次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機10を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1〜図3に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤30を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤30の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置65の第1始動入賞口66または第2始動入賞口67へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下演出図柄という)を変動表示させて図柄変動演出を行う図柄表示装置19が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤30を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13aで前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
(中枠12について)
図2に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材20と、下縁をなし、スピーカ16や打球発射装置17、操作ハンドル18等が設置された下枠部材21と、左側縁をなす左枠部材22と、右側縁をなす右枠部材23とから構成されて、これら上下左右の枠部材20,21,22,23を組み付けた際に、全体が前記外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、前記上下左右の枠部材20,21,22,23を組み付けた際に前後に開口する開口部分が、前記遊技盤30を着脱可能に設置する遊技盤保持部24として機能する(図2参照)。また、前記左枠部材22の開口内側(遊技盤保持部24側)には、上下に離間する位置に、前記遊技盤30の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具25aが複数(実施例では2個であるが、1個或いは3個以上であってもよい)設けられると共に、上下の枠部材20,21における右端部(右枠部材23側)に、遊技盤30の右側上下端部を固定する固定具25bが夫々設けられている。すなわち、前記遊技盤30を中枠12に配設するには、前記遊技盤保持部24に斜めに遊技盤30を臨ませて、該遊技盤30の左側端部を前記回転保持具25aで保持した状態で、遊技盤30の右側端部を押し込んで遊技盤30の左側端部(回転保持具25a)を中心に回動させて遊技盤30の全体を遊技盤保持部24に臨ませて、前記固定具25bで遊技盤30の右側上下端部を支持固定する。このように、実施例に係る遊技盤30は、前記中枠12と同様に、左側端部が回転中心となるよう支持される。
図2、図11に示すように、前記上枠部材20の裏側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク26が、該上枠部材20の左右幅の略全幅に亘って設けられている。この球タンク26は、前記遊技盤保持部24の上部後方に臨んで、該遊技盤保持部24に配設された遊技盤30の上部位置と前後に重なるよう構成されて、遊技盤30の上下寸法を最大限大きくし得るようになっている。なお、前記下枠部材21の裏側には、前記上下の球受け皿14,15に連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路が夫々形成されたセット部材(何れも図示せず)が配設されている。そして、前記球タンク26およびセット部材は、各部材における左枠部材22側の端部間に架設された球通路ユニット28を介して連通接続されており、該球通路ユニット28に配設された球払出し装置の駆動により球タンク26に供給されたパチンコ球を前記上下の球受け皿14,15へ給出するよう構成されている。
(遊技盤30について)
前記遊技盤30は、図3に示すように、所定板厚の略矩形状に形成された木材板の表面に、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を貼付けて装飾した板部材であって、該遊技盤30の表面(盤面)に配設された略円形状に湾曲形成する案内レール31により、パチンコ球が流下可能な遊技領域30aが画成されている。また、前記遊技盤30の裏面に、前記図柄表示装置19が取り付けられた設置部材90(後述)が配設されている。なお、実施例では、前記図柄表示装置19としては、各種演出図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置19やドットマトリックス式の図柄表示装置19等の演出図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置19を採用し得る。
(遊技盤30の装着口)
また、前記遊技盤30には、図5に示すように、ルーター加工等の孔空け加工により前後に貫通する複数の装着口32a,32b,32cが開設されて、各装着口32a,32b,32cに対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体40、始動入賞装置65、特別入賞装置70、入賞口形成部材75等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域30aの最下部位置には、該遊技領域30aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口33が開設されている。
ここで、実施例の前記遊技盤30には、前記案内レール31で囲まれた遊技領域30aの略中央の大部分が開口する第1装着口32aに、前後に開口する第1窓口(可視部)40aが形成された枠状装飾体40が取り付けられ、該枠状装飾体40の第1窓口40aを介して図柄表示装置19の表示面が遊技盤30の前面側に臨むよう構成されている。そして、前記第1装着口32a(枠状装飾体40)の下方に開設された第2装着口32bに、遊技領域30a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口66,67を有する始動入賞装置65および特別入賞装置70が取り付けられ、該第2装着口32b(始動入賞装置65)の左側方に開設された第3装着口32cに、遊技領域30aを流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口79,81,83を有する入賞口形成部材75が取り付けられている。ここで、図11に示すように、前記中枠12の遊技盤保持部24に遊技盤30を取り付けた状態で、前記球タンク26の一部が第1装着口32aの開口内側に露出するよう形成されており、前記枠状装飾体40の上部位置と球タンク26とが前後の関係で重なるよう構成されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤30に対する遊技盤設置部品の配設数や配設位置等に応じて適宜決定される。
また、図3、図6に示すように、前記遊技盤30には、前記遊技領域30a内に多数の遊技釘35が設けられると共に、前記枠状装飾体40の左側方に、遊技領域30aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材34(回転体)が回転自在に支持されており、遊技釘35との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材34は、所謂「風車」とも称される部材であって、前記回転案内部材34の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。また、前記遊技盤30には、図6に示すように、前記始動入賞装置65の第1始動入賞口66(後述)と前記回転案内部材34との間に、該第1始動入賞口66へ向けて下方傾斜する直線状に連続して前記遊技釘35が設けられると共に、該第1始動入賞口66へ向けて直線状に下方傾斜する遊技釘群の下方位置には、前記第2始動入賞口67へ向けて下方傾斜する直線状に連続して遊技釘35が設けられている。なお、以下の説明では、前記第1始動入賞口66へ向けて下方傾斜する直線状に連続した遊技釘群を上側案内連釘36と指称し、前記第2始動入賞口67へ向けて下方傾斜する直線状に連続した遊技釘群を下側案内連釘37と指称するものとする。
すなわち、前記上側案内連釘36は、前記遊技領域30aを流下するパチンコ球を第1始動入賞口66へ案内する案内部として機能し、前記下側案内連釘37は、遊技領域30aを流下するパチンコ球を第2始動入賞口67へ案内する案内部として機能している。なお、前記上側案内連釘36および下側案内連釘37を構成する遊技釘35は、適宜位置でパチンコ球が通過可能な隙間36a,37aが空くよう設けられており、該上下の案内連釘36,37上を移動するパチンコ球が特別入賞装置70やアウト口33側へ流下し得るようになっている。
(枠状装飾体40について)
前記枠状装飾体40は、図3、図7に示すように、前記第1装着口32aに沿って延在すると共に第1窓口40aおよび第2窓口40bが形成される環状の基体41と、前記遊技領域30a内に球通入口49aが開口するよう基体41の左側部に設けられ、該遊技領域30aを流下するパチンコ球を第1窓口40aの開口内側に誘導する球誘導部49と、該基体41の下部(開口下縁部)に設けられて球誘導部49の球通出口49bに連通し、該球誘導部49を通過したパチンコ球が左右方向に転動可能なステージ50とを備え、当該基体41が遊技盤30に取り付けられている。ここで、前記第1窓口40aは、前記枠状装飾体40の基体41を前記第1装着口32aに配設した際に、前記図柄表示装置19が遊技盤30の前面に露出する大型開口部であり、前記第2窓口40bは、前記設置部材90に配設される可動体150および第2表示器155(何れも後述)が臨む小型開口部であって、第1窓口40aの右下方位置に設けられており、該第1窓口40aと第2窓口40bとが仕切り板41cにより区切られている。
前記基体41は、図7に示すように、前記第1装着口32aに挿入される環状の枠本体の前端部に設けられて外方へ延出し、前記遊技盤30の前面に当接する薄板状の固定板41aと、該固定板41aの前端部に取り付けられ、前記遊技盤30の前面に突出する庇状部41bとを有し、遊技盤30に対して固定板41aが前側からネジ止めされるようになっている。なお、前記庇状部41bは、前記枠状装飾体40(第1窓口40a)の左側縁の中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在して第1窓口40aを囲繞すると共に、前記第2窓口40bを囲繞するよう設けられており、第1窓口40a(図柄表示装置19の前面)および第2窓口40b(可動体150および第2表示器155の前側)を横切ってパチンコ球が移動するのを規制している。
また、前記枠状装飾体40には、図3、図7に示すように、前記第1窓口40aの開口上部位置に、パチンコ機10のモチーフに合わせた装飾形態に形成された発光装飾部42が設けられている。前記発光装飾部42は、前記第1窓口40aの開口内側に位置する光透過性の光透過カバー43と、該光透過カバー43の裏側に設けられて、前方へ光を照射するLED44aを実装した第1LED基板(電気部品)44とを有しており、該第1LED基板44のLED44aを発光することで光透過カバー43が明輝されて、枠状装飾体40の上部位置を発光装飾するようになっている。すなわち、図11に示すように、前記発光装飾部42の第1LED基板44は、前記第1装着口32aの開口内側に露出した球タンク26と前後の関係で重なるよう構成されており、該第1LED基板44に接続する配線が、前記設置部材90に形成された配線挿通凹部101(後述)を介して設置部材90の後方に引き出されるようになっている。
