JP2012111131A - ウエハレンズ製造方法及びウエハレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】良品率が低下せず、低コストで製造が可能なウエハレンズ製造方法及び該方法により製造された低コストのウエハレンズを提供する。
【解決手段】樹脂型と基板の間に樹脂材料を介在させる工程と、介在する樹脂材料を硬化させレンズ部を形成する硬化工程と、樹脂型から基板及びレンズ部を離間させる離型工程と、を有し、離型工程は、レンズ部が最も硬化した際のビッカース硬度をHvMAXとし、離型時のレンズ部のビッカース硬度をHvとしたとき、
0.50≦Hv/HvMAX≦0.85
を満足するレンズ部の硬化状態で離型が行われるウエハレンズ製造方法とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、透光性を有する平板上に樹脂製の複数のレンズ部を、樹脂型を用いて形成するウエハレンズ製造方法及びウエハレンズに関するものである。
従来、光学レンズの製造分野においては、基材となるガラス平板に熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂からなるレンズ部を設けることで、耐熱性の高い光学レンズを得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
更に、この技術を適用した光学レンズの製造方法として、基材となるガラス平板に対して硬化樹脂からなる光学部材を複数設けたいわゆる「ウエハレンズ」を形成することで、複数のレンズ部を一体化された状態で同時に成形し、成形後にガラス平板部をカットする方法が開発されている。この製造方法によれば、光学レンズの製造コストを低減することができる。
このようなウエハレンズの製造方法として、レンズ部の形状に対応した成形型を硬化性樹脂で形成し、この硬化性樹脂で形成された成形型とガラス平板の間に硬化性樹脂を充填して硬化させてガラス平板上に複数のレンズ部を成形するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3926380号公報 特開2009−226638号公報
ウエハレンズは、上記のように量産性に富み、撮像装置に適用されるレンズを低コストで提供することができるものである。
一方、撮像素子は画素ピッチの精細化による高画素化が進み、これに対応する光学系も、より高い光学性能を要求されるようになっている。光学系の性能を向上させるには、より多くのレンズ枚数で光学系を構成することが考えられるが、このような光学系にウエハレンズを適用する場合、光学系全長を短く収めるには、屈折力を有しない平板はできるだけ薄いことが好ましい。また、光学設計に高い自由度を得るためにも平板はできるだけ薄いことが好ましい。
しかしながら、薄い基板を用いた場合、ウエハレンズの製造時にクラックを生じるという新たな問題を生じることが判明した。これは、樹脂型を使用して薄い基材上にレンズ部を形成したウエハレンズを製造する場合に、樹脂型からのウエハレンズの離型の抵抗が大きくなり、離型時に基板が撓んだり離型時に衝撃を受けたりすることにより、樹脂レンズ部にクラックを生じるものと推定される。本発明者は、種々検討した結果、樹脂型を使用して薄い基材上にレンズ部を形成したウエハレンズを製造する場合における上記問題を、離型時における樹脂材料の硬化度合いを調整することによって防止し得ることを見出した。但し、樹脂材料の硬化が不十分な状態で離型すると、離型時の型との抵抗によりレンズ部の形状精度が維持できず、良品率が低下するというさらに別の問題があることが判明した。この良品率の低下は、一個あたりのレンズコストの上昇の原因となる。
本発明は上記問題に鑑み、薄い基材上にレンズ部を形成したウエハレンズを製造する場合でも、良品率が低下せず、低コストで製造が可能なウエハレンズ製造方法及び該方法により製造された低コストのウエハレンズを提供することを目的とするものである。
上記の目的は、下記の構成により達成される。
