JP2003192898A - 付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents
付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物Info
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Abstract
硬化して透明シリコーンゴムを与え、しかも経時的に、
または高温にさらしても、透明性の低下や黄ばみを生じ
ないシリコーンゴム組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ケイ素原子に結合したアルケニル
基を有するポリオルガノシロキサン;(B)ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサン;(C)白金系化合物;
(D)比表面積が150〜600m2/gの乾式シリカ微粉
末;および(E)青色〜紫色または黒色を呈するコバル
ト化合物を含むことを特徴とする付加反応型ポリオルガ
ノシロキサン組成物。
Description
キサンを主成分とし、硬化してシリコーンゴムを与える
組成物に関し、さらに詳細には、付加反応によって硬化
して透明性の優れたシリコーンゴムを与え、硬化の際に
適切なポットライフを有し、かつ得られたシリコーンゴ
ムが、経時的に、または高温で透明性の低下や黄ばみを
生じないポリオルガノシロキサン組成物に関する。ま
た、本発明は、そのようなポリオルガノシロキサン組成
物を硬化させて得られた透明シリコーンゴムに関する。
熱性、耐寒性、電気特性などを生かして、いろいろな分
野で広く利用されている。特に、その離型性の良いこと
から、文化財、美術工芸品などの型取り材として用いら
れてきた。さらに、電子機器、事務機、家庭電器、自動
車部品などの分野で、商品開発段階や商品見本作成など
の際に用いるプロトタイプ成形が、その費用や所要期間
の改善に効果的であること、特に作業性が良好なことか
ら、付加反応型の液状シリコーンゴムが多用されてい
る。また、同様な硬化機構によるシリコーンゴムは、電
子部品などのポッティング材としても用いられている。
を与える組成物は、ベースポリマーであるアルケニル基
含有ポリオルガノシロキサンに、架橋剤であるポリオル
ガノハイドロジェンシロキサンと、上記両者を付加反応
させる触媒とを混合すると、常温でも反応が進行し、放
置中に系の見掛粘度が上昇して、ついにはゲル状物ない
し硬化物を形成するに至る。したがって、この種の組成
物は、たとえばベースポリマーと架橋剤とを含む混合
物、およびベースポリマーと触媒とを含む混合物を別個
に調製しておき、使用直前に均一に混合し、加熱して硬
化させる。
加工に適した流動性に長期間保存することができず、い
わゆるポットライフが短い。したがって、これを用いて
各種の成形やポッティングのような処理を行う場合に、
その工程管理、特に射出成形や滴下などによる量産の際
の工程管理が煩雑になる。このことは、硬化してシリコ
ーンゴムを得る工程を合理化するために、より低温、短
時間で硬化反応を行うように触媒や架橋剤の種類と量を
選択した場合に、特に顕著である。
類やその誘導体、マレイン酸ジアリル、トリアリルイソ
シアヌラート、ニトリル化合物などを用いて、常温にお
ける組成物のポットライフを増すことも可能であるが、
充分なポットライフを得るために多量の硬化遅延剤を用
いると、高温における硬化性を損じ、好ましくない。
ながら、常温において長時間保存して、見掛粘度の上昇
や、それに伴う作業性の劣化を生ずることなく、安定に
シリコーンゴムを得ることができるシリコーンゴム組成
物が求められている。
ムの用途のうち、特に、型材や硬化したポッティング材
を通して、成形体や電子部品を観察する必要があった
り、シリコーンゴム成形品の機能上または美観上の必要
性から、長期間にわたり、無色・透明であることが要請
されるような、各種の用途がある。
は、経時的に濁りや黄ばみを生じ、特に硬化や使用の際
に高温にさらされると、このような透明性の低下や黄ば
みが著しい。したがって、このような用途には、高温に
さらされても透明性を損ねず、また黄ばみを生じない透
明シリコーンゴムが求められている。
なシリコーンゴムの黄ばみを防止するために、ポリオル
ガノシロキサン、微粉末状シリカ充填剤および触媒量の
硬化剤を含む組成物に、青色もしくは黒色顔料を微量配
