JP2012100370A - モータ駆動制御装置 - Google Patents

モータ駆動制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012100370A
JP2012100370A JP2010243484A JP2010243484A JP2012100370A JP 2012100370 A JP2012100370 A JP 2012100370A JP 2010243484 A JP2010243484 A JP 2010243484A JP 2010243484 A JP2010243484 A JP 2010243484A JP 2012100370 A JP2012100370 A JP 2012100370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
motor
timing
pwm control
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010243484A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5709464B2 (ja
Inventor
Hirochika Shimonagayoshi
裕親 下永吉
Raita Nakanishi
雷太 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2010243484A priority Critical patent/JP5709464B2/ja
Publication of JP2012100370A publication Critical patent/JP2012100370A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5709464B2 publication Critical patent/JP5709464B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】制御対象のモータの駆動電流がPWM制御の目標電流に増大してからPWM制御に移行し、PWM制御で駆動電流を目標電流に維持する場合に、目標電流に到達するタイミングとPWM制御のキャリア周期(制御周期)とのずれに基づくモータの駆動電流の変動ひいてはトルクの低下や変動を防止する。
【解決手段】演算処理部41の演算部41aおよび補正部41cにより、制御対象のSRモータ1の通電開始タイミングからの通電によって駆動電流がPWM制御の目標電流に立ち上がるタイミングを導出して予測し、キャリア周期と駆動電流がPWM制御の目標電流に立ち上がるタイミングとの偏差に基づいて通電開始タイミングを補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、制御対象のモータの駆動電流(モータ電流)をPWM制御するモータ駆動制御装置に関し、詳しくは、駆動電流がPWM制御の目標電流に立ち上がるタイミングとPWM制御のキャリア周期(制御周期)とのずれの対策に関する。
従来、電気自動車やハイブリッド車の駆動モータとして、ロータ側に永久磁石や巻線が不要で安価かつ構造が簡単なスイッチトリラクタンスモータ(以下、SRモータという)が注目されている(例えば、特許文献1(段落[0001]、[0002]、[0012]、[0024]−[0026]、図1、図5等)参照)。
図8は特許文献1に記載の3相駆動のラジアルギャップ型のSRモータの構造を示し、図中のSRモータ129は、内側に放射状に突出したステータ磁極としての複数の突極152aを有する中空円筒状のステータ152と、その内側に外側に放射状に突出した複数の突極115aを有するロータ151とを備える。ここで、ステータ152の突極152aは30度間隔に相順に12個並んでおり、同相のステータ磁極の突極152aは90度間隔である。また、ロータ51の突極115aは45度間隔の8個である。さらに、ステータ152の各突極152aには各相それぞれの励磁用のコイル153が集中巻されている。なお、ロータ151を回転するため、ロータ151の突極151aの個数と、ステータ152の突極152aの個数とは異なっている。
