[1.ゲームシステムの全体構成]
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1について説明する。図1は、ゲームシステム1の外観図である。図1において、ゲームシステム1は、テレビジョン受像器等に代表される据置型のディスプレイ装置(以下、「テレビ」と記載する)2、据置型のゲーム装置3、光ディスク4、コントローラ5、マーカ装置6、および、端末装置7を含む。ゲームシステム1は、コントローラ5を用いたゲーム操作に基づいてゲーム装置3においてゲーム処理を実行し、ゲーム処理によって得られるゲーム画像をテレビ2および/または端末装置7に表示するものである。
ゲーム装置3には、当該ゲーム装置3に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例である光ディスク4が脱着可能に挿入される。光ディスク4には、ゲーム装置3において実行されるための情報処理プログラム(典型的にはゲームプログラム)が記憶されている。ゲーム装置3の前面には光ディスク4の挿入口が設けられている。ゲーム装置3は、挿入口に挿入された光ディスク4に記憶されている情報処理プログラムを読み出して実行することによってゲーム処理を実行する。
ゲーム装置3には、テレビ2が接続コードを介して接続される。テレビ2は、ゲーム装置3において実行されるゲーム処理によって得られるゲーム画像を表示する。テレビ2はスピーカ2a(図2)を有しており、スピーカ2aは、上記ゲーム処理の結果得られるゲーム音声を出力する。なお、他の実施形態においては、ゲーム装置3と据置型の表示装置とは一体となっていてもよい。また、ゲーム装置3とテレビ2との通信は無線通信であってもよい。
テレビ2の画面の周辺(図1では画面の上側)には、マーカ装置6が設置される。詳細は後述するが、ユーザ(プレイヤ)はコントローラ5を動かすゲーム操作を行うことができ、マーカ装置6は、コントローラ5の動きや位置や姿勢等をゲーム装置3が算出するために用いられる。マーカ装置6は、その両端に2つのマーカ6Rおよび6Lを備えている。マーカ6R(マーカ6Lも同様)は、具体的には1以上の赤外LED(Light Emitting Diode)であり、テレビ2の前方に向かって赤外光を出力する。マーカ装置6はゲーム装置3に接続されており、ゲーム装置3はマーカ装置6が備える各赤外LEDの点灯を制御することが可能である。なお、マーカ装置6は可搬型であり、ユーザはマーカ装置6を自由な位置に設置することができる。図1ではマーカ装置6がテレビ2の上に設置された態様を表しているが、マーカ装置6を設置する位置および向きは任意である。
コントローラ5は、自機に対して行われた操作の内容を表す操作データをゲーム装置3に与えるものである。コントローラ5とゲーム装置3とは無線通信によって通信可能である。本実施形態では、コントローラ5とゲーム装置3との間の無線通信には例えばBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)の技術が用いられる。なお、他の実施形態においてはコントローラ5とゲーム装置3とは有線で接続されてもよい。また、本実施形態では、ゲームシステム1に含まれるコントローラ5は1つとするが、ゲーム装置3は複数のコントローラと通信可能であり、所定台数のコントローラを同時に使用することによって複数人でゲームをプレイすることが可能である。コントローラ5の詳細な構成については後述する。
端末装置7は、ユーザが把持可能な程度の大きさであり、ユーザは端末装置7を手に持って動かしたり、あるいは、端末装置7を自由な位置に配置したりして使用することが可能である。詳細な構成は後述するが、端末装置7は、表示手段であるLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)51、および、入力手段(後述するタッチパネル52やジャイロセンサ64等)を備える。端末装置7とゲーム装置3とは無線(有線であってもよい)によって通信可能である。端末装置7は、ゲーム装置3で生成された画像(例えばゲーム画像)のデータをゲーム装置3から受信し、画像をLCD51に表示する。なお、本実施形態では表示装置としてLCDを用いているが、端末装置7は、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置等、他の任意の表示装置を有していてもよい。また、端末装置7は、自機に対して行われた操作の内容を表す操作データをゲーム装置3に送信する。
[2.ゲーム装置3の内部構成]
次に、図2を参照して、ゲーム装置3の内部構成について説明する。図2は、ゲーム装置3の内部構成を示すブロック図である。ゲーム装置3は、CPU(Central Processing Unit)10、システムLSI11、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14、およびAV−IC15等を有する。
CPU10は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムを実行することによってゲーム処理を実行するものであり、ゲームプロセッサとして機能する。CPU10は、システムLSI11に接続される。システムLSI11には、CPU10の他、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14およびAV−IC15が接続される。システムLSI11は、それに接続される各構成要素間におけるデータ転送の制御、表示すべき画像の生成、外部装置からのデータの取得等の処理を行う。なお、システムLSI11の内部構成については後述する。揮発性の外部メインメモリ12は、光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりするものであり、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられる。ROM/RTC13は、ゲーム装置3の起動用のプログラムが組み込まれるROM(いわゆるブートROM)と、時間をカウントするクロック回路(RTC:Real Time Clock)とを有する。ディスクドライブ14は、光ディスク4からプログラムデータやテクスチャデータ等を読み出し、後述する内部メインメモリ11eまたは外部メインメモリ12に読み出したデータを書き込む。
システムLSI11には、入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)11a、GPU(Graphics Processor Unit)11b、DSP(Digital Signal Processor)11c、VRAM(Video RAM)11d、および内部メインメモリ11eが設けられる。図示は省略するが、これらの構成要素11a〜11eは内部バスによって互いに接続される。
GPU11bは、描画手段の一部を形成し、CPU10からのグラフィクスコマンド(作画命令)に従って画像を生成する。VRAM11dは、GPU11bがグラフィクスコマンドを実行するために必要なデータ(ポリゴンデータやテクスチャデータ等のデータ)を記憶する。画像が生成される際には、GPU11bは、VRAM11dに記憶されたデータを用いて画像データを作成する。なお、本実施形態においては、ゲーム装置3は、テレビ2に表示するゲーム画像と、端末装置7に表示するゲーム画像との両方を生成する。以下では、テレビ2に表示されるゲーム画像を「テレビ用ゲーム画像」と呼び、端末装置7に表示されるゲーム画像を「端末用ゲーム画像」と呼ぶことがある。
DSP11cは、オーディオプロセッサとして機能し、内部メインメモリ11eや外部メインメモリ12に記憶されるサウンドデータや音波形(音色)データを用いて、音声データを生成する。なお、本実施形態においては、ゲーム音声についてもゲーム画像と同様、テレビ2のスピーカから出力するゲーム音声と、端末装置7のスピーカから出力するゲーム音声との両方が生成される。以下では、テレビ2から出力されるゲーム音声を「テレビ用ゲーム音声」と呼び、端末装置7から出力されるゲーム音声を「端末用ゲーム音声」と呼ぶことがある。
上記のようにゲーム装置3において生成される画像および音声のうちで、テレビ2において出力される画像および音声のデータは、AV−IC15によって読み出される。AV−IC15は、読み出した画像データをAVコネクタ16を介してテレビ2に出力するとともに、読み出した音声データを、テレビ2に内蔵されるスピーカ2aに出力する。これによって、テレビ2に画像が表示されるとともにスピーカ2aから音が出力される。
また、ゲーム装置3において生成される画像および音声のうちで、端末装置7において出力される画像および音声のデータは、入出力プロセッサ11a等によって端末装置7へ送信される。入出力プロセッサ11a等による端末装置7へのデータの送信については後述する。
入出力プロセッサ11aは、それに接続される構成要素との間でデータの送受信を実行したり、外部装置からのデータのダウンロードを実行したりする。入出力プロセッサ11aは、フラッシュメモリ17、ネットワーク通信モジュール18、コントローラ通信モジュール19、拡張コネクタ20、メモリカード用コネクタ21、コーデックLSI27に接続される。また、ネットワーク通信モジュール18にはアンテナ22が接続される。コントローラ通信モジュール19にはアンテナ23が接続される。コーデックLSI27は端末通信モジュール28に接続され、端末通信モジュール28にはアンテナ29が接続される。
ゲーム装置3は、インターネット等のネットワークに接続して外部情報処理装置(例えば他のゲーム装置や、各種サーバ等)と通信を行うことが可能である。すなわち、入出力プロセッサ11aは、ネットワーク通信モジュール18およびアンテナ22を介してインターネット等のネットワークに接続し、ネットワークに接続される外部情報処理装置と通信することができる。入出力プロセッサ11aは、定期的にフラッシュメモリ17にアクセスし、ネットワークへ送信する必要があるデータの有無を検出し、当該データが有る場合には、ネットワーク通信モジュール18およびアンテナ22を介してネットワークに送信する。また、入出力プロセッサ11aは、外部情報処理装置から送信されてくるデータやダウンロードサーバからダウンロードしたデータを、ネットワーク、アンテナ22およびネットワーク通信モジュール18を介して受信し、受信したデータをフラッシュメモリ17に記憶する。CPU10はゲームプログラムを実行することにより、フラッシュメモリ17に記憶されたデータを読み出してゲームプログラムで利用する。フラッシュメモリ17には、ゲーム装置3と外部情報処理装置との間で送受信されるデータの他、ゲーム装置3を利用してプレイしたゲームのセーブデータ(ゲームの結果データまたは途中データ)が記憶されてもよい。また、フラッシュメモリ17にはゲームプログラムが記憶されてもよい。
また、ゲーム装置3は、コントローラ5からの操作データを受信することが可能である。すなわち、入出力プロセッサ11aは、コントローラ5から送信される操作データをアンテナ23およびコントローラ通信モジュール19を介して受信し、内部メインメモリ11eまたは外部メインメモリ12のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。
また、ゲーム装置3は、端末装置7との間で画像や音声等のデータを送受信することが可能である。入出力プロセッサ11aは、端末装置7へゲーム画像(端末用ゲーム画像)を送信する場合、GPU11bが生成したゲーム画像のデータをコーデックLSI27へ出力する。コーデックLSI27は、入出力プロセッサ11aからの画像データに対して所定の圧縮処理を行う。端末通信モジュール28は、端末装置7との間で無線通信を行う。したがって、コーデックLSI27によって圧縮された画像データは、端末通信モジュール28によってアンテナ29を介して端末装置7へ送信される。なお、本実施形態では、ゲーム装置3から端末装置7へ送信される画像データはゲームに用いるものであり、ゲームにおいては表示される画像に遅延が生じるとゲームの操作性に悪影響が出る。そのため、ゲーム装置3から端末装置7への画像データの送信に関しては、できるだけ遅延が生じないようにすることが好ましい。したがって、本実施形態では、コーデックLSI27は、例えばH.264規格といった高効率の圧縮技術を用いて画像データを圧縮する。なお、それ以外の圧縮技術を用いてもよいし、通信速度が十分である場合には無圧縮で画像データを送信する構成であってもよい。また、端末通信モジュール28は、例えばWi−Fiの認証を受けた通信モジュールであり、例えばIEEE802.11n規格で採用されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)の技術を用いて端末装置7との間の無線通信を高速に行うようにしてもよいし、他の通信方式を用いてもよい。
また、ゲーム装置3は、画像データの他、音声データを端末装置7へ送信する。すなわち、入出力プロセッサ11aは、DSP11cが生成した音声データを、コーデックLSI27を介して端末通信モジュール28へ出力する。コーデックLSI27は、音声データに対しても画像データと同様に圧縮処理を行う。音声データに対する圧縮の方式は、どのような方式であってもよいが、圧縮率が高く、音声の劣化が少ない方式が好ましい。また、他の実施形態においては、音声データは圧縮されずに送信されてもよい。端末通信モジュール28は、圧縮された画像データおよび音声データを、アンテナ29を介して端末装置7へ送信する。
さらに、ゲーム装置3は、上記画像データおよび音声データの他に、必要に応じて各種の制御データを端末装置7へ送信する。制御データは、端末装置7が備える構成要素に対する制御指示を表すデータであり、例えばマーカ部(図10に示すマーカ部55)の点灯を制御する指示や、カメラ(図10に示すカメラ56)の撮像を制御する指示等を表す。入出力プロセッサ11aは、CPU10の指示に応じて制御データを端末装置7へ送信する。なお、この制御データに関して、本実施形態ではコーデックLSI27はデータの圧縮処理を行わないが、他の実施形態においては圧縮処理を行うようにしてもよい。なお、ゲーム装置3から端末装置7へ送信される上述のデータは、必要に応じて暗号化がされていてもよいし、されていなくともよい。
また、ゲーム装置3は、端末装置7から各種データを受信可能である。詳細は後述するが、本実施形態では、端末装置7は、操作データ、画像データ、および音声データを送信する。端末装置7から送信される各データはアンテナ29を介して端末通信モジュール28によって受信される。ここで、端末装置7からの画像データおよび音声データは、ゲーム装置3から端末装置7への画像データおよび音声データと同様の圧縮処理が施されている。したがって、これら画像データおよび音声データについては、端末通信モジュール28からコーデックLSI27に送られ、コーデックLSI27によって伸張処理が施されて入出力プロセッサ11aに出力される。一方、端末装置7からの操作データに関しては、画像や音声に比べてデータ量が少ないので、圧縮処理が施されていなくともよい。また、必要に応じて暗号化がされていてもよいし、されていなくともよい。したがって、操作データは、端末通信モジュール28で受信された後、コーデックLSI27を介して入出力プロセッサ11aに出力される。入出力プロセッサ11aは、端末装置7から受信したデータを、内部メインメモリ11eまたは外部メインメモリ12のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。
また、ゲーム装置3は、他の機器や外部記憶媒体に接続することが可能である。すなわち、入出力プロセッサ11aには、拡張コネクタ20およびメモリカード用コネクタ21が接続される。拡張コネクタ20は、USBやSCSIのようなインターフェースのためのコネクタである。拡張コネクタ20に対しては、外部記憶媒体のようなメディアを接続したり、他のコントローラ等の周辺機器を接続したり、有線の通信用コネクタを接続することによってネットワーク通信モジュール18に替えてネットワークとの通信を行ったりすることができる。メモリカード用コネクタ21は、メモリカードのような外部記憶媒体を接続するためのコネクタである。例えば、入出力プロセッサ11aは、拡張コネクタ20やメモリカード用コネクタ21を介して外部記憶媒体にアクセスし、外部記憶媒体にデータを保存したり、外部記憶媒体からデータを読み出したりすることができる。
