SC−101の作成において、導電性高分子としてPEDOT−PSSに加え、ジメチルアミノエタノール(Aldrich社製、99.5%)をPEDOT−PSSの分散液に対して1.5体積%含むよう調液し、更に上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液した以外は前記SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−104を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.5eVであった。
〔有機光電変換素子SC−105の作製〕
前記有機光電変換素子SC−101の作成において、導電性高分子としてPEDOT−PSSに加え、ジメチルアミノエタノール(Aldrich社製、99.5%)をPEDOT−PSSの分散液に対して3.0体積%含むよう調液し、更に上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液した以外は前記SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−105を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.2eVであった。
〔有機光電変換素子SC−106の作製〕
前記有機光電変換素子SC−101の作成において、導電性高分子としてPEDOT−PSSに加え、ポリエチレンイミン(エポミンSP−006、日本触媒社製)をPEDOT−PSSの分散液に対して3.0体積%含むよう調液し、更に上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液した以外は前記SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−106を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.4eVであった。
〔有機光電変換素子SC−107の作製〕
前記有機光電変換素子SC−101の作成において、導電性高分子としてPEDOT−PSSに加え、炭酸セシウム(CsCO、Aldrich社製)を乾燥膜の固形分で7.5質量%含むよう調液し、更に上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液した以外は前記SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−107を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.1eVであった。
〔有機光電変換素子SC−108の作製〕
前記有機光電変換素子SC−101の作成において、導電性高分子としてポリアニリン(オルメコンD1033W、日産化学社製)水分散液を用い、この分散液に対し、上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液した以外は前記SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−108を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約5.3eVであった。
〔有機光電変換素子SC−109の作製〕
前記有機光電変換素子SC−108の作成において、導電性高分子としてポリアニリンに加え、ジメチルアミノエタノール(Aldrich社製、99.5%)をポリアニリンに対して3.0体積%含むよう調液し、更に上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液した以外は前記SC−108と同様にして有機光電変換素子SC−109を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.4eVであった。
《素子性能の評価》
上記作製した有機光電変換素子について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、IV特性を評価することで、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)およびフィルファクターFF(%)を、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、下記式1に従って求めたエネルギー変換効率PCE(%)の4点平均値を見積もった。
(式1) PCE(%)=〔Jsc(mA/cm)×Voc(V)×FF(%)〕/100mW/cm
結果を表1に示した。
Figure 2012114187
表1から明らかなように、従来構成用の透明電極を用いた逆層素子SC−101や、本願の範囲には含まれないSC−102〜103、SC−108では充分な変換効率PCEが得られず、殆ど出力がみられない結果となった。対して、本発明及び本発明の好ましい例として、SC−104〜S−107およびSC−109では開放電圧(Voc)が充分に得られ、順層素子と遜色のない変換効率PCEが得られることが分かった。
実施例2
〔有機光電変換素子SC−201の作製〕
前記有機光電変換素子SC−101の作製において、グリッド電極を形成した後、続けて、導電性高分子としてPEDOT−PSS(Clevios PH510、H.C.スタルク社製)分散液に加え、上記合成したポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液し、乾燥膜厚が約400nmになるようにブレードコーターを用いて塗布乾燥し1層目の高導電性の導電性高分子組成からなる層を形成した。
続けて、導電性高分子としてPEDOT−PSS(Clevios PH510、H.C.スタルク社製)分散液に対し、トリエタノールアミン(日本触媒社製)をPEDOT−PSSの分散液に対して3.0体積%含むよう調液し、上記作成した基板上に乾燥膜厚が約30nmになるようにブレードコーターを用いて塗布乾燥し、2層目の仕事関数を制御した層を形成した。
その後、150℃で30分間加熱処理し高導電性の導電性高分子層を形成した。