(1)透光性を有する基板上に樹脂製の複数のレンズ部を、樹脂型を用いて形成するウエハレンズ製造方法において、前記樹脂型と前記基板の間に樹脂材料を介在させる工程と、介在する前記樹脂材料を硬化させレンズ部を形成する硬化工程と、前記樹脂型から前記基板及び前記レンズ部を離間させる離型工程と、を有し、前記離型工程は、前記レンズ部が最も硬化した際のビッカース硬度をHvMAXとし、離型時の前記レンズ部のビッカース硬度をHvとしたとき、
0.50≦Hv/HvMAX≦0.85
を満足するレンズ部の硬化状態で離型が行われることを特徴とするウエハレンズ製造方法。
(2)前記硬化工程が、光照射により行われることを特徴とする前記(1)に記載のウエハレンズ製造方法。
(3)前記硬化工程が、光照射と加熱により行われることを特徴とする前記(1)に記載のウエハレンズ製造方法。
(4)前記基板の厚みが0.1〜1.1mmであることを特徴とする前記(1)から(3)までのいずれかに記載のウエハレンズ製造方法。
(5)前記(1)から(4)までのいずれかに記載のウエハレンズ製造方法により製造されたことを特徴とするウエハレンズ。
すなわち、本願は、薄い基材上にレンズ部が形成されるウエハレンズを製造する場合、レンズ部の良品率を向上させるには適切な離型の条件があることを見いだし、なされた発明である。
本発明によれば、薄い基材上にレンズ部を形成したウエハレンズを製造する場合でも、ウエハレンズにクラックを生じることを回避し、しかもレンズ形状の精度を高くすることができ、しかも、良品率が低下せず、低コストで製造が可能なウエハレンズ製造方法及び該方法により製造された低コストのウエハレンズを提供することが可能となる。
本実施の形態に係るウエハレンズ製造方法により製造されたウエハレンズを模式的に示す斜視図である。 樹脂型の製造工程で使用されるマスター、形成されるサブマスター及びサブサブマスターを模式的に示す斜視図である。 ウエハレンズを成形するための樹脂型の製造工程を示す図である。 図3に示す工程で製造された樹脂型を用いたウエハレンズの製造工程を示す図である。 基板の両面にレンズ部を形成する場合のウエハレンズの製造工程を示す図である。
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係るウエハレンズ製造方法により製造されたウエハレンズを模式的に示す斜視図である。
同図に示すように、ウエハレンズ1は透光性を有する円形状の基板(本例ではガラス基板)3と複数のレンズ部(光学部材)5とを有しており、ガラス基板3上に複数のレンズ部5がアレイ状に配置されている。レンズ部5はガラス基板3の表面に形成されていてもよいし、表裏両面に形成されていてもよい。また、レンズ部5には、光学面の表面に回折溝や段差等の微細構造を有していても良い。
レンズ部5は樹脂5Aで形成されている。この樹脂5Aとしては、硬化性樹脂を用いることができる。硬化性樹脂としては大きく分けて光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に分類することができる。光硬化性樹脂としては、アクリル樹脂及びアリル樹脂であればラジカル重合により反応硬化させることができる。エポキシ系の樹脂であればカチオン重合により反応硬化させることができる。一方、熱硬化性樹脂は上記ラジカル重合やカチオン重合の他にシリコーン等のように付加重合により硬化させることもできる。
ここで、ガラス基板3の厚みは、0.1〜1.1mmである。ガラス基板の厚みをこの程度の厚みとすることにより、撮像素子の高画素化に耐え得る高い光学性能を実現でき、光学素子の厚みも小さくでき、さらに、光学設計の自由度を高くすることができる。
まず、図1に示すウエハレンズを成形するための樹脂型の製造工程を説明する。
図2は、樹脂型の製造工程で使用されるマスター、形成されるサブマスター及びサブサブマスターを模式的に示す斜視図である。図2(a)はマスター、図2(b)はサブマスター、図2(c)はサブサブマスターを示している。
図2(a)に示すように、マスター10は、直方体状のベース部12に対し複数の凹部16がアレイ状に形成されている。凹部16はウエハレンズ1の凸部であるレンズ部5(図1参照)に対応する部位である。なお、マスター10の外形状は、図2に示すように四角形であってもよいし、円形であってもよい。以降は四角形状を例にして説明する。
