JP2012104320A - 二次電池およびそれに用いる二次電池用電解液 - Google Patents

二次電池およびそれに用いる二次電池用電解液 Download PDF

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Abstract

【課題】過充電時においても急激な発熱を抑制できる二次電池およびそれに用いる二次電池用電解液を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る二次電池は、電解液を有する二次電池であって、前記電解液が、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を含むことを特徴とする。本実施形態に係る二次電池用電解液は、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明に係る実施形態は、二次電池およびそれに用いる二次電池用電解液に関し、特にリチウムイオン二次電池およびそれに用いる二次電池用電解液に関する。
リチウムイオン二次電池やリチウム二次電池は、高いエネルギー密度を実現できることから、携帯電話ノートパソコン用として注目されており、また大型の電力貯蔵用電源や自動車用電源としても注目されている。リチウムイオン二次電池やリチウム二次電池は、高いエネルギー密度を実現できるものの、大型化するとエネルギー密度は膨大となるので、より高い安全性が求められる。例えば、特に高い安全性が求められている大型の電力貯蔵用電源や自動車用電源においては、安全対策として、セルやパッケージなどの構造設計、保護回路、電極材料、過充電防止機能を有する添加剤、セパレータのシャットダウン機能の強化などの対策が施されており、安全性が確保されている。
ここで、リチウムイオン二次電池は、電解液溶媒として環状カーボネートや鎖状カーボネートなどのカーボネート類を非プロトン性溶媒として使用しており、これらカーボネート類は、誘電率が高くリチウムイオンのイオン伝導度は高いものの、引火点が低く可燃性という特徴がある。リチウムイオン二次電池の安全性をさらに高める手段の一つとして、電解液の難燃化が挙げられる。
電解液を難燃化する手法として、特許文献1〜4では、難燃化剤として、環状または鎖状ホスファゼン化合物を電解液に添加した二次電池が開示されている。これらの二次電池では、ホスファゼン化合物の反応や熱分解により生じる高不燃性ガス成分により、高い難燃性が発現しているものと考えられている。
特開平06−013108号公報 特開2001−217005号公報 特開2001−217007号公報 特開2008−41308号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載されたホスファゼン化合物の難燃作用は過充電時には発揮されず、発熱が起こり、発煙や発火が起こる可能性があるという課題がある。
そこで、本発明に係る実施形態は、過充電時においても急激な発熱を抑制できる二次電池およびそれに用いる二次電池用電解液を提供することを目的とする。
本発明に係る実施形態は、電解液を有する二次電池であって、前記電解液が、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を含むことを特徴とする二次電池である。
本発明に係る実施形態は、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を含むことを特徴とする二次電池用電解液である。
本発明に係る実施形態によれば、過充電時においても急激な発熱を抑制できる二次電池およびそれに用いる二次電池用電解液を提供できる。
積層ラミネート型の二次電池が有する電極素子の構造を示す模式的断面図である。 実施例1のリチウムイオン二次電池の正極の構成を説明する図である。 実施例1のリチウムイオン二次電池の負極の構成を説明する図である。 実施例1のリチウムイオン二次電池の巻回後の電池要素の構成を説明する図である。
以下、本実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態に係る二次電池は、例えば、正極および負極が対向配置された電極素子と、電解液とが外装体に内包されている。二次電池の形状は、円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型および積層ラミネート型のいずれでもよい。ラミネート型は放熱性に優れており、特に、平面的な積層構造を有する電極素子は、表面積が大きく、放熱性に優れていることから、外装体がアルミラミネートフィルムであるラミネート型が好ましい。以下、積層ラミネート型の二次電池について説明する。
図1は、積層ラミネート型の二次電池が有する電極素子の構造を示す模式的断面図である。この電極素子は、正極cの複数および負極aの複数が、セパレータbを挟みつつ交互に積み重ねられて形成されている。各正極cが有する正極集電体eは、正極活物質に覆われていない端部で互いに溶接されて電気的に接続され、さらにその溶接箇所に正極端子fが溶接されている。各負極aが有する負極集電体dは、負極活物質に覆われていない端部で互いに溶接されて電気的に接続され、さらにその溶接箇所に負極端子gが溶接されている。
本実施形態では、上記の問題を解決することができ、過充電時においても急激な発熱を抑制することが可能となる。
[1]負極
負極は、負極活物質を含んでなる。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵、放出できる材料等を用いることができる。
リチウムイオンを吸蔵、放出できる材料としては、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る炭素材料(a)、リチウムと合金可能な金属(b)、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る金属酸化物(c)等が挙げられる。負極活物質は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、負極活物質は、金属(b)および金属酸化物(c)を含むことが好ましい。また、負極活物質は、炭素材料(a)を含むことも好ましく、炭素材料(a)と金属(b)と金属酸化物(c)とを含むことがより好ましい。なお、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵、放出できる材料を用いる場合、負極は、負極活物質が負極用結着剤によって負極集電体を覆うように結着されてなることが好ましい。
