JP2012111285A - 車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法 - Google Patents

車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012111285A
JP2012111285A JP2010260181A JP2010260181A JP2012111285A JP 2012111285 A JP2012111285 A JP 2012111285A JP 2010260181 A JP2010260181 A JP 2010260181A JP 2010260181 A JP2010260181 A JP 2010260181A JP 2012111285 A JP2012111285 A JP 2012111285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
width direction
door frame
vehicle width
frame member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010260181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5583559B2 (ja
Inventor
Hiroaki Yamazaki
洋明 山▲崎▼
Masashi Saeki
正史 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HISADA CO Ltd
Aisin Corp
Original Assignee
HISADA CO Ltd
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HISADA CO Ltd, Aisin Seiki Co Ltd filed Critical HISADA CO Ltd
Priority to JP2010260181A priority Critical patent/JP5583559B2/ja
Publication of JP2012111285A publication Critical patent/JP2012111285A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5583559B2 publication Critical patent/JP5583559B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)

Abstract

【課題】板材の切断加工を行なうことなく、フレーム部材の断面2次モーメントの長手方向における分布を適正なものとすることができる。
【解決手段】車両用ドアフレームは、長尺状の部材であって、その長手方向に対して直交する方向に湾曲するとともに車両後方に突出してなる中空部141と、中空部141から車幅方向外側に延びるとともに対向する面同士が当接する重合部142とを一体として有するフレーム部材40を備える。重合部142を構成する後側の部位である第2平面部147が車幅方向に分断され、中空部141により区画される面であって長手方向に対して直交する面Sの面積が下方ほど小さくされるとともに、車幅方向におけるフレーム部材40の幅Wが下方ほど大きくされる。
【選択図】図3

Description

本発明は、長尺状の部材であって、その長手方向に対して直交する方向に湾曲するとともに車両後方に突出してなる中空部と、同中空部から車幅方向外側に延びるとともに対向する面同士が当接する重合部とを一体として有するフレーム部材を備える車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法に関する。
従来、この種の車両用ドアフレームとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のドアフレームも含めて従来一般のドアフレームは、ドア本体に連結される長尺状のフレーム部材を備えている。このフレーム部材は、ロール成形により一枚の板材から形成されるものや、押出し成形により形成されるものがある。例えば特許文献1に記載のドアフレームの場合には、フレーム部材はロール成形により形成され、その長手方向に対して直交する方向に板材が曲げ返されて全体として車両後方に突出する箱型横断面部を有している。また、フレーム部材は、この箱型横断面部から車幅方向外側に延びるとともに板材の対向する面同士が当接する部位(以下、重合部と称する)を有している。また、フレーム部材は、この重合部から車両前後方向に延びて車両の意匠面の一部をなす意匠部を有している。
ここで、特許文献1に記載のドアフレームでは、上記箱型横断面部を形成するに先立ち、板材の徐変トリムを行なうようにしている(特に、段落、図面の図7(a)参照)。こうした徐変トリムを行なうことにより、箱型横断面部の車幅方向における幅Wが、フレーム部材の長手方向において下方に位置する部位ほど、すなわちドアパネルとの結合部に近接するほど大きくなるように徐変される。これにより、フレーム部材の下方に位置する部位ほど断面2次モーメントを的確に増大させつつ、上方に位置する部位ほど重量が不要に増加することを抑制するようにしている。
