JP2012104251A - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電ランプと、この放電ランプの背面側に配置されたガラス製の楕円反射鏡と、この放電ランプの前面側に前記楕円反射鏡と対向するように配置され、焦点が放電ランプの電極間に位置する球面反射鏡と、を備えた光源装置において、前記放電ランプからの赤外光によって球面反射鏡が熱変形することなく、可視光を正確に放電ランプに反射して戻すことができる構造を提供することである。
【解決手段】前記球面反射鏡は金属製であり、前記放電ランプと該球面反射鏡との間に、赤外光カットフィルタが配置され、当該赤外光カットフィルタにより赤外光が前記楕円反射鏡に向けて反射されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デジタルシネマ用のプロジェクター等に利用される光源装置に関し、特に、光源である放電ランプの光出射側に補助反射鏡として球面反射鏡が配置されてなる光源装置に係わるものである。
近年、映画上映においては、高画質な映像を提供できることからデジタルシネマ用のプロジェクター装置が使用されつつあり、デジタルシネマ用のプロジェクター装置においては、大画面に対して鮮明な映像を投影させるために、高輝度であって太陽光に近い波長の光を放射するショートアーク型放電ランプを備えた光源装置が使用されている。
このような、プロジェクターの光源として利用されている光源装置は、放電ランプと、その放電ランプを囲むように配置された楕円反射鏡とよりなるものが多用されており、更には、前記放電ランプの前面側に前記楕円反射鏡と対向するように配置されて、焦点が放電ランプの電極間に位置する球面反射鏡を設けて、該放電ランプから放射された光のうち、反射鏡の前面開口方向に放射された光を再び放電ランプに戻して、光の有効利用を図る技術が知られている。
一般に、前記光源装置における楕円反射鏡は、放電ランプから放射された光のうち、映像を投影するために必要な可視光は反射し、映像を投影するために不要であって液晶パネル等の映像表示素子が熱劣化しないように、赤外光を反射鏡の後方に透過するために、ガラス製の基材に可視光を反射し赤外光を透過する誘電体多層膜が形成されたものである。
一方、球面反射鏡も、楕円反射鏡と同様に、ガラス製の基材に可視光を反射し赤外光を透過する誘電体多層膜が形成された反射鏡を用いられていた。
しかしながら、球面反射鏡は、楕円反射鏡の反射面で捕捉されない光を捕捉して反射する構造のために、楕円反射鏡の開口径より十分に大きな開口径が必要であって、近時のプロジェクター用の光源装置の大型化の要請から、楕円反射鏡が大型化していて、これに伴い球面反射鏡も更に大型化してきており、例えば、該球面反射鏡の開口径が直径300mm程度と大きなものが必要とされてきている。
反射鏡が大型化してくると、反射鏡の基材となる板状のガラス板を加熱曲げ加工して反射鏡を製造する際に、所定の反射面形状を得ることが極めて難しくなり、その結果、反射面精度が悪くなるという問題があった。
そこで、球面反射鏡はガラス製ではなく、金属板を冷間プレス加工して製造した金属製の反射鏡が採用されるようになってきている。特表2007−502438号公報(特許文献1)に金属製球面反射鏡を用いた構造の光源装置が示されている。
図4は、かかる従来の光源装置の説明図であり、光源装置1はショートアーク型放電ランプ2と楕円反射鏡6とから構成される。
前記放電ランプ2は、発光管3とその両端に形成された封止管4、4とからなり、発光管3内には一対の電極5、5が対向して配置されている。該放電ランプ2を取り囲むように配置された反射鏡6はその反射面が回転楕円面であり、その基部開口6aに前記放電ランプ2の一方の封止管4が挿通された状態で固定保持されている。
前記楕円反射鏡6の前面開口側には、これと対向するように球面反射鏡7が設けられていて、該球面反射鏡7の焦点は前記放電ランプ2の電極5、5間に位置している。
