JP2012107384A - 増し締め機構付き密閉ハンドル - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便に締め込み量を増加させることができ、かつ様々な開閉扉に対応した使い勝手の良い増し締め機構付き密閉ハンドルを提供する。
【解決手段】扉13側または扉13が開閉自在に取り付けられた壁面15側に取り付けられる台座2と、台座2の取付面2aと反対の表面2b側に立設され、一端3a側が台座2に回転自在に支承されているとともに、外周面に雄ねじ3cが螺設された調整軸3と、台座2の表面2b側に配設され、調整軸3の雄ねじ3cに螺合する雌ねじ4aが螺設されているとともに、外周面から外方に突出するストッパ部5が形成された操作部4とを備え、調整軸3と操作部4とには、操作部4を回転させた際に、調整軸3に係合して調整軸3を一体的に回転させるとともに、操作部4に対して調整軸3のみを回転可能とする係合部6が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、開閉扉を密閉するための増し締め機構付き密閉ハンドルに関するものである。
一般に、気密性が要求される開閉扉は、扉と当該扉を開閉自在に取り付けた壁面に形成された開口部の枠体との間に、パッキンを介装して気密性を保持している。しかし、このパッキンは、経年変化や、上記開閉扉の開閉を長期に亘り繰り返し行うことにより摩耗し、気密性が損なわれてしまうという問題がある。
特に、大型空調機などのメンテナンスに用いられる開閉扉の場合には、稼働と停止を繰り返し行う過程において、内部の気圧が負圧と正圧とを常に繰り返すために、扉側に周設されたパッキンと、当該扉が取り付けられた筐体側の枠体に周設されたパッキンとの僅かな隙間や、パッキンの弾性によって振動や騒音が発生するとともに、上記パッキンが早期に摩耗してしまうという問題がある。
そこで、従来においては、図8(a)〜図8(c)に示すように、壁面15側に形成された開口部の枠体14に、回動自在に設けられたM12のデンデンボルト16bと、このデンデンボルト16bのネジ部に螺合された丸ハンドル16aと、扉13側に設けられたヒンジ部材16cとにより構成された締め付け金具16が提案されている。
この締め付け金具16は、図9(a)および図9(b)に示すように、扉13側の縁部13aと、壁面15側に形成された開口部の枠体14とに、それぞれ対向して密着するパッキンpが介装された開閉扉に用いられるもので、締め付け金具16が、扉13の四隅近傍に配設され、各々の丸ハンドル16aを締め込むことにより、扉13の縁部13aのパッキンpが、開口部の枠体14のパッキンpを押圧して、内部の気密が保持される。
また、締め付け金具16を使用するには、図8(c)に示すように、ヒンジ部材16cのヒンジ体16dの一端部側のヒンジ部16eを中心に、扉13側に回動させ、ヒンジ体16dの他端側に形成されている溝部16fを、デンデンボルト16bのネジ部に嵌合させるとともに、デンデンボルト16bのリング部を中心に、壁面15側に回動させる。そして、デンデンボルト16bに螺合されている丸ハンドル16aを回転させて締め込むことにより、ヒンジ部材16c自体に力が負荷され、扉13のパッキンpが開口部の枠体14のパッキンpを押圧する。これにより、パッキンpが摩耗したとしても、丸ハンドル16aを締め込んでいくことにより、気密性を増加させるとともに、振動や騒音の発生を抑えることができる。
しかしながら、この締め付け金具16は、丸ハンドル16aを1回転させても、デンデンボルト16bのネジピンチ分しか締め付けることができないため、扉13の開閉動作の度に、丸ハンドル16aを何回も回転させなければならないとともに、パッキンpの摩耗により、締め付け量が増加した場合には、さらに丸ハンドル16aを回転させなければならない。しかも、4箇所の締め付け金具16の丸ハンドル16aを操作しなければならず、扉13を密閉させるのに、手間が掛かるという問題がある。
そこで、図10に示す従来例においては、レバーハンドル17aの一端側17bに、鈎状のストッパ部17cが一体的に形成されたハンドル部材17dと、このハンドル部材17dが回転自在に設けられた台座17eと、ハンドル部材17dの鈎状のストッパ部体17cと係合する受け部17fとを備えて構成された締め付け金具17が提案されている。
