JP2012112354A - 電動圧縮機 - Google Patents

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Norihito Higo
徳仁 肥後
Takayoshi Sakashita
隆吉 坂下
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Abstract

【課題】貫通端子部の構造を簡素化して小型化することが可能な電動圧縮機を提供すること。
【解決手段】貫通ピン部材161と略円筒状の圧入圧縮リング163との間に、インサート成形により樹脂材からなる絶縁筒部材162を介設した簡単な構成の貫通端子部16を、ハウジング1の貫通孔1h内に圧入することで、圧入圧縮リング163の外周面を全周にわたってハウジング1の貫通孔1hの内面に圧接して圧入圧縮リング163とハウジング1との間を気密シールするとともに、圧入圧縮リング163を圧入に伴い縮径させて絶縁筒部材162を径方向に圧縮し、貫通ピン部材161と圧入圧縮リング163との間を絶縁しつつ気密シールする。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機構、圧縮機構を駆動する電動モータ、および電動モータを駆動するインバータ回路等のモータ駆動回路を有し、電動モータとモータ駆動回路とがハウジングを貫通する貫通端子で接続された電動圧縮機に関する。
従来から、冷媒を吸入圧縮する圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動式のモータと、モータを駆動する駆動回路部と、を備え、モータを圧縮機構とともにハウジング内に収容し、駆動回路部をハウジング外に載置して、モータと駆動回路部とをハウジングを貫通する貫通端子部により接続した電動圧縮機がある。そして、貫通端子部をハウジングに装着する際の支持部材となる金属製の端子本体と、導電経路となる金属端子と、の間をガラスで封止して、端子本体と金属端子との間の絶縁性および気密性を確保する電動圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2010−65625号公報
しかしながら、上記従来技術の電動圧縮機では、貫通端子部の封止ガラスに大きな応力が加わり割れることを防止するように、端子本体とハウジングとの間にOリング等からなるシール部材を配設して、ハウジングに装着した貫通端子部の端子本体をサークリップ等で固定し、ハウジングと貫通端子部との間の気密シール性を確保している。このため、貫通端子部の構造が複雑で体格が大きくなり易いという問題がある。
また、金属端子の構成材料としてはガラスに近似した線膨張係数を有する材料を設定するため、電気導電率が高い材料を選択することが困難であり、金属端子の径を比較的大きくして抵抗を低減する必要がある。これも貫通端子部の体格を大きくする要因となっている。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、貫通端子部の構造を簡素化して貫通端子部を小型化することが可能な電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
冷媒を吸入圧縮する圧縮機構と、
圧縮機構を駆動する電動式のモータと、
圧縮機構およびモータを収納するとともに、内部を圧縮機構が吸入する吸入冷媒が流通するハウジングと、
ハウジング外に設けられ、モータを駆動する駆動回路部と、
ハウジングに形成された貫通孔内に設けられ、モータと駆動回路部とを電気的に接続する貫通端子部と、を備え、
貫通端子部は、
一端部にモータから延びるリード線が接続され、他端部に駆動回路部が電気的に接続された金属材からなるピン部材と、
ピン部材の外周を取り囲むように配設された樹脂材からなる筒状の絶縁部材と、
絶縁部材の外周を取り囲むように配設された金属材からなる筒状の支持部材と、を具備し、
貫通孔内に圧入された支持部材の外周面が全周にわたってハウジングに圧接しており、
支持部材が圧入に伴い内方へ向かって変形して内径が縮小し、絶縁部材が支持部材とピン部材との間で径方向に圧縮されて、支持部材の内周面が全周にわたって絶縁部材に圧接しているとともに、絶縁部材の内周面が全周にわたってピン部材に圧接していることを特徴としている。
これによると、ピン部材と筒状の支持部材との間に樹脂材からなる筒状の絶縁部材を介設した簡単な構成の貫通端子部をハウジングの貫通孔内に圧入することで、支持部材の外周面を全周にわたってハウジングに圧接して支持部材とハウジングとの間を気密シールするとともに、筒状の支持部材を圧入に伴い縮径させて絶縁部材を径方向に圧縮し、支持部材とピン部材との間を絶縁しつつ気密シールしている。このように、比較的簡単な構造の貫通端子部により貫通端子部を小型化することができる。
なお、ここで用いている「圧接」とは、金属加工における加圧溶接のことではなく、界面において比較的高い面圧が発生するように部材同士が接触もしくは接合することである。これは、以下の説明においても同様である。
また、請求項2に記載の発明では、貫通端子部は、ピン部材と支持部材との間に、絶縁部材をなす樹脂材がインサート成形により充填されていることを特徴としている。これによると、ピン部材と筒状の支持部材との間に樹脂材からなる筒状の絶縁部材を介設した簡単な構成の貫通端子部を、インサート成形により容易に形成することができる。
また、請求項3に記載の発明では、ピン部材は、銅材もしくは銅合金材からなることを特徴としている。支持部材とピン部材との間を樹脂材からなる絶縁部材で絶縁しつつ気密シールしており、ガラス材を封止に用いる必要がないので、ピン部材に、電気導電率が高い銅材もしくは銅合金材を用いることが可能である。
また、請求項4に記載の発明では、支持部材は、内周側に内方に向かって突出した環状突出部を有し、環状突出部が絶縁部材を内方に向かって押圧していることを特徴としている。これによると、支持部材の環状突出部と絶縁部材との間に比較的高い面圧を環状に発生させて、支持部材と絶縁部材との間を確実に気密シールすることができる。