マスター10の光学面形状(表面形状)は、凸部が形成された凸形状を有していてもよいし、複数の凹部が形成された凹形状を有していてもよい。但し、本実施例では、樹脂製の中間型を2回用いてウエハレンズの製造を行うので、マスター10の光学面形状は、ガラス基板3上に成形転写するレンズ部5の光学面形状に対応するネガ形状とする。
マスター10の材料としては、切削や研削などの機械加工によって光学面形状を創製する場合には、金属または金属ガラスを用いることができる。具体的な金属材料としては鉄系の材料とその他合金が挙げられる。また、機械加工はやや難しいが、ガラスを用いてもよい。マスター10にガラスを用いれば、金属では透過しないUV光(紫外線)を透過させるというメリットも得られる。一般的に使用されているガラスであれば特に限定されない。
図3は、ウエハレンズを成形するための樹脂型の製造工程を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、マスター10上に未硬化の樹脂32Aを塗布する。以下、樹脂32Aが光硬化性樹脂である場合で説明する。
マスター10上に樹脂32Aを塗布する場合には、スプレーコート、スピンコート、滴下、吐出等の手法を用いる。
マスター10上に樹脂32Aを塗布後、図3(b)に示すように、透光性のサブマスター基板36を樹脂32Aに重ね、マスター10に対して所定の間隔に保つ。そして、図3(c)に示すように、上方に配置した光源54を点灯させサブマスター基板36を介して樹脂32Aに光照射する。光源54としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、ブラックライト、Gランプ、Fランプ等が挙げられ、線状光源であってもよいし点状光源であってもよい。なお、サブマスター基板36をマスターに対向させ両者を所定の間隔に保持した後に両者の間隙に樹脂材料を注入するようにしてもよい。
そして、光照射によって樹脂32Aを硬化させ、マスター10の凹部16を樹脂32Aに転写し、樹脂32Aに複数の凸部34を形成する。マスター10の凹部16が転写され硬化した樹脂32Aをサブマスター成形部32と呼ぶ。
樹脂32A(サブマスター成形部32の材料)、樹脂5A(レンズ部5の材料)が硬化性樹脂である場合、マスター10の光学面形状(凹部16)は、好ましくは樹脂32Aの硬化収縮や樹脂5Aの硬化収縮を見越して設計されていることが好ましい。
サブマスター基板36は石英であってもよいし、ガラス板であってもよく、十分な曲げ強度とUV光透過率を有することが重要である。
次いで、図3(d)に示すように、マスター10から一体となったサブマスター成形部32及びサブマスター基板36を離型することにより、図2(b)に示した外観を有するサブマスター30を得る。離型には、例えば、真空チャック装置を用いてサブマスター基板36を吸着保持し、マスター10から引き離す工程を採用することができる。サブマスター30は、サブマスター基板36に凸部34が形成されたサブマスター成形部32が固着されたものである。
樹脂32AとしてPDMS(ポリジメチルシロキサン)などの樹脂を使うと、マスター10との離型性が非常によいので、マスター10からの剥離に大きな力を必要とせず、成形光学面を歪ませたりする事が無いのでよい。
また、樹脂32Aの硬化の進行途中でマスター10からサブマスター30を離型させ、その後サブマスター30に対しポストキュア(加熱処理)を行ってもよい。ポストキュアを行い、サブマスター30の樹脂32Aを実質的に完全に硬化させることで、サブマスター30の型寿命を延ばすことができる。
また、マスター10から硬化した樹脂32Aを容易に剥離するためには、マスター10の表面に離型剤を塗布することが好ましい。離型剤を塗布する場合は、マスター10の表面改質を行う。具体的には、マスター10の表面に表面処理によってOH基を立たせる。表面改質の方法は、UVオゾン洗浄、酸素プラズマアッシング等、マスター10の表面にOH基を立たせる方法なら何でもよい。