ゲーム装置3には、電源ボタン24、リセットボタン25、およびイジェクトボタン26が設けられる。電源ボタン24およびリセットボタン25は、システムLSI11に接続される。電源ボタン24がオンされると、図示しないACアダプタによって外部の電源からゲーム装置3の各構成要素に対して電力が供給される。リセットボタン25が押されると、システムLSI11は、ゲーム装置3の起動プログラムを再起動する。イジェクトボタン26は、ディスクドライブ14に接続される。イジェクトボタン26が押されると、ディスクドライブ14から光ディスク4が排出される。
なお、他の実施形態においては、ゲーム装置3が備える各構成要素のうちでいくつかの構成要素は、ゲーム装置3とは別体の拡張機器として構成されてもよい。このとき、拡張機器は、例えば上記拡張コネクタ20を介してゲーム装置3と接続されるようにしてもよい。具体的には、拡張機器は、例えば上記コーデックLSI27、端末通信モジュール28およびアンテナ29の各構成要素を備えており、拡張コネクタ20に対して着脱可能であってもよい。これによれば、上記各構成要素を備えていないゲーム装置に対して上記拡張機器を接続することによって、当該ゲーム装置を端末装置7と通信可能な構成とすることができる。
[3.コントローラ5の構成]
次に、図3〜図7を参照して、コントローラ5について説明する。図3は、コントローラ5の外観構成を示す斜視図である。図4は、コントローラ5の外観構成を示す斜視図である。図3は、コントローラ5の上側後方から見た斜視図であり、図4は、コントローラ5を下側前方から見た斜視図である。
図3および図4において、コントローラ5は、例えばプラスチック成型によって形成されたハウジング31を有している。ハウジング31は、その前後方向(図3に示すZ軸方向)を長手方向とした略直方体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。ユーザは、コントローラ5に設けられたボタンを押下すること、および、コントローラ5自体を動かしてその位置や姿勢(傾き)を変えることによってゲーム操作を行うことができる。
ハウジング31には、複数の操作ボタンが設けられる。図3に示すように、ハウジング31の上面には、十字ボタン32a、1番ボタン32b、2番ボタン32c、Aボタン32d、マイナスボタン32e、ホームボタン32f、プラスボタン32g、および電源ボタン32hが設けられる。本明細書では、これらのボタン32a〜32hが設けられるハウジング31の上面を「ボタン面」と呼ぶことがある。一方、図4に示すように、ハウジング31の下面には凹部が形成されており、当該凹部の後面側傾斜面にはBボタン32iが設けられる。これらの各操作ボタン32a〜32iには、ゲーム装置3が実行する情報処理プログラムに応じた機能が適宜割り当てられる。また、電源ボタン32hは遠隔からゲーム装置3本体の電源をオン/オフするためのものである。ホームボタン32fおよび電源ボタン32hは、その上面がハウジング31の上面に埋没している。これによって、ユーザがホームボタン32fまたは電源ボタン32hを誤って押下することを防止することができる。
ハウジング31の後面にはコネクタ33が設けられている。コネクタ33は、コントローラ5に他の機器(例えば、他のセンサユニットやコントローラ)を接続するために利用される。また、ハウジング31の後面におけるコネクタ33の両側には、上記他の機器が容易に離脱することを防止するために係止穴33aが設けられている。
ハウジング31上面の後方には複数(図3では4つ)のLED34a〜34dが設けられる。ここで、コントローラ5には、他のコントローラと区別するためにコントローラ種別(番号)が付与される。各LED34a〜34dは、コントローラ5に現在設定されている上記コントローラ種別をユーザに通知したり、コントローラ5の電池残量をユーザに通知したりする等の目的で用いられる。具体的には、コントローラ5を用いてゲーム操作が行われる際、上記コントローラ種別に応じて複数のLED34a〜34dのいずれか1つが点灯する。
また、コントローラ5は撮像情報演算部35(図6)を有しており、図4に示すように、ハウジング31前面には撮像情報演算部35の光入射面35aが設けられる。光入射面35aは、マーカ6Rおよび6Lからの赤外光を少なくとも透過する材質で構成される。
ハウジング31上面における1番ボタン32bとホームボタン32fとの間には、コントローラ5に内蔵されるスピーカ47(図5)からの音を外部に放出するための音抜き孔31aが形成されている。
次に、図5および図6を参照して、コントローラ5の内部構造について説明する。図5および図6は、コントローラ5の内部構造を示す図である。なお、図5は、コントローラ5の上筐体(ハウジング31の一部)を外した状態を示す斜視図である。図6は、コントローラ5の下筐体(ハウジング31の一部)を外した状態を示す斜視図である。図6に示す斜視図は、図5に示す基板30を裏面から見た斜視図となっている。
図5において、ハウジング31の内部には基板30が固設されており、当該基板30の上主面上に各操作ボタン32a〜32h、各LED34a〜34d、加速度センサ37、アンテナ45、およびスピーカ47等が設けられる。これらは、基板30等に形成された配線(図示せず)によってマイクロコンピュータ(Micro Computer:マイコン)42(図6参照)に接続される。本実施形態では、加速度センサ37は、X軸方向に関してコントローラ5の中心からずれた位置に配置されている。これによって、コントローラ5をZ軸回りに回転させたときのコントローラ5の動きが算出しやすくなる。また、加速度センサ37は、長手方向(Z軸方向)に関してコントローラ5の中心よりも前方に配置されている。また、無線モジュール44(図6)およびアンテナ45によって、コントローラ5がワイヤレスコントローラとして機能する。
一方、図6において、基板30の下主面上の前端縁に撮像情報演算部35が設けられる。撮像情報演算部35は、コントローラ5の前方から順に赤外線フィルタ38、レンズ39、撮像素子40、および画像処理回路41を備えている。これらの部材38〜41はそれぞれ基板30の下主面に取り付けられる。
さらに、基板30の下主面上には、上記マイコン42およびバイブレータ46が設けられている。バイブレータ46は、例えば振動モータやソレノイドであり、基板30等に形成された配線によってマイコン42と接続される。マイコン42の指示によりバイブレータ46が作動することによってコントローラ5に振動が発生する。これによって、コントローラ5を把持しているユーザの手にその振動が伝達される、いわゆる振動対応ゲームを実現することができる。本実施形態では、バイブレータ46は、ハウジング31のやや前方寄りに配置される。つまり、バイブレータ46がコントローラ5の中心よりも端側に配置することによって、バイブレータ46の振動によりコントローラ5全体を大きく振動させることができる。また、コネクタ33は、基板30の下主面上の後端縁に取り付けられる。なお、図5および図6に示す他、コントローラ5は、マイコン42の基本クロックを生成する水晶振動子、スピーカ47に音声信号を出力するアンプ等を備えている。
なお、図3〜図6に示したコントローラ5の形状や、各操作ボタンの形状、加速度センサやバイブレータの数および設置位置等は単なる一例に過ぎず、他の形状、数、および設置位置であってもよい。また、本実施形態では、撮像手段による撮像方向はZ軸正方向であるが、撮像方向はいずれの方向であってもよい。すなわち、コントローラ5における撮像情報演算部35の位置(撮像情報演算部35の光入射面35a)は、ハウジング31の前面でなくてもよく、ハウジング31の外部から光を取り入れることができれば他の面に設けられてもかまわない。
図7は、コントローラ5の構成を示すブロック図である。コントローラ5は、操作部32(各操作ボタン32a〜32i)、撮像情報演算部35、通信部36、加速度センサ37、およびジャイロセンサ48を備えている。コントローラ5は、自機に対して行われた操作内容を表すデータを操作データとしてゲーム装置3へ送信するものである。なお、以下では、コントローラ5が送信する操作データを「コントローラ操作データ」と呼び、端末装置7が送信する操作データを「端末操作データ」と呼ぶことがある。
操作部32は、上述した各操作ボタン32a〜32iを含み、各操作ボタン32a〜32iに対する入力状態(各操作ボタン32a〜32iが押下されたか否か)を表す操作ボタンデータを通信部36のマイコン42へ出力する。
撮像情報演算部35は、撮像手段が撮像した画像データを解析してその中で輝度が高い領域を判別してその領域の重心位置やサイズなどを算出するためのシステムである。撮像情報演算部35は、例えば最大200フレーム/秒程度のサンプリング周期を有するので、比較的高速なコントローラ5の動きでも追跡して解析することができる。
撮像情報演算部35は、赤外線フィルタ38、レンズ39、撮像素子40、および画像処理回路41を含んでいる。赤外線フィルタ38は、コントローラ5の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズ39は、赤外線フィルタ38を透過した赤外線を集光して撮像素子40へ入射させる。撮像素子40は、例えばCMOSセンサやあるいはCCDセンサのような固体撮像素子であり、レンズ39が集光した赤外線を受光して画像信号を出力する。ここで、撮像対象となる端末装置7のマーカ部55およびマーカ装置6は、赤外光を出力するマーカで構成される。したがって、赤外線フィルタ38を設けることによって、撮像素子40は、赤外線フィルタ38を通過した赤外線だけを受光して画像データを生成するので、撮像対象(マーカ部55および/またはマーカ装置6)の画像をより正確に撮像することができる。以下では、撮像素子40によって撮像された画像を撮像画像と呼ぶ。撮像素子40によって生成された画像データは、画像処理回路41で処理される。画像処理回路41は、撮像画像内における撮像対象の位置を算出する。画像処理回路41は、算出された位置を示す座標を通信部36のマイコン42へ出力する。この座標のデータは、マイコン42によって操作データとしてゲーム装置3に送信される。以下では、上記座標を「マーカ座標」と呼ぶ。マーカ座標はコントローラ5自体の向き(傾斜角度)や位置に対応して変化するので、ゲーム装置3はこのマーカ座標を用いてコントローラ5の向きや位置を算出することができる。
なお、他の実施形態においては、コントローラ5は画像処理回路41を備えていない構成であってもよく、撮像画像自体がコントローラ5からゲーム装置3へ送信されてもよい。このとき、ゲーム装置3は、画像処理回路41と同様の機能を有する回路あるいはプログラムを有しており、上記マーカ座標を算出するようにしてもよい。
加速度センサ37は、コントローラ5の加速度(重力加速度を含む)を検出する、すなわち、コントローラ5に加わる力(重力を含む)を検出する。加速度センサ37は、当該加速度センサ37の検出部に加わっている加速度のうち、センシング軸方向に沿った直線方向の加速度(直線加速度)の値を検出する。例えば、2軸以上の多軸加速度センサの場合には、加速度センサの検出部に加わっている加速度として、各軸に沿った成分の加速度をそれぞれ検出する。なお、加速度センサ37は、例えば静電容量式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)型加速度センサであるとするが、他の方式の加速度センサを用いるようにしてもよい。
本実施形態では、加速度センサ37は、コントローラ5を基準とした上下方向(図3に示すY軸方向)、左右方向(図3に示すX軸方向)および前後方向(図3に示すZ軸方向)の3軸方向に関してそれぞれ直線加速度を検出する。加速度センサ37は、各軸に沿った直線方向に関する加速度を検出するものであるため、加速度センサ37からの出力は3軸それぞれの直線加速度の値を表すものとなる。すなわち、検出された加速度は、コントローラ5を基準に設定されるXYZ座標系(コントローラ座標系)における3次元のベクトルとして表される。
加速度センサ37が検出した加速度を表すデータ(加速度データ)は、通信部36へ出力される。なお、加速度センサ37が検出した加速度は、コントローラ5自体の向き(傾斜角度)や動きに対応して変化するので、ゲーム装置3は取得された加速度データを用いてコントローラ5の向きや動きを算出することができる。本実施形態では、ゲーム装置3は、取得された加速度データに基づいてコントローラ5の姿勢や傾斜角度等を算出する。
なお、加速度センサ37(後述する加速度センサ63についても同様)から出力される加速度の信号に基づいて、ゲーム装置3のプロセッサ(例えばCPU10)またはコントローラ5のプロセッサ(例えばマイコン42)等のコンピュータが処理を行うことによって、コントローラ5に関するさらなる情報を推測または算出(判定)することができることは、当業者であれば本明細書の説明から容易に理解できるであろう。例えば、加速度センサ37を搭載するコントローラ5が静止状態であることを前提としてコンピュータ側の処理が実行される場合(すなわち、加速度センサによって検出される加速度が重力加速度のみであるとして処理が実行される場合)、コントローラ5が現実に静止状態であれば、検出された加速度に基づいてコントローラ5の姿勢が重力方向に対して傾いているか否かまたはどの程度傾いているかを知ることができる。具体的には、加速度センサ37の検出軸が鉛直下方向を向いている状態を基準としたとき、1G(重力加速度)がかかっているか否かによって、コントローラ5が基準に対して傾いているか否かを知ることができるし、その大きさによって基準に対してどの程度傾いているかも知ることができる。また、多軸の加速度センサ37の場合には、さらに各軸の加速度の信号に対して処理を施すことによって、重力方向に対してコントローラ5がどの程度傾いているかをより詳細に知ることができる。この場合において、プロセッサは、加速度センサ37からの出力に基づいてコントローラ5の傾斜角度を算出してもよいし、当該傾斜角度を算出せずに、コントローラ5の傾斜方向を算出するようにしてもよい。このように、加速度センサ37をプロセッサと組み合わせて用いることによって、コントローラ5の傾斜角度または姿勢を判定することができる。
一方、コントローラ5が動的な状態(コントローラ5が動かされている状態)であることを前提とする場合には、加速度センサ37は重力加速度に加えてコントローラ5の動きに応じた加速度を検出するので、検出された加速度から重力加速度の成分を所定の処理により除去することによってコントローラ5の動き方向を知ることができる。また、コントローラ5が動的な状態であることを前提とする場合であっても、検出された加速度から、加速度センサの動きに応じた加速度の成分を所定の処理により除去することによって、重力方向に対するコントローラ5の傾きを知ることが可能である。なお、他の実施例では、加速度センサ37は、内蔵の加速度検出手段で検出された加速度信号をマイコン42に出力する前に当該加速度信号に対して所定の処理を行うための、組込み式の処理装置または他の種類の専用の処理装置を備えていてもよい。組込み式または専用の処理装置は、例えば、加速度センサ37が静的な加速度(例えば、重力加速度)を検出するために用いられる場合、加速度信号を傾斜角(あるいは、他の好ましいパラメータ)に変換するものであってもよい。
ジャイロセンサ48は、3軸(本実施形態では、XYZ軸)回りの角速度を検出する。本明細書では、コントローラ5の撮像方向(Z軸正方向)を基準として、X軸回りの回転方向をピッチ方向、Y軸回りの回転方向をヨー方向、Z軸回りの回転方向をロール方向と呼ぶ。ジャイロセンサ48は、3軸回りの角速度を検出することができればよく、用いるジャイロセンサの数および組み合わせはどのようなものであってもよい。例えば、ジャイロセンサ48は、3軸ジャイロセンサであってもよいし、2軸ジャイロセンサと1軸ジャイロセンサとを組み合わせて3軸周りの角速度を検出するものであってもよい。ジャイロセンサ48で検出された角速度を表すデータは、通信部36へ出力される。また、ジャイロセンサ48は1軸または2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。
通信部36は、マイコン42、メモリ43、無線モジュール44、およびアンテナ45を含んでいる。マイコン42は、処理を行う際にメモリ43を記憶領域として用いながら、マイコン42が取得したデータをゲーム装置3へ無線送信する無線モジュール44を制御する。
