JP2012112797A - 放射性廃液の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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加苗 松山
Masaya Miyamoto
真哉 宮本
Yoshiko Haruguchi
佳子 春口
Takeo Yamashita
雄生 山下
Soshi Okita
壮史 沖田
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Abstract

【課題】放射性廃液中の有害物質を環境雰囲気中に揮発、拡散させることなく、簡易な制御の下に固定化処理することが可能な新規な処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】反応容器中で、放射性廃液とアルコキシドとを混合し、ゾルゲル法によって前記放射性廃液をゲル化する。次いで、乾燥機中で、ゲル化した前記放射性廃液を乾燥させて、前記放射性廃液の乾燥ゲルを得、次いで、粉砕機によって、前記乾燥ゲルを粉砕して粉砕物を得る。次いで、固化体作製装置内において、前記粉砕物と前記セメントとを混練し、前記粉砕物をセメント固化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性廃液の処理方法に関する。
原子力施設等から発生する放射性物質を含有する廃液(以下、「放射性廃液」という場合がある)は、乾燥や濃縮などの前処理を行って減容した後(例えば、特許文献1及び2参照)、セメント等により廃棄物のセメント固化体として固定化処理され、処分される方法が一般的である。
放射性廃液の前処理として乾燥により減容を行う場合は、放射性廃液中の放射性物質の濃度あるいは中和反応による生成物の濃度等に依存して、乾燥工程における乾燥温度を変化させる必要がある。しかしながら、乾燥温度によっては、放射性廃液中で新たな副反応が生じる場合があり、このような副反応を生ぜしめないように、放射性廃液中の放射性物質等の濃度を厳密に管理する必要があった。
また、放射性廃液の前処理として濃縮を行う場合も、放射性廃液中の放射性物質の濃度あるいは中和反応による生成物の濃度等に依存して、得られる濃縮液の濃度が変化してしまい、これに応じてセメント固化に使用するセメント量を適宜調整しなければならず、放射性廃液の処理操作が煩雑化する可能性があった。
さらに、乾燥及び濃縮のいずれの場合においても、その処理が高温で行われると、放射性廃液中の揮発しやすい有害物質が環境雰囲気中に揮発して拡散し、環境雰囲気を汚染してしまう可能性もあった。
特許第4208786号 特開2000−275392号
本発明は、放射性廃液中の有害物質を環境雰囲気中に揮発、拡散させることなく、簡易な制御の下に固定化処理することが可能な新規な処理方法及び処理装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、放射性廃液とアルコキシドとを混合し、ゾルゲル法によって前記放射性廃液をゲル化するステップと、ゲル化した前記放射性廃液を乾燥させて、前記放射性廃液の乾燥ゲルを得るステップと、前記乾燥ゲルを粉砕して得た粉砕物とセメントとを混練し、前記粉砕物をセメント固化するステップと、を具えることを特徴とする、放射性廃液の処理方法に関する。
本発明によれば、放射性廃液中の有害物質を環境雰囲気中に揮発、拡散させることなく、簡易な制御の下に固定化処理することが可能な新規な処理方法及び処理装置を提供することができる。
第1の実施形態における放射性廃液の処理装置の概略構成を示すブロック図。 第2の実施形態における放射性廃液の処理装置の概略構成を示すブロック図。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における放射性廃液の処理装置の概略構成を示す図である。
図1に示す放射性廃液の処理装置10は、ゾルゲル法によって放射性廃液をゲル化するための反応容器11と、反応容器11と配管21を介して接続され、反応容器11でゲル化された放射性廃液を乾燥するための乾燥機12と、乾燥機12と配管22を介して接続され、乾燥機12で形成された放射性廃液の乾燥ゲルを粉砕するための粉砕機13と、粉砕機13と配管23を介して接続され、粉砕機13で得た乾燥ゲルの粉砕物をセメント固化するための固化体作製装置14とを有している。
