JP2012105432A - 球面モータ - Google Patents

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征也 藤本
Yuzuru Suzuki
譲 鈴木
Hiroyuki Furusaki
浩幸 古崎
Manabu Nakamura
学 中村
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Abstract

【課題】外力や衝撃を受けた際に、ロータとステータが接触せず、且つ、ロータとステータとの間隔を一定に保つ球面モータを提供する。
【解決手段】略球状の殻構造を有するステータ101と略球状の外面構造を有するロータ110を備えた球面モータにおいて、ステータ101は、コイル122が巻かれた磁極部材102を備える。磁極部材102の突極面104は、ロータ110を回転自在な状態で支持するベアリングボール115をロータ110側に突出させる開口と、このベアリングボール115の突出量を調整するコイルバネ117およびスペーサ118を備えている。ベアリングボール115がロータ110に押されても、スペーサ118とベアリングボール115を保持する押圧部材116とが接触することで、ロータ110とステータ101との接触が回避される。またコイルバネ117の付勢力によって、ロータ110とステータ101との間隔が一定に保たれる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータとステータの間隔を保持する構造に特徴のある球面モータに関する。
内部が中空の球体状の構造(球殻構造)を有するステータと、その内側に配置された回転自在な球体状のロータを備えた球面モータが知られている(例えば、特許文献1参照)。球面モータは、球殻構造のステータの内側で球体状のロータが3自由度以上に回転可能な構造を有している。この構造の球面モータは、球殻構造のステータの内面に、球の中心方向に向かって延在する極歯が複数設けられ、この極歯にステータコイル(マグネットワイヤ)が巻かれている。他方で、ロータは、球体の表面に複数のマグネット(永久磁石)が埋め込まれている。
以下、球面モータの原理を簡単に説明する。まず、球面モータの中心を通る面で切断した切断面を考える。この場合、ロータの回転位置に応じて複数のステータコイルに流す励磁電流の向きを適宜切り替えることで、ロータ側のマグネットとステータ側の磁極との間で生じる磁力の向きが切り替わり、ロータが上記切断面に垂直な方向を軸として回転する。これは、1自由度のブラシレスモータと同じ原理である。磁極が球殻構造のステータの内面において均等な位置に配置されていれば、上記の切断断面は任意の位置で考えることができ、ロータは任意の方向を軸として回転可能となる。言い換えると、回転軸の方向を変更しての回転が可能となる。
特開2010−60011号公報
ところで、球面モータは、ロータのステータと対向する面が球面であるので、ロータを回転自在な状態でステータに対して保持する軸受構造は、一軸(または1回転自由度)モータの軸受とは異なるものとなる。この球面モータの軸受構造として、例えばステータ側にベアリングボールを保持した球面軸受機構を配置したものが挙げられる。この構造では、ベアリングボールがロータに接触することで、球殻構造のステータの内側で球体状のロータを回転自在な状態で保持される。
このような球面軸受構造を採用した場合、ステータが外力や衝撃を受けたとき、または、ロータが急停止をするとき若しくは進行方向(回転方向)を変更するときなどに、ロータがステータに接触または極めて近接して回転の制御が不能になるおそれがある。そこで、ロータとステータとが直接接触せず、且つ、ロータとステータとの間隔を一定に保つ構造が必要とされる。このような背景において、本発明は、外力や衝撃を受けた際に、ロータとステータが接触せず、且つ、ロータとステータとの間隔を一定に保つ機構を有した球面モータの提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、略球状の殻構造を有した外側部分と、前記外側部分の内側に配置され、前記外側部分に対して相対的に回転可能な略球状の外面構造を有した内側部分とを備え、前記外側部分および前記内側部分は互いに対向する面を有し、前記対向する面の一方には、コイルが巻かれた磁極部材が配置され、前記磁極部材は、コイルが巻かれるコイルコア部と、前記コイルコア部の先端に設けられ、中央に開口が設けられた突極面と、前記開口から一部が突出し、前記一方の面に対向する他方の面に接触するベアリングボールと、前記ベアリングボールの前記開口からの突出量を調整する突出量調整手段とを備えていることを特徴とする球面モータである。