操作部32、撮像情報演算部35、加速度センサ37、およびジャイロセンサ48からマイコン42へ出力されたデータは、一時的にメモリ43に格納される。これらのデータは、操作データ(コントローラ操作データ)としてゲーム装置3へ送信される。すなわち、マイコン42は、ゲーム装置3のコントローラ通信モジュール19への送信タイミングが到来すると、メモリ43に格納されている操作データを無線モジュール44へ出力する。無線モジュール44は、例えばBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)の技術を用いて、所定周波数の搬送波を操作データで変調し、その微弱電波信号をアンテナ45から放射する。つまり、操作データは、無線モジュール44で微弱電波信号に変調されてコントローラ5から送信される。微弱電波信号はゲーム装置3側のコントローラ通信モジュール19で受信される。受信された微弱電波信号について復調や復号を行うことによって、ゲーム装置3は操作データを取得することができる。そして、ゲーム装置3のCPU10は、コントローラ5から取得した操作データを用いてゲーム処理を行う。なお、通信部36からコントローラ通信モジュール19への無線送信は所定の周期毎に逐次行われるが、ゲームの処理は1/60秒を単位として(1フレーム時間として)行われることが一般的であるので、この時間以下の周期で送信を行うことが好ましい。コントローラ5の通信部36は、例えば1/200秒に1回の割合で操作データをゲーム装置3のコントローラ通信モジュール19へ出力する。
以上のように、コントローラ5は、自機に対する操作を表す操作データとして、マーカ座標データ、加速度データ、角速度データ、および操作ボタンデータを送信可能である。また、ゲーム装置3は、上記操作データをゲーム入力として用いてゲーム処理を実行する。したがって、上記コントローラ5を用いることによって、ユーザは、各操作ボタンを押下する従来の一般的なゲーム操作に加えて、コントローラ5自体を動かすゲーム操作を行うことができる。例えば、コントローラ5を任意の姿勢に傾ける操作、コントローラ5によって画面上の任意の位置を指示する操作、および、コントローラ5自体を動かす操作等を行うことが可能となる。
また、本実施形態において、コントローラ5は、ゲーム画像を表示する表示手段を有しないが、例えば電池残量を表す画像等を表示するための表示手段を有していてもよい。
[4.端末装置7の構成]
次に、図8〜図10を参照して、端末装置7の構成について説明する。図8は、端末装置7の外観構成を示す図である。図8における(a)図は端末装置7の正面図であり、(b)図は上面図であり、(c)図は右側面図であり、(d)図は下面図である。また、図9は、ユーザが端末装置7を把持した様子を示す図である。
図8に示されるように、端末装置7は、大略的には横長の長方形の板状形状であるハウジング50を備える。ハウジング50は、ユーザが把持することができる程度の大きさである。したがって、ユーザは、端末装置7を持って動かしたり、端末装置7の配置位置を変更したりすることができる。
端末装置7は、ハウジング50の表面にLCD51を有する。LCD51は、ハウジング50の表面の中央付近に設けられる。したがって、ユーザは、図9に示すようにLCD51の両側部分のハウジング50を持つことによって、LCD51の画面を見ながら端末装置を持って動かすことができる。なお、図9ではユーザがLCD51の左右両側の部分のハウジング50を持つことで端末装置7を横持ちで(横に長い向きにして)持つ例を示しているが、端末装置7を縦持ちで(縦に長い向きにして)持つことも可能である。
図8の(a)図に示すように、端末装置7は、操作手段として、LCD51の画面上にタッチパネル52を有する。本実施形態では、タッチパネル52は抵抗膜方式のタッチパネルである。ただし、タッチパネルは抵抗膜方式に限らず、例えば静電容量方式等、任意の方式のタッチパネルを用いることができる。また、タッチパネル52はシングルタッチ方式でもよいし、マルチタッチ方式であってもよい。本実施形態では、タッチパネル52として、LCD51の解像度と同解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル52の解像度とLCD51の解像度が一致している必要はない。タッチパネル52に対する入力は通常タッチペンを用いて行われるが、タッチペンに限らずユーザの指でタッチパネル52に対する入力をすることも可能である。なお、ハウジング50には、タッチパネル52に対する操作を行うために用いられるタッチペンを収納するための収納穴が設けられていてもよい。このように、端末装置7はタッチパネル52を備えるので、ユーザは、端末装置7を動かしながらタッチパネル52を操作することができる。つまりユーザは、LCD51の画面を動かしつつ、その画面に対して直接(タッチパネル52によって)入力を行うことができる。
図8に示すように、端末装置7は、操作手段として、2つのアナログスティック53Aおよび53Bと、複数のボタン54A〜54Lとを備えている。各アナログスティック53Aおよび53Bは、方向を指示するデバイスである。各アナログスティック53Aおよび53Bは、ユーザの指で操作されるスティック部がハウジング50の表面に対して任意の方向(上下左右および斜め方向の任意の角度)にスライドまたは傾倒することができるように構成されている。また、左アナログスティック53AはLCD51の画面の左側に、右アナログスティック53BはLCD51の画面の右側にそれぞれ設けられる。したがって、ユーザは、左右いずれの手でもアナログスティックを用いて方向を指示する入力を行うことができる。また、図9に示すように、各アナログスティック53Aおよび53Bは、ユーザが端末装置7の左右部分を把持した状態で操作可能な位置に設けられるので、ユーザは、端末装置7を持って動かす場合においても各アナログスティック53Aおよび53Bを容易に操作することができる。
各ボタン54A〜54Lは、所定の入力を行うための操作手段である。以下に示すように、各ボタン54A〜54Lは、ユーザが端末装置7の左右部分を把持した状態で操作可能な位置に設けられる(図9参照)。したがって、ユーザは、端末装置7を持って動かす場合においてもこれらの操作手段を容易に操作することができる。
図8の(a)図に示すように、ハウジング50の表面には、各操作ボタン54A〜54Lのうち、十字ボタン(方向入力ボタン)54Aと、ボタン54B〜54Hとが設けられる。つまり、これらのボタン54A〜54Gは、ユーザの親指で操作可能な位置に配置されている(図9参照)。
十字ボタン54Aは、LCD51の左側であって、左アナログスティック53Aの下側に設けられる。つまり、十字ボタン54Aはユーザの左手で操作可能な位置に配置されている。十字ボタン54Aは、十字の形状を有しており、上下左右の方向を指示することが可能なボタンである。また、ボタン54B〜54Dは、LCD51の下側に設けられる。これら3つのボタン54B〜54Dは、左右両方の手で操作可能な位置に配置されている。また、4つのボタン54E〜54Hは、LCD51の右側であって、右アナログスティック53Bの下側に設けられる。つまり、4つのボタン54E〜54Hはユーザの右手で操作可能な位置に配置されている。さらに、4つのボタン54E〜54Hは、(4つのボタン54E〜54Hの中心位置に対して)上下左右の位置関係となるように配置されている。したがって、端末装置7は、ユーザに上下左右の方向を指示させるためのボタンとして4つのボタン54E〜54Hを機能させることも可能である。
また、図8の(a)図、(b)図、および(c)図に示すように、第1Lボタン54Iおよび第1Rボタン54Jは、ハウジング50の斜め上部分(左上部分および右上部分)に設けられる。具体的には、第1Lボタン54Iは、板状のハウジング50における上側の側面の左端に設けられ、上側および左側の側面から露出している。また、第1Rボタン54Jは、ハウジング50における上側の側面の右端に設けられ、上側および右側の側面から露出している。このように、第1Lボタン54Iは、ユーザの左手人差し指で操作可能な位置に配置され、第1Rボタン54Jは、ユーザの右手人差し指で操作可能な位置に配置される(図9参照)。
また、図8の(b)図および(c)図に示すように、第2Lボタン54Kおよび第2Rボタン54Lは、板状のハウジング50の裏面(すなわちLCD51が設けられる表面の反対側の面)に突起して設けられる足部59Aおよび59Bに配置される。具体的には、第2Lボタン54Kは、ハウジング50の裏面の左側(表面側から見たときの左側)のやや上方に設けられ、第2Rボタン54Lは、ハウジング50の裏面の右側(表面側から見たときの右側)のやや上方に設けられる。換言すれば、第2Lボタン54Kは、表面に設けられる左アナログスティック53Aの概ね反対側の位置に設けられ、第2Rボタン54Lは、表面に設けられる右アナログスティック53Bの概ね反対側の位置に設けられる。このように、第2Lボタン54Kは、ユーザの左手中指で操作可能な位置に配置され、第2Rボタン54Lは、ユーザの右手中指で操作可能な位置に配置される(図9参照)。また、第2Lボタン54Kおよび第2Rボタン54Lは、図8の(c)図に示すように、上記足部59Aおよび59Bの斜め上方を向く面に設けられ、斜め上方を向くボタン面を有する。ユーザが端末装置7を把持した場合には中指は上下方向に動くと考えられるので、ボタン面を上方に向けることで、ユーザは第2Lボタン54Kおよび第2Rボタン54Lを押下しやすくなる。また、ハウジング50の裏面に足部が設けられることにより、ユーザはハウジング50を把持しやすくなり、かつ、足部にボタンが設けられることで、ハウジング50を把持したまま操作しやすくなる。
なお、図8に示す端末装置7に関しては、第2Lボタン54Kおよび第2Rボタン54Lが裏面に設けられるので、LCD51の画面(ハウジング50の表面)が上を向いた状態で端末装置7を載置させる場合、画面が完全に水平にはならない場合がある。そのため、他の実施形態においては、ハウジング50の裏面に3つ以上の足部が形成されてもよい。これによれば、LCD51の画面が上を向いた状態では足部が床面に接することで床面に載置できるので、画面が水平になるように端末装置7を載置することができる。また、着脱可能な足部を追加することで端末装置7を水平に載置するようにしてもよい。
各ボタン54A〜54Lには、ゲームプログラムに応じた機能が適宜割り当てられる。例えば、十字ボタン54Aおよびボタン54E〜54Hは方向指示操作や選択操作等に用いられてもよいし、各ボタン54B〜54Eは決定操作やキャンセル操作等に用いられてもよい。
なお、図示しないが、端末装置7は、端末装置7の電源をオン/オフするための電源ボタンを有している。また、端末装置7は、LCD51の画面表示をオン/オフするためのボタンや、ゲーム装置3との接続設定(ペアリング)を行うためのボタンや、スピーカ(図10に示すスピーカ67)の音量を調節するためのボタンを有していてもよい。
図8の(a)図に示すように、端末装置7は、マーカ55Aおよびマーカ55Bからなるマーカ部(図10に示すマーカ部55)をハウジング50の表面に備えている。マーカ部55は、LCD51の上側に設けられる。各マーカ55Aおよびマーカ55Bは、マーカ装置6の各マーカ6Rおよび6Lと同様、1以上の赤外LEDで構成される。マーカ部55は、上述のマーカ装置6と同様、コントローラ5の動き等をゲーム装置3が算出するために用いられる。また、ゲーム装置3はマーカ部55が備える各赤外LEDの点灯を制御することが可能である。
端末装置7は、撮像手段であるカメラ56を備えている。カメラ56は、所定の解像度を有する撮像素子(例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等)と、レンズとを含む。図8に示すように、本実施形態では、カメラ56はハウジング50の表面に設けられる。したがって、カメラ56は、端末装置7を持っているユーザの顔を撮像することができ、例えばLCD51を見ながらゲームを行っている時のユーザを撮像することができる。
なお、端末装置7は、音声入力手段であるマイク(図10に示すマイク69)を備えている。ハウジング50の表面には、マイクロフォン用孔60が設けられる。マイク69はこのマイクロフォン用孔60の奥のハウジング50内部に設けられる。マイクは、ユーザの音声等、端末装置7の周囲の音を検出する。
端末装置7は、音声出力手段であるスピーカ(図10に示すスピーカ67)を備えている。図8の(d)図に示すように、ハウジング50の下側側面にはスピーカ孔57が設けられる。スピーカ67の出力音はこのスピーカ孔57から出力される。本実施形態では、端末装置7は2つのスピーカを備えており、左スピーカおよび右スピーカのそれぞれの位置にスピーカ孔57が設けられる。
また、端末装置7は、他の装置を端末装置7に接続するための拡張コネクタ58を備えている。本実施形態においては、図8の(d)図に示すように、拡張コネクタ58は、ハウジング50の下側側面に設けられる。なお、拡張コネクタ58に接続される他の装置はどのようなものであってもよく、例えば、特定のゲームに用いるコントローラ(銃型のコントローラ等)やキーボード等の入力装置であってもよい。他の装置を接続する必要がなければ、拡張コネクタ58は設けられていなくともよい。
なお、図8に示した端末装置7に関して、各操作ボタンやハウジング50の形状や、各構成要素の数および設置位置等は単なる一例に過ぎず、他の形状、数、および設置位置であってもよい。
次に、図10を参照して、端末装置7の内部構成について説明する。図10は、端末装置7の内部構成を示すブロック図である。図10に示すように、端末装置7は、図8に示した構成の他、タッチパネルコントローラ61、磁気センサ62、加速度センサ63、ジャイロセンサ64、ユーザインタフェースコントローラ(UIコントローラ)65、コーデックLSI66、スピーカ67、サウンドIC68、マイク69、無線モジュール70、アンテナ71、赤外線通信モジュール72、フラッシュメモリ73、電源IC74、および電池75を備える。これらの電子部品は、電子回路基板上に実装されてハウジング50内に収納される。
UIコントローラ65は、各種の入出力部に対するデータの入出力を制御するための回路である。UIコントローラ65は、タッチパネルコントローラ61、アナログスティック53(アナログスティック53Aおよび53B)、操作ボタン54(各操作ボタン54A〜54L)、マーカ部55、磁気センサ62、加速度センサ63、およびジャイロセンサ64に接続される。また、UIコントローラ65は、コーデックLSI66と拡張コネクタ58に接続される。また、UIコントローラ65には電源IC74が接続され、UIコントローラ65を介して各部に電力が供給される。電源IC74には内蔵の電池75が接続され、電力が供給される。また、電源IC74には、コネクタ等を介して外部電源から電力を取得可能な充電器76またはケーブルを接続することが可能であり、端末装置7は、当該充電器76またはケーブルを用いて外部電源からの電力供給と充電を行うことができる。なお、端末装置7は、図示しない充電機能を有するクレイドルに端末装置7を装着することで充電を行うようにしてもよい。
タッチパネルコントローラ61は、タッチパネル52に接続され、タッチパネル52の制御を行う回路である。タッチパネルコントローラ61は、タッチパネル52からの信号に基づいて所定の形式のタッチ位置データを生成してUIコントローラ65へ出力する。タッチ位置データは、タッチパネル52の入力面において入力が行われた位置の座標を表す。なお、タッチパネルコントローラ61は、タッチパネル52からの信号の読み込み、および、タッチ位置データの生成を所定時間に1回の割合で行う。また、UIコントローラ65からタッチパネルコントローラ61へは、タッチパネル52に対する各種の制御指示が出力される。
アナログスティック53は、ユーザの指で操作されるスティック部がスライドした(または傾倒した)方向および量を表すスティックデータをUIコントローラ65へ出力する。また、操作ボタン54は、各操作ボタン54A〜54Lに対する入力状況(押下されたか否か)を表す操作ボタンデータをUIコントローラ65へ出力する。
磁気センサ62は、磁界の大きさおよび方向を検知することで方位を検出する。検出された方位を示す方位データは、UIコントローラ65へ出力される。また、UIコントローラ65から磁気センサ62へは、磁気センサ62に対する制御指示が出力される。磁気センサ62に関しては、MI(磁気インピーダンス)素子、フラックスゲートセンサ、ホール素子、GMR(巨大磁気抵抗)素子、TMR(トンネル磁気抵抗)素子、あるいはAMR(異方性磁気抵抗)素子等を用いたセンサがあるが、方位を検出することができればどのようなものが用いられてもよい。なお、厳密には、地磁気以外に磁界が発生している場所においては、得られた方位データは方位を示さないことになるが、そのような場合であっても、端末装置7が動いた場合には方位データが変化するため、端末装置7の姿勢の変化を算出することができる。