また、請求項5に記載の発明では、ピン部材は、外周面に環状に形成された環状凹部もしくは環状凸部を有することを特徴としている。これによると、ピン部材の環状凹部の縁部と絶縁部材との間、もしくは、ピン部材の環状凸部と絶縁部材との間に、比較的高い面圧を環状に発生させて、ピン部材と絶縁部材との間を確実に気密シールすることができる。
また、請求項6に記載の発明では、
モータは、ステータコイルが回巻されたステータと、ステータの内側で回動するロータとを備え、ステータコイルから延びるリード線がピン部材の一端部に接続しており、
ハウジングのうち、モータの軸線方向において圧縮機構とは反対側に位置する壁面部に、ロータの回転軸を支持するため軸受部が設けられており、
貫通孔は、壁面部のうち、モータの軸線方向から見たときに、軸受部の外周面とステータの内周面との間の領域に形成されていることを特徴としている。
これによると、ハウジング内にステータを配設した後、ロータを配設する前に、ステータコイルから延びるリード線に接続したピン部材を有する貫通端子部を、ハウジング内方側から貫通孔内に容易に圧入することができる。
また、請求項7に記載の発明では、ピン部材は、貫通孔の貫通方向に延びる貫通部と、貫通部のハウジングの内方側の端部から貫通方向に交差する方向に延びる延在部とを有して、延在部の先端部が、リード線が接続する一端部となっていることを特徴としている。これによると、ピン部材のハウジング内に配設される部位を曲折形状とすることで、ハウジング内におけるピン部材のモータ軸線方向の寸法を比較的小さくすることができる。したがって、モータ軸線方向においてハウジングを小型化することが可能である。
また、請求項8に記載の発明では、ピン部材の延在部は、貫通孔の貫通方向に直交する方向に延びていることを特徴としている。これによると、ピン部材のハウジング内に配設される部位を略L字形状とすることで、ハウジング内におけるピン部材のモータ軸線方向の寸法を一層小さくすることができる。したがって、モータ軸線方向においてハウジングをより小型化することが可能である。
また、請求項9に記載の発明では、ピン部材の延在部は、貫通部のハウジングの内方側の端部から、モータの径外方向に向かって延びていることを特徴としている。これによると、リード線が接続する延在部の先端部を、ステータコイルに近接させることができる。したがって、ステータコイルから延びるリード線を比較的短くすることが可能である。
本発明を適用した一実施形態における電動圧縮機の外形を示す正面図である。 電動圧縮機の内部構造を示す断面図である。 図2中III−III線断面図である。 貫通端子部16の概略構造を示す断面図である。 貫通端子部16の製造方法およびハウジング1への装着方法を説明する工程別断面図の一部である。 貫通端子部16の製造方法およびハウジング1への装着方法を説明する工程別断面図の一部である。 貫通端子部16の製造方法およびハウジング1への装着方法を説明する工程別断面図の一部である。 貫通端子部16の製造方法およびハウジング1への装着方法を説明する工程別断面図の一部である。 電動圧縮機100の製造方法を説明する工程別断面図の一部である。 電動圧縮機100の製造方法を説明する工程別断面図の一部である。 電動圧縮機100の製造方法を説明する工程別断面図の一部である。 電動圧縮機100の製造方法を説明する工程別断面図の一部である。 電動圧縮機100の製造方法を説明する工程別断面図の一部である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
図1は、本発明を適用した一実施形態における電動圧縮機の外形を示す正面図である。図2は、電動圧縮機の内部構造を示す縦断面図であり、図3は、図2中III−III線断面図である。
図1に示す電動圧縮機100は、例えば、自動車のエンジンルーム内に配置されている。電動圧縮機100は、凝縮器、減圧器、および蒸発器とともに、車両空調装置用の冷凍サイクル装置を構成している。電動圧縮機100はハウジング1を備えている。
ハウジング1は、伝熱性の高いアルミニウム材もしくはアルミニウム合金材等の金属からなるもので、略円筒状に形成されている。ハウジング1には、冷媒吸入口1aおよび冷媒吐出口1bが設けられている。
冷媒吸入口1aは、ハウジング1において軸線方向一方側(図示上方側)に配置されている。冷媒吸入口1aには、蒸発器の冷媒出口からの冷媒が流入する。冷媒吐出口1bはハウジング1において軸線方向他方側(図示下方側)に配置されている。冷媒吐出口1bは、凝縮器の冷媒入口に向けて冷媒を吐出する。
ハウジング1の図示左側には脚部2が設けられている。ハウジング1の図示右側には脚部3が設けられている。脚部2、3には、それぞれ、ボルト5を貫通させる貫通孔が設けられている。各ボルト5は、脚部2、3の貫通孔に貫通した状態で、ハウジング1を例えばエンジンの側壁に固定する。
図2に示すように、電動圧縮機100は、モータ部10(モータに相当)、インバータ回路20(駆動回路部に相当)、圧縮機構30、およびインバータカバー40(カバー部材に相当)等から構成されている。
モータ部10は、三相同期モータであって、回転軸12、ロータ13、ステータコア14、およびステータコイル15から構成されている。
回転軸12は、ハウジング1内に配置されている。回転軸12はその軸線方向がハウジング1の軸線方向に一致している。回転軸12は、軸受け12a、12bにより回転自在に支持されている。回転軸12は、ロータ13から受ける回転駆動力を圧縮機構30に伝える。軸受け12a、12bは、ハウジング1により支持されている。
ハウジング1の天井部1d(すなわち、モータ部10の回転軸12の軸線方向において圧縮機構30とは反対側の壁面部)には、その下面(ハウジング1の内面)から下方に向かって突出する円筒壁部1eが設けられている。図示上方側の軸受け12aは、円筒壁部1e内に嵌入されてハウジング1に支持されている。円筒壁部1eと軸受け12aとからなる構成が、回転軸12を回転自在に支持する軸受部に相当する。