炭素材料(a)としては、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、またはこれらの複合物を用いることができる。ここで、結晶性の高い黒鉛は、電気伝導性が高く、銅などの金属からなる正極集電体との接着性および電圧平坦性が優れている。一方、結晶性の低い非晶質炭素は、体積膨張が比較的小さいため、負極全体の体積膨張を緩和する効果が高く、かつ結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。負極活物質中の炭素材料(a)の含有率は、0質量%でも100質量%でも構わないが、2質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、2質量%以上30質量%以下とすることがより好ましい。
金属(b)としては、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La、またはこれらの2種以上の合金を用いることができる。特に、金属(b)としてシリコン(Si)を含むことが好ましい。金属(b)は、アモルファス状態であることが好ましい。アモルファス構造の金属(b)は、結晶粒界、欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。負極活物質中の金属(b)の含有率は、0質量%でも100質量%でも構わないが、5質量%以上95質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上90質量%以下とすることがより好ましく、20質量%以上50質量%以下とすることがさらに好ましい。
金属酸化物(c)としては、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化リチウム、またはこれらの複合物を用いることができる。特に、金属酸化物(c)として酸化シリコンを含むことが好ましい。これは、酸化シリコンは、比較的安定で他の化合物との反応を引き起こしにくいからである。また、金属酸化物(c)に、窒素、ホウ素およびイオウの中から選ばれる一種または二種以上の元素を、例えば0.1〜5質量%添加することもできる。こうすることで、金属酸化物(c)の電気伝導性を向上させることができる。負極活物質中の金属酸化物(c)の含有率は、0質量%でも100質量%でも構わないが、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、40質量%以上80質量%以下とすることがより好ましく、50質量%以上70質量%以下とすることがさらに好ましい。
金属酸化物(c)は、その全部または一部がアモルファス構造を有することが好ましい。アモルファス構造の金属酸化物(c)は、他の負極活物質である炭素材料(a)や金属(b)の体積膨張を抑制することができ、リン酸エステル化合物を含むような電解液の分解を抑制することもできる。このメカニズムは明確ではないが、金属酸化物(c)がアモルファス構造であることにより、炭素材料(a)と電解液の界面への皮膜形成に何らかの影響があるものと推定される。また、アモルファス構造は、結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する要素が比較的少ないと考えられる。なお、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造を有することは、エックス線回折測定(一般的なXRD測定)にて確認することができる。具体的には、金属酸化物(c)がアモルファス構造を有しない場合には、金属酸化物(c)に固有のピークが観測されるが、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造を有する場合が、金属酸化物(c)に固有ピークがブロードとなって観測される。
また、負極活物質が金属(b)および金属酸化物(c)を含む場合、金属(b)は、その全部または一部が金属酸化物(c)中に分散していることが好ましい。金属(b)の少なくとも一部を金属酸化物(c)中に分散させることで、負極全体としての体積膨張をより抑制することができ、電解液の分解も抑制することができる。なお、金属(b)の全部または一部が金属酸化物(c)中に分散していることは、透過型電子顕微鏡観察(一般的なTEM観察)とエネルギー分散型X線分光法測定(一般的なEDX測定)を併用することで確認することができる。具体的には、金属粒子(b)を含むサンプルの断面を観察し、金属酸化物(c)中に分散している金属粒子(b)の酸素濃度を測定し、金属粒子(b)を構成している金属が酸化物となっていないことを確認することができる。
さらに、負極活物質が金属(b)および金属酸化物(c)を含む場合、金属酸化物(c)は、金属(b)を構成する金属の酸化物であることが好ましい。
炭素材料(a)と金属(b)と金属酸化物(c)とを含み、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造であり、金属(b)の全部または一部が金属酸化物(c)中に分散しているような負極活物質は、例えば、特許文献3で開示されているような方法で作製することができる。すなわち、金属酸化物(c)をメタンガスなどの有機物ガスを含む雰囲気下でCVD処理を行うことで、金属酸化物(c)中の金属(b)がナノクラスター化し、かつ表面が炭素材料(a)で被覆された複合体を得ることができる。また、炭素材料(a)と金属(b)と金属酸化物(c)とをメカニカルミリングで混合することでも、上記負極活物質を作製することができる。
負極活物質が金属(b)と金属酸化物(c)とを含む場合、金属(b)および金属酸化物(c)の割合に特に制限はない。金属(b)は、金属(b)および金属酸化物(c)の合計に対し、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、20質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。金属酸化物(c)は、金属(b)および金属酸化物(c)の合計に対し、10質量%以上95質量%以下とすることが好ましく、50質量%以上80質量%以下とすることが好ましい。