加速度センサ63は、ハウジング50の内部に設けられ、3軸(図8の(a)図に示すxyz軸)方向に沿った直線加速度の大きさを検出する。具体的には、加速度センサ63は、ハウジング50の長辺方向をx軸、ハウジング50の短辺方向をy軸、ハウジング50の表面に対して垂直な方向をz軸として、各軸の直線加速度の大きさを検出する。検出された加速度を表す加速度データはUIコントローラ65へ出力される。また、UIコントローラ65から加速度センサ63へは、加速度センサ63に対する制御指示が出力される。加速度センサ63は、本実施形態では例えば静電容量式のMEMS型加速度センサであるとするが、他の実施形態においては他の方式の加速度センサを用いるようにしてもよい。また、加速度センサ63は1軸または2軸方向を検出する加速度センサであってもよい。
ジャイロセンサ64は、ハウジング50の内部に設けられ、上記x軸、y軸およびz軸の3軸周りの角速度を検出する。検出された角速度を表す角速度データは、UIコントローラ65へ出力される。また、UIコントローラ65からジャイロセンサ64へは、ジャイロセンサ64に対する制御指示が出力される。なお、3軸の角速度を検出するために用いられるジャイロセンサの数および組み合わせはどのようなものであってもよく、ジャイロセンサ64はジャイロセンサ48と同様、2軸ジャイロセンサと1軸ジャイロセンサとで構成されてもよい。また、ジャイロセンサ64は1軸または2軸方向を検出するジャイロセンサであってもよい。
UIコントローラ65は、上記の各構成要素から受け取ったタッチ位置データ、スティックデータ、操作ボタンデータ、方位データ、加速度データ、および角速度データを含む操作データをコーデックLSI66に出力する。なお、拡張コネクタ58を介して端末装置7に他の装置が接続される場合には、当該他の装置に対する操作を表すデータが上記操作データにさらに含まれていてもよい。
コーデックLSI66は、ゲーム装置3へ送信するデータに対する圧縮処理、および、ゲーム装置3から送信されたデータに対する伸張処理を行う回路である。コーデックLSI66には、LCD51、カメラ56、サウンドIC68、無線モジュール70、フラッシュメモリ73、および赤外線通信モジュール72が接続される。また、コーデックLSI66はCPU77と内部メモリ78を含む。端末装置7はゲーム処理自体を行なわない構成であるが、端末装置7の管理や通信のための最小限のプログラムを実行する必要がある。電源投入時にフラッシュメモリ73に格納されたプログラムを内部メモリ78に読み出してCPU77が実行することで、端末装置7が起動する。また、内部メモリ78の一部の領域はLCD51のためのVRAMとして使用される。
カメラ56は、ゲーム装置3からの指示に従って画像を撮像し、撮像した画像データをコーデックLSI66へ出力する。また、コーデックLSI66からカメラ56へは、画像の撮像指示等、カメラ56に対する制御指示が出力される。なお、カメラ56は動画の撮影も可能である。すなわち、カメラ56は、繰り返し撮像を行って画像データをコーデックLSI66へ繰り返し出力することも可能である。
サウンドIC68は、スピーカ67およびマイク69に接続され、スピーカ67およびマイク69への音声データの入出力を制御する回路である。すなわち、コーデックLSI66から音声データを受け取った場合、サウンドIC68は当該音声データに対してD/A変換を行って得られる音声信号をスピーカ67へ出力し、スピーカ67から音を出力させる。また、マイク69は、端末装置7に伝わる音(ユーザの音声等)を検知して、当該音を示す音声信号をサウンドIC68へ出力する。サウンドIC68は、マイク69からの音声信号に対してA/D変換を行い、所定の形式の音声データをコーデックLSI66へ出力する。
コーデックLSI66は、カメラ56からの画像データ、マイク69からの音声データ、および、UIコントローラ65からの操作データを、端末操作データとして無線モジュール70を介してゲーム装置3へ送信する。本実施形態では、コーデックLSI66は、画像データおよび音声データに対して、コーデックLSI27と同様の圧縮処理を行う。上記端末操作データ、ならびに、圧縮された画像データおよび音声データは、送信データとして無線モジュール70に出力される。無線モジュール70にはアンテナ71が接続されており、無線モジュール70はアンテナ71を介してゲーム装置3へ上記送信データを送信する。無線モジュール70は、ゲーム装置3の端末通信モジュール28と同様の機能を有している。すなわち、無線モジュール70は、例えばIEEE802.11nの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。送信されるデータは必要に応じて暗号化されていてもよいし、されていなくともよい。
以上のように、端末装置7からゲーム装置3へ送信される送信データには、操作データ(端末操作データ)、画像データ、および音声データが含まれる。なお、拡張コネクタ58を介して端末装置7に他の装置が接続される場合には、当該他の装置から受け取ったデータが上記送信データにさらに含まれていてもよい。また、赤外線通信モジュール72は、他の装置との間で例えばIRDAの規格に従った赤外線通信を行う。コーデックLSI66は、赤外線通信によって受信したデータを、必要に応じて上記送信データに含めてゲーム装置3へ送信してもよい。
また、上述のように、ゲーム装置3から端末装置7へは、圧縮された画像データおよび音声データが送信される。これらのデータはアンテナ71および無線モジュール70を介してコーデックLSI66に受信される。コーデックLSI66は、受信した画像データおよび音声データを伸張する。伸張された画像データはLCD51へ出力され、画像がLCD51に表示される。また、伸張された音声データはサウンドIC68へ出力され、サウンドIC68はスピーカ67から音を出力させる。
また、ゲーム装置3から受信されるデータに制御データが含まれる場合、コーデックLSI66およびUIコントローラ65は、制御データに従った制御指示を各部に行う。上述のように、制御データは、端末装置7が備える各構成要素(本実施形態では、カメラ56、タッチパネルコントローラ61、マーカ部55、各センサ62〜64、および赤外線通信モジュール72)に対する制御指示を表すデータである。本実施形態では、制御データが表す制御指示としては、上記各構成要素を動作させたり、動作を休止(停止)させたりする指示が考えられる。すなわち、ゲームで使用しない構成要素については電力消費を抑えるために休止させてもよく、その場合、端末装置7からゲーム装置3へ送信される送信データには、休止した構成要素からのデータが含まれないようにする。なお、マーカ部55は赤外LEDであるので、制御は単に電力の供給のON/OFFでよい。
以上のように、端末装置7は、タッチパネル52、アナログスティック53、および操作ボタン54といった操作手段を備えるが、他の実施形態においては、これらの操作手段に代えて、または、これらの操作手段とともに、他の操作手段を備える構成であってもよい。
また、端末装置7は、端末装置7の動き(位置や姿勢、あるいは、位置や姿勢の変化を含む)を算出するためのセンサとして、磁気センサ62、加速度センサ63、およびジャイロセンサ64を備えるが、他の実施形態においては、これらのセンサのうち1つまたは2つのみを備える構成であってもよい。また、他の実施形態においては、これらのセンサに代えて、または、これらのセンサとともに、他のセンサを備える構成であってもよい。
また、端末装置7は、カメラ56およびマイク69を備える構成であるが、他の実施形態においては、カメラ56およびマイク69を備えていなくてもよく、また、いずれか一方のみを備えていてもよい。
また、端末装置7は、端末装置7とコントローラ5との位置関係(コントローラ5から見た端末装置7の位置および/または姿勢等)を算出するための構成としてマーカ部55を備える構成であるが、他の実施形態ではマーカ部55を備えていない構成としてもよい。また、他の実施形態では、端末装置7は、上記位置関係を算出するための構成として他の手段を備えていてもよい。例えば、他の実施形態においては、コントローラ5がマーカ部を備え、端末装置7が撮像素子を備える構成としてもよい。さらにこの場合、マーカ装置6は赤外LEDに代えて、撮像素子を備える構成としてもよい。
[5.ゲーム処理の概要]
次に、本実施形態のゲームシステムにおいて実行されるゲーム処理の概要について説明する。本実施形態では、ゲーム処理の一例として、プレイヤがコントローラ5を用いてゲーム操作を行うゴルフゲームを実行するゲーム処理について説明する。本ゲームでは、プレイヤは、コントローラ5をゴルフクラブのように振る操作(スイング操作)によって、仮想のゲーム空間におけるプレイヤキャラクタにゴルフのスイング動作を行わせる。
図11は、本実施形態におけるゲームシステムを用いてプレイヤがゲームを行う様子を示す図である。図11において、テレビ2の画面には、プレイヤキャラクタ(のオブジェクト)81およびゴルフクラブ(のオブジェクト)82を含むゲーム空間の画像が表示される。なお、図11では、ゴルフクラブ82に隠れているので表示されていないが、ゲーム空間に配置されたボール(のオブジェクト)もテレビ2に表示される。一方、端末装置7には、ボールを表す画像(ボール画像)83と、ゴルフクラブ82の一部(具体的には、ゴルフクラブのヘッド)を表す画像(ヘッド画像)84と、ゲーム空間の地面を表す画像(地面画像)85とが表示される。
図11に示すように、端末装置7は、LCD61の画面が鉛直上向きとなるように、テレビ2の前方正面の床面に配置される。また、端末装置7は、端末装置7の所定方向がテレビ2の方向を向くように配置される。ここでは、上記所定方向は、LCD61の画面を正面から見たときの左方向(図11に示す実線の矢印参照)であり、(ゴルフクラブ82でボールを打った場合に)LCD61の画面においてボール画像83が移動する方向である。
ゲームを行う際、プレイヤ80は、端末装置7の上記所定方向に垂直な方向(図11では、LCD61の画面を正面から見たときの下方向。図11に示す点線の矢印参照)の位置に立つ。また、プレイヤ80は、ゴルフのスイングを行う際におけるアドレスの体勢を取ったときに、コントローラ5の先端方向(図3に示すZ軸正方向)が端末装置7の方を向く位置に立つ。以上のような位置に立って、プレイヤ80は上記スイング操作を行う。したがって、本実施形態によれば、プレイヤ80がスイング操作を行う際、実際のゴルフであればボールが置かれている位置にボールが表示されることになる(図11参照)。
また、プレイヤ80による上記スイング操作に応じてゴルフクラブ82の動作が制御される。詳細は後述するが、本実施形態では、現実空間におけるコントローラ5の姿勢に応じて、仮想のゲーム空間におけるゴルフクラブ82の姿勢が制御される。このように、プレイヤ80は、コントローラ5を振ることでゴルフクラブ82を振る(プレイヤキャラクタ81にゴルフクラブ82を振らせる)ことができる。
ゴルフクラブ82の動作は、テレビ2および端末装置7に表示される。図11に示すように、テレビ2には、プレイヤキャラクタ81によるスイング動作の全体が表示される。つまり、テレビ2にはゴルフクラブ82の全体が表示される。
一方、端末装置7においては、(ゴルフクラブ82によって打たれる前の)ボールの周辺の様子が表示される。図12は、端末装置7に表示されるゲーム画像(端末用ゲーム画像)の一例を示す図である。図12に示すように、端末装置7のLCD61には、ボールを表すボール画像83が表示されるとともに、コントローラ5の姿勢によってはゴルフクラブ82のヘッドを表すヘッド画像84が表示される。なお、図12では図面を見やすくする目的で省略しているが、端末装置7には、ボール画像83およびヘッド画像84の他に、ゲーム空間の地面を表す地面画像85が表示される(図11参照)。
また、本実施形態においては、端末装置7に表示されるヘッド画像84の位置および向きは、ゲーム空間におけるゴルフクラブ82の姿勢に応じて変化し、換言すれば、コントローラ5の姿勢に応じて変化する。詳細は後述するが、プレイヤがコントローラ5の姿勢を変化させることで、端末装置7の画面上におけるヘッド画像84の位置が変化したり(図12に示す点線参照)、ヘッド画像84の向きが変化したりする(図12に示す一点鎖線参照)。このように、本実施形態によれば、ボール周辺の様子が端末用ゲーム画像によってリアルに表現される。プレイヤ80は、スイング操作を行う前に端末用ゲーム画像を見ることで、例えばヘッドの向きを確認したり、ボールが置かれている地面の状態(ライ。例えば、芝の状態やバンカーの砂にボールがどの程度埋まっているか等)を確認したりすることができる。
プレイヤ80がスイング操作を行うことによってゴルフクラブ82が振られた結果、ゴルフクラブ82がボールに当たると、ボールが移動する(飛んでいく)。ここで、本実施形態では、コントローラ5の先端方向を端末装置7の方に向けた場合、端末装置7にヘッド画像84が表示され、当該先端方向がボール画像83の方を向く場合にゴルフクラブ82とボールとが当たることになる。したがって、プレイヤ80は、端末装置7に表示されるボール画像83を打つようにコントローラ5でスイング操作を行うことで、ゴルフクラブ82をボールに当てることができる。
スイング操作によってボールが移動する場合において、テレビ2に表示されるゲーム画像(テレビ用ゲーム画像)は、移動するボールが含まれるように生成される。すなわち、テレビ用ゲーム画像を生成するために用いられる仮想カメラは、移動するボールがその撮影範囲に含まれるように位置および姿勢が制御され、仮想カメラから見たゲーム空間を表す画像がテレビ用ゲーム画像として生成される。一方、端末装置7においては、ゴルフクラブ82がボールに当たると、ボールはLCD61の上記左方向に移動する結果、ボールはすぐに画面外に消える。したがって、本実施形態においては、ボールが移動する様子は主にテレビ2に表示される。プレイヤ80は、スイング操作によって飛んでいったボールの行方を、テレビ2に表示されるテレビ用ゲーム画像で確認することができる。
以上のように、本実施形態によれば、プレイヤ80の正面の床面に配置される端末装置7の画面にボール画像83が表示される。これによって、実際のゴルフであればボールが置かれている位置にボール画像83が表示されることになる。そして、プレイヤ80は、端末装置7に表示されているボール画像83に対してコントローラ5を用いたスイング操作を行うことによって、ゲーム空間におけるボールを飛ばす。したがって、本実施形態によれば、ボールを飛ばすスイング操作をより現実感のあるものにすることができる。
なお、本実施形態では、端末装置7を床面に配置するので、スイング操作後においてボールが移動する様子を端末装置7によって見やすく表示することは難しい。しかし、本実施形態では、ボールが移動する様子はテレビ2に表示されるので、プレイヤ80の操作結果であるボールの移動後の挙動を確実にプレイヤ80に提示することができる。このように、本実施形態によれば、現実感のある操作をプレイヤ80に提供することができるとともに、見やすいゲーム画像をプレイヤ80に対して提示することができる。
また、本実施形態においては、コントローラ5の姿勢に応じてゴルフクラブ82の姿勢が制御され、コントローラ5の先端方向を端末装置7の方へ向けた場合、ゴルフクラブ82の一部を表す画像(ヘッド画像84)が端末装置7に表示される(図12参照)。これによれば、プレイヤ80は、コントローラ5の先端方向を端末装置7の方へ向けることによって、仮想空間におけるゴルフクラブ82の姿勢が、現実空間におけるコントローラ5の姿勢と対応している感覚を得ることができる。つまり、プレイヤ80は、スイング操作によって実際のゴルフクラブを振っているかのような感覚を得ることができるので、本実施形態によれば、スイング操作をより現実感のあるものにすることができる。
なお、本実施形態では、コントローラ5が特定の姿勢となった場合にのみ端末装置7にゴルフクラブ82の一部を表すヘッド画像84が表示される。そのため、端末装置7に表示される端末用ゲーム画像からのみでは、ゲーム空間においてゴルフクラブ82がどのような位置・姿勢であるかをプレイヤが把握することが難しい。しかし、本実施形態では、テレビ2には、ゴルフクラブ82(およびプレイヤキャラクタ81)の全体が表示されるので、テレビ2に表示されるテレビ用ゲーム画像によってプレイヤはゴルフクラブの位置や姿勢を容易に把握することができる。このように、本実施形態によれば、現実感のある操作をプレイヤに提供することができるとともに、操作しやすいゲーム画像をプレイヤに対して提示することができる。
[6.ゲーム処理の詳細]