請求項1に記載の発明によれば、ステータまたはロータに配置された磁極部材の突極面から突出するベアリングボールの突出量が、突出量調整手段によって調整される。このため、外力や衝撃を受けた際に、ベアリングボールが存在することで、ロータとステータとが接触せず、且つ、ロータとステータとの間隔を一定に保つ機構を有した球面モータが提供される。
本明細書で開示する発明が適用可能な球面モータには、(1)外側の球状の殻構造体がステータで、その内側に球状のロータが格納された構造であり、ステータの内面に球中心の方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ロータの表面にマグネットが配置されている形態、(2)外側の球状の殻構造体がステータで、その内側に球状のロータが格納された構造であり、ステータの内面にマグネットが配置され、ロータの外面に外方向(球中心から外を向く方向、「球中心の方向」とは反対方向)に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置されている形態、(3)外側の球状の殻構造体がロータで、その内側に球状のステータが格納された構造であり、ロータの内面に球中心の方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ステータの表面にマグネットが配置されている形態、(4)外側の球状の殻構造体がロータで、その内側に球状のステータが格納された構造であり、ステータの外面に外方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ロータの内面にマグネットが配置されている形態、(5)外側の球状の殻構造体がステータで、その内側に球状のロータが格納された構造であり、ステータの内面に球中心の方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ロータの表面に外方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置された形態、(6)外側の球状の殻構造体がロータで、その内側に球状のステータが格納された構造であり、ロータの内面に球中心の方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ステータの表面に外方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置された形態、が含まれる。
また、本明細書で開示する発明が適用可能な球面モータは、ロータの回転角度範囲が制限されている形態であってもよい(勿論、制限なく繰り返し回転する形態であってよい)。また、ロータの回転が外部に出力されない形態であってもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記突出量調整手段は、前記ベアリングボールを前記開口から突出する方向に弾性的に付勢する付勢手段と、前記ベアリングボールの前記開口からの前記突出量の小さくなる方向への変化量を定常状態における前記外側部分と前記内側部分との間隔よりも小さい値に制限する制限手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、ベアリングボールが弾性的に付勢された状態で突出するので、ロータがステータに対して弾性的に保持される。このため、外力や衝撃がある程度吸収可能な状態で、ステータに対するロータの保持が行われる。また、突出したベアリングボールが後退する変化量が制限手段により定常状態における外側部分と内側部分との間隔(つまり、ロータとステータの隙間寸法)より小さな値になるように制限されているので、上記の弾性的な保持を行いつつ、ベアリングボールの変位が大き過ぎて、ロータとステータとが接触する事態が防止される。なお定常状態というのは、ロータとステータとの隙間が変化するような突発的な外力や衝撃が加わっていない状態のこという。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記付勢手段はコイルバネであり、前記制限手段は、前記コイルバネの縮み代を定常状態における前記外側部分と前記内側部分との間隔よりも小さい値に制限することを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、コイルバネが縮み、ベアリングボールが後退しても、コイルバネの縮み代が制限されているので、ベアリングボールの後退距離がある値より小さい値とされる。