(球通過ゲート46)
図3、図7に示すように、前記枠状装飾体40の左側部には、側方に突出する突出片45が形成されると共に、該突出片45の前面側に、遊技領域30aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート46が設けられている。この球通過ゲート46には通過球検出センサ47(図4参照)が配設されており、該球通過ゲート46を通過するパチンコ球を通過球検出センサ47で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ47は、パチンコ機10の裏側に配設された制御装置170(図4参照)に配線接続されており、該通過球検出センサ47から前記制御装置170への球検出信号の入力に伴って始動口開放抽選が行われると共に、第1表示器130の普図表示部142での点滅変動が開始されるようになっている(後述)。
(ステージ50について)
前記ステージ50は、図3、図6〜図9に示すように、前記枠状装飾体40における第1窓口40aの内周下縁部に、パチンコ球が転動可能な球転動面51が左右方向に延在するよう形成されて、該球転動面51の左端部で前記球誘導部49の球通出口49bが開口するよう構成されている。ここで、前記球転動面51は、上方に突出した凸形状部分(山状の部分)が1箇所設けられると共に、下方に突出した凹形状部分(谷状の部分)を該凸形状部分の左右両側部の2箇所に備えた起伏形状に形成されており、当該凸形状部分が前記始動入賞装置65の第1始動入賞口66の上方に位置し、凹形状部分が第1始動入賞口66の左右側方に位置するようになっている。また、前記球転動面51の後端部には、該球転動面51の全長に亘って上方へ延出する後壁部53が設けられると共に、該球転動面51の前端部には、上方へ突出する球移動規制壁52が形成されており、当該後壁部53および球移動規制壁52によりステージ50上に到来したパチンコ球が球転動面51を転動するようになっている。そして、前記球転動面51の両凹形状部分には、前方へ下方傾斜する凹溝部51aが形成されると共に、該凹溝部51aの形成位置と対応する位置で球移動規制壁52が切り欠かれており、該球転動面51上を転動するパチンコ球が凹溝部51aから前方(遊技領域30a)へ排出(落下)されるようになっている。すなわち、前記球転動面51における凹溝部51aがパチンコ球を排出する球排出部として機能している。
また、前記枠状装飾体40には、図6に示すように、前記ステージ50の後壁部53における前記始動入賞装置65の第1始動入賞口66の鉛直上方位置に、パチンコ球が通過可能な球入口54aが形成されると共に、前記基体41(固定板41a)における始動入賞装置65の第1始動入賞口66の上方位置に、パチンコ球が通過可能な球出口54bが形成されて、該球入口54aおよび球出口54bを連通接続する球案内路54が設けられている。すなわち、前記ステージ50上を転動するパチンコ球は、前記球案内路54の球入口54aに通入して前記球案内路54を通過することで、前記第1始動入賞口66へ向けて排出されるよう構成されている。
前記球案内路54は、図8、図9に示すように、前記後壁部53に形成された球入口54aに上端部が連通し、該球入口54aとの連通部から下方へ延在する縦案内通路55と、該縦案内通路55の下端部および前記枠状装飾体40(固定板41a)に形成された球出口54bを連通接続する前方案内通路60とから構成されている。ここで、前記縦案内通路55は、該縦案内通路55の側面を画成し、前記球入口54aの左右の開口端部に沿って上下方向に延在する平面形状の第1の左右側壁面56,56と、第1の左右側壁面56,56の後端部に連接し、縦案内通路55の後面を画成する後壁面57と、当該第1の左右側壁面56,56の上端部および後壁面57の上端部に連設し、前記球入口54aに対向する湾曲面58とから画成されている。前記湾曲面58は、前記球入口54aの開口上端部から後方(後壁面57)へ向かうにつれて一様に円弧状に湾曲する湾曲面状に形成されている。すなわち、前記縦案内通路55における前記球入口54aに接続する接続部(縦案内通路55の上端部)が円弧状に湾曲するよう形成されており、当該球入口54aを介して縦案内通路55内へ後方移動したパチンコ球を湾曲面58の湾曲形状に倣って下方へ滑らかに誘導し得るよう構成されている。
また、前記縦案内通路55の後壁面57は、図9に示すように、面全体が鉛直面をなすよう形成されると共に、該後壁面57の上端部が前記湾曲面58の下端部より前方へ僅かに突出するよう形成されている。すなわち、前記縦案内通路55の後壁面57と湾曲面58との連設部は、該後壁面57が前方に突出する段差状に形成されて、湾曲面58の湾曲形状に倣って下方へ誘導されたパチンコ球が後壁面57と湾曲面58との段差部59に接触して前方へ誘導されることで、該縦案内通路55から前方案内通路60へ滑らかに移動し得るよう構成されている。ここで、前記段差部59における湾曲面58側の端部は、前方へ向けて下方傾斜する傾斜状に形成されており、該段差部59に接触したパチンコ球を前方へ無理なく誘導し得るようになっている。
前記前方案内通路60は、図8、図9に示すように、前記縦案内通路55の第1の左右側壁面56,56の下端部に連設する第2の左右側壁面61,61と、該第2の左右側壁面61,61および縦案内通路55の後壁面57の下端部に連設する底面62とから画成されている。また、前記前方案内通路60の底面62には、左右方向に離間する位置に、前後の全長に亘って延在する一対の誘導リブ62a,62aが形成されており、前記球入口54aに入ったパチンコ球が縦案内通路55を介して誘導リブ62a,62a上に落下するようになっている。前記一対の誘導リブ62a,62aは、前方へ向けて下方傾斜するよう形成され、該一対の誘導リブ62a,62a上に落下したパチンコ球を球出口54bへ誘導するようになっている。ここで、前記一対の誘導リブ62a,62aの後端部(縦案内通路55の下端部に臨む位置)では、傾斜角度が大きく設定されており、縦案内通路55内を落下したパチンコ球を速やかに前方移動させて、縦案内通路55と前方案内通路60との屈曲部分でのパチンコ球の球詰まりを防止するようになっている。
また、前記前方案内通路60の第2の左右側壁面61,61には、図8に示すように、前記誘導リブ62a,62aの上端部よりも上方位置に、前後方向へ延在する突条部61a,61aが形成されている。ここで、前記突条部61a,61aの突出端部間の間隔は、一方の誘導リブ62a,62aと突条部61a,61aとにパチンコ球が接触した状態において、パチンコ球の重心が一対の誘導リブ62a,62aの間に位置する寸法に設定される。すなわち、前記前方案内通路60をパチンコ球が移動する際に、前記一対の誘導リブ62a,62aの一方から離間して突条部61a,61aに接触したパチンコ球を、自重により一対の誘導リブ62a,62aに接触して誘導される状態に復帰させて、前記球出口54bからパチンコ球が一定方向へ排出されるよう構成してある。これにより、前記球出口54bから排出されるパチンコ球の排出方向が安定し、パチンコ球を前記始動入賞装置65の第1始動入賞口66へ高確率で入賞させ得るようになっている。
(始動入賞装置65について)
図6に示すように、前記始動入賞装置65は、前記遊技盤30の遊技領域30aを流下するパチンコ球が入賞可能な上方に開口する第1始動入賞口66と、該第1始動入賞口66の下方に設けられて、遊技領域30aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口67とを備えている。前記第2始動入賞口67を挟む左右位置には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の開閉部材68,68が設けられており、駆動手段としての第1ソレノイド65a(図4参照)の駆動に伴って一対の開閉部材68,68が揺動変位することで、前記第2始動入賞口67が開閉するよう構成される。ここで、前記第1ソレノイド65aは前記制御装置170に配線接続されて、所定の開閉条件に従って第1ソレノイド65aが制御装置170により駆動制御される。
また、前記始動入賞装置65は、図4に示すように、前記第1始動入賞口66に入賞したパチンコ球を検出する第1始動入賞球検出センサ66aが設けられると共に、前記第2始動入賞口67に入賞したパチンコ球を検出する第2始動入賞球検出センサ67aが設けられている。前記第1始動入賞球検出センサ66aおよび第2始動入賞球検出センサ67aは、前記制御装置170に配線接続されており、第1始動入賞球検出センサ66aおよび第2始動入賞球検出センサ67aから制御装置170への入賞検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されると共に、前記制御装置170において大当り抽選(後述)が行われて、該大当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置19の図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置19での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置19に所定の組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で演出図柄が停止表示されることで所謂大当りが発生し、大当りの発生に伴って前記特別入賞装置70が開放して多数の賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
(特別入賞装置70について)
前記特別入賞装置70は、図6に示すように、遊技領域30aに開口する特別入賞口71を開閉自在に閉成する開閉扉72を備えており、駆動手段としての第2ソレノイド70a(図4参照)の駆動に伴って開閉扉72が揺動変位することで特別入賞口71が開閉するようよう構成されている。また、前記特別入賞装置70は、前記特別入賞口71に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞球検出センサ71aが設けられている。前記特別入賞球検出センサ71aは、前記制御装置170に配線接続されており、該特別入賞球検出センサ71aから制御装置170への入賞検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。なお実施例に係るパチンコ機10では、前記大当りが発生した場合に、複数回(例えば15回)のラウンド遊技を繰り返すよう前記第2ソレノイド70aが制御装置170により駆動制御される。ここで、1回のラウンド遊技は、前記特別入賞口71を開放してから所定時間(例えば30秒)が経過するか、特別入賞球検出センサ71aが所定数(例えば10個)のパチンコ球を検出することで開閉扉72が閉鎖されて終了するようになっている。
(入賞口形成部材75について)