さらに、乾燥機12には、配管24を介して、ゾルゲル法における反応生成物であるアルコールを分解するための、図示しないアルコール分解触媒が充填された触媒分解槽15が接続されている。
処理装置10を構成する反応容器11及び固化体作製装置14等は、ステンレス等の耐食性の高い材料から構成する。乾燥機12は、ヒーター方式の乾燥機等、汎用のものを用いることができる。粉砕機13も、ローター式の粉砕機等、汎用のものを用いることができる。固化体作製装置14は、インドラム方式又はアウトドラム方式のものを用いることができる。
次に、図1に示す放射性廃液の処理装置10を用いた放射性廃液の処理方法について説明する。
最初に、図1の処理装置10における反応容器11中に放射性廃液を導入するとともに、アルコキシドを導入し、ゾルゲル反応を通じて放射性廃液をゲル化する。
放射性廃液としては、例えば原子力施設から排出される放射性核種を含む種々の廃液を挙げることができる。具体的には、硫酸系廃液、硝酸系廃液、塩酸系廃液、ホウ酸系廃液、リン酸系廃液、酢酸系廃液、ギ酸系廃液等を挙げることができる。これらの廃液は、冷却水浄化系の使用済みイオン交換樹脂を洗浄する際に排出されるものであり(例えば、硫酸系廃液等)、使用済み燃料を処理する際に排出されるものである(例えば、硝酸系廃液、ギ酸系廃液等)。また、原子力施設の特定の部位から排出されるものである(ホウ酸水注入系におけるホウ酸系廃液等)。
また、アルコキシドは、上記廃液とゾルゲル反応を生ぜしめるものであれば特に限定されず、例えば、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、ホウ酸・アルミニウム・ガリウムアルコキシド、ケイ素・ゲルマニウムアルコキシド、リン・アンチモンアルコキシド、希土類アルコキシド、バナジウムアルコキシド、イットリウムアルコキシド、ビスマスアルコキシド、チタン・ジルコニウムアルコキシド、ニオブ・タンタルアルコキシドを挙げることができる。
アルカリ金属アルコキシドとしては、LiOCH2CH3, NaOCH2CH3, KOCH2CH3などを挙げることができ、アルカリ土類金属アルコキシドとしては、Mg(OCH2CH3)2, Ca(OCH2CH3)2, Sr(OCH2CH3)2, Ba(OCH2CH3)2 を挙げることができる。ホウ酸・アルミニウム・ガリウムアルコキシドとしては、B(OCH3)3, Al(OCH2CH3)3, Al(OCH(CH3)2)3, Ga(OCH2CH3)3などを挙げることができ、ケイ素・ゲルマニウムアルコキシドとしては、Si(OCH3), Si(OC2H5), Si(OCH2CH3)4, Ge(OCH2CH3)4, Ge(OCH(CH3)2)などを挙げることができる。
また、リン・アンチモンアルコキシドとしては、P(OCH3)3, P(OCH2CH3)(OH)2, OP(OCH2CH3)3OP(OCH2CH2CH2CH3)2(OH), Sb(OCH2CH3)3などを挙げることができ、希土類アルコキシドとしては、La(OCH(CH3)2)3, Nd(OCH2CH3)3, Dy(OCH(CH3)2)3などを挙げることができる。バナジウムアルコキシドとしてはVO(OCH2CH3)3、イットリウムアルコキシドとしてはY(OCH(CH3)2)3、ビスマスアルコキシドとしては、Bi(OCH2CH3)3を挙げることができる。
さらに、チタン・ジルコニウムアルコキシドとしては、Ti(OCH2CH3)4, Ti(OCH(CH3)2)4, Ti(OCH2CH2CH2CH3)4, Zr(OCH2CH3)4, Zr(OCH(CH3)2)4などを挙げることができ、ニオブ・タンタルアルコキシドとしては、Nb(OCH2CH3)5, Ta(OCH2CH3)5を挙げることができる。
上述したアルコキシドの中でも、ゾルゲル法において実績があり、入手が容易であるとともに安価であるSi系のアルコキシドが好ましく、特にはSi(OC2H5)(テトラエトキシシラン)が好ましい。