次に、本ゲームシステムにおいて実行されるゲーム処理の詳細を説明する。まず、ゲーム処理において用いられる各種データについて説明する。図13は、ゲーム処理において用いられる各種データを示す図である。図13においては、ゲーム装置3のメインメモリ(外部メインメモリ12または内部メインメモリ11e)に記憶される主なデータを示す。図13に示すように、ゲーム装置3のメインメモリには、ゲームプログラム90、操作データ91、および処理用データ96が記憶される。なお、メインメモリには、図13に示すデータの他、ゲームに登場する各種オブジェクトの画像データやゲームに使用される音声データ等、ゲームに必要なデータが記憶される。
ゲームプログラム90は、ゲーム装置3に電源が投入された後の適宜のタイミングで光ディスク4からその一部または全部が読み込まれてメインメモリに記憶される。なお、ゲームプログラム90は、光ディスク4に代えて、ゲーム装置3の外部装置から(例えばインターネットを介して)取得されてもよい。また、ゲームプログラム90に含まれる一部(例えば、コントローラ5および/または端末装置7の姿勢を算出するためのプログラム)については、ゲーム装置3内に予め記憶されていてもよい。
操作データ91は、コントローラ5に対するユーザの操作を表すデータ(上述したコントローラ操作データ)である。操作データ91は、コントローラ5から送信されてゲーム装置3において取得される。操作データ91は、加速度データ92、角速度データ93、マーカ座標データ94、および操作ボタンデータ95を含む。なお、メインメモリには、最新の(最後に取得された)ものから順に所定個数の操作データが記憶されてもよい。
加速度データ92は、加速度センサ37によって検出された加速度(加速度ベクトル)を表すデータである。ここでは、加速度データ92は、図3に示すXYZの3軸の方向に関する加速度を各成分とする3次元の加速度を表すものであるが、他の実施形態においては、任意の1以上の方向に関する加速度を表すものであればよい。
角速度データ93は、ジャイロセンサ48によって検出された角速度を表すデータである。ここでは、角速度データ93は、図3に示すXYZの3軸回りのそれぞれの角速度を表すものであるが、他の実施形態においては、任意の1軸以上の軸回り角速度を表すものであればよい。
マーカ座標データ94は、撮像情報演算部35の画像処理回路41によって算出される座標、すなわち上記マーカ座標を表すデータである。マーカ座標は、撮像画像に対応する平面上の位置を表すための2次元座標系で表現され、マーカ座標データ94は、当該2次元座標系における座標値を表す。なお、撮像素子40によってマーカ部55の2つのマーカ55aおよび55bが撮像される場合には、2つのマーカ座標が算出され、マーカ座標データ94は2つのマーカ座標を表す。一方、撮像素子40の撮像可能な範囲内にマーカ55aおよび55bのいずれか一方が位置しない場合には、撮像素子40によって1つのマーカのみが撮像され、1つのマーカ座標のみが算出される。その結果、マーカ座標データ94は1つのマーカ座標を表す。また、撮像素子40の撮像可能な範囲内にマーカ55aおよび55bの両方が位置しない場合には、撮像素子40によってマーカが撮像されず、マーカ座標は算出されない。したがって、マーカ座標データ94は、2つのマーカ座標を表す場合もあるし、1つのマーカ座標を表す場合もあるし、マーカ座標がないことを表す場合もある。
なお、コントローラ5からゲーム装置3へは、上記マーカ座標データに代えて、撮像画像の画像データ自体が送信されてもよい。つまり、コントローラ5は、撮像装置(撮像素子40)による撮像画像に関する撮像データとして、マーカ座標データを送信してもよいし、画像データ自体を送信してもよい。このとき、ゲーム装置3は、撮像画像の画像データから上記マーカ座標を算出し、マーカ座標データとしてメインメモリに記憶するようにしてもよい。
上記加速度データ92、角速度データ93、およびマーカ座標データ94は、コントローラ5の姿勢に応じたデータ(姿勢に応じて値が変化するデータ)である。詳細は後述するが、これらのデータ92〜94に基づいてコントローラ5の姿勢を算出することができる。なお、他の実施形態においては、コントローラ5の姿勢を算出するために、これらのデータ92〜94とともに(またはこれらのデータ92〜94に代えて)、例えば磁気センサが検出する方位を表すデータ等、コントローラ5の姿勢に応じた他の種類のデータが用いられてもよい。
操作ボタンデータ95は、コントローラ5に設けられる各操作ボタン32a〜32iに対する入力状態を表すデータである。
なお、操作データ91は、コントローラ5を操作するプレイヤの操作を表すものであればよく、上記各データ92〜95の一部のみを含むものであってもよい。また、コントローラ5が他の入力手段(例えば、タッチパネルやアナログスティック等)を有する場合には、操作データ91は、当該他の入力手段に対する操作を表すデータを含んでいてもよい。なお、本実施形態のようにコントローラ5自体の動きをゲーム操作として用いる場合には、操作データ91は、加速度データ92、角速度データ93、またはマーカ座標データ94のように、コントローラ5自体の動きに応じて値が変化するデータを含むようにする。
処理用データ96は、後述するゲーム処理(図14)において用いられるデータである。処理用データ96は、第1姿勢データ97、第2姿勢データ98、第3姿勢データ99、クラブデータ100、ボールデータ101、およびカメラデータ102を含む。なお、図13に示すデータの他、処理用データ96は、各種オブジェクトに設定される各種パラメータ(例えばプレイヤキャラクタに関するパラメータ等)を表すデータ等、ゲーム処理において用いられる各種データを含む。
第1姿勢データ97は、角速度データ93に基づいて算出されるコントローラ5の姿勢(以下、「第1姿勢」と呼ぶ。)を表すデータである。第2姿勢データ98は、加速度データ92に基づいて算出されるコントローラ5の姿勢(以下、「第2姿勢」と呼ぶ。)を表すデータである。第3姿勢データ99は、マーカ座標データ94に基づいて算出されるコントローラ5の姿勢(以下、「第3姿勢」と呼ぶ。)を表すデータである。詳細は後述するが、本実施形態では、算出方法が異なる上記3種類の姿勢に基づいて、最終的なコントローラ5の姿勢が算出される。
クラブデータ100は、ゲーム空間内におけるゴルフクラブ82の位置および姿勢を表すデータである。詳細は後述するが、ゴルフクラブ82の位置および姿勢は、コントローラ5の姿勢に基づいて算出される。また、本実施形態においては、ゴルフクラブ82の速度(過去所定数フレームにおける平均速度)を算出するために、最新のものから所定個数のクラブデータがメインメモリに記憶される。
ボールデータ101は、ゲーム空間内におけるボールの位置を表すデータである。ボールは、ゴルフクラブ82に当たったことに応じて移動される。また、ボールの移動速度および移動方向は、ボールに接触した時点におけるゴルフクラブ82(のヘッド)の速度および姿勢に基づいて決定される。
カメラデータ102は、上記テレビ用ゲーム画像を生成するために用いられる仮想カメラのゲーム空間内における位置および姿勢を表すデータである。本実施形態においては、ボールを含むゲーム空間の画像が生成されるように(視野範囲内にボールが含まれるように)仮想カメラが設定される。
次に、ゲーム装置3において行われるゲーム処理の詳細を、図14〜図17を用いて説明する。図14は、ゲーム装置3において実行されるゲーム処理の流れを示すメインフローチャートである。ゲーム装置3の電源が投入されると、ゲーム装置3のCPU10は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってメインメモリ等の各ユニットが初期化される。そして、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムがメインメモリに読み込まれ、CPU10によって当該ゲームプログラムの実行が開始される。なお、ゲーム装置3においては、電源投入後に光ディスク4に記憶されたゲームプログラムがすぐに実行される構成であってもよいし、電源投入後にまず所定のメニュー画面を表示する内蔵プログラムが実行され、その後ユーザによってゲームの開始が指示されたときに光ディスク4に記憶されたゲームプログラムが実行される構成であってもよい。図14に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われる処理を示すフローチャートである。
なお、図14〜図16に示すフローチャートの各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、変数の値や、判断ステップで利用される閾値も、単なる一例に過ぎず、必要に応じて他の値を採用してもよい。また、本実施形態では、上記フローチャートの各ステップの処理をCPU10が実行するものとして説明するが、上記フローチャートの一部のステップの処理を、CPU10以外のプロセッサや専用回路が実行するようにしてもよい。
まずステップS1において、CPU10は初期処理を実行する。初期処理は、仮想のゲーム空間を構築し、ゲーム空間に登場する各オブジェクトを初期位置に配置したり、ゲーム処理で用いる各種パラメータの初期値を設定したりする処理である。なお、本実施形態においては、初期処理において、ボールの初期位置を表すデータがボールデータ101としてメインメモリに記憶される。ステップS1の次にステップS2の処理が実行される。以降、ステップS2〜S8の一連の処理からなる処理ループが所定時間(1フレーム時間)に1回の割合で繰り返し実行される。
ステップS2において、CPU10は、コントローラ5から操作データを取得する。ここで、コントローラ5は、加速度センサ37、ジャイロセンサ48、撮像情報演算部35および操作部32から出力される各データを操作データとしてゲーム装置3へ繰り返し送信する。ゲーム装置3は、コントローラ5からのデータを逐次受信して操作データ91としてメインメモリに逐次記憶する。ステップS2において、CPU10は、最新の操作データ91をメインメモリから読み出す。ステップS2の次にステップS3の処理が実行される。
なお、本実施形態では端末装置7は操作装置としては用いられないので、CPU10は端末装置7から上述の端末操作データを取得しないものとして説明を行う。ただし、他の実施形態においては、上記ステップS2においてCPU10は端末操作データを取得してメインメモリに記憶し、端末操作データを後述するゲーム制御処理に用いてもよい。
ステップS3において、CPU10はゲーム制御処理を実行する。ゲーム制御処理は、プレイヤによるゲーム操作に従ってゲーム空間内のオブジェクトを動作させる処理等を実行し、ゲームを進行させる処理である。本実施形態におけるゲーム制御処理においては、操作データ91に基づいてコントローラ5の動き(姿勢)を算出し、当該動きに基づいてゲーム空間内のボールを移動させる処理が実行される。具体的には、ゲーム制御処理においては、プレイヤの操作を検出する処理、プレイヤの操作に基づいてゴルフクラブ82の動作を制御する処理、および、ゴルフクラブ82の動作に応じてボールを移動させる処理等が実行される。以下、図15を参照して、ゲーム制御処理の詳細について説明する。
図15は、図14に示すゲーム制御処理(ステップS3)の詳細な流れを示すフローチャートである。ゲーム制御処理においてはまずステップS10において、CPU10は、コントローラ5の姿勢を算出するための姿勢算出処理を実行する。コントローラ5の姿勢は、操作データ91に基づいて算出されればどのような方法で算出されてもよいが、本実施形態においては、角速度に基づく第1姿勢に対して、加速度に基づく第2姿勢とマーカ座標に基づく第3姿勢とを用いて補正を行うことによってコントローラ5の姿勢を算出する。なお、姿勢算出処理を実行するためのプログラムは、ライブラリとしてゲームプログラム90とは別にゲーム装置3に記憶されていてもよい。以下、図16を参照して、姿勢算出処理の詳細について説明する。
図16は、図15に示す姿勢算出処理(ステップS10)の詳細な流れを示すフローチャートである。姿勢算出処理においてはまずステップS21において、CPU10は、コントローラ5の角速度に基づいてコントローラ5の第1姿勢を算出する。コントローラ5の第1姿勢を算出する方法はどのような方法であってもよいが、本実施形態においては、当該第1姿勢は、前回の第1姿勢(前回に算出された第1姿勢)と、今回の角速度(今回の処理ループにおけるステップS2で取得された角速度)とに基づいて算出される。具体的には、CPU10は、前回の第1姿勢を今回の角速度で単位時間分だけ回転させることによって新たな第1姿勢を算出する。なお、前回の第1姿勢は、メインメモリに記憶されている第1姿勢データ97により表され、今回の角速度は、メインメモリに記憶されている角速度データ93により表される。したがって、CPU10は、メインメモリから第1姿勢データ97および角速度データ93を読み出して、コントローラ5の第1姿勢を算出する。ステップS21で算出された第1姿勢を示すデータは、第1姿勢データ97としてメインメモリに新たに記憶される。以上のステップS21の次にステップS22の処理が実行される。
なお、角速度から姿勢を算出する場合、初期姿勢を定めておくのがよい。つまり、コントローラ5の姿勢を角速度から算出する場合には、CPU10は、最初にコントローラ5の初期姿勢を算出しておく。コントローラ5の初期姿勢は、加速度データに基づいて算出されてもよいし、コントローラ5を特定の姿勢にした状態でプレイヤに所定の操作を行わせることで、所定の操作が行われた時点における特定の姿勢を初期姿勢として用いるようにしてもよい。なお、空間における所定方向を基準とした絶対的な姿勢としてコントローラ5の姿勢を算出する場合には上記初期姿勢を算出することが好ましい。ただし、例えばゲーム開始時点におけるコントローラ5の姿勢を基準とした相対的な姿勢としてコントローラ5の姿勢を算出する場合には、上記初期姿勢は算出されなくてもよい。
ステップS22において、CPU10は、コントローラ5の加速度に基づいてコントローラ5の第2姿勢を算出する。具体的には、CPU10は、メインメモリから加速度データ92を読み出して、加速度データ92に基づいてコントローラ5の姿勢を算出する。ここで、コントローラ5がほぼ静止している状態では、コントローラ5に対して加えられる加速度は重力加速度に相当する。したがって、この状態では、検出された重力加速度の方向(重力方向)に対するコントローラ5の向き(姿勢)を当該加速度データ92に基づいて算出することができる。このように、加速度センサ37が重力加速度を検出する状況では、重力方向を基準としたコントローラ5の姿勢を加速度データ92に基づいて算出することができる。以上のようにして算出された姿勢を表すデータは、第2姿勢データ98としてメインメモリに記憶される。ステップS22の次にステップS23の処理が実行される。
ステップS23において、CPU10は、加速度に基づく第2姿勢を用いて、角速度に基づく第1姿勢を補正する。具体的には、CPU10は、第1姿勢データ97および第2姿勢データ98をメインメモリから読み出し、第1姿勢を第2姿勢へ所定の割合で近づける補正を行う。この所定の割合は、予め定められた固定値であってもよいし、検出される加速度等に応じて設定されてもよい。なお、コントローラ5が静止しているか否かは、検出される加速度の大きさが重力加速度の大きさに近いか否かによって推測することができる。したがって、例えば、CPU10は、検出される加速度の大きさが重力加速度の大きさに近い場合には、第1姿勢を第2姿勢へ近づける割合を大きくし、検出される加速度の大きさが重力加速度の大きさから離れている場合には、第1姿勢を第2姿勢へ近づける割合を小さくするようにしてもよい。また、第2姿勢に関しては、重力方向を軸とする回転方向については姿勢を算出することができないので、CPU10は、当該回転方向に関しては補正を行わないようにしてもよい。以上のようにして得られた補正後の姿勢を表すデータが、新たな第1姿勢データ97としてメインメモリに記憶される。ステップS23の次にステップS24の処理が実行される。
ステップS24において、CPU10は、コントローラ5の撮像手段(撮像素子40)によってマーカ部55が撮像されているか否かを判定する。ステップS24の判定は、メインメモリに記憶されているマーカ座標データ94を参照することによって行うことができる。ここでは、マーカ座標データ94が2つのマーカ座標を表す場合、マーカ部55が撮像されていると判定し、マーカ座標データ94が1つのマーカ座標のみを表す場合、または、マーカ座標がないことを表す場合、マーカ部55が撮像されていないと判定する。ステップS24の判定結果が肯定である場合、以降のステップS25およびS26の処理が実行される。一方、ステップS24の判定結果が否定である場合、ステップS25およびS26の処理がスキップされ、CPU10は姿勢算出処理を終了する。このように、撮像素子40によってマーカ部55が撮像されていない場合には、撮像素子40から得られるデータを用いてコントローラ5の姿勢(第3姿勢)を算出することができないので、この場合には第3姿勢を用いた補正は行われない。