前記入賞口形成部材75は、図6、図12に示すように、前記遊技盤30の前面に取着されて前記第3装着口32cを覆う薄板状の取着部材76と、該取着部材76に設けられて第3装着口32cを介して遊技盤30後方へ延在する複数(実施例では3つ)の球受け通路78,80,82と、当該取着部材76の前面左上部に設けられ、前記設置部材90に配設された後述する第1表示器130を覆蓋保護する保護カバー体84とを備えている。ここで、前記取着部材76には、前後に開口する嵌合孔部(開口部)77が前記保護カバー体84の配設位置に対応して形成されており、前記第1表示器130が嵌合孔部77を介して遊技盤30の前面に露出するよう構成されている。なお、前記取着部材76には、前記第3装着口32cに臨む位置に、光を透過する光透過部76aが設けられており、該取着部材76の後方に位置するよう設けられた前記設置部材90の第2LED基板97(図13参照)のLED97aの光により、前記入賞口形成部材75が明輝されて遊技盤30が発光装飾されるようになっている。
また、実施例に係る3つの球受け通路78,80,82は、図6、図12に示すように、前記取着部材76に対して前記始動入賞装置65に近づくにつれて下方に位置する階段状に配置されている。また、前記各球受け通路78,80,82は、前記取着部材76の前後に亘って延在するよう形成されると共に、上方に開口する樋形状に形成されている。すなわち、前記各球受け通路78,80,82における遊技盤30の前面から前方へ突出した突出部分が、前記遊技領域30aを流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口79,81,83として機能している。また、前記各球受け通路78,80,82の後端部は、前記設置部材90に設けられた球排出経路105(後述)に連通接続するよう構成されており、各普通入賞口79,81,83に入賞したパチンコ球を対応の球受け通路78,80,82を介して球排出経路105に誘導して遊技盤30の外部に排出するようになっている。
なお、以下の説明では、前記始動入賞装置65から最も離間した最上段の球受け通路を第1球受け通路78と指称し、該第1球受け通路78の右下方に位置する中段の球受け通路を第2球受け通路80と指称し、該第2球受け通路80の右下方に位置する下段の球受け通路を第3球受け通路82と指称するものとする。また、前記第1球受け通路78、第2球受け通路80および第3球受け通路82の夫々に対応する普通入賞口を、第1普通入賞口79、第2普通入賞口81および第3普通入賞口83と夫々指称する。
また、前記保護カバー体84は、透明な合成樹脂材により後方へ開口する箱状に形成されて、該保護カバー体84の後方開口端部が前記取着部材76に当接した状態で固定されている(図19(a)参照)。すなわち、前記保護カバー体84の前面部85は、前記嵌合孔部77に嵌合する前記第1表示器130から前方に所定距離離間するよう構成され、該保護カバー体84を透視して第1表示器130を遊技盤30の前側から視認し得るよう構成される。また、前記保護カバー体84は、前記遊技領域30aを流下するパチンコ球が該保護カバー体84の前面部85の前側を通過不能な高さ寸法で形成されて、前記第1表示器130の視認性を妨げないようになっている。ここで、前記保護カバー体84の前面部85は、前記遊技盤30に設けられた遊技釘35の前端と同一レベルに位置するよう構成されている。
図6に示すように、前記保護カバー体84の上面部86は、右方向へ向かうにつれて下方傾斜する傾斜面に形成されている。ここで、前記保護カバー体84の上面部86は、前記遊技盤30に設けられた前記下側案内連釘37の延長線上に位置するよう構成されており、該保護カバー体84の上面部86上に到来したパチンコ球を下側案内連釘37へ向けて移動させるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記保護カバー体84の上面部86と下側案内連釘37(遊技釘35)とによって、遊技領域30aを流下するパチンコ球を前記始動入賞装置65の第2始動入賞口67に向けて誘導する誘導路を形成している。
(制御装置170について)
ここで、実施例に係るパチンコ機10の裏側(中枠12や遊技盤30の裏側)に配設された前記制御装置170には、前記大当りの発生確率(大当り確率)および前記第2始動入賞口67への入賞確率(開閉条件)を特定する遊技状態が複数種類(実施例では通常状態、第1確変状態、第2確変状態、時短状態の4種類の遊技状態)が設定されると共に、前記図柄表示装置19で行われる図柄変動演出として複数種類(実施例では3種類)の演出モードが設定されており、該制御装置170で選択決定された遊技状態および演出モードに基づいて定まる遊技演出状態で遊技が行われるようになっている。ここで、前記通常状態は、パチンコ機10において通常行われる遊技の状態であって、大当りの発生確率および前記始動入賞装置65の第2始動入賞口67への入賞確率が最も低く設定された遊技状態である。また、前記第1確変状態は、大当りの発生確率および前記始動入賞装置65の第2始動入賞口67への入賞確率が通常状態に較べて高く設定された遊技状態であり、第2確変状態は、大当りの発生確率が通常状態に較べて高く設定される一方で、第2始動入賞口67への入賞確率は通常状態と同等に設定された遊技状態である。時短状態は、大当りの発生確率が通常状態と同等に設定される一方で、始動入賞装置65の第2始動入賞口67への入賞確率が通常状態に較べて高く設定された遊技状態である。
また、前記図柄表示装置19で行われる図柄変動演出の演出モードとしては、前記通常状態の場合に実行可能な通常演出モードと、前記第1確変状態の場合に実行可能な確変演出モードと、前記時短状態の場合に実行可能な時短演出モードと、前記通常状態または第2確変状態の場合に実行可能な潜伏モードとが前記制御装置170に設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記通常演出モード、確変演出モードおよび時短演出モードの何れかに基づいた図柄変動演出が前記図柄表示装置19で行われる場合には、図柄変動演出の内容から遊技状態を容易に識別し得る一方で、前記潜伏モードに基づいた図柄変動演出が図柄表示装置19で行われる場合には、該図柄変動演出の内容から遊技状態が通常状態および第2確変状態の何れになっているかを識別することは不可能とされている。
前記制御装置170は、前記第1始動入賞球検出センサ66aまたは第2始動入賞球検出センサ67aからパチンコ球の検出信号の入力(すなわち第1始動入賞口66または第2始動入賞口67への入賞)を契機として所定の大当り抽選を実行するよう設定されると共に、大当り抽選により決定された設定情報に基づいて図柄表示装置19において図柄変動演出を行わせ、始動入賞装置65、特別入賞装置70、可動演出装置145、各発光演出装置、第1表示器130および第2表示器155を作動するよう設定されている。ここで、前記大当り抽選は、各始動入賞球検出センサ66a,67aからパチンコ球の検出信号が入力された時点において、制御装置170に予め設定された多数種類の乱数値(大当り判定用)の内から1つを取得する乱数抽選が行われ、該取得した乱数値(大当り判定用)に基づいて大当りを発生するか否かを決定する。そして、大当りを発生する旨の決定後には、多数種類の乱数値(大当り図柄用)の内から1つを取得する大当り判定抽選が行われて、該取得した乱数値(大当り図柄用)に基づいて大当り種別(大当り後の遊技状態)が通常状態、第1確変状態、第2確変状態、時短状態の何れかに決定されると共に、決定された大当り種別に応じて大当り後の演出モードが決定される。また、大当りを発生しない旨の決定後や大当り種別の決定後に、多数種類の乱数値(演出図柄決定用)の内から1つを取得する図柄決定抽選が行なわれて、該取得した乱数値(演出図柄決定用)に基づいて図柄変動後に図柄表示装置19で停止表示される演出図柄が決定される。このように、前記設定情報には、大当りを発生するか否か(特別入賞装置70を開放するか否か)を決定する情報や、該大当りを発生するか否かを決定した後の大当り種別の情報、演出モードの情報、演出図柄の情報等が含まれる。
また、前記制御装置170は、前記通過球検出センサ47からのパチンコ球の検出信号の入力(すなわち球通過ゲート46へのパチンコ球の通過)を契機として前記第2始動入賞装置65における第2始動入賞口67を開放するか否かの始動口開放抽選が行われ、該始動口開放抽選の結果が当選の場合に、第2始動入賞口67を開放するよう第2始動入賞装置65が駆動制御されるようになっている。前記始動口開放抽選は、前記通過球検出センサ47からパチンコ球の検出信号が入力された時点において、制御装置170に予め設定された多数種類の乱数値(第2始動入賞口67の開閉条件用)の内から1つを取得する乱数抽選が行われ、該乱数値毎に定められた当選・非当選に基づいて決定することで実行される。そして、前記始動口開放抽選の結果が当選であることを必須条件として、前記制御装置170に設定された所定の開放条件および閉鎖条件が成立することで、該第2始動入賞口67が開閉するようになっている。また、前記制御装置170は、前記通過球検出センサ47からのパチンコ球の検出信号の入力(すなわち球通過ゲート46へのパチンコ球の通過)を契機として、前記第1表示器130に設けられる普図表示部142(後述)において点滅変動が行われるよう設定されている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記第2始動入賞装置65の第2始動入賞口67を開放する開放条件および該第2始動入賞口67を閉鎖する閉鎖条件は、遊技状態に応じて設定されている。具体的には、実施例では、遊技状態が前記第1確変状態および時短状態の場合には、遊技状態が通常状態および第2確変状態の場合に較べて、前記始動口開放抽選の結果が確定するまでの確定時間が短くなるよう設定されると共に、第2始動入賞口67の1回の開放毎の開放時間を長く設定することで、第1確変状態および時短状態における第2始動入賞口67への入賞確率を高くしている。例えば、遊技状態が通常状態および第2確変状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略30秒で、かつ第2始動入賞口67の開放時間が1回の開放当たり略0.1秒に設定されるのに対し、遊技状態が第1確変状態および時短状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略2秒で、かつ第2始動入賞口67の開放時間が1回当たり略2秒に設定されている。
また、前記図柄表示装置19において図柄変動演出が行われている状態で前記第1始動入賞口66へのパチンコ球の入賞があった場合には、第1始動入賞球検出センサ66aからの検出信号の入力に伴って行われる大当り抽選で取得された乱数値(大当り判定用)を、第1図柄変動保留値として前記制御装置170に設けられた記憶手段172に記憶して、図柄変動の開始を保留するよう設定されている。同じように、前記図柄表示装置19において図柄変動演出が行われている状態で前記第2始動入賞口67へのパチンコ球の入賞があった場合には、第2始動入賞球検出センサ67aからの検出信号の入力に伴って行われる大当り抽選で取得された乱数値(大当り判定用)を、第2図柄変動保留値として前記記憶手段172に記憶して、図柄変動の開始を保留するよう設定されている。そして、図柄変動演出の終了後に、前記第1図柄変動保留値または第2図柄変動保留値に基づいて決定される設定情報により遊技を行うよう構成されている。なお、前記記憶手段172に第1図柄変動保留値および第2図柄変動保留値の夫々が記憶されている場合には、第2図柄変動保留値が優先して消化するよう設定してもよく、また第1および第2図柄変動保留値を記憶手段172が記憶した順で消化するよう設定にしてもよい。