特開平7−329572号公報
ところが、こうした従来の車両用ドアフレームにあっては、フレーム部材を形成するために、板材の曲げ加工に加えて、板材のトリム加工、すなわち切断加工を行なう必要がある。そのため、ドアフレームの加工工程が煩雑なものとなる。更に、板材の切断加工を通じて、切断片が生じることとなるため、材料の歩留まり率が悪いといった問題が生じる。
本発明の目的は、板材の切断加工を行なうことなく、フレーム部材の断面2次モーメントの長手方向における分布を適正なものとすることのできる車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、長尺状の部材であって、その長手方向に対して直交する方向に湾曲するとともに車両後方及び車両前方のいずれか一方に突出してなる中空部と、同中空部から車幅方向外側に延びるとともに対向する面同士が当接する重合部とを一体として有するフレーム部材を備える車両用ドアフレームであって、前記重合部を構成する部位であって前記中空部の突出方向前方に位置する部位が車幅方向に分断され、鉛直方向下方ほど、前記中空部により区画される面であって長手方向に対して直交する面の面積が小さくされるとともに、車幅方向における同フレーム部材の幅が大きくされてなることをその要旨としている。
同構成によれば、重合部を構成する部位であって中空部の突出方向前方に位置する部位が車幅方向に分断されるものとすることで、フレーム部材において鉛直方向下方ほど、中空部により区画される面であって長手方向に対して直交する面の面積を小さくするとともに、車幅方向における同フレーム部材の幅を好適に大きくすることが可能となる。これにより、フレーム部材の断面2次モーメントが鉛直方向下方ほど大きくなる。従って、板材の切断加工を行なうことなく、フレーム部材の断面2次モーメントの長手方向における分布を適正なものとすることができるようになる。
請求項1に記載の車両用ドアフレームは、請求項2に記載の発明によるように、前記フレーム部材は、一枚の板材から形成される長尺状の部材であって、前記中空部は、長手方向に対して直交する方向に前記板材が曲げ返されてなり、前記重合部は、前記中空部から車幅方向外側に延びるとともに前記板材の対向する面同士が当接してなるといった態様をもって具体化することができる。このように、一枚の板材から曲げ加工により、中空部と重合部とを有するフレーム部材を形成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ドアフレームにおいて、前記重合部には車幅方向の所定位置において同重合部を構成する車両前側の部位と車両後側の部位とが互いに固定され、前記重合部は当該固定される部位よりも車幅方向内側にて分断されてなることをその要旨としている。
重合部を構成する部位であって中空部の突出方向前方に位置する部位が車幅方向に分断されると、この分断部よりも車幅方向外側の部位が互いに離間するおそれがある。
この点、上記構成によれば、重合部を構成する車両前側の部位と車両後側の部位とが互いに固定され、この固定される部位よりも車幅方向内側にて中空部の突出方向前方に位置する部位が分断される。従って、分断部よりも車幅方向外側の部位が互いに離間することを抑制することができるようになる。
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用ドアフレームは、請求項4に記載の発明によるように、前記中空部は、長手方向における前記フレーム部材とドア本体との連結位置において、同中空部を構成する車幅方向内側の部位と車幅方向外側の部位とが互いに当接してなるといった態様をもって具体化することができる。この場合、上記連結位置での車幅方向におけるフレーム部材の幅を的確に大きくすることができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドアフレームにおいて、前記ドアフレームはドアミラーが取り付けられるドアに適用されて前記ドアミラーを前記ドアに取り付けるためのブラケットを備え、前記重合部を構成する車両後側の部位は長手方向において前記ブラケットが配設される範囲内にて車幅方向に分断され、前記ブラケットは、前記中空部に対向する面が、長手方向における前記中空部の突出態様に応じて徐変されてなることをその要旨としている。
中空部により区画される面の上記面積及び車幅方向におけるフレーム部材の幅が長手方向において徐変される構成にあって、ドアミラーをドアに取り付けるためのブラケットとして従来一般のものを採用した場合には、ブラケットの形状によっては中空部とブラケットとが干渉するおそれがある。