そして、SRモータ129は、ロータ151が所定角度回転する毎にロータ151の突極151aに完全に非対向の状態になるステータ152の通電相の突極152aが切り替わり、周知のPWM制御により、アクセル開度等から演算されたトルク指令値に応じた目標電流に制御された駆動電流(モータ電流)が駆動相の突極152aのコイル153に流れ、ロータ151とステータ152の電磁作用でロータ151が回転する。
ところで、PWM制御のキャリア周期(制御周期)をTcとすると、キャリア周期Tcは、動作制御の基準クロックのカウント等に基づいて設定され、ロータ151の回転に基づくSRモータ129の駆動相の切り替えとは非同期である。そのため、駆動相が切り替わる際に、その切り替えに基づく駆動相の通電開始(励磁開始)タイミングとキャリア周期Tcのタイミングとがずれる。そして、SRモータ129の起動も含めた全ての駆動をPWM制御で行なう場合、駆動相の通電開始(励磁開始)タイミングが到来しても、そのタイミングによっては駆動相のPWM制御による通電開始がつぎのキャリア周期Tcまで遅れ、その結果、SRモータ129の駆動電流ひいてはトルクが変動する。この影響は、SRモータ129が高速回転になるにしたがって顕著になる。
そこで、特許文献1においては、SRモータ129をPWM制御で起動する場合に、駆動相のPWM制御の開始時、キャリア周期Tcのタイミング(起動タイミング)をSRモータ129の駆動相の通電開始タイミング(励磁タイミング)に同期させることで、SRモータ129の駆動電流やトルクの低下や変動を防止することが提案されている。
特開平9−182490号公報
特許文献1に記載のようにPWM制御の開始時にキャリア周期Tcのタイミング(起動タイミング)をSRモータ129の駆動相の通電開始タイミング(励磁タイミング)に同期させたとしても、SRモータ129の駆動電流がPWM制御の目標電流に到達するタイミングはキャリア周期Tcとは非同期に発生する。そのため、SRモータ129の駆動電流がPWM制御の目標電流に到達するタイミングによっては通電開始までの待ち時間が長くなり、その結果、SRモータ129の駆動電が大きく変動してトルクの低下や変動が生じる。
ところで、SRモータ129をより精度よく安定に駆動するため、駆動相が切り替わったときにSRモータ129の駆動電流をより速やかにPWM制御の目標電流に立ち上げることが望まれる。
そこで、SRモータ129の駆動相が切り替わったときに、駆動相の励磁用のコイルを連続的に通電して駆動電流を速やかにPWM制御の目標電流に増大し、その後、PWM制御に移行して駆動電流をPWM制御で目標電流に維持することが考えられるが、この場合も、連続通電の終了タイミングはPWM制御のキャリア周期Tcとは非同期に発生し、その結果、駆動電流の変動ひいてはトルクの低下や変動が生じる。
図9(a)はPWM制御のキャリア周期Tcを示し、n−2、n−1、n、n+1、n+2はキャリア周期Tcの番号であり、実線(縦線)は各キャリア周期Tcの前縁(後縁)のタイミングである。また、PWM制御では一般的にキャリア周期Tcの前縁(後縁)のタイミングの電流値を目標電流Ikに一致させるように制御する。同図(b)の実線は前記の連続通電によりPWM制御の目標電流Ikに増大するSRモータ129の駆動電流(モータ電流)の一例を示し、駆動電流が目標電流Ikに立ち上がる回転角度θk(時刻tk)が、キャリア周期Tcの前縁(後縁)のタイミングからずれるので、駆動電流はつぎのキャリア周期TcのPWM制御の通電の開始タイミングまで低下して大きく変動する。
そして、種々のモータの同様の駆動制御を行なう場合に、同じような問題が生じる。