また同様に、前記普図表示部142において点滅変動が行われている状態で前記球通過ゲート46をパチンコ球が通過した場合には、通過球検出センサ47からの検出信号の入力に伴って行われる始動口開放抽選で取得された乱数値(第2始動入賞口67の開閉条件用)を、普図変動保留値として前記記憶手段に記憶して、普図表示部142での点滅変動の開始を保留するよう設定されている。そして、普図表示部142での点滅変動の終了後に、普図変動保留値に基づいて決定される当選・非当選の結果により普図表示部142での点滅変動を行うよう構成されている。ここで、前記制御装置170の記憶手段に記憶し得る第1図柄変動保留値の数(第1図柄変動保留数)、第2図柄変動保留値の数(第2図柄変動保留数)および普図変動保留値の数(普図変動保留数)は、何れも最大で4個に設定してある。
(設置部材90について)
次に、前記設置部材90に関して説明する。図13に示すように、前記設置部材90は、前記遊技盤30に対向する略矩形状の背面板91と、該背面板91の外周縁部から前方に突出する上下左右の画壁部92a〜92dとから前方に開口する箱状に形成されて、該画壁部92a〜92dの開口前端部を遊技盤30の裏面に当接させた状態で、設置部材90が遊技盤30にネジ固定される。そして、前記設置部材90において前記遊技盤30との間に画成される空間に、可動演出装置145や各種装飾部材等が設置されて、設置部材90を基材とする単一のユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材90の背面板91には、前記枠状装飾体40の第1窓口40aと前後に整列する位置に、略矩形状の表示開口部91aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板91の裏側に前記図柄表示装置19が着脱自在に取り付けられて、該表示開口部91aを介して図柄表示装置19の表示部が遊技盤30の前側に臨むようになっている。そして、前記背面板91における表示開口部91aの下方位置に、前方へ開口する収容凹部93が形成されて、該収容凹部93内に前記始動入賞装置65の装置本体が収容されるようになっている。また、図11に示すように、前記遊技盤30に設置部材90を配設した状態において、該遊技盤30に開設された前記第1装着口32aの一部分が前記設置部材90における前記球タンク26の底面26aに対向する上画壁部92aよりも上方側で開口するよう構成されている。
(配線挿通凹部101について)
前記上画壁部92aの前端部には、図11、図14、図15に示すように、前方および上下に開口する切欠部100が形成されると共に、該切欠部100の後端部に、前後および上方に開口する配線挿通凹部101が前後方向に直線的に延在するよう形成されており、前記枠状装飾体40に配設された前記第1LED基板44に接続する配線H1を、当該配線挿通凹部101を介して設置部材90の後方へ導出するよう構成されている。ここで、前記第1LED基板44には、前記切欠部100の前方上側に、配線H1の接続口を下方(切欠部100側)へ向けた姿勢で接続コネクタ44bが配設されており、前記配線挿通凹部101に挿通された配線H1が切欠部100を介して接続コネクタ44bに接続されたることで、配線H1に係る負荷を軽減して断線等の発生を防止するようになっている。
前記配線挿通凹部101は、図11、図13に示すように、該配線挿通凹部101の側面を画成する左右の内側面(対向側面)101a,101bの上端部(開口上端部)に、対向する内側面側に延出する左右の配線押さえ片102a,102bが夫々形成されている。ここで、前記左右の配線押さえ片102a,102bは、左右方向に相互に離間するよう構成されて、該左右の配線押さえ片102a,102bの間の隙間103を介して前記配線挿通凹部101が上下に開口するようになっている。すなわち、前記左右の配線押さえ片102a,102bの突出端部間の隙間103を介して、前記上画壁部92aの上方側から配線H1を配線挿通凹部101内に挿入することで、該配線挿通凹部101を前後に貫通するよう配線H1が挿通される。また、前記左右の配線押さえ片102a,102bの夫々は、図14に示すように、対応する内側面101a,101bとの接続端部から突出端部に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されており、前記配線挿通凹部101内に一旦挿通された配線H1が左右の配線押さえ片102a,102b間の隙間103から抜け出るのを防止している。
更に、前記左内側面101aからの前記左配線押さえ片102aの突出長さは、前記右内側面101bからの前記右配線押さえ片102bの突出長さよりも長く設定されている(図14、図15参照)。これにより、前記配線挿通凹部101内に配線H1を挿入する際に、前記左配線押さえ片102aの弾性変形を容易にしている。また、図15に示すように、前記左右の配線押さえ片102a,102bは、該左右の配線押さえ片102a,102bの前端部から後端部に向かうにつれて離間寸法が拡大するよう設けられている。すなわち、前記隙間103の前端部側開口寸法L1よりも後端側開口寸法L2の方が大きくなるよう構成されて、該隙間103の後端部側からの配線H1の差し込みを容易にしている。
また、前記左右の配線押さえ片102a,102bの夫々は、図11に示すように、前端部から後端部に向かうにつれて厚み寸法が薄くなるよう形成されている(図11に左配線押さえ片102aのみ図示)。更に前記配線挿通凹部101の底面101cは、前端部から後端部に向けて下方傾斜するよう形成されて、配線挿通凹部101の前端部側での配線H1の上下移動を制限している。このように、実施例のパチンコ機10では、前記配線挿通凹部101の後方側からの配線H1の挿入を容易になし得るよう構成されると共に、配線挿通凹部101内に挿通された配線H1を、当該配線挿通凹部101の前端部側で保持することで、配線H1の安定性を高めている。
前記設置部材90には、図16〜図18に示すように、前記収容凹部93の左側方に、前記第1〜第3普通入賞口79,81,83に入賞したパチンコ球を排出案内する球排出経路105が設けられている。ここで、実施例の球排出経路105(後述する共通経路部107、第1分岐経路部110および第2分岐経路部115)は、1個のパチンコ球が通過可能な通路幅で前方へ開口する樋状に前記設置部材90と一体的に形成されている。そして、前記設置部材90における前記球排出経路105の前側には、前方へ光を照射するLED97aを備えた発光装置95が配設されており、球排出経路105の前方開口を発光装置95で塞ぐことで、パチンコ球が一列で移動可能な球通路を画成している。ここで、前記発光装置95は、前記球排出経路105の前方開口を塞ぐ遮蔽板96と、該遮蔽板96の前面側に配設され、前方へ光を照射するLED97aを備えた第2LED基板97と、該LED基板97の前面を覆蓋保護する基板カバー98とから構成されており、前記遊技盤30に開設された第3装着口32cに第2LED基板97が臨んで、前記入賞口形成部材75に後方から光を照射して遊技盤30(入賞口形成部材75)を発光装飾するようになっている。なお、前記遮蔽板96には、前記第2球受け通路80の後端部および第3球受け通路82の後端部に対応する位置に、前後に開口する連通孔96aが夫々形成されて、該連通孔96aを介して第2および第3球受け通路80,82が球排出経路105(第2分岐経路部115)に連通するようになっている。なお、前記第1球受け通路78の後端部は、前記遮蔽板96の上方に位置している。
(球排出経路105について)
前記球排出経路105は、図16、図17に示すように、前記設置部材90の下画壁部92bに上下に開口するよう形成された球排出口106と、該球排出口106に接続するよう形成されて上方へ延在する共通経路部107と、該共通経路部107の上端部に接続するよう形成された第1分岐経路部(第1経路部)110および第2分岐経路部(第2経路部)115とからなり、該第1分岐経路部110に前記第1球受け通路78が連通接続すると共に、該第2分岐経路部115に前記第2球受け通路80および第3球受け通路82の夫々が連通接続するよう構成されている。すなわち、前記第1普通入賞口79に入賞したパチンコ球が、前記第1分岐経路部110および共通経路部107を介して球排出口106へ排出案内され、前記第2普通入賞口81および第3普通入賞口83に入賞したパチンコ球が、前記第2分岐経路部115および共通経路部107を介して球排出口106へ案内されるようになっている。なお、前記球排出口106が前記中枠12に設けられた球回収部(図示せず)に接続するよう構成されて、該球排出口106から排出されたパチンコ球が球回収部を介してパチンコ機10の外部(遊技店側の球循環設備)へ回収するようになっている。
また、前記共通経路部107には、図16、図17に示すように、前記第1分岐経路部110および第2分岐経路部115との接続部位より下方位置に、該共通経路部107を通過するパチンコ球を検出する入賞球検出センサ(第3球検出手段)109を着脱可能なセンサ取付部(第3取付部)108が設けられている。すなわち、前記共通経路部107のセンサ取付部108に取り付けられた入賞球検出センサ109がパチンコ球を検出することで、前記第1普通入賞口79、第2普通入賞口81および第3普通入賞口83の夫々に入賞したパチンコ球を検出し得るようになっている。なお、以下の説明では、前記第1分岐経路部110に設けられるセンサ取付部を共通センサ取付部108と指称し、該共通センサ取付部108に取り付けられる入賞球検出センサを普通入賞球検出センサ109と指称する。
前記第1分岐経路部110は、図16、図17に示すように、前記第1球受け通路78の後端部(すなわち第1普通入賞口79との連通位置)から下方へ延在する第1縦通路111と、該第1縦通路111の下端部および前記共通経路部107の上端部の夫々に連通接続し、右方向(すなわち第1普通入賞口79に対する第2普通入賞口81の配置方向)へ下方傾斜するよう延在する第1傾斜通路112とから構成されている。すなわち、前記第1普通入賞口79に入賞したパチンコ球は、前記第1分岐経路部110の第1縦通路111および第1傾斜通路112と前記共通経路部107とを経由して、前記球排出口106から排出されるようになっている。
また、図16、図17に示すように、前記第1分岐経路部110には、前記第1縦通路111における前記第1球受け通路78の後端部との接続部位の下方位置(すなわち第1縦通路111の経路途中)に、該第1縦通路111(第1分岐経路部110)を通過するパチンコ球を検出する入賞球検出センサ(第1球検出手段)114を着脱可能なセンサ取付部(第1取付部)113が設けられている。すなわち、前記第1縦通路111のセンサ取付部113に取り付けられた入賞球検出センサ114がパチンコ球を検出することで、前記第1普通入賞口79に入賞したパチンコ球を検出し得るようになっている。なお、以下の説明では、前記第1分岐経路部110に設けられるセンサ取付部を第1検査用センサ取付部113と指称し、該第1検査用センサ取付部113に取り付けられる入賞球検出センサを第1検査用球検出センサ113と指称する。
前記第2分岐経路部115は、図16、図17に示すように、前記第2球受け通路80の後端部(すなわち第2普通入賞口81との連通位置)から右方向(すなわち第2普通入賞口81との連通位置を基点に第1普通入賞口79から離間する方向)へ下方傾斜するよう延在する第2傾斜通路116と、該第2傾斜通路116の傾斜下端部に連通接続し、下方へ延在する第2縦通路117と、該第2縦通路117の下端部および前記共通経路部107の上端部の夫々に連通接続し、左方向へ下方傾斜するよう延在する第3傾斜通路118とから構成されている。すなわち、前記第2普通入賞口81に入賞したパチンコ球は、前記第2分岐経路部115の第2傾斜通路116、第2縦通路117および第3傾斜通路118と前記共通経路部107を経由して、前記球排出口106から排出されるようになっている。