これ以降は前記SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−201を作成した。
別途、上記の仕事関数を制御した層をガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.2eVであり、SC−105の結果と同じであった。
〔有機光電変換素子SC−202の作成〕
前記有機光電変換素子SC−201の作成において、高導電性の導電性高分子組成からなる層に、ジメチルスルホキシド(DMSO)をPEDOT−PSSの分散液に対して5.0体積%更に加えた以外は前記SC−201と同様にして有機光電変換素子SC−202を作成した。
別途、上記の仕事関数を制御した層をガラス基板上に同様にして作成し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.2eVであった。
なお、この高導電性の導電性高分子組成からなる層を、JIS K 7194:1994(プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に従って面抵抗値を測定すると約600Ω/□であり、これはDMSOを添加しない層に対して約1/100の抵抗値であり、本発明の好ましい構成である、高導電性の導電性高分子組成からなる層と仕事関数を制御した層が積層された構造であることを示している。
〔有機光電変換素子SC−203の作成〕
前記有機光電変換素子SC−201の作成において、仕事関数を制御した層に含まれるトリエタノールアミンに換えて、ポリエチレンイミン(エポミンSP−006、日本触媒社製)をPEDOT−PSSの分散液に対して3.0体積%含むよう調液した以外は前記SC−201と同様にして有機光電変換素子SC−203を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作製し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.5eVであった。
〔有機光電変換素子SC−204の作成〕
前記有機光電変換素子SC−201の作成において、仕事関数を制御した層に含まれるトリエタノールアミンに換えて、炭酸セシウム(CsCO、Aldrich社製)を乾燥膜の固形分で7.5質量%含むよう調液した以外は前記SC−201と同様にして有機光電変換素子SC−204を作成した。
別途、上記第1の電極の最表面を別途準備したガラス基板上に同様にして作製し、150℃で10分間加熱処理した後、上述した仕事関数測定法に従って仕事関数を測定したところ、仕事関数は約4.3eVであった。
《素子性能の評価》
上記作成した光電変換素子SC−201〜204について、実施例1と同様にI−V特性を評価することで、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)及びフィルファクターFF、エネルギー変換効率PCE(%)を求め、結果を表2に示した。
Figure 2012114187
表2から明らかなように、本発明の好ましい構成である、高導電性の導電性高分子組成からなる層と仕事関数を制御した層が積層された構造とすることで、高導電性の層によるグリッド間の集電が向上し短絡電流密度JscおよびフィルファクターFFが改善しているのが分かる。また、仕事関数を制御した層が最表面にあることで、高い開放電圧Vocも得られていることが分かり、本発明の効果が明らかになったといえる。
本実施例においては補助電極としてグリッド電極を形成しているが、別途作製した2mm×2mmの受光面積を持つパターンでは、グリッド電極が無くても表1および表2に示す性能とほぼ同等の効率および傾向を示した。受光面積が広いほど透明電極のシート抵抗を下げる必要があることは周知であるが、本発明においても同様に、グリッド電極を併用した方が集電性の向上からフィルファクターFFが改善し、より好ましい結果を示すことが分かった。
100 本発明の好ましい光電変換素子の一例
101 基材
102 金属グリッド電極
103 透明電極層
104 正孔阻止層
105 光電変換層
106 正孔輸送層
107 第2の電極
200 本発明の好ましい光電変換素子の一例
201 基材
202 金属グリッド電極
203a 透明電極層(高導電層)
203b 仕事関数制御層
204 正孔阻止層(電子輸送層)
205 光電変換層
206 正孔輸送層
207 第2の電極

Claims (8)

  1. 透明電極からなる第1の電極と、第2の電極との間に、p型半導体材料とn型半導体材料を少なくとも有する光電変換層と、電荷輸送層とを含む有機光電変換素子において、前記透明電極が導電性高分子を含み、且つ、透明電極表面の仕事関数が、光電変換層に含まれるp型半導体材料の最高占有軌道(HOMO)レベルよりも、少なくとも0.5eV以上浅いことを特徴とする有機光電変換素子。
  2. 前記透明電極の少なくとも最表面が、導電性高分子を含み、且つ、アミン類またはイミン類から選ばれる添加剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  3. 前記透明電極の少なくとも最表面が、導電性高分子を含み、且つ、アルカリ金属塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  4. 前記導電性高分子が、ドープされたポリチオフェン類からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  5. 前記透明電極が、高導電性の導電性高分子組成からなる層と、前記仕事関数を制御した層とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  6. 前記透明電極が、開口部を有する金属グリッド電極を補助電極として有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  7. 前記透明電極が、前記導電性高分子に加え、更に水溶性ポリマーをマトリックス材料として含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機光電変換素子を用いたことを特徴とする有機太陽電池。
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