この点、上記構成によれば、ブラケットにおける中空部に対向する面が長手方向において徐変されているため、中空部とブラケットとが干渉することを抑制することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、長尺状のフレーム部材を形成する工程であって、その長手方向に対して直交する方向に湾曲するとともに車両後方及び車両前方のいずれか一方に突出する中空部と、同中空部から車幅方向外側に延びるとともに対向する面同士が当接する重合部とを一体として有するフレーム部材を形成する第1工程と、前記重合部を構成する部位であって前記中空部の突出方向前方に位置する部位を車幅方向に分断するスリットを形成する第2工程と、鉛直方向下方ほど、前記中空部により区画される面であって長手方向に対して直交する面の面積を小さくするとともに、車幅方向における同フレーム部材の幅を大きくするように前記中空部をプレス加工する第3工程と、を備えることをその要旨としている。
同方法によれば、まず、第1工程において、車両後方及び車両前方のいずれか一方に突出する中空部と重合部とを有する長尺状のフレーム部材が形成される。次に、第2工程において、重合部を構成する部位であって中空部の突出方向前方に位置する部位を車幅方向に分断するスリットが形成される。次に、第3工程において、中空部をプレス加工することにより、鉛直方向下方ほど、中空部により区画される面であって長手方向に対して直交する面の面積が小さくされるとともに、車幅方向におけるフレーム部材の幅が好適に大きくされる。これにより、鉛直方向下方ほど断面2次モーメントが大きなものとなるフレーム部材を製造することができるようになる。従って、板材の切断加工を行なうことなく、フレーム部材の断面2次モーメントの長手方向における分布を適正なものとすることのできるドアフレームを製造することができるようになる。
請求項6に記載の車両用ドアフレームの製造方法は、請求項7に記載の発明によるように、前記第1工程は、長尺状のフレーム部材を曲げ加工により一枚の板材から形成する工程であって、その長手方向に対して直交する方向に前記板材が曲げ返されて車両後方及び車両前方のいずれか一方に突出する中空部と、同中空部から車幅方向外側に延びて前記板材の対向する面同士が当接する重合部とを有するフレーム部材を形成するといった態様をもって具体化することができる。このように、一枚の板材から曲げ加工により、中空部と重合部とを有するフレーム部材を形成することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の車両用ドアフレームの製造方法において、前記第2工程に先立ち、前記重合部の車幅方向の所定位置において同重合部を構成する車両前側の部位と車両後側の部位とを互いに溶接する第4工程を更に備え、前記第2工程では、前記所定位置よりも車幅方向内側に前記スリットを形成することをその要旨としている。
第2工程によってスリットを形成し、重合部を構成する後側の部位を車幅方向に分断すると、この分断部よりも車幅方向外側の部位が互いに離間するおそれがある。
この点、上記方法によれば、まずは第4工程により、重合部を構成する車両前側の部位と車両後側の部位とが互いに固定され、その後の第2工程により、この固定部よりも車幅方向内側にて車両後側の部位が分断される。従って、分断部よりも車幅方向外側の部位が互いに離間することを抑制することができるようになる。
本発明では、板材の切断加工を行なうことなく、フレーム部材の断面2次モーメントの長手方向における分布を適正なものとすることのできる車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法を提供することができる。
本発明に係る車両用ドアフレームの一実施形態について、ドアフレームの適用される前ドアの正面構造を示す正面図。 同実施形態のフレーム部材について、その前側端部を車室内から視た斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のフレーム部材について、(a)図2のA−A線に沿った断面構造を示す断面図、(b)スリット加工工程直後の断面構造を示す断面図、(c)図2のB−B線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態のフレーム部材及びブラケットについて、(a)図3(a)に示す位置における断面構造を示す断面図、(b)図3(c)に示す位置における断面構造を示す断面図。
以下、図1〜図4を参照して、本発明に係る車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法を、車両の前ドアに適用されるドアフレーム及びその製造方法として具体化した一実施形態について詳細に説明する。
尚、以降において、車両前方向を単に「前方」、車両後方を単に「後方」、鉛直方向上方を単に「上方」、及び鉛直方向下方を単に「下方」と称する。また、車幅方向内側を単に「内側」、車幅方向外側を単に「外側」と称する。
図1に示すように、前ドア1は、大きくは、車両本体に対して開閉可能に取り付けられるドア本体2と、ドア本体2の上部に連結されるドアフレーム4と、ドア本体2及びドアフレーム4に対して上下方向に変位可能に設けられる窓ガラス7とからなる。