なお、ゾルゲル法は、上述したアルコキシド(例えば、一般式M(OR)n(Mは金属元素、Rはアルキル基、nはMの原子価に等しい数。以下、同じ。)とする。)と溶液中の水とが反応し、これによってアルコキシドが加水分解するとともに重縮合し、−M−O−M−O−結合を有する酸化物あるいは水酸化物の微粒子が生成するとともに、これが架橋して高分子化することにより、溶液をゾル化、さらにはゲル化する方法である。本実施形態では、上記溶液の代わりに放射性廃液を用い、この放射性廃液中の水をアルコキシドと反応させ、ゾルゲル法によって放射性廃液をゲル化するものである。
上述した加水分解及び重縮合を良好かつ簡易に行うには、放射性廃液中のpH値を酸性領域のpH値に設定することが好ましい。特に、アルコキシドとしてSi系のアルコキシドを用いる場合は、放射性廃液中のpHを1〜4の範囲に設定することが好ましい。
放射性廃液をこのような酸性領域のpH値を有するようにするためには、反応容器11中に適宜pH調整剤を添加する。本実施形態では、放射性廃液のpH値を酸性領域のpH値に設定するので、pH調整剤としては、硫酸、硝酸、塩酸等の強酸を用いる。
なお、ゾルゲル法において、上述した加水分解及び重縮合を良好に行うために、強酸を添加して放射性廃液のpH値を酸性領域のpH値に設定した場合、上述のような架橋を生ぜしめるためには、強酸添加によって酸性化した放射性廃液を中和する必要がある。したがって、上述のように強酸を添加して放射性廃液のpH値を酸性領域のpH値に設定した後において、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリを中和剤(液)として反応容器11内に添加し、放射性廃液を中和する。
また、反応容器12内に放射性廃液及びアルコキシドを導入して反応させる際に、図示しない撹拌機あるいは超音波振動機を用いて、放射性廃液及びアルコキシドの混合溶液を撹拌あるいは超音波振動印加することが好ましい。
一般に上述したようなアルコキシドは、アルキル基を有することから疎水性を示し、放射性廃液に対する分散性が悪くなる。その結果、上述したような加水分解及び重縮合が良好に行われずに、ゾルゲル法による放射性廃液のゲルを得ることができない場合がある。しかしながら、上述のように、混合溶液に対して撹拌あるいは超音波振動印加の操作を行うことにより、アルコキシドは放射性廃液中に強制的に分散されるようになるので、上述した加水分解及び重縮合が良好に行われるようになる。その結果、ゾルゲル法によって放射性廃液のゾルを簡易かつ確実に得ることができるようになる。
放射性廃液とアルコキシドとの混合比は、質量比で3:7〜10:1であることが好ましい。放射性廃液をゾルゲル法によってゲル化するに際し、使用するアルコキシドの量が少ない方がコスト等の観点から好ましいが、あまり少ないと放射性廃液の総てを十分にゲル化できない場合がある。しかしながら、放射性廃液とアルコキシドとの混合比を上述の範囲に設定することにより、放射性廃液の種類やアルコキシドの種類等に依らず、放射性廃液の総てを簡易かつ確実にゲル化することができる。
次いで、上述のようにして、反応容器11内でゾルゲル法によって放射性廃液のゲルを得た後は、放射性廃液のゲルを、配管21を介して乾燥機12内に導入する。そして、放射性廃液のゲルを乾燥し、放射性廃液の乾燥ゲルを得る。放射性廃液の乾燥ゲルは、乾燥前の放射性廃液のゲルに比較して内部の空隙が減少し、全体として減容化されている。なお、放射性廃液のゲルが減容化されることによって、後に説明するセメント固化の際に、放射性廃液のゲルがセメントに溶け出す割合が減少するので、セメントの粘度増加を抑制することができ、セメント固化処理を簡易かつ確実に行うことができる。また、使用するセメントの量を低減することができる。
なお、乾燥機12における乾燥温度は100℃以下とすることが好ましい。上述した放射性廃液の乾燥ゲルを短時間で得るためには、高い温度で乾燥させることが好ましいが、本実施形態では、室温乾燥でも上記放射性廃液の乾燥ゲルを得ることができる一方、乾燥時間の短縮化及び省エネルギーの観点から乾燥温度を100℃以下とすることが好ましい。換言すれば、水の沸点以下の乾燥温度においても、放射性廃液のゲルの内部に空隙が存在することに起因して、短時間でゲルの乾燥を行うことができ、省エネルギーに寄与するものである。
一方、反応容器11内でゾルゲル法によって放射性廃液のゲルを得る際には、上記アルコキシドの加水分解に起因してアルコールが生成される。このアルコールは、乾燥機12内での乾燥によって生じたオフガスとともに環境雰囲気中に排出されるが、アルコールがそのまま環境雰囲気中に排出されると、この環境雰囲気を汚染することになる。
