JP2012112432A - リターンチューブ及びその製造方法、並びにボールねじ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボール30の軌道方向に沿って分割された2つのチューブ片からなり、ボールねじ1のボール30が走行する転動溝11,21に接する方向に両端が曲げられたリターンチューブ及びボールねじ用リターンチューブを作製する。
【選択図】図1
Description
このようなリターンチューブを備えたボールねじにおいては、高速回転が要求される工作機械などに用いられる場合、タング部の強度を上げるか、タング部に加わる力を減少させる構成を採用することで対応してきた。しかし、タング部の強度を上げる方法は、材質の改良や、板厚を厚くする結果、コストアップは避けられなかった。
加えて、特許文献1に記載されたボールねじにおいては、以下の(1)及び(2)に示す問題点があった。
(1)循環部品がいくつかの部品で形成されており(一対の管ピース215とこれら一対の管ピース215の間を連通連結するチューブ体203)組合せ部に段差ができたり、全体をナット202に固定するのにコストがかかる。
(2)循環部品の始端、終端が螺旋に接する場合、当該循環部品を捩った結果、これらの始端、終端の外径形状は円筒ではない場合が多く、これに対応するナット穴を複雑な形状とする必要が生じ、コストがかかる。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、高速化かつ低コスト化を実現したリターンチューブ及びその製造方法、並びにボールねじを提供することにある。
ボールの軌道方向に沿って分割された2つのチューブ片からなり、
該チューブ片の各々が、金属製のチューブ母材をプレス加工することにより作製され、
前記リターンチューブの2つの先端部のそれぞれを、前記ねじ軸の転動溝の接線方向に開口させたことを特徴としている。
また、リターンチューブをボールの軌道方向に沿って分割した2つのチューブ片から構成し、従来のように切削加工ではなく、金属プレスでチューブ片を作製するため、製造コストを低くすることができる。
また、リターンチューブの形状が円筒形状を保つので、リターンチューブが嵌合するナットのチューブ取付穴の形状を複雑な形状とする必要がなく、コストを低減することができる。
したがって、高速化かつ低コスト化を実現したボールねじ用リターンチューブを提供することができる。
該チューブ片の各々が、金属製のチューブ母材をプレス加工することにより作製され、
ボールの軌道方向に沿って分割された2つのチューブ片の各々を、金属製のチューブ母材を、前記2つのチューブ片を重ね合わせて構成される前記リターンチューブの2つの先端部のそれぞれが前記ねじ軸の転動溝の接線方向に開口するように捩られてプレス加工することにより作製されたことを特徴としている。
また、リターンチューブをボールの軌道方向に沿って分割した2つのチューブ片からプレス加工で製造するので、リターンチューブの端部の形状が円筒形状とすることが容易であるので、リターンチューブが嵌合するナットのチューブ取付穴の形状を複雑な形状とする必要がなく、コストを低減することができる。
前記ボール戻し経路がリターンチューブで構成され、
該リターンチューブの2つの先端部を前記ナットの2つのチューブ取付穴にそれぞれ挿入し、チューブ軸方向に垂直なベースラインから舌状に突出するタングの先端部を前記ねじ軸の転動溝内に配置し、前記先端部のそれぞれが前記チューブ取付穴の座面に当てて取り付けられたボールねじにおいて、
該リターンチューブが、ボールの軌道方向に沿って分割された2つのチューブ片からなり、
該チューブ片の各々が、金属製のチューブ母材をプレス加工することにより作製され、
前記2つの先端部のそれぞれを、前記ねじ軸の転動溝の接線方向に開口させたことを特徴としている。
また、リターンチューブをボールの軌道方向に沿って分割した2つのチューブ片から構成し、従来のように切削加工ではなく、金属プレスでチューブ片を作製するため、製造コストを低くすることができる。
また、リターンチューブの形状が円筒形状を保つので、リターンチューブが嵌合するナットのチューブ取付穴の形状を複雑な形状とする必要がなく、コストを低減することができる。
したがって、高速化かつ低コスト化を実現したボールねじを提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、チューブ取付穴を片側テーパ形状にしたので、チューブ取付穴の製造コストを下げることができると共に、循環部品の位置合わせを容易にすることができる。