負極活物質が炭素材料(a)と金属(b)と金属酸化物(c)とを含む場合、炭素材料(a)、金属(b)および金属酸化物(c)の割合に特に制限はない。炭素材料(a)は、炭素材料(a)、金属(b)および金属酸化物(c)の合計に対し、2質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、2質量%以上30質量%以下とすることが好ましい。金属(b)は、炭素材料(a)、金属(b)および金属酸化物(c)の合計に対し、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、20質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。金属酸化物(c)は、炭素材料(a)、金属(b)および金属酸化物(c)の合計に対し、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、40質量%以上70質量%以下とすることが好ましい。
また、炭素材料(a)、金属(b)および金属酸化物(c)は、特に制限するものではないが、それぞれ粒子状のものを用いることができる。例えば、金属(b)の平均粒子径は、炭素材料(a)の平均粒子径および金属酸化物(c)の平均粒子径よりも小さい構成とすることができる。このようにすれば、充放電時に伴う体積変化の小さい金属(b)が相対的に小粒径となり、体積変化の大きい炭素材料(a)や金属酸化物(c)が相対的に大粒径となるため、デンドライト生成および合金の微粉化がより効果的に抑制される。また、充放電の過程で大粒径の粒子、小粒径の粒子、大粒径の粒子の順にリチウムが吸蔵、放出されることとなり、この点からも、残留応力、残留歪みの発生が抑制される。金属(b)の平均粒子径は、例えば20μm以下とすることができ、15μm以下とすることが好ましい。
また、金属酸化物(c)の平均粒子径が炭素材料(a)の平均粒子径の1/2以下であることが好ましく、金属(b)の平均粒子径が金属酸化物(c)の平均粒子径の1/2以下であることが好ましい。さらに、金属酸化物(c)の平均粒子径が炭素材料(a)の平均粒子径の1/2以下であり、かつ金属(b)の平均粒子径が金属酸化物(c)の平均粒子径の1/2以下であることがより好ましい。平均粒子径をこのような範囲に制御すれば、金属および合金相の体積膨脹の緩和効果がより有効に得ることができ、エネルギー密度、サイクル寿命と効率のバランスに優れた二次電池を得ることができる。より具体的には、酸化シリコン(c)の平均粒子径を黒鉛(a)の平均粒子径の1/2以下とし、シリコン(b)の平均粒子径を酸化シリコン(c)の平均粒子径の1/2以下とすることが好ましい。またより具体的には、シリコン(b)の平均粒子径は、例えば20μm以下とすることができ、15μm以下とすることが好ましい。
負極用結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。中でも、結着性が強いことから、ポリイミドまたはポリアミドイミドが好ましい。使用する負極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、負極活物質100質量部に対して、5〜25質量部が好ましい。
負極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、およびそれらの合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。
負極は、負極集電体上に、負極活物質と負極用結着剤を含む負極活物質層を形成することで作製することができる。負極活物質層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法などが挙げられる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を形成して、負極集電体としてもよい。また、負極活物質として、リチウム金属またはリチウム合金を用いる場合は、負極は、融液冷却方式、液体急冷方式、アトマイズ方式、真空蒸着方式、スパッタリング方式、プラズマCVD方式、光CVD方式、熱CVD方式、ゾル−ゲル方式などにより形成することもできる。
[2]正極
正極は、例えば、正極活物質が正極用結着剤によって正極集電体を覆うように結着されてなる。
正極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵、放出できるリチウム含有複合酸化物を用いることができる。リチウムを吸蔵、放出できるリチウム含有複合酸化物の具体例としては、LiMnO2、LixMn24(0<x<2)等の層状構造を持つマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム;LiCoO2、LiNiO2またはこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたもの;LiNi1/3Co1/3Mn1/32などの特定の遷移金属が半数を超えないリチウム遷移金属酸化物;これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの等が挙げられる。特に、LiαNiβCoγAlδ2(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)またはLiαNiβCoγMnδ2(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6、γ≦0.2)が好ましい。
また、正極活物質として、金属リチウム対極電位で4.5V以上にプラトーを有するリチウム含有複合酸化物を用いることもできる。金属リチウム対極電位で4.5V以上にプラトーを有するリチウム含有複合酸化物としては、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物、オリビン型リチウム含有複合酸化物、逆スピネル型リチウム含有複合酸化物等が挙げられる。具体的には、Lia(MxMn2-x)O4(ただし、0<x<2であり、また、0<a<1.2である。また、Mは、Ni、Co、Fe、CrおよびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種である)で表される化合物が挙げられる。特に、安全性の観点から、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物が好ましい。
正極活物質は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
正極用結着剤としては、負極用結着剤と同様のものと用いることができる。中でも、汎用性や低コストの観点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。使用する正極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、正極活物質100質量部に対して、2〜10質量部が好ましい。
正極集電体としては、負極集電体と同様のものを用いることができる。