したがって、本実施形態では、オフガスの排気系において図示しないアルコール分解触媒が充填された触媒分解槽15を配置し、生成した上記アルコールを、触媒分解槽15を介して環境雰囲気に排出するようにしている。この際、アルコールは、例えば水と二酸化炭素とに分解されるので、環境雰囲気中には、水及び二酸化炭素が排出されることになる。したがって、環境雰囲気を汚染するという問題を排除することができる。
次いで、放射性廃液の乾燥ゲルを、配管22を介して粉砕機13に導入し、例えば5mm以下の大きさに粉砕する。次いで、このようにして得た粉砕物を、配管23を介して固化体作製装置14内に導入し、同じく固化体作製装置14内に導入してセメントと混合して、セメント固化体を形成する。
なお、使用するセメントは、例えばアルミナセメント、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント及びポルトランドセメントであることが好ましい。これらのセメント材は容易に入手ができるとともに安価であって、かつ海水や化学物質に対して安定であるので、本実施形態のように放射性排液を固化して安定化させるセメント材として適している。特に、アルミナセメントは、アルミニウムの原料であるボーキサイトと石灰石から作られ、酸化アルミニウムを含むセメントであって、混練後すぐに強い強度を発揮するので、イオン閉じ込め性に優れている。
以上説明したように、本実施形態によれば、放射性廃液をゾルゲル法によってゲル化し、さらにこれを乾燥した後に粉砕し、セメント固化に供するようにしているので、放射性廃液の処理過程において、有害物質を環境雰囲気中に揮発、拡散させることがない。また、放射性廃液をゾルゲル法によってゾル化しているので、放射性廃液の処理操作及び制御が極めて簡易化されることになる。したがって、放射性廃液中の有害物質を環境雰囲気中に揮発、拡散させることなく、簡易な制御の下に固定化処理することが可能となる。
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態における放射性廃液の処理装置の概略構成を示す図である。
図2に示す放射性廃液の処理装置20は、図1に示す放射性廃液の処理装置10と比較して、乾燥機12と粉砕機13との間に、配管22及び25を介して焼結炉17が設けられている点で相違し、その他の構成については図1に示す処理装置10と同様の構成を採っている。したがって、本実施形態では、以下において、焼結炉17の有無による放射性廃液の処理方法の相違を中心に述べる。
なお、図1に示す処理装置10と同一あるいは類似の構成要素に関しては、同一の参照数字を用いている。
最初に、図2の処理装置20における反応容器11中に放射性廃液を導入するとともに、アルコキシドを導入し、ゾルゲル反応を通じて放射性廃液をゲル化する。
放射性廃液としては、第1の実施形態で述べたように、例えば原子力施設から排出される放射性核種を含む種々の廃液、具体的には、硫酸系廃液、硝酸系廃液、塩酸系廃液、ホウ酸系廃液、リン酸系廃液、酢酸系廃液、ギ酸系廃液等を挙げることができる。
また、アルコキシドは、上記廃液とゾルゲル反応を生ぜしめるものであれば特に限定されず、第1の実施形態で述べたような、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、ホウ酸・アルミニウム・ガリウムアルコキシド、ケイ素・ゲルマニウムアルコキシド、リン・アンチモンアルコキシド、希土類アルコキシド、バナジウムアルコキシド、イットリウムアルコキシド、ビスマスアルコキシド、チタン・ジルコニウムアルコキシド、ニオブ・タンタルアルコキシドを挙げることができる。
なお、これらアルコキシドの具体例は、第1の実施形態で列記した通りである。但し、ゾルゲル法において実績があり、入手が容易であるとともに安価であるSi系のアルコキシドが好ましく、特にはSi(OC2H5)(テトラエトキシシラン)が好ましい。
ゾルゲル法における加水分解及び重縮合を良好かつ簡易に行うには、第1の実施形態と同様に、放射性廃液中のpH値を酸性領域のpH値に設定することが好ましい。特に、アルコキシドとしてSi系のアルコキシドを用いる場合は、放射性廃液中のpHを1〜4の範囲に設定することが好ましい。
