JP2012110836A - Co2及びh2sを含むガスの回収システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】CO2及びH2Sを含む導入ガス11中のCO2及びH2Sを吸収させる吸収塔13と、CO2及びH2Sを吸収したリッチ溶液12AからCO2及びH2Sを放出させて吸収液12を再生する吸収液再生塔14と、再生されたリーン溶液12Bを吸収塔13に戻す第2の供給ラインL2と、導入ガス11のCO2濃度を計測する計測器41とを具備すると共に、第2の供給ラインL2を複数に分岐して供給ラインL2-1、L2-2、L2-4とすると共に、その分岐先の導入口13b-1〜13b-4を吸収塔13の高さ方向に沿って設けると共に、計測器による導入ガス中のCO2濃度に応じて、再生された吸収液の導入位置又は導入量のいずれか一方又は両方を吸収塔の高さ方向で変更する。
【選択図】図1
Description
1) 発電システムにおいて、大気汚染物質であるSOXの排出を規制値未満とするために、SOXの発生源となるH2Sの除去が必要となる。一方で、発電効率を上昇させる効果があるため、CO2は極力回収しないことが望ましい。
2) 回収したH2S含有ガス(オフガス)流量が少なく、H2S濃度が高い方が、回収ガスから化製品を製造する場合やH2Sを処理する場合に有利であり、H2Sを選択的に回収できることが望ましい。
3) IGCCにCOシフトとCCS(二酸化炭素回収・貯留)とを組み合わせたシステムでは、CO2回収プロセスで回収したCO2中のH2S濃度を規定値(例えば10〜20ppm)程度に抑える必要がある。
4) 発電効率を向上させるためには、スチーム等の熱エネルギーの使用量は少ないほど好ましい。
すなわち、CO2とH2Sとを含むガスから、H2Sを熱エネルギーの面で効率的、かつ選択的に分離することが求められている。
図1に示すように、本実施例に係るCO2及びH2Sを含むガスの回収システム10Aは、例えば石炭やバイオマス等をガス化するガス化炉等から得られたCO2及びH2Sを含むガス化ガスを導入ガス11とし、該導入ガス11とCO2及びH2Sを吸収する吸収液12とを接触させて前記導入ガス11からCO2及びH2Sを吸収させる吸収塔13と、CO2及びH2Sを吸収した吸収液(リッチ溶液)12Aを吸収塔13の塔底部13cより抜き出すと共に、第1の供給ラインL1を介して塔頂部14aより導入し、リボイラ15の熱によりCO2及びH2Sを放出させて吸収液12を再生する吸収液再生塔(以下「再生塔」という)14と、再生された吸収液(リーン溶液)12Bを再生塔14の塔底部14cより抜き出し、吸収塔13側に戻す第2の供給ラインL2と、前記導入ガス11のCO2濃度を計測する計測器41とを具備すると共に、前記第2の供給ラインL2を複数(本実施例では4つ)に分岐して供給ラインL2-1、L2-2、L2-3、L2-4とすると共に、その分岐先の導入口13b-1〜13b-4を吸収塔13の高さ方向に沿って設け、前記計測器41による導入ガス11中のCO2濃度に応じて、再生された吸収液の導入位置又は導入量のいずれか一方又は両方を吸収塔の鉛直高さ方向のいずれかに変更するものである。
このシステムでは、前記再生塔14でCO2及びH2Sを除去し、再生された吸収液(リーン溶液)12Bは吸収液12として再利用される。
吸収塔13は、塔内部に充填部13A〜13Dが設けられ、これらの充填部13A〜13Dを通過する際、導入ガス11と吸収液12との対向接触効率を向上させている。なお、充填部は複数設けてもよく、充填法以外に、例えばスプレー法、液柱法、棚段法等により導入ガス11と吸収液12とを対向接触させるようにしている。
また、吸収液再生塔14の塔頂部14aからは塔内においてリッチ溶液12A及びセミリーン溶液から放出された水蒸気22を伴ったCO2及びH2Sガス25が導出され、コンデンサ26により水蒸気22が凝縮され、分離ドラム27にて水28が分離され、CO2及びH2Sガス29が系外に放出されて回収される。分離ドラム27にて分離された水28は吸収液再生塔14の上部に供給される。
再生された吸収液(リーン溶液)12Bは、熱交換器16にてリッチ溶液12Aと熱交換されて冷却され、つづいてリーン溶液ポンプ32にて昇圧され、さらにリーン溶液クーラ33にて冷却された後、再び吸収塔13に供給され、吸収液12として再利用される。
切り替えの際には、制御手段42より、供給ラインL2-1、L2-2、L2-4に介装されたバルブV1〜V4の開閉度を調整しつつ行うようにしている。
本実施例では吸収塔13を複数の充填層13A〜13Dを用いているので、その充填高さを変更している。なお、吸収塔における導入ガス11と吸収液12との接触方法を棚段方式とする場合はトレイ段数の高さを変更するようにすればよい。その他のスプレー塔方式や液柱塔方式とする場合には、吸収塔13内の供給位置(高さ)を変更するようにすればよい。
図6は、本試験例に係るCO2及びH2Sを含むガスの回収システムの吸収塔部分の模式図である。
ここで、図6においては、吸収塔13内の充填層を8段13A〜13Hとし、計測器41で計測した結果、CO2濃度が低い場合(10mol%−dry以下)、には4段から塔頂部側とするのが好適である。
また、計測器41で計測した結果、CO2濃度が高い場合(10mol%−dryを超える)、には4段から下方(底部)側とするのが好適である。
図7−1〜図7−3に、CO2回収量(左縦軸)/出口ガス中H2S濃度(右縦軸)と吸収塔の高さ位置(段数)との関係を示す。