ドアフレーム4は、ドア本体2の後端に連結されるとともに斜め後上方に延びる縦枠部4aと、縦枠部4aの上端部に連結されて前方に延び、その前端から徐々に斜め前下方に延びる上枠部4bとを有している。上枠部4bは、ドア本体2の前端に連結されている。また、上枠部4bの前側部分と、その直下であってドア本体2の上部との間には、上下方向に延びる長尺状の仕切枠部5が連結されている。また、仕切枠部5の前方、上枠部4bの下方、及びドア本体2によって区画される空間には、ドアミラー(図示略)を前ドア1に取り付けるためのブラケット6が取り付けられている。従って、本実施形態の前ドア1においては、前後方向において縦枠部4aから仕切枠部5までの範囲に窓ガラス7が設けられている。
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態のドアフレーム4の製造方法及びその構造について説明する。
本実施形態のフレーム部材40の製造方法は、大きくは、曲げ加工工程、溶接工程、スリット形成工程、及びプレス加工工程からなる。
まずは、図1、図2、及び図3(a)に併せ示すように、曲げ加工工程では、一枚の板材をロール成形することにより、長尺状のフレーム部材40を形成する。具体的には、フレーム部材40は、長手方向に対して直交する方向(図3(a)の場合、紙面に沿った方向)に板材が曲げ返されて後方に突出する中空部41と、中空部41から外側に延びて板材の対向する面同士が当接する重合部42とを一体として有するものとして形成される。尚、板材としては、鉄系材料からなるものが採用されているが、これをアルミニウム系材料からなるものとすることもできる。
ここで、図3(a)を参照して、曲げ加工工程直後におけるフレーム部材40の断面構造について説明する。
図3(a)に示すように、曲げ加工工程直後のフレーム部材40は、長手方向におけるいずれの位置においても同一の構造を有している。具体的には、フレーム部材40は、前外方から後内方に向けて、すなわち図中L方向に向けて延びる略平面状の第1平面部43、第1平面部43の内側端から屈曲して後方に延びる内側壁部44、及び内側壁部44の後側端から屈曲して外方に延びる後側壁部45、後側壁部45の外側端から屈曲して前方に延びる外側壁部46を有している。ここで、外側壁部46の前側端は、L方向における第1平面部43の略中央位置において第1平面部43の後端面に当接している。また、外側壁部46は、前側部分が内側に凹設されており、その外側面に図示しないガラスランが取り付けられるようになっている。これら第1平面部43、内側壁部44、後側壁部45、外側壁部46によって、内部に中空空間の形成される中空部41が構成される。
また、フレーム部材40は、外側壁部46の前側端部から屈曲してL方向に沿って前外方に延びる第2平面部47、第2平面部47に連結される意匠部48、及び意匠部48に連結される第3平面部49を有している。
意匠部48は、第2平面部47の外側端から屈曲して後方に延びる後側基部48a、後側基部48aの後側端において反時計回りに180度屈曲して前方に延びる意匠面部48b、意匠面部48bの前側端において反時計回りに180度屈曲して後方に延びる前側基部48cを有している。ちなみに、前側基部48cには、前後方向における中央位置にて内側に突出する部位を有している。ここで、後側基部48aは第1平面部43の外側端よりも僅かに外側に位置している。また、後側基部48a及び前側基部48cの外側面は意匠面部48bの内側面に当接している。
第3平面部49は、前側基部48cの後側端から屈曲して下方に延びるとともに略平面状をなしている。ちなみに、第3平面部49は、L方向において第2平面部47の内側端と同一の位置において屈曲して前方に延び、更にその前側端にて屈曲して前外方に延びている。また、第1平面部43の後側面には第2平面部47の前側面が当接するとともに、第1平面部43の前側面には第3平面部49の後側面が当接している。第1平面部43、第2平面部47、及び第3平面部49が互いに当接して重ね合わされる部位によって重合部42が構成されている。
次に、溶接工程では、重合部42の車幅方向の所定位置(図中において矢印Cにて示す位置)において第1平面部43、第2平面部47、及び第3平面部49を互いに溶接する。本実施形態では、抵抗溶接、より具体的には、スポット溶接を用いている。
ここで、溶接工程を行なう理由について説明する。
溶接工程後に行なわれるスリット加工工程によって重合部142を構成する第2平面部147を車幅方向に分断すると、この分断部よりも外側の部位、すなわち重合部側の部位147aと第1平面部143とが互いに離間するおそれがある。
そこで、本実施形態では、まずは溶接工程により、重合部42を構成する第1平面部43と第2平面部47とを互いに溶接固定し、その後のスリット加工工程により、この溶接位置よりも内側にて第2平面部147を分断するようにしている。これにより、重合部側の部位147aと第1平面部143とが互いに離間することを抑制するようにしている。
次に、図3(b)に示すように、スリット加工工程では、上記所定位置Cよりも内側に、第2平面部47を車幅方向に分断するスリット147cを形成する。このスリット147cは、図1及び図2に示す範囲R内に形成される。すなわち、図1に示すように、スリット147cの形成される範囲Rは、長手方向においてブラケット6が配設される範囲と同一とされている。
