JP2012109132A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水素含有ガスと酸素含有ガスとを互いに分離して流接させることによる発電を行うセルユニット11と、このセルユニット11から排出された排水素含有ガスを、そのセルユニット11に還流させるためのエゼクタ22を還流路30aに配した燃料電池システムにおいて、上記還流路30aに、排水素含有ガスのセルユニット11への逆流を防止し、適切な時期に還流を実施するための流通制御部25を設けている。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示された従来の車両搭載用燃料電池の水素供給システムは、水素供給源から燃料電池へ水素を供給する経路に同燃料電池において発電に使用されなかった水素を還流させるためのエゼクタを設けたものであり、そのエゼクタをバイパスして前記水素供給源からの水素を前記燃料電池に供給するバイパス経路を備えたものである。
なお、図1及び以下に示す図2〜4においては、水素含有ガスと酸素含有ガスのうち、水素含有ガスの流通系統についてのみ図示し、酸素含有ガスの流通系統についての図示を省略することにより簡略化している。
本実施形態においては、「水素含有ガス」として「水素ガス」、また、「酸素含有ガス」として「空気」を例として説明するが、それらに限るものではない。
すなわち、セルスタック10のアノードから排出される排水素ガスを、エゼクタ22を介してセルスタック10に還流させられるようにしている。
このエゼクタ22は、送給パイプ20aを流通する水素ガスによる巻き込み作用により、セルスタック10から排出された排水素ガスを、還流パイプ30aを通じてアノードに還流させる機能を有するものである。
なお、還流手段としてのエゼクタ22の代わりに、還流パイプ30aにHRB(Hydrogen recirculation blower、水素循環ポンプの略称、以下、「HRB」とする)を設けてエゼクタ22の代わりに三方管を設けて還流手段としてもよい。すなわち、エゼクタ22のみが還流手段となり、また、HRBと三方管を合わせて還流手段ともなる。勿論、エゼクタ22を設けて還流パイプ30aにHRBを設けて還流手段としてもよい。
送給パイプ20aであって上記エゼクタ22の下流側に配置され、また、コントロールユニットCの入力側に接続されて、圧力を検出するようになっている。
すなわち、間欠運転の昇圧時にON‐OFF弁25を開放することで、還流パイプ30a側に圧力がかかって排水素ガスがセルスタック10を逆流することを防止するようにしたものである。このようなON‐OFF弁25を還流パイプ30aに配設することにより、より安定した発電を行なうことができる。
本実施形態においては、ON‐OFF弁25が、排水素ガス(排水素含有ガス)のセルユニット11への逆流を防止するための流通制御部である。この流通制御部は後述するように温度に応じて還流を実施、又は停止するものである。
温度センサ28は、セルスタック10、従ってまた、セルユニット11の温度を測定するためのものであり、コントロールユニットCの入力側に接続されている。
なお、排水弁31は、コントロールユニットCの出力側に接続されて適宜に開閉制御されるようになっている。
窒素パージ弁24は、セパレートタンク30に滞留する窒素ガスを排出するためのものであり、コントロールユニットCの出力側に接続されて開閉制御されるようになっている。
(1)負荷に対応するための電力(電流)を発生させるのに必要な、セルユニット11に送給される水素含有ガス流量が、所定の流量より小さいか否かを判定する機能。この機能を「流量判定手段C1」という。
「送給される水素含有ガス流量が、所定の流量より小さいか否かの判定」は、例えば最高出力の10%以下の低負荷に対応するための水素含有ガス流量より小さいか否かによる。なお、最高出力の要求値で設計した一般的なエゼクタでは、10%以下の低負荷(低流量域では還流できない)であることを実験的に確認している。
また、還流手段として還流パイプ30aにHRBを設けた場合でも、例えば最高出力の10%以下の低負荷に対応するための水素含有ガス流量より小さいか否かによる。
すなわち、「所定の流量」は、排水素含有ガスがセルユニット11に還流されない流量である。換言すると、排水素ガスを還流パイプ30aを通じてセルユニット11に還流させられない水素ガスの流量のことである。
本実施形態においては、上記調圧部である調圧弁21を介して、セルユニット11のアノードに送給される水素ガスの圧力を間欠的に増減変動させている。