これにより、コイルバネの弾性を利用したベアリングボールの保持を行ないつつ、突極面からのベアリングボールの突出状態が失われない構造が得られる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記制限手段は、前記ベアリングボールを前記開口に押し込んだ際に、前記ベアリングボールの一部が前記開口から突出する状態を維持させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記磁極部材が配置された前記一方の面に対向する面にマグネットが配置され、前記磁極部材が励磁されていない状態において、前記外側部分と前記内側部分の間隔が変化する範囲内における前記付勢手段が前記ベアリングボールを前記開口から突出する方向に付勢する力は、前記ベアリングボールを前記開口に押し込む程非線形に大きくなる特性を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、外側部分と内側部分との間の隙間が狭くなり、両者の間で働く吸引力が加速度的に増大すると、それに合わせて前記吸引力に抗する付勢力が加速度的に増大する。このため、付勢手段として線形特性を有するものを採用した場合に比較して、内側部分と外側部分との位置関係を維持する機能が高い構造とできる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記付勢手段が前記ベアリングボールを前記開口から突出する方向に付勢する力は、前記磁極部材が前記マグネットに吸引される力と略一致する非線形な特性を有することを特徴とする。請求項6に記載の発明によれば、ステータまたはロータ側の磁極部材とロータまたはステータ側のマグネットとの間に作用する吸引力とに略一致する反発力が付勢手段において発生する。このため、ロータ/ステータ間の間隔が狭くなった場合に、この間隔が加速度的に増大する現象をより効果的に抑えることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明おいて、前記突出量調整手段は、螺子により前記ベアリングボールの突出量を固定する突出量固定手段であることを特徴とする。請求項5に記載の発明によれば、ベアリングボールの突出量が固定されるので、ロータとステータの間隔が一定に保たれる。
本発明によれば、外力や衝撃が受けた際に、ロータとステータとが接触せず、且つ、ロータとステータとの間隔を一定に保つ機構を有した球面モータが提供される。
実施形態の球面モータのステータ部分の外観図(A)とその断面図(B)である。 実施形態の球面モータのロータの分解図(A)、内部構造図(B)、分解図(C)、外観図(D)である。 実施形態の磁極部材の断面図である。 実施形態の磁極部材の断面図である。 実施形態の磁極部材の断面図である。 実施形態の磁極部材の断面図である。 ステータ側の磁極とロータマグネットとの間で作用する磁極を説明するための概念図である。 ステータ側の磁極とロータマグネットとの間の間隔と、ステータ側の磁極とロータマグネットとの間で作用する吸引力との関係を示すグラフ(A)、およびステータ側の磁極とロータマグネットとの間の間隔と、ベアリングボールを押すコイルバネの反発力との関係を示すグラフ(B)である。 コイルバネによって押されたベアリングボールによりロータが支持される状態を示す概念図である。 ベアリングボールの押し込み量と、ステータ側の磁極とロータマグネットとの間で作用する吸引力との関係を示すグラフ(A)、およびベアリングボールの押し込み量と、ベアリングボールを押すコイルバネの反発力との関係を示すグラフ(B)である。
1. 第1の実施形態
(ステータ)
図1(A)には、球面モータ100のステータ101の外観が示され、図1(B)には、ステータ101を縦に半分に割った状態の断面構造が示されている。ステータ101は、外側部分の一例であり、略球殻構造を有したステータ部材101aおよび磁極部材102により構成されている。ステータ部材101aおよび磁極部材102は、軟磁性材料により構成されている。磁極部材102は、ステータ部材101aに後述する構造により取り付けられている。
磁極部材102は、回転中心(球構造の中心)の方向に延在したコイルコア部103を備えている。コイルコア部103には、ステータコイルを構成するマグネットワイヤが巻かれる。コイルコア部103の先端の部分は、傘型に開き、後述する球体構造を有するロータの表面形状に沿った形状を有する突極面104とされている。突極面104は、ロータ側のロータマグネットに対応するステータ側の磁極面となる部分であり、その中央には、後述するベアリングボールをロータの方向に突出させるための開口105が設けられている。