合することが開示されている。しかしながら、同公報の
実施例に記載されている系は、硬化剤として有機過酸化
物を用い、高分子量のポリメチルビニルシロキサンのビ
ニル基を、該有機過酸化物の熱分解によって生じるラジ
カルで攻撃して架橋させる系である。したがって、比較
的低分子量のアルケニル基含有ポリシロキサンのヒドロ
シリル化反応によって硬化する系における、前述のよう
な、高温における硬化性を維持しながら長いポットライ
フを得るという課題については何らの記載もなく、また
この課題の解決について示唆を与えるような記載もな
い。
における優れた硬化性と、常温における適切なポットラ
イフを有し、付加反応によって硬化して透明シリコーン
ゴムを与え、しかも経時的に、または高温にさらして
も、透明性の低下や黄ばみを生じないポリオルガノシロ
キサン組成物を提供することである。本発明のもう一つ
の課題は、上記のポリオルガノシロキサン組成物を硬化
させて得られる透明シリコーンゴムを提供することであ
る。
を達成するために研究を重ねた結果、常温で流動性を呈
し、付加反応によって硬化してシリコーンゴムを与える
系に、充填剤として、特定範囲の比表面積を有する乾式
シリカを選択し、かつ微量の青色〜紫色または黒色を呈
するコバルト化合物を配合することにより、予想しなか
ったことに、高温における硬化性を損ねることなく常温
で優れたポットライフを示し、かつ硬化により、透明性
に優れ、透明性の低下や黄ばみを示さない透明シリコー
ンゴムを与えることを見出して、本発明を完成するに至
った。
ノシロキサン組成物は、 (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に
2個以上有し、23℃における粘度が0.3〜1,00
0Pa・sであるポリオルガノシロキサン100重量部; (B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個
以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン、
(A)成分中のアルケニル基1個に対して、ケイ素原子
に結合した水素原子の数が0.4〜4個となるような
量; (C)白金系化合物、(A)に対して白金原子換算0.
1〜50重量ppm; (D)比表面積が150〜600m2/gの乾式シリカ微粉
末1〜60重量部;および (E)青色〜紫色または黒色を呈するコバルト化合物
0.001〜0.05重量部を含むことを特徴とする。
また、本発明のシリコーンゴムは、該ポリオルガノシロ
キサン組成物を、付加反応によって硬化させて得られる
ゴム状弾性体である。
ゴム組成物とは、付加反応によって硬化して透明シリコ
ーンゴムを与える、未硬化状態の組成物である。
ル基含有ポリオルガノシロキサンは、本発明の組成物に
おいてベースポリマーとなる成分である。この(A)成
分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に
2個以上有し、付加反応により網状構造を形成すること
ができるものであれば、どのようなものであってもよ
い。
ノシロキサンのシロキサン骨格は、直鎖状でも分岐状で
あってもよい。硬化後の組成物の機械的特性を向上さ
せ、プロトタイプ用など、複雑な形状の型取りに用いる
ためには、上記の直鎖状のポリジオルガノシロキサン
に、分岐状のポリオルガノシロキサンを混合して用いる
ことが好ましい。硬化物の機械的強度、特に引裂強さお
よび弾性率を上げるためには、(A)成分中に、シロキ
サン単位として1官能性単位および4官能性単位、なら
びに必要に応じてさらに2官能性単位および/または3
官能性単位からなり、ケイ素原子に結合した有機基のう
ち、1分子中少なくとも2個、好ましくは3個以上がア
ルケニル基である分岐状ポリオルガノシロキサンが2〜
50重量%配合され、残余が直鎖状の、両末端がアルケ
ニル基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンからなる
混合物を用いることがさらに好ましい。
3−ブテニルおよび5−ヘキセニルが例示され、合成が
容易で、適度の付加反応速度と保存安定性を得やすいこ
とから、ビニル基が好ましい。
機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどの
アルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;
