JP2012105815A - 超音波照射デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、隆起したポリープ状の処置対象部位に対して的確に超音波照射処置を行なうことができ、その処置対象部位内の異なる位置に処置を行いたい場合でも、処置位置をずらして処置が行える超音波照射デバイスを提供することである。
【解決手段】 体腔を形成する生体組織に対して超音波を照射する超音波照射デバイス1であって、体腔内に挿入される部位に設けられ、所定の離れた位置に集束する集束超音波を発する集束超音波素子23と、前記集束超音波素子23から照射される集束超音波の伝播経路の方向に配置され、前記伝播経路の方向と交わる方向へ前記生体組織を押圧する押圧部15を有し、前記押圧部15によって前記生体組織を押圧することで、前記集束超音波素子23の集束位置と前記生体組織との相対的な位置を前記伝播経路の方向と交わる方向へ変化させる集束位置可変手段26と、を具備する。
【選択図】図5

Description

本発明は、集束超音波素子を使用した生体組織に対して処置を行うための超音波照射デバイスに関する。
特許文献1には、病変部を高周波処置する高周波処置用の治療機器が記載されている。ここでは、デバイスの先端に生体組織を挟持するアームの爪部を設け、表層付近の生体組織に僅かに突起した初期状態に近い病変部をデバイスの先端のアームの爪部で挟み込むことにより隆起させて固定している。この状態で、デバイス先端のアームに高周波電流をかけて病変部を切除するなどの処置を行っている。
特開2009−247550号公報
特許文献1の治療機器は、上記構成であるため、デバイスの先端のアームの爪部で病変部を挟み、固定してしまうと、病変部の決まった位置にしか処置をすることができない。このため、同じ病変部内で異なる位置に処置を行いたい場合、アームの爪部を広げて、病変部を一旦離したのち、もう一度、処置をしたい位置に治療機器を設置して、爪部で挟みなおし処置をしなければならない。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、隆起したポリープ状の処置対象部位に対して的確に超音波照射処置を行なうことができ、その処置対象部位内の異なる位置に処置を行いたい場合でも、処置位置をずらして処置が行える超音波照射デバイスを提供することにある。
本発明の一局面の態様は、少なくとも一部が体腔内に挿入され、体腔を形成する生体組織に対して超音波を照射する超音波照射デバイスであって、体腔内に挿入される部位に設けられ、所定の離れた位置に集束する集束超音波を発する集束超音波素子と、前記集束超音波素子から照射される集束超音波の伝播経路の方向に配置され、前記伝播経路の方向と交わる方向へ前記生体組織を押圧する押圧部を有し、前記押圧部によって前記生体組織を押圧することで、前記集束超音波素子の集束位置と前記生体組織との相対的な位置を前記伝播経路の方向と交わる方向へ変化させる集束位置可変手段と、を具備する。
好ましくは、前記集束位置可変手段は、前記伝播経路の方向と交わる方向に沿って少なくとも2つの前記押圧部が離間対向配置されている。
好ましくは、前記押圧部は、流体の供給により伸縮するバルーンにより構成されている。
好ましくは、前記集束位置可変手段に隣接して配置され、前記集束超音波が照射される対象となる前記生体組織の一部を狭持して位置決めする位置決め手段を具備する。
好ましくは、前記生体組織の一部を挿入する挿入口を有し、前記集束超音波素子から前記集束位置に到る前記集束超音波の伝播経路としての空間を確保するとともに、前記集束位置可変手段ならびに前記位置決め手段を支持する構造体を具備する。
好ましくは、前記集束位置可変手段は、前記バルーンが前記伝播経路の方向と交わる方向以外の方向に膨張することを規制する規制手段を有する。
好ましくは、前記規制手段は、弾性体からなるリング状部材の周壁部に前記伝播経路の方向と交わる方向に沿って前記バルーンの収容穴を形成したものである。
好ましくは、前記構造体は、前記バルーンに前記流体を供給する流体供給路を有する。
好ましくは、前記位置決め手段は、前記液体供給手段による液体の供給により伸縮するドーナツ型バルーンにより構成されている。
本発明によれば、隆起したポリープ状の処置対象部位に対して的確に超音波照射処置を行なうことができ、その処置対象部位内の異なる位置に処置を行いたい場合でも、処置位置をずらして処置が行える超音波照射デバイスを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の超音波照射デバイスを使用する腹腔鏡下手術のシステム全体の概略構成を示す側面図。 第1の実施の形態の超音波照射デバイスの概略構成を示す縦断面図。 (A)は第1の実施の形態の超音波照射デバイスの正面図、(B)は図2のIIIB−IIIB線断面図。 第1の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時に隆起したポリープ状の処置対象部位をデバイスの先端に挿入する状態に取り込んだ状態を示す縦断面図。 第1の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時にデバイスの先端に取り込んだポリープ状の処置対象部位の処置位置をずらして処置を行なう状態を示す縦断面図。 第1の実施の形態の超音波照射デバイスの正面図。 本発明の第2の実施の形態の超音波照射デバイスの概略構成を示す縦断面図。 (A)は第2の実施の形態の超音波照射デバイスの正面図、(B)は図7のVIIIB−VIIIB線断面図。 第2の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時に隆起したポリープ状の処置対象部位をデバイスの先端に挿入する状態に取り込んだ状態を示す縦断面図。 第2の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時にデバイスの先端に取り込んだポリープ状の処置対象部位の処置位置をずらして処置を行なう状態を示す縦断面図。 図10の超音波照射デバイスの正面図。 本発明の第3の実施の形態の超音波照射デバイスを示すもので、(A)は超音波照射デバイスの概略構成を示す縦断面図、(B)は図12(A)の12B−12B線断面図。 第3の実施の形態の超音波照射デバイスのゴムリングを示す斜視図。 第3の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時に隆起したポリープ状の処置対象部位をデバイスの先端に挿入する状態に取り込んだ状態を示す縦断面図。 第3の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時にデバイスの先端に取り込んだポリープ状の処置対象部位の処置位置をずらして処置を行なう状態を示す縦断面図。 第3の実施の形態の超音波照射デバイスのゴムリングの変形例を示す分解斜視図。 本発明の第4の実施の形態の超音波照射デバイスを示すもので、(A)は超音波照射デバイスの概略構成を示す縦断面図、(B)は図16(A)の16B−16B線断面図。 第4の実施の形態の超音波照射デバイスのゴムリングを示す斜視図。 第4の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時に隆起したポリープ状の処置対象部位をデバイスの先端に挿入する状態に取り込んだ状態を示す縦断面図。 第4の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時にデバイスの先端に取り込んだポリープ状の処置対象部位の処置位置をずらして処置を行なう状態を示す縦断面図。 第3の実施の形態の超音波照射デバイスの第1の変形例を示す要部の横断面図。 第3の実施の形態の超音波照射デバイスの第2の変形例を示す要部の横断面図。 第3の実施の形態の超音波照射デバイスの第3の変形例を示す要部の横断面図。 本発明の第5の実施の形態を示すもので、(A)は超音波照射デバイスを示す縦断面図、(B)は超音波照射デバイスの正面図。 第5の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時に隆起したポリープ状の処置対象部位をデバイスの先端に挿入する状態に取り込んだ状態を示す縦断面図。 第5の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時に隆起したポリープ状の処置対象部位の根本部分を締め付けてデバイスの先端部分が位置決めされた状態を示す縦断面図。 第5の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時に隆起したポリープ状の処置対象部位に処置を行なう状態を示す縦断面図。 第5の実施の形態の超音波照射デバイスの使用時にデバイスの先端に取り込んだポリープ状の処置対象部位の処置位置をずらして処置を行なう状態を示す縦断面図。 第5の実施の形態の超音波照射デバイスの第1の変形例を示す縦断面図。 第5の実施の形態の超音波照射デバイスの第2の変形例を示す縦断面図。 第5の実施の形態の超音波照射デバイスの第3の変形例を示す縦断面図。