なお、水素ガスの流量が所定の流量を超えるときには、その水素ガスの圧力を一定にした送給を行なわせている。
また、圧力の増減変動の値は、固体高分子型セル中の不純物を排出できるように設定する。具体的には、水を排出させられる比較的高い圧力の値と、窒素ガス等を排出させられる比較的低い圧力の値との二つの値にすることができる。
本実施形態においては、温度センサ28に基づいて、セルユニット11の温度を検出している。
「氷点温度を含む所定の温度領域」は、カソードからの窒素透過量が増大して、デッドエンド運転が困難になり、かつ、エゼクタの温度がセンサー類の誤差やエゼクタ22の熱容量を加味しても、アイシングを起こさない上限温度である20℃程度以下の温度領域である。
また、還流手段として還流パイプ30aにHRBを設けた場合でも、アイシングを起こさない上限温度である20℃程度以下の温度領域である。
「アイシング」とは、セルスタック10からの還流中の水蒸気が燃料タンク20からの氷点下の供給水素で冷却され、エゼクタノズル部で凍結、閉塞させることである。
また、還流手段として還流パイプ30aにHRBを設けてエゼクタ22の代わりに三方管を設けた場合でも、「アイシング」とは、セルスタック10からの還流中の水蒸気が燃料タンク20からの氷点下の供給水素で冷却され、三方管で凍結、閉塞させることである。
なお、「氷点温度を含む所定の温度領域」は、上記したとおりである。
ステップ1:図1(B)においては、「Sa1」と略記する。以下、同様。
燃料タンク20から送給される水素ガスの圧力を間欠的に増減変動させてアノードに送給する。
ステップ3:アノードの圧力が一定となるように水素ガスを連続して送給させて、ステップ2に戻る。
セルスタック11の温度を検知する。
ステップ2:セルユニット11の温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入ったか否か(氷点温度を含む所定の温度領域にまで低下したか否か)を判定し、当該温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入った(氷点温度を含む所定の温度領域にまで低下した)と判定されればステップ4に進み、そうでなければステップ3に進む。
ステップ3:ON‐OFF弁25を開駆動させて、エゼクタ22を介して排水素ガスを還流させる。
ステップ4:ON‐OFF弁25を閉駆動させて、燃料タンク20から送給される水素ガスの圧力を間欠的に増減変動させてアノードに送給する(還流を停止する)。
・氷点下時の水蒸気の還流を停止し、エゼクタにおけるアイシングを防ぐことができる。
・低温時は窒素透過量が少ないので、デッドエンド運転をより容易に行なうことができる。また、氷点下でなくても、温度センサの配置によっては、エゼクタが氷点以下の場合があり、この場合にもアイシングを有効に防止することができる。
なお、この実施形態においても還流手段としてのエゼクタ22の代わりに、還流パイプ30aにHRBを設けてエゼクタ22の代わりに三方管を設けて還流手段としてもよい。すなわち、エゼクタ22のみが還流手段となり、また、HRBと三方管を合わせて還流手段ともなる。勿論、エゼクタ22を設けて還流パイプ30aにHRBを設けて還流手段としてもよい。
この三方弁27は、コントロールユニットCの出力側に接続され、適宜切り替え制御されるようになっている。
(7)セルユニット11の温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入った(氷点温度を含む所定の温度領域にまで低下した)と判定したときには、セルユニット11に向けて送給される水素含有ガスを三方弁27を介して迂回路27aに切り替え送給する機能。この機能を「迂回送給手段C7」という。
これにより、間欠運転の時には、エゼクタ22をバイパスさせて、そのエゼクタ22の圧損を回避することができ、より安定した間欠運転を行なうことができるようにしている。
ステップ1:図3(B)においては、「Sc1」と略記する。以下、同様。
水素ガスをパイパスパイプ27aに流通させるように三方弁27を切り替えるとともに、水素ガスを間欠的にアノードに送給する。
ステップ3:水素ガスをエゼクタ22に流通させるように三方弁27を切り替えて、アノードの圧力が一定となるように水素ガスを連続して送給させて、ステップ2に戻る。
ステップ1:図4においては、「Sd1」と略記する。以下、同様。
セルスタック11、従ってまた、セルユニット11の温度を検知する。