次に、プレス加工工程では、中空部141により区画される面であって長手方向に対して直交する面Sの面積を下方ほど小さくするとともに、車幅方向におけるフレーム部材40の幅Wを下方ほど大きくするように中空部141をプレス加工する。これにより、中空部141を構成する内側壁部144及び外側壁部146は下方ほどそれぞれ内側に位置するものとなる。また、中空部141を構成する後側壁部145は下方ほど車幅方向における長さが短いものとなる。
また、図3(c)に示すように、フレーム部材40とドア本体2との連結位置において、中空部141を構成する内側壁部144の全体と外側壁部146の全体とが互いに当接している。すなわち、同連結位置においては、中空部141を構成する後側壁部145は内側壁部144の後側端部から外側壁部146の後側端部へと折り返される屈曲部分を構成する。
ところで、中空部141により区画される上記面Sの面積及び車幅方向におけるフレーム部材40の幅Wが長手方向において徐変される構成にあって、ドアミラーを前ドアに取り付けるためのブラケットとして従来一般のものを採用した場合には、ブラケットの形状によっては中空部とブラケットとが干渉するおそれがある。
そこで、本実施形態では、ブラケット6において中空部141に対向する面(以下、対向面161a,162a)が、長手方向における中空部141の突出態様に応じて徐変されるものとすることで、中空部141とブラケット6との干渉の抑制を図るようにしている。
具体的には、図3(a)に示す位置においては、図4(a)に示すように、ブラケット6は、フレーム部材40の外側壁部46よりも僅かに外側に位置するとともに前後方向に延びる基部61と、基部61の前側端からL方向に沿って延びる延設部62とを有している。尚、延設部62は、その外側端において屈曲して前方に延びている。ここで、延設部62の外側端は、意匠部48の後側基部48aよりも僅かに内側に位置している。
また、図3(c)に示す位置においては、図4(b)に示すように、車幅方向における第1平面部143の幅Wが大きくされることに伴って、ブラケット6の延設部162が車幅方向において大きくされている。ここで、基部161は外側壁部46よりも僅かに外側に位置するとともに前後方向に延びている。すなわち、基部161及び延設部162の内側面である対向面161a,162aの位置及び形状は、L方向のいずれの位置においても、対向面161aと中空部141、特に外側壁部146との間に所定の間隙が形成される態様にて設定されている。ちなみに、この間隙は、ブラケット6とフレーム部材40とを溶接するために用いられる。また、延設部62の外側端は、意匠部48の後側基部48aよりも僅かに内側に位置している。
尚、第1平面部43,143が本発明に係る、重合部を構成する車両前側の部位に相当する。また、第2平面部47,147が本発明に係る、重合部を構成する車両後側の部位に相当する。また、内側壁部44,144が本発明に係る、中空部を構成する車幅方向内側の部位に相当する。また、外側壁部46,146が本発明に係る、中空部を構成する車幅方向外側の部位に相当する。また、対向面161a,162aが、本発明に係るブラケットにおいて中空部に対向する面に相当する。また、曲げ加工工程が本発明に係る第1工程に相当する。また、スリット形成工程が本発明に係る第2工程に相当する。また、プレス加工工程が本発明に係る第3工程に相当する。また、溶接工程が本発明に係る第4工程に相当する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、重合部142を構成する後側の部位である第2平面部147が車幅方向に分断され、中空部141により区画される面であって長手方向に対して直交する面Sの面積が下方ほど小さくされるとともに、車幅方向におけるフレーム部材40の幅Wが下方ほど大きくされるものとしている。このように、重合部142を構成する第2平面部147が車幅方向に分断されるものとすることで、上記面Sの面積を下方ほど小さくするとともに、車幅方向におけるフレーム部材40の幅Wを下方ほど好適に大きくすることが可能となる。これにより、フレーム部材40の断面2次モーメントが下方ほど大きくなる。従って、板材の切断加工を行なうことなく、フレーム部材40の断面2次モーメントの長手方向における分布を適正なものとすることができるようになる。
(2)本実施形態では、重合部42,142には車幅方向の所定位置Cにおいて第1平面部43,143と第2平面部47,147とが互いに溶接固定され、重合部142はこの溶接固定される部位よりも内側にて分断されるものとしている。これにより、重合部側の部位147aと第1平面部143とが互いに離間することを抑制することができるようになる。
(3)本実施形態では、中空部141は、長手方向におけるフレーム部材40とドア本体2との連結位置において、中空部141を構成する内側壁部144の全体と外側壁部146の全体とが互いに当接するものとしている。これにより、上記連結位置での車幅方向におけるフレーム部材40の幅を的確に大きくすることができるようになる。