[第1の実施の形態]
(構成)
図1〜図6は、本発明の第1の実施の形態を示す。本実施の形態の超音波照射デバイス1は、例えば図1に示す腹腔鏡下手術のシステムの中で、内視鏡3や、気腹デバイス4と一緒に手術台5上の患者Hの腹壁部に穿刺されて使用される。
本実施の形態の超音波照射デバイス1は、ケーブル2を介して超音波照射装置6に繋がっている。気腹デバイス4は、送気装置7に接続されている。この送気装置7から送気されるエアーが気腹デバイス4を経て患者Hの腹部に供給され、患者Hの腹部が気腹されて手術空間が形成される。
また、内視鏡3は、体腔内に挿入される挿入部3aと、術者が把持するための把持部3bとを備える。内視鏡3の挿入部3aの先端には、図示しない照明窓と、観察窓などが配設されている。把持部3bには、ユニバーサルコード8を介して光源装置9が接続されている。そして、光源装置9から供給される照明光が照明窓から出射され、体内が照明される。さらに、観察窓から入射される体腔内の観察像が例えば図示しないCCD等の撮像部で撮像され、図示しないカメラコントロールユニットを介して体腔内の画像が図示しないモニター等に表示される。
本実施の形態の超音波照射デバイス1は、ケーブル2の先端に照射デバイス本体11が配設されている。図2は、本実施の形態の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11の概略構成を示す。照射デバイス本体11の先端部分には、外筒部材12(構造体)と、この外筒部材12に対して中心線方向に移動可能な内筒部材13とが設けられている。外筒部材12の先端開口部には、隆起したポリープ状の処置対象部位を外筒部材12の内部空間に挿入する処置部挿入口12aが形成されている。
また、本実施の形態の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11には、内筒部材13の内部に集束超音波を照射する集束超音波素子23が配設されている。この集束超音波素子23は、圧電素子であるが、cMUT素子(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers:マイクロマシン技術による容量性の超音波送受信素子)でもよい。
集束超音波素子23は、超音波素子保持部材24によって保持されている。この超音波素子保持部材24は、内筒部材13の内部に外筒部材12の中心線方向に移動自在に装着されている。超音波素子保持部材24は、図示しない超音波素子保持部材移動手段と接続されている。この超音波素子保持部材移動手段は、例えば電磁モータを備えたボールネジ機構で構成されている。なお、超音波素子保持部材移動手段は、直線駆動が可能な超音波モータでもよい。そして、超音波素子保持部材移動手段によって超音波素子保持部材24を、内筒部材13の内部で外筒部材12の中心線方向に進退移動させることにより、超音波の集束位置を外筒部材12の中心線方向に変化させるようになっている。
また、照射デバイス本体11には、外筒部材12の処置部挿入口12aを処置対象の生体組織の表面H1に当接させて外筒部材12の先端開口部を閉じた際に、外筒部材12の内部における集束超音波素子23と生体組織の表面H1との間に集束超音波素子23から集束超音波の集束位置Pに到る集束超音波の伝播経路としての超音波伝播空間部分(閉空間)12bが形成されている。そして、本実施の形態では、照射デバイス本体11の外筒部材12によって集束超音波素子23から集束超音波の集束位置Pに到る集束超音波の伝播経路としての空間を確保するとともに、後述する2つの硬性アーム16a,16bを支持する構造体が形成されている。
外筒部材12の先端部外周面には、外筒部材12の外部から超音波伝播媒体を外筒部材12の内部に受け入れるための複数の液体注入口25が形成されている。そして、本実施の形態の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11が患者Hの体内に挿入され、手術空間が超音波伝播媒体で満たされた場合には、液体注入口25から外筒部材12の内部に水などの液体の超音波伝播媒体が流入され、外筒部材12の内部の集束超音波素子23の超音波伝播空間部分12bが水などの液体の超音波伝播媒体で満たされるようになっている。
また、外筒部材12の先端部には、外筒部材12の処置部挿入口12aから外筒部材12の内部空間に挿入された隆起したポリープ状の処置対象部位を外筒部材12の中心方向に押圧する押圧部15が設けられている。押圧部15には、ポリープ状の処置対象部位を外筒部材12の中心方向に互いに反対方向から押圧する2つの硬性アーム16a,16bが設けられている。
さらに、外筒部材12の先端部には、2つの硬性アーム16a,16bを支持する棒状の2つの押圧部支持部材17a,17bが設けられている。2つの押圧部支持部材17a,17bは、外筒部材12の内側に対向するように配置されている。各押圧部支持部材17a,17bの外端部は、外筒部材12の周壁部に固定されている。各押圧部支持部材17a,17bの内端部は、外筒部材12の中心線方向と直交する方向に沿って外筒部材12の内部側に向けて延設されている。さらに、各押圧部支持部材17a,17bの内端部には、大径なストッパ18がそれぞれ形成されている。
一方の硬性アーム16aには、一方の押圧部支持部材17aが挿通される挿通孔19aが形成されている。同様に、他方の硬性アーム16bには、他方の押圧部支持部材17bが挿通される挿通孔19bが形成されている。そして、2つの硬性アーム16a,16bは、それぞれ押圧部支持部材17a,17bに沿って外筒部材12の中心線方向と直交する方向に移動可能に支持されている。
また、2つの押圧部支持部材17a,17bには、それぞれ硬性アーム16a,16bを外筒部材12の内方向(閉じる方向)に押圧する状態に付勢する圧縮コイルばね(弾性部材)22が装着されている。この圧縮コイルばね22は、外筒部材12と、各硬性アーム16a,16bとの間に配設されている。そして、押圧部15の2つの硬性アーム16a,16bは、図2および図3(A),(B)に示すように圧縮コイルばね22の付勢力に抗して押圧部15の2つの硬性アーム16a,16bの先端間が全開に開いた状態(外筒部材12の中心から最も離れた状態)で保持される待機位置(非作動時)と、いずれか一方の硬性アーム16a(または16b)が圧縮コイルばね22の付勢力によって内方向に移動する作動位置との間で移動可能に支持されている。
内筒部材13の先端部の周壁面には、先端側に向かうにしたがって外径が小さくなる先細のテーパー面14が形成されている。また、本実施の形態では、内筒部材13は、図2中で上下に2分割された2つのスライド部材13a、13bによって形成されている。2つのスライド部材13a、13bは、それぞれ独立に内筒部材13の中心線方向に進退可能に支持されている。
2つのスライド部材13a、13bの基端部は、それぞれ図示しない独立の把持部開閉操作手段に接続されている。各把持部開閉操作手段は、外筒部材12に対して2つのスライド部材13a、13bをそれぞれ独立に内筒部材13の中心線方向に進退させる状態で駆動するスライド部材駆動機構を有する。スライド部材駆動機構は、例えば、電磁モータを備えたボールネジ機構であってもよい。また、直線駆動が可能な超音波モータでもよい。
押圧部15の2つの硬性アーム16a,16bの基端部には、内筒部材13のテーパー面14と摺接状態で接触する円弧形状の摺接部20がそれぞれ設けられている。各硬性アーム16a,16bの先端部には、外筒部材12の内部側に向けて屈曲された爪部21がそれぞれ設けられている。