ステップ2:セルユニット11の温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入ったか否か(氷点温度を含む所定の温度領域にまで低下したか否か)を判定し、セルユニット11の温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入った(氷点温度を含む所定の温度領域にまで低下した)と判定されればステップ4に進み、そうでなければステップ3に進む。
ステップ3:三方弁27をエゼクタ22側に切り替えてステップ1に戻る。
ステップ4:三方弁27をパイパスパイプ27a側に切り替えるとともに、燃料タンク20から送給される水素ガスの圧力を間欠的に増減変動させてアノードに送給する(還流を停止する)。
なお、図4においては、「水素ガスの圧力を間欠的に増減変動」させることを、「非循環デッドエンド運転」と記している。
・上記した温度センサは、セルユニットの温度を測定するように配設したものを例示したが、その形態に限らず、上記セルユニットの温度を測定する温度センサとは別に、例えばエゼクタの温度を測定するための温度センサを配設してもよい。
22 エゼクタ
25 流通制御部(ON‐OFF弁)
27 三方弁
27a 迂回路(パイパスパイプ)
28 温度センサ
30a 還流路(還流パイプ)
C1 流量判定手段
C2 ガス送給圧力変動手段
C3 逆流防止手段
C6 還流停止手段
C4,5 セル温度判定手段
C7 迂回送給手段
Claims (6)
- 水素含有ガスと酸素含有ガスとを互いに分離して流接させることによる発電を行うセルユニットと、このセルユニットから排出された排水素含有ガスを、そのセルユニットに還流させるための還流手段を還流路に配した燃料電池システムにおいて、
上記還流路に、温度に応じて還流を実施又は停止する流通制御部を有することを特徴とする燃料電池システム。 - セルユニットの温度を測定するための温度センサを配設しているとともに、
上記温度センサを介して測定したセルユニットの温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入ったか否かを判定するセル温度判定手段と、
セルユニットの温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入ったと判定したときには、流通制御部によって還流を停止する制御手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 流通制御部は、還流路を流通する排水素含有ガスを遮断するためのON‐OFF弁であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 前記還流手段がエゼクタ、HRBと三方管の組み合わせ又はエゼクタとHRBの組み合わせのいずれかであり、
セルユニットに向けて流通する水素含有ガスをエゼクタ又は3方管を迂回させるための迂回路と、そのセルユニットに向けて送給される水素含有ガスを、迂回路に切り替えるための三方弁とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。 - 上記セルユニットに送給される水素含有ガス流量が所定の流量より小さいか否かを判定する流量判定手段と、
そのセルユニットに送給される水素含有ガス流量が所定の流量よりも少ないと判定したときには、その水素含有ガスの圧力を間欠的に増減変動させるガス送給圧力変動手段と、
セルユニットに送給される水素含有ガス流量が所定の流量よりも少ないと判定したときには、三方弁を介してセルユニットに向けて送給される水素含有ガスを迂回路に切り替え送給する迂回送給手段とを設けていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。 - セルユニットの温度を測定するための温度センサを配設しているとともに、
上記温度センサを介して測定したセルユニットの温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入ったか否かを判定するセル温度判定手段と、
セルユニットの温度が氷点温度を含む所定の温度領域に入ったと判定したときには、三方弁を介してセルユニットに向けて送給される水素含有ガスを迂回路に切り替え送給する迂回送給手段とを設けていることを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池システム。
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