(4)本実施形態では、ドアフレーム4はドアミラーが取り付けられる前ドア1に適用されてドアミラーを前ドア1に取り付けるためのブラケット6を備えるものとしている。また、第2平面部147は長手方向においてブラケット6が配設される範囲内にて車幅方向に分断されるものとしている。また、ブラケット6は、中空部141に対向する面が、長手方向における中空部141の突出態様に応じて徐変されるものとしている。このように、ブラケット6における中空部141に対向する面が長手方向において徐変されているため、中空部141とブラケット6とが干渉することを抑制することができるようになる。
(5)本実施形態の車両用ドアフレーム4の製造方法では、曲げ加工工程、スリット形成工程、及びプレス加工工程を備えるものとしている。曲げ加工工程では、長尺状のフレーム部材40を曲げ加工により一枚の板材から形成する工程であって、その長手方向に対して直交する方向に同板材が曲げ返されて後方に突出する中空部41と、同中空部41から外側に延びて同板材の対向する面同士が当接する重合部42とを有するフレーム部材40を形成する。スリット形成工程では、重合部42を構成する第2平面部47を車幅方向に分断するスリット147cを形成する。プレス加工工程では、中空部141により区画される面であって長手方向に対して直交する面Sの面積を下方ほど小さくするとともに、車幅方向におけるフレーム部材40の幅Wを下方ほど大きくするように中空部141をプレス加工する。これにより、下方ほど断面2次モーメントが大きなものとなるフレーム部材40を製造することができるようになる。従って、板材の切断加工を行なうことなく、フレーム部材40の断面2次モーメントの長手方向における分布を適正なものとすることのできるドアフレーム4を製造することができるようになる。
(6)本実施形態の車両用ドアフレーム4の製造方法では、スリット加工工程に先立ち、重合部42の車幅方向の所定位置Cにおいて第1平面部43と第2平面部47とを互いに溶接する溶接工程を更に備えるものとしている。また、スリット加工工程では、上記所定位置Cよりも内側にスリットを形成するようにしている。これにより、重合部側の部位147aと第1平面部43とが互いに離間することを抑制することができるようになる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、長手方向におけるフレーム部材40とドア本体2との連結位置において、中空部141を構成する内側壁部144の全体と外側壁部146の全体とが互いに当接するものについて例示したが、これに代えて、当該連結位置において、中空部を構成する車幅方向内側の部位と車幅方向外側の部位とが部分的に当接するものや、これら部位同士が当接しないものとすることもできる。これらの場合であっても、鉛直方向下方ほど、中空部により区画される上記面Sの面積が小さくされるとともに、車幅方向におけるフレーム部材の幅Wが大きくされるものを具現化することはできる。
・上記実施形態では、スポット溶接により重合部42,142を互いに固定するようにしたが、重合部を固定する方法はこれに限られるものではなく、抵抗溶接であれば、他にシーム溶接を採用することもできる。また、その他の溶接を用いるようにしてもよい。
・重合部の固定態様は、溶接に限られるものではなく、接着等の他の方法を採用するようにしてもよい。
・上記実施形態によるように、重合部を構成する車両前側の部位と車両後側の部位とを互いに固定することが望ましい。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、重合部を構成する各部位を互いに固定しないようにすることもできる。
・上記実施形態では、ロール成形によりフレーム部材40を形成したが、中空部と重合部とを有するフレーム部材の形成態様はこれに限定されるものではなく、他に例えば、押出し成形によってもフレーム部材を形成することができる。
・上記実施形態では、中空部41,141が車両後方に突出するものについて例示したが(図3参照)、本発明に係る中空部の突出方向はこれに限られるものではなく、車両前方に突出するものとすることもできる。
・本発明の適用範囲は、上記実施形態にて例示した範囲、すなわち上枠部4bとドア本体2との連結位置を含む範囲Rに限定されるものではない(図1参照)。他に例えば、縦枠部4aとドア本体2との連結位置を含む所定の範囲に、本発明を適用することもできる。また、本発明の適用されるドアは前ドア1に限定されるものではなく、後ドアに対して本発明を適用することもできる。
1…前ドア、2…ドア本体、4…ドアフレーム、6…ブラケット、40,140…フレーム部材、41,141…中空部、42,142…重合部、43,143…第1平面部(重合部を構成する車両前側の部位)、44,144…内側壁部(中空部を構成する車幅方向内側の部位)、46,146…外側壁部(中空部を構成する車幅方向外側の部位)、47,147…第2平面部(重合部を構成する車両後側の部位)、147c…スリット、161a,162a…対向面(ブラケットにおいて中空部に対向する面)、S…中空部により区画される面であって長手方向に対して直交する面、C…所定位置(重合部を構成する車両前側の部位と車両後側の部位とが互いに固定された位置)。

Claims (8)

  1. 長尺状の部材であって、その長手方向に対して直交する方向に湾曲するとともに車両後方及び車両前方のいずれか一方に突出してなる中空部と、同中空部から車幅方向外側に延びるとともに対向する面同士が当接する重合部とを一体として有するフレーム部材を備える車両用ドアフレームであって、