そして、2つのスライド部材13a、13bのいずれか一方のスライド動作にともない押圧部15の2つの硬性アーム16a,16bのいずれか一方が押圧部支持部材17a,17bに沿って外筒部材12の中心線方向と直交する方向に移動される。これにより、外筒部材12の処置部挿入口12aから外筒部材12の内部空間に挿入された隆起したポリープ状の処置対象部位を硬性アーム16a,16bのいずれか一方の爪部21によって集束超音波素子23の伝播経路の方向と交わる方向へ押圧することで、集束超音波素子23の集束位置Pと処置対象部位との相対的な位置を伝播経路の方向と交わる方向へ変化させる集束位置可変手段26が形成されている。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。超音波照射デバイス1の使用時には、予め、内筒部材13の2つのスライド部材13a、13bは、図2に示す前進位置で保持されている。このとき、2つの硬性アーム16a,16bの摺接部20は、内筒部材13のテーパー面14の最後端位置と摺接する位置まで移動した状態で保持されている。この状態では、圧縮コイルばね22のばね力に抗して、硬性アーム16a,16bが外筒部材12の中心から最も離れた待機位置(非作動時)で保持されている。
また、超音波照射デバイス1の使用前に、まず初めに予め生体組織の表面から突出している腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位H2の位置を内視鏡3(図1参照)や、MRI、CTなどを使って確認する。また、ポリープ状の処置対象部位H2がある生体組織の周辺は、水などの液体の超音波伝播媒体で予め満たされている。
処置対象部位H2の位置を特定した後、上記した超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11の先端を処置対象部位H2がある生体組織の表面H1の近くに配置する。続いて、図4に示すように照射デバイス本体11の先端の処置部挿入口12aからポリープ状の処置対象部位H2を照射デバイス本体11の外筒部材12の内部に挿入させるとともに、処置対象部位H2の周囲の生体組織の表面H1に照射デバイス本体11の先端を押し当てる。その時、処置部挿入口12aから外筒部材12の内部に挿入されたポリープ状の処置対象部位H2の中心位置は、外筒部材12の中心位置(2つの硬性アーム16a,16bの爪部21間の中心位置)と一致した状態で保持されている。この状態で、外筒部材12の液体注入口25から外筒部材12の内部に入った超音波伝播媒体(水)により、集束超音波素子23と生体組織の表面H1で形成される照射デバイス本体11の内部の超音波伝播空間部分12bは水で満たされた状態となる。
次に、図示しない超音波素子保持部材移動手段を動作させて超音波素子保持部材24を2つの硬性アーム16a,16bの方向に移動させる。これにより、集束超音波素子23の集束位置(焦点)Pを腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2と一致させる。この状態で、集束超音波素子23から出力される超音波を腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に集束させ、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を超音波で処置する(図4参照)。
その後、内筒部材13の2つのスライド部材13a、13bのいずれか一方、例えば図5中に矢印で示すように同図中で上側のスライド部材13aを内筒部材13の中心線に沿って後方(図5中で左側)にスライド移動させる。これにより、押圧部15の2つの硬性アーム16a,16bのうち、図5中で上側の硬性アーム16aは、圧縮コイルばね22のばね力により、図5中に矢印で示すように外筒部材12の中心位置方向に移動される。そのため、内筒部材13の上側のスライド部材13aが図5中で左方向に移動する動作にともない硬性アーム16aの摺接部20は、テーパー面14に沿って摺動しながら外筒部材12の内方向(中心方向)に移動する。このとき、上側の硬性アーム16aの摺接部20が、図5に示すように内筒部材13の上側のスライド部材13aのテーパー面14の最先端位置と摺接する方向に移動した場合には、図5に示すように押圧部15の上側の硬性アーム16aの先端の爪部21によってポリープ状の処置対象部位H2が集束超音波素子23の伝播経路(照射軸)の方向と交わる方向(図5中で下側)に押されて形状が変わる。このように、硬性アーム16aの先端の爪部21によって腫瘍であるポリープ状の処置対象部位H2が図5中で下向きに押されると、ポリープ状の処置対象部位H2上の超音波の集束位置(治療位置)Pを変更することができる。したがって、硬性アーム16aの先端の爪部21によってポリープ状の処置対象部位H2を押圧することによってポリープ状の処置対象部位H2上の超音波の集束位置(治療位置)Pを集束超音波素子23の伝播経路(照射軸)の方向と交わる方向に下向き(図5中)に変更することができる。
また、図4の状態から内筒部材13の図5中で下側のスライド部材13bを内筒部材13の中心線に沿って後方(図5中で左側)にスライド移動させた場合には、押圧部15の図5中で下側の硬性アーム16bが、圧縮コイルばね22のばね力により、図5中で上側に移動される。これにより、硬性アーム16bの先端の爪部21によって腫瘍であるポリープ状の処置対象部位H2が図5中で上向きに押されると、ポリープ状の処置対象部位H2の超音波集束位置(治療位置)Pを変更することができる。したがって、硬性アーム16bの先端の爪部21によってポリープ状の処置対象部位H2を図5中で上向きに押圧することによってポリープ状の処置対象部位H2上の超音波の集束位置(治療位置)Pを集束超音波素子23の伝播経路(照射軸)の方向と交わる方向に上向き(図5中)に変更することができる。
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の超音波照射デバイス1では、集束超音波素子23を音源として利用し、その音源から照射される超音波の集束位置(焦点)Pと、生体組織の腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の位置を一致させることにより、集束超音波素子23から出力される集束超音波をポリープ状の処置対象部位H2に正しく照射させることができる。そのため、生体組織に形成されたポリープ状の処置対象部位H2についても切開することなく、低侵襲で処置できる。
さらに、本実施形態では、集束位置可変手段26(図2中)を設け、照射デバイス本体11の先端に構成した押圧部15の2つの硬性アーム16a,16bの一方を動作させてポリープ状の処置対象部位H2を集束超音波素子23の伝播経路の方向と交わる方向へ押圧することで、ポリープ状の処置対象部位H2と集束超音波素子23の集束位置Pとの相対的な位置を伝播経路の方向と交わる方向へ変化させるようにしている。これにより、隆起したポリープ状の処置対象部位H2に対して的確に超音波照射処置を行なうことができ、その処置対象部位H2内の異なる位置に処置を行いたい場合でも、超音波の集束位置Pをずらして処置が行える超音波照射デバイスを提供することができる。そのため、同じ病変部内で異なる位置に処置を行いたい場合に従来のように面倒な病変部のつかみなおし作業を行なう必要がなく、処置を簡素化することができる。
また、押圧部15に2つの硬性アーム16a,16bを設けたので、例えば図5中で上側の硬性アーム16aによりポリープ状の処置対象部位H2を図5中で下方向に移動させることができ、また下側の硬性アーム16bによりポリープ状の処置対象部位H2を図5中で上方向に移動させることができる。このように、照射デバイス本体11の内部に引き込んだポリープ状の処置対象部位H2に対して集束超音波素子23の伝播経路の方向と交わる方向へ反対向きの2方向に移動させることができるので、ポリープ状の処置対象部位H2上の超音波の集束位置(治療位置)Pをずらす位置調整作業を容易に行うことができる。
さらに、本実施形態は、ポリープ状の処置対象部位H2を照射デバイス本体11の内部に引き込むことにより、超音波の集束位置をポリープ状の処置対象部位H2に対して位置合わせを行っている。そのため、体内の生体組織のように動き易い表面であってもポリープ状の処置対象部位H2を照射デバイス本体11の内部に引き込むことにより、ポリープ状の処置対象部位H2を照射デバイス本体11と一体化することができる。そして、押圧部15でポリープ状の処置対象部位H2を押圧することにより、ポリープ状の処置対象部位H2に対しても超音波の集束位置Pを正確に位置合わせすることができる。このため、体内の生体組織のように動き易い表面の動きに左右されずに適切な処置を行うことができる。