なお、他の実施形態においては、上記ステップS24において、CPU10は、コントローラ5の先端方向(Z軸正方向)が下向きであるか否かをさらに判定してもよい。このとき、CPU10は、下向きであると判定される場合にのみ、コントローラ5の撮像手段によってマーカ部55が撮像されていると判断する。一方、下向きでないと判定される場合には、(マーカ座標データ94が2つのマーカ座標を表す場合であっても)撮像手段によってマーカ部55が撮像されていないと判断する。なお、コントローラ5の先端方向が下向きであるか否かの判定は、ステップS21で算出された第1姿勢、ステップS22で算出された第2姿勢、または、ステップS23で補正された第1姿勢を用いて行われる。これによれば、撮像情報演算部35がマーカ部55でない物をマーカ部55であると誤認識してマーカ座標を算出した場合であっても、誤ったマーカ座標に基づいて第3姿勢が算出されることがないので、コントローラ5の姿勢をより精度良く算出することができる。
ステップS25において、CPU10は、マーカ座標に基づいてコントローラ5の第3姿勢を算出する。マーカ座標は、撮像画像内における各マーカ55aおよび55bの位置を示すので、これらの位置からコントローラ5の姿勢を算出することができる。以下、図17を参照して、マーカ座標に基づくコントローラ5の姿勢の算出方法について説明する。
図17は、撮像画像に対応する2次元座標を示す図である。図17において、点P1はマーカ55aの位置を示し、点P2はマーカ55bの位置を示し、点P3は点P1と点P2との中点を示す。また、ベクトルv1は、点P1を始点とし、点P2を終点とするベクトルである。本実施形態においては、撮像画像における位置を表すための2次元座標系をx’y’座標系とする。なお、ここでは、点P3が撮像画像の中心の位置となり、かつ、ベクトルv1がx’軸正方向を向く場合におけるコントローラ5の姿勢を基準姿勢とする。また、以下におけるロール方向、ヨー方向、およびピッチ方向とは、基準姿勢にあるコントローラ5のZ軸回りの回転方向、Y軸回りの回転方向、およびX軸回りの回転方向を指す。
まず、ロール方向(Z軸回りの回転方向)に関する姿勢は、撮像画像内においてマーカ55aの位置とマーカ55bの位置とを結ぶ直線の傾きから算出することができる。すなわち、ロール方向に関する姿勢を算出する際、CPU10はまず、2つのマーカ座標から上記ベクトルv1を算出する。このベクトルv1は、入力装置8のロール方向の回転に応じて向きが変化するので、CPU10は、ロール方向に関する姿勢をこのベクトルv1に基づいて算出することができる。例えば、ロール方向に関する姿勢は、基準姿勢の時のベクトルv1を現在のベクトルv1へと回転させる回転行列として算出されてもよいし、基準姿勢の時のベクトルv1と現在のベクトルv1とのなす角度として計算されてもよい。
また、本実施形態では、プレイヤは端末装置7に対して特定の位置に立って特定の操作(スイング操作)を行うと想定されるので、撮像素子40が端末装置7を撮像する場合におけるコントローラ5の位置は概ね一定であると判断することができる。そのため、撮像画像内におけるマーカ部55の位置から、ピッチ方向(X軸回りの回転方向)およびヨー方向(Y軸回りの回転方向)に関するコントローラ5の姿勢を算出することができる。例えば、上記基準姿勢の状態から撮像画像内において各マーカ55aおよび55bの位置が左(右)に移動した場合、コントローラ5は右(左)に姿勢を変えたと判断することができる。また、上記基準姿勢の状態から撮像画像内において各マーカ55aおよび55bの位置が上(下)に移動した場合、コントローラ5は下(上)に姿勢を変えたと判断することができる。
具体的には、CPU10はまず、2つのマーカ座標の中点P3の座標を算出する。つまり、本実施形態では撮像画像内におけるマーカ部55の位置として当該中点P3の位置が用いられる。次に、CPU10は、中点P3を、x’y’座標系の原点Oを中心として、コントローラ5のロール方向に関する回転角度だけ(コントローラ5の回転方向とは逆方向に)回転させた位置P3’(図17参照)を算出する。換言すれば、中点P3は、原点Oを中心として、上記ベクトルv1がx’軸正方向を向くように回転される。
上記のようにして得られた中点P3の回転後の位置P3’から、ヨー方向およびピッチ方向に関する姿勢を算出することができる。具体的には、ヨー方向に関するコントローラ5の回転角度(基準姿勢からの回転角度)θyは、上記回転後の中点の位置P3’のx’座標値pxと、マーカ部55がx’軸方向の端に位置する場合のヨー方向の角度(限界角度と呼ぶ)θy’とに基づいて算出することができる。ここで、上記限界角度θyと、上記限界角度となる場合における上記中点の回転後の位置P3’のx座標値px’とは、予め求めておくことができる。したがって、pxとpx’との比が、θyとθy’との比に等しくなることを用いて、上記回転角度θyを算出することができる。
また、ピッチ方向についてもヨー方向と同様にコントローラ5の姿勢を算出することができる。すなわち、ピッチ方向に関するコントローラ5の回転角度は、上記回転後の中点の位置P3’のy’座標値と、マーカ部55がy’軸方向の端に位置する場合のピッチ方向の角度とに基づいて算出することができる。
以上より、上記ステップS25においては、CPU10は、マーカ座標データ94をメインメモリから読み出し、ロール方向に関する姿勢とヨー方向に関する姿勢とを2つのマーカ座標に基づいて算出する。なお、詳細は後述するが、本実施形態においては、スイング操作を簡単にするために、ピッチ方向に関してはゴルフクラブ82の姿勢が補正される(ステップS12)。CPU10は、ピッチ方向に関する姿勢についてはマーカ座標に基づいて正確に算出しなくてもよい。また、本実施形態においては、CPU10は、ピッチ方向については第1姿勢と同じ姿勢を用いる。以上のようにしてロール方向、ヨー方向、およびピッチ方向に関する姿勢を算出することで、第3姿勢を算出することができる。なお、各方向に関する姿勢を例えば回転行列として算出する場合、第3姿勢は、各方向に対応する回転行列を積算することで得ることができる。算出された第3姿勢を表すデータは、第3姿勢データ99としてメインメモリに記憶される。上記ステップS25の次にステップS26の処理が実行される。
なお、本実施形態においては、CPU10は、ロール方向およびヨー方向に関する姿勢をマーカ座標に基づいて算出し、ピッチ方向については第1姿勢と同じ姿勢を用いることとした。つまり、ピッチ方向についてはマーカ座標を用いた姿勢の補正処理を行わないこととした。ただし、他の実施形態においては、CPU10は、ピッチ方向についてもヨー方向と同様の方法でマーカ座標に基づいてピッチ方向に関する姿勢を算出するようにし、ピッチ方向についてもマーカ座標を用いた姿勢の補正処理を行うようにしてもよい。
ステップS26において、CPU10は、マーカ座標に基づく第3姿勢を用いて、角速度に基づく第1姿勢を補正する。具体的には、CPU10は、第1姿勢データ97および第3姿勢データ99をメインメモリから読み出し、第1姿勢を第3姿勢へ所定の割合で近づける補正を行う。この所定の割合は、例えば予め定められた固定値である。また、補正の対象となる第1姿勢は、上記ステップS23の処理によって第2姿勢を用いて補正が行われた後の第1姿勢である。以上のようにして得られた補正後の姿勢を表すデータが、新たな第1姿勢データ97としてメインメモリに記憶される。ステップS26の補正処理後における第1姿勢データ97が、最終的なコントローラ5の姿勢としてゴルフクラブ82の姿勢算出に用いられる。上記ステップS26の終了後、CPU10は姿勢算出処理を終了する。
上記姿勢算出処理によれば、CPU10は、角速度データ93に基づいて算出されたコントローラ5の第1姿勢を、加速度データ92およびマーカ座標データ94を用いて補正した。ここで、コントローラ5の姿勢を算出する方法のうち、角速度を用いる方法では、コントローラ5がどのように動いているときであっても姿勢を算出することができる。一方、角速度を用いる方法では、逐次検出される角速度を累積加算していくことによって姿勢を算出するので、誤差が累積すること等によって精度が悪くなったり、いわゆる温度ドリフトの問題でジャイロセンサ48の精度が悪くなったりするおそれがある。また、加速度を用いる方法は、誤差が蓄積しない一方、コントローラ5が激しく動かされている状態では、(重力方向を正確に検出することができないので)姿勢を精度良く算出することができない。また、マーカ座標を用いる方法は、(特にロール方向に関して)姿勢を精度良く算出することができる一方、マーカ部55を撮像できない状態では姿勢を算出することができない。これに対して、本実施形態によれば、上記のように特長の異なる3種類の方法を用いるので、コントローラ5の姿勢をより正確に算出することができる。なお、他の実施形態においては、上記3つの方法のうちいずれか1つまたは2つを用いて姿勢を算出するようにしてもよい。
図15の説明に戻り、ステップS10の姿勢算出処理の次にステップS11の処理が実行される。ステップS11において、CPU10は、コントローラ5の姿勢に基づいてゴルフクラブ82の姿勢を算出する。すなわち、CPU10は、第1姿勢データ97をメインメモリから読み出し、第1姿勢に基づいてゴルフクラブ82の姿勢を算出する。ここで、ゴルフクラブ82の姿勢は、コントローラ5の姿勢に対応するように算出される。具体的には、コントローラ5が上記基準姿勢となる場合におけるゴルフクラブ82の姿勢を基準姿勢とした場合、ゴルフクラブ82の姿勢は、コントローラ5が基準姿勢から回転した方向に応じた方向に、回転量に応じた回転量だけ、ゴルフクラブ82を基準姿勢から回転させた姿勢となるように設定される。なお、コントローラ5の基準姿勢は、コントローラ5の撮像方向が端末装置7のマーカ座標を向く姿勢であり、図12に示す端末用ゲーム画像が表示される場合で言えば、ボール画像83のやや右上を向く姿勢である。したがって、ゴルフクラブ82の基準姿勢は、ゴルフクラブ82のシャフトがボールのやや右上を向く姿勢とする。このように、ステップS11においては、現実空間におけるコントローラ5と端末装置7に表示されたボール画像83との関係が、仮想のゲーム空間におけるゴルフクラブ82とボールとの関係と一致するように、ゴルフクラブ82の姿勢がコントローラ5の姿勢に応じて算出される。以上のように算出されたゴルフクラブ82の姿勢を表すデータはメインメモリに記憶される。ステップS11の次にステップS12の処理が実行される。
ステップS12において、CPU10は、ステップS11で算出されたゴルフクラブ82の姿勢を補正する。ここで、上記ステップS11で算出される姿勢は、現実空間におけるコントローラ5の姿勢と一致するように算出される。そのため、仮にステップS11で算出された姿勢をそのまま用いるとすれば、プレイヤがスイング操作を行った場合におけるゴルフクラブ82の軌道は、ボールの位置を通過するとは限らず、ボールの位置を通過しない場合もあり得る。つまり、スイング操作を行ってもゴルフクラブ82がボールに当たらない(空振りする)可能性がある。したがって、ステップS11で算出された姿勢をそのまま用いる場合には、スイング操作の難易度が高くなりすぎてしまうおそれがある。そこで、本実施形態においては、CPU10は、スイング操作の結果空振りとならないように、ゴルフクラブ82の姿勢を補正する。以下、図18を参照して、ステップS12の補正処理について説明する。
図18は、ゲーム空間内に配置されるプレイヤキャラクタ等を示す図である。図18において、ベクトルV1は、ステップS11で算出された姿勢を示す。具体的には、ベクトルV1は、ステップS11で算出された姿勢となる場合におけるゴルフクラブ82のシャフトの向きを示す。ベクトルV2は、ステップS3による補正後の姿勢を示すベクトルを示す。点Pは、スイング操作によってゴルフクラブ82が回転移動する場合における回転の中心点である。平面Qは、ゴルフクラブ82が回転移動する平面(スイング平面と呼ぶ)である。つまり、ゴルフクラブ82は、このスイング平面上において回転移動する。
ゴルフクラブ82の姿勢を補正する際、CPU10はまず、ゴルフクラブ82の回転の中心点Pを設定する。中心点Pの位置は、プレイヤキャラクタ81の位置および向き、ならびに、ゴルフクラブ82の種類(番手)に応じて決められる。なお、プレイヤキャラクタの位置および向き、ならびに、ゴルフクラブ82の種類は、コントローラ5を用いてプレイヤによって操作可能としてもよいし、ゲーム装置3によって自動的に決められてもよい。また、他の実施形態においては、中心点Pの位置は、ボールの位置に対して固定的に決められてもよい。以上のようにして中心点Pが決まると、CPU10はスイング平面Qを設定する。スイング平面Qは、中心点Pとボールの位置とを含むように設定される。また、スイング平面Qは、所定の基準方向と平行となるように設定される。基準方向とは、プレイヤキャラクタ81がボールを飛ばす基準となる方向であり、ゴルフクラブ82のフェースがボールに真っ直ぐに当たった場合にボールが飛ぶ方向である。基準方向は、例えばプレイヤキャラクタ81の向きによって決められてもよい。
次に、CPU10は、ベクトルV1をスイング平面Qに投影したベクトルV2を算出する。ベクトルV2は、スイング平面Qに垂直な成分をベクトルV1から除去することで得ることができる。次に、CPU10は、ゴルフクラブ82の姿勢を、ベクトルV2の向きとなるように補正する。具体的には、CPU10は、ベクトルV1をベクトルV2の向きへ回転させる回転行列を算出し、ゴルフクラブ82の姿勢を当該回転行列によって回転させる。例えばゴルフクラブ82の姿勢が行列で表現される場合には、姿勢を表す行列に回転行列を掛けることで補正後の姿勢を算出することができる。
ステップS12の具体的な処理としては、CPU10は、ゴルフクラブ82の姿勢を表すデータをメインメモリから読み出し、当該姿勢により決められるベクトルV1からベクトルV2を算出し、上記回転行列を算出する。そして、算出した回転行列でゴルフクラブ82の姿勢を回転させることによって、補正後の姿勢を算出する。算出された補正後の姿勢を表すデータはメインメモリに記憶される。ステップS12の次にステップS13の処理が実行される。
ステップS13において、CPU10は、ステップS12で補正されたゴルフクラブ82の姿勢に基づいてゴルフクラブ82の位置を算出する。ゴルフクラブ82の位置は、上記スイング平面Q上の位置であって、ゴルフクラブ82のシャフトが中心点Pの方を向き(すなわち、シャフトの延長線上に中心点Pが位置する)、かつ、中心点Pから所定距離だけ離れた位置に決められる。これによって、ステップS12で算出したゴルフクラブ82の姿勢からゴルフクラブ82の位置が一意に決まる。また、上記のように位置を決めることによって、プレイヤによってスイング操作が行われた場合、ゴルフクラブ82は、中心点Pを中心としてスイング平面Q上で回転移動する。なお、上記所定距離は、ゴルフクラブ82が回転移動する場合におけるヘッドの軌道がボールの位置を通過するような距離である。CPU10は、ステップS12で算出した補正後の姿勢を表すデータをメインメモリから読み出し、当該姿勢に基づいてゴルフクラブ82の位置を算出する。そして、ステップS12で算出したゴルフクラブ82の補正後の姿勢と、ステップS13で算出したゴルフクラブ82の位置とを表すデータをクラブデータ100としてメインメモリに記憶する。ステップS13の次にステップS14の処理が実行される。
上記ステップS12の補正処理によって、ゴルフクラブ82の姿勢がスイング平面Qに平行な姿勢に補正され、上記ステップS13の処理によって、ゴルフクラブ82の位置がスイング平面Q上の位置に設定される。これによって、ゴルフクラブ82は、プレイヤによるスイング操作に応じてスイング平面Q上において回転移動を行い、さらに、回転移動を行った場合にゴルフクラブ82のヘッドはボールに必ず当たることになる。したがって、本実施形態によれば、スイング操作を行った場合に空振りが生じないので、スイング操作をより簡単にすることができ、操作のしやすいゴルフゲームを提供することができる。なお、他の実施形態においては、CPU10は、ステップS12の補正処理を実行しないようにしてもよい。また、CPU10は、補正処理によって補正を行う角度に上限を設けることによって、補正前のゴルフクラブ82のスイングの軌道がボールから離れすぎている場合には空振りとなるようにしてもよい。これらによれば、スイング操作の難易度を上げることができる。