一方、ゾルゲル法において、生成した酸化物あるいは水酸化物の微粒子を架橋して高分子化するためには、第1の実施形態と同様に、強酸添加によって酸性化した放射性廃液を中和する必要がある。したがって、上述のように強酸を添加して放射性廃液のpH値を酸性領域のpH値に設定した後において、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリを中和剤(液)として反応容器11内に添加し、放射性廃液を中和する。
また、第1の実施形態同様に、放射性廃液中でのアルコキシドの分散性を向上させるには、反応容器12内に放射性廃液及びアルコキシドを導入して反応させる際に、図示しない撹拌機あるいは超音波振動機を用いて、放射性廃液及びアルコキシドの混合溶液を撹拌あるいは超音波振動印加することが好ましい。なお、混合溶液を撹拌等しない場合の低分散性の原因は、第1の実施形態で述べたとおりである。
さらに、第1の実施形態と同様の理由から、放射性廃液とアルコキシドとの混合比は、質量比で3:7〜10:1であることが好ましい。
次いで、上述のようにして、反応容器11内でゾルゲル法によって放射性廃液のゲルを得た後は、放射性廃液のゲルを、配管21を介して乾燥機12内に導入する。そして、放射性廃液のゲルを乾燥し、放射性廃液の乾燥ゲルを得る。放射性廃液の乾燥ゲルは、乾燥前の放射性廃液のゲルに比較して内部の空隙が減少し、全体として減容化されている。なお、第1の実施形態と同様に、乾燥機12における乾燥温度は100℃以下とすることが好ましい。
また、第1の実施形態と同様に、反応容器11内でゾルゲル法によって放射性廃液のゲルを得る際に生成したアルコールは、乾燥機12内での乾燥によって生じたオフガスとともに環境雰囲気中に排出する際に、オフガスの排気系において図示しないアルコール分解触媒が充填された触媒分解槽15を配置し、生成した上記アルコールを、触媒分解槽15を介して環境雰囲気に排出する。この際、アルコールは、例えば水と二酸化炭素とに分解されるので、環境雰囲気中には、水及び二酸化炭素が排出されることになる。したがって、環境雰囲気を汚染するという問題を排除することができる。
次いで、放射性廃液の乾燥ゲルを、配管22を介して焼結炉17に導入し、乾燥ゲルを焼結して焼結体とする。焼結温度は、上述した乾燥温度に比較して高温であるため、得られた焼結体において、乾燥ゲルの内部に存在した空隙は焼結によって消滅あるいは十分に狭小化される。したがって、焼結体は、放射性廃液の乾燥ゲルに比較して内部の空隙が減少し、全体として減容化されている。
この結果、放射性廃液のゲルの粉砕物をセメント固化する第1の実施形態に比較して、焼結体の粉砕物をセメント固化する本実施形態においては、セメント固化の際に、焼結体がセメントに溶け出す割合が、ゲルがセメントに溶け出す場合よりも減少するので、セメントの粘度増加をより抑制することができ、セメント固化処理を簡易かつ確実に行うことができる。また、ゲルの粉砕物を使用する場合に比較して、使用するセメントの量をさらに低減することができる。
なお、焼結温度は、例えば100℃〜500℃の範囲とする。これによって、より短時間で上記焼結体を形成することができる。500℃を超えると、放射性廃液のゲルの一部が気化してしまい、目的とする焼結体を得ることができない場合がある。また、100℃未満では、焼結時間が長時間化してしまう場合がある。
次いで、上述のようにして得た焼結体を、配管25を介して粉砕機13に導入し、例えば5mm以下の大きさに粉砕する。次いで、このようにして得た粉砕物を、配管23を介して固化体作製装置14内に導入し、同じく固化体作製装置14内に導入してセメントと混合して、セメント固化体を形成する。
なお、使用するセメントは、第1の実施形態と同様に、アルミナセメント、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント及びポルトランドセメントであることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、放射性廃液をゾルゲル法によってゲル化し、さらにこれを乾燥及び焼結した後に粉砕し、セメント固化に供するようにしているので、放射性廃液の処理過程において、有害物質を環境雰囲気中に揮発、拡散させることがない。また、放射性廃液をゾルゲル法によってゾル化しているので、放射性廃液の処理操作及び制御が極めて簡易化されることになる。したがって、放射性廃液中の有害物質を環境雰囲気中に揮発、拡散させることなく、簡易な制御の下に固定化処理することが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,20 放射性廃液の処理装置