図1(B)に示されるように、ステータ部材101aの外面には、平坦部106が設けられ、その中央に磁極部材102を取り付けるための取付け孔107が設けられている。また、磁極部材102は、ベアリングボールを支える構造を備えているが、図1では図示省略されている。この部分については、後に詳述する。
(ロータ)
図2には、図1のステータ101の内側に回転自在な状態で納められるロータの一例が示されている。図2には、ロータ110が示されている。ロータ110は、内側部分の一例であり、略球状の形状を有している。ロータ110は、ステータ101の内側に納められた状態でステータ101から隙間を隔てた状態で回転自在な状態とされる。ロータ110は、軟磁性材料で構成された内球部111、内球部111の表面に埋め込まれた複数のロータマグネット112、セラミックス等の非磁性材料により構成された外側を覆う外殻部113により構成されている。
(磁極部材)
以下、図1では記載が省略されていた磁極部材102の詳細な構造について説明する。図3には、磁極部材102の断面構造が示されている。図3には、磁極部材102がステータ部材101aに取り付けられている状態が示されている。図示するように、磁極部材102の突極面104は、ロータ110の外側を覆う外殻部113に隙間を隔てて対向している。この隙間は、(Ro−Ri)で示される。なお、符号Sは、ロータの回転中心であり、また略球殻構造のステータ101の中心でもある。
図3に示すように、突極面104の中央に設けられた開口(図1の符号105)からは、ベアリングボール115の一部がロータ110の側に突出し、その突出した部分の先端がロータ110の外殻部113に接触している。ベアリングボール115は、セラミックス等の非磁性な材料により構成され、略円筒形状の押圧部材116によって中心Sの方向(ロータ110の方向)に押されている。押圧部材116の先端は、すり鉢状に窪んでおり、そこでベアリングボール115が保持されている。押圧部材116の円筒形状の部分には、コイルバネ117が装着され、コイルバネ117の先端は、押圧部材116先端のすり鉢状部分外側の縁に接触している。コイルバネ117の後端は、スペーサ118に接触している。このコイルバネ117の弾性により、ベアリングボール115は、ロータ110の方向に付勢された状態で、突極面104から突出している。そして、このスペーサ118と押圧部材116の後端との間において、符号Wで示される隙間量(「縮み代」に相当)が設定されている。この隙間量Wは、スペーサ118の寸法で微調整が可能とされている。この構成によれば、隙間量Wの寸法範囲でベアリングボール115は、図の左方向に後退が可能となる。ここでは、W<(Ro−Ri)となるようにスペーサ118の寸法が設定されている。ここで、(Ro−Ri)は、定常状態におけるロータ110とステータ101との間の隙間寸法である。
スペーサ118の背後は、固定部材119で押さえられている。固定部材119は、螺子120により、磁極部材102に固定されている。また、固定部材119と磁極部材102の一部とが、ステータ部材101aの平坦部106の一部を挟み込むことで、磁極部材102がステータ部材101aに固定されている。
コイルコア部103の外側には、コイルボビン121が装着され、コイルボビン121にマグネットワイヤが巻かれることで、ステータコイル122が構成されている。コイルボビン121は、端子取付け部123を備え、端子取付け部123には、電極端子124が固定されている。この電極端子124は、図示されていないが2つあり、そこにステータコイル122の両端が接続され、ステータコイルの引き出し電極として機能する。
(優位性)
例えば、ロータ110が回転している状態において、ステータ101に外部から衝撃が加わる状況を考える。この際、この衝撃によりロータ110がステータ101の内部で相対的に動こうとする力が作用する。この力は、ベアリングボール115に加わる。この力がベアリングボール115を外側に押す方向(図の左方向)に加わると、コイルバネ117が縮み、ベアリングボール115が後退し、ベアリングボール115のロータ110方向への突出量が減少する。この際、コイルバネ117の弾性により、衝撃の一部が吸収される。ここで、W<(Ro−Ri)、すなわちベアリングボール115の後退可能な距離Wは、定常状態におけるロータ110とステータ101との隙間寸法(Ro−Ri)より小さくなるように設定されている。したがって、最大に後退した状態においてもベアリングボール115の突極面104からの突出量が確保されている。このため、強い衝撃を受けてもロータ110の突極面104への接触が防止される。また、ロータ110は、周囲からコイルバネ117によって弾性的に押された状態となるので、ステータ101との間の間隔を一定に保つような力が作用した状態でステータ101の内側で保持される。