この従来の締め付け金具17では、鈎状のストッパ部17cが、先端部17gから漸次高さ寸法が高くなるように勾配が形成されている。そして、台座17eに回転自在に設けられたハンドル部材17dを扉13側に配設するとともに、受け部17fを壁面15側に配設し、ハンドル部材17dを回転させて、ストッパ部17cの先端部17gから、受け部17fに挿入させて係合させる。
また、係合させる際には、受け部17fに挿入されたストッパ部17cが、先端部17gから後端側に挿入されていくに従って、ストッパ部17cに形成された勾配により締め込み量が増加し、扉13側のパッキンと壁面15の開口部側のパッキンとを密着させて気密性が高められる。これにより、上記パッキンが摩耗した場合でも、ストッパ部17cに形成された勾配に沿って、ストッパ部17cを挿入させることにより、常に上記パッキンを密着させた状態にすることができる。
しかしながら、この従来の締め付け金具17は、レバーハンドル17aを回転させることにより、容易に締め付けを行うことができるものの、ストッパ部17cに設けられた勾配の量程度しか締め込むことができない。また、さらなる増し締めをするためには、台座17eの下面側にシムを介入させて調整するしかなく、しかも、このシムを介入して調整するには、ハンドル部材17dを扉13から一旦取り外さなければならず、手間が掛かるという問題がある。
また、ハンドル部材17dは、ストッパ部17cとレバーハンドル17aが一体的に形成されているため、例えば、扉13の四隅近傍に締め付け金具17を取り付ける場合には、右勝手用に製造されたハンドル部材17bは、左勝手用に配設される場所に使用することができず、右勝手用と左勝手用のハンドル部材17dを各々製造する必要がある。
さらに、この従来の締め付け金具17は、ハンドル部材17dと受け部17fとを配置する場所により、外開き扉および内開き扉に使用することができるが、内開き扉に使用する場合に、ハンドル部材17dを壁面15側に配置する必要があり、壁面15側にレバーハンドル17aの回動範囲を確保する必要があるため、扉13が取り付けられた位置によっては、使用することができないという問題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、簡便に締め込み量を増加させることができ、かつ様々な開閉扉に対応した使い勝手の良い増し締め機構付き密閉ハンドルを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、扉側または当該扉が開閉自在に取り付けられた壁面側に取り付けられる台座と、上記台座の取付面と反対の表面側に立設され、一端側が上記台座に回転自在に支承されているとともに、外周面に雄ねじが螺設された調整軸と、上記台座の表面側に配設され、上記調整軸の上記雄ねじに螺合する雌ねじが螺設されているとともに、外周面から外方に突出するストッパ部が形成された操作部とを備え、上記調整軸と上記操作部とには、上記操作部を回転させた際に、上記調整軸に係合して当該調整軸を一体的に回転させるとともに、上記操作部に対して上記調整軸のみを回転可能とする係合部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記操作部の上記台座側には、回転プレートが当該操作部と一体的に設けられているとともに、上記台座には、上記回転プレートに当接して上記操作部の回転角度を所定の範囲に規制する規制部材が配設されていることを特徴とするものである。
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記操作部は、上記操作部を回転させるハンドルと、上記ストッパ部が形成されたカム部とが着脱自在に連結されて構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の増し締め機構付き密閉ハンドル。