ここで、前記第3傾斜通路118には、前記第3球受け通路82の後端部が臨むよう構成されており、前記第3普通入賞口83に入賞したパチンコ球は、前記第2分岐経路部115の第3傾斜通路118と前記共通経路部107とを経由して、前記球排出口106から排出されるようになっている。すなわち、前記第2分岐経路部115の第2縦通路117は、前記第3普通入賞口83の配置位置よりも右側に位置するよう形成されて、該第2分岐経路部115における前記第2傾斜通路116と第2縦通路117との屈曲部分が、前記第1分岐経路部110の第1縦通路111から離間するよう構成されている。
また、図16、図17に示すように、前記第2分岐経路部115には、前記第2傾斜通路116における傾斜下端部(すなわち第2傾斜通路116の経路途中)に、該第2傾斜通路116(第2分岐経路部115)を通過するパチンコ球を検出する入賞球検出センサ(第2球検出手段)120を着脱可能なセンサ取付部(第2取付部)119が設けられている。すなわち、前記第2傾斜通路116のセンサ取付部119に取り付けられた入賞球検出センサ120がパチンコ球を検出することで、前記第2普通入賞口81に入賞したパチンコ球を検出し得るようになっている。なお、以下の説明では、前記第2分岐経路部115に設けられるセンサ取付部を第2検査用センサ取付部119と指称し、該第2検査用センサ取付部119に取り付けられる入賞球検出センサを第2検査用球検出センサ120と指称する。すなわち、前記第2検査用球検出センサ120は、前記第2傾斜通路116において前記第1分岐経路部110の第1縦通路111と第2傾斜通路116との屈曲部分からの直線距離ができる限り離間する位置に取り付けられて、該第1分岐経路部110の第1縦通路111を落下したパチンコ球が第1傾斜通路112との屈曲部位に衝突して振動が発生した際に、当該振動が第2検査用センサまで伝わり難くしている。
ここで、前記第2分岐経路部115(第2傾斜通路116)における前記第2球受け通路80との接続部が前記第1分岐経路部110の第1傾斜通路112の上方に位置するよう構成されて、該第1傾斜通路112と第2傾斜通路116とが上下の関係で隣接するよう形成されると共に、両傾斜通路112,116が平行に延在するよう構成されている。また、前記第1傾斜通路112の上面を画成する上側通路壁112aと、前記第2傾斜通路116の下面を画成する下側通路壁116aとは、上下に離間した独立の壁部により形成されており、該第1傾斜通路112の上側通路壁112aと、第2傾斜通路116の下側通路壁116aとの間に緩衝空間121(空間部)を形成するよう構成されている。すなわち、前記第1縦通路111と第1傾斜通路112の屈曲部位に衝突して跳ね上がったパチンコ球が第1傾斜通路112の上側通路壁112aに接触して振動が発生した際に、当該振動が第2検査用センサまで伝わるのを防止している。
(第1表示器130について)
また、前記設置部材90には、図13、図16に示すように、前記球排出経路105の左側方に、大当り抽選によって決定された遊技状態を表示する第1表示器130が配設されており、前記入賞口形成部材75に形成された嵌合孔部77を介して第1表示器130が遊技盤30の前面に露出するよう構成されている。前記第1表示器130は、前記設置部材90に固定されると共に、前後に貫通する複数の第1光透過孔133が形成された第1外装部材131と、該第1外装部材131に後方から取り付けられ、第1光透過孔133の後方に整列する位置にLED135,136,137,138を実装した第1遊技状態表示用LED基板134とから構成されて、第1外装部材131に形成された各第1光透過孔133が前記嵌合孔部77に臨んで前側から視認し得るようになっている。また、前記設置部材90の背面板91には、前記第1遊技状態表示用LED基板134に接続する配線H2を挿通する配線孔部94aが形成されており、該配線孔部94aを介して設置部材90の裏側に引き出された配線H2が、当該設置部材90の裏側に設けた中継接続用の基板(図示せず)に配線接続されている。この中継接続用の基板は、前記制御装置170に対して配線接続されて、前記第1遊技状態表示用LED基板134のLED135,136,137,138を制御装置170からの制御信号に基づいて個別に点灯制御し得るようになっている。
前記第1外装部材131は、後方に開放する箱状に形成されて、該第1外装部材131の左右側部に後方へ突出するよう形成された第1固定片131aを前記設置部材90の背面板91に形成された第1固定部91bにネジ止めすることで第1表示器130が固定される。すなわち、前記設置部材90に第1表示器130(第1外装部材131)を固定した状態では、該設置部材90の前方開口より前側に第1表示器130が位置して、前記遊技盤30の第3装着口32c内に第1表示器130が臨むよう構成されている。ここで、前記第1遊技状態表示用LED基板134は、前記第1外装部材131の後方開口形状に略整合する形状に形成されており、該第1遊技状態表示用LED基板134を第1外装部材131にネジ止めすることで、当該第1外装部材131の後方開口が塞がれて、外部の光が第1表示器130の内部に入らないようになっている。
また、前記第1外装部材131には、図16に示すように、前記入賞口形成部材75の嵌合孔部77に対応する位置に、前方へ突出した前面突出部132が形成されており、前記遊技盤30の裏側に設置部材90を配設した際に、該入賞口形成部材75の嵌合孔部77に該前面突出部132が嵌合するようになっている(図19(a)参照)。ここで、前記第1表示器130の前面(前面突出部132の前面)は、前記遊技盤30の前面と略同一レベルに位置するよう構成されており、前記入賞口形成部材75に設けられた前記保護カバー体84との間に空間が画成されている。すなわち、前記第1表示器130は、前記保護カバー体84より奥まった位置に配置されている。
そして、図16に示すように、前記第1表示器130の前記前面突出部132に、前記第1光透過孔(発光領域)133が前後に貫通するよう複数箇所(実施例では13箇所)に形成されて、該第1光透過孔133の後端部に個別に前記第1遊技状態表示用LED基板134のLED135,136,137,138が臨むよう構成されている。すなわち、前記第1遊技状態表示用LED基板134のLED135,136,137,138により各第1光透過孔133が独立して点灯・消灯されるようになっている。
ここで、前記第1光透過孔133は、図20(a)に示すように、上下方向に一定間隔離間した位置に、一定間隔毎の横並びのドット状に整然と区画形成されている。また、前記第1光透過孔133は、同一の開口形状で形成されると共に、前記第1遊技状態表示用LED基板134のLED135,136,137,138の夫々は、同一の発光色のものが採用されており、一見しただけでは該第1遊技状態表示用LED基板134のLED135,136,137,138の点灯・消灯・点滅のパターンを把握し難くしている。
そして、図20(a)に示すように、上から2段分の計7個の第1光透過孔133および対応するLED135が、前記始動入賞装置65の第1始動入賞口66へのパチンコ球の入賞を契機に前記制御装置170で行われる大当り抽選で決定された遊技状態を表示する第1図柄変動結果表示部(結果表示部)140として機能するよう構成されている。前記第1図柄変動結果表示部140では、前記第1始動入賞球検出センサ66aから検出信号が制御装置170に入力されて設定情報(図柄判定用の乱数値)が決定されるのに伴って、該第1図柄変動結果表示部140を構成する各LED135が所定パターンで点灯・消灯する点滅変動が行われる。第1図柄変動結果表示部140における点滅変動の具体例は、第1図柄変動結果表示部140を構成する上段左側のLED135から右側に隣接するLED135の順に点灯位置が移動し、その後下段左側のLED135から右側に隣接するLED135の順に点灯位置が移動して、上段左側のLED135に点灯位置が戻る点灯位置移動が繰り返されることで実施される。そして、前記第1図柄変動結果表示部140での点滅変動後に、設定情報(大当り図柄用の乱数値)に応じた点灯パターン(点灯位置)でLED135が点灯するよう点灯制御されている。すなわち、最終的に第1図柄変動結果表示部140で確定的に点灯されたLED135の点灯パターン(点灯位置)を把握することで、大当りの発生の有無や、図柄変動後の遊技状態を識別し得るようになっている。ここで、前記第1図柄変動結果表示部140では、前記図柄表示装置19での図柄変動演出が行われている間は前記点滅変動が行われ、前記図柄表示装置19での図柄変動演出の終了後(演出図柄が確定的に停止表示された後)に、設定情報(大当り図柄用の乱数値)に応じた点灯パターンでLED135が確定的に点灯されるよう前記制御装置170により制御され、図柄変動演出が行われている途中で第1図柄変動結果表示部140のLED135が確定的に点灯されて遊技者の興趣を損なわないようになっている。
また、図20(a)に示すように、前記第1図柄変動結果表示部140の下段に位置する2個の第1光透過孔133および対応するLED136は、前記制御装置170が記憶する前記第1図柄変動保留数(すなわち遊技状態以外の遊技に関する情報)を表示する第1保留数表示部(別の表示部)141として機能するよう構成されている。前記第1保留数表示部141は、前記制御装置170が記憶する第1図柄変動保留数の増減に応じて、該第1保留数表示部141を構成する各LED136が速やかに点灯・消灯・点滅するよう点灯制御される。すなわち、第1保留数表示部141を構成する2つのLED136の点灯・消灯・点滅の組み合わせで、第1図柄変動保留数を表示するようになっている。
図20(a)に示すように、前記第1図柄変動結果表示部140の下段に位置する2個の第1光透過孔133および対応するLED137は、前記球通過ゲート46のパチンコ球の通過を契機に前記制御装置170で行われる始動口開放抽選で決定された当選・非当選を表示する普図表示部142として機能するよう構成されている。前記普図表示部142では、前記通過球検出センサ47から検出信号が制御装置170に入力されるのに伴って、該普図表示部142を構成する各LED137が所定パターンで点灯・消灯する点滅変動が行われ、当該点滅変動後に決定された当選・非当選に応じた点灯パターンでLED137が点灯するよう点灯制御されている。すなわち、最終的に普図表示部142で点灯するLED137の点灯パターンを把握することで、始動口開放抽選での当選・非当選の結果を識別し得るようになっている。ここで、前記普図表示部142は、遊技状態毎に設定された前記確定時間が経過することで、始動口開放抽選の当選・非当選に応じた点灯パターンでLED137が点灯されるよう設定されている。
図20(a)に示すように、前記普図表示部142の下段に位置する2個の第1光透過孔133および対応するLED138は、前記制御装置170が記憶する前記普図変動保留数(すなわち遊技状態以外の遊技に関する情報)を表示する普図用保留数表示部(別の表示部)143として機能するよう構成されている。前記普図用保留数表示部143は、前記制御装置170が記憶する普図変動留数の増減に応じて、該普図用保留数表示部143を構成する各LED138が速やかに点灯・消灯・点滅するよう点灯制御される。すなわち、普図用保留数表示部143を構成する2つのLED138の点灯・消灯・点滅の組み合わせで、普図柄変動保留数を表示するようになっている。