ロータ13は、例えば永久磁石が埋め込まれたもので、筒状に形成されているものであって、回転軸12に対して固定されている。ロータ13は、ステータコア14から発生される回転磁界に基づいて、回転軸12とともに回転する。
ステータコア14は、ハウジング1内においてロータ13(回転軸12)に対して径方向外周側に配置されている。ステータコア14は、その軸線方向が回転軸12の軸線方向に一致する筒状に形成されている。ステータコア14は、ロータ13との間に隙間を形成している。隙間は、回転軸12の軸線方向に並行に冷媒を流す冷媒流路17を構成している。
ステータコア14は、磁性体からなるもので、ハウジング1の内周面から支持されている。ステータコイル15は、ステータコア14に対して回巻されている。ステータコイル15は後述するように回転磁界を発生する。ステータコア14とステータコイル15とで、モータ部10のステータを構成している。
圧縮機構30は、モータ部10に対して軸線方向他方側に配置されている。圧縮機構30は、例えば、固定スクロールと可動スクロールとから構成されるスクロール型コンプレッサであって、モータ部10の回転軸12からの回転駆動力によって可動スクロールを旋回させて冷媒を吸入、圧縮、吐出する。
インバータ回路20は、ハウジング1の取付面1cに装着されている。取付面1cは、ハウジング1の天井部1dの外面に形成されている。本実施形態では、取付面1cは、ハウジング1の上側に位置する。
インバータ回路20は、半導体素子等からなり、モータ部10を駆動する三相電圧を発生する駆動回路を構成している。インバータカバー40は、インバータ回路20を覆うように形成されている。インバータカバー40は、ハウジング1にネジ(図示省略)により締結されている。
図示を省略しているが、ステータコア14の外周壁には、複数の凹部が設けられている。それぞれの凹部は、回転軸12の径方向中心側に凹んで、かつステータコア14に対して軸線方向に並行に延びるように形成されている。複数の凹部は、回転軸12を中心とする円周方向に同一間隔でずれるように配置されている。各凹部は、ハウジング1の内周面との間に冷媒流路を構成する。
上述した構成の電動圧縮機100の作動について簡単に説明する。まず、インバータ回路20が電源投入されて、モータ部10のステータコイル15に対して三相の駆動電流を流す。これに伴って、ステータコア14から回転磁界が発生するため、ロータ13に対して回転力が発生する。すると、ロータ13が回転軸12とともに回転する。したがって、圧縮機構30は、回転軸12からの回転駆動力によって旋回して冷媒を吸入する。
このとき、蒸発器側からの吸入冷媒は、ハウジング1の冷媒吸入口1a側内に流入する。すると、この吸入冷媒は、冷媒流路17、および前述の凹部により形成された冷媒流路を通過して圧縮機構30側に流れる。吸入冷媒は、圧縮機構30で圧縮され、冷媒吐出口1bから凝縮器側に吐出される。
一方、インバータ回路20は、その作動に伴って熱を発生する。インバータ回路20が発した熱が、ハウジング1の天井部1dを通して、冷媒吸入口1aからハウジング1内に流入した冷媒に伝わる。これにより、吸入冷媒によってインバータ回路20が冷却される。
このとき、ステータコイル15は、三相の駆動電流の通電に伴って熱を発生するものの、ステータコイル15から発生した熱は、ステータコア14を通して冷媒流路17、および前述の凹部により形成された冷媒流路内の冷媒に伝わる。これにより、ステータコア14、およびステータコイル15を吸入冷媒により冷却することができる。
次に、モータを駆動する駆動回路部の構成について説明する。
図2に示すように、インバータカバー40は、インバータ回路20を覆うようにハウジング1に取り付けられており、インバータ回路20は、ハウジング1の取付面1cに複数のネジにより取り付けられている。換言すれば、インバータ回路20は、ハウジング1の天井面1dを底面部とし、インバータカバー40が側面部および天井面部となるケーシング内に収容されている。インバータカバー40とハウジング1との間にはシール部材41が配設されており、インバータ回路20の収容空間と外部空間とを遮断している。
インバータ回路20は、第1基板21と第2基板22とを有し、第1基板21と第2基板22とは電気的接続部で接続されている。第1基板21は、パワー素子等を内蔵している素子内蔵回路基板である。
一方、第2基板22は、絶縁基材内に素子を内蔵していない非素子内蔵回路基板であり、例えばガラスエポキシ基板等の所謂汎用プリント基板からなり、絶縁基材の表面に各種回路素子等が実装されている。また、第2基板22には、外部との接続端子を有するコネクタ221や電源フィルタ等の大型部品が実装されている。
第1基板21と第2基板22とは積層配置されており、第1基板21が第2基板22よりもハウジング1側に配設されている。そして、第2基板22がネジでハウジング1に固定され、インバータ回路20はハウジング1に対して位置決め固定されている。
第1基板21には、両面のうち一方の面(図示上面、反ハウジング側の面)の外周縁部に、導体パターンの一部をなし例えばランドとして形成された電極が設けられている。この電極が第2基板22の図示下面(ハウジング側の面)に例えばランドとして形成された電極に電気的に接続されて、第1基板21と第2基板22との電気的接続部を形成している。
電気的接続部の周縁部における第1基板21と前記第2基板22との間には(すなわち、第1基板21と前記第2基板22との間の電気的接続部を除く部分には)接着剤であるアンダフィルが介設されており、第1基板21と前記第2基板22とを接着して、電気的接続部の周囲を補強している。
そして、第1基板21の両面のうち他方の面(図示下面、ハウジング側の面)が、ハウジング1の外面のうち内部を吸入冷媒が流通する部位に形成された取付面1cに密着している。
具体的には、第1基板21の下面とハウジング1の取付面1cとの間には、全域に亘って絶縁放熱シート24(絶縁シート部材)が介設され、絶縁放熱シート24を介して第1基板21とハウジング1とが密着している。絶縁放熱シート24は、例えば樹脂材(例えばシリコーン樹脂)、ゴム材(例えばシリコーンゴム)、無機材(例えばマイカ)等のいずれかからなる。絶縁放熱シート24には、例えばセラミックスフィラーを充填したシリコーン材を適用して好適である。