次いで、図3(e)に示すように、サブマスター30上に未硬化の樹脂42Aを塗布する。そして、図3(f)に示すように、透光性のサブサブマスター基板46を樹脂42Aに重ね、サブマスター30に対して所定の間隔に保つ。そして、図3(g)に示すように、上方に配置した光源54を点灯させサブサブマスター基板46を介して樹脂42Aに光照射する。なお、サブサブマスター基板46をサブマスター30に対向させ両者を所定間隔に保持した後に両者の間隙に樹脂材料を注入するようにしてもよい。
樹脂42Aを硬化させる場合には、サブマスター30側に配置した光源からサブマスター30を介して光照射してもよいし、サブマスター30側とサブサブマスター基板46側との両側から光照射してもよい。光源としては、上述と同様である。
なお、予め、光照射時の輝度分布や照度(強度)分布を測定し調整した後、照射量、照射時間と樹脂5Aの硬化の進行度を測定しておき、その測定結果に基づき照射量、照射時間等が制御される。
こうして、光照射により樹脂42Aを硬化させ、サブマスター30の凸部34を樹脂42Aに転写し、樹脂42Aに対し複数の凹部44を形成する。これにより、サブサブマスター成形部42が形成される。
次いで、図3(h)に示すように、サブマスター30から一体となったサブサブマスター成形部42及びサブサブマスター基板46とを離型することにより、図2(c)に示した外観を有するサブサブマスター40を得る。離型には、例えば、図3(d)と同様の真空チャック装置を用いることができる。サブサブマスター40は、サブサブマスター基板46に凹部44が形成されたサブサブマスター成形部42が固着されたものである。
また、樹脂42Aの硬化の進行途中でサブマスター30からサブサブマスター40を離型させ、その後サブサブマスター40に対しポストキュアを行ってもよい。ポストキュアを行い、サブサブマスター40の樹脂42Aを実質的に完全に硬化させることで、サブサブマスター40の型寿命を延ばすことができる。
なお、本例では、マスター金型からサブマスター成形型を作製し、さらにサブマスター成形型からサブサブマスター成形型を作製し、このサブサブマスター成形型を用いてウエハレンズを製造する例で説明するが、これに限るものでなく、マスター金型からサブマスター成形型を作製し、このサブマスター成形型を用いてウエハレンズを製造してもよい。
図4は、図3に示す工程で製造された樹脂型を用いたウエハレンズの製造工程を示す図である。
図4(a)に示すように、サブサブマスター40の凹部44に未硬化の樹脂5Aを塗布する。
次いで、図4(b)に示すように、ガラス基板3を上方から重ねる。
ガラス基板3を重ねる場合に、ガラス基板3は、サブサブマスター40と軸合わせをするための構造が付与されているのが好ましい。図1に示すように、ガラス基板3が円形状を呈している場合には、例えばDカット、Iカット、マーキング、切欠き部等を形成しておくのが好ましい。ガラス基板3を多角形状としてもよく、この場合にはサブサブマスター40との軸合わせが容易である。また、ガラス基板3の裏面成形時に表面側の成形光学面との同軸度をあわせるためのマーカーパターンを、表面側の成形時に光学面と同時に成形転写しても良い。なお、ガラス基板3をサブサブマスター40に対向させた後に両者の間隙に樹脂材料を注入するようにしてもよい。
次いで、図4(c)に示すように、サブサブマスター40の下方に配置した光源52及び、ガラス基板3の上方に配置した光源54を点灯させ、サブサブマスター40及びガラス基板3を介して光照射を行う。光源52、54の一方のみを点灯させて、光照射してもよい。
光源52、54としては、上述と同様である。
なお、樹脂5Aに光照射を行うに当たっては、以下に説明するように、離型の際の硬化状況が適切なものとなるように、照射強度や照射時間等を制御する。好ましくは、予め、光照射時の輝度分布や照度(強度)分布を測定し調整した後、照射強度及び、照射時間と樹脂5Aの硬化の進行度とを測定し、照射強度及び照射時間と樹脂硬化の進行度合いとの関係を実験的に把握しておく。そして、照射強度及び照射時間を調整することで樹脂の硬化度合いを制御するようにする。なお、光硬化の進行が遅い樹脂などの場合、さらに加熱温度や加熱時間を制御することで樹脂の硬化状態を制御することもできる。