(可動演出装置145および第2表示器155について)
また、前記設置部材90には、図13,図21に示すように、前記球排出経路105の右側方に、可動演出装置145が配設されると共に、該可動演出装置145にパチンコ機10における各種遊技状態を表示する第2表示器155が配設されている。ここで、前記可動演出装置145は、前記設置部材90に配設された演出装置99の前面に取り付けられている。そして、前記設置部材90に可動演出装置145を配設した状態では、前記可動演出装置145の可動体150および第2表示器155が前記遊技盤30の第1装着口32aの内側に挿入されて、該可動体150および第2表示器155が遊技盤30の前面より前側に突出すると共に、可動体150および第2表示器155が前記枠状装飾体40に形成された第2窓口40bを介して遊技盤30の前面に露出するよう構成されている(図3、図10、図19(b)等参照)。すなわち、実施例では、前記演出装置99が前記可動演出装置145および第2表示器155の設置部として機能して、前記遊技盤30の前面より可動体150および第2表示器155が前方に突出することで、該可動体150および第2表示器155の視認性を高めている。
また、前記可動演出装置145は、図21、図22に示すように、前後のケース体146a,146bの内側に収容空間が画成されて、該収容空間内に第3ソレノイド147が収容されている。そして、支軸148aを介して前記前後のケース体146a,146bに揺動可能に支持された揺動アーム148が前記第3ソレノイド147に取り付けられる作動部材147aに連繋接続されると共に、該前後のケース体146a,146bに上下移動可能に支持されたスライド板149が揺動アーム148に連繋接続されて、当該前ケース体146aの前側に配設された可動体150が、該前ケース体146aに形成されたガイド孔146cを介してスライド板149に連結固定されている。すなわち、前記制御装置170の制御信号に基づいて前記第3ソレノイド147を駆動することで可動体150が上下移動するようになっている。なお、前記可動体150が初期位置(図10の実線参照)にある状態では、可動体150の装飾部分の上側一部分が前記第2窓口40bを介して露出し、可動位置(図10の2点差線参照)に上昇移動することで、可動体150における装飾部分の全体が第2窓口40bを介して露出するようになっている。また、前記可動演出装置145の収容空間には、前記第2窓口40bおよび可動体150の後方に位置するよう第3LED基板151が配設されると共に、該第3LED基板151の前方に光透過性の前カバー体152が設けられており、前記第2窓口40bを発光装飾し得るよう構成されている。
また、前記第2表示器155は、図21、図22に示すように、前記可動演出装置145(前ケース体146a)に固定されると共に、前後に貫通する複数の第2光透過孔(発光領域)158が形成された第2外装部材156と、該第2外装部材156に後方から取り付けられ、第2光透過孔158の後方に整列する位置に、遊技状態に応じて点灯されるLED160,161,162を実装した第2遊技状態表示用LED基板159とから構成されて、第2外装部材156に形成された各第2光透過孔158が前記第2窓口40bの内側に臨んで前側から視認し得るようになっている。また、前記設置部材90には、前記下画壁部92bの前端部に、前方および上下に開口する配線凹部(配線経路)94bが形成されており、前記可動演出装置145(第3ソレノイド147)に接続する配線H3および第2遊技状態表示用LED基板159に接続する配線H4を纏めた上で、該配線凹部94bから設置部材90の下方へ引き出すよう構成されている。そして、前記配線凹部94bを介して設置部材90の裏側に引き出された配線H3,H4が、当該設置部材90の裏側に設けた前記中継接続用の基板に配線接続されている。すなわち、前記可動演出装置145および第2表示器155は、この中継接続用の基板を介して制御装置170に対して配線接続されて、制御装置170からの制御信号に基づいて可動演出装置145の第3ソレノイド147が駆動制御されると共に第2遊技状態表示用LED基板159のLED160,161,162が個別に点灯制御されるようになっている。
前記第2外装部材156は、後方に開放する箱状に形成されて、該第2外装部材156の左右側部に後方へ突出するよう形成された第2固定片156aを前記可動演出装置145の前ケース体146aに形成された第2固定部にネジ止めすることで第2表示器155が固定される。すなわち、前記第2表示器155(第2外装部材156)を固定した状態では、前記前ケース体146aと第2表示器155との間に空間が画成されて、該空間に前記可動体150の装飾部(実施例ではブタを模した耳部分)の一部が臨むようになっている。すなわち、前記前ケース体146aと第2表示器155との間に空間を画成することで、可動体150を大型化して動作による演出効果を向上している。また、前記第2表示器155は、該第2表示器155を前記第2窓口40bに臨ませた状態で、前記枠状装飾体40の庇状部41bの前端部近傍に位置するよう構成されており(図19(b)参照)、遊技盤30の前側からの視認性を高めている。
図20(b)に示すように、前記第2表示器155には、前後に貫通する前記第2光透過孔158が複数箇所(実施例では11箇所)に形成されて、各第2光透過孔158の後端部に個別に前記第2遊技状態表示用LED基板159のLED160,161,162が臨むよう構成されている。すなわち、前記第2遊技状態表示用LED基板159のLED160,161,162により各第2光透過孔158が独立して点灯・消灯されるようになっている。ここで、前記第2光透過孔158は、図22に示すように、上下方向に一定間隔離間した位置に、一定間隔毎の横並びでドット状に整然と区画形成されている。また、前記第2光透過孔158は、同一の開口形状で形成されると共に、前記第2遊技状態表示用LED基板159のLED160,161,162の夫々は、同一の発光色のものが採用されており、一見しただけでは該第2遊技状態表示用LED基板159のLED160,161,162の点灯・消灯・点滅のパターンを把握し難くしている。
そして、図20(b)に示すように、上から2段分と3段目の左側に位置する計7個の第2光透過孔158および対応するLED160が、前記始動入賞装置65の第2始動入賞口67へのパチンコ球の入賞を契機に前記制御装置170で行われる大当り抽選で決定された遊技状態を表示する第2図柄変動結果表示部(結果表示部)165として機能するよう構成されている。前記第2図柄変動結果表示部165では、前記第2始動入賞球検出センサ67aから検出信号が制御装置170に入力されて設定情報(大当り図柄用の乱数値)が決定されるのに伴って、該第2図柄変動結果表示部165を構成する各LED160が所定パターンで点灯・消灯する点滅変動が行われる。第2図柄変動結果表示部165における点滅変動の具体例は、第2図柄変動結果表示部165を構成する最上段左側のLED160から右側に隣接するLED160の順に点灯位置が移動し、その後中段左側のLED160から右側に隣接するLED160の順に点灯位置が移動して、更にその後最下段のLED160に点灯位置が移動し、その後最上段左側のLED160に点灯位置が戻る点灯位置移動が繰り返されることで実施される。そして、前記第2図柄変動結果表示部165での点滅変動後に、設定情報(大当り図柄用の乱数値)に応じた点灯パターン(点灯位置)でLED160が点灯するよう点灯制御されている。すなわち、最終的に第2図柄変動結果表示部165で確定的に点灯されたLED160の点灯パターン(点灯位置)を把握することで、大当りの発生の有無や、図柄変動後の遊技状態を識別し得るようになっている。ここで、前記第2図柄変動結果表示部165では、前記図柄表示装置19での図柄変動演出が行われている間は前記点滅変動が行われ、前記図柄表示装置19での図柄変動演出の終了後(演出図柄が確定的に停止表示された後)に、設定情報(大当り図柄用の乱数値)に応じた点灯パターンでLED160が確定的に点灯されるよう前記制御装置170により制御されて、図柄変動演出が行われている途中で第2図柄変動結果表示部165のLED160が確定的に点灯されて遊技者の興趣を損なわないようになっている。
また、図20(b)に示すように、前記第2図柄変動結果表示部165の右下方に位置する2個の第2光透過孔158および対応するLED161は、前記制御装置170が記憶する前記第2図柄変動保留数(すなわち遊技状態以外の遊技に関する情報)を表示する第2保留数表示部(別の表示部)166として機能するよう構成されている。前記第2保留数表示部166は、前記制御装置170が記憶する第2図柄変動保留数の増減に応じて、該第2保留数表示部166を構成する各LED161が速やかに点灯・消灯・点滅するよう点灯制御される。すなわち、第2保留数表示部166を構成する2つのLED161の点灯・消灯・点滅の組み合わせで、第2図柄変動保留数を表示するようになっている。
図20(b)に示すように、前記第2保留数表示部166の下方に位置する2個の第2光透過孔158および対応するLED162は、遊技状態を表示する遊技状態表示部167として機能するよう構成されている。前記遊技状態表示部167では、遊技状態が前記第1確変状態または第2確変状態となる場合に上側のLED162が点灯可能で、遊技状態が前記時短状態となる場合に下側のLED162が点灯するよう点灯制御されている。すなわち、最終的に遊技状態表示部167で点灯するLED162の点灯パターンを把握することで、図柄変動演出後の遊技状態が第1確変状態または第2確変状態となることや、時短状態となることを識別し得るようになっている。なお、前記遊技状態表示部167の上側のLED162が点灯するか否かは、前記第1始動入賞球検出センサ66a第2始動入賞球検出センサ67aから検出信号が制御装置170に入力されて決定された設定情報(大当り図柄用の乱数値)に基づいて決定される。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記中枠12の前面側に設けられた前記操作ハンドル18を遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置17から発射されたパチンコ球が前記遊技盤30に設けた案内レール31により画成された遊技領域30a内に打ち出されて、遊技釘35等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域30a内を流下する。そして、前記遊技領域30aを流下するパチンコ球が前記始動入賞装置65の第1始動入賞口66または第2始動入賞口67に入賞することで、前記図柄表示装置19での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置19に所定の図柄組み合わせで演出図柄が表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、前記遊技盤30の下方に設けられた特別入賞装置70が開放されると共に、図柄表示装置19において大当り演出が行われる。
また、前記遊技盤30の遊技領域30aをパチンコ球が流下する過程で、前記枠状装飾体40に設けられた球誘導部49の球通入口49aに通入すると、該球誘導部49を介してステージ50にパチンコ球が誘導される。前記ステージ50に誘導されたパチンコ球は、球転動面51上を左右に転動し、左右の凹溝部51aから遊技領域30a内に排出されるか、後壁部53に形成された球案内路54を介して遊技領域30a内に排出される。このとき、前記球案内路54の球出口54bは、前記始動入賞装置65の第1始動入賞口66の真上に位置しているから、ステージ50上に到来したパチンコ球が球案内路54を通過して遊技領域30aに排出されることで、該第1始動入賞口66に高確率で入賞する。