さらに、当該押圧部15を、集束超音波素子23から集束超音波の集束位置Pまでの超音波伝播経路を確保する外筒部材12の内部に支持させるように構成したため、集束超音波素子23の支持構造を簡素化することができる。そのため、集束超音波素子23の支持構造に余計な部材を必要とせず、細径化された低侵襲な超音波照射デバイス1の提供を可能としている。
[第2の実施の形態]
(構成)
図7〜図11は、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態の超音波照射デバイス31は、第1の実施の形態(図1〜図6参照)の超音波照射デバイス1の一部を次のとおり変形した変形例である。なお、図7〜図11中で、図1〜図6と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、本実施の形態の超音波照射デバイス31は、第1の実施の形態の超音波照射デバイス1における照射デバイス本体11の先端の押圧部15の2つの硬性アーム16a,16bの一方、例えば図7および図8(A),(B)中で下側の硬性アーム16bを外筒部材12の先端部に固定し、図7および図8(A),(B)中で上側の硬性アーム16aのみを外筒部材12の中心線方向と直交する方向に移動可能に支持される構成にしたものである。
本実施の形態では、内筒部材13は、上下に2分割されておらず、単一のスライド部材で形成されている。そして、可動側の図7中で上側の硬性アーム16aの構成は、第1の実施の形態と同様である。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波照射デバイス31では、図9に示すように照射デバイス本体11の先端の処置部挿入口12aからポリープ状の処置対象部位H2を照射デバイス本体11の外筒部材12の内部に挿入させるとともに、処置対象部位H2の周囲の生体組織の表面H1に照射デバイス本体11の先端を押し当てる。このとき、処置部挿入口12aから外筒部材12の内部に挿入されたポリープ状の処置対象部位H2の中心位置は、外筒部材12の中心位置と一致した状態で保持されている。この状態で、集束超音波素子23から出力される超音波を腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の中心位置に配置される集束超音波の集束位置Pに集束させ、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を超音波で処置する。ここまでの作用は第1の実施の形態と同様である。
その後、本実施の形態では、図9の状態から内筒部材13を図10中に矢印で示すように内筒部材13の中心線に沿って後方(図10中で左側)にスライド移動させる。これにより、押圧部15の上側の硬性アーム16aは、圧縮コイルばね22のばね力により、図10中に矢印で示すように外筒部材12の中心位置方向に移動される。そのため、内筒部材13が図10中で左方向に移動する動作にともない硬性アーム16aの摺接部20は、テーパー面14に沿って摺動しながら外筒部材12の内方向(中心方向)に移動する。このとき、上側の硬性アーム16aの摺接部20が、図10に示すように内筒部材13のテーパー面14の最先端位置と摺接する方向に移動した場合には、図10に示すように上側の硬性アーム16aの先端の爪部21によってポリープ状の処置対象部位H2が集束超音波素子23の伝播経路(照射軸)の方向と交わる方向(図10中で下側)に押されて形状が変わる。したがって、硬性アーム16aの先端の爪部21によってポリープ状の処置対象部位H2を押圧することによってポリープ状の処置対象部位H2の超音波の集束位置(治療位置)Pを集束超音波素子23の伝播経路(照射軸)の方向と交わる方向に下向きに変更することができる。
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては、照射デバイス本体11の先端の硬性アーム16aを動作させてポリープ状の処置対象部位H2を集束超音波素子23の伝播経路の方向と交わる方向へ押圧することで、ポリープ状の処置対象部位H2と集束超音波素子23の集束位置Pとの相対的な位置を伝播経路の方向と交わる方向へ変化させることができる。これにより、隆起したポリープ状の処置対象部位に対して的確に超音波照射処置を行なうことができ、その処置対象部位H2内の異なる位置に処置を行いたい場合でも、超音波の集束位置(治療位置)Pをずらして処置が行える超音波照射デバイスを提供することができる。そのため、同じ病変部内で異なる位置に処置を行いたい場合に従来のように面倒な病変部のつかみなおし作業を行なう必要がなく、処置を簡素化することができる。
さらに、本実施の形態では、照射デバイス本体11の先端の押圧部15の2つの硬性アーム16a,16bのうちの一方、例えば図7および図8(A),(B)中で下側の硬性アーム16bを外筒部材12の先端部に固定し、図7および図8(A),(B)中で上側の硬性アーム16aのみを外筒部材12の中心線方向と直交する方向に移動可能に支持される構成にしたので、第1の実施の形態の超音波照射デバイス1よりも照射デバイス本体11の構成を一層、簡素化することができる。
[第3の実施の形態]
(構成)
図12(A),(B)〜図15は、本発明の第3の実施の形態を示す。図12(A)は、本実施の形態の超音波照射デバイス41の先端部分の概略構成を示す。照射デバイス本体41aには、円筒状の外筒部材42(構造体)が設けられている。この外筒部材42の内部には、集束超音波を照射する集束超音波素子43と、この集束超音波素子43を保持している超音波素子保持部材44とが設けられている。集束超音波素子43から照射される集束超音波は、外筒部材42の先端開口部に向けて照射され、外筒部材42の先端開口部よりも前方の集束位置Pに集束されるようになっている。そして、集束超音波素子43から集束位置Pに到る集束超音波の伝播経路としての空間を外筒部材42によって確保するようになっている。
また、外筒部材42の先端開口部には、図14に示すように腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位を外筒部材42の内部空間に挿入する処置部挿入口42aが形成されている。外筒部材42の先端部には、処置部挿入口42aから外筒部材42の内部に挿入された隆起したポリープ状の処置対象部位を集束超音波の集束位置Pで保持する処置対象保持部45が設けられている。この処置対象保持部45には、ゴムリング(弾性体からなるリング状部材)46が設けられている。このゴムリング46は、腫瘍の大きさに合わせて交換可能になっている。さらに、ゴムリング46の内径は、弾性変形して伸縮し、腫瘍の仮固定を行う機能を兼ね備えている。
図13に示すようにゴムリング46の周壁部には、2つのバルーン収容穴47a、47bが形成されている。これら2つのバルーン収容穴47a、47bは、ゴムリング46の直径方向に沿ってゴムリング46の周方向に180°離れた位置に配置されている。一方のバルーン収容穴47aには、流体の供給により伸縮する第1のバルーン48aが収容されている。同様に、他方のバルーン収容穴47bには、流体の供給により伸縮する第2のバルーン48bが収容されている。
2つのバルーン48a、48bの外周部は、外筒部材42の先端部内周面に固定されている。さらに、外筒部材42の筒壁部には、第1のバルーン48aの内部に流体を供給する第1の流体供給路49aと、第2のバルーン48bの内部に流体を供給する第2の流体供給路49bとが形成されている。これらの流体供給路49a、49bの基端部は、図示しない流体供給部と連結されている。
そして、2つのバルーン48a、48bのうちのいずれか一方、例えば図15に示すように第1の流体供給路49aから第1のバルーン48aの内部に流体が供給されて第1のバルーン48aが膨らむことにより、集束超音波の伝播経路の方向と交わる方向(図15中で下方向)へ生体組織を押圧する押圧部50が形成されている。ここで、第2の流体供給路49bから第2のバルーン48bの内部に流体が供給された場合には、第2のバルーン48bが膨らむことにより、図15中で上方向へ生体組織を押圧するようになっている。