第2基板22には、第1基板21が積層配置された領域(基板積層方向から見たときに第2基板22の外周より内側で第1基板21が配設された領域)のうち、第1基板21と第2基板22との電気的接続部を除く領域(具体的には、電気的接続部よりも内側の領域)に、例えば矩形状の開口22aが形成されている。本例では、第2基板22の開口22aに沿った縁部のハウジング側の面が第1基板21との電気的接続部となっている。
したがって、第1基板21の上面は、電気的接続部よりも内側の領域が第2基板22の開口22a内に露出しており、この開口内露出領域には、第1基板22に回路を構成するスナバ部品等の回路素子が実装されている。
第1基板21は、熱可塑性樹脂からなる絶縁基材と、絶縁基材の内部に配置されたパワー素子と、絶縁基材の内部や表面に配置された他の回路素子(例えば、抵抗等の受動素子)等の電子部品と、絶縁基材の内部や表面に形成され、パワー素子や他の回路素子と電気的に接続する配線部としての導体パターンおよび層間接続ビアとを備えている。
換言すれば、第1基板21は、熱可塑性樹脂からなる絶縁基材の表面および内部に導体パターンが多層に配置され、異なる層の導体パターンの一部が層間接続部である層間接続ビア(例えば、導電性ペーストなどを採用することができる)によって電気的に層間接続されるとともに、絶縁基材中に導体パターン及び層間接続ビアと電気的に接続されたパワー素子等の電子部品が配置された多層基板である。
第1基板21の絶縁基材は、例えば、熱可塑性の樹脂フィルム(基材フィルム)を複数枚積層して、相互に接着(溶着)して構成されている。なお、樹脂フィルムに用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリエーテルエーテルケトンとポリエーテルイミドの混合材、或いは液晶ポリマーなどを採用することができる。
この第1基板21は、以下のようにして製造することができる。上述のような複数枚の熱可塑性の樹脂フィルムを、内部にパワー素子等を配置しつつ積層する。そして、この積層体を加熱しながら、積層方向における両側から加圧する。例えば、250〜350℃の雰囲気温度下で1〜10MPaの圧力で10〜20分間加圧する。このようにして、一括で熱圧着接合して第1基板21を製造することができる。
なお、第1基板21の絶縁基材として、熱可塑性の樹脂フィルムを複数枚用いる例を説明したが、絶縁基材は、少なくとも熱可塑性樹脂を含むものであればよく、例えば、熱可塑性樹脂を含む基材フィルムと、熱硬化性樹脂を含む基材フィルムとを相互に(例えば、交互に、あるいは、熱硬化性樹脂を含む基材フィルムが連続して積層されないように)積層してなるものを採用するようにしてもよい。この例では、熱可塑性樹脂を含む基材フィルムが接着剤層として機能する。
また、熱可塑性樹脂は、絶縁基材に内蔵するパワー素子等の内蔵素子の周囲に配設することが好ましい。内蔵素子に接する部分の少なくとも一部に熱可塑性樹脂を配置することが好ましく、内蔵素子を取り囲む全域(全面)に亘って熱可塑性樹脂を配置することがさらに好ましい。内蔵素子に接する部分に熱可塑性樹脂を配置すると、積層した複数枚の樹脂フィルムを加熱プレスして絶縁基材を形成する際に、絶縁基材中にパワー素子等の内蔵素子を封止する(内蔵素子の外面の電気接続部を除く全域を絶縁基材に密着させる)ことが容易である。
図2に示すように、ハウジング1の取付面1cが形成されている部分には、モータ部10のステータコイル15から延びハウジング1の天井部1dを貫通する貫通端子部16の貫通ピン部材161(貫通棒状導電部材)が突出している。貫通端子部16は、ハウジング1の天井部1dに形成された貫通孔1h内に配設されている。貫通ピン部材161のハウジング1外方に突出した部分は、第2基板22の導体パターンと電気的に接続している。
貫通ピン部材161は、第2基板22の導体パターン等に直接接続するものであってもよいし、第2基板22に実装されたコネクタ部品等に接続するものであってもよい。また、貫通端子部16の貫通ピン部材161は、第2基板22ではなく第1基板21に接続するものであってもよい。インバータ回路20と貫通ピン部材161との接続部分が、インバータ回路20からモータ部10へ供給電力を出力する出力部となっている。
図2では図示を省略しているが、図3に示すように、ハウジング1の天井部1dを貫通する貫通端子部16は複数(本例では3つ)設けられている。ハウジング1の天井面1dには、貫通端子部16を挿設する貫通孔1hが、貫通端子部16の数に対応して複数(本例では3つ)形成されている。
複数の貫通孔1hは、いずれも、円筒壁部1e(図2参照)の外周面1fとステータコア14(図2参照)の内周面14aとの間に形成されている。すなわち、ハウジング1やモータ部10の軸線方向から見たときに、複数の貫通孔1hは、いずれも、円筒壁部1eと軸受け12aとからなる軸受部の外周面1fと、ステータコア14とステータコイル15とからなるステータの内周面14aと、の間の領域に形成されている。
図3から明らかなように、本例では、複数の貫通孔1hは、上記した外周面1fや内周面14aと同心の円周上に等間隔に形成されている。なお、図3では、インバータ回路20をなす複数の基板や回路部品等の詳細な構成の図示を省略している。
ここで、貫通端子部16の構成について説明する。図4は、貫通端子部16の概略構造を示す断面図である。
図4に示すように、貫通端子部16は、貫通ピン部材161(ピン部材に相当)、絶縁筒部材162(絶縁部材に相当)、圧入圧縮リング163(支持部材に相当)、および、絶縁ブーツ164により構成され、ハウジング1の貫通孔1h内に配設されている。
貫通ピン部材161は、例えば銅材もしくは銅合金材等の金属材からなる。貫通ピン部材161は、貫通端子部16が貫通孔1h内に配設されたときに貫通孔1hの貫通方向に沿って延びる貫通部1611と、貫通部1611のハウジング1内方側の端部(図示下方端部)から貫通部1611の軸方向に対して直交する方向に延びる延在部1612とが、一体的に構成されている。