ここで、前記球案内路54の縦案内通路55における球入口54aに臨んだ壁面は、球入口54aの上端部から該縦案内通路55の後壁面57に向けて一様に円弧状に湾曲する湾曲面58が形成されていることから、該球入口54aに通入したパチンコ球を前方案内通路60へ向けて下方へ滑らかに誘導することができる。また、前記縦案内通路55における球入口54aに臨んだ壁面を一様に円弧状に湾曲する湾曲面58として形成したことで、前記球案内路54内にパチンコ球を案内する案内片を突出する必要がなく、該球案内路54における球入口54aの開口寸法をパチンコ球が通過し得る最小寸法に設定することができ、球案内路54の構成をコンパクトにすることができる。
また、前記湾曲面58の下端部が鉛直面をなす後壁面57の上端部に連設することで、該湾曲面58の湾曲形状により徐々に下方へ向けて移動するよう誘導されたパチンコ球を下方へ滑らかに誘導することができる。また、前記後壁面57と湾曲面58との連設部位は、当該湾曲面58の下端部よりも後壁面57の上端部が前方に突出する段差状に形成されているから、湾曲面58に沿って誘導されたパチンコ球を前方案内通路60でのパチンコ球の移動方向へ送ることができ、球案内路54に通入したパチンコ球をスムーズに通過させることが可能となる。また、前記湾曲面58の下端部と後壁面57の上端部との境界位置に段差部59を形成することで、該球案内路54(縦案内通路55)を通過するパチンコ球に振動を与えることができ、該球案内路54(縦案内通路55)で球詰まりが発生するのを効果的に防止できる。
更に、前記前方案内通路60の底面62には、左右に離間するよう一対の誘導リブ62a,62aが前後の全長に亘って形成されているから、前記縦案内通路55から前方案内通路60へ移動したパチンコ球を安定して球出口54bへ誘導することができる。また、前記一対の誘導リブ62a,62aの後端部(縦案内通路55の下端部に臨む位置)では、前方への下方傾斜角度が大きく設定されているから、縦案内通路55内を下方移動するパチンコ球を速やかに前方移動させることができ、縦案内通路55と前方案内通路60との屈曲部分でのパチンコ球の球詰まりは防止される。また、前記前方案内通路60における第1の左右側壁面61,61には、該前方案内通路60内に突出する突条部61a,61aが形成されており、該前方案内通路60内を通過する過程でパチンコ球が左右に変位した場合に、自重により一対の誘導リブ62a,62aに接触して誘導される状態に復帰させて、前記球出口54bからパチンコ球が一定方向へ排出される。すなわち、前記球案内路54を通過したパチンコ球が第1始動入賞口66に入賞しないケースが多く発生すると遊技者に不信感を抱かせる要因ともなり得ることから、前記球出口54bから排出されるパチンコ球の排出方向が第1始動入賞口66を向くよう安定させることで、当該球出口54bから排出されたパチンコ球を始動入賞装置65の第1始動入賞口66へ高確率で入賞させることができ、遊技者に不信感を抱かせることなく、遊技の興趣を向上することができる。
ところで、前記遊技領域30aを流下するパチンコ球が前記始動入賞装置65の第1始動入賞口66に入賞すると、前記図柄表示装置19での図柄変動演出と併せて前記第1表示器130に設けられた第1図柄変動結果表示部140において点灯パターン変動が行われ、該始動入賞装置65の第2始動入賞口67にパチンコ球が入賞した場合には、同じく図柄表示装置19での図柄変動演出と併せて前記第2表示器155に設けられた第2図柄変動結果表示部165において点灯パターン変動が行われる。ここで、前記第1表示器130の第1図柄変動結果表示部140は、複数のLED135による表示領域をドット状に区画した構成とすると共に、第1図柄変動結果表示部140の第1光透過孔133を同一の形状で整然と形成するようにして、該第1図柄変動結果表示部140で点灯パターンが確定表示された際に、特定の文字や図形等を形成しないようにしてある。従って、大当り抽選によって決定された遊技状態を前記第1図柄変動結果表示部140の点灯パターンによって遊技者に簡単に識別されるのを抑制することができる。すなわち、遊技者に遊技状態を把握され難くしたことで、特に図柄表示装置19において潜伏モードの図柄変動演出が行われる際に、遊技状態が第2確変状態であるか通常状態であるかは容易に判別できず、該潜伏モードで行われる遊技に対する遊技者の期待感を高めて、遊技の興趣を向上し得るようになる。また、前記第1表示器130には、前記第1図柄変動結果表示部140とは別に、第1保留数表示部141や普図表示部142、普図用保留数表示部143を同じ形態で形成してあるから、前記第1図柄変動結果表示部140での点灯状態が別の表示部141,142,143の点灯状態と相紛れて見分け難くすることができ、当該第1図柄変動結果表示部140での点灯パターンによって遊技状態を遊技者に簡単に識別されるのをより効果的に抑制でき、遊技の興趣を持続することができる。
また同様に、前記第2表示器155の第2図柄変動結果表示部165は、複数のLED160による表示領域をドット状に区画した構成とすると共に、第2図柄変動結果表示部165の第2光透過孔158を同一の形状で整然と形成するようにして、該第2図柄変動結果表示部165で点灯パターンが確定表示された際に、特定の文字や図形等を形成しないようにしてある。従って、大当り抽選によって決定された遊技状態を前記第2図柄変動結果表示部165の点灯パターンによって遊技者に簡単に識別されるのを抑制することができる。すなわち、遊技者に遊技状態を把握し難くしたことで、特に図柄表示装置19において潜伏モードの図柄変動演出が行われる際に、遊技状態が第2確変状態であるか通常状態であるかは容易に判別できず、該潜伏モードで行われる遊技に対する遊技者の期待感を高めて、遊技の興趣を向上し得るようになる。また、前記第2表示器155には、前記第2図柄変動結果表示部165とは別に、第2保留数表示部166や遊技状態表示部167を同じ形態で形成してあるから、前記第2図柄変動結果表示部165での点灯状態が別の表示部166,167の点灯状態と相紛れて見分け難くすることができ、当該第2図柄変動結果表示部165での点灯パターンによって遊技状態を遊技者に簡単に識別されるのをより効果的に抑制でき、遊技の興趣を持続することができる。また、前記第1図柄変動結果表示部140および第2図柄変動結果表示部165を遊技盤30の左右方向に離間して設けたことで、前記記憶手段172が第1および第2図柄変動保留値を記憶した順で消化して第1図柄変動結果表示部140および第2図柄変動結果表示部165で点灯パターン変動を行う場合には、遊技者の注意が第1図柄変動結果表示部140および第2図柄変動結果表示部165に分散され、これら図柄変動結果表示部140,165での点灯パターンが遊技者に簡単に識別されるのをより効果的に抑制できる。
また、前記第1表示器130では、前述のように第1図柄変動結果表示部140、第1保留数表示部141、普図表示部142、普図用保留数表示部143が1つに纏められており、第2表示器155では、前述のように第2図柄変動結果表示部165、第2保留数表示部166、遊技状態表示部167が1つに纏められている。このため、これらの表示部を夫々独立して形成する構成に較べて、これらの表示部の設置スペースを小さくでき、他の遊技部品を設置するスペースを確保することができる。
また、前記第1表示器130は、遊技盤30の左側方に設けられた前記入賞口形成部材75の嵌合孔部77に対応して配置して前側から視認可能に構成される一方、前記第2表示器155は、遊技盤30の右側方に位置する第2窓口40bに臨むよう配置して前側から視認可能に構成されている。このように、前記第1表示器130および第2表示器155を遊技盤30の左右に離間して配置することで、遊技盤30に対する他の部品の設置スペースを圧迫するのを抑制し得る。
そして、前記第1表示器130の前面を、遊技盤30の前面と略同一レベルに位置させて奥行きをもたせたことで、該第1表示器130の各表示部の視認性が向上し、遊技者が適宜に各表示部を参照しながら遊技を行うことができる。ここで、前記入賞口形成部材75に設けられた保護カバー体84により、前記遊技領域30aを流下するパチンコ球が第1表示器130の前側を横切ることはないから、第1表示器130の前面を遊技盤30の前面と略同一レベルに位置させたとしても、当該第1表示器130の視認性が損なわれることはない。また、前記保護カバー体84は、単に第1表示器130を保護するカバーとして機能するだけでなく、該保護カバー体84の上面部86が遊技領域30aを流下するパチンコ球を第2始動入賞口67に誘導する誘導路の一部を構成するから、遊技釘35の使用本数を低減することができる。
更に、前記第1表示器130自体は前記設置部材90に配設されているから、該第1表示器130に接続する配線H2を設置部材90に設けた中継基板に接続することができる。すなわち、前記設置部材90を遊技盤30に取り付ける際に第1表示器130から導出する配線H2が遊技盤30との間に挟み込まれることはなく、取付の作業性が向上する。しかも、前記第1表示器130には、該第1表示器130を構成する第1遊技状態表示用LED基板134に複数の表示部を構成する各LED135,136,137,138を設けてあるから、複数の表示部の配線H2を纏めて配線孔部94aを介して設置部材90の裏側に引き回すことができ、配線処理を簡略化し得る。
一方で、前記第2窓口40bに内に臨む第2表示器155は、前記遊技盤30の前面より前方へ突出させて第2窓口40bの開口前端部近傍に位置させたことで、前記枠状装飾体40(庇状部41bや仕切板41c)によって第2表示器155の視認性が損なわれることはない。しかも、前記第2表示器155を第2窓口40bの開口前端部近傍に配置したことで、可動演出装置145の可動体150を第2表示器155の後方で動作させることができる。すなわち、第2表示器155が第2窓口40bを介して露出するだけでなく、該第2窓口40bに可動体150を配置して動作による演出を行い得るようになる。
また、前記第2表示器155が配設された前記可動演出装置145を設置部材90に配設するよう構成されているから、設置部材90を遊技盤30に取り付ける際に第2表示器155矢可動演出装置145から導出する配線H3,H4が遊技盤30との間で挟み込まれることはなく、取付の作業性が向上する。しかも、前記設置部材90の下画壁部92bに配線凹部94bを形成して、遊技盤30との間に配線挿通部が画成されるよう構成してあるから、第2表示器155および可動演出装置145に接続する配線H3,H4が遊技盤30との間で挟み込まれるのを確実に防止したもとで設置部材90の裏側に配線H3,H4を引き出すことができ、設置部材90の裏側に配設した中継基板に対する配線接続作業が容易になる。また、前記第2表示器155を可動演出装置145に配設することで、該第2表示器155および可動演出装置145から導出する配線H3,H4を容易に纏めることができると共に、設置部材90に設けた配線凹部94bに纏めて引き回し得るから、配線処理を簡単にできる。