請求項1〜3に記載の本発明によれば、一端側が台座に回転自在に支承された調整軸と、上記調整軸に螺合され、外周面から外方に突出するストッパ部が形成された操作部とに、上記操作部を回転させた際に、上記調整軸に係合して当該調整軸を一体的に回転させるとともに、上記操作部に対して上記調整軸のみを回転可能とする係合部が設けられているため、上記操作部を上記台座の表面側に回転自在に配設することができるとともに、上記操作部を上記調整軸の軸線方向に対して、進退自在に移動させることができる。これにより、扉側と当該扉が取り付けられた壁面側の枠体との間に介装されたパッキンが摩耗し、気密性が損なわれた場合でも、上記調整軸を回転させることにより、上記操作部の締め込み量を増加させて、上記操作部の回転角度を変えることなく、上記パッキンに密着させて気密性を保持させることができるとともに、常に内部の気圧が、負圧と正圧とを繰り返す大型空調機などに用いられる開閉扉の振動や、騒音を長期に亘り抑えることができる。
また、上記操作部が上記調整軸の軸線方向に対して、進退自在に可動するため、壁面側に取り付けられた扉が、内開きでも外開きでも、締め込み量を増加させる方向に、上記調整軸を回転させて、上記操作部を可動させることにより、上記扉側と当該扉が取り付けられた上記壁面側の枠体との気密性を保持させることができるとともに、摩耗した上記パッキンを取り替えた際にも、上記調整軸を回転させて、上記操作部を可動させることにより、締め込み量を容易に調整することができる。これにより、扉の開閉する方向に左右されることなく、気密性を必要とする様々な扉に使用することができるとともに、メンテナンス性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、回転プレートが上記操作部と一体的に設けられているとともに、上記台座には、上記回転プレートに当接して上記操作部の回転角度を所定の範囲に規制する規制部材が配設されているため、上記増し締め機構付き密閉ハンドルが右勝手用または左勝手用に使用される場合に、上記規制部材を上記回転プレートに当接させる位置を変更することにより、容易に右勝手用または左勝手用に対応した回転角度の範囲を設定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、上記操作部が、上記操作部を回転させるレバーハンドルと、上記ストッパ部が形成されたカム部とが、着脱自在に連結されて構成されているため、上記増し締め機構付き密閉ハンドルを扉側または当該扉が開閉自在に取り付けられた壁面側に取り付けて、上記操作部を右勝手用または左勝手用に使用する場合に、上記レバーハンドルを上記カム部から脱離させて、上記カム部に形成されたストッパ部を、右勝手または左勝手に使用する位置に配置した後に、上記レバーハンドルを上記カム部に取り付けることにより、容易に使用形態を変更することができる。これにより、右勝手用と左勝手用の上記増し締め機構付き密閉ハンドルを各々製造する必要がないため、製造コストを抑えることができるとともに、取り付け作業を効率化することができる。
本発明の増し締め機構付き密閉ハンドルの一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)右側面図である。 本発明の増し締め機構付き密閉ハンドルの一実施形態を示し、(a)は右側面断面図、(b)は背面図である。 図1〜図2に記載の増し締め機構付き密閉ハンドルのストッパ部が係止される受け部を示し、(a)平面図、(b)は正面図、(c)右側面図である。 図1〜図2に記載の増し締め機構付き密閉ハンドルおよび図3に記載の受け部を外開き扉に配設した状態を示す正面図である。 図4の詳細を示し、(a)は部分平面断面図、(b)は部分正面図、(c)は操作部の移動を方法を説明する平面図である。 図1〜図2に記載の増し締め機構付き密閉ハンドルおよび図3に記載の受け部を内開き扉に配設した状態を示す正面図である。 図7の詳細を示し、(a)は部分平面断面図、(b)は部分正面図、(c)は操作部の移動を方法を説明する平面図である。 従来の締め付け金具を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は取り付け過程を説明する正面図である。 図8に示す従来の締め付け金具を扉に配設した状態を示し、(a)は正面図、(b)は平面断面図である。 他の従来の締め付け金具を扉に配置した状態を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態の増し締め機構付き密閉ハンドル1は、台座2と、この台座2に回転自在に支承され調整軸3と、台座2の表面2b側に配設され、外周面から外方に突出して延在するストッパ部5が形成された操作部4とを備えて概略構成されている。