フェニルなどのアリール基;2−フェニルエチル、2−
フェニルプロピルなどのアラルキル基;クロロメチル、
クロロフェニル、3,3,3−トリフルオロプロピルな
どの1価の置換炭化水素基が例示される。これらのう
ち、合成が容易であって、機械的性質および硬化前の流
動性などの特性のバランスが優れている点から、メチル
基が最も好ましい。硬化物に耐油性が求められる場合
は、該メチル基のほかに、上記のようなフルオロ置換ア
ルキル基を有することが好ましい。
末端または途中のいずれに存在してもよく、その双方に
存在してもよいが、硬化後の組成物に優れた機械的性質
を与えるためには、直鎖状の場合、少なくともその両末
端に存在していることが好ましい。
3〜1,000Pa・sのものから、目的に応じて任意に選
択される。特に型取りや各種成形品のような用途に用い
るには、硬化前の組成物が良好な流動性および作業性を
有し、硬化後の組成物が適度の弾性および機械的性質を
有するために、該粘度が0.5〜100Pa・sのものが好
ましく、2〜20Pa・sのものが特に好ましい。(A)成
分としては、透明性を損ねない範囲で複数の種類のアル
ケニル基含有ポリオルガノシロキサンを混合して用いる
ことができるが、その場合、混合された(A)成分全体
として、上記の粘度範囲であれば差支えない。
ガノハイドロジェンシロキサンは、分子中に含まれるヒ
ドロシリル基が(A)成分中のアルケニル基への付加反
応を行うことにより、(A)成分の架橋剤として機能す
るものであり、硬化物を網状化するために、ケイ素原子
に結合した水素原子を少なくとも3個有している。
機基としては、前述の(A)成分におけるアルケニル基
以外の有機基と同様のものが例示され、それらの中で
も、合成が容易な点から、メチル基が最も好ましい。
鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよい。ま
た、これらの混合物を用いてもよい。
が、同一のケイ素原子に2個以上の水素原子が結合した
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは合成が困難な
ので、3個以上のシロキサン単位からなることが好まし
い。
なものが例示される。 a.(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位からな
る分岐状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン; b.次式:
100の整数であり、ランダムに配列される)で示され
る直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;およ
び c.次式:
100の整数であり、ランダムに配列される)で示され
る直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン。
ルケニル基1個に対して(B)成分中のケイ素原子に結
合した水素原子が0.4〜4個、好ましくは1〜3個と
なる量である。上記の水素原子の存在比が0.4未満と
なる量では、硬化が完全に終了しないため、組成物を硬
化して得られる型や成形品が粘着性を帯び、母型から成
形品や型を成形する場合の離型性、また、上記の型を用
いて型取りして得られる複製品の該型に対する離型性が
低下する。逆に、上記の水素原子の存在比が4を越える
量の場合は、硬化の際に発泡が起こりやすく、それが母
型と成形品またはシリコーンゴム型との界面、およびシ
リコーンゴム型と型取りして得られる複製品との界面に
たまって、表面状態の良くない成形品や複製品を与える
のみならず、得られた成形品や型が脆くなり、型の場合
には、樹脂の注型回数の低下、すなわち型取り寿命の低
下をもたらしたり、型の機械的強度が低下したりする。
合物は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中の
ヒドロシリル基との間の付加反応を促進させるための触
媒である。
白金酸とアルコールの反応生成物、白金−オレフィン錯
体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯
体などが例示される。このうち、(A)成分および
(B)成分への溶解性や、触媒活性が良好な点から、塩
化白金酸とアルコールの反応生成物および白金−ビニル
シロキサン錯体などが好ましい。