また、実施例では、前記設置部材90の上画壁部92aに、前後および上方に開口する配線挿通凹部101を形成して、前記枠状装飾体40に配設された第1LED基板44に接続する配線H1を、該配線挿通凹部101を介して設置部材90の裏側へ挿通するよう構成したから、該配線H1が球タンク26との間に噛み込まれるのを防止できる。すなわち、前記枠状装飾体40に配設される第1LED基板44に対する配線接続位置に応じて前記設置部材90に配線挿通凹部101を形成することで、当該配線H1の噛み込みを確実に防止し得るから、枠状装飾体40に対する第1LED基板44の配設位置の自由度が向上し、パチンコ機10のコンセプトに合わせた遊技演出の多様化を実現すことが可能となる。また、前記設置部材90の上方に臨むよう配設された第1LED基板44の配線H1を、設置部材90の上画壁部92aに形成した配線挿通凹部101に挿通することで、配線H1の処理作業性が格段に向上する。
また、前記配線挿通凹部101には、開口上端部に形成した配線押さえ片102a,102bが形成されているから、該配線挿通凹部101に挿通した配線H1が設置部材90の上画壁部92aより上方へ延出するのを防止することができる。従って、前記配線挿通凹部101に挿通した配線H1が球タンク26との間に噛み込まれるのを効果的に阻止し得る。更に、前記配線押さえ片102a,102bは、対応する対向側面101a,101bから突出端部に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されているから、配線挿通凹部101の内部への配線H1の挿通作業は容易に行い得る一方で、配線挿通凹部101に一旦挿通された配線H1が当該配線挿通凹部101からはみ出すのを効果的に阻止できる。
更に、前記配線押さえ片102a,102bの一方の突出長さを長く設定することで、配線挿通凹部101の左右の開口幅を広くすることなく配線挿通凹部101への配線H1の挿通作業を容易に行い得る。すなわち、前記配線挿通凹部101の左右開口幅を、配線H1が挿通可能な必要最小限の幅に設定できるから、該配線挿通凹部101内での配線移動を抑制して配線H1を一定位置に保持することができるから、前記配線挿通凹部101からの配線H1のはみ出しを効果的に防止できる。また、前記左右の配線押さえ片102a,102bの間の隙間103が、前端部から後端部に向かうにつれて拡大するよう設けたことで、該隙間103の後端部側から配線H1を容易に差し込むことが可能となり、配線処理作業の作業性を向上できる。
また、前記第1表示器130が臨む嵌合孔部77が形成された前記入賞口形成部材75に形成された第1普通入賞口79、第2普通入賞口81、第3普通入賞口83に入賞したパチンコ球は、前記設置部材90に形成された球排出経路105を介して排出される。ここで、実施例の球排出経路105では、前記第1普通入賞口79、第2普通入賞口81、第3普通入賞口83の夫々に連通する共通経路部107を設けたことで、該共通経路部107の共通センサ取付部108に、普通入賞球検出センサ109を配設することで、全ての普通入賞口79,81,83に入賞したパチンコ球を検出することができる。すなわち、センサの配設個数を削減し得るから、製造コストの低減や、リサイクル性の向上を図り得る。
また、実施例の球排出経路105には、前記第1普通入賞口79に対応した第1分岐経路部110の第1縦通路111に、第1検査用球検出センサ114を配設可能な第1検査用センサ取付部113を設けると共に、前記第2普通入賞口81に対応した第2分岐経路部115の第2傾斜通路116に、第2検査用球検出センサ120を配設可能な第2検査用センサ取付部119を設けてある。従って、前記共通センサ取付部108に普通入賞球検出センサ109を設置した状態で、前記第1検査用センサ取付部113および第2け検査用センサ取付部119の夫々に対応する第1検査用球検出センサ114および第2検査用球検出センサ120を取り付けることにより、第1普通入賞口79、第2普通入賞口81および第3普通入賞口83に入賞したパチンコ球を個別に検出することが可能になる。
ここで、前記第2分岐経路部115における第2傾斜通路116は、前記第2普通入賞口81との連設位置を基点にして第1普通入賞口79から離間する方向へ延在するよう形成されているから、前記第1分岐経路部110の第1縦通路111を落下したパチンコ球が第1傾斜通路112との屈曲部で跳ね返ったとしても、該パチンコ球が前記第2検査用球検出センサ120で誤検出されることはない。更に、前記第1傾斜通路112の上面を形成する上側通路壁112aと第2傾斜通路116の底面62を画成する下側通路壁116aとの間に緩衝空間121が存在するよう構成されているから、前記第1縦通路111を落下して第1傾斜通路112との屈曲部で跳ね返ったパチンコ球が第1傾斜通路112の上側通路壁112aに衝突した場合でも、その衝撃が緩衝されて第2検査用球検出センサ120まで伝わらないから、当該第2検査用球検出センサ120が誤検出するのを確実に防止できる。しかも、前記第2分岐経路部115は、前記第2傾斜通路116の傾斜下端部に下方へ延在する第2縦通路117を備えており、該第2傾斜通路116の傾斜下端部に前記第2検査検作用センサ取付部119を設けてある。すなわち、前記第1分岐経路部110における第1縦通路111と第1傾斜通路112との屈曲部から第2検査用センサ取付部119に取り付けられる第2検査用球検出センサ120を最大限離間させたから、当該屈曲部でパチンコ球が跳ね返ったとしても、第2検査用球検出センサ120が誤検出するのを防止できる。また、前記第1検査用球検出センサ114および第2検査用球検出センサ120として、パチンコ球の接触により検出する接触型の安価なセンサを、検査の精度を低下させることなく採用し得る。
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、第1表示器に第1図柄変動結果表示部、第1保留数表示部、普図表示部、普図保留数表示部を設けるようにしたが、これに限られるものではなく、少なくとも第1図柄変動結果表示部を有するものであればよい。また、第1表示器に第2図柄変動結果表示部を形成することも可能である。更に、遊技状態以外の遊技に関する状態を表示する表示部を第1表示器に設けられる構成の場合に、第1保留数表示部、普図表示部、普図用保留数表示部の全てが設けられている必要はなく、何れか1つまたは2つを設けるようにしてもよい。また、遊技状態表示部を第2表示器に設けることも可能である。
(2) 同様に、実施例では第2表示器に第2図柄変動結果表示部、第2保留数表示部、遊技状態表示部を設けたが、少なくとも第2図柄変動結果表示部を備えるものであればよい。また、第2表示器に第1図柄変動結果表示部を形成することも可能である。更に、遊技状態以外の遊技に関する状態を表示する表示部を第2表示器に設けられる構成の場合に、第2保留数表示部、遊技状態表示部の全てが設けられている必要はなく、何れか1つを設けるようにしてもよい。また、普図表示部、普図用保留数表示部を第2表示器に設けることも可能である。また、第1表示器および第2表示器に形成される光透過孔およびLEDの配置位置は、実施例のものに限られるものではなく適宜に変更でき、両表示器における光透過孔およびLEDの配置位置を同じにしてもよい。
(3) 実施例では、前記第1表示器が臨む嵌合孔部(表示用貫通口)を、普通入賞口が形成された入賞口形成部材に形成したが、これに限られるものではなく、独立した部材に表示用貫通口(嵌合孔部)を形成するようにしてもよい。
(4) 実施例では、第1表示器を遊技盤の左側方に配置すると共に、第2表示器を遊技盤の右側方に配置したが、これに限られるものではなく、第1表示器および第2表示器を遊技盤の左右方向や上下方向、或いは斜め方向に離間するよう配置すればよい。
(5) 実施例では、前記枠状装飾体における右下方位置に第2窓口(第2開口部)を設けたが、これに限られるものではなく、枠状装飾体の適宜位置に形成することが可能である。
(6) 実施例では、前記保護カバー体(カバー部)の上面部を、遊技盤に設けられた下側案内連釘(遊技釘)の延長線上に位置するよう構成して、該保護カバー体の上面部および下側案内連釘により遊技球を第2始動入賞口に向けて誘導可能な誘導路を形成するよう構成したが、当該保護カバー体の上面部を、遊技盤に設けられた上側案内連釘の延長線上に位置するよう構成して、該保護カバー体の上面部および上側案内連釘により遊技球を第1始動入賞口に向けて誘導可能な誘導路として構成してもよい。
(7) 実施例では、枠状装飾体に電気部品としてのLED基板を配設するよう構成したが、これに限られるものではなく、可動演出装置やその他電気的に作動される部品であれば何れの部材であってもよい。
(8) 実施例では、配線挿通凹部を設置部材の上画壁部(上面)に形成するようにしたが、前後および上方に開口する形態であれば、クランク形状や湾曲形状等任意の形状で配線挿通凹部を形成することができる。
(9) 実施例では、配線挿通凹部の開口上端部の左右側部に、配線挿通凹部の上方開口部側に延出する配線押さえ片を形成したが、何れか一方の側部にのみ配線押さえ片を形成してもよい。
(10) また配線押さえ片は、突出端部に向かうにつれて下方傾斜する形態に限らず、例えば水平に形成するようにしてもよく、また配線押さえ片の厚みを前後長の全体に亘って一定にするようにしてもよい。また、対向する配線押さえ片の突出端部を平行に延在するよう形成することもできる。
(11) 実施例では、入賞口形成部材に3つの普通入賞口を形成したが、少なくとも2つの入賞口(第1の入賞口および第2の入賞口)を備えるものであればよい。また、複数の普通入賞口を単一の入賞口形成部材に形成する必要はなく、各普通入賞口を個別に設けた入賞口形成部材に形成するようにしてもよい。
(12) また、実施例では、設置部材に形成した球排出経路を介して普通入賞口に入賞したパチンコ球(遊技球)を排出するよう構成したが、普通入賞口である必要はなく、始動入賞口や特別入賞口のように遊技盤に形成される入賞口に入賞したパチンコ球を排出する球排出経路に適用し得る。
(13) 実施例の球排出経路では、第1経路部および第2経路部の経路途中に設けた第1および第2取付部に、検査用の第1球検出手段および第2球検出手段を着脱可能に構成した例を示したが、これに限らず、第1および第2取付部に常時球検出手段を取り付けるものであってもよい。
(14) また第1経路部および第2経路部の構成は、実施例のものに限られるものではなく、第1経路部は第1の入賞口との連通位置から下方へ延在する縦通路の下端部に、該第1の入賞口に対する第2の入賞口の配置方向へ延在する第1傾斜通路が連通する構成であればよく、また第2経路部は、第2の入賞口との連通位置を基点に第1の入賞口から離間する方向へ延在する第2傾斜通路を有する構成であればよい。
(15) 実施例のステージでは、球案内通路を縦案内通路と前方案内通路とから構成したが、これに限らず、球案内通路が複数回屈曲する形態としてもよい。
(16) また、実施例ではステージに1つの球転動面を備える構成としたが、複数段の球転動面を備えるものであってもよい。
(17) 実施例では、遊技盤の裏側に設置部材を設けるよう構成したが、該設置部材を本体枠としての中枠に設置する構成も採用できる。
(18) 実施例では、中枠を上下左右の枠部材から構成したが、これに限らず、合成樹脂材により上下左右の枠部を一体的に形成して前後に開口する遊技盤設置部を画成するようにしてもよい。
(19) 実施例では、第1始動入賞口および第2始動入賞口を備えた始動入賞装置を用いたが、該第1始動入賞口および第2始動入賞口の夫々が独立した始動入賞装置を構成してもよい。また、第1始動入賞口を開閉式の入賞口とすることもできる。
(20) 実施例では、遊技盤を合板で形成したが、これに限られるものではなく、遊技盤を合成樹脂材から透明または不透明に形成するようにしてもよい。
(21) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。