このように、ステータ101が外部から衝撃を受けたときや、ロータ110が急停止をするとき、ロータ110が進行方向(回転方向)を変更するときなどに、ロータ110がステータ101に一時的に近接する可能性があるが、ロータ110とステータ101とが接触せず、且つ、ロータ110とステータ101との間隔を一定に保つ機構が実現される。ところで、本実施形態のようにコイルバネの縮み代を規制することなしに、ロータとステータの間隔を維持して両者の接触を回避する方法として、コイルバネの反発力(付勢力)を大きくする方法が考えられる。しかしながら、コイルバネの反発力を大きくするほど、定常状態において、コイルバネからより大きな反発力がロータに加わることになり、ベアリングボールとロータ間の摩擦力が増大することになる。この点、本実施形態の球面モータは、コイルバネ117の反発力を比較的小さい値に設定することができるので、ベアリングボール115がロータ110を押す力が過剰にならず、ベアリングボール115がロータ110を強く押すことに起因する摩擦力の増大を抑えることができる。このため、回転時のロスが抑えられた球面モータが得られる。
2. 第2の実施形態
以下、第1の実施形態とは、異なる磁極部材の構造について説明する。図4には、図3の磁極部材102とは異なる構造の磁極部材102aが示されている。なお、以下の説明において、図1〜3と同じ符号の部分は、図1〜3に関連して説明した内容と同じである。以下、主に図3と異なる部分について説明する。
図4に示す構成では、図3のコイルバネ117は用いられておらず、代わりにワッシャ131が、押圧部材116とスペーサ118との間に介在した構造とされている。ここでは、ワッシャ131の厚みにより、ベアリングボール115の突極面104からの突出量が調整されている。例えば、ワッシャ131として複数のワッシャを重ねたものを採用した場合、重ねるワッシャの枚数を調整することで、ベアリングボール115の突極面104からの突出量の調整が行われる。
ここでワッシャ131として厚み方向への弾性的な圧縮が可能なものを採用すると、第1の実施形態と同様なベアリングボール115の弾性的な支持が可能となる。この際、ワッシャ131の変形可能な幅の値を、定常状態におけるロータ110とステータ101との隙間寸法よりも小さくすることで、第1の実施形態と同様の機能を得ることができる。また、ワッシャ131として圧縮できない構造のものを採用することで、ベアリングボール115の突極面104からの突出量が固定される構成を実現できる。
3. 第3の実施形態
図5には、図3の磁極部材102とは異なる構造の磁極部材102bが示されている。なお、以下の説明において、図1〜3と同じ符号の部分は、図1〜3に関連して説明した内容と同じである。以下、主に図3と異なる部分について説明する。
図5に示す構成では、スペーサ118の先端が押圧部材116に接触し、スペーサ118の後端が固定部材119に接触している。また、固定部材119とステータ部材101aの平坦部106との間に皿バネ132が挿入されている。この構造では、螺子120の締め具合により、ベアリングボール115の突極面104からの突出量の調整が行われる。この例では、ベアリングボール115の突極面104からの突出量は固定される。なお、皿バネに代えて、ウェーブワッシャやコイルバネを用いることもできる。
4. 第4の実施形態
図6には、図3の磁極部材102とは異なる構造の磁極部材102cが示されている。なお、以下の説明において、図1〜3と同じ符号の部分は、図1〜3に関連して説明した内容と同じである。以下、主に図3と異なる部分について説明する。
この例では、スペーサ118の後端が螺子133によって押され、それによりベアリングボール115の突極面104からの突出量が調整される構造とされている。コイルコア部103の後部分には、螺子133をねじ込むための開口部とされ、この開口部の内周には、螺子133が噛み合う螺子溝が形成されている。また、固定部材119には、螺子133をコイルコア部103後端にねじ込むための開口が設けられている。この構造も第3の実施形態の場合と同様に、ベアリングボール115の突極面104からの突出量は固定される。
なお、図5および図6に示す構成において、スペーサ118をゴム、ゲル材、発砲ウレタンのような弾性部材により構成することで、ベアリングボール115を弾性的に保持する構造が得られる。この際、スペーサ118が最大限に圧縮された状態で、ベアリングボール115が突極面104から突出するようにスペーサ118の材質や寸法を設定することで、ベアリングボール115が弾性的に保持され、且つ、外力や衝撃が加わった際に、ロータ110とステータ110とが接触しない構造が得られる。