樹脂5Aが硬化すると、レンズ部5が形成される。その後、レンズ部5が形成されたガラス基板3をサブサブマスター40から離型し、ウエハレンズ1(図1参照)が製造される。図4の場合は、ウエハレンズ1はガラス基板3の一方の面にのみレンズ部5が形成される。
ウエハレンズ1をサブサブマスター40から離型するには、ウエハレンズ1のガラス基板3側を真空チャック装置により吸引保持してサブサブマスター40から引き離す方法や、ウエハレンズ1(ガラス基板3)とサブサブマスター40との間に楔状の部材を挿入できるよう構成しておき、該楔状の部材を挿入して離型させる方法を採用することができる。また、ウエハレンズ1をサブサブマスター40からやや剥離させ両部材間に隙間が形成された後、エア又は純水をその隙間に圧送し、ウエハレンズ1をサブマスター30から離型するようにしてもよい。
また、上記の樹脂5Aを硬化させるに際し、光照射及び加熱により硬化を進行させた後離型させるよう構成してもよい。
また、樹脂5Aの硬化の進行途中で離型させ、その後ウエハレンズ1に対しポストキュアを行ってもよい。ポストキュアを行うことで、ウエハレンズ1のレンズ部5を実質的に完全に硬化させることができる。
本実施の形態に係るウエハレンズの製造工程においては、離型時のレンズ部5のビッカース硬度をHvとし、レンズ部5が最も硬化した際のビッカース硬度をHvMAXとしたとき、
0.50≦Hv/HvMAX≦0.85
を満足するレンズ部5の硬化状態でウエハレンズの離型を行う。これにより、離型時の衝撃で基材が撓むことによるクラックの発生が防止でき、また、離型時の型との抵抗に起因するレンズ部の形状の変形が防止でき、良品率の低下を抑制することができる。上記関係式で規定される樹脂の硬化状態で離型を行うことで、クラックの発生が防止できる理由は不明であるが次のようなことが一つの理由と推測される。一般に、硬化性樹脂材料は、硬化反応の進行とともに網目構造が形成されてゲル化し流動状態からゴム状態へ転移する。そして、ゲル化後は分子の運動性と反応性が低下し、反応物質の拡散が硬化反応を支配して、ガラス化とともに反応は停止するとされている。樹脂材料を上記関係式で規定される硬化にすることで、樹脂材料の硬化が進行してガラス化する直前の状態で離型され、クラックが発生しやすい脆性の高い状態で離型されることが回避されているものと推定される。
なお、上述のように、予め、光照射量、照射時間と樹脂5Aの硬化の進行度を測定しておき、その測定結果に基づき、照射量、照射時間等を設定することで、樹脂を所望の硬化状態に調整できる。
なお、上述の説明ではガラス基板3の片面にレンズ部5を設ける方法について説明したが、両面にレンズ部5を設ける場合には、以下のようにする。
図5は、基板の両面にレンズ部を形成する場合のウエハレンズの製造工程を示す図である。
まず、上述の方法で、ガラス基板3の一方の面のレンズ部5の光学面形状に対応するネガ形状の成形面を有するサブサブマスター40Cと、他方の面のレンズ部5の光学面形状に対応するネガ形状の成形面を有するサブサブマスター40Dとを形成する。
まず、図4(a)〜図4(b)と同様にサブサブマスター40Cの凹部に樹脂5Aを塗布し、ガラス基板3を重ねる(図示は省略)。
次いで、図5(a)に示すように、樹脂5Aが充填されたサブサブマスター40Cと透光性の平板状のガラス基板3とを反転させる。
次いで、同様に図5(b)に示すように、サブサブマスター40Dの凹部に樹脂5Aを塗布する。
次いで、図5(c)に示すように、サブサブマスター40Dに、反転させたサブサブマスター40Cとガラス基板3を重ね、光源54、52を点灯させ、各サブマスター40C、40Dと、ガラス基板3との間に充填された樹脂5Aを同時に硬化させてガラス基板3の両面にレンズ部5を成形する。
次いで、図5(d)に示すように、ガラス基板3の両面にレンズ部5が形成されたウエハレンズ1の両側のサブサブマスター40C及びサブサブマスター40Dを離型する。これにより、両面にレンズ部5が形成されたウエハレンズ1が製造される。ここで、表面及び裏面のそれぞれについて、上述した関係式を満たすように樹脂を硬化させて離型を行うようにする。