ここで、台座2は、ホームベース型の略三角形状をなし、3箇所の角部に取付孔2cが穿設され、取付面2aが扉13側または扉13が開閉自在に取り付けられた壁面15側に取り付けられている。また、台座2の略中央部に、表面2b側から取付面2aに貫通する貫通孔2dが穿設されている。この貫通孔2dは、取付面2a側が3段の階段状に穿設され、取付面2a側の1断目に、四角形状の裏板11が覆われて設けられているとともに、表面2b側が凸状に形成されている。裏板11は、厚さ寸法2mmの鋼板により形成され、四隅が台座2とカシメnにより一体的に設けられている。
また、裏板11は、その中央部に、台座2の取付面2aと反対の表面2b側に立設され、一端3a側がカシメnにより、回転自在に支承された調整軸3が配設されている。そして、調整軸3の外周面に形成された雄ねじ3cは、ピッチ1.25mm(M8)のねじ山により螺設されている。さらに、調整軸3の他端3b側には、外表面から径方向に穿設されたボール孔6aが形成されている。このボール孔6aには、直径3mmのボール6bとスプリング6cとが挿入されている。また、調整軸3の他端3b側の端面には、十字状の凹部3dが形成されている。
そして、調整軸3の雄ねじ3cに螺合し、台座2の表面2b側に配設される操作部4は、ストッパ部5が一体に形成されたカム部10と、操作部4を回転させるレバーハンドル9とが、ボルトmによって着脱自在に連結されているとともに、カム部10のストッパ部5と、レバーハンドル9とが90°の位置に配置されている。カム部10は、円筒状に形成され、その内周面に形成された雌ねじ4aが、調整軸3の雄ねじ3cと同じピッチ1.25mm(M8)によりねじ山が螺設されている。
また、カム部10の内周面には、調整軸3のボール孔6aと対応する位置に、ボール6bの外周面の一部が係合する溝部4bが形成されている。この溝部4bは、軸線方向に延在して穿設されているとともに、周方向に間隔を置いて複数穿設されている。さらに、カム部10の台座2側に溝部10aが形成されている。この溝部10aは、雌ねじ4aが螺設された筒状部10bと壁部10cとの間に周設されている。そして、レバーハンドル9は、連結されているカム部10に螺合されている調整軸3の他端3b側に、キャップ9aが着脱自在に嵌合されている。
そして、カム部10に一体に形成されたストッパ部5は、平板状に形成され、外周面から外方に突出する調整軸3の軸線方向に対して垂直に延在されているとともに、平坦面が操作部の回転方向に対して水平に配設されている。
なお、係合部6は、溝部4bと調整軸3のボール孔6a、ボール6b、スプリング6cとにより構成されている。
さらに、カム部10の台座2側の筒状部10bが、台座2の表面2b側の貫通孔2dに挿通されているとともに、筒状部10bの先端部に回転プレート7が一体的に設けられている。この回転部プレート7は、図2(b)に示すように、一部がカム部10の軸線方向に対して突出した係止部7aが形成されている。この係止部7aは、周方向の一端側が、レバーハンドル9の回動により、裏板11に螺設された孔sに螺合されているネジ(規制部材)8に当接して、回動範囲を規制している。このネジ8は、レバーハンドル9の回動を規制する際に、2箇所に穿設された孔sのいずれに螺合されている。
また、扉13側または扉13が取り付けられた壁面15側に取り付けられる受け部12は、図3に示すように、台部12aと、回動するストッパ部5を係止する鉤状部12bにより構成されている。台部12aは、長方形状に形成され、長手方向の両端部近傍に、取付孔12cが形成されているとともに、鉤状部12bが長手方向の一端側を開口して配置されている。
ここで、上記構成による増し締め機構付き密閉ハンドル1を用いる、外開き扉13の構成について説明する。
この外開き扉13は、図4に示すように、扉13が外方に開閉自在に可動するように、壁面15に形成された開口部の枠体14に、ヒンジ部材kを介して扉13を取り付ける。また、図5(a)に示すように、扉13の内側の縁部13aには、パッキンpが周設されているとともに、壁面15に形成された開口部の枠体14の内壁側にパッキンpが周設され、気密性が保持されるように構成されている。