5. 第5の実施形態
本実施形態では、第1の実施形態において、コイルバネ117として非線形バネを採用する。非線形バネとは、変位と弾性力が正比例せず、非線形な関係にあるバネである。コイル状の非線形バネは、軸方向におけるコイルピッチを変えた構造やコイルバネを構成する線材の径を軸方向で変えた構造によって実現される。以下、コイルバネ117としてどのような非線形性に設定するのかについて説明する。
図7には、ステータ側の磁極部材701の突極面702と、ロータ703側のロータマグネット704が空隙隙間(GAP)を介して対向している状態が概念的に示されている。この状態において、ステータ側の磁極部材701の突極面702と、ロータ703側のロータマグネット704との間には、ロータマグネット704が発生する磁力に起因する吸引力が発生する。図8(A)は、ステータの磁極への励磁を行なっていない状態におけるGAP(横軸)と、突極面702とロータマグネット704との間に作用する吸引力(縦軸)との関係の一例を示すグラフである。ここで、図8(A)には、図7に示すように突極面702とロータマグネット704とが対向している状態における吸引力が示されている。図8(B)は、図8(A)の特性に合わせた特性のコイルバネのGAP(横軸)と反発力の関係を示すグラフである。
図8(A)に示されるように、ロータとステータ側のマグネットの間に作用する吸引力は、空隙距離(GAP)が狭まると、急激に増加する。この増加の程度は、高次関数で表される非線形なものとなる。
そこで、本実施形態では、図8(A)に示す非線形性特性と同様な変位―反発力の特性を有する非線形バネをコイルバネ117として採用する(図8(B)参照)。この場合、GAP(空隙距離)が狭くなると、増大するロータマグネット704の吸引力に対応してコイルバネ117の反発力が大きくなる特性が得られる。
図9には、この非線形バネを評価するモデルが示されている。図10(A)は、ベアリングボール115の押し込み量(横軸)と、突極面702とロータマグネット704との間に作用する吸引力(縦軸)との関係の一例を示すグラフである。図10(B)は、図10(A)の特性に合わせたコイルバネにおけるベアリングボール115の押し込み量と反発力の関係を示すグラフである。図10(A)に示すように、ベアリングボール115を押し込む程、ロータ/ステータ間に作用する吸引力が非線形的に増大する。本実施形態では、この特性に合わせた非線形的な反発力を生じるように、ベアリングボール115を押すコイルバネ117の特性を調整している。すなわち、図10(B)に示すように、ベアリングボール115が押し込まれる程、コイルバネ117の反発力(付勢力)が増大するように、その特性を図10(A)に略合わせたものとする。
このように、コイルバネ117として、圧縮変形に対して生じる反発力が非線形な特性を示すものを用い、その非線形な特性をロータとステータとの間で生じる磁力の吸引力と釣り合う特性に設定する。つまり、コイルバネ117として、マグネットの吸引力に一致した反発力を示す非線形特性を有するものを採用する。なお、コイルバネ117の特性の設定は、コイル122に対する励磁を行なっていない状態におけるベアリングボール115の可動範囲において行なわれる。具体的には、図9に示すようなモデルをコンピュータによりシミュレーションし、ステータ側の磁極の励磁を行なっていない状態でロータマグネット112に起因するロータとステータ間の吸引力を算出する。そしてこの吸引力とGAPとの関係を示す特性に略合致した非線形特性のコイルバネ117を選定する。
仮に、コイルバネとして通常の線形な特性を有するものを採用した場合、衝撃等の何らかの理由により、ロータとステータ間の隙間が狭くなると、加速度的に吸引力が増大し、ステータの位置を定常状態に戻すことが困難になる可能性が高くなる。これに対して、本実施形態の構成を採用した場合、GAPが狭くなることで加速度的に増大する吸引力に対応して、コイルバネ117の反発力も加速度的に増大する。このため、衝撃等に起因してロータとステータの間の隙間が狭くなり、ロータがステータに加速度的に吸引される現象が抑制される。ロータがステータに加速度的に吸引される現象が抑制されることで、ステータコイルに流す電流を制御することによるステータの定常位置(ロータとステータの隙間が規定の値である状態)への復帰を行なう制御が容易となる。また、コイルバネ117の特性により、ロータ/ステータの間隔が常に予め決められた値となるようにする力が作用するので、定常位置における駆動制御も容易となる。