このようにすることで、ガラス基板3の片面だけで樹脂5Aが硬化収縮することなく、両面で樹脂5Aが同時に硬化収縮してそれぞれレンズ部5となるため、各面に順にレンズ部5を設ける場合と異なり、ガラス基板3の反りを防止することができ、レンズ部5の形状精度を向上させることができる。
なお、ガラス基板3の両面の樹脂5Aを同時に硬化させるとは、同一の硬化プロセスにおいて樹脂5Aの硬化を進行させることを言い、必ずしも同時に硬化を開始・終了させる必要はなく、例えばサブサブマスター40Cとガラス基板3との間の樹脂5Aを所定の粘度まで増粘した後、この樹脂5Aと、他方の樹脂5Aとの硬化を進行させてもよい。
なお、サブサブマスターを用いてウエハレンズを作製する場合は「サブサブマスター」が、基板及びレンズ部を離間させる対象となる「樹脂型」に相当し、サブマスターを用いてウエハレンズを作製する場合は「サブマスター」が、基板及びレンズ部を離間させる対象となる「樹脂型」に相当する。
以下、実施例を示す。
以下、上記のサブサブマスターを用いて各種の条件でサンプルを作製し離型性及び形状転写性について評価した。なお、ウエハレンズの作製は、上述のように片面のみにレンズ部を形成する場合のほうが形状精度等に与える影響が大きいため、実験は片面のみにレンズ部を形成するもので行った。
サンプル作製及び評価基準を、以下に示す。
(サブサブマスターの作製)
1)マスターの材質は、直方体のクローム・モリブデン鋼とし、3×3のアレイ状に9箇所にR:1.6mm、光軸上の深さ:0.35mm、直径φ:2mmの凹の球面を形成したものと、R:1.6mm、光軸上の高さ:0.35mm、直径φ:2mmの凸の球面を形成したものの2種を用いた。
2)直径4インチのガラス板をサブマスター基板とし、樹脂材料と上記凹の球面を有するマスターとを用いて転写を行い、水銀ランプによりUV露光を行って樹脂材料を硬化させ、9箇所に凸部を形成した。同様の工程を基板上の転写位置を変えて8回繰り返し、9×9のアレイ状に81箇所に凸部の形成されたサブマスターを作製した。また、樹脂材料と上記凸の球面を有するマスターとを用いて、同様の手順により81箇所に凹部の形成されたサブマスターを作製した。
3)サブマスターの凸部及び露出したガラス表面に、蒸着により無機酸化物膜(SiO)を形成し、その後、該SiO膜に離型剤(ダイキン工業(株)製 オプツールDSX)を塗布し離型処理を施した。この後、直径4インチのガラス板をサブサブマスター基板とし、サブマスターの凸部に対応するネガ形状の凹部が81箇所に形成されたサブサブマスターを作製した。
また、同様にサブマスターの凹部及び露出したガラス表面に、蒸着により無機酸化物膜(SiO)を形成し、その後、該SiO膜に離型剤(ダイキン工業(株)製 オプツールDSX)を塗布し離型処理を施した。この後、直径4インチのガラス板をサブサブマスター基板とし、サブマスターの凹部に対応するネガ形状の凸部が81箇所に形成されたサブサブマスターを作製した。
なお、サブマスター及びサブサブマスターの作製に当たっては、樹脂材料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に光重合開始剤として芳香族スルホニウムを添加した材料を用いた。
(ウエハレンズの作製)
上述の2種のサブサブマスターを用いて、ガラス基板の厚み、樹脂材料、硬化条件を種々変更して、29種類のウエハレンズのサンプルを作製した。ガラス基板の厚みは、0.1mm、0.3mm、0.7mm、1.1mmの4種とした。樹脂材料としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に光重合開始剤として芳香族スルホニウムを添加したもの、アクリル樹脂に光重合開始剤としてパーオキサイドエステルを添加したものを用いた。樹脂材料の硬化は、室温下で水銀ランプを用いて20mWの強度で照射時間を250秒〜2時間の間で変化させるか、同条件で250秒間UV光の照射を行った後、150℃で加熱する時間を0〜2時間の範囲で種々変化させることによって行った。ここで、HvMAXは、予め同じ樹脂材料を用いた複数のサンプルを準備し、露光又は露光とそれに続く加熱を行った場合に、各サンプルの露光時間や加熱時間を変えてビッカース硬度を測定し、ビッカース硬度の変化が5%以下になるときのビッカース硬度で評価した。