したがって、本実施の形態の超音波照射デバイス41ではゴムリング46の2つのバルーン収容穴47a、47bによって2つのバルーン48a、48bの膨らむ方向が集束超音波素子43から照射される集束超音波の伝播経路の方向と交わる方向に規制され、ゴムリング46の2つのバルーン収容穴47a、47bによって2つのバルーン48a、48bが前記伝播経路の方向と交わる方向以外の方向に膨張することを規制する規制手段が形成されている。さらに、2つのバルーン48a、48bによって前記伝播経路の方向と交わる方向へ前記生体組織を押圧する前記押圧部50が形成され、前記押圧部50によって前記生体組織を押圧することで、前記集束超音波素子43の集束位置と前記生体組織との相対的な位置を前記伝播経路の方向と交わる方向へ変化させる集束位置可変手段51が形成されている。このとき、2つのバルーン48a、48bによって腫瘍の形状が変更され、腫瘍に対する集束超音波素子43からの超音波の集束位置を図15中で上下方向に変更するようにしている。
また、外筒部材42の先端部外周面には、外筒部材42の外部から水などの超音波伝播媒体を外筒部材42の内部に受け入れるための複数の液体注入口52が形成されている。そして、本実施の形態の超音波照射デバイス41の照射デバイス本体41aが患者Hの体内に挿入され、手術空間が超音波伝播媒体で満たされた場合には、液体注入口52から外筒部材42の内部に水などの液体の超音波伝播媒体が流入され、外筒部材42の内部の集束超音波素子43の超音波伝播空間部分が水などの液体の超音波伝播媒体で満たされるようになっている。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波照射デバイス41の使用時には、予め、ゴムリング46の2つのバルーン収容穴47a、47b内の2つのバルーン48a、48bは収縮された状態で保持されている。
また、超音波照射デバイス41の使用前に、まず初めに予め生体組織の表面から突出している腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位H2の位置を内視鏡3(図1参照)や、MRI、CTなどを使って確認する。また、ポリープ状の処置対象部位H2がある生体組織の周辺は、水などの液体の超音波伝播媒体で予め満たされている。
処置対象部位H2の位置を特定した後、上記した超音波照射デバイス41の照射デバイス本体41aの先端を処置対象部位H2がある生体組織の表面H1の近くに配置する。続いて、図14に示すように照射デバイス本体41aの先端の処置部挿入口42aからポリープ状の処置対象部位H2を照射デバイス本体41aの外筒部材42の内部に挿入させるとともに、処置対象部位H2の周囲の生体組織の表面H1に照射デバイス本体41aの先端を押し当てる。その時、処置部挿入口42aから外筒部材42の内部に挿入されたポリープ状の処置対象部位H2の中心位置は、外筒部材42の中心位置と一致した状態で保持されている。このとき、外筒部材42の液体注入口52から外筒部材42の内部に入った超音波伝播媒体(水)により、集束超音波素子43と生体組織の表面H1で形成される照射デバイス本体41aの内部の超音波伝播空間部分42bは水で満たされた状態となる。
この状態で、集束超音波素子43から出力される超音波は、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の中心位置に集束させ、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の中心位置を超音波で処置する(図14参照)。
その後、図示しない流体供給部から2つのバルーン48a、48bのうちのいずれか一方、例えば図15に示すように第1の流体供給路49aから第1のバルーン48aの内部に流体が供給されて第1のバルーン48aが膨らむ。これにより、第1のバルーン48aが膨らむと、外筒部材42の内部に挿入されたポリープ状の処置対象部位H2が集束超音波素子43からの超音波の照射軸と交わる方向(図15中で下側)に押されてポリープ状の処置対象部位H2の形状が変わる。このように、2つのバルーン48a、48bのうちのいずれか一方の膨らみによってポリープ状の処置対象部位H2が押されることで、ポリープ状の処置対象部位H2の形状を変形させて腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2上の超音波の集束位置(治療位置)Pを変更することができる。
また、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2は、2つのバルーン48a、48bのうちのいずれか一方の膨らんだバルーンに密着し、ポリープ状の処置対象部位H2の形状が変わることにより、ゴムリング46の2つのバルーン収容穴47a、47bのうち膨らんでいない側のバルーン収容穴の周縁部位に引っかかる。そのため、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2が超音波照射デバイス41の照射デバイス本体41aから抜け出ることはない。
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の超音波照射デバイス41では、ゴムリング46の2つのバルーン収容穴47a、47b内の2つのバルーン48a、48bのうちのいずれか一方を膨らませることにより、膨らませたバルーン、例えば図15中の第1のバルーン48aによって腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を押圧するので、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の形状を自由に変更させることができる。このように腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の形状を変形させることにより、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対する超音波の集束位置(治療位置)Pを自由に変更することができる。そのため、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対する超音波の集束位置(治療位置)Pを変更するために集束超音波素子43を傾けたりするような複雑な構造を必要としないので、超音波照射デバイス41の構造を簡素化することができる。
また、バルーン48a、48bのうちのいずれか一方を膨らませるために超音波を伝播する液体を使用しているので、超音波伝播範囲に膨張したバルーン48a、48bが入り込んだとしても反射などの影響が少なくて済む。
なお、図15では腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の上側部分(図15中)を治療するために、図15中で上側の第1のバルーン48aを膨らませて、超音波照射中心軸上にある集束位置Pに治療したい腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の上側部分が一致するように調整した状態を示したが、図15中で腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の下側部分を治療したい場合は図15中で下側の第2のバルーン48bを膨らませることで、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を上側に押圧して形状を変更させて腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の下側部分(図15中)の治療を行ってもよい。
したがって、本実施形態では、処置対象部位内の異なる位置に処置(超音波照射による加熱治療)を行いたい場合でも、超音波照射デバイス41を対象部位から離さなくても、バルーン48a、48bのうちのいずれか一方によって腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を押圧して超音波の集束位置(治療位置)Pをずらすことで処置が行える超音波照射デバイス41を提供することができる。
(第3の実施の形態のゴムリング46の変形例)