11 反応容器
12 乾燥機
13 粉砕機
14 固化体作製装置
15 触媒分解槽
17 焼結炉
21,22,23,24,25 配管

Claims (12)

  1. 放射性廃液とアルコキシドとを混合し、ゾルゲル法によって前記放射性廃液をゲル化するステップと、
    ゲル化した前記放射性廃液を乾燥させて、前記放射性廃液の乾燥ゲルを得るステップと、
    前記乾燥ゲルを粉砕して得た粉砕物とセメントとを混練し、前記粉砕物をセメント固化するステップと、
    を具えることを特徴とする、放射性廃液の処理方法。
  2. 放射性廃液とアルコキシドとを混合し、ゾルゲル法によって前記放射性廃液をゲル化するステップと、
    ゲル化した前記放射性廃液を乾燥させて、前記放射性廃液の乾燥ゲルを得るステップと、
    前記乾燥ゲルを焼結させて、前記放射性廃液の焼結体を得るステップと、
    前記焼結体を粉砕して得た粉砕物とセメントとを混練し、前記粉砕物をセメント固化するステップと、
    を具えることを特徴とする、放射性廃液の処理方法。
  3. 前記アルコキシドはSi系のアルコキシドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射性廃液の処理方法。
  4. 前記放射性廃液と前記Si系のアルコキシドとを混合する際に、前記放射性廃液のpHを1〜4の範囲に設定することを特徴とする、請求項3に記載の放射性廃液の処理方法。
  5. 前記放射性廃液と前記アルコキシドとの混合比が、質量比で3:7〜10:1であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の放射性廃液の処理方法。
  6. 前記乾燥は100℃以下の温度で行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の放射性廃液の処理方法。
  7. 前記焼結は100℃〜500℃の温度範囲で行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の放射性廃液の処理方法。
  8. 前記粉砕物と前記セメントとの混合比が、質量比で0.5:1〜1.2:1であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載の放射性廃液の処理方法。
  9. 前記放射性廃液と前記アルコキシドとを混合した際に生成するアルコールをアルコール分解触媒で分解するステップを具えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載の放射性廃液の処理方法。
  10. 放射性廃液とアルコキシドとを混合し、ゾルゲル法によって前記放射性廃液をゲル化するための反応容器と、
    ゲル化した前記放射性廃液を乾燥させて、前記放射性廃液の乾燥ゲルを得るための乾燥機と、
    前記乾燥ゲルを粉砕して粉砕物を得るための粉砕機と、
    前記粉砕物と前記セメントとを混練し、前記粉砕物をセメント固化するための固化体作製装置と、
    を具えることを特徴とする、放射性廃液の処理装置。
  11. 放射性廃液とアルコキシドとを混合し、ゾルゲル法によって前記放射性廃液をゲル化するための反応容器と、
    ゲル化した前記放射性廃液を乾燥させて、前記放射性廃液の乾燥ゲルを得るための乾燥機と、
    前記乾燥ゲルを焼結させて、前記放射性廃液の焼結体を得るための焼結炉と、
    前記焼結体を粉砕して粉砕物を得るための粉砕機と、
    前記粉砕物と前記セメントとを混練し、前記粉砕物をセメント固化するための固化体作製装置と、
    を具えることを特徴とする、放射性廃液の処理装置。
  12. 前記放射性廃液と前記アルコキシドとを混合した際に生成するアルコールを分解するためのアルコール分解触媒が充填された触媒分解槽を具えることを特徴とする、請求項10又は11に記載の放射性廃液の処理装置。
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