そして、前記楕円反射鏡6はガラス製の基材に可視光を反射し赤外光を透過する誘電体多層膜が形成されたものであり、一方、球面反射鏡7としては金属製のものを採用している。
上記光源装置1においては、放電ランプ2からの赤外光Xは、球面反射鏡7によって反射され、放電ランプ2の電極5、5間に戻され、これが楕円反射鏡6に向かい、これを透過して外部に放射されるものである。
ところで、かかる従来の金属製球面反射鏡を用いた光源装置においては、放電ランプ2から放射された赤外光Xが金属製の球面反射鏡7に照射されるので、該球面反射鏡7が加熱されてしまい、そのため球面反射鏡7が膨張して変形し、最適な光学設計値から反射面がずれてしまうことになり、本来有効利用しようとする可視光の反射が正確に放電ランプ2の電極5、5間に戻ることがなく、その利用率が著しく低下する。
また、一般に放電ランプ2の発光管3は、その外面形状と内面形状とが異なっているので、赤外光Xが球面反射鏡7で反射されて電極5、5間に戻るとき、発光管3の内部に侵入してくる赤外光Xが屈折して、電極5自体に照射されてしまい、電極5が過度に昇温し、該電極5の蒸発物によって早期に発光管3が黒化して照度低下が起こるという問題があった。
特表2007−502438号公報
この発明が解決しようとする課題は、放電ランプと、この放電ランプの背面側に配置されたガラス製の楕円反射鏡と、この放電ランプの前面側に前記楕円反射鏡と対向するように配置され、焦点が放電ランプの電極間に位置する球面反射鏡と、を備えた光源装置において、前記放電ランプから放射された赤外光によって前記球面反射鏡が加熱変形することがなく、可視光を正確に放電ランプの電極間に戻して、光の利用効率を向上させた構造を提供するものである。
上記課題を解決するために、この発明に係る光源装置は、前記球面反射鏡は金属製であって、前記放電ランプと該球面反射鏡との間には赤外光カットフィルタが配置され、当該赤外光カットフィルタにより赤外光が前記楕円反射鏡に向けて反射されることを特徴とする。
この発明の光源装置によれば、放電ランプから放射された赤外光のうち、楕円反射鏡側に放射された赤外光は該楕円反射鏡を透過して背後に排出され、また、球面反射鏡の方向に放射された赤外光は、赤外光カットフィルタによって、前記楕円反射鏡に向けて反射され該楕円反射鏡を透過して背後に排出される。
この結果、金属製の球面反射鏡には、赤外光が照射されることがないので、その温度上昇が抑制され、該球面反射鏡が膨張変形することがなく、最適な光学設計を保つことができて、赤外光カットフィルタを透過した可視光を設計通りに反射して正確に楕円反射鏡に戻すことができ、可視光を有効に利用することができる。
さらには、赤外光カットフィルタによって反射された赤外光は、楕円反射鏡に向けて反射されてこれを透過し、放電ランプに向けては反射されない構造であるので、電極に赤外光が照射されることがなく、その温度上昇を抑制して、電極の蒸発を抑制でき、長時間に渡り照度低下が起こることがない。
本発明の光源装置における赤外光の光線軌跡を示す断面図。 本発明の光源装置における可視光の光線軌跡を示す断面図。 赤外光カットフィルタの一部の拡大断面図。 従来の光源装置の断面図。
図1において、上記従来例と同様に、光源装置1は、放電ランプ2と、これを取り囲み背面側に配置された楕円反射鏡6と、この放電ランプ2の前面側に前記楕円反射鏡6と対向配置され、その焦点が放電ランプ2の電極5、5間に位置する球面反射鏡7とからなる。前記楕円反射鏡6はガラス製であり、前記球面反射鏡7は金属製である。球面反射鏡7を金属製とする最も大きな理由は、反射鏡の大型化に応じて正確な成形ができることである。
そして、放電ランプ2と球面反射鏡7との間には、赤外光カットフィルタ10が配置され、当該赤外光カットフィルタ10は、放電ランプ2から放射された赤外光Xを前記楕円反射鏡6に向けて反射するように配置され、放電ランプ2方向に赤外光Xが指向されことがない。