貫通部1611および延在部1612は、いずれも円柱状をなしている。貫通部1611には、軸線方向におけるほぼ中央部に(貫通孔1h内に位置する部分に)、外周面から凹んだ環状の環状溝161a(環状凹部に相当)が形成されている。環状溝161aは、軸線方向において間隔をあけて複数(本例では4つ)並設されている。
貫通ピン部材161の一端部(延在部1612の図示左方の先端部、ハウジング1内側の端部)には、端部から図示右方に向かって延在部1612の軸線方向に凹む横断面が円形の凹部161b(挿設凹部に相当)が形成されている。凹部161b内には、ステータコイル15から延びるリード線151の端部が絶縁被膜を除去されて挿設され、延在部1612の外周側からのかしめ加工によりかしめ固定されている。リード線151は、ステータコイル15を形成する被覆導線とは別体で、被覆導線に接続する線材であってもよいし、ステータコイル15を形成する被覆導線の一部をコイル部から引き出してリード線としたものであってもよい。
なお、貫通ピン部材161の他端部(貫通部1611の図示上方端部、ハウジング1外側の端部)は、前述したように、インバータ回路20の第2基板22に電気的に接続している。
貫通ピン部材161の貫通部1611の外周には、略円筒形状の絶縁筒部材162が貫通部1611を取り囲むように配設されている。絶縁筒部材162は、樹脂材(例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PAR(ポリアリレート)樹脂等のエンジニアリングプラスチック材)からなり、貫通ピン部材161と熱膨張率が近似したものとしている。
絶縁筒部材162は、軸線方向において内径がほぼ均一に形成されている。絶縁筒部材162は、外径が比較的大きい大外径部162aと、外径が大外径部162aよりも小さい小外径部162cとが一体成形されている。前述した貫通ピン部材161の貫通部1611の外周面は絶縁筒部材162の内周面に圧接している。
貫通部1611の環状溝161aの形成部分は、絶縁筒部材162の大外径部162aの内側にあって、環状溝161aの内部にも絶縁筒部材162が進入している。環状溝161aと貫通部1611の円筒状の外周面との角部において絶縁筒部材162が貫通ピン部材161に強く押し当てられ、高い面圧を発生している。
絶縁筒部材162の外周には、略円筒形状の圧入圧縮リング163が絶縁筒部材162を取り囲むように配設されている。圧入圧縮リング163は、金属材(例えば、真鍮等の銅合金材)からなり、軸線方向において外径がほぼ均一に形成されている。圧入圧縮リング163は、円筒状の円筒部163aと、円筒部163aの上下両端近傍において内方に向かって突出した環状突出部163b、163cとを備えている。
圧入圧縮リング163の内周面は、絶縁筒部材162の大外径部162aの外周面に圧接している。環状突出部163b、163cは、絶縁筒部材162を内方に向かって強く押圧して高い面圧を発生している。また、環状突出部163b、163cは、絶縁筒部材162を確実に保持している。
圧入圧縮リング163はハウジング1の貫通孔1h内に圧入されており、圧入圧縮リング163の外周面が全周にわたってハウジング1の貫通孔1hの内面に圧接している。圧入圧縮リング163は、貫通孔1h内への圧入に伴い内方へ向かって弾性変形して内径が縮小しており、圧入圧縮リング163の内周面が全周にわたって絶縁筒部材162の外周面を押圧して圧接しているとともに、絶縁筒部材162の内周面が全周にわたって貫通ピン部材161の貫通部1611の外周面を押圧して圧接している。
貫通端子部16のハウジング1の内部に位置する部分において、貫通ピン部材161にリード線151をカシメ固定した部位を被覆するように、例えばゴム材からなる絶縁ブーツ164が配設されている。具体的には、絶縁ブーツ164は、絶縁筒部材162の小外径部162cからリード線151の絶縁被膜が形成されている部分までを覆い、貫通ピン部材161やリード線151の絶縁被膜が除去された部分がハウジング1内に露出して冷媒やコンプレッサオイルに触れることを防止している。絶縁筒部材162および絶縁ブーツ164は、冷媒やコンプレッサオイルに耐性を有する材料により形成されている。
ここで、貫通端子部16の製造方法およびハウジング1への装着方法について、図4に加え図5〜図8を用いて説明する。
まず、図5に示すよう位置関係となるように、図示を省略した金型内に、貫通ピン部材161と圧入圧縮リング163とを配設する。図示を省略した金型内には、絶縁筒部材162の形状に対応したキャビティ(製品部)が形成されている。
次に、図示を省略した金型のキャビティ内に、絶縁筒部材162となる樹脂材を溶融充填し、冷却固化させる。すなわち、貫通ピン部材161と圧入圧縮リング163とを予め金型内に配設して所謂インサート成形加工を行い、絶縁筒部材162を成形する。これにより、図6に示すように、貫通ピン部材161と圧入圧縮リング163と間に絶縁筒部材162が配設される。図5および図6に示す工程が、ピン部材と支持部材との間に絶縁部材をなす樹脂材をインサート成形により充填するインサート成形加工工程である。
貫通ピン部材161と圧入圧縮リング163と間に絶縁筒部材162を配設したら、図7に示すように、貫通ピン部材161の凹部161b内にステータコイル15から延びるリード線151の絶縁被膜を除去した端部を挿入してかしめ加工によりかしめ固定する。図7に示す工程が、モータリード線接続工程である。
貫通ピン部材161の端部にリード線151を接続したら、図8に示すように、接続部を覆うように絶縁ブーツ164を装着する。なお、図7に示すかしめ加工を行う際には、絶縁ブーツ164は、既にリード線151を挿通した状態となっている。ここで、ゴム製の絶縁ブーツ164に代えて熱収縮チューブ等を絶縁被覆部材として採用することも可能である。図8に示す工程が、リード線接続部被覆工程である。