し、白金原子換算で0.1〜50重量ppm、好ましくは
2〜30重量ppmである。0.1重量ppm未満では、硬化
速度が遅く、硬化が完全に終了しないため、成形品やシ
リコーンゴム型が粘着性を帯びて、母型からの成形品ま
たはシリコーンゴム型の離型性およびシリコーンゴム型
からの複製品の離型性が低下する。逆に50重量ppmを
越えると、硬化速度の制御が困難となり、各成分を配合
した後の作業性が損なわれる。また、硬化後に高温にさ
らされると、黄ばみを生ずる傾向が著しい。
カ微粉末は、硬化して得られるシリコーンゴムに優れた
機械的性質を与えるとともに、優れた透明性を与えるも
のである。その比表面積は、BETによる測定で150
〜600m2/gであり、好ましくは200〜400m2/gで
ある。比表面積が150m2/g未満では、充分な機械的性
質が得られないばかりか、また加熱によって透明性が低
下し、黄ばみを生じる。一方、比表面積が600m2/gを
越えると、取扱いが困難なうえ、組成物の見掛粘度が著
しく上昇して、作業性が阻害される。
クシリカなどが例示され、任意の比表面積のシリカが容
易に入手でき、硬化して得られるシリコーンゴムに優れ
た機械的性質を与えることから、煙霧質シリカが好まし
い。また、同様な比表面積を有する微粉末シリカでも、
沈殿シリカのような湿式シリカを用いると、充分な透明
性が得られず、また加熱によって黄ばみを生じる。
疎水化して用いてもよい。より優れたポットライフを得
るには、表面を疎水化して用いることが好ましい。疎水
化剤としては、ジメチルジクロロシラン、トリメチルク
ロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチル
ジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オク
タメチルシクロテトラシロキサンのような有機ケイ素化
合物が用いられる。このような疎水化処理は、非処理の
(D)成分を単独で疎水化剤と反応させて行ってもよ
く、透明シリコーンゴム組成物を調製する際に、ヘキサ
メチルジシラザンのような疎水化剤とともに加熱する工
程を挿入して行ってもよい。
重量部に対して1〜60重量部、好ましくは10〜40
重量部である。1重量部未満では、未硬化の組成物が過
度に流動性を帯びて、たれ現象を生ずるばかりか、硬化
物に充分な機械的強度を与えることができない。また、
60重量部を越えると、未硬化の組成物の見掛粘度が過
大となって、流動しなくなる。
にとって最も特徴的な成分であり、コバルト化合物のう
ち、青色〜紫色または黒色を呈するものであって、好ま
しくは微粉末の形で配合される。(E)成分としては、
硫酸コバルト、リン酸コバルト、ケイ酸コバルト、アル
ミン酸コバルト、CaO−MgO−Al2O3、スズ酸コ
バルト、Co3O4、アセチルアセトナトコバルトなどが
例示され、容易に入手でき、ポットライフを長くする効
果と、透明性を保ち、黄ばみを防止する効果がともに優
れていることから、アルミン酸コバルトが好ましい。
て1〜50重量ppmであり、好ましくは5〜20重量ppm
である。(E)成分が1重量ppm未満では、ポットライ
フを長くする効果や、シリコーンゴムの透明性を維持
し、黄ばみを防止する効果が得られない。一方、50重
量ppmを越えると、かえって透明性を損なう。
果として、組成物の保存安定性を向上させるために、必
要に応じて、少量の(F)アセチレンアルコール類また
はその誘導体を、硬化遅延剤として用いることができ
る。アセチレンアルコール類としては、3−メチル−1
−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3
−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オー
ル、1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどが例示
される。アセチレンアルコール類の誘導体としては、上
記のアセチレンアルコール類のヒドロキシル水素原子
を、トリメチルシリル基のようなケイ素原子含有基で置
換された化合物などを用いることができる。
ける安定性を高め、かつ高温における硬化性を著しくは
遅延させないために、(A)と(B)の合計量100重
量部に対して通常0.01〜5重量部であり、好ましく
は0.05〜3重量部である。
徴を阻害しない範囲で、必要に応じて、ポリジメチルシ