本発明は、制御対象のモータの駆動電流がPWM制御の目標電流に増大してからPWM制御に移行し、PWM制御で駆動電流を目標電流に維持する場合に、目標電流に到達するタイミングとPWM制御のキャリア周期(制御周期)との偏差に基づくモータの駆動電流の変動ひいてはトルクの低下や変動を防止することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のモータ駆動制御装置は、所定のキャリア周期で制御対象のモータの駆動電流をPWM制御するモータ駆動制御装置であって、前記モータの通電開始タイミングからの通電によって前記駆動電流がPWM制御の目標電流に立ち上がるタイミングを導出する電流立上タイミング導出手段と、前記キャリア周期と前記駆動電流がPWM制御の目標電流に立ち上がるタイミングとの偏差に基づいて前記通電開始タイミングを補正する補正手段とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
また、本発明のモータ駆動制御装置は、さらに、前記補正手段の補正度合いを前記モータの誘起電圧に応じて設定する設定手段を備えたことを特徴としている(請求項2)。
請求項1に係る本発明のモータ駆動制御装置の場合、電流立上タイミング導出手段により、制御対象のモータの通電開始タイミングからの通電によって駆動電流がPWM制御の目標電流に立ち上がるタイミングが導出されて予測され、さらに、補正手段により、駆動電流がPWM制御の目標電流に立ち上がるタイミングとPWM制御のキャリア周期とのずれに基づいて通電開始タイミングが補正される。そのため、制御対象のモータの駆動電流がPWM制御の目標電流に到達するタイミングとPWM制御のキヤリア周期とが同期し、目標電流に到達するタイミングとPWM制御のキャリア周期との偏差に基づく制御対象のモータの駆動電流ひいてはトルクの低下や変動を防止することができる。
請求項2に係る本発明のモータ駆動制御装置の場合、設定手段により、補正手段の補正度合いを制御対象のモータの誘起電圧に応じて設定するため、モータの誘起電圧による駆動電流の増減変化の影響も考慮して、通電開始タイミングをより適切に設定できる。
本発明の一実施形態の回路構成の説明図である。 図1の動作説明用のフローチャートである。 図1の遅角シフト補正の説明図である。 図1の進角シフト補正の説明図である。 図1のSRモータの誘起電圧の説明図である。 図1の誘起電圧を考慮した遅角シフト補正の説明図である。 図1の誘起電圧を考慮した進角シフト補正の説明図である。 SRモータの一例の構成の説明図である。 図8のSRモータの通電波形例の説明図である。
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、一実施形態について、図1〜図7を参照して詳述する。
図1は本実施形態のモータ駆動制御装置の構成を示し、制御対象のモータは、例えば電気自動車やハイブリッド車の駆動モータとしてのU、V、Wの3相駆動のSRモータ1である。SRモータ1は例えば図7のSRモータ129と同じ構成である。SRモータ1の回転位置は周知のレゾルバやエンコーダ等の位置センサ2により検出される。
そして、本実施形態のモータ駆動制御装置は、概略、SRモータ1を駆動する3相のインバータ3およびその制御部4を備える。
インバータ3の入力電源は、車載のバッテリ等の電源5と、電源5に並列に接続されたキャパシタ6とからなり、その電源電圧は電圧センサ7により検出される。
インバータ3においては、電源5の正負の電源端子p、n間に、SRモータ1のU相のステータ巻線Luを挟んでU相の上下アームのスイッチング素子Sua、Subが直列に設けられ、同様に、SRモータ1のV相のステータ巻線Lvを挟んでV相の上下アームのスイッチング素子Sva、Svbが直列に設けられ、SRモータ1のW相のステータ巻線Lwを挟んでW相の上下アームのスイッチング素子Swa、Swbが直列に設けられる。各スイッチング素子Sua〜Swbは、IGBT、FET等で形成され、図1ではIGBTからなる。また、ステータ巻線Lu、Lv、Lwは、図7の各相それぞれの巻線153を直列又は並列に接続したものである。
さらに、正の電源端子pと、各相のステータ巻線Lu、Lv、Lwの下アーム側の端部との間に、カソードが電源端子pに接続された還流・回生用のダイオードDua、Dva、Dwaが設けられ、負の電源端子nと各相のステータ巻線Lu、Lv、Lwの上アーム側の端部との間に、アノードが電源端子nに接続された還流・回生用のダイオードDub、Dvb、Dwbが設けられる。
また、SRモータ1の各相の電流は、各相の電流センサ8u、8v、8wにより検出される。
制御部4は、マイクロコンピュータ構成の演算処理部41と、この演算処理部41の制御にしたがってインバータ3の各相のスイッチング素子Sua〜Swbに制御信号を供給する駆動制御部42を有し、演算処理部41は、概略、CPUからなる演算部(本発明の電流立上タイミング導出手段を形成する)41aおよび、各種データ等を記憶するとともに演算の作業メモリを形成する記憶部41b、補正部41c(本発明の補正手段を形成する)、設定部(本発明の設定手段を形成する)41dを備える。
そして、位置センサ2の位置検出信号、電圧センサ7の検出電圧信号および、電流センサ8u〜8wの検出電流信号が演算処理部41に入力され、その演算部41aは、記憶部41bの駆動制御のプログラムを実行することにより、位置センサ2の位置検出信号からSRモータ1の現在の回転角度(ロータの基準位置からの回転位置)を検出し、この回転角度から駆動相のステータ磁極の非対向、対向の状態を検出監視してSRモータ1の駆動相の切り替えタイミングを把握する。
また、演算部41aは、電圧センサ7の検出電圧信号からインバータ3の入力電源の電圧(電源電圧)を監視し、電流センサ8u〜8wの検出電流信号からSRモータ1の駆動相の駆動電流(モータ電流)を監視する。
そして、演算部41aの各相の制御出力が演算処理部41から駆動制御部42の電力増幅処理等を介してインバータ3の各相のスイッチング素子Sua〜Swbのゲートに供給され、インバータ3の駆動相のスイッチング素子Sua(Sva、Swa)、Sub(Svb、Swb)をオフ・オンしてSRモータ1の駆動電圧を制御し、SRモータ1の駆動電流を、電源電圧、前記位置検出信号から検出したSRモータ1の回転数、アクセル開度に応じたトルク指令値等をパラメータとして記憶部41bの目標電流マップから読み出した時々刻々の目標電流IkにPWM制御する。
そのため、演算部41aは、制御部4のクロック回路(図示せず)のクロック信号をカウントして、各相に共通のPWM制御の所定のキャリア周期Tcの信号を形成する。さらに、このキャリア周期Tcの信号に基づき、PWM制御中には、検出した駆動電流と目標電流Ikの差に応じて周知のPID制御等によってパルス幅(オンデューティ)が変化するPWM信号を形成する。
ところで、駆動相が切り替わったときには前記したように駆動相の励磁用のコイル(ステータ巻線Lu、Lv、Lw)を連続的に通電して速やかにモータ電流を0から目標電流Ikに立ち上げ、その後、PWM制御に移行してPWM制御でモータ電流を目標電流Ikに維持することが望ましい。その際、駆動電流が目標電流Ikに立ち上がるタイミングとPWM制御のキャリア周期Tcとのずれに基づくモータ電流の変動ひいてはトルクの低下や変動が生じないようにする。
そこで、本実施形態の場合、演算部41aは、図2の補正処理をくり返し実行し、つぎに説明するようにして、駆動相の通電開始タイミングを補正する。
演算部41aは、まず、いわゆる「マップ引き」により記憶部41bのデータマップから、通電開始角度θon及び、通電開始角度θonからの連続通電で駆動電流が0からPWM制御の目標電流Ikに立ち上がる電流立上角度θriseを読み出して、通電開始タイミングからの通電によって駆動電流がPWM制御の目標電流Ikに立ち上がるタイミングを予測して導出する(ステップS1)。また、位置センサ2の位置検出信号に基づいて得られる現在の回転角度(以下、現在角度という)θnを取得する(ステップS2)。なお、電流立上角度θriseに代えて電流立上時間Triseを前記データマップから読み出し、位置センサ2の位置検出信に基づいて検出したSRモータ1の現在の回転速度(モータ回転数)ωを参照して、θrise=θon+Trise・ωの演算から電流立上角度θriseを求めてもよい。
つぎに、PWM制御のキャリア周期(制御周期)Tcと電流立上角度θriseに到達するタイミングとのずれを予測して補正するため、演算部41aは、現在角度θnから電流立上角度θriseに到達する時間ΔTを、ΔT=(θrise−θn)/ωの演算によって算出する。また、キャリア周期Tcのα(整数値)倍が時間ΔT以上になるとして、ΔT/Tcについての小数点以下を切り上げる演算から倍数αを求める。さらに、電流立上角度θriseに到達した直後のキャリア周期(次のキャリア周期)Tcの前縁(電流立上角度θriseに到達するキャリア周期(前のキャリア周期)Tcの後縁でもある)の角度を電流立上直後のキャリア周期タイミング角度θcnとし、この角度θcnを、θcn=θn+α・Tc・ωの演算から求める(ステップS3)。
そして、SRモータ1が一定回転数以上で回転するようになり、電流立上角度θriseが電流立上直後のキャリア周期タイミング角度θcnから1キャリア周期Tc以内に発生してθcn<θrise<(θcn+Tc・ω)を満たすようになるまで待機し(ステップS4のNO)、θcn<θrise<(θcn+Tc・ω)を満たすようになると(ステップS4のYES)、通電開始角度θonを補正するため、電流立上角度θriseとキャリア周期タイミング角度θcnとのずれを示す差分角度(θrise−θcn)が時間換算でキャリア周期Tcの半分以上になるか否か、すなわち、(θrise−θcn)≧Tc・ω/2か否かを判断する(ステップS5)。
(θrise−θcn)≧(Tc/2)・ωであれば、電流立上角度θriseが次のキャリア周期Tcのキャリア周期タイミング角度θcn+ω・Tcに近いと判断してステップS5をYESで通過し、電流立上角度θriseが次のキャリア周期Tcのキャリア周期タイミング角度θcn+ω・Tcに一致するように、補正部41cにより、演算部41aに読み出された通電開始角θonをつぎの(1)式の演算により算出した補正通電開始角θon*に遅角シフト補正する(ステップS6)。
Figure 2012100370
図3は遅角シフト補正の補正例を示し、図3(a)は図8(a)と同様のPWM制御のキャリア周期Tcを示し、図3(b)はSRモータ1の駆動電流の波形例を示す。そして、通電開始角θonからの連続通電では、図3(b)の破線に示すように駆動電流の目標電流Ikに立ち上がる電流立上角度θriseがキャリア周期Tcと非同期になって次のキャリア周期タイミング角度θcn+ω・Tcからずれるが、補正通電開始角θon*からの連続通電では、図3(b)に示すように、白抜きの矢印αの遅角シフトに基づき、実線の駆動電流は目標電流Ikに立ち上がる電流立上角度θrise*がキャリア周期Tcに同期して次のキャリア周期タイミング角度θcn+ω・Tcに一致するようになる。
(θrise−θcn)≧(Tc/2)・ωでなければ、電流立上角度θriseは前のキャリア周期Tcのキャリア周期タイミング角度θcnに近いと判断して図2のステップS5をNOで通過し、補正部41cにより、電流立上角度θriseが前のキャリア周期Tcのキャリア周期タイミング角度θcnに一致するように、演算部41aに読み出された通電開始角θonをつぎの(2)式の演算により算出した補正通電開始角θon*に進角シフト補正する(ステップS7)。
Figure 2012100370
図4は進角シフト補正の補正例を示し、図4(a)は図3(a)と同様のPWM制御のキャリア周期Tcを示し、図4(b)はSRモータ1の駆動電流の波形例を示す。そして、通電開始角θonからの連続通電では、図4(b)の破線に示すように駆動電流の目標電流Ikに立ち上がる電流立上角度θriseがキャリア周期Tcと非同期になって次のキャリア周期タイミング角度θcn+ω・Tcからずれるが、補正通電開始角θon*からの連続通電では、図4(b)に示すように、白抜きの矢印βの進角シフトに基づき、実線の駆動電流の目標電流Ikに立ち上がる電流立上角度θrise*がキャリア周期Tcに同期して次のキャリア周期タイミング角度θcn+ω・Tcに一致するようになる。
そして、相毎に通電開始角θonに代えて補正通電開始角θon*を実際の通電開始角として予測し、記憶部41bに書換え自在に設定して保持する(ステップS8)。
さらに、位置センサ2の位置検出信に基づく現在角度θnから、駆動相の切り替えタイミングを検出すると、記憶部41bの駆動相の補正通電開始角θon*のタイミングから駆動相の励磁用のコイルを連続的に通電して駆動電流を速やかにPWM制御の目標電流Ikに増大し、その後、PWM制御に移行して駆動電流をPWM制御で目標電流に維持する。
この場合、駆動相が切り替わったときにはSRモータ1の駆動相の励磁用のコイル(ステータ巻線Lu、Lv、Lw)を補正通電開始角θon*のタイミングから連続的に通電して速やかに駆動電流を0から目標電流Ikに立ち上げ、その後、PWM制御に移行してPWM制御でモータ電流を目標電流Ikに維持することができる。その際、駆動電流が目標電流Ikに立ち上がるタイミングはPWM制御のキャリア周期Tcに同期し、それらのタイミングのずれに基づく駆動電流やトルクの低下や変動を防止できる。
ところで、本実施形態においては、つぎに説明するように、SRモータ1の誘起電圧の影響も考慮して各相の通電開始のタイミングを一層適切なものに補正する。
SRモータ1は、ロータの突極がステータの各相の突極(磁極)に完全ないしは不完全に非対向になる非対向範囲では、誘起電圧がほぼ線形に変化することから、誘起電圧を直線近似で予測できる。
図5はSRモータ1の例えばU相の誘起電圧の変化例を示し、図中のδa、δbは完全な対向状態の電気角、δcは電気角δa、δbの中間の完全な非対向の電気角であり、電気角δcを中心とする斜線部が非対向範囲dである。この非対向範囲dでは誘起電圧は電気角δcで0であり、それから略線形に、角度が電気角δcから大きくなると正(+)方向に、電気角δcより小さくなると負(−)方向に、それぞれ変化する。
そして、進角シフト補正をする場合、誘起電圧は負方向に変化し、駆動相が切り替わる非対向範囲dでは、電源電圧に誘起電圧を重畳した電圧が駆動相の励磁用のコイルに印加されるようになり、駆動電流の時間変化(di/dt)が大きくなるので、誘起電圧の影響を考慮しなければ、補正後の駆動電流が目標電流Ikを超える可能性がある。
また、遅角シフト補正をする場合、誘起電圧は正方向に変化し、駆動相が切り替わる非対向範囲dでは、電源電圧から誘起電圧を引いた電圧が駆動相の励磁用のコイルに印加されるようになり、駆動電流の時間変化(di/dt)が小さくなるので、誘起電圧の影響を考慮しなければ、補正後の駆動電流が目標電流Ikに達しない可能性がある。
そこで、駆動電流のより高精度の補正を行なう場合、誘起電圧を考慮し、設定部41dが誘起電圧に応じて設定する補正の度合いにしたがって、補正部41cが遅角シフト補正及び進角シフト補正を行なう。
設定部41dの補正の度合いは、電圧センサ7が検出する電源電圧と、位置センサ2の位置検出信号から検出されるSRモータ1の回転数に応じて設定部41dのマップから読み出した誘起電圧とに基づき、遅角シフト補正の場合、「電源電圧/(電源電圧十誘起電圧)」として求められて設定され、進角シフト補正の場合、「(電源電圧十誘起電圧)/電源電圧」として求めて設定される。この時、遅角シフト補正では誘起電圧が正のため補正の度合いは1より小さくなり、結果として通電期間が長くなることによって遅角時の駆動電流の時間変化の減少を補正する。同様に、進角シフト補正では誘起電圧が負となるため、補正の度合いは1より大きくなり、結果として通電期間が短くなることによって進角時の駆動電流の時間変化の増加を補正する。
そして、遅角シフト補正の際は、補正部41cにより、(θrise−θcn)≧Tc・ω/2の条件下、演算部41aに読み出された通電開始角θonを、つぎの(3)式の演算により算出した補正通電開始角θon**に補正する。
Figure 2012100370
また、進角シフト補正の際は、補正部41cにより、図2のステップS5不成立時には、演算部41aに読み出された通電開始角θonを、つぎの(4)式の演算により算出した補正通電開始角θon**に補正する。
Figure 2012100370
図6、図7はそれぞれ上記の誘起電圧を考慮した遅角シフト補正、進角シフト補正の補正例を示し、それらの図において、(1)の線は通電開始角θonから、(2)の線は補正通電開始角θon*から、(3)の線は補正通電開始角θon**から、それぞれ通電した時の電流波形である。
図6からも明らかなように、SRモータ1の誘起電圧を考慮して白抜きの矢印に示すように、(2)から(3)に補正した場合は、目標電流Ikに比して駆動電流が誘起電圧に相当する分増加するように、通電時間を増加して駆動制御され、図7の白抜きの矢印に示すように(2)から(3)に補正した場合は、目標電流Ikに比して駆動電流が誘起電圧に相当する分