(サンプルの評価)
各サンプルの離型性と形状転写性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
[離型性の評価]
サブサブマスターから離型した各ウエハレンズの各レンズ部を検査してクラック発生の有無を確認し、評価基準はクラック発生の無かったサンプルを○、クラック発生の有ったサンプルを×とした。
[形状転写性の評価]
クラック発生のなかったサンプルについて、各レンズ部を非接触式3次元形状測定装置(パナソニック電工(株)製 UA3P)を用いて設計値との誤差を測定した。
評価基準は、
設計値との誤差200nm以下のレンズ部個数が90%以上→◎
設計値との誤差200nm以下のレンズ部個数が70%以上→○
設計値との誤差200nm以下のレンズ部個数が50%以上→△
設計値との誤差200nm以下のレンズ部個数が50%未満→×
とした。
表1に結果をまとめて示す。なお、離型時のレンズ部のビッカース硬度は、上述の実験に基づくデータから求めた。
Figure 2012111131
表1から、離型時のレンズ部のビッカース硬度:Hv、レンズ部が最も硬化した際のビッカース硬度:HvMAXとしたとき、
0.50≦Hv/HvMAX≦0.85
を満足するレンズ部の硬化状態で、離型が行われると、レンズ部にクラックの発生が無く、レンズ形状の良好な転写が50%以上の歩留まりで得られることがわかる。
また、0.60≦Hv/HvMAX≦0.85
とすると、レンズ形状の良好な転写が、ほぼ70%以上の歩留まりで得られ、より好ましい。
また、0.65≦Hv/HvMAX≦0.85
とすると、レンズ形状の良好な転写が、ほぼ90%以上の歩留まりで得られ、更に好ましい。
なお、本実施の形態及び本実施例では、サブサブマスターを用いてウエハレンズの作製を行ったが、サブマスターを用いてウエハレンズの作製を行う実施態様においても、離型時のレンズ部のビッカース硬度を上述のように規定することによって同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態及び本実施例では、光硬化性樹脂材料を用い、光の照射量や照射時間等を制御して樹脂材料の硬化状態を調整したが、熱硬化性樹脂材料を用いる場合は、予め、加熱温度及び照射時間と樹脂材料の硬化の進行度を測定しておき、その測定結果に基づき、加熱温度や加熱時間を制御することで樹脂の硬化状態を制御すればよい。
1 ウエハレンズ
3 基板
5 レンズ部
10 マスター
12 ベース部
30 サブマスター
32 サブマスター成形部
36 サブマスター基板
40 サブサブマスター
42 サブサブマスター成形部
46 サブサブマスター基板
52、54 光源

Claims (5)

  1. 透光性を有する基板上に樹脂製の複数のレンズ部を、樹脂型を用いて形成するウエハレンズ製造方法において、
    前記樹脂型と前記基板の間に樹脂材料を介在させる工程と、
    介在する前記樹脂材料を硬化させレンズ部を形成する硬化工程と、
    前記樹脂型から前記基板及び前記レンズ部を離間させる離型工程と、を有し、
    前記離型工程は、前記レンズ部が最も硬化した際のビッカース硬度をHvMAXとし、 離型時の前記レンズ部のビッカース硬度をHvとしたとき、
    0.50≦Hv/HvMAX≦0.85
    を満足するレンズ部の硬化状態で離型が行われることを特徴とするウエハレンズ製造方法。
  2. 前記硬化工程が、光照射により行われることを特徴とする請求項1に記載のウエハレンズ製造方法。
  3. 前記硬化工程が、光照射と加熱により行われることを特徴とする請求項1に記載のウエハレンズ製造方法。
  4. 前記基板の厚みが0.1〜1.1mmであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載のウエハレンズ製造方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載のウエハレンズ製造方法により製造されたことを特徴とするウエハレンズ。
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