ステップS14において、CPU10は、ゴルフクラブ82の速度を算出して記憶する。本実施形態においては、CPU10は、上記速度としてゴルフクラブ82の回転速度を算出する。具体的には、今回のステップS2〜S8の処理ループにおけるステップS13で算出されたゴルフクラブ82の姿勢と、前回のステップS2〜S8の処理ループにおけるステップS13で算出されたゴルフクラブ82の姿勢との差(すなわち、ゴルフクラブ82の回転速度)を算出する。なお、他の実施形態においては、ゴルフクラブ82のヘッドの位置の差がゴルフクラブ82の速度として算出されてもよい。算出されたゴルフクラブ82の速度を表す速度データはメインメモリに記憶される。メインメモリには、新しいものから順に所定個数の速度データ(すなわち、過去数フレームにおける速度データ)が記憶される。ステップS14の次にステップS15の処理が実行される。
ステップS15において、CPU10は、ゴルフクラブ82とボールとが接触したか否かを判定する。すなわち、CPU10は、クラブデータ100およびボールデータ101をメインメモリから読み出し、ゴルフクラブ82の位置とボールの位置とに基づいて上記の判定を行う。ステップS15の判定結果が肯定である場合、ステップS16の処理が実行される。一方、ステップS15の判定結果が否定である場合、ステップS16およびS17の処理がスキップされ、後述するステップS18の処理が実行される。
なお、上記ステップS15の判定においては、ゴルフクラブ82とボールとが接触することを少なくとも条件とすればよい。他の実施形態においては、例えば、(a)コントローラ5の所定のボタンが押下されていること、(b)接触時のゴルフクラブ82の速度が所定の速度以上であること、および(c)ゴルフクラブ82の振り幅(バックスイングの大きさ)が所定距離以上であること、等を追加の条件としてもよい。これらの追加の条件を設けることによって、例えばプレイヤがゴルフクラブ82のヘッドの向きを確認するためにコントローラ5を端末装置7の方へ向けた場合に、誤ってヘッドをボールに接触させてしまい、後述するステップS16〜S18の処理によってボールが移動されてしまうことを防止することができる。
ステップS16において、CPU10は、ゴルフクラブ82の速度に基づいてボールの移動速度を算出する。具体的には、CPU10はまず、ボールの移動速度を決定するためのゴルフクラブ82の速度として、過去数フレームにおけるゴルフクラブ82の平均速度を算出する。すなわち、CPU10は、上記所定個数の速度データをメインメモリから読み出し、各速度データが表す速度の平均速度を算出する。次に、CPU10は、算出された平均速度に応じてボールの速度を決定する。例えば、平均速度に所定の定数を乗じた値をボールの速度として算出する。なお、他の実施形態においては、ゴルフクラブ82の速度に加え、バックスイングの大きさ等に基づいてボールの移動速度を算出するようにしてもよい。算出されたボールの速度を表すデータはメインメモリに記憶される。ステップS16の次にステップS17の処理が実行される。
ステップS17において、CPU10は、ゴルフクラブ82の姿勢に基づいてボールの移動方向を算出する。すなわち、CPU10は、クラブデータ100を読み出し、現時点、すなわち、ボールに当たった時点におけるゴルフクラブ82のフェース面に垂直な方向をボールの移動方向として算出する。算出されたボールの移動方向を表すデータはメインメモリに記憶される。なお、上記ステップS11においては、コントローラ5の上記先端方向(Z軸正方向)の向きとゴルフクラブ82のシャフトの向きとが対応するようにゴルフクラブ82の姿勢が制御されるので、本実施形態においては、フェース面の向きは、コントローラ5のZ軸回りの回転に関する姿勢に応じて変化する。つまり、プレイヤは、コントローラ5をZ軸回りに回転させる(ひねる)ことによって、フェース面の向きを変化させることができる。なお、他の実施形態においては、CPU10は、フェース面の向きに加えて(または代えて)、ステップS12の補正前におけるゴルフクラブ82の姿勢から算出されるゴルフクラブ82の軌道(ヘッドの軌道)に基づいてボールの移動方向を算出するようにしてもよい。ステップS17の次にステップS18の処理が実行される。
以上のステップS16およびS17の処理によって、プレイヤキャラクタ81がボールを打った時のボールの飛び出し速度および飛び出し方向が決まる。ここで、本実施形態によれば、ゴルフクラブ82でボールを打った時点におけるゴルフクラブ82の速度(すなわち、コントローラ5を振る速度)に応じてボールの移動速度が決まる。また、ゴルフクラブ82でボールを打った時点におけるゴルフクラブ82のフェース面の向き(すなわち、コントローラ5のZ軸回りの回転に関する姿勢)に応じてボールの移動方向飛び出し方向が決まる。したがって、プレイヤは、コントローラ5を用いてスイング操作を行うことによって、実際のゴルフクラブを振る場合と同様にボールの飛び出し速度および飛び出し方向を操作することができる。すなわち、本実施形態によれば、より現実感のあるスイング操作を提供することができる。
また、上記のように、ボールの移動方向は、コントローラ5を端末装置7に向けた場合におけるコントローラ5のロール方向に関する姿勢(Z軸回りの回転に関する姿勢)に応じて決められる。ここで、本実施形態では、コントローラ5の姿勢算出のためにマーカ座標データ94を用いるので、ロール方向に関する姿勢を正確に算出することができる。したがって、プレイヤは、コントローラ5のロール方向に関する姿勢によってボールの移動方向を正確に制御することができ、スイング操作をより現実感のあるものにすることができる。
また、上記ステップS15〜S17の処理によれば、ゴルフクラブ82とボールとが接触した場合(ステップS15でYes)に、ボールの移動が開始される(ステップS16およびS17)。つまり、本実施形態においては、コントローラ5の先端方向が端末装置7に表示されるボール画像83の方を向く場合に、ゴルフクラブ82とボールとが接触したと判定される結果、ボールが移動される。これによれば、プレイヤは、コントローラ5の先端方向をボール画像83の方へ向けることでボールを打つことができるので、コントローラ5によってボールを実際に打っているような感覚でゲーム操作を行うことができる。したがって、本実施形態においては、より現実感のあるゲーム操作を提供することができる。
ステップS18において、CPU10はボールの移動を制御する。ここで、ボールが打たれる前(ゴルフクラブ82とボールとが接触する前)においては、ボールは停止しているように制御される。また、ボールが打たれた場合(ゴルフクラブ82とボールとが接触した場合)においては、ボールの挙動(ボールがどのような軌道に沿ってどのような速度で移動するか)が移動速度および移動方向に応じて決められる。ボールの挙動の算出方法はどのような方法であってもよいが、CPU10は、例えば、重力や、空気抵抗や、地形に当たった場合の跳ね返り等の影響を考慮して挙動を計算する。さらに、ボールが打たれた後においては、CPU10は、計算された挙動に従ってボールを移動させる。すなわち、現在のボールの位置から、計算された挙動に従って1フレーム分の距離だけ移動したボールの位置が算出される。具体的には、CPU10は、ボールデータ101をメインメモリから読み出し、計算された挙動に基づいて移動後のボールの位置を算出する。算出されたボールの位置を表すデータは、新たなボールデータ101としてメインメモリに記憶される。以上より、ボールが打たれた後においては、ステップS18の処理によってボールの位置が毎フレーム更新されることによって、ボールが移動する様子が表現される。ステップS18の次にステップS19の処理が実行される。
ステップS19において、CPU10は、ボールの位置に基づいて仮想カメラの位置および姿勢を制御する。本実施形態では、仮想カメラは、ボールが視野範囲に含まれるように設定される。具体的には、ボールの停止時においては、仮想カメラは、プレイヤキャラクタ81、ゴルフクラブ82、ボールが視野範囲に含まれるように、固定的に設定される(図11参照)。また、ボールの移動中においては、仮想カメラは、ボールが視野範囲に含まれるように、ボールの移動に応じて移動するように制御される。以上のようにして設定された仮想カメラの位置および姿勢を表すデータは、カメラデータ102としてメインメモリに記憶される。
なお、上記ステップS19の処理において、仮想カメラは、少なくとも移動後のボールを視野範囲に含むように設定されればよい。例えば、ボールの移動前においては、いわゆる一人称視点のゲーム画像を生成するべく、プレイヤキャラクタ81の位置から上記基準方向を向く姿勢となるように仮想カメラが設定されてもよい。
また、上記ステップS19の処理において、仮想カメラの具体的な制御方法はどのような方法でもよく、例えば、プレイヤキャラクタ付近の位置に仮想カメラが配置されてもよいし、ボールから一定距離となる位置に仮想カメラが配置されてもよい。また、ボールの移動途中において仮想カメラの位置がボールの位置に応じて適宜切り替わるようにしてもよい。なお、ボールが速く移動する場合に仮想カメラをボールの移動に応じて速く移動させると、見にくいゲーム画像となってしまうので、これを防止すべく、仮想カメラの移動やズームの変化の度合を所定値以下に制限する場合がある。また、ボールの移動中にボールが他のオブジェクトの後ろに隠れて仮想カメラの位置からは見えなくなる場合も考えられる。これらの場合には、ボールの移動中においてボールが一時的に表示されない期間が生じてもよい。つまり、仮想カメラは、ボールの移動に応じて設定されるが、必ずしも、ボールの移動中の全期間においてボールが常に表示される必要はない。以上のステップS19の後、CPU10はゲーム制御処理を終了する。
以上に説明したゲーム制御処理によれば、コントローラ5の姿勢に応じてゴルフクラブ82の姿勢が制御され、コントローラ5を用いたスイング操作によってゴルフクラブ82が動作する。また、ゴルフクラブ82によってボールが打たれた場合には、ボールが移動する様子がテレビ2に表示される。なお、下記の処理は従来のゴルフゲームにおける処理と同様であってもよいので詳細は省略するが、上記ゲーム制御処理においては、ステップS10〜S19の処理の他、ゴルフゲームに必要な処理が適宜実行される。例えば、プレイヤがスイング操作を行う前においては、プレイヤキャラクタ81の位置および向きをプレイヤの操作に応じて変更する処理や、ゴルフクラブの種類をプレイヤの操作に応じて変更する処理が実行される。これらの処理によって、プレイヤは、ボールを打つ大まかな方向(上述した基準方向)や、ゴルフクラブの種類を自由に決めることができる。また、スイング操作中においては、ゴルフクラブ82の動作に合わせてプレイヤキャラクタ81にスイング動作を行わせる処理が実行される。上記の他、ゲーム制御処理においては、移動していたボールが停止した場合にプレイヤキャラクタの位置を変更し、再度のスイング操作を可能とする処理等が必要に応じて実行されることによって、ゴルフゲームが進行する。
図14の説明に戻り、ステップS3のゲーム制御処理の次にステップS4の処理が実行される。ステップS4においては、CPU10およびGPU11bによってテレビ用ゲーム画像が生成される。すなわち、CPU10およびGPU11bは、カメラデータ102をメインメモリから読み出し、仮想カメラから見たゲーム空間の画像(仮想カメラの位置から仮想カメラの姿勢で見たゲーム空間の画像)をテレビ用ゲーム画像として生成する。本実施形態においては、プレイヤキャラクタ81がボールを打つ前においては、プレイヤキャラクタ81の後方から、プレイヤキャラクタ81、ゴルフクラブ82、およびボールを含むテレビ用ゲーム画像が生成される(図11参照)。また、ボールの移動中においては、ボールを含むテレビ用ゲーム画像が生成される。生成されたテレビ用ゲーム画像はVRAM11dに記憶される。上記ステップS4の次にステップS5の処理が実行される。
ステップS5において、CPU10およびGPU11bによって端末用ゲーム画像が生成される。本実施形態では、予め用意された画像データを用いて端末用ゲーム画像が生成される。なお、この画像データは、ゲームプログラム90とともに光ディスク4に記憶されており、適宜のタイミングでメインメモリに読み込まれる。本実施形態では、端末用ゲーム画像は、図11に示すように、地面画像85の上に、ボール画像83とヘッド画像84とを配置(描画)することによって生成される。なお、他の実施形態においては、端末用ゲーム画像は少なくともボール画像83を含むものであればよい。また、端末用ゲーム画像は、ボール画像83に加えて、ヘッド画像84および地面画像85のいずれか一方のみを含むものであってもよい。
地面画像85については、フェアウェイ、ラフ、バンカー、グリーン等の複数種類の地面を表す画像データがメインメモリに記憶されており、ボールが配置される地面の種類に応じた種類の画像データが端末用ゲーム画像に用いられる。なお、ボールの状態(ライ。例えば、バンカーの砂やラフの芝にボールが埋もれている度合)に応じて、異なる種類の画像データが用意されてもよい。本実施形態においては端末用ゲーム画像には地面画像85が含まれるので、ゲーム空間内におけるボールの状態をプレイヤが容易に確認することができるとともに、端末用ゲーム画像をより現実感のあるものにすることができる。
ボール画像83は、地面画像85の上に重ねて描画される。ボール画像83は、よりリアリティを増すべく、LCD61に実物大で表示されることが好ましい。また、画面上におけるボール画像83の表示位置は、所定位置に固定されてもよい。ボール画像83が端末装置7に表示されることによって、プレイヤはコントローラ5で実際にボールを打つような感覚でスイング操作を行うことができる。
ヘッド画像84は、ゲーム空間におけるゴルフクラブ82の姿勢に応じた位置に、地面画像85の上に重ねて描画される。具体的には、端末用ゲーム画像におけるヘッド画像84とボール画像83との位置関係が、ゲーム空間におけるゴルフクラブ82のヘッドとボールとの位置関係と一致するように、ヘッド画像84の位置は決定される。なお、「ゲーム空間におけるゴルフクラブ82のヘッドとボールとの位置関係」とは、ゲーム空間を上から下向きに見たときの位置関係である。上記によれば、コントローラ5の上記先端方向(Z軸正方向)が、当該先端方向が端末装置7を向く方向を含む所定範囲内の方向となる場合にヘッド画像84が表示され、当該先端方向が当該所定範囲内の方向から外れる場合には、ヘッド画像84が表示されない。これによれば、コントローラ5の上記先端方向が端末装置7の方を向いた場合にヘッド画像84が表示されるので、プレイヤは、コントローラ5がゴルフクラブの一部であるかのように感じ、スイング操作の現実感を増すことができる。
なお、他の実施形態においてゴルフクラブ82の姿勢の補正処理(ステップS12)を行わない場合には、CPU10は、コントローラ5の先端方向が指し示す位置をコントローラ5の姿勢に基づいて算出し、算出された位置にヘッド画像84を配置してもよい。なお、「コントローラ5の先端方向が指し示す位置」とは、端末装置7のLCD51の画面上の位置であり、理想的には、コントローラ5の先端方向(Z軸を正方向に延ばした直線)と画面との交点の位置である。ただし実際には、ゲーム装置3は、上記交点の位置を厳密に算出する必要はなく、当該交点の位置付近の位置を算出すればよい。
また、画面におけるヘッド画像84の向きは、ゴルフクラブ82のシャフトを軸とした回転に関する姿勢に応じて、すなわち、コントローラ5のZ軸回りの回転に関する姿勢に応じて決められる。これによれば、コントローラ5の動きに合わせてヘッド画像84をよりリアルに表示することができるので、スイング操作の現実感をより増すことができる。また、本実施形態においてはヘッドの向きに応じてボールの移動方向が変化する(ステップS17)が、プレイヤはヘッド画像84を見ることでヘッドの向きを確認することができるので、スイング操作の操作性を向上することができる。
以上のように、ヘッド画像84の位置および向きは、端末装置7の画面におけるヘッド画像84とボール画像83との位置関係が、ゲーム空間内におけるゴルフクラブ82のヘッドとボールとの位置関係と一致するように決定される。例えば、コントローラ5の先端方向がボール画像83の右側の位置を指す状態においては、ヘッド画像84はボール画像83の右側に表示される(図12参照)。そして、その状態からコントローラ5が指し示す位置を右側へ移動させた場合、ヘッド画像84は右側へ移動し(図12に示す点線参照)、その状態から先端方向を軸として回転するようにコントローラ5の姿勢を変化させた場合、ヘッド画像84の向きが変化する(図12に示す一点鎖線参照)。