正極活物質を含む正極活物質層には、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子が挙げられる。
[3]電解液
本実施形態で用いる電解液は、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を含む。ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を含む電解液を用いることで、充電時に電極表面にホスファゼン構造が高濃度で存在する皮膜を形成することができる。そして、過充電時には、そのホスファゼン構造が開環重合することで電極表面に形成された皮膜の抵抗が上昇する。すなわち、過充電になると急激に電圧が上昇することになるので、外部回路により電圧限界を設ければ、電池が熱暴走する前に充放電を停止させることができ、その結果として電池の発煙や発火を抑制することができる。
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物としては、下記式(1):
Figure 2012104320
で表される化合物が好ましい。式(1)で表される化合物は、ジスルホン酸エステルとホスファゼン構造が酸素結合で結ばれているため、保存特性やサイクル特性が良好な皮膜を形成することができると考えられる。
式(1)において、A1は、炭素数1〜5の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキレン基である。A1となる炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基(エチレン基)、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基(プロピレン基)、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基(ブチレン基)、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ペンタン−1,1−ジイル基、ペンタン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,3−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、ペンタン−3,3−ジイル基が挙げられる。
1となる炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキレン基の水素原子は、総炭素数が1〜5である限りにおいて置換基で置換されていてもよい。置換されている水素原子は、1つでもよく、2つ以上でもよい。置換基としては、ハロゲン原子、酸素原子含有基、窒素原子含有基、ケイ素原子含有基、硫黄原子含有基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。酸素原子含有基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基等が挙げられる。窒素原子含有基としては、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアミド基等が挙げられる。シリコン原子含有基としては、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基等が挙げられる。硫黄原子含有基としては、スルホ基(スルホン酸基)、スルホン酸アルキルエステル基、アルキルスルホニル基、アルキルチオ基等が挙げられる。
式(1)において、A2は、
Figure 2012104320
である。
1およびR2は、それぞれ独立して単結合または炭素数1〜6の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキレン基である。なお、*は結合部位を意味する。R1およびR2となる炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキレン基の具体例としては、前述したA1となる炭素数1〜5の分岐していてもよいアルキレン基の他、ヘキサン−1,1−ジイル基、ヘキサン−1,2−ジイル基、ヘキサン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,4−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−2,2−ジイル基、ヘキサン−2,3−ジイル基、ヘキサン−2,4−ジイル基、ヘキサン−2,5−ジイル基、ヘキサン−3,3−ジイル基、ヘキサン−3,4−ジイル基が挙げられる。R1およびR2となる炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキレン基の水素原子は、総炭素数が1〜6である限りにおいて置換基で置換されていてもよい。置換されている水素原子は、1つでもよく、2つ以上でもよい。置換基としては、前述した置換基が挙げられる。
1は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキル基である。M1となるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。M1となる炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−メチルエチルイソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基が挙げられる。M1となる炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基の水素原子は、総炭素数が1〜6である限りにおいて置換基で置換されていてもよい。置換されている水素原子は、1つでもよく、2つ以上でもよい。置換基としては、前述した置換基が挙げられる。
2は、
Figure 2012104320
で示される環状ホスファゼンである。nは1〜5の整数であり、X1〜X3はそれぞれ独立してハロゲン原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、n≧2の場合繰り返されるX2およびX3は同一でもよく異なっていてもよい。なお、*は結合部位を意味する。X1〜X3となるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。X1〜X3となるアルコキシ基は、炭素数が1〜6であることが好ましい。X1〜X3となるアリールオキシ基は、炭素数が6〜12であることが好ましい。
