JP2012111933A - 熱可塑性シリコーン樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】取扱性および保存安定性に優れるとともに、耐熱性および透明性の向上を図ることができる熱可塑性シリコーン樹脂を提供すること。
【解決手段】ポリシロキサンからなる主鎖と、主鎖から枝分かれする少なくとも2つの側鎖とを有し、側鎖は、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性シリコーン樹脂、詳しくは、各種産業製品に広く利用できる熱可塑性シリコーン樹脂に関する。
従来、シリコーン樹脂は、各種皮膜形成材料や封止材、電気絶縁体などに広く利用されている。これらシリコーン樹脂の多くは、通常、常温において、液体であるために、取り扱いや保存が困難となる場合がある。
そこで、常温において、固体であって、加熱すると軟化する熱可塑性シリコーン樹脂が種々検討されている。
このような熱可塑性シリコーン樹脂としては、例えば、オルガノポリシロキサン−ポリ尿素のブロックコポリマーからなる熱可塑性シリコーン樹脂が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2003−247173号公報 特開2005−2340号公報
しかし、特許文献1および2に記載の熱可塑性シリコーン樹脂は、高温下において、黄変するため、耐熱性および透明性が求められる産業製品には不適である。
そこで、本発明は、取扱性および保存安定性に優れるとともに、耐熱性および透明性の向上を図ることができる熱可塑性シリコーン樹脂を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂は、ポリシロキサンからなる主鎖と、前記主鎖から枝分かれする少なくとも2つの側鎖とを有し、前記側鎖は、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基を含んでいることを特徴としている。
また、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂では、前記官能基が、核酸塩基であることが好適である。
また、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂では、前記官能基が、チミン、ウラシル、アデニンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好適である。
本発明の熱可塑性シリコーン樹脂は、ポリシロキサンからなる主鎖から枝分かれする少なくとも2つの側鎖を有し、側鎖は、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基を含んでいる。そのため、2つ以上の原子団が2つ以上の水素結合を形成し、主鎖を疑似架橋するので、常温において、固体状態となり、取扱性および保存安定性の向上を図ることができる。
また、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂では、主鎖がポリシロキサンからなるので、高温下における、変色および透明性の喪失を低減することができる。
したがって、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂は、取扱性および保存安定性の向上を図ることができながら、高温下における、変色および透明性の喪失を低減することができる。
本発明の熱可塑性シリコーン樹脂が、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基として、チミンおよびアデニンを有している場合の疑似架橋構造を説明するための概略説明図である。 本発明の熱可塑性シリコーン樹脂が、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基として、2つのチミンを有している場合の疑似架橋構造を説明するための概略説明図である。
本発明の熱可塑性シリコーン樹脂は、ビニル基含有多重水素結合性化合物と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、ヒドロシリル化触媒の存在下において反応させることにより調製される。
本発明の熱可塑性シリコーン樹脂を調製するには、まず、ビニル基含有多重水素結合性化合物と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを混合し、混合物を調製する。
ビニル基含有多重水素結合性化合物は、例えば、下記一般式(1)で示される。
一般式(1):
MHB−Y−CH=CH
一般式(1)におけるMHBは、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基を示し、Yは、二価の炭化水素基を示し、−CH=CHはビニル基を示す。
水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基は、水素結合を形成可能な原子団として、例えば、水素ドナー、水素アクセプターなどを有している。
水素ドナーは、窒素、酸素、硫黄などの電気陰性度が大きな原子に共有結合している水素原子であって、例えば、水やアルコールのOH基、アミンやアミドのNH基、チオールのSH基などが挙げられる。
水素アクセプターは、孤立電子対を有する電気的に陰性な原子であって、例えば、水やカルボニル基の酸素原子、含窒素芳香族化合物の窒素原子などが挙げられる。
これら水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基は、好ましくは、水素ドナーと水素アクセプターとを併有する。
このような水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基としては、例えば、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、ウラシルなどの核酸塩基、ジアミドピリジン、ジアミドピペラジン、ウレイドピリミジノン、イソシアヌレート、アミド(ウレイド)ピリミジンなどが挙げられる。
これら水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基のなかでは、好ましくは、アデニン、チミン、ウラシルなどの核酸塩基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、例えば、直鎖、分岐鎖または環状の飽和または不飽和炭化水素基などが挙げられる。