上記ステップS5の処理によって、地面画像85の上にボール画像83とヘッド画像84とが配置された端末用ゲーム画像が生成され、端末用ゲーム画像は、プレイヤが足下に置かれたボールを実際に見る場合と同じような画像となる。これによって、スイング操作をより現実感のあるものにすることができる。
また、本実施形態においては、ゲーム装置3は、ゲーム空間内に仮想カメラを設定する方法ではなく、予め用意された画像データを用いる方法によって第2画像を生成する。なお、仮想カメラを用いる方法で端末用ゲーム画像を生成する場合、リアルで詳細な画像を生成しようとすれば、ゲーム空間を構成する地形等のモデル(オブジェクト)を詳細に構築する必要がある。しかし、地形等のモデルを詳細に構築すると、モデルのデータ量が大きくなるとともに、仮想カメラから見たゲーム空間の画像を生成するための変換処理等の処理負荷が大きくなる。さらに、テレビ用ゲーム画像では端末用ゲーム画像よりも広い範囲のゲーム空間が表示されるので、テレビ用ゲーム画像を生成するためにはあまり詳細なモデルは不要であるにもかかわらず、端末用ゲーム画像を生成するために詳細なモデルを構築することによって、テレビ用ゲーム画像の生成処理の処理負荷までも大きくなってしまう。
これに対して、本実施形態のように予め用意された画像データを用いる方法によれば、上記変換処理は必要ないので、画像生成処理の処理負荷を小さくすることができる。また、地形のモデルを用いて端末用ゲーム画像を生成しないので、地形のモデル自体を詳細に構築することなく、詳細でリアルな画像を生成することができる。さらに、地形のモデル自体を詳細に構築しないので、モデルのデータ量を小さくすることができ、テレビ用ゲーム画像の生成処理の処理負荷も小さくすることができる。以上のように、本実施形態における端末用ゲーム画像の生成処理(ステップS5)によれば、簡易な処理でよりリアルなゲーム画像を生成することができる。
なお、他の実施形態においては、上記ステップS5においてゲーム装置は、仮想カメラを用いる方法によって端末用ゲーム画像を生成するようにしてもよい。すなわち、ゲーム空間においてボールの上方に仮想カメラを下向けに配置し、仮想カメラの位置から仮想カメラの姿勢でゲーム空間を見た画像を端末用ゲーム画像として生成するようにしてもよい。また、ゲーム装置3は、仮想カメラを用いて端末用ゲーム画像の一部の画像を生成してもよい。例えば、仮想カメラを用いる方法によってボール画像およびクラブ画像を生成し、上記実施形態と同様の方法によって地面画像を生成するようにしてもよい。
上記ステップS5の次のステップS6において、CPU10は、ステップS4で生成されたテレビ用ゲーム画像をテレビ2へ出力する。具体的には、CPU10は、VRAM11dに記憶されたテレビ用ゲーム画像の画像データをAV−IC15へ送り、AV−IC15はAVコネクタ16を介してテレビ2へ当該画像データを出力する。これによって、テレビ用ゲーム画像がテレビ2に表示される。なお、ゲーム処理においてゲーム音声が生成される場合には、上記テレビ用ゲーム画像と同様にゲーム音声がテレビ2に出力され、スピーカ2aから出力されてもよい。ステップS6の次にステップS7の処理が実行される。
ステップS7において、CPU10は、ステップS5で生成された端末用ゲーム画像を端末装置7へ出力する。具体的には、VRAM11dに記憶された端末用ゲーム画像の画像データは、CPU10によってコーデックLSI27に送られ、コーデックLSI27によって所定の圧縮処理が行われた後、端末通信モジュール28によってアンテナ29を介して端末装置7へ送信される。端末装置7は、ゲーム装置3から送信されてくる画像データを無線モジュール70によって受信し、コーデックLSI66を用いて所定の伸張処理を行う。伸張処理が行われた画像データはLCD61に出力される。これによって、端末用ゲーム画像がLCD61に表示される。なお、ゲーム処理においてゲーム音声が生成される場合には、上記端末用ゲーム画像と同様にゲーム音声が端末装置7に出力され、コーデックLSI66によって伸張処理が行われた後、スピーカ67から出力されてもよい。ステップS7の次にステップS8の処理が実行される。
ステップS8において、CPU10は、ゲームを終了するか否かを判定する。ステップS7の判定は、例えば、ホールアウトしたか否か、ゲームオーバーになったか否か、あるいは、プレイヤがゲームを中止する指示を行ったか否か等によって行われる。ステップS8の判定結果が否定の場合、ステップS2の処理が再度実行される。一方、ステップS8の判定結果が肯定の場合、CPU10は図14に示すゲーム処理を終了する。以降、ステップS2〜S8の一連の処理は、ステップS8でゲームを終了すると判定されるまで繰り返し実行される。
以上のように、上記実施形態によれば、端末装置7には、ボールの周囲のゲーム空間を上から見た画像が表示され(ステップS7)、テレビ2には、プレイヤキャラクタやボールを含むゲーム空間を後ろからみた画像が表示される(ステップS6)。また、プレイヤは、コントローラ5を用いてスイング操作を行うことでゲーム空間内のゴルフクラブ82をスイングすることができる(ステップS3)。したがって、端末装置7を床面に載置する場合には、実際のゴルフであればボールが置かれている位置にボール画像83が表示されることになるので、プレイヤは、実際にボールを打っているような操作感覚で上記スイング操作を行うことができる。このように、上記実施形態によれば、テレビ2にゲーム画像が単に表示される場合に比べて、より現実感のあるゴルフゲームを提供することができる。
なお、上記実施形態では、スイング操作をより現実感のあるものとする目的で端末装置7にはボール付近のゲーム空間が表示されるので、スイング操作によって移動させられた後のボールの様子を端末装置7で見やすく表示することは難しい。これに対して、上記実施形態によれば、移動後のボールの様子はテレビ2に表示されるので、移動後のボールの様子を確実にプレイヤに提示することができる。
また、上記実施形態によれば、コントローラ5の所定軸が端末装置7の方を向く場合に、ヘッド画像84が端末装置7に表示される。したがって、プレイヤは、端末装置7を見ることで、コントローラ5の動きに連動してゴルフクラブ82が動いている感覚を得ることができ、より現実感のある操作を行うことができる。
また、上記実施形態においては、ゲーム装置3は、撮像画像に関する撮像データ(具体的にはマーカ座標データ94)に基づいてコントローラ5の姿勢を算出している(ステップS25およびS26)ので、コントローラ5の姿勢を正確に算出することができる。さらに、ゲーム装置3は、コントローラ5の撮像装置(撮像素子40)が撮像対象(マーカ部55)を撮像している場合には、コントローラ5の先端方向が、端末装置7を向く方向を含む所定範囲内の方向となるように、コントローラ5の姿勢を算出する。つまり、上記実施形態によれば、コントローラ5の先端方向が端末装置7の方を向いているか否かを正確に判断することができる。
ここで、仮にマーカ座標データ94を用いずに、加速度データ92や角速度データ93を用いてコントローラ5の姿勢を算出する場合を想定する。この場合、ゲーム装置3は、端末装置7とコントローラ5との位置関係を判断することができないので、コントローラ5の先端方向が端末装置7の方を向いているか否かを正確に判断することができない。また、上記実施形態では、プレイヤが端末装置7の画面の下方向の位置に立つことを想定している(図11参照)が、実際にはプレイヤがこのような位置に立ってゲームを行うとは限らない。したがって、上記の想定において、プレイヤが上記位置に立っていない場合には、コントローラ5の先端方向がLCD61に表示されるボール画像83の方を向いていない状態でゴルフクラブ82がボールに当たるおそれがあり、プレイヤはゲーム操作に違和感を抱くおそれがある。これに対して、上記実施形態では、マーカ座標データ94を用いてコントローラ5の姿勢を算出するので、プレイヤの位置が正しい位置におらずどのような位置にいても、ゲーム装置3は、コントローラ5の先端方向が端末装置7の方を向いているか否かを正確に判断することができる。つまり、コントローラ5の先端方向がLCD61に表示されるボール画像83の方を向いている状態のときにゴルフクラブ82がボールに当たるように確実に制御することができ、上記のような違和感をプレイヤに与えることを防止することができる。ただし、他の実施形態においては、ゲーム装置3はマーカ座標データ94を用いずに端末装置7の姿勢を算出するようにしてもよい。
[7.変形例]
上記実施形態は本発明を実施する一例であり、他の実施形態においては例えば以下に説明する構成で本発明を実施することも可能である。
(端末装置の動きをゲーム処理に反映させる変形例)
上記実施形態においては、端末装置7において取得される端末操作データはゲーム処理には用いられず、端末装置7の動きや姿勢や位置はゲーム処理に反映されなかった。ここで、他の実施形態においては、ゲーム装置3は、端末操作データをゲーム処理に用い、端末装置7の動き等をゲーム処理に反映させるようにしてもよい。例えば、ゲーム装置3は、磁気センサ62の方位データ、加速度センサ63の加速度データ、およびジャイロセンサ64の角速度データに基づいて端末装置7の姿勢を算出し、LCD61の画面に垂直な軸回りの回転に関する端末装置7の姿勢に応じて、上述した所定の基準方向を決定するようにしてもよい。これによれば、プレイヤは、端末装置7の向きを変えることで基準方向を変更することができる。
(マーカ装置6を用いる変形例)
上記実施形態では、コントローラ5の姿勢を算出するためのマーカ座標データを得るために、端末装置7のマーカ部55が用いられ、マーカ装置6は用いられなかった。ここで、他の実施形態においては、ゲームシステム1は、マーカ部55と共に(またはマーカ部55に代えて)、マーカ装置6を点灯(発光)させるようにしてもよい。なお、マーカ部55とマーカ装置6の両方を発光するとした場合、上記実施形態では、コントローラ5がマーカ部55を撮像している状態と、コントローラ5がマーカ装置6を撮像している状態との両方の状態において、上記ステップS25およびS26の処理が実行される。したがって、ゲーム装置3はコントローラ5の姿勢をより正確に算出することができる。
ここで、マーカ部55とマーカ装置6の両方が発光する場合には、ゲーム装置3は、コントローラ5がマーカ部55とマーカ装置6のいずれを撮像しているのかを区別できず、一方を他方と誤検出してしまう結果、コントローラ5の姿勢を正確に算出することができないおそれがある。そのため、ゲームシステム1は、例えば次のような方法で誤検出を防止するようにしてもよい。
例えば、ゲーム装置3は、ゲーム中においてマーカ部55とマーカ装置6の一方を点灯している場合には他方を点灯しないように制御してもよい。また、ゲーム装置3は、コントローラ5の姿勢に基づいて、コントローラ5がマーカ部55とマーカ装置6のいずれを撮像しているか(すなわち、コントローラ5の先端方向がマーカ装置6の方を向いているか、マーカ部55の方を向いているか)を判断するようにしてもよい。なお、この判断に用いるコントローラ5の姿勢は、例えば加速度センサ37やジャイロセンサ48の検出結果に基づいて算出することができる。例えば、上記実施形態の場合には、コントローラ5の先端方向が下向きに近い場合には、コントローラ5はマーカ部55の方を向いていると判断することができ、コントローラ5の先端方向が水平方向に近い場合には、コントローラ5はマーカ装置6の方を向いていると判断することができる。また、他の実施形態においては、マーカ部55とマーカ装置6とでマーカの形状および/または数等を異なるようにして、ゲーム装置3が両者を区別することができるようにしてもよい。
(コントローラ5を用いたゲーム操作に関する変形例)
上記実施形態においては、コントローラ5は、操作装置の動きに応じた動きデータとして、加速度データ、角速度データ、およびマーカ座標データをゲーム装置3へ送信し、ゲーム装置3は、動きデータに基づいて操作装置の姿勢を算出し、算出した姿勢に基づいてゲームのオブジェクト(ゴルフクラブ82およびボール)を移動させた。ここで、他の実施形態においては、コントローラ5は動きデータとして上記の各データ以外のデータを送信してもよい。例えば、コントローラ5は磁気センサを備え、磁気センサが検出する方位データをゲーム装置3へ送信してもよい。
また、ゲーム装置3は、コントローラ5の姿勢に限らず、コントローラ5の動きを表す情報であれば他の情報を算出するようにしてもよく、例えば、コントローラ5の位置や加速度等を算出するようにしてもよい。また、コントローラ5の動きに応じたオブジェクトの制御に関しては、コントローラ5の動きに応じてオブジェクトが移動されればよく、具体的な制御方法はどのようなものであってもよい。例えば、上記実施形態のようなゴルフゲームにおいては、ゲーム装置3は、加速度データ等に基づいてコントローラ5の振りの動き(コントローラ5を振る動作)を検出し、振りの動きが検出されたことに応じてゴルフクラブ82を移動させるようにしてもよい。
(ゲーム空間に設定されるオブジェクトに関する変形例)
上記実施形態においては、ゲーム空間には、移動させる対象となるオブジェクトであるボールのオブジェクトの他、ゴルフクラブ82のオブジェクトが設定された。そして、コントローラ5に関する操作データ91に基づいてゴルフクラブ82の動作が制御され、ゴルフクラブ82の動作に応じてボールの移動が制御された。ここで、他の実施形態においては、ゲーム空間には移動の対象となるオブジェクト(上記実施形態ではボールのオブジェクト)が少なくとも設定されればよく、ゴルフクラブのオブジェクトは設定されなくてもよい。ゴルフクラブのオブジェクトが設定されない場合、ボールの移動は、コントローラ5に対する操作(操作データ91)に基づいて制御されてもよい。例えば、CPU10は、コントローラ5を振る動作を検出し、当該動作が検出されたことに応じて所定の方向へ所定の速度でボールを移動させてもよい。また例えば、CPU10は、コントローラ5の姿勢に基づいてボールの移動方向や移動速度を算出するようにしてもよい。また、ゴルフクラブのオブジェクトが設定されない場合、テレビ用ゲーム画像は、ゴルフクラブの画像を含まないゲーム画像が生成されてもよく、例えば、一人称視点でプレイヤキャラクタの前方を見たゲーム空間を表すゲーム画像がテレビ用ゲーム画像として生成されてもよい。なお、上記の場合、端末用ゲーム画像にはヘッド画像が含まれてもよいし、含まれなくてもよい。端末用ゲーム画像にヘッド画像が含まれる場合、ヘッド画像の位置および向きは、コントローラ5の姿勢に基づいて算出されてもよい。具体的には、ヘッド画像は、コントローラ5のZ軸方向が指し示す位置に、Z軸回りの回転に応じた向きとなるように配置されてもよい。
(他のゲーム例)
本実施形態においてはゲーム装置3がゴルフゲームを実行する場合について説明したが、ゲームシステム1において行われるゲームの内容はどのようなゲームであってもよい。例えば、コントローラ5による操作対象となるオブジェクト(クラブ等)と、当該オブジェクトによって打つことで移動されるオブジェクト(ボール等)とが登場するゲームとしては、ゲートボールやビリヤードのゲームが考えられる。本発明は、これらのゲームにおいても適用することが可能である。例えば、ゲートボールのゲームにおいては、LCD61の画面にボールの画像を表示するとともに、端末装置7を上記実施形態と同様に床面に配置する。そして、スティックを振るような動作をコントローラ5を用いてプレイヤが行うことで、ゲーム空間におけるスティックでボールを打つことができるようにしてもよい。また、ビリヤードのゲームにおいては、LCD61の画面にボールの画像を表示するとともに、端末装置7を画面が鉛直方向に平行となるように配置する。そして、画面に表示されたボールの画像をコントローラ5で突くような動作をコントローラ5を用いてプレイヤが行うことで、ゲーム空間におけるキューでボールを打つことができるようにしてもよい。このように、本実施形態におけるゲームシステムでは、端末装置7は可搬型の表示装置であり、ゲーム内容に応じて端末装置7の配置を自由に変更することができるので、本ゲームシステムを種々のゲームに適用することができる。
(ゲーム処理を実行する装置に関する変形例)
上記実施形態においては、図14に示す一連のゲーム処理をゲーム装置3が実行したが、ゲーム処理の一部は他の装置によって実行されてもよい。例えば、他の実施形態においては、ゲーム処理の一部(例えば、端末用ゲーム画像の生成処理)を端末装置7が実行するようにしてもよい。また、他の実施形態では、互いに通信可能な複数の情報処理装置を有するゲームシステムにおいて、当該複数の情報処理装置がゲーム処理を分担して実行するようにしてもよい。