式(1)で表される化合物の具体例としては、下記表1に示す化合物1〜6が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012104320
なお、これらの化合物は、例えば、特開昭61−501089号公報に記載された方法により環状ジスルホン酸エステル化合物を合成した後、Macromolecules1997,30,8262−8269に記載された方法によりホスファゼン構造を導入することで合成することができる。
本実施形態で用いる電解液は、通常は、電池の動作電位において安定な非水電解液を含む。非水電解液の具体例としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類;プロピレンカーボネート誘導体;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;などの非プロトン性有機溶媒が挙げられる。非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の環状または鎖状カーボネート類が好ましい。非水電解液は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物の含有率は、負極表面に効果的に被膜を形成する観点から、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物と非水電解液の合計に対して0.005〜40質量%とすることが好ましく、0.1〜20質量%とすることが好ましい。
本実施形態で用いる電解液は、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物および非水電解液の混合液に支持塩が添加されてなる。支持塩の具体例としては、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、Li(CF3SO22、LiN(CF3SO22等のリチウム塩が挙げられる。支持塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
[4]セパレータ
セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の多孔質フィルムや不織布を用いることができる。また、セパレータとしては、それらを積層したものを用いることもできる。
[5]外装体
外装体としては、電解液に安定で、かつ十分な水蒸気バリア性を持つものであれば、適宜選択することができる。例えば、積層ラミネート型の二次電池の場合、外装体としては、アルミニウム、シリカをコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン等のラミネートフィルムを用いることができる。特に、体積膨張を抑制する観点から、アルミニウムラミネートフィルムを用いることが好ましい。
外装体としてラミネートフィルムを用いた二次電池の場合、外装体として金属缶を用いた二次電池に比べて放熱性に優れており、過充電時においても急激な発熱を抑制できる。
(実施例1)
図2により正極の作製について説明する。図2(a)は正極の側面図、図2(b)は正極の上面図を示したものである。LiMn24を85質量%、導電補助材としてアセチレンブラックを7質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを8質量%混合したものに、N−メチルピロリドンを加えてさらに混合し正極スラリーを作製した。これをドクターブレード法により集電体となる厚さ20μmのAl箔2の両面にロールプレス処理後の厚さが160μmになるように塗布し、120℃で5分間乾燥・プレス工程を経て正極活物質両面塗布部3を形成した。なお、正極1の一方の端部にはいずれの面にも正極活物質が塗布されていない正極活物質非塗布部5と片面のみ正極活物質を塗布した正極活物質片面塗布部4を設け、正極活物質非塗布部5に正極導電タブ6を設けた。また、正極1のもう一方の端部には正極活物質非塗布部5を設けた。
図3により負極の作製について説明する。図3(a)は負極の側面図、図3(b)は負極の上面図を示したものである。黒鉛を90質量%、導電補助剤としてアセチレンブラックを1質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを9質量%混合し、N−メチルピロリドンを加えてさらに混合し負極スラリーを作製した。これを集電体となる厚さ10μmのCu箔8両面にロールプレス処理後の厚さが120μmとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥・プレス工程を経て負極活物質両面塗布部9を形成した。なお、負極7の一方の端部に、片面のみ塗布した負極活物質片面塗布部10と負極活物質が塗布されていない負極活物質非塗布部11を設け、負極活物質非塗布部11に負極導電タブ12を取り付けた。また、負極7のもう一方の端部には負極活物質片面塗布部10を設けた。
図4により電池要素の作製について説明する。膜厚25μm、気孔率55%の親水処理を施したポリプロピレン微多孔膜からなるセパレータ13を二枚溶着して切断した部分を巻回装置の巻き芯に固定し巻きとり、正極1(図2)、および負極7(図3)の先端を導入した。正極1は正極導電タブ6の接続部の反対側を、負極7は負極導電タブ12の接続部側を先端側として、負極7は二枚のセパレータ13の間に、正極1はセパレータ13の上面にそれぞれ配置して巻き芯を回転させ巻回し、電池要素(以下ジェリーロール(J/R)と表記)を形成した。
前記J/Rをエンボス加工したラミネート外装体に収容し、正極導電タブ6と負極導電タブ12を引き出しラミネート外装体の1辺を折り返し、注液用部分を残して熱融着を行った。
一方、EC/DEC=30/70(体積比)からなるカーボネート系非水電解液を99質量部と、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物としての前述した化合物1を1質量部(ホスファゼン化合物の含有率:1質量%)とを混合し、さらに、支持塩としてのLiPF6を1.0モル/lの濃度で溶解して、電解液を得た。
そして、上記注液用部分から電解液を注液し真空含浸を行い、注液部分を熱融着して、二次電池を作製した。
(実施例2)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物として、前述した化合物2を混合したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物として、前述した化合物3を混合したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