これら二価の炭化水素基の炭素数は、例えば、1〜60、入手性および得られる熱可塑性シリコーン樹脂の耐熱性を考慮すると、好ましくは、1〜50、さらに好ましくは、1〜30、とりわけ好ましくは、1〜6である。
これら二価の炭化水素基のなかでは、好ましくは、メチレン、フェニレンが挙げられる。
このようなビニル基含有多重水素結合性化合物としては、具体的には、1−アリルチミン(下記化学式(1))、1−(4−ビニルベンジル)チミン(下記化学式(2))、1−アリルウラシル(下記化学式(3))、1−アリルシトシン(下記化学式(4))、9−アリルアデニン(下記化学式(5))、9−アリルグアニン(下記化学式(6))、N−[2−(3−メチルウレイド)ピリミジン−4−イル]−4−ビニルベンズアミド(下記化学式(7))、1−(6−アリル−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリミジン−2−イル)−3−メチルウレア(下記化学式(8))などが挙げられる。
これらビニル基含有多重水素結合性化合物のなかでは、入手性および経済性を考慮すると、好ましくは、アリル基あるいはスチリル基を有する核酸塩基である、1−アリルチミン(下記化学式(1))、1−(4−ビニルベンジル)チミン(下記化学式(2))、1−アリルウラシル(下記化学式(3))、および、9−アリルアデニン(下記化学式(5))が挙げられ、さらに好ましくは、1−アリルチミン(下記化学式(1))、1−アリルウラシル(下記化学式(3))、および、9−アリルアデニン(下記化学式(5))が挙げられる。
化学式(1):
Figure 2012111933
化学式(2):
Figure 2012111933
化学式(3):
Figure 2012111933
化学式(4):
Figure 2012111933
化学式(5):
Figure 2012111933
化学式(6):
Figure 2012111933
化学式(7):
Figure 2012111933
化学式(8):
Figure 2012111933
このようなビニル基含有多重水素結合性化合物は、例えば、Tetrahedron誌、2005年、61巻、4009〜4014頁に記載の方法に従って合成したものを用いることができる。
ビニル基含有多重水素結合性化合物の混合割合は、混合物全量に対して、例えば、1〜99質量%、好ましくは、5〜80質量%、さらに好ましくは、10〜70質量%である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、特に制限されないが、相溶性を考慮すると、好ましくは、下記一般式(2)で示される。
一般式(2):
Figure 2012111933
(式中、A、B、CおよびDは構成単位であり、AおよびDが末端単位、BおよびCが繰り返し単位を示し、R〜Rは、同一または異なって、一価の炭化水素基を示す。aは0または1以上の整数、bは2以上の整数を示す。)
〜Rとしては、例えば、直鎖、分岐鎖または環状の飽和または不飽和炭化水素基などが挙げられ、入手性および得られる熱可塑性シリコーン樹脂の耐熱性を考慮すると、好ましくは、メチル基が挙げられる。
構成単位AおよびDは、末端単位であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの両末端にそれぞれ位置する。
構成単位Bは、繰り返し単位であり、その繰り返し単位数(a)は、例えば、0〜15000、安定性を考慮すると、好ましくは、1〜10000、さらに好ましくは、5〜1000である。
構成単位Cは、繰り返し単位であり、その繰り返し単位数(b)は、例えば、2〜15000、安定性を考慮すると、好ましくは、2〜10000、さらに好ましくは、5〜1000である。
構成単位Bと構成単位Cとの繰り返し単位数の和(a+b)は、例えば、2〜15000、好ましくは、2〜10000、さらに好ましくは、10〜2000である。
また、構成単位Bの繰り返し単位数の構成単位Cの繰り返し単位数に対する比(a/b)は、例えば、1500/1〜1/1500、好ましくは、1000/1〜1/1000、さらに好ましくは、100/1〜1/100である。
また、構成単位Bと構成単位Cとは,ランダム共重合していてもよく、ブロック共重合していてもよい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子量は、例えば、100〜1500000、安定性および取扱性を考慮すると、好ましくは、100〜1000000、さらに好ましくは、100〜100000である。
また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの粘度は、例えば、5〜50mPa・s、好ましくは、10〜40mPa・sである。
また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン−CO−メチルハイドロジェンポリシロキサン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン−CO−メチルフェニルポリシロキサンなどが挙げられ、好ましくは、メチルハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、市販品(GELEST社製)を用いることもでき、例えば、公知の方法に従って合成したものを用いることもできる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの混合割合は、混合物全量に対して、例えば、1〜99質量%、好ましくは、5〜80質量%、さらに好ましくは、10〜70質量%である。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構成単位CにおけるSiH基に対する、ビニル基含有多重水素結合性化合物のビニル基のモル比(ビニル基含有多重水素結合性化合物のビニル基/オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構成単位CにおけるSiH基)は、過不足なく反応させることを考慮すると、例えば、1/1〜0.1/1、好ましくは、1/1〜0.2/1、さらに好ましくは、1/1〜0.5/1であり、とりわけ好ましくは、実質的に等量である。