図8に示す貫通端子部16の製造が完了したら、図4に示すように、貫通端子部16をハウジング1の貫通孔1h内に圧入してハウジング1に装着する。ハウジング1に装着する前の貫通端子部16は、圧入圧縮リング163の外径がハウジング1の貫通孔1hの内径よりも若干大きくなっている。ハウジング1の内方から貫通端子部16を(具体的には圧入圧縮リング163を)貫通孔1h内に圧入すると、圧入圧縮リング163は、外周面が貫通孔1hの内面に倣うように弾性変形する。
これに伴い、圧入圧縮リング163の外周面が全周にわたってハウジング1の貫通孔1hの内面に圧接する。また、圧入圧縮リング163は、圧入による弾性変形に伴って縮径する(内径が縮小する)。圧入圧縮リング163の圧入に伴う縮径により、貫通ピン部材161の貫通部1611と圧入圧縮リング163との間で絶縁筒部材162が径方向に圧縮され、圧入圧縮リング163の内周面が全周にわたって絶縁筒部材162の外周面を押圧し、圧入圧縮リング163の内周面と絶縁筒部材162の外周面とが圧接状態となる。
また、縮径した圧入圧縮リング163によって内方に押し込まれた絶縁筒部材162により、絶縁筒部材162の内周面が全周にわたって貫通ピン部材161の貫通部1611の外周面を押圧し、絶縁筒部材162の内周面と貫通ピン部材161の外周面とが圧接状態となる。図8に示す貫通端子部16を図4に示すようにハウジング1に装着する工程が、圧入装着工程である。
ここで、貫通端子部16のハウジング1へ圧入装着工程を含む、電動圧縮機100の組立方法について、図2に加え図9〜図13を用いて簡単に説明する。
まず、図9に示すように、ハウジング1の本体部を準備し加熱する。ハウジング1の本体部は、所謂モータケースを含む部分であって、冷媒吐出口1bが形成された壁部を除いた略有底筒状体をなしている。
図9に示すハウジング1を加熱したら、図示下方端の開口部から、ハウジング1内にステータを挿設し、ハウジング1を冷却して、図10に示すようにステータをハウジング1内に固定する。図9および図10に示す工程が、ステータ固定工程(ステータ焼きばめ工程)である。
図10に示すように、ハウジング1に対して固定されたステータ(ステータコア14およびステータコイル15からなる構成)には、ステータコイル15から延びるリード線151を介して貫通端子部16が接続されている(前述したリード線接続部被覆工程までが完了している)。
ステータをハウジング1内に固定したら、図11に示すように、ハウジング1の天井部1dに形成された貫通孔1hに、貫通端子部16をハウジング1内方から装着する。図11に示す工程が、前述した圧入装着工程である。
前述したが、図11にも示すように、貫通孔1hは、ハウジング1の天井部1dうち、軸線方向からみたときに、軸受部の一部である円筒壁部1eの外周面1fと、ステータの一部であるステータコア14の内周面14aとの間の領域に形成されている。したがって、ステータの内方のスペースを利用して(例えば、ステータの内方のスペースに治具等を挿入して)、ハウジング1の天井部1dに形成された貫通孔1hに、貫通端子部16をハウジング1内方から容易に装着することができる。
図11に示す圧入装着工程を完了したら、図12に示すように、軸受け12a、12b、および、回転軸12が一体となったロータ13を、ハウジング1内に組み付ける。図12に示す工程が、ロータ組付工程である。
図12に示すロータ組付工程を完了したら、図13に示すように、圧縮機構30を装着して、ハウジング1本体部の開口端を閉塞し、ハウジング1内に圧縮機構30を収納する。図13に示す工程が、圧縮機構組付工程である。
図13に示す圧縮機構組付工程を完了したら、図2に示すように、インバータ回路20およびインバータカバー40を装着して、電動圧縮機100の組み立てを完了する。図13に示す組立体に、図2に示すようにインバータ回路20およびインバータカバー40を取り付ける工程が、インバータ組付工程である。
上述の構成および製造方法によれば、貫通ピン部材161の略円柱状の貫通部1611と略円筒状の圧入圧縮リング163との間に樹脂材からなる略円筒状の絶縁筒部材162を介設した簡単な構成の貫通端子部16を、ハウジング1の貫通孔1h内に圧入することで、圧入圧縮リング163の外周面を全周にわたってハウジング1の貫通孔1hの内面に圧接して圧入圧縮リング163とハウジング1との間を気密シールするとともに、圧入圧縮リング163を圧入に伴い縮径させて絶縁筒部材162を径方向に圧縮し、貫通ピン部材161と圧入圧縮リング163との間を絶縁しつつ気密シールすることができる。したがって、比較的簡単な構造の貫通端子部16により貫通端子部16を小型化することができる。
また、圧入圧縮リング163と貫通ピン部材161との間を樹脂材からなる絶縁筒部材162で絶縁しつつ気密シールしており、ガラス材を封止に用いる必要がないので、貫通ピン部材161に、電気導電率が高い銅材もしくは銅合金材を用いることができ、貫通ピン部材161の径を小さくすることが可能である。
また、圧入圧縮リング163と貫通ピン部材161とを金型内に予め配設して行うインサート成形法により絶縁筒部材162を成形している。したがって、圧入圧縮リング163と貫通ピン部材161との間に樹脂材からなる筒状の絶縁筒部材162を介設した簡単な構成の貫通端子部16を容易に形成することができる。
また、圧入圧縮リング163に内方に向かって突出した環状突出部163b、163cを設けて絶縁筒部材162を内方に向かって押圧し、圧入圧縮リング163の環状突出部163b、163cと絶縁筒部材162との間に比較的高い面圧を環状に発生させている。したがって、圧入圧縮リング163と絶縁筒部材162との間を確実に気密シールすることができる。
また、圧入圧縮リング163の上下両端近傍に環状突出部163b、163cを設けることで、圧入圧縮リング163と貫通ピン部材161との間の絶縁筒部材162が軸線方向において外方へ移動し難くなっている。したがって、径方向に圧縮された絶縁筒部材162がクリープして貫通ピン部材161と圧入圧縮リング163との間のシール性が低下することを抑制することが可能である。