次いで、図4に示すように、扉13のヒンジ部材k側の縁部近傍と、このヒンジ部材kと対向する側の縁部近傍に、各々増し締め機構付き密閉ハンドル1が2つ間隔を置いて配設され、台座2の取付孔2cにボルトを貫通させて、扉13に螺合して取り付ける。このときに、増し締め機構付き密閉ハンドル1の操作部4は、図5(a)に示すように、レバーハンドル9に嵌合されているキャップ9aを外し、調整軸3の他端3b側の端面に形成された十字状の凹部3dにプラスドライバtを嵌合させて左回転させて、台座2側に移動させておく。
そして、扉13側に配設された増し締め機構付きハンドル1のカム部10に、一体に形成されたストッパ部5が係合される受け部12を、壁面15側に形成された開口部の枠体14に取り付ける。このときに、増し締め機構付きハンドル1のレバーハンドル9を回動させて、ストッパ部5が下方より侵入して、受け部12に係合されるように、受け部12の鉤状部12bの開口側が下方に位置するように取り付ける。
次に、上記構成の外開き扉13に用いた際の、増し締め機構付き密閉ハンドル1の操作について説明する。
まず、図4に示すように、扉13の向かって左側2箇所に配設された、右勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1は、図5(b)に示すように、レバーハンドル9を右に回動させることにより、ストッパ部5が受け部12から離脱する。また、離脱した状態から、レバーハンドル9を左に回動させると、ストッパ部5が受け部12に係合され、扉13側の内側の縁部13aに周設されたパッキンpが、壁面15側に形成された開口部の枠体14の内壁側に周設されたパッキンpを押圧し密着させることにより、気密性を増加させることができる。
また、レバーハンドル9を回動させる場合に、台座2の表面2b側に突出した凸部の貫通孔2dに、筒状部10bが挿入され、カム部10が回転するとともに、一端3a側が支承された調整軸3の雄ねじ3cに螺合されているカム部10が、調整軸3と共に回転する。この際に、係合部6において、調整軸3の他端3b側に穿設されているボール孔6aに挿入されたボール6bが、スプリング6cの付勢により、カム部10の内周面に形成された溝部4bに係合されているため、レバーハンドル9を回動させると、カム部10と調整軸3とを共に回転することができる。
また、図4に示すように、扉13の向かって右側2箇所に配設された、左勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1は、レバーハンドル9の回動方向が、上述の右勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1と逆になる。さらに、左勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1は、右勝手用の操作部4から、レバーハンドル9を取り外し、台座2を180°回転させて、カム部10のストッパ部5を右側に配置させて、扉13に取り付けた後に、レバーハンドル9をカム部10に取り付けて使用する。この際に、図2(b)に示すように、台座2の取付面2a側の裏板11に孔sに螺合されているネジ8を、もう一方のネジ孔sに螺合させることにより、左勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1の左への回動が規制される。
そして、経年変化や長期に亘っての開閉動作により、扉13側および開口部の枠体14側に周設されたパッキンpが摩耗し、増し締め機構付き密閉ハンドル1の締め付けだけでは、気密性が保持できなくなった場合に、図5(c)に示すように、レバーハンドル9のキャップ9aを取り外し、プラスドライバtを調整軸3の他端3b側の端面に形成されている十字状の凹部3dに嵌合して、右回転させる。この右回転により、調整軸3の雄ねじ3cに螺合されているカム部10は、雌ねじ4aが調整軸3の雄ねじ3cに沿って摺動し、操作部4が台座2の表面2b側から離反する方向に移動する。これにより、レバーハンドルを90°の回転角度の範囲により回動させて、ストッパ部5を受け部12に係合させると、扉13がより内側に配設され、扉13側のパッキンpが、開口部の枠体14の内壁側のパッキンpを押圧して密着し、気密性が増加する。