    前記重合部を構成する部位であって前記中空部の突出方向前方に位置する部位が車幅方向に分断され、鉛直方向下方ほど、前記中空部により区画される面であって長手方向に対して直交する面の面積が小さくされるとともに、車幅方向における同フレーム部材の幅が大きくされてなる
    ことを特徴とする車両用ドアフレーム。
  2. 請求項1に記載の車両用ドアフレームにおいて、
    前記フレーム部材は、一枚の板材から形成される長尺状の部材であって、
    前記中空部は、長手方向に対して直交する方向に前記板材が曲げ返されてなり、
    前記重合部は、前記中空部から車幅方向外側に延びるとともに前記板材の対向する面同士が当接してなる
    ことを特徴とする車両用ドアフレーム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用ドアフレームにおいて、
    前記重合部には車幅方向の所定位置において同重合部を構成する車両前側の部位と車両後側の部位とが互いに固定され、
    前記重合部は当該固定される部位よりも車幅方向内側にて分断されてなる
    ことを特徴とする車両用ドアフレーム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用ドアフレームにおいて、
    前記中空部は、長手方向における前記フレーム部材とドア本体との連結位置において、同中空部を構成する車幅方向内側の部位と車幅方向外側の部位とが互いに当接してなる
    ことを特徴とする車両用ドアフレーム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドアフレームにおいて、
    前記ドアフレームはドアミラーが取り付けられるドアに適用されて前記ドアミラーを前記ドアに取り付けるためのブラケットを備え、
    前記重合部を構成する車両後側の部位は長手方向において前記ブラケットが配設される範囲内にて車幅方向に分断され、
    前記ブラケットは、前記中空部に対向する面が、長手方向における前記中空部の突出態様に応じて徐変されてなる
    ことを特徴とする車両用ドアフレーム。
  6. 長尺状のフレーム部材を形成する工程であって、その長手方向に対して直交する方向に湾曲するとともに車両後方及び車両前方のいずれか一方に突出する中空部と、同中空部から車幅方向外側に延びるとともに対向する面同士が当接する重合部とを一体として有するフレーム部材を形成する第1工程と、
    前記重合部を構成する部位であって前記中空部の突出方向前方に位置する部位を車幅方向に分断するスリットを形成する第2工程と、
    鉛直方向下方ほど、前記中空部により区画される面であって長手方向に対して直交する面の面積を小さくするとともに、車幅方向における同フレーム部材の幅を大きくするように前記中空部をプレス加工する第3工程と、
    を備える車両用ドアフレームの製造方法。
  7. 請求項6に記載の車両用ドアフレームの製造方法において、
    前記第1工程は、長尺状のフレーム部材を曲げ加工により一枚の板材から形成する工程であって、その長手方向に対して直交する方向に前記板材が曲げ返されて車両後方及び車両前方のいずれか一方に突出する中空部と、同中空部から車幅方向外側に延びて前記板材の対向する面同士が当接する重合部とを有するフレーム部材を形成する
    を備える車両用ドアフレームの製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の車両用ドアフレームの製造方法において、
    前記第2工程に先立ち、前記重合部の車幅方向の所定位置において同重合部を構成する車両前側の部位と車両後側の部位とを互いに溶接する第4工程を更に備え、
    前記第2工程では、前記所定位置よりも車幅方向内側に前記スリットを形成する
    ことを特徴とする車両用ドアフレームの製造方法。
JP2010260181A 2010-11-22 2010-11-22 車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法 Expired - Fee Related JP5583559B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010260181A JP5583559B2 (ja) 2010-11-22 2010-11-22 車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010260181A JP5583559B2 (ja) 2010-11-22 2010-11-22 車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012111285A true JP2012111285A (ja) 2012-06-14
JP5583559B2 JP5583559B2 (ja) 2014-09-03

Family