また、貫通ピン部材161の貫通部1611の外周面に環状に形成した環状溝161aを複数設け、貫通ピン部材161の各環状溝161aの両側角部と絶縁筒部材162との間に、比較的高い面圧を環状に発生させている。したがって、貫通ピン部材161と絶縁筒部材162との間を確実に気密シールすることができる。
また、貫通ピン部材161の延在部1612の端部から軸方向に延びる凹部161bを形成して、凹部161b内にリード線151の端部を挿入してかしめ固定している。したがって、貫通ピン部材161の延在部1612の外周面よりも内側にステータコイル15からのリード線151を固定できるので、貫通端子部16を一層小型化することができる。リード線151の端部に接続端子をかしめ固定し、クラスタブロック内に組込み、貫通ピン部材161と接続するという方法を用いなくてもよいので、部品点数を低減し、工程も簡素化することができる。
また、貫通ピン部材161は、貫通孔1hの貫通方向に延びる貫通部1611と、貫通部1611のハウジング1の内方側の端部から貫通方向に直交する方向に延びる延在部1612とを有して、延在部1612の先端部にリード線151が接続している。すなわち、貫通ピン部材161は、ハウジング1内に配設される部位が略L字形状となっている。したがって、貫通ピン部材が直線状に形成されている場合よりも、モータ部10の軸線方向においてハウジング1を小型化することが可能である。
また、図2からも明らかなように、貫通ピン部材161の延在部1612は、貫通部1611のハウジングの内方側の端部から、モータ部10の径外方向に向かって延びている。これにより、リード線151が接続する延在部1612の先端部を、ステータコイル15に近接させることができる。したがって、ステータコイル15から延びるリード線151を比較的短くすることができる。
また、駆動回路部であるインバータ回路20は、モータ部10へ供給する供給電力を制御するパワー素子を絶縁基材中に内蔵した第1基板21を備えており、第1基板21は、ハウジング1の取付面1cに取り付けられ、ハウジング1内を流通する吸入冷媒で冷却されるようになっている。したがって、パワー素子の本体部を回路基板とは異なる層に配設してハウジングに押し付け冷却する必要がない。このようにして、パワー素子の冷却性を確保しつつインバータ回路20の体格を小型化することができる。
また、パワー素子の本体部を回路基板とは異なる層に配設してハウジングに押し付けパワー素子を冷却する場合には、回路基板の熱をハウジングに伝え難いが、本実施形態の構成によれば、第1基板21からハウジング1に放熱することが可能であり、放熱性を向上することができる。
また、インバータ回路20は、素子内蔵回路基板である第1基板21と非素子内蔵回路基板である第1基板22とを電気的に接続して構成している。したがって、インバータ回路20を構成する基板の一部を比較的安価な非素子内蔵回路基板として、インバータ回路20を比較的安価に構成することができる。
また、第2基板22には、第1基板21が積層配置された領域に開口22aが形成されており、この開口22a内において第1基板21の表面に回路素子が実装されている。このように、パワー素子や他の回路素子を所謂3次元配置することで、第1基板21の実装密度を向上して配線長さを比較的短くすることが可能である。これに伴い、内蔵されたパワー素子および開口22a内に実装された回路素子を含む閉ループ回路を形成したときの配線インダクタンスを低減でき、パワー素子のスイッチング動作時に発生するサージ電圧を低減してノイズの発生を抑制することができるとともに、損失を低減することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態では、貫通端子部16の貫通ピン部材161は、貫通孔1fの貫通方向に延びる貫通部1611と貫通部1611に直交する方向に延びる延在部1612とからなる略L字形状をなして、延在部1612の先端部がハウジング1およびモータ部10の径外方向を向いていたが、これに限定されるものではない。例えば、延在部1612がハウジング1およびモータ部10の径外方向以外に(例えば略周方向に)延びるものであってもよい。
また、上記実施形態では、貫通端子部16の貫通ピン部材161は、貫通孔1fの貫通方向に延びる貫通部1611と貫通部1611に直交する方向に延びる延在部1612とからなる略L字形状をなしていたが、これに限定されるものではない。例えば、貫通ピン部材161は、貫通孔1fの貫通方向に延びる貫通部1611と貫通部1611に直交以外の角度で交差する方向に延びる延在部1612とからなるものであってもよい。また、貫通ピン部材161は、延在部1612を有する屈曲形状に限定されず、延在部を有さず直線状に延びるものであってもよい。
また、上記実施形態では、貫通端子部16は、貫通ピン部材161と圧入圧縮リング163との間にインサート成形により樹脂材を充填して絶縁筒部材162を配設していたが、これに限定されるものではない。例えば、絶縁筒部材162を貫通ピン部材161や圧入圧縮リング163とは別体で成形して組み合わせるものであってもよい。
また、上記実施形態では、貫通ピン部材161の貫通部1611の外周面に環状溝161aを設けていたが、これに限定されるものではない。例えば、外周面に環状の凸部を設けるものであってもよいし、環状溝と環状凸部の両者を設けるものであってもよい。
また、上記実施形態では、貫通ピン部材161を銅材もしくは銅合金材で形成していたが、これに限定されるものではなく、例えば、アルミニウム材もしくはアルミニウム合金材等により形成することもできる。
また、上記実施形態では、貫通端子部16の貫通ピン部材161は、インバータ回路20の第2基板22に接続していたが、これに限定されるものではなく、第1基板21に接続するものであってもよい。また、貫通ピン部材161は、第1基板21や第2基板22の導体パターン等に直接接続するものに限定されず、例えば、インバータ回路20から延びるリード線等を介して、インバータ回路20に電気的に接続するものであってもよい。
また、上記実施形態では、第2基板22に開口22aを設けていたが、これに限定されるものではなく、例えば、開口を有しない第2基板22を採用してもかまわない。