このため、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、ビニル基含有多重水素結合性化合物との配合割合は、構成単位CにおけるSiH基とビニル基とのモル比を考慮して、適宜調整される。
ヒドロシリル化触媒は、ビニル基含有多重水素結合性化合物のビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基とのヒドロシリル化反応を促進する化合物であって、例えば、白金黒、塩化白金、塩化白金酸、白金―オレフィン錯体、白金―カルボニル錯体、白金―アセチルアセナート錯体などの白金触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒などの金属触媒などが挙げられる。
このようなヒドロシリル化触媒のなかでは、相溶性および触媒活性を考慮すると、好ましくは、白金触媒が挙げられ、さらに好ましくは、白金―1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体などの白金―オレフィン錯体が挙げられる。
このようなヒドロシリル化触媒は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
このような白金錯体触媒の白金濃度は、例えば、0.5〜10質量%、好ましくは、1〜3質量%である。
また、ヒドロシリル化触媒として白金触媒を用いる場合、反応速度を考慮すると、混合物中における白金含有量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して、例えば、1.0×10−4〜10質量部、好ましくは、1.0×10−3〜1質量部である。
また、ヒドロシリル化触媒の配合割合は、混合物100質量部に対して、例えば、0.5〜5質量部、好ましくは、1〜3質量部である。
ビニル基含有多重水素結合性化合物と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒との混合方法としては、均一に混合されるのであれば、特に制限されないが、例えば、各成分に必要により、有機溶媒を加えて混合する。
有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
これら有機溶媒のなかでは、相溶性を考慮すると、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
有機溶媒の添加量は、混合物100質量部に対して、例えば、0.1〜1000質量部、好ましくは、1〜500質量部である。
次いで、得られた混合物を、攪拌しながら、必要により加熱する。
攪拌しながら加熱することにより、ビニル基含有多重水素結合性化合物のビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構成単位CにおけるSiH基とが、ヒドロシリル化反応により結合して、熱可塑性シリコーン樹脂が調製される。
反応条件としては、反応温度が、例えば、0〜200℃、好ましくは、20〜150℃、反応時間が、例えば、0.5〜96時間、好ましくは、10〜30時間である。
なお、ヒドロシリル化反応の進行度は、H−NMR測定によって、ビニル基含有多重水素結合性化合物のビニル基に由来するシグナルの強度によって確認することができ、シグナルが消失した段階で、反応が完結したものとみなす。
以上のように、ビニル基含有多重水素結合性化合物と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒との混合物を攪拌しながら加熱することによって、熱可塑性シリコーン樹脂が調製される。
また、調整された熱可塑性シリコーン樹脂には、上記成分に加えて、例えば、補強剤、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤など公知の添加剤を適宜の割合で添加することもできる。
このような熱可塑性シリコーン樹脂は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンに由来する、ポリシロキサンからなる主鎖と、ビニル基含有多重水素結合性化合物に由来する、主鎖から枝分かれする少なくとも2つの側鎖を有する。
そして、側鎖は、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基を含んでいる。
そのため、このような本発明の熱可塑性シリコーン樹脂は、その原子団が多重水素結合を形成し、主鎖を疑似架橋する。
例えば,図1には、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂が、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基として、チミンおよびアデニンを有する場合に形成される多重水素結合が示されている。
チミンは、水素結合を形成可能な原子団として、水素ドナーである窒素原子に結合した水素原子と、水素アクセプターであるカルボニル基の酸素原子とを有している。
また、アデニンは、水素結合を形成可能な原子団として、水素ドナーであるアミノ基の水素原子と、水素アクセプターである芳香族環の窒素原子を有している。
そして、チミンおよびアデニンが互いに近傍に位置するとき、チミンの水素ドナーとアデニンの水素アクセプター、および、チミンの水素アクセプターとアデニンの水素ドナーとが、それぞれ水素結合し、二重水素結合を形成する。そのため、熱可塑性シリコーン樹脂の主鎖は、その二重水素結合により、疑似架橋される。
また、図2には、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂が、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基として、2つのチミンを有する場合に形成される多重水素結合が示されている。
この場合、それぞれのチミンが互いに近傍に位置するとき、一方のチミンの水素ドナーと他方のチミンの水素アクセプター、および、一方のチミンの水素アクセプターと他方のチミンの水素ドナーとが、それぞれ水素結合し、二重水素結合を形成する。そのため、熱可塑性シリコーン樹脂の主鎖は、その二重水素結合により、疑似架橋される。
このような多重水素結合の結合エネルギーは、一般に、共有結合の結合エネルギーよりは、はるかに小さいものの単一の水素結合の結合エネルギーよりも大きい。