ホスファゼン化合物の含有率を0.004質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例5)
ホスファゼン化合物の含有率を0.005質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例6)
ホスファゼン化合物の含有率を5質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例7)
ホスファゼン化合物の含有率を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例8)
ホスファゼン化合物の含有率を20質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例9)
ホスファゼン化合物の含有率を25質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例10)
ホスファゼン化合物の含有率を30質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例11)
ホスファゼン化合物の含有率を40質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例12)
ホスファゼン化合物の含有率を45質量%としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例1)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を混合しなかったこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例2)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を代わりに、1,3−プロパンスルトンを混合したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例3)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を代わりに、シクロトリホスファゼンを混合したこと以外は、実施例1と同様に実施した。
<過充電評価>
過充電評価として、二次電池を放電状態から36Vまで1Cで150分間充電し、その間の二次電池の最大表面温度を表2に示す。ただし、150分間経過前に36Vに到達した場合には、その時点で充電を止めて、その時点の温度を示している。また、充電の途中で二次電池が発煙または発火した場合には、その時点で充電を止めて、その時点の温度を示している。
<保存評価>
二次電池を4.2Vまで充電した状態で60℃に保った恒温槽中で4週間保存した後、容量維持率(保存前の容量に対する保存後の容量の割合で、保存前の容量維持率を1とする。)を表2に示す。
<サイクル評価>
60℃に保った恒温槽中で、1Cで充放電を行った100サイクル後の二次電池のサイクル特性を測定した。具体的には、二次電池に対し、60℃に保った恒温槽中で3.0Vから4.2Vの電圧範囲で100回充放電を繰り返す試験を行った。そして、(100サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)(単位:%)を容量維持率として算出し、結果を表2に示す。
Figure 2012104320
表2に示すように、実施例1〜12で作製した二次電池の過充電時の温度上昇は、比較例1〜3で作製した二次電池より遅く、過充電時においても急激な発熱を抑制できることが明らかとなった。また、実施例1〜12で作製した二次電池の保存やサイクルによる容量維持率も、比較例1で作製した二次電池と比較して高く、良好の皮膜が形成されていることが明らかとなった。
(実施例13)
LiMn24の代わりにLiCoO2を用い、正極スラリーをロールプレス処理後の厚さが120μmになるように塗布したこと以外は、実施例1と同様に二次電池を作製した。
(実施例14)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物として、前述した化合物2を混合したこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例15)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物として、前述した化合物3を混合したこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例16)
ホスファゼン化合物の含有率を0.004質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例17)
ホスファゼン化合物の含有率を0.005質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例18)
ホスファゼン化合物の含有率を5質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例19)
ホスファゼン化合物の含有率を10質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例20)
ホスファゼン化合物の含有率を20質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例21)
ホスファゼン化合物の含有率を25質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例22)
ホスファゼン化合物の含有率を30質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例23)
ホスファゼン化合物の含有率を40質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(実施例24)
ホスファゼン化合物の含有率を45質量%としたこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(比較例4)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を混合しなかったこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(比較例5)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を代わりに、1,3−プロパンスルトンを混合したこと以外は、実施例13と同様に実施した。