また、上記実施形態では、第1基板21と第2基板22とを積層配置してインバータ回路20を構成していたが、これに限定されるものではない。例えば、第1基板21と第2基板22とを、いずれもハウジング1の取付面1cに沿うように並置して、相互に電気的に接続するものであってもよい。
また、上記実施形態では、駆動回路部であるインバータ回路20を、第1基板21および第2基板22の2枚の基板で構成していたが、これに限定されるものではない。インバータ回路20は、3枚以上の基板で構成してもよいし、パワー素子214を内蔵した1枚の回路基板で構成してもよい。また、インバータ回路20は、非素子内蔵基板のみで構成してもかまわない。
また、上記実施形態では、駆動回路部であるインバータ回路20は、モータ部10の軸線方向(モータ部10と圧縮機構30とが並んだ方向)における反圧縮機構側の面(図2図示上方側の面)にインバータ回路20が取り付けられ、貫通端子部16は、ハウジング1の天井部1dに設けた貫通孔1hに配設されていたが(所謂インラインタイプの電動圧縮機であったが)、これに限定されるものではなく、インバータ回路20はハウジング1の外面のうち内部を吸入冷媒が流通する部位に形成された取付面に取り付けられるものであればよい。例えば、インバータ回路20をモータ部10の軸線方向にほぼ平行なハウジング1の側面部に取り付け、貫通端子部16は、ハウジング1の側面部の貫通孔1hに配設するもの(所謂キャメルバックタイプの電動圧縮機)であってもよい。
1 ハウジング
1d 天井部(壁面部)
1e 円筒壁部(軸受部の一部)
1f 外周面(軸受部の外周面)
1h 貫通孔
10 モータ部(モータ)
12 回転軸
12a 軸受け(軸受部の一部)
13 ロータ
14 ステータコア(ステータの一部)
14a 内周面(ステータの内周面)
15 ステータコイル(ステータの一部)
16 貫通端子部
20 インバータ回路(駆動回路部)
30 圧縮機構
151 リード線
161 貫通ピン部材(ピン部材)
161a 環状溝(環状凹部)
162 絶縁筒部材(絶縁部材)
163 圧入圧縮リング(支持部材)
163b、163c 環状突出部
1611 貫通部
1612 延在部

Claims (9)

  1. 冷媒を吸入圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動する電動式のモータと、
    前記圧縮機構および前記モータを収納するとともに、内部を前記圧縮機構が吸入する吸入冷媒が流通するハウジングと、
    前記ハウジング外に設けられ、前記モータを駆動する駆動回路部と、
    前記ハウジングに形成された貫通孔内に設けられ、前記モータと前記駆動回路部とを電気的に接続する貫通端子部と、を備え、
    前記貫通端子部は、
    一端部に前記モータから延びるリード線が接続され、他端部に前記駆動回路部が電気的に接続された金属材からなるピン部材と、
    前記ピン部材の外周を取り囲むように配設された樹脂材からなる筒状の絶縁部材と、
    前記絶縁部材の外周を取り囲むように配設された金属材からなる筒状の支持部材と、を具備し、
    前記貫通孔内に圧入された前記支持部材の外周面が全周にわたって前記ハウジングに圧接しており、
    前記支持部材が前記圧入に伴い内方へ向かって変形して内径が縮小し、前記絶縁部材が前記支持部材と前記ピン部材との間で径方向に圧縮されて、前記支持部材の内周面が全周にわたって前記絶縁部材に圧接しているとともに、前記絶縁部材の内周面が全周にわたって前記ピン部材に圧接していることを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記貫通端子部は、前記ピン部材と前記支持部材との間に、前記絶縁部材をなす前記樹脂材がインサート成形により充填されていることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 前記ピン部材は、銅材もしくは銅合金材からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記支持部材は、内周側に内方に向かって突出した環状突出部を有し、
    前記環状突出部が前記絶縁部材を内方に向かって押圧していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の電動圧縮機。
  5. 前記ピン部材は、外周面に環状に形成された環状凹部もしくは環状凸部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の電動圧縮機。
  6. 前記モータは、ステータコイルが回巻されたステータと、前記ステータの内側で回動するロータとを備え、前記ステータコイルから延びる前記リード線が前記一端部に接続しており、
    前記ハウジングのうち、前記モータの軸線方向において前記圧縮機構とは反対側に位置する壁面部に、前記ロータの回転軸を支持するため軸受部が設けられており、
    前記貫通孔は、前記壁面部のうち、前記軸線方向から見たときに、前記軸受部の外周面と前記ステータの内周面との間の領域に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の電動圧縮機。
  7. 前記ピン部材は、前記貫通孔の貫通方向に延びる貫通部と、前記貫通部の前記ハウジングの内方側の端部から前記貫通方向に交差する方向に延びる延在部とを有して、前記延在部の先端部が前記一端部となっていることを特徴とする請求項6に記載の電動圧縮機。
  8. 前記延在部は、前記貫通方向に直交する方向に延びていることを特徴とする請求項7に記載の電動圧縮機。
  9. 前記延在部は、前記貫通部の前記ハウジングの内方側の端部から、前記モータの径外方向に向かって延びていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の電動圧縮機。
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