また、パッキンpの摩耗が激しく、パッキンp自体を交換した際には、調整軸3を左回転させて、操作部4を台座2側に移動させる。この移動により、締め付け量が調整され、レバーハンドル9の回転角90°の範囲において、新たなパッキンp同士を密着させて、気密性を保持させることができる。
この際に、係合部6において、カム部10と調整軸3とは、調整軸3の回転により、ボール6bがスプリング6cの付勢に抗し、ボール孔6aに落ち込むため、ボール6bがカム部10の内周面に形成された溝部4bから離脱し、調整軸3のみを回転させることができる。また、カム部10の内周面に間隔を置いて周設された複数の溝部4bにより、調整軸3を回転させると溝部4bの間隔毎に、ボール6bが係合されるため、機器類の振動などにより、調整軸3が万一回転したとしても、その回転を隣接する溝部4bに係合し、調整軸3の回転を規制する。
ここで、上記構成による増し締め機構付き密閉ハンドル1を用いる、内開き扉13の構成について説明する。
この内開き扉13は、図6に示すように、扉13が内方に開閉自在に可動するように、壁面15に形成された開口部の枠体14に、ヒンジ部材kを介して扉13を取り付ける。このとき、扉13が内開きであるため、ヒンジ部材kは内側に取り付けられる。また、図7(a)に示すように、扉13の外側の縁部13aには、パッキンpが周設されているとともに、壁面15に形成された開口部の枠体14の外壁側にパッキンpが周設され、気密性が保持されるように構成されている。
次いで、図6に示すように、扉13のヒンジ部材k側の縁部近傍と、このヒンジ部材kと対向する側の縁部近傍に、実施例1と同様に各々増し締め機構付き密閉ハンドル1が2つ間隔を置いて配設され、台座2の取付孔2cにボルトを貫通させて、扉13に螺合して取り付ける。このときに、増し締め機構付き密閉ハンドル1の操作部4は、図7(a)に示すように、レバーハンドル9に嵌合されているキャップ9aを外し、調整軸3の他端3b側の端面に形成された十字状の凹部3dにプラスドライバtを嵌合させて右回転させて、台座2と離間した位置に移動させておく。
そして、扉13側に配設された増し締め機構付きハンドル1のカム部10に、一体に形成されたストッパ部5が係合される受け部12を、実施例1と同様に壁面15側に形成された開口部の枠体14に取り付ける。このときに、増し締め機構付きハンドル1のレバーハンドル9を回動させて、ストッパ部5が下方より侵入して、受け部12に係合されるように、受け部12の鉤状部12bの開口側が下方に位置するように取り付ける。
次に、上記構成の内開き扉13に用いた際の、増し締め機構付き密閉ハンドル1の操作について説明する。
まず、図6に示すように、扉13の向かって左側2箇所に配設された、右勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1は、図7(b)に示すように、レバーハンドル9を右に回動させることにより、ストッパ部5が受け部12から離脱する。また、離脱した状態から、レバーハンドル9を左に回動させると、ストッパ部5が受け部12に係合され、扉13側の外側の縁部13aに周設されたパッキンpが、壁面15側に形成された開口部の枠体14の外壁側に周設されたパッキンpを押圧して、気密性を増加させることができる。
また、レバーハンドル9を回動させる場合に、実施例1と同様に、台座2の表面2b側に突出した凸部の貫通孔2dに、筒状部10bが挿入され、カム部10が回転するとともに、一端3a側が支承された調整軸3の雄ねじ3cに螺合されているカム部10が、調整軸3と共に回転する。この際に、係合部6において、調整軸3の他端3b側に穿設されているボール孔6aに挿入されたボール6bが、スプリング6cの付勢により、カム部10の内周面に形成された溝部4bに係合されているため、レバーハンドル9を回動させると、カム部10と調整軸3とを共に回転することができる。