図1は、本発明に係るボールねじの一実施形態における構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の1b−1b線に沿う断面図である。図2は、本発明に係るリターンチューブの一実施形態におけるチューブ片の構成を示す斜視図である。また、図3は、本発明に係るボールねじの一実施形態におけるチューブ取付穴の構成を示す概略図である。
図1(a),(b)に示すように、本実施形態のボールねじ1は、外周面10aに螺旋状の転動溝(軌道面)11を有するねじ軸10と、内周面20aに螺旋状の転動溝(軌道面)21を有するナット20と、これらの転動溝11,21間に形成されるボール転動路に転動自在に配置される複数のボール(転動体)30とを備えている。
ナット20の外周面20bには、切り欠き部22が設けられている。この切り欠き部22には、ボール転動路の一端側から他端側にボール30を循環させるリターンチューブ40がチューブ押さえ50により固定されている。
リターンチューブ40は、図示していないが、両先端部がそれぞれ円筒形状をなし、転動溝11の接線方向に開口するように形成されている。そして、リターンチューブ40は、ボール30の軌道方向に沿って2つに分割されたチューブ片41,41からなる。チューブ片41は、金属製のチューブ母材をプレス加工することにより作製される。
チューブ取付穴23の形状をこのようにすることにより、ねじられたリターンチューブ40でもナット20の外周面20bから挿入することが可能である。
また、チューブ取付穴23を片側テーパ形状に加工することは、チューブ取付穴23の深さ方向にボールエンドミルをずらすことで作製でき、5軸加工のような特殊加工が必要ないため、生産性が向上する。なお、チューブ取付穴23を両側テーパ形状に加工するとチューブ取付穴23の口径が大きくなり、リターンチューブ40を適正に固定できないことがある。
以上、本発明に係るリターンチューブ及びその製造方法、並びにボールねじの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
10 ねじ軸
11 転動溝
20 ナット
20a 外周面
21 転動溝
30 ボール(転動体)
41 チューブ片
Claims (4)
- 内周面に転動溝が形成されたナットと、外周面に転動溝が形成されたねじ軸と、前記ナットの転動溝と前記ねじ軸の転動溝とで形成される軌道の間に配置されたボールと、該ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじの、前記ボール戻し経路を構成するリターンチューブであって、
ボールの軌道方向に沿って分割された2つのチューブ片からなり、
該チューブ片の各々が、金属製のチューブ母材をプレス加工することにより作製され、
前記リターンチューブの2つの先端部のそれぞれを、前記ねじ軸の転動溝の接線方向に開口させたことを特徴とするリターンチューブ。 - 内周面に転動溝が形成されたナットと、外周面に転動溝が形成されたねじ軸と、前記ナットの転動溝と前記ねじ軸の転動溝とで形成される軌道の間に配置されたボールと、該ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじの、前記ボール戻し経路を構成するリターンチューブの製造方法であって、
該チューブ片の各々が、金属製のチューブ母材をプレス加工することにより作製され、
ボールの軌道方向に沿って分割された2つのチューブ片の各々を、金属製のチューブ母材を、前記2つのチューブ片を重ね合わせて構成される前記リターンチューブの2つの先端部のそれぞれが前記ねじ軸の転動溝の接線方向に開口するように捩られてプレス加工することにより作製されたことを特徴とするリターンチューブの製造方法。 - 内周面に転動溝が形成されたナットと、外周面に転動溝が形成されたねじ軸と、ナットの転動溝とねじ軸の転動溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじであって、
前記ボール戻し経路がリターンチューブで構成され、
該リターンチューブの2つの先端部を前記ナットの2つのチューブ取付穴にそれぞれ挿入し、チューブ軸方向に垂直なベースラインから舌状に突出するタングの先端部を前記ねじ軸の転動溝内に配置し、前記先端部のそれぞれが前記チューブ取付穴の座面に当てて取り付けられたボールねじにおいて、
該リターンチューブが、ボールの軌道方向に沿って分割された2つのチューブ片からなり、
該チューブ片の各々が、金属製のチューブ母材をプレス加工することにより作製され、
前記2つの先端部のそれぞれを、前記ねじ軸の転動溝の接線方向に開口させたことを特徴とするボールねじ。 - 前記ナットのチューブ取付穴が片側テーパ形状をなし、かつ、前記チューブ取付穴の座面がチューブの外径とほぼ同径であることを特徴とする請求項3に記載のボールねじ。
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