ロキサンのような非反応性シリコーンオイルを、粘度調
節剤として配合することができる。
およびさらに必要に応じて配合される他の成分を、万能
混練機、ニーダーなどの混合手段によって均一に混練し
て調製することができる。また、安定して長期間貯蔵す
るために、(B)成分と(C)成分が別々の容器になる
ように、適宜、2個の容器に配分して保存しておき、使
用直前に混合し、減圧で脱泡して使用に供してもよい。
を、80〜200℃で5〜60分間、好ましくは120
〜170℃に加熱して、透明シリコーンゴムを得ること
ができる。成形は、注型、トランスファー成形、射出成
形などによって行うことができ、また、必要な箇所に、
滴下、流延などの方法によって処理を行った後に、加熱
して硬化させてもよい。
をさらに詳細に説明する。これらの例において、部は重
量部を示し、粘度は23℃における粘度を示す。本発明
は、これらの実施例によって限定されるものではない。
サンを用いた。ただし、以下、シロキサン単位を、次の
ような記号で示す。 M 単位: (CH3)3SiO1/2− Mv単位: (CH3)2(CH2=CH)SiO1/2− D 単位:−(CH3)2SiO− DH単位:−(CH3)HSiO− DV単位:−(CH3)(CH2=CH)SiO− Q 単位: SiO4/2(4官能性) A−1:分子末端がMv単位で封鎖され、中間単位がD
単位からなり、23℃における粘度が15Pa・sである直
鎖状ポリメチルビニルシロキサン; A−2:分子末端がMv単位で封鎖され、中間単位が
0.05モル%のDv単位と残余のD単位からなり、2
3℃における粘度が0.5Pa・sである直鎖状ポリメチル
ビニルシロキサン; A−3:M単位、Mv単位およびQ単位からなり、モル
比M/Q=0.7で、100gあたりのビニル基量が
0.1モルに相当するMv単位を含有する分岐状ポリメ
チルビニルシロキサン; B−1:量末端がM単位で封鎖され、中間単位が50モ
ル%のDH単位と残余のD単位からなり、23℃におけ
る粘度が0.05Pa・sである直鎖状ポリメチルハイドロ
ジェンシロキサン。
て、塩化白金酸をDv 4で示される環状シロキサンと加熱
することによって得られ、白金含有量が2重量%である
白金−ビニルシロキサン錯体を用いた。
カを用いた。ただし、D−4およびD−5は、比較用で
ある。 D−1:比表面積200m2/gの煙霧質シリカ、ヘキサメ
チルジシラザン処理 D−2:比表面積300m2/gの煙霧質シリカ、ヘキサメ
チルジシラザン処理 D−3:比表面積300m2/gの煙霧質シリカ、非処理 D−4:比表面積130m2/gの煙霧質シリカ、ヘキサメ
チルジシラザン処理 D−5:比表面積190m2/gの沈殿シリカ、非処理
に、D−1を40部およびスピネル型アルミン酸コバル
トを0.0005部加えて、150℃において4時間の
加熱混練を行った。常温にまで冷却した後、C−1を、
A−1に対して白金原子換算で1重量ppmになる量添加
し、混練して分散させた。このようにして得られた混和
物に、B−1を3部配合して均一に混合し、透明シリコ
ーンゴム組成物を調製した。
次のような実験(1)〜(3)を行った。その結果は、
表1に示すとおりであった。
成物について、温度150℃で硬化曲線を得て、T10
およびT90を求めた。
度計を用いて測定して、初期値とした。23℃に放置し
て、粘度の経時変化を10日間にわたって追い、見掛粘
度が初期値の2倍になった時点をポットライフとした。
化させることにより、100mm×100mm、厚さ6mmの
透明シリコーンゴムシートに成形した。目視により、該
シートの透明性と黄ばみを評価した。ついで、該シート
を温度70℃の恒温層に入れ、1ヵ月放置して、目視に
より、透明性と黄ばみのそれぞれ変化を評価した。ま
た、同様のシートを温度100℃の沸騰水中に入れ、7
日間放置して、同様に透明性と黄ばみのそれぞれ変化を
評価した。
調製した。なお、実施例6では、アセチレンアルコール
を用いなかった。これらについて、実施例1と同様の実
験を行った。それらの結果を、実施例1の結果とともに
表1に示す。
金原子換算の重量ppm* 2:温度150℃* 3:見掛粘度が初期値の2倍になった時点 *5:70℃、1ヵ月加熱後 *6:100℃、7日間煮沸後
に用いた比較例1のシリコーンゴムは、加熱後の黄ばみ
の変化が大きかった。沈殿シリカを用いた比較例2のシ
リコーンゴムは、成形直後にすでに乳白色を呈して透明
性が悪く、また加熱または煮沸によって黄ばみを生じ