ID=46495990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010260181A Expired - Fee Related JP5583559B2 (ja) 2010-11-22 2010-11-22 車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5583559B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014019215A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Shiroki Corp アルミ合金製ドアフレーム及びその製造方法、並びにアルミ溶接材料及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6212522U (ja) * 1985-07-09 1987-01-26
JPH04151328A (ja) * 1990-01-05 1992-05-25 Emar Co Sarl 自動車ドア用フレーム及びそのフレームを含む自動車ドア
JPH07329572A (ja) * 1994-06-08 1995-12-19 Sankei Giken Kogyo Kk 自動車のサイドドア
JP2006007852A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Aisin Seiki Co Ltd ドアフレーム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6212522U (ja) * 1985-07-09 1987-01-26
JPH04151328A (ja) * 1990-01-05 1992-05-25 Emar Co Sarl 自動車ドア用フレーム及びそのフレームを含む自動車ドア
JPH07329572A (ja) * 1994-06-08 1995-12-19 Sankei Giken Kogyo Kk 自動車のサイドドア
JP2006007852A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Aisin Seiki Co Ltd ドアフレーム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014019215A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Shiroki Corp アルミ合金製ドアフレーム及びその製造方法、並びにアルミ溶接材料及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5583559B2 (ja) 2014-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015190303A1 (ja) 車体部品
JP6222232B2 (ja) 車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの中間体
US10899393B2 (en) Rear body structure
JP6026091B2 (ja) 車両用ドアフレーム
JP6731327B2 (ja) ドアフレーム
JP2013121754A (ja) 車両用ドアフレーム
CN107856509A (zh) 车辆用门框
JP6669089B2 (ja) 車両の側部車体構造
JP2019006168A (ja) バンパーリインフォースメント及びバンパーリインフォースメントの製造方法
JP5583559B2 (ja) 車両用ドアフレーム及び車両用ドアフレームの製造方法
JP2015054660A (ja) 車両用ドア構造
JP2015131564A (ja) 自動車の車体構造
WO2015182401A1 (ja) 骨格構造体及びその製造方法
JP4290144B2 (ja) 車体構造
US20170144515A1 (en) Vehicle door sash
JP7206774B2 (ja) 車両用ドアフレーム
JP7259730B2 (ja) 車両用ピラー構造及び車両用ピラーの製造方法
JP6538133B2 (ja) 車体側部構造
JP5912420B2 (ja) 車両ドアの縦柱フレームの加工方法
JP2009234526A (ja) トレーリングアーム、及びその製造方法
JP2000238536A (ja) インパクトビーム
JP6498416B2 (ja) 車両用ドアフレーム
JP5043783B2 (ja) インパネ補強材およびその取り付け方法
JP2009269415A (ja) 車両用トリム
JPS6241903Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140624

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5583559

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees