JP2012100711A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】生理用ナプキンなどの吸収物品の経血等の汚れを必要以上に拡散させず吸収体の両側のサイドシール部の工夫によって手もみの手洗いで良好に除去し、かつ吸収体素材の破出が効果的に抑えられる易洗浄吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収層及び防漏層を備えた縦長の吸収性本体とサイドシート5とを有する吸収性物品100であって、サイドシートにはサイドシール部4が配設され、該サイドシール部には平面視して幅方向に振幅する複数の波形及び/又はジグザグ形状からなるシールパターンが少なくとも排泄部対向領域に形成されており、前記サイドシール部には、前記波型及び/又はジグザグシール部分の幅方向外方先端部を含む先端領域に前記非フィルム化領域が形成され、該非フィルム化領域より幅方向内方の領域にフィルム化領域が形成されている吸収性物品。
【選択図】図1

Description

本発明は、生理用ナプキン、パンティーライナー等の吸収性物品(女性用吸収性物品)に関し、より詳しくは、使用中の防漏性は確保したまま、使用後もみ洗いのような水洗いによって、吸収した経血等の赤みを容易に洗浄除去できる吸収性物品に関する。
生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品については、その地域により性能について多様なニーズがある。例えばインドネシア、マレーシア等を主な居住圏とする一部の人々には、使用済みの生理用ナプキンを水で洗浄し、吸収した経血等を洗い流してから廃棄する習慣がある。この洗浄は、例えば、一方の手で水をかけつつ他方の手で生理用ナプキンを揉み洗ったり、絞ったりと、生理用ナプキンに幅方向内方への圧力をかけることでなされる。従来、このような洗浄に適した生理用ナプキンとしては、布製のナプキンや、パルプ繊維を主体とし吸水性ポリマーを含まない吸水性材料で構成されたものであった。しかし、このような吸水性ポリマーを含まない生理用ナプキンは、経血等の吸収・保持性能が低いことによる液戻りを抑えるためパルプ繊維を多量に使用される必要があった。そのため生理用ナプキンはパルプ繊維の嵩高さのために厚くなってしまい、特に折り畳まれ包装されている状態でかさ張りやすくて、持ち歩きに不便であると共に、装着感が悪かった。
このような問題に対し、特許文献1には、パルプ繊維に吸水性ポリマーを配した洗浄し易いものに改良したものが開示されている。この吸水性ポリマーは、カルボキシ基及び/又はカルボキシレート基を有しかつ、所定の中和度などの物性を有するものであり、経血中のヘモグロビン等の赤み成分との付着を弱めたものであり、使用後の水洗によって経血等の赤みを容易に除去できるようにしたものである。
生理用ナプキンやおむつなどの吸収性物品には特許文献2のように、サイドシールを施し防漏性を確保している。
特開2010−17536号公報 特開2006−280765号公報
上記の生理用ナプキンは、使用時には吸収体両側のサイドシール部によって防漏性を確保しているが、その一方で、洗浄時には、サイドシール部が側部方向への通液を阻害して長手方向へのみ通液され易くなることで、洗浄水が外に排出されにくくなることによる洗浄スピードが十分でないという課題が存在した。また、液が排出されない状態で揉み洗いすることで、ナプキンの特定部分に大きな力が加わり易く、生理用ナプキンの周縁部や表面材料等が破れて、吸収体素材が破出(内部の吸収体を構成する繊維材等が漏れ出てしまうこと)することがある。また、その結果、繊維材等で洗い場の周囲を汚してしまうばかりか、水洗しても経血等を該ナプキンの表面付近における平面方向に拡散させるだけとなり、使用後の生理用ナプキンの経血等をナプキン内部については洗浄除去できず、十分洗浄されないままとなってしまう。
本発明の課題は、使用時においては、吸収体両側のサイドシール部によって使用時の防漏性を確保したまま、使用後の生理用ナプキンなどの吸収性物品を洗浄する際、吸収体中の経血等を速やかにかつ良好に除去し、さらには吸収体素材の破出が効果的に抑えられる易洗浄吸収性物品を提供することにある。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、物品本体の両側の肌当接面側でシート部材をシールする部分において非フィルム化領域を形成することで洗浄水を効果的に排出できることを見い出した。具体的には、不織布からなるサイドシートに施されるサイドシール部の平面視形状を幅方向に振幅する複数の波型及び/又はジグザグ形状からなるシールパターンとし、該シール部の製品外側寄りの幅方向外方に凸な部分(波外側領域、又は単に先端領域という。)を非フィルム化し、製品内側寄りの部分(波内側領域)をフィルム化する。前記波内側領域で使用時の防漏性を確保しつつ、前記先端領域で洗浄水の幅方向外方への洗浄水の排出を良好なものとし、揉み洗いによっても物品内部の部材の破出を防止できることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
本発明において、吸収した経血等を表面上で拡散させずに内部に至るまで効果的に洗浄することができるのは(1)吸収体に供給された洗浄水の吸収体中の内部通過、(2)汚染洗浄水の吸収体からの外部への排出、の2つが効率的に両立しているためと考えられる。
すなわち本発明は、液保持性の吸収層及び液不透過性の防漏層を備えた縦長の吸収性本体と、該吸収性本体の肌当接面側における長手方向の両側部それぞれに配された不織布からなる一対のサイドシートとを有する吸収性物品であって、前記それぞれのサイドシートには、前記吸収性本体の長手方向に延びるサイドシール部が配設され、該サイドシール部はフィルム化領域と非フィルム化領域を有し、かつ前記サイドシール部には平面視して幅方向に振幅する複数の波形及び/又はジグザグ形状からなるシールパターンが少なくとも排泄部対向領域に形成されており、前記サイドシール部には、前記波型及び/又はジグザグシール部分の幅方向外方先端部を含む先端領域に前記非フィルム化領域が形成され、該非フィルム化領域より幅方向内方の領域にフィルム化領域が形成されている吸収性物品により上記の課題を解決するものである。
本発明において「幅方向に振幅する波形やジグザグ形状」とは、少なくとも物品の幅方向外方に凸な部分と内方に凸な部分とが対になって配されることを意味する。この対をなす2種類の凸部分が交互に複数配されてシールパターンが形成される。この凸な部分は、外方又は内方に突出するものであれば、曲線形状や鋭角な部分を有する形状であってもよく、物品の大きさや使用目的等によって適宜決めることができる。また波型やジグザグを物品の長手方向に複数繰り返すシールパターンにおいて、該ジグザグや波の幅方向外方先端部から幅10mm内方までの領域を先端領域と定義する。先端領域の先端部には必ず非フィルム化領域が存在するが、前記先端領域の中にフィルム化部分が形成されてもされなくてもかまわない。本発明においてフィルム化とは、不織布の繊維同士がヒートシールや超音波シールなどにより、繊維が溶融して、繊維同士が一体化してフィルム様となることをいい、顕微鏡の拡大観察(10倍〜50倍)で繊維の形態が消失している状態が目安となる。一方、非フィルム化とは、前記条件にて、繊維が確認でき、繊維間が離間している状態が確認できる程度をいう。上記シールパターンは、経血の着色が色濃く残り易い、サイドシートの排泄部対向領域に少なくとも形成されている。サイドシート全長に亘り形成されていることが好ましい。ただし、吸収性物品前後端部のシールされている領域は除いてもかまわない。排泄部対向領域とは、装着時に装着者の膣口が対向する領域をいい、ショーツに折り曲げて固定するウイング部のある領域をいう。ウイングがない場合は、前後対象なナプキンは、ナプキンを3等分した中央領域をいう。
本発明の吸収性物品は、吸水性ポリマーを含有していてもよく、サイドシール部のフィルム化領域により使用時の防漏性を確保しつつ、洗浄時に吸収した経血等を必要以上に拡散させずにもみ洗いで吸収体中の経血等を洗い出し、洗浄液をサイドシール部の非フィルム化領域から良好に排出して、使用済み生理用ナプキン等の経血等が該ナプキンのサイドシートなどを汚染するのを防止できる。またサイドシール部を配しているにもかかわらず、洗浄時の洗浄水排出が容易であり吸収体素材の漏出が効果的に抑えられる。
本発明における一実施形態としての生理用ナプキンを肌当接面方向から模式的に示した一部切欠斜視図である。 図1に示す生理用ナプキンのII−II線断面の拡大断面図である。 (A)は本発明の一実施形態の生理用ナプキンの平面図である。(B)は(A)の波形サイドシール部の全長の一部であるサークルLで示した部分の拡大図である。 不織布の繊維を、フィルム化領域と非フィルム化領域とに加工する方法としてエンボスする不織布の坪量差を利用する方法の説明図である。(A)がエンボス方法の説明図、(B)がエンボスした不織布の平面図を示す。 不織布の繊維を、フィルム化領域と非フィルム化領域とに加工する方法として不織布のエンボスロールに段差をつけることを利用した方法の説明図である。(A)がエンボス方法の説明図、(B)がエンボスした不織布の平面図を示す。 不織布の繊維を、フィルム化領域と非フィルム化領域とに加工する方法としてエンボスする不織布の積層枚数差を利用する方法の説明図である。(A)がエンボス方法の説明図、(B)がエンボスした不織布の平面図を示す。 本実施形態のサイドシール部のシールパターンの変更例を模式的に拡大して示す拡大平面図である。 図2におけるサイドシール部のシール深さの変更例を模式的に示す断面図である。 本実施形態の生理用ナプキンの変更例を模式的に示す図であり、(a)はその平面図であり(b)はその断面図である。
本発明における吸収性物品の好ましい一実施形態としての生理用ナプキンは図1,2において100で示され、液保持性の吸収層11及び液不透過性の防漏層12を備えた縦長の吸収性本体10と該吸収性本体10の肌当接面側における長手方向の両側部それぞれに配された一対のサイドシート5、5とを有する。ナプキン100における吸収層11は液透過性の表面シート1及び液保持性の吸収体3とからなり、防漏層12は、液不透過性の裏面シート2からなる。サイドシート5の幅方向外方に延出する部分の一部が裏面シート2とともにさらに幅方向に突出してウイング部51,51をなす。このようにして形成されるナプキン100の形状は、装着時に着用者の股下部分を介して下腹部側から臀部側へと延びて配される長手方向とこれと直交する幅方向とを有する縦長の形状である。ナプキン100の使用時には、このウイング部51をショーツにおける股下部の非肌当接面側に巻き込んで生理用ナプキン100をショーツに固定する。さらに裏面シート2の非肌当接面側にはホットメルト接着剤等の粘着剤(図示せず)が塗布されていることが好ましく、装着時には、ウイング部51と併せて前記粘着剤により生理用ナプキン100が下着に固定される。図2中、31は繊維層、32は吸収体3の下層に配した吸水性ポリマーであり、7は接着剤である。
本実施形態のナプキン100における一対のサイドシート5,5には、その肌当接面側からエンボス等によって形成したサイドシール部4,4があり、その平面形状は吸収体を中央に配してナプキン100の長手方向の上端から下端まで幅方向に振幅する複数の波形シールパターンで形成される波形の形状である(以下、このサイドシール部を波形サイドシール部4ともいう。)。前記個々の波形サイドシール部4は、幅方向外方に凸な先端領域(波外側部)4aと幅方向内方に凸な波内側部4bとを有している。先端領域4aはその先端部4pを含む全体が、サイドシート5を構成する不織布の繊維の隙間を残した非フィルム化領域とされている。一方、波内側部4bは前記不織布の繊維が溶融し一体化したフィルム化領域とされている。
サイドシート5の長手方向端部は、表面シート1及び裏面シート2とともに接合され、その幅方向端部は裏面シート2の延出した部分と接合されている。この接合された部分は、ナプキン100の外周縁部6となる。サイドシート5は、図2に示すとおり、生理用ナプキン100の幅方向中央寄りに位置する部分がシートの折り返しにより2層とされている。このサイドシート5の折り返された部分同士、及びサイドシート5と表面シート1や裏面シート2などの吸収性本体10との当接部分はホットメルト等の接着剤により接合され固定されている。サイドシート5の折り返された部分同士は、前述の波形サイドシール部4によっても接合されている。
ここで生理用ナプキン100は、その縦方向に、着用者の排泄ポイントに対応配置される排泄部対向領域Cと、該排泄部対向領域Cよりも前方の下腹に配置される前方領域Fと、該排泄部対向領域Cよりも後方の臀部側に配置される後方領域Rとに区分して示すことができる。前記排泄部対向領域Cは、ナプキン100の両側に該ウイング部51を有する部分である。なお、ウイング部51を有しないナプキンである場合、排泄部対向領域Cは、着用者の排泄ポイントにあたる吸収性の最も高い部分であり、例えば、ナプキン前方部分からの所定位置、吸収体又はナプキンの括れ位置、あるいは吸収体の厚みのある中高領域等によって決められる。
なお、本明細書においては、特に断らない限り、人体に接触する側の面を肌側面ないし肌当接面あるいは表面といい、吸収性物品またはその構成部材における、吸収性物品着用時に下着側(着用者の肌側とは反対側)の面を非肌面ないし非肌当接面あるいは裏面という。この2つの面において、肌側面に近い方ないしその延長方向を肌面側、肌当接面側又は表面側といい、非肌面に近い方ないしその延長方向を非肌面側、非肌当接面側又は裏面側という。装着時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚さという。更に、吸収性物品の平面視において腹側部から股下部を亘り背側部に至る方向を長手方向といい、この長手方向と直交する方向を幅方向という。なお、前記長手方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
本発明の好ましい実施形態において、生理用ナプキン100の一対の波形サイドシール部4,4は、波形形状両側の波内側部4bのフィルム化領域で吸収体3に吸収した経血等を外部へ漏れにくくする。同時に波形サイドシール部4,4は、波外側部(先端領域)4aの非フィルム化領域で経血等を吸収した汚染洗浄水を外部幅方向(サイドシート部5、5)へ排出・除去し、これにより洗浄水が滞留することなく吸収体3内部を効果的に流通して経血等がより洗い出されやすくなる。これを図3(A)、(B)を参照して説明する。
図3(A)は図1の生理用ナプキン展開した状態を肌当接面側からみた状態を模式的に示す。同図(B)は同図(A)の波形サイドシール部4のサークルLで示す部分を取り出した部分拡大図である。ナプキンの手揉み洗いによって生じる洗浄水の吸収体幅方向の流れを矢印Waに示す。
波形サイドシール部4は部分拡大図3(B)に示すように多数の波形(湾曲部)の繰り返しからなる。波形サイドシール部4は例えばエンボス加工によって行うことができる。波形エンボス加工部は2つの部分、すなわちエンボス圧密加工度を大にしたシールによって不織布の繊維は熱溶融しフィルム化した波内側部4bと、不織布の圧密加工度を低くして不織布の繊維の熱溶着を防ぎ非フィルム化した波外側部4aとである。こうしてサイドシート5,5それぞれにおける波形サイドシール部4、4中には、非フィルム化領域である波外側部4aを長手方向に間欠的に多数存在させることができる。波外側部4aは非フィルム化し繊維状の性質を保ち、フィルム化した波内側部4bが防漏性であるのと対照的に、洗浄水に対し液透過性がある。本実施形態において、波外側部4aを波内側部4bと幅方向に重ならないよう長手方向に間欠的に存在させている。波内側部4bでの防漏性を担保しながら波外側部4aの非フィルム化領域が洗浄水の通路となるため生理用ナプキンの洗浄性が向上する。
なお本実施形態においては、サイドシール部は波外側部4aと波内側部4bとの連続線であるが、点エンボスが略連続状であるパターン(図7(a)参照)、断続した線が交互に設けられているパターン(図7(b)及び(c)参照)、または連続線の内部に微小な非エンボス領域(非フィルム化領域)を断続的に設けたパターン(図7(d)参照)などであってもよく、必ずしも完全な連続線でなくてもよい。連続線でない場合、ナプキン使用時の経血等の防漏性と洗浄時の洗浄水の効果的な排出との両立のため、少なくとも波外側部(先端領域)4aの非フィルム化領域が波内側部4bと幅方向で重ならないようすることが好ましく、先端部4pが波内側部4bの幅方向の範囲と重ならないようにすることがさらに好ましい。また、波外側部4aの全面が非フィルム化されていてもいなくてもよく、その一部にフィルム化領域を設けて洗浄水の排出量の調整がなされてもよい。さらに経血等を吸収した洗浄水を効率的に外部へ排出するために、少なくとも排泄部対抗領域Cに波外側部4aと波内側部4bとの繰り返しがあることが好ましい。
この実施形態において波山のピッチ(h)は4mm〜50mmとするのが好ましく、4mm〜30mmとするのがより好ましい。ここでの波山のピッチとは、波外側部4aの先端部4pから先端部4pまででひとつの波山が含まれている状態を示す(図2(B)参照)。また波山の揺動幅(h)は2〜20mmとするのが好ましく、2〜15mmとするのがより好ましい。ここでの揺動幅とは、波外側部4aの先端部4pから波内側部4bの頂点4qまでの幅を示す(図2(B)参照)。
本発明において防漏性とするとは、不織布の繊維同士を熱溶着などにより圧着してフィルム化領域とすることを意味する。このようなフィルム化領域としない部分、もしくはフィルム化が不十分な部分は不織布の繊維がそのまま残存し、吸収体などの内部から流出した洗浄水が通過できる。
この実施形態の生理用ナプキンの作用を説明すると、使用後のナプキンを片手に持ち表面シートの上から洗浄水を、経血等を吸収した吸収体3にかけてもみ洗いする。これにより洗浄水は吸収体3中を内部通過し、経血等を洗いだし、その液は波形サイドシール部4の方(Waの方向)に流れ、波内側部4bから波外側部4aのサイドシール部4の非フィルム化領域に流れサイドシートの繊維間から流出する(図3(B)参照)。こうして経血等を含んだ汚染洗浄水の吸収体幅方向からナプキン外への排出と除去(洗浄)が効果的に行われる。この現象は、波形サイドシール部4の波型シールパターンの長手方向全面に間欠的に配された複数の波外側部4aの非フィルム化領域で生じさせるので、洗浄・除去の速度が大きく、効果的である。したがってナプキン100の表面に一部の領域で部分的に経血等を含んだ洗浄液が留まり、ナプキンの白い部分が逆に赤みに染着示してしまうようなことが起きるのを最小限に防止できる。
また、後述するように線eにおいてフィルム化領域と、非フィルム化領域が区別されているので、波形サイドシール部4のフィルム化領域では使用時に経血等の液が波形サイドシール部4から吸収体外部へと漏出することを防止することが可能となり、使用時の防漏性と使用後の洗浄性の両者を両立できるという作用がある。この線eは、波形サイドシール部4の線上において、非フィルム化領域を含む先端領域(波外側部4a)とそれよりも幅方向内側のフィルム化領域(波内側部4b)との境界線として機能的に定められればよく、典型的には本実施形態のように波山の揺動幅(h)中心線である。
本発明において、波形サイドシール部4の波形に湾曲した部分に上述の防漏性の高低を交互に存在させる手段は特に制限するものではないが、不織布の繊維のフィルム化領域と非フィルム化領域とに加工する方法としては(1)エンボスする不織布の坪量差を利用する、(2)不織布のエンボスロールに段差をつける、(3)不織布の積層枚数差を利用する、などの方法などがある。これを模式的に示す図4〜図6を参照して説明する。
図4は(1)のエンボスする不織布の坪量差を利用する方法を示す。図4の(A)に示すように加工基盤41と波形形状にエンボスを付加するエンボスロール43との間に坪量が大な部分42bと小さな部分42aとからなる不織布42を介在させ、エンボスロール43で不織布42をエンボスして圧密化度の高い波形形状エンボスの波内側部4bと圧密化度の低い波外側部4aとを形成する。このシール化後の不織布の波形サイドシール部4の平面図を図4(B)に示す。図中、44がエンボス後の不織布であり、45bが圧密度の高い波形形状エンボス(シール部がフィルム化)、45aが圧密度の低い波形形状エンボス(シール部が非フィルム化)であり、45bと45aとで波形サイドシール部4の1つのエンボス波45となる。この45bと45aとの境目がフィルム化領域と非フィルム化領域との境界線eであり、波外側部4aと波内側部4bとの境界線である。
図5は上記(2)の不織布のエンボスロールに段差をつけることを利用する方法を示す。図5(A)に示すように加工基盤51と波形形状にエンボスを付加するエンボスロール53との間に坪量が均一な不織布52を介在させエンボスロール53で不織布52をエンボスする。この場合、エンボスロールの53bは下面の圧下面が53a部分の圧下面より低く肉厚であることにより、高圧着の波形形状エンボスの波内側部4bと低圧着の波外側部4aとを形成する。このシール化後の波形サイドシール部4の平面図を図5(B)に示す。図中、54がエンボス後の不織布であり、55bが高圧着波形形状エンボス(シール部がフィルム化)、55aが低圧着の波形形状エンボス(シール部が非フィルム化)であり、55bと55aとで波形サイドシール部4の1つのエンボス波55となる。この55bと55aとの境目がフィルム化領域と非フィルム化領域との境界線eであり、波外側部4aと波内側部4bとの境界線である。
図6は上記(3)の不織布の積層枚数の差を利用する方法の例であり、エンボスする不織布を二つ折にして、不織布の2枚分の部分と1枚の部分との圧密度の差を利用する方法である。図6の(A)に示すように加工基盤61と波線状にエンボスを付加するエンボスロール63との間に2枚折り部分62bと1枚部分62aとからなる不織布62を介在させエンボスロール63で不織布42をエンボスして圧密度の高い波形形状エンボスの波内側部4bと圧密化度の低い波外側部4aとを形成する。このシール化後の波形サイドシール部4の平面図を図6(B)に示す。図中、64がエンボス後の不織布であり、65bが圧密度の高い波形形状エンボス(シール部がフィルム化)、65aが圧密度の低い波形形状エンボス(シール部が非フィルム化)であり、65bと65aとで波形サイドシール部4の1つのエンボス波65となる。この65bと65aとの境目がフィルム化領域と非フィルム化領域との境界線eであり、波外側部4aと波内側部4bとの境界線である。この方法においては、不織不の枚数差があれば、不織布の積層枚数は図示した2枚と1枚との組合せに限らず任意に設定可能である。
本実施形態の生理用ナプキン100は、波形サイドシール部4が施されたサイドシート5が、表面シート1とホットメルト等で接着されており、吸収体3と防漏シート2とを配置させた構成をとっているが、このような構成に限定されるものではなく、サイドシート5と表面シート1とが波形サイドシール部4で融着され吸収体3と裏面シート2を配置させた構成(図8(a))や、サイドシート5と表面シート1と吸収体3とが一括して波形サイドシール部4で固着され、裏面シート2を配置した構成(図8(b))においても本発明の効果を奏するものである。
本発明の波形サイドシール部4を形成する不織布からなるサイドシート5は撥水性の不織布が好ましく、カード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、ニードルパンチ不織布等の中から撥水性の物、または撥水処理した種々の不織布を用いることができる。特に好ましくは、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。
また表面シート1としてはカード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられるがこれに制限されるものではない。特に、肌触りの観点から、カード法等により得た繊維ウエブにエアスルー法で繊維同士の熱融着点を形成したエアスルー不織布や、ヒートエンボス不織布、エアレイド不織布、ニードルパンチ不織布等が特に好ましくもちいられる。 表面シート1の構成繊維としては、例えば、不織布や開孔フィルム等の各種液透過性のシート材を用いることができ、熱融着性繊維や熱融着性樹脂、特に熱可塑性ポリマー材料からなる繊維を含むことが好ましい。熱可塑性ポリマー材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。またこれらの熱可塑性ポリマー材料の組合せからなる芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維も好適に用いることもできる。表面シート1は、熱融着性繊維以外に熱融着性を有しない繊維を構成繊維の一部として含んでいても良い。
本発明において、本実施形態の構成にさらに表面シート1から吸収体3までを圧搾した防漏溝8が配設されてもよい(図9参照)。この防漏溝8によって使用時の経血等の幅方向への拡散が効果的に抑えられて横漏れが防御できるのと同時に、洗浄時の洗浄範囲を限定できるので好ましい。この防漏溝8の平面形状は、図9に示すものに限定されず、この種の物品に用いられる形状を任意に採用することができる。このように表面シート1と吸収体3とをしっかりと固着して防漏溝8を形成する観点から、表面シート1に熱融着性繊維又は熱融着樹脂が含有されることが好ましい。さらに防漏溝8においては、前記の熱融着性繊維又は熱融着性樹脂を含む表面シート1、繊維層31、吸水性ポリマー32、及び該吸水性ポリマー32を該繊維層31に固着するために塗布するホットメルト接着剤の全てをエンボス等の圧搾により圧密一体化することが好ましい。また、サイドシート5と表面シート1を波形サイドシール部4で融着させる場合には、加工工程における熱条件の制御により、本発明におけるフィルム化領域と非フィルム化領域の両者が存在しうる製造条件を容易に見出すことができるという観点で、表面シート1に熱融着性繊維又は熱融着性樹脂が含有されていることが好ましい。
吸収体3においては、吸収容量の増大による吸収性能とりわけ防漏性に優れるという観点で、ポリマー層を配置させることが好ましい。また、パルプとポリマーを湿式抄紙することで、両者が一体化されたシート状の吸収体を用いることもできる。また、パルプとポリマーを空気混合させ一体化した状態で堆積させシート化する方法で製造した吸収体を用いることもできる。
なお生理用ナプキン100において、図示しないが、防水シートが吸収体3の幅方向両側部に長手方向に配されていてもよい。この防水シートは、吸収体3の左右両側において、該吸収体3の肌面側の一部、非肌面側の一部及び側面を被覆するように配されることで、経血等や洗浄水の横漏れをより効果的に抑制することができるので好ましい。この防水シートの形成素材は、この種の物品に用いられるものを任意に採用することができ、例えば、液不透過性の樹脂フィルム、樹脂フィルムをラミネートした紙、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド不織布(SMS不織布)等を用いることができる。
生理用ナプキン100の水洗い時に、該ナプキンに付着した血液が素早く流出しやすいという観点から、吸収体3に含有される繊維として、前記天然繊維に、架橋処理を施した改質パルプを含むことが好ましい。即ち吸収体3が、繊維集合体からなる複数の層を積層してなる積層構造を備え、該積層構造における相対向する層間に吸水性ポリマーが介在されており、該繊維集合体が、改質パルプ及び天然繊維(好ましくは針葉樹パルプ及び/又は広葉樹パルプ)を含むことが好ましい。改質パルプとしては、後述する架橋セルロース繊維やマーセル化処理パルプを用いることができる。
吸収体3に含有されている全繊維に占める前記改質パルプの割合は、好ましくは20〜100質量%、更に好ましくは35〜80質量%である。また、吸収体3に含有されている全繊維に占める針葉樹パルプ等の前記天然繊維の割合は、好ましくは0〜80質量%、更に好ましくは20〜55質量%である。また吸収体3中に、必要に応じ、吸湿剤、消臭剤等を含有させることが可能である。吸湿剤としてはシリカゲル等が挙げられ、消臭剤としては活性炭、活性白土、銀含有化合物等が挙げられる。
吸水性ポリマー32としては、この種の物品に用いられるものを採用することもできるが、特に易洗浄性のポリマーであることが好ましい。易洗浄性ポリマーとは、洗浄する際に汚れを落ち易くする作用を有する吸水性ポリマーを意味し、典型的には、特開2010−17536号公報に記載の吸水性ポリマーを用いることが好ましい。この易洗浄性ポリマーは、カルボキシ基及び/又はカルボキシレート基を有し且つ表面架橋処理された吸水性ポリマーに、更に表面架橋処理及び中和処理を順次施して得られる。こうして得られる易洗浄性ポリマーは、特定範囲の中和度、遠心保持量、加えて特定範囲の各物性(ボルテックス法による吸水速度、DW法による吸水速度、かさ比重、2.0KPaでの加圧か通液速度、2.0KPaでの加圧下吸収量)を有する。この物性によって、前記易洗浄性ポリマーは、経血中のヘモグロビンが容易に除去し易くされ、急激な膨潤による吸収体3の無用な破けを抑えるべく吸水速度を制御され得る。
本発明に用いられる吸水性ポリマー32は、上記のカルボキシ基及び/又はカルボキシレート基を有し且つ中和度が75モル%以上、JIS K 7223に準拠した遠心保持量が5〜20g/gである易洗浄性ポリマーを含むことが好ましい。
前記易洗浄性ポリマーの中和度を75モル%以上とすることで、経血中の赤色成分であるヘモグロビンが容易に除去され得る。前記易洗浄性ポリマーがアクリル酸架橋重合体である場合、その中和度は75〜95モル%であることが好ましく、80〜90モル%であることがさらに好ましい。中和度が75モル%以上の吸水性ポリマーとヘモグロビンとの間に起こる現象は定かではないが、アクリル酸架橋重合体からなる吸水性ポリマーの中和度を75モル%以上とすることで、吸収性物品の水洗い中において吸水性ポリマーの分子鎖近傍のpHがヘモグロビンの等電点(通常pH6.8〜7)よりも高いことにより、該吸水性ポリマーとヘモグロビンとの間に電気的な反発が発生し、これにより該吸水性ポリマーに対するヘモグロビンの付着率あるいは付着強度が低下する結果、ヘモグロビンが水洗いによって脱離しやすい状況になるものと推察される。なお前記中和度の測定方法及びその調整は、特開2010−17536号公報に記載の方法を用いることができる。
前記易洗浄性ポリマーの遠心保持量を5〜20g/gに抑えることで、ポリマー本来の吸収性能を維持し、経血等の吸収保持を適度に抑えて赤みの除去を容易にすることができる。この遠心保持量は、7〜15g/gであることがさらに好ましい。なお前記遠心保持量の測定方法及びその調整は、特開2010−17536号公報に記載の方法を用いることができる。
裏面シート2は、例えば液不透過性のフィルムシートから構成されており、この液不透過性のフィルムシートは水蒸気透過性を有していても良いが、これに制限されるものではない。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、本発明の吸収性物品は、ウイング部51を具備しないものであってもよいし、後部フラップ部等を有するものであってもよい。ウイング部51及び後部フラップ部は、何れも吸収体3の長手方向両側縁それぞれからナプキン外方に延出する部分であり、通常、ウイング部51はナプキン着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に位置し、後部フラップ部は該ウイング部6よりもナプキン長手方向の後方に位置する。
また本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンに制限されず、使い捨ておむつ、失禁パッド、尿取りパッド、ペット用おむつ、ペット用シーツ等にも適用できる。本発明に用いられる前記易洗浄性ポリマーとしては、遠心保持量が前記特定範囲に調整されていることで吸水倍率が抑えられており、更に2.0kPaでの加圧下通液速度が前記特定範囲に調整されている場合には加圧下の通液速度が高いものであるため、繰り返しあるいは圧力下での吸収速度が非常に速く、吸収体の細部まですばやく液を拡散することができ、また、膨らんでもいわゆるゲル感が少ないので、着用時の違和感の改善に繋がる。
以下、本発明を実験例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
パルプ吸収体坪量250g/m(長さ190mm、幅70mm)及び吸水性ポリマー坪量80g/m(散布長さ190mm、散布幅45mm)の吸収体を表面シートと裏面シートとの間に挟持し接着剤で固定し、さらにサイドシートの積層枚数を利用して2枚積層部分をフィルム化領域の波内側部とし1枚部分を非フィルム化領域の波外側部とする波形サイドシール部をエンボスロールを用いて形成し、この波形サイドシール部を有するサイドシートを前記表面シートの両側部の肌面側に積層して実施例の生理用ナプキンを得た。
[比較例1]
実施例における生理用ナプキンのうちサイドシート上にサイドシール部がない以外は実施例と同様にして作製し、これを比較例1の生理用ナプキンとした。
[比較例2]
実施例における生理用ナプキンのうちサイドシート上にある波形サイドシール部が波内側部、波外側部全てフィルム化領域とした以外は実施例と同様にして作製し、これを比較例2の生理用ナプキンとした。
これらの実施例、比較例1,2の生理用ナプキンについて、洗浄による赤み除去の程度は、血液が注入され水洗いされた後のナプキンにおける明度を示すL*値で評価できる。L*値が大きいほど、白色に近づき、血液が水洗いによってきれいに洗い流されていることを意味する。下記手順1〜3に従って明度L*値を測定した。また、手順3の終了後のナプキンの状態を目視で観察し、水洗いに起因するナプキンの破れ(洗浄破れ)の有無を確認した。また、これらの生理用ナプキンの吸収性能の評価として、下記の方法により吸収時間及び液戻り量を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
[明度の測定方法]
手順1:生理用ナプキンの表面層側から該生理用ナプキンに血液12gを注入し、25℃の環境下で30分間放置後、水温25℃、硬度12°DHの水で該生理用ナプキンを3分間洗浄し、しかる後、該生理用ナプキンを手で絞り、ナプキン内部に含まれている水を可能な限り絞り出す。
手順2:前記手順1で得られた湿潤状態の生理用ナプキンの表面層側における、血液によって赤色に染まった赤色部分の最も赤みの強い点5箇所について、分光色差計(日本分光製の簡易型分光色差計「NF333」(ペン型検出器))を用いて明度L*値を測定する。
手順3:前記手順2で得られた5つの測定値から最大値及び最小値を除いた3つの測定値の平均を、生理用ナプキンの明度L*値とする。
今回は上記の方法に加え、洗浄性をより厳しい条件で確認するため、洗浄時間を2分間とした。
前記手順1〜3において、ナプキンに注入する血液としては馬の血液を用いる。より具体的には、(株)日本バイオテスト研究所製の馬脱繊維血液を用いる。この馬脱繊維血液の粘性は、東機産業(株)製の(B型)粘度計TVB−10Mによる測定(測定温度25℃、ロータ Lアダプタ)で、15mPa・S未満である。
また、前記手順1〜3において、ナプキンの洗浄に用いる水としては、電気伝導度1μS/cm以下のイオン交換水に塩化カルシウムと塩化マグネシウムを溶解することにより調製される水で、カルシウムイオンとマグネシウムイオンとの含有比(カルシウムイオン:マグネシウムイオン)が7:3で且つドイツ硬度が12°DHの水を用いる。
尚、使用済みの生理用ナプキンを水洗する習慣がある国の一つである、インドネシアの生活用水は、地域によってその硬度が異なるが、前記手順1〜3で用いるドイツ硬度12°DHの水は、少なくともインドネシアの一部で使用されている生活用水と略同じである。
前記手順1において、血液を注入されたナプキンを洗浄前に30分間放置する環境は、気温25℃、湿度60%とする。
ナプキンの洗浄は、手で行ない、「一方の手で100g程度の水をナプキンにかけ、他方の手で該ナプキンを絞る動作」を10秒間に3回繰り返す。即ち、10秒間に行う動作は、「水をかける→ナプキンを絞る→水をかける→ナプキンを絞る→水をかける→ナプキンを絞る」である。従って、前記手順1においてナプキンの3分間洗浄に使用する水の量は、水をかける動作1回で使用する水の量が前述したようにおよそ100gであるので、およそ(100×3×6×3=)5400gである。前記式において、100×3は、10秒間に使用する水の量、100×3×6は、1分間に使用する水の量に相当する。
ナプキンに水をかけるときはビーカー等を利用し、水をかけている最中はナプキンを絞らないようにする。
手順1において、ナプキンを3分間洗浄した後で該ナプキンを手で絞るときの圧力、即ち、手の握力は、通常、10〜15kg程度である。
明度L*値を測定する際は、外光が入らないように、測定サンプルと分光色差計とを隙間なく密接させる。
<吸収量の測定方法>