そして、該赤外光カットフィルタ10により反射された赤外光Xは、放電ランプ2から直接放射される赤外光Xとともに、前記楕円反射鏡6を透過してその背後に放射される。
この赤外光カットフィルタ10は、全体として円錐形状をなし、その外周端で、楕円反射鏡6と球面反射鏡7を取り付けるホルダー8を利用して取り付けられ、中央には貫通孔11が設けられていて、放電ランプ2が挿通されている。
なお、該赤外光カットフィルタ10の形状は上記に限られず、放電ランプ2や、楕円反射鏡6や、球面反射鏡7の形状などに応じて決定される。
そして、図2に示すように、放電ランプ2から放射された可視光Yは、前記赤外光カットフィルタ10を透過し、球面反射鏡7によって反射されて、再び赤外光カットフィルタ10を透過して放電ランプ2の電極5、5間に戻される。
この可視光Yは更に、楕円反射鏡6によって反射され、放電ランプ2から直接楕円反射鏡6に向かう可視光Yの反射光とともに、前方に向かいその有効利用が図られる。
また、赤外光カットフィルタ10は、図3に示すように、ガラス基材12の入射側表面に誘電体多層膜13が形成され、その裏面には可視光反射防止膜14が形成されている。
上記光源装置1の一具体例を記載すると以下の通りである。
<放電ランプ>
・封入ガス種と圧力→キセノン 静圧で1.5〜2.0Mpa
・ランプ電力→4kW
・ランプ電流→125A
・ランプ電圧→32V
<楕円反射鏡>
・ガラス基材の材質→ホウケイ酸ガラス
・球面鏡側の開口の開口径→230mm
・可視光反射で赤外光透過の誘電体多層膜の材質:
TiO−SiOの多層膜、又は、Nb−SiOの多層膜
積層数40層
<球面反射鏡>
・金属基材の材質→アルミ、又は、アルミ合金、又は、ステンレス
・楕円鏡側の開口の開口径→250mm
<赤外光カットフィルタ>
・基材→硬質ガラス、又は、石英ガラス
・誘電体多層膜 (赤外光が入射する側の基材の表面に形成)
TiO−SiOの多層膜、又は、Nb−SiOの多層膜
積層数20層
・可視光反射防止膜 (赤外光が出射する側の基材の表面に形成)
MgF(フッ化マグネシウムの単層膜)
以上説明したように、本発明に係る光源装置は、放電ランプと、楕円反射鏡と、球面反射鏡と、を備えた光源装置において、前記球面反射鏡を金属製として、前記放電ランプと前記球面反射鏡との間に、赤外光カットフィルタが配置され、当該赤外光カットフィルタにより赤外光が前記楕円反射鏡に向けて反射されるようにしたことにより、放電ランプからの赤外光が金属製球面反射鏡に照射されることがなく、その温度上昇が抑えられることにより、膨張変形がないので、可視光が正確に放電ランプに戻されてその有効利用が図られるものである。
これによって、金属製球面反射鏡を採用しても、赤外光による熱変形の心配がないので、金属製としたことによる優位性、即ち、大型化しても正確な寸法形状に成形できるという利点を十分に活用できる。
1 光源装置
2 ショートアーク型放電ランプ
3 発光管
4 封止管
5 電極
6 楕円反射鏡
7 球面反射鏡
8 ホルダー
10 赤外光カットフィルタ
11 貫通孔
X 赤外光
Y 可視光


Claims (2)

  1. 放電ランプと、この放電ランプの背面側に配置されたガラス製の楕円反射鏡と、この放電ランプの前面側に前記楕円反射鏡と対向するように配置され、焦点が放電ランプの電極間に位置する球面反射鏡と、を備えた光源装置において、
    前記球面反射鏡は金属製であり、
    前記放電ランプと前記球面反射鏡との間に、赤外光カットフィルタが配置され、当該赤外光カットフィルタにより赤外光が前記楕円反射鏡に向けて反射されることを特徴とする光源装置。
  2. 前記赤外光カットフィルタは、中心にランプが挿通される貫通孔を有する円錐形状の部材であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。


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