その結果、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂は、主鎖が多重水素結合により疑似架橋されるため、常温において固体となる。また、加熱すると水素結合が解離してゲル状または液状となり、熱可塑性挙動を示し、再度冷却すると、多重水素結合を形成して、樹脂は固体状態に戻る。つまり、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂の熱可塑性挙動は可逆的である。なお、本願明細書において、「常温」とは、15〜35℃を意味している。
このような熱可塑性シリコーン樹脂の軟化点は、例えば、40〜150℃、好ましくは、45〜100℃である。
そのため、熱可塑性シリコーン樹脂の取扱性および保存安定性の向上を図ることができる。
また、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂では、主鎖がポリシロキサンからなるので、高温下における、変色および透明性の喪失を低減することができる。
したがって、本発明の熱可塑性シリコーン樹脂は、取扱性および保存安定性の向上を図ることができながら、高温下における、変色および透明性の喪失を低減することができる。
本発明の熱可塑性シリコーン樹脂の用途としては、耐熱性に優れることから、例えば、絶縁性皮膜形成材料、耐候性塗装材料、絶縁成型材料、半導体封止材、シリコーン樹脂の添加剤などが挙げられる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、何らこれらに限定されるものではない。
実施例1
1−アリルチミン0.050g(0.30mmol)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(上記一般式(2)におけるR〜Rがすべてメチル基、a=10、b=11で表される化合物、粘度20mPa・s)0.042g(1−アリルチミンのビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基とのモル比が1/1)をジクロロエタン1mLに溶解し、ヒドロシリル化触媒として白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金濃度2質量%)2μL(白金含有量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して0.1質量部)を加えて、70℃で20時間攪拌した。その後、減圧下、室温(25℃)で溶媒を除去することにより、熱可塑性シリコーン樹脂を得た。
実施例2
実施例1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンに代えて、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(上記一般式(2)におけるR〜Rがすべてメチル基、a=20、b=9で表される化合物、粘度30mPa・s)0.074g(1−アリルチミンのビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基とのモル比が1/1)を用いた以外、実施例1と同様にして、熱可塑性シリコーン樹脂を得た。
実施例3
1−アリルチミンに代えて、1−(4−ビニルベンジル)チミン0.074g(0.30mmol)を用いた以外、実施例1と同様にして、熱可塑性シリコーン樹脂を得た。
実施例4
1−アリルチミンに代えて、1−アリルウラシル0.046g(0.30mmol)を用いた以外、実施例1と同様にして、熱可塑性シリコーン樹脂を得た。
実施例5
1−アリルチミンに代えて、9−アリルアデニン0.053g(0.30mmol)を用いた以外、実施例1と同様にして、熱可塑性シリコーン樹脂を得た。
比較例1
下記化学式(9)で示されるアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン2.44g、トリレン−2,4−ジイソシアネート0.50g(2.9mmol)、およびメチルエチルケトン6mLを窒素下、室温(25℃)で1時間攪拌混合した。その後、減圧下、室温(25℃)で溶媒を除去することにより、熱可塑性シリコーン樹脂を得た。
化学式(9):
Figure 2012111933
比較例2
アリルアルコール0.10g(1.7mmol)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(上記一般式(2)におけるR〜Rがすべてメチル基、a=10、b=11で表される化合物、粘度20mPa・s)0.24g(アリルアルコールのビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基とのモル比が1/1)をジクロロエタン3mLに溶解し、ヒドロシリル化触媒として白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金濃度2質量%)6μL(白金含有量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して0.1質量部)を加えて、70℃で20時間攪拌した。その後、減圧下、室温(25℃)で溶媒を除去することにより、熱可塑性シリコーン樹脂を得た。
試験例1(熱可塑性)
各実施例および比較例で得られた熱可塑性シリコーン樹脂(比較例2を除く)をホットプレートを用いて、30〜100℃に加熱し、固体状態のものが完全に液状になる温度を目視により確認した。その結果を表1に示す。
試験例2(耐熱性)
各実施例および比較例で得られた熱可塑性シリコーン樹脂を200℃の温風型乾燥機内に静置し、24時間経過後の色変化を目視により観察した。加熱前から変色のなかったものをA、黄色に変色したものをB、褐色に変色したものをCとした。その結果を表1に示す。
Figure 2012111933

Claims (3)

  1. ポリシロキサンからなる主鎖と、
    前記主鎖から枝分かれする少なくとも2つの側鎖とを有し、
    前記側鎖は、水素結合を形成可能な原子団を2つ以上有する官能基を含む、熱可塑性シリコーン樹脂。
  2. 前記官能基が、核酸塩基であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性シリコーン樹脂。
  3. 前記官能基が、チミン、ウラシル、アデニンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性シリコーン樹脂。
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