そして、図6に示すように、扉13の向かって右側2箇所に配設された、左勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1は、実施例1と同様に、レバーハンドル9の回動方向が、上述の右勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1と逆になる。さらに、左勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1は、右勝手用の操作部4から、レバーハンドル9を取り外し、台座2を180°回転させて、カム部10のストッパ部5を右側に配置させて、扉13に取り付けた後に、レバーハンドル9をカム部10に取り付けて使用する。この際に、図2(b)に示すように、台座2の取付面2a側の裏板11に孔sに螺合されているネジ8を、もう一方のネジ孔sに螺合させることにより、左勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1の左への回動が規制される。
そして、経年変化により、扉13側および開口部の枠体14側に周設されたパッキンpが摩耗し、増し締め機構付き密閉ハンドル1の締め付けでは、気密性が保持できなくなった場合に、図7(c)に示すように、レバーハンドル9のキャップ9aを取り外し、プラスドライバtを調整軸3の他端3b側の端面に形成されている十字状の凹部3dに嵌合して、左回転させる。この左回転により、調整軸3の雄ねじ3cに螺合されているカム部10は、雌ねじ4aが調整軸3の雄ねじ3cに沿って摺動し、操作部4が台座2の表面2b側に移動する。これにより、レバーハンドル9を回動させて、ストッパ部5を受け部12に係合させると、扉13がより外側に配設され、扉13側のパッキンpが、開口部の枠体14の内壁側のパッキンpを押圧して密着し、気密性が増加する。
また、パッキンpの摩耗が激しく、パッキンp自体を交換した際には、調整軸3を右回転させて、操作部4を台座2の表面2b側から離反する方向に移動させる。この移動により、締め付け量が調整され、レバーハンドル9の回転角90°の範囲において、新たなパッキンp同士を密着させて、気密性を保持させることができる。
この際に、係合部6において、カム部10と調整軸3とは、実施例1と同様に、調整軸3の回転により、ボール6bがスプリング6cの付勢に抗し、ボール孔6aに落ち込むため、ボール6bがカム部10の内周面に形成された溝部4bから離脱し、調整軸3のみを回転させることができる。また、カム部10の内周面に間隔を置いて周設された複数の溝部4bにより、調整軸3を回転させると溝部4bの間隔毎に、ボール6bが係合されるため、機器類の振動などにより、調整軸3が万一回転したとしても、その回転を隣接する溝部4bに係合し、調整軸3の回転を規制する。
上述の実施形態による増し締め機構付き密閉ハンドル1によれば、調整軸3と操作部4とには、操作部4のレバーハンドル9を回動させた際に、調整軸3に係合して調整軸3を一体的に回転させるとともに、操作部4に対して調整軸3のみを回転可能とする係合部6が、調整軸3の他端3b側の外表面から径方向に穿設されたボール孔6aと、このボール孔6に挿入されるボール6bおよびスプリング6cと、カム部10の内周面に形成されたボール6bが係合する溝部4bにより構成されているため、操作部4のレバーハンドル9を回動させる場合には、ボール6bがスプリング6cの付勢により溝部4bに係合され、操作部4を台座2の表面2b側に回転自在に配設されるとともに、調整軸3のみを回転させた場合には、ボール6bがスプリング6cの付勢に抗し、溝部4bから離脱し、操作部4を調整軸3の軸線方向に対して、進退自在に移動させることができる。
これにより、扉13側と壁面15の開口部側とに設けられたパッキンが摩耗し、気密性が損なわれた場合でも、調整軸3を回転させることにより、操作部4の締め込み量を増加させ、レバーハンドル9の回転角度を変えることなく、扉13側と扉13が取り付けられた壁面15側の枠体14とに周設されたパッキンp同士を密着させて、気密性を保持させることができる。さらに、常に内部の気圧が、負圧と正圧とを繰り替える大型空調機などに用いられる開閉扉の振動や、騒音を長期に亘り抑えることができる。