図16は、第3の実施の形態の超音波照射デバイス41のゴムリング46の変形例を示す。第3の実施の形態では、ゴムリング46を単一の部品で形成した構成を示したが、本変形例は、ゴムリング46をゴムリング本体46aと、このゴムリング本体46aに接合されるリング状の接合部材46bとの2部品で構成したものである。ゴムリング本体46aには、2つのバルーン収容穴47a、47bを形成するための2つの溝部47a1、47b1が形成されている。そして、ゴムリング本体46aと、接合部材46bとを接合して一体的に組み付けることにより、2つのバルーン収容穴47a、47bが形成されるようになっている。
[第4の実施の形態]
(構成)
図17〜図20は、本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態の超音波照射デバイス61は、第3の実施の形態(図12(A),(B)〜図15参照)の超音波照射デバイス41の一部を次のとおり変形した変形例である。なお、図17〜図20中で、図12(A),(B)〜図15と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、本実施の形態の超音波照射デバイス61は、第3の実施の形態の超音波照射デバイス41における照射デバイス本体41aの先端の押圧部50の2つのバルーン48a、48bの一方、例えば図12(A),(B)中で下側のバルーン48bを省略し、図12(A),(B)中で上側のバルーン48aのみを外筒部材12の中心線方向と直交する方向に移動可能に支持される構成にしたものである。
本実施の形態では、図18に示すようにゴムリング46の周壁部には、1つのバルーン収容穴47のみが形成されている。このバルーン収容穴47は、ゴムリング46の直径方向に沿って延設されている。このバルーン収容穴47には、流体の供給により伸縮するバルーン48が収容されている。なお、ゴムリング46の周壁部におけるバルーン収容穴47と対向する内壁面に凹部62を設け、変形する生体組織の一部を収容する構成にしてもよい。
バルーン48の外周部は、外筒部材42の先端部内周面に固定されている。さらに、外筒部材42の筒壁部には、バルーン48の内部に流体を供給する流体供給路49が形成されている。この流体供給路49の基端部は、図示しない流体供給部と連結されている。
したがって、本実施の形態の超音波照射デバイス61ではゴムリング46のバルーン収容穴47によってバルーン48の膨らむ方向が集束超音波素子43から照射される集束超音波の伝播経路の方向と交わる方向に規制され、ゴムリング46のバルーン収容穴47によってバルーン48が前記伝播経路の方向と交わる方向以外の方向に膨張することを規制する規制手段が形成されている。さらに、バルーン48によって前記伝播経路の方向と交わる方向へ前記生体組織を押圧する押圧部50が形成され、押圧部50によって前記生体組織を押圧することで、前記集束超音波素子43の集束位置と前記生体組織との相対的な位置を前記伝播経路の方向と交わる方向へ変化させる集束位置可変手段63が形成されている。このとき、バルーン48によって腫瘍の形状が変更され、腫瘍に対する集束超音波素子43からの超音波の集束位置を図20中で上下方向に変更するようにしている。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波照射デバイス61の使用時には、予め、ゴムリング46のバルーン収容穴47内のバルーン48は収縮された状態で保持されている。
そして、図19に示すように照射デバイス本体41aの先端の処置部挿入口42aからポリープ状の処置対象部位H2を照射デバイス本体41aの外筒部材42の内部に挿入させるとともに、処置対象部位H2の周囲の生体組織の表面H1に照射デバイス本体41aの先端を押し当てる。その時、処置部挿入口42aから外筒部材42の内部に挿入されたポリープ状の処置対象部位H2の中心位置は、外筒部材42の中心位置と一致した状態で保持されている。この状態で、集束超音波素子43から出力される超音波を腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に集束させ、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を超音波で処置する(図19参照)。ここまでの作用は第3の実施の形態と同様である。
その後、本実施の形態では図示しない流体供給部から流体供給路49を経てバルーン48の内部に流体が供給されてバルーンが膨らむ。これにより、バルーン48が膨らむと、外筒部材42の内部に挿入されたポリープ状の処置対象部位H2が集束超音波素子43からの超音波の照射軸と交わる方向(図20中で下側)に押されてポリープ状の処置対象部位H2の形状が変わる。このように、バルーン48の膨らみによってポリープ状の処置対象部位H2が押されることで、腫瘍の超音波集束位置(治療位置)を変更することができる。
また、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2は、膨らんだバルーン48に密着し、ポリープ状の処置対象部位H2の形状が変わることにより、ゴムリング46の凹部62の周縁部位に引っかかる。そのため、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2が超音波照射デバイス41の照射デバイス本体41aから抜け出ることはない。
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の超音波照射デバイス61では、ゴムリング46のバルーン収容穴47内のバルーン48を膨らませることにより、膨らませたバルーン48によって腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を押圧するので、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の形状を変更させることができる。そして、このように腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の形状を変形させることにより、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対する超音波の集束位置(治療位置)Pを変更することができる。そのため、第3の実施の形態と同様に腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対する超音波の集束位置(治療位置)Pを変更するために集束超音波素子43を傾けたりするような複雑な構造を必要としないので、超音波照射デバイス41の構造を簡素化することができる。
(第3の実施の形態の第1の変形例)
図21は、第3の実施の形態(図12(A),(B)〜図15参照)の超音波照射デバイス41の第1の変形例を示す。なお、図21中で、図12(A),(B)〜図15と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
第3の実施の形態の超音波照射デバイス41では、図21中でゴムリング46の上下の2ヶ所に2つのバルーン収容穴47a、47bを形成し、上側のバルーン収容穴47aに第1のバルーン48aを収容し、下側のバルーン収容穴47bに第2のバルーン48bを収容した構成を示した。これに対し、本変形例は、第3の実施の形態の超音波照射デバイス41のゴムリング46の周壁部に第3の実施の形態と同様に上下の2ヶ所に2つのバルーン収容穴47a、47bを形成するとともに、新たにゴムリング46の左右の2ヶ所に2つのバルーン収容穴47c、47dを形成し、左側のバルーン収容穴47cに第3のバルーン48cを収容し、右側のバルーン収容穴47dに第4のバルーン48dを収容したものである。
さらに、外筒部材42の筒壁部には、第1のバルーン48aの内部に流体を供給する第1の流体供給路49aと、第2のバルーン48bの内部に流体を供給する第2の流体供給路49bとが形成されているとともに、第3のバルーン48cの内部に流体を供給する第3の流体供給路49cと、第4のバルーン48dの内部に流体を供給する第4の流体供給路49dとが形成されている。これら4つの流体供給路49a〜49dの基端部は、それぞれ図示しない流体供給部と連結されている。
(効果)