図7−1は、導入ガス11中のCO2濃度が6mol%−dryの場合では、高さによる出口ガス中のH2S濃度(右縦軸)の変化は少しであった。
ところが、導入ガス11中のCO2濃度が6mol%−dryから8mol%−dry(図7−2)、10mol%−dry(図7−3)と上昇するにつれて、H2Sの放散量が増大する傾向となることが判明した。
よって、例えば棚段の場合においては、10mol%−dryのCO2濃度が高い場合、8段の棚段を用いた際には、4段程度の高さに位置を変更することが好適であることが判明した。
これにより、H2Sの吸収量を所望に維持すると共に、CO2の回収量を可能な限り低く保つようにすることができる。
また、吸収液12を供給する位置を一つの位置に固定せず、多段の位置に供給するようにし、それぞれの供給位置における吸収液流量をそれぞれ変化させるようにしてもよい。
すなわち、導入ガス11中のCO2濃度に応じて、吸収塔13に導入する吸収液12(リーン溶液12B)の供給位置を適宜変更させることで、H2SとCO2とのを選択分離性の向上を図ることができる。
図2に示すように、本実施例に係るCO2及びH2Sを含むガスの回収システム10Bは、実施例1に係るCO2及びH2Sを含むガスの回収システム10Aにおいて、前記計測器41による導入ガス11中のCO2濃度に応じて、前記吸収塔13と前記再生塔14との吸収液の循環量を変化させる制御を制御手段42により行い、リーン溶液ポンプ32の流量を調節する制御を制御手段42により行い、吸収液12の循環量を変化させるようにしている。
また、吸収塔13の高さは一定として、吸収液量をさらに変化させるようにしてもよい。
このように、導入ガス11中のCO2濃度に応じて、吸収液流量を変化させることで、H2Sの回収量を満足しつつ、CO2の回収量を極力低くすることができることとなる。
図3に示すように、本実施例に係るCO2及びH2Sを含むガスの回収システム10Cは、実施例1に係るCO2及びH2Sを含むガスの回収システム10Aにおいて、前記計測器41による導入ガス11中のCO2濃度に応じて、前記吸収塔13と前記再生塔14との吸収液12のリーン溶液クーラ33における冷却量を変化させる制御を制御手段42により行い、CO2濃度が高い場合には、吸収液12の温度を下げるようにしている。
図8−1、図8−3に、CO2回収量(左縦軸)/出口ガス中H2S濃度(右縦軸)と吸収塔の出口液温度との関係を示す。
図8−1は、導入ガス11中のCO2濃度が6mol%−dryの場合では、温度変化があっても高さによる出口ガス中のH2S濃度(右縦軸)の変化は少しであった。
ところが、導入ガス11中のCO2濃度が6mol%−dryから8mol%−dry(図8−2)、10mol%−dry(図8−3)と上昇するにつれて、出口液温度の温度上昇があると、H2Sの放散量が増大する傾向となることが判明した。
11 導入ガス
12 吸収液
12A リッチ溶液
12B リーン溶液
13 吸収塔
14 吸収液再生塔(再生塔)
15 リボイラ
16 熱交換器
41 計測器
42 制御手段
Claims (6)
- CO2及びH2Sを含むガスを導入ガスとし、該導入ガスとCO2及びH2Sを吸収する吸収液とを接触させて前記導入ガスからCO2及びH2Sを吸収させる吸収塔と、
CO2及びH2Sを吸収した吸収液を吸収塔の塔底部から抜き出し、第1の供給ラインを介して塔頂部より導入し、リボイラの熱によりCO2及びH2Sを放出させて吸収液を再生する吸収液再生塔と、
再生された再生吸収液を吸収塔側に戻す第2の供給ラインと、
前記導入ガスのCO2濃度を計測する計測器とを具備すると共に、
前記第2の供給ラインを複数分岐し、その分岐先を吸収塔の高さ方向に沿って設けると共に、
前記計測器による導入ガス中のCO2濃度に応じて、再生された吸収液の導入位置又は導入量のいずれか一方又は両方を吸収塔の高さ方向のいずれかに変更する制御を行うことを特徴とするCO2及びH2Sを含むガスの回収システム。 - 請求項1において、
前記計測器による導入ガス中のCO2濃度に応じて、前記吸収塔と前記吸収液再生塔との吸収液の循環量を変化させる制御を行うことを特徴とするCO2及びH2Sを含むガスの回収システム。 - 請求項1又は2において、
前記吸収塔からCO2及びH2Sを一部吸収した吸収液を外部に抜き出すと共に、導入する抜出・導入ラインと、
該抜出・導入ラインに介装され、抜き出した吸収液を冷却する冷却器とを具備することを特徴とするCO2及びH2Sを含むガスの回収システム。 - CO2及びH2Sを含むガスを導入ガスからCO2及びH2Sを回収する吸収塔と、CO2及びH2Sを吸収した吸収液からCO2及びH2Sを放出させて吸収液を再生する吸収液再生塔とを用いたCO2及びH2Sを含むガスの回収方法であって、
前記導入ガス中のCO2濃度を計測し、その計測濃度に応じて、再生された吸収液の導入位置又は導入量のいずれか一方又は両方を吸収塔の高さ方向のいずれかに変更することを特徴とするCO2及びH2Sを含むガスの回収方法。 - 請求項4において、
計測器による導入ガス中のCO2濃度に応じて、前記吸収塔と前記吸収液再生塔との吸収液の循環量を変化させることを特徴とするCO2及びH2Sを含むガスの回収方法。 - 請求項4又は5において、
吸収塔からCO2及びH2Sを一部吸収した吸収液を外部に抜き出し、抜き出した吸収液を冷却した後、吸収塔に戻すことを特徴とするCO2及びH2Sを含むガスの回収方法。
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