また、壁面15に形成された開口部に取り付けられた扉13が、内開きまたは外開きのどちらであっても、パッキンpの摩耗により気密性が低下した場合には、締め込み量を増加させる方向に、調整軸3を回転させ操作部4を移動させことにより、簡便に気密性を保持させることができるとともに、摩耗したパッキンpを取り替えた際にも、調整軸3を回転させて、操作部4を可動させることにより、締め込み量を容易に調整することができる。これにより、扉13の開閉する方向に左右されることなく、気密性を必要とする様々な扉に使用することができるとともに、メンテナンス性を向上させることができる。
そして、内開き扉13の場合には、図7(a)に示すように、扉13面と開口部の枠体14面とに段差が生じるが、調整軸3を回転させて、操作部4を調整軸3の軸線方向に対して移動させることにより、当該段差を吸収して締め付けることができる。
さらに、カム部10の筒状部10bの台座2側に、一体的に設けられた回転プレート7の係止部7aが、レバーハンドル9の回動方向に対応して、台座2の裏板11の孔sに螺合されているネジ8に当接されるため、増し締め機構付き密閉ハンドル1が右勝手または左勝手に使用される場合に、ネジ8の位置を付け変えるのみで、左右の回転角を90°に設定することができる。
また、操作部4が、レバーハンドル9と、ストッパ部5が一体に形成されたカム部10とが、着脱自在に連結されて構成されているため、増し締め機構付き密閉ハンドル1を扉13側または扉13が開閉自在に取り付けられた壁面15側に取り付けて、右勝手または左勝手に使用する場合には、レバーハンドル9をカム部10から脱離させて、カム部10に形成されたストッパ部5を、右勝手または左勝手に使用する位置に配置した後に、レバーハンドル9を、カム部10に取り付けるのみで使用することができる。これにより、右勝手用と左勝手用の増し締め機構付き密閉ハンドル1を製造する必要がないため、製造コストを抑えることができるとともに、取り付け作業の効率化を図ることができる。
なお、上記実施の形態において、増し締め機構付き密閉ハンドル1を扉13側に取り付けた場合のみ説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、増し締め機構付き密閉ハンドル1を壁面15側に形成された開口部の枠体14に取り付けても対応可能である。
気密性を必要とする開閉扉に利用することができる。
1 増し締め機構付き密閉ハンドル
2 台座
2a 取付面
2b 表面
2c 取付孔
3 調整軸
3a 一端
3b 他端
3c 雄ねじ
4 操作部
4a 雌ねじ
5 ストッパ部
6 係合部
6a ボール孔
6b ボール
6c スプリング
6d 溝部
7 回転プレート
8 ネジ(規制部材)
9 レバーハンドル
10 カム部
11 裏板
11a 取付孔
12 受け部材
12a 台部
12b 掛け部
13 扉
14 枠体
15 壁面
k ヒンジ部材
p パッキン

Claims (3)

  1. 扉側または当該扉が開閉自在に取り付けられた壁面側に取り付けられる台座と、
    上記台座の取付面と反対の表面側に立設され、一端側が上記台座に回転自在に支承されているとともに、外周面に雄ねじが螺設された調整軸と、
    上記台座の表面側に配設され、上記調整軸の上記雄ねじに螺合する雌ねじが螺設されているとともに、外周面から外方に突出するストッパ部が形成された操作部とを備え、
    上記調整軸と上記操作部とには、上記操作部を回転させた際に、上記調整軸に係合して当該調整軸を一体的に回転させるとともに、上記操作部に対して上記調整軸のみを回転可能とする係合部が設けられていることを特徴とする増し締め機構付き密閉ハンドル。
  2. 上記操作部の上記台座側には、回転プレートが当該操作部と一体的に設けられているとともに、上記台座には、上記回転プレートに当接して上記操作部の回転角度を所定の範囲に規制する規制部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の増し締め機構付き密閉ハンドル。
  3. 上記操作部は、上記操作部を回転させるレバーハンドルと、上記ストッパ部が形成されたカム部とが着脱自在に連結されて構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の増し締め機構付き密閉ハンドル。
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