上記構成の超音波照射デバイス41の第1の変形例では、図21中で左右の2ヶ所に配置された第3のバルーン48cと第4のバルーン48dのうち、いづれか一方を選択して膨らませることにより、腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位H2を図21中に矢印で示す左右方向にも変形させることができる。そのため、腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位H2の形状を図21中で上下の2方向と、左右の2方向にも変更することが可能になるので、超音波の集束位置(治療位置)を腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位H2の左右の場所にも設定することが可能になる。その結果、超音波の照射位置を図21中で上下の2方向と、左右の2方向に変化させた治療が実現できる。
(第3の実施の形態の第2の変形例)
図22は、第3の実施の形態の超音波照射デバイス41の第2の変形例を示す。本変形例は、第1の変形例(図21参照)の構成にさらに新たな構成を追加したものである。なお、図22中で、図12(A),(B)〜図15および図21と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
本変形例は、第3の実施の形態の超音波照射デバイス41のゴムリング46の周壁部に第1の変形例と同様に図22に示すように上下左右の4ヶ所に4つのバルーン収容穴47a〜47dを形成するとともに、新たにゴムリング46の斜め方向4ヶ所にも4つのバルーン収容穴47e〜47hを形成し、各バルーン収容穴47e〜47hにそれぞれ第5〜8のバルーン48e〜48hをそれぞれ収容したものである。
さらに、外筒部材42の筒壁部には、第1のバルーン48a〜第4のバルーン48dの内部に流体を供給する第1の流体供給路49a〜第4の流体供給路49dが形成されているとともに、新たに第5のバルーン48e〜第8のバルーン48hの内部に流体を供給する第5の流体供給路49e〜第8の流体供給路49hが形成されている。これら8つの流体供給路49a〜49hの基端部は、それぞれ図示しない流体供給部と連結されている。
(効果)
上記構成の超音波照射デバイス41の第2の変形例では、図22に示すように、第1の変形例(図21参照)の構成に対して上下左右の4ヶ所の4つのバルーン(第1のバルーン48a〜第4のバルーン48d)とともに、新たに斜め方向の4ヶ所に第5のバルーン48e〜第8のバルーン48hを配置した。このような構造にすることにより、斜め方向の4ヶ所に配置された第5のバルーン48e〜第8のバルーン48hのうち、いずれかを選択して膨らませることにより、腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位H2を図22中で斜め方向にも変形させることができる。そのため、腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位H2の形状を斜め方向にも変更することができるので、超音波の集束位置(治療位置)を腫瘍などの隆起したポリープ状の処置対象部位H2の上下左右以外の場所にも設定することができ、超音波の照射位置を斜め方向に変化させた治療が実現できる。
(第3の実施の形態の第3の変形例)
図23は、第3の実施の形態の超音波照射デバイス41の第3の変形例を示す。本変形例は、超音波照射デバイス41の外筒部材42の先端部内周面に多数のバルーン48を周方向に沿って全周に並設したものである。各バルーン48の外周部は、外筒部材42の先端部内周面に固定されている。さらに、外筒部材42の筒壁部には、各バルーン48の内部にそれぞれ個別に流体を供給する多数(バルーン48と同数)の流体供給路49が形成されている。これらの流体供給路49の基端部は、図示しない流体供給部と連結されている。
また、外筒部材42の先端部内周面には、多数のバルーン48の並設部を両側から挟む状態で、2枚のワッシャ型の挾持リング71a、71bが固定されている。これにより、いずれかの流体供給路49から1つのバルーン48の内部に流体が供給されて1つのバルーン48が膨らむことにより、集束超音波の伝播経路の方向と交わる方向へ生体組織を押圧する押圧部50が形成されている。ここで、バルーン48が外筒部材42の中心軸方向に膨らむことは2枚の挾持リング71a、71bによって規制され、かつバルーン48が外筒部材42の周方向に膨らむことは他のバルーン48との当接によって規制されるので、外筒部材42の径方向以外の方向にバルーン48が膨らむことは規制されている。
(効果)
このような構造にすることで、膨らませるバルーン48を選択することにより、集束超音波の伝播経路の方向と交わるどのような方向にも腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を変形させることができるので、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の形状をより細かく変更することが可能になる。その結果、超音波の照射位置を更に細かく変化させた治療が実現できる。なお、図23では個別の独立したバルーン48を複数個並設する状態で配置しているが、このような配置であれば多数のバルーン48を膨らませるバルーン48を選択できるようにしたまま一体化してもよい。
[第5の実施の形態]
(構成)
図24(A),(B)〜図28は、本発明の第5の実施の形態を示す。本実施の形態は、第3の実施の形態(図12(A),(B)〜図15参照)の超音波照射デバイス41の構成を次の通り変更した超音波照射デバイス81を設けた変形例である。なお、図24(A),(B)〜図28中で、図12(A),(B)〜図15と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、超音波照射デバイス81の照射デバイス本体81aの先端部分に、図24(A)に示すように組織を把持するためのドーナツ型バルーン82を追加で設けたものである。ここで、ドーナツ型バルーン82は、照射デバイス本体81aの先端部に配置されているゴムリング46の先端側に並設された状態で外筒部材42の先端部内周面に固定されている。
さらに、外筒部材42の筒壁部には、ドーナツ型バルーン82の内部に流体を供給するドーナツ型バルーン用流体供給路83が形成されている。このドーナツ型バルーン用流体供給路83の基端部は、図示しないドーナツ型バルーン用流体供給部と連結されている。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波照射デバイス81の使用時には、予め、ドーナツ型バルーン82は収縮された状態で保持されている。その後、内視鏡3(図1参照)などで隆起した腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の位置が特定できたら、ドーナツ型バルーン82の中心穴と、ゴムリング46の中心穴に腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2が入りこむように、組織表面H1にデバイス81の照射デバイス本体81aを押し当てる(図25参照)。
このとき、液体注入口52から超音波が伝播する超音波伝播媒体である水などが外筒部材42の内部に入り込み、集束超音波素子43と組織表面H1で形成される照射デバイス本体81aの内部の超音波伝播空間部分42bが水で満たされた状態となる。
続いて、ドーナツ型バルーン82の中心穴と、ゴムリング46の中心穴に腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2が入ったことを確認したのち、水などの流体をドーナツ型バルーン82に供給する。流体が供給されると図26に示すようにドーナツ型バルーン82は、外筒部材42の筒内方向に膨らむので、ドーナツ型バルーン82の中心穴にある腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を締め付けていく。その結果、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対してデバイス81の照射デバイス本体81aの先端部分が位置決めされる。
その状態で、集束超音波素子43から集束超音波をポリープ状の処置対象部位H2に照射すると図27に示すように集束位置(焦点)Pに該当する部分が超音波により焼灼され治療される。
その後、第3の実施の形態のデバイス41と同様に、2つのバルーン48a、48bのいずれか一方を膨らませることにより、膨らませたバルーン、例えば図28中の第1のバルーン48aによって腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を押圧して腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の形状を変更させることができる。そして、このように腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2の形状を変形させることにより、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対する超音波の集束位置(治療位置)Pを自由に変更することができる。
(効果)
そこで、本実施の形態の超音波照射デバイス81では、第3の実施形態のデバイス41と同様に、2つのバルーン48a、48bのいずれか一方を膨らませることにより、集束超音波素子43からの超音波の照射軸と交わる方向にポリープ状の処置対象部位H2を押圧して変形させることで腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対する超音波の集束位置(治療位置)Pを変更することができる。そのため、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対する超音波の集束位置(治療位置)Pを変更するために集束超音波素子43を傾けたりするような複雑な構造を必要としないので、超音波照射デバイス81の構造を簡素化することができる。
さらに、本実施の形態では、超音波照射デバイス81の照射デバイス本体81aの先端部分に、組織を把持するためのドーナツ型バルーン82を追加で設けたので、このドーナツ型バルーン82を膨らませることにより、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対する超音波照射デバイス81の照射デバイス本体81aの位置決めも確実に行うことができる。したがって、本実施形態では、上記第3の実施形態の超音波の集束位置(治療位置)の可変機構の効果に加え、ドーナツ型バルーン82を膨らませることで、腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2に対して照射デバイス本体81aを位置決めすることにより、治療の精度を一層、向上することができる。
(第5の実施の形態の第1の変形例)
図29は、第5の実施の形態(図24(A),(B)〜図28参照)の超音波照射デバイス81の第1の変形例を示す。なお、図29中で、図24(A),(B)〜図28と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例は、図29に示すように照射デバイス本体81aの先端部に配置されているゴムリング46の後方側にドーナツ型バルーン82を並設状態で配置したものである。
さらに、ドーナツ型バルーン82の後方には、ワッシャ型のバルーン保持リング91が設けられている。そして、ドーナツ型バルーン82は、このバルーン保持リング91と、ゴムリング46との間に挟まれた状態で挟持されている。
(作用・効果)
上記構成では、ゴムリング46に組み込まれた腫瘍形状変更用の2つのバルーン48a、48bの後方にドーナツ型バルーン82を配置した構造にすることにより、組織表面H1から突出される突出長さが比較的長めの腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2でも超音波照射デバイス81のドーナツ型バルーン82によって処置対象部位H2の突出端部側を確実に把持することができる効果がある。
(第5の実施の形態の第2の変形例)
図30は、第5の実施の形態(図24(A),(B)〜図28参照)の超音波照射デバイス81の第2の変形例を示す。なお、図30中で、図24(A),(B)〜図28と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例は、図30に示すように照射デバイス本体81aの先端部に配置されているゴムリング46の前後両側にそれぞれドーナツ型バルーン82を並設状態で配置したものである。
(作用・効果)
上記構成では、ゴムリング46に組み込まれた腫瘍形状変更用の2つのバルーン48a、48bの前後両側にそれぞれドーナツ型バルーン82を配置した構造にすることにより、超音波の集束位置(治療位置)Pの前後2ヶ所のドーナツ型バルーン82で確実に腫瘍などのポリープ状の処置対象部位H2を把持することができるので、位置決め精度が一層、向上する効果がある。
(第5の実施の形態の第3の変形例)
図31は、第5の実施の形態(図24(A),(B)〜図28参照)の超音波照射デバイス81の第3の変形例を示す。なお、図31中で、図24(A),(B)〜図28と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例は、図31に示すように、ドーナツ型のバルーン82の内周面(腫瘍などの病変部と接触する部分)に複数の爪92などの突起物を設けたものである。これにより、生体組織をドーナツ型のバルーン82で締め付けた際に、生体組織に爪92などの突起物が食い込むので、更に位置決め精度が向上する効果がある。
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
本発明は、集束超音波素子を使用した生体組織に対して処置を行うための超音波照射デバイスを使用する技術分野や、これを製造する技術分野に有効である。
1…超音波照射デバイス、12…外筒部材(構造体)、15…押圧部、23…集束超音波素子、26…集束位置可変手段。

Claims (9)

  1. 少なくとも一部が体腔内に挿入され、体腔を形成する生体組織に対して超音波を照射する超音波照射デバイスであって、
    体腔内に挿入される部位に設けられ、所定の離れた位置に集束する集束超音波を発する集束超音波素子と、
    前記集束超音波素子から照射される集束超音波の伝播経路の方向に配置され、前記伝播経路の方向と交わる方向へ前記生体組織を押圧する押圧部を有し、前記押圧部によって前記生体組織を押圧することで、前記集束超音波素子の集束位置と前記生体組織との相対的な位置を前記伝播経路の方向と交わる方向へ変化させる集束位置可変手段と、
    を具備することを特徴とする超音波照射デバイス。
  2. 前記集束位置可変手段は、前記伝播経路の方向と交わる方向に沿って少なくとも2つの前記押圧部が離間対向配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波照射デバイス。
  3. 前記押圧部は、流体の供給により伸縮するバルーンにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波照射デバイス。
  4. 前記集束位置可変手段に隣接して配置され、前記集束超音波が照射される対象となる前記生体組織の一部を狭持して位置決めする位置決め手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の超音波照射デバイス。
  5. 前記生体組織の一部を挿入する挿入口を有し、前記集束超音波素子から前記集束位置に到る前記集束超音波の伝播経路としての空間を確保するとともに、前記集束位置可変手段ならびに前記位置決め手段を支持する構造体を具備することを特徴とする請求項4に記載の超音波照射デバイス。
  6. 前記集束位置可変手段は、前記バルーンが前記伝播経路の方向と交わる方向以外の方向に膨張することを規制する規制手段を有することを特徴とする請求項3に記載の超音波照射デバイス。
  7. 前記規制手段は、弾性体からなるリング状部材の周壁部に前記伝播経路の方向と交わる方向に沿って前記バルーンの収容穴を形成したものであることを特徴とする請求項6に記載の超音波照射デバイス。
  8. 前記構造体は、前記バルーンに前記流体を供給する流体供給路を有することを特徴とする請求項5に記載の超音波照射デバイス。
  9. 前記位置決め手段は、前記液体供給手段による液体の供給により伸縮するドーナツ型バルーンにより構成されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波照射デバイス。
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