た。比表面積の小さい煙霧質シリカを用いた比較例3の
透明シリコーンゴムは、初期の透明性は優れているが、
加熱または煮沸によって透明性が大きく低下し、黄ばみ
も生じた。コバルト化合物を用いない比較例4および5
の組成物は、ポットライフが短いうえ、黄ばみが著し
く、加熱または煮沸によってさらに黄ばみを増した。そ
れに対して、本発明による実施例1〜6の組成物は、良
好な硬化性と満足なポットライフを示した。また、それ
を硬化して得られたシリコーンゴムは、優れた透明性を
示して、黄ばみも少なく、長期間加熱または煮沸しても
その透明性および色調は変化しないか、僅かに黄ばみを
生じただけであった。
ゴム組成物は、硬化性を損なわずに優れたポットライフ
を示すので、作業性および特に量産の工程管理に極めて
有利である。しかも、該組成物より得られる透明シリコ
ーンゴムは、その透明性が優れ、黄ばみを生じないか、
きわめて少ないうえ、長期間加熱または煮沸しても、透
明性が低下したり黄ばみが増すようなことがない。
シリコーンゴム組成物は、プロトタイプをはじめとする
各種の成形品、型材などで、透明性が必要な用途に広く
用いられる。特に、高温に長時間さらされたり、煮沸を
繰返しても透明性が損なわれず、黄ばみを生じないこと
が必要な用途に好適である。また、射出成形による成形
品の作製や、滴下法によるポッティングのような量産加
工にも好適であり、その工業的価値は高い。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合したアルケニル
基を1分子中に2個以上有し、23℃における粘度が
0.3〜1,000Pa・sであるポリオルガノシロキサン
100重量部; (B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個
以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン、
(A)成分中のアルケニル基1個に対して、ケイ素原子
に結合した水素原子の数が0.4〜4個となる量; (C)白金系化合物、(A)に対して白金原子換算0.
1〜50重量ppm; (D)比表面積が150〜600m2/gの乾式シリカ微粉
末1〜60重量部;および (E)青色〜紫色または黒色を呈するコバルト化合物、
(A)に対して1〜50重量ppmを含むことを特徴とす
る付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物。 - 【請求項2】 (D)が、煙霧質シリカである、請求項
1記載の組成物。 - 【請求項3】 (E)が、アルミン酸コバルトである、
請求項1または2記載の組成物。 - 【請求項4】 さらに、(F)アセチレンアルコール類
またはその誘導体を含む、請求項1〜3のいずれか1項
記載の組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の組成
物を、付加反応によってを硬化させて得られたシリコー
ンゴム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005268565A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Dow Corning Toray Co Ltd | 半導体装置の製造方法および半導体装置 |
JP2005325158A (ja) * | 2004-05-12 | 2005-11-24 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 付加硬化型シリコーンゴム組成物 |
WO2007104121A1 (en) * | 2006-03-14 | 2007-09-20 | Csl Silicones Inc. | Silicone coating composition for protection from cathodic stress |
JP2012036288A (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-23 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | シリコーンゴム系硬化性組成物および医療用チューブ |
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