(比較例6)
ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を代わりに、シクロトリホスファゼンを混合したこと以外は、実施例13と同様に実施した。
<過充電評価>
過充電評価として、二次電池を放電状態から10Vまで1Cで150分間充電し、その間の二次電池の最大表面温度を表3に示す。ただし、150分間経過前に10Vに到達した場合には、その時点で充電を止めて、その時点の温度を示している。また、充電の途中で二次電池が発煙または発火した場合には、その時点で充電を止めて、その時点の温度を示している。
Figure 2012104320
表3に示すように、実施例13〜24で作製した二次電池の過充電時の温度上昇は、比較例4〜6で作製した二次電池より遅く、過充電時においても急激な発熱を抑制できることが明らかとなった。
本実施形態に係る電解液は、二次電池の他、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどエネルギー貯蔵デバイスにも利用できる。
a 負極
b セパレータ
c 正極
d 負極集電体
e 正極集電体
f 正極端子
g 負極端子
1 正極
2 Al箔
3 正極活物質両面塗布部
4 正極活物質片面塗布部
5 正極活物質非塗布部
6 正極導電タブ
7 負極
8 Cu箔
9 負極活物質両面塗布部
10 負極活物質片面塗布部
11 負極活物質非塗布部
12 負極導電タブ
13 セパレータ
14 正極活物質層
15 負極活物質層

Claims (10)

  1. 電解液を有する二次電池であって、
    前記電解液が、ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を含むことを特徴とする二次電池。
  2. 前記ホスファゼン化合物が、下記式(1):
    Figure 2012104320
    [式(1)において、A1は炭素数1〜5の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキレン基であり、A2
    Figure 2012104320
    である。R1およびR2はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜6の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキレン基であり、M1は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキル基であり、M2
    Figure 2012104320
    で示される環状ホスファゼンである。nは1〜5の整数であり、X1〜X3はそれぞれ独立してハロゲン原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、n≧2の場合繰り返されるX2およびX3は同一でもよく異なっていてもよい。なお、*は結合部位を意味する。]
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記電解液が、前記ホスファゼン化合物と非水電解液とを含有し、前記電解液中の前記ホスファゼン化合物の含有率が、前記ホスファゼン化合物と前記非水電解液の合計に対して0.005〜40質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 負極活物質が負極用結着剤によって負極集電体と結着されてなる負極をさらに有し、前記負極活物質が、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る炭素材料を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二次電池。
  5. 正極および負極が対向配置された電極素子をさらに有し、前記電極素子が、平面的な積層構造を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二次電池。
  6. 正極および負極が対向配置された電極素子をさらに有し、前記電極素子が、巻回構造を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二次電池。
  7. 正極および負極が対向配置された電極素子と、前記電極素子および前記電解液を内包する外装体とをさらに有し、前記外装体が、アルミニウムラミネートフィルムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の二次電池。
  8. ジスルホン酸エステル構造を有するホスファゼン化合物を含むことを特徴とする二次電池用電解液。
  9. 前記ホスファゼン化合物が、下記式(1):
    Figure 2012104320
    [式(1)において、A1は炭素数1〜5の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキレン基であり、A2
    Figure 2012104320
    である。R1およびR2はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜6の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキレン基であり、M1は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6の置換もしくは無置換の分岐していてもよいアルキル基であり、M2
    Figure 2012104320
    で示される環状ホスファゼンである。nは1〜5の整数であり、X1〜X3はそれぞれ独立してハロゲン原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、n≧2の場合繰り返されるX2およびX3は同一でもよく異なっていてもよい。なお、*は結合部位を意味する。]
    で表される化合物であることを特徴とする請求項8に記載の二次電池用電解液。
  10. 前記ホスファゼン化合物と非水電解液とを含有し、前記ホスファゼン化合物の含有率が、前記ホスファゼン化合物と前記非水電解液の合計に対して0.005〜40質量%であることを特徴とする請求項8または9に記載の二次電池用電解液。
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