実施例、比較例1,2、それぞれを試験サンプルとし、可動式女性腰部モデルに装着し、ショーツをはかせた後、腰部モデルを100歩/分の歩行速度で歩行運動させた。その後、チューブにより脱繊維馬血〔日本バイオテスト研究所(株)製〕を歩行運動をさせながら2g/15秒の速度で注入し2分間歩行運動後、3g注入2分間歩行運動、2g注入2分間歩行運動を継続させ、製品に漏れが生じるまで注入を繰り返し、漏れが生じたときの吸収量を測定した。
<吸収時間の測定方法>
測定対象の生理用ナプキンを平面状に拡げ、表面シートを上に向けて水平面上に固定した状態で、吸収体の中心部における該表面シート上に、円筒状の注入部の付いたアクリル板をのせ、更にそのアクリル板上に錘をのせ、吸収体の中心部に対して、5g/m2の荷重を加える。アクリル板に設けられた注入部は、内径10mmの円筒状をなし、アクリル板には、長手方向及び幅方向の中心軸に、該円筒状注入部の中心軸線が一致し、該円筒状注入部の内部とアクリル板の表面シート対向面との間を連通する内径10mmの貫通孔が形成されている。次いで、円筒状注入部の中心軸が吸収体の平面視における中心部と一致するようにアクリル板を配置し、3gの血液を、円筒状注入部から注入し、生理用ナプキンに吸収させる。血液がナプキンの表面に到達した時点から3gの全量がナプキンに吸収されるまでの時間(秒)を計測し、これを1回目の吸収時間とした。また、最初の血液注入時から3分後に、前記手順を繰り返して3gの血液を更に注入(血液の注入量は合計6g)し、この再注入された血液の全量がナプキンに吸収されるまでの時間(秒)を計測し、これを2回目の吸収時間とした。これらの吸収時間の値が小さいほど、吸収速度が速く、高評価となる。下記表1には2回目(血液6g注入時)の吸収時間を示した。尚、1回目において、注入した血液の全量(3g)が吸収されるまでに3分を超えた場合は、全量を吸収後速やかに次の3gを注入した。
<液戻り量の測定方法>
前記<吸収時間の測定方法>において、3回目の血液注入時から3分後に、アクリル板と錘を取り除き、ナプキンの肌当接面上(表面シート上)に、7cm×15cmで坪量30g/m2の吸収紙(市販のティッシュペーパー)を10枚重ねて載置し、該吸収紙の上から68g/cm2の荷重を1分間かけた。荷重後、吸収紙10枚を取り除き、該吸収紙10枚の重さを測定した。この測定値と、予め求めておいた荷重前の吸収紙10枚の重さの測定値とから、吸収紙10枚に吸収された血液の質量(g)を求め、該質量を液戻り量とした。該液戻り量が少ないほど、ナプキンの吸収性能が高く、高評価となる。
Figure 2012100711
表1から明らかなように、実施例の生理用ナプキンは、比較例1、2の生理用ナプキンに比し、最大吸収量は高く防漏性を確保しているとともに、洗浄時の破れを抑制して、赤みを除去することができ、防漏性と洗浄性の両立を確保することができた。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
31 繊維層
32 吸水性ポリマー
4 波形サイドシール部
4a 波外側部(先端領域)
4b 浪内側部
4p 先端部
5 サイドシート部
6 外周縁部
100 生理用ナプキン

Claims (4)

  1. 液保持性の吸収層及び液不透過性の防漏層を備えた縦長の吸収性本体と、該吸収性本体の肌当接面側における長手方向の両側部それぞれに配された不織布からなる一対のサイドシートとを有する吸収性物品であって、
    前記それぞれのサイドシートには、前記吸収性本体の長手方向に延びるサイドシール部が配設され、該サイドシール部はフィルム化領域と非フィルム化領域を有し、かつ前記サイドシール部には平面視して幅方向に振幅する複数の波形及び/又はジグザグ形状からなるシールパターンが少なくとも排泄部対向領域に形成されており、
    前記サイドシール部には、前記波型及び/又はジグザグシール部分の幅方向外方先端部を含む先端領域に前記非フィルム化領域が形成され、該非フィルム化領域より幅方向内方の領域にフィルム化領域が形成されている吸収性物品。
  2. 前記サイドシール部における前記フィルム化領域には不織布シートが2層以上積層されており、前記非フィルム化領域にはフィルム化領域より少ない層数の不織布シートが配さおり、該層数が異なる境界を境に、サイドシールは、幅方向外方が非フィルム化領域、内方がフィルム化領域である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記フィルム化領域の不織布シートの坪量は、前記非フィルム化領域の不織布シートの坪量よりも大きい請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 肌当接面側に表面シート、非肌当接面側に液不透過性の裏面シート、前記両シート間に配置された吸収体を備えた縦長の吸収性本体と、該本体の長手方向の両側部サイドシートを備え、前記吸収体にはパルプと吸水性ポリマーが含まれており、該吸水性ポリマーは、カルボキシ基及び/又はカルボキシレート基を有し且つ中和度75モル%以上、JIS K 7223に準拠した遠心保持量5〜20g/gである易洗浄性の吸水性ポリマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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