また上述した非線形特性のコイルバネ117を用いた場合、定常位置におけるコイルバネ117の反発力を弱く設定できる(図10参照)。このため、定常状態においてベアリングボール115とロータ110の外殻部113との間に作用する摩擦力を小さくでき、定常状態におけるロータの回転に際しての損失を抑えることができる。つまり、ロータを定常位置に止める機能とロータの回転に際しての損失の低減を両立させた球面モータを得ることができる。
(その他)
以上の例示では、ベアリングボールをステータ側の磁極の部分(突極面)に設けた例を説明したが、磁極以外の部分においてベアリングボールによるロータの保持を行なう構成も可能である。この場合、磁極として機能しないだけで、ベアリングボールを支える構造は、例示した実施形態の構造が適用可能である。
以上の例示では、外側がステータで内側がロータの例を説明したが、外側をロータとし、内側をステータとしてもよい。この場合、外側のロータの回転範囲が限定されるが、部分的な範囲で外側の球体が回転する球面モータが得られる。また、内側がロータである構成において、この内側のロータに例示した磁極の構造を適用することもできる。この場合もロータの回転範囲が制限されるが、部分的な範囲で内側の球体が回転する球面モータが得られる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
本発明は、球面モータに利用することができる。
100…球面モータ、101…ステータ、101a…ステータ部材、102…磁極部材、103…コイルコア部、104…突極面、105…開口、106…平坦部、107…取付け孔、110…ロータ、111…内球部、112…ロータマグネット、113…外殻部、115…ベアリングボール、116…押圧部材、117…コイルバネ、118…スペーサ、119…固定部材、120…螺子、121…コイルボビン、122…コイル、123…端子取付け部、124…電極端子、131…ワッシャ、132…皿バネ、133…螺子、701…磁極部材、702…突極面、703…ロータ、704…ロータマグネット。

Claims (7)

  1. 略球状の殻構造を有した外側部分と、
    前記外側部分の内側に配置され、前記外側部分に対して相対的に回転可能な略球状の外面構造を有した内側部分と
    を備え、
    前記外側部分および前記内側部分は互いに対向する面を有し、
    前記対向する面の一方には、コイルが巻かれた磁極部材が配置され、
    前記磁極部材は、
    コイルが巻かれるコイルコア部と、
    前記コイルコア部の先端に設けられ、中央に開口が設けられた突極面と、
    前記開口から一部が突出し、前記一方の面に対向する他方の面に接触するベアリングボールと、
    前記ベアリングボールの前記開口からの突出量を調整する突出量調整手段と
    を備えていることを特徴とする球面モータ。
  2. 前記突出量調整手段は、
    前記ベアリングボールを前記開口から突出する方向に弾性的に付勢する付勢手段と、
    前記ベアリングボールの前記開口からの前記突出量の小さくなる方向への変化量を定常状態における前記外側部分と前記内側部分との間隔よりも小さい値に制限する制限手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の球面モータ。
  3. 前記付勢手段はコイルバネであり、
    前記制限手段は、前記コイルバネの縮み代を定常状態における前記外側部分と前記内側部分との間隔よりも小さい値に制限することを特徴とする請求項2に記載の球面モータ。
  4. 前記制限手段は、前記ベアリングボールを前記開口に押し込んだ際に、前記ベアリングボールの一部が前記開口から突出する状態を維持させることを特徴とする請求項2または3に記載の球面モータ。
  5. 前記磁極部材が配置された前記一方の面に対向する面にマグネットが配置され、
    前記磁極部材が励磁されていない状態において、前記外側部分と前記内側部分の間隔が変化する範囲内における前記付勢手段が前記ベアリングボールを前記開口から突出する方向に付勢する力は、前記ベアリングボールを前記開口に押し込む程非線形に大きくなる特性を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の球面モータ。
  6. 前記付勢手段が前記ベアリングボールを前記開口から突出する方向に付勢する力は、前記磁極部材が前記マグネットに吸引される力と略一致する非線形な特性を有することを特徴とする請求項5に記載の球面モータ。
  7. 前記突出量調整手段は、螺子により前記ベアリングボールの突出量を固定する突出量固定手段であることを特徴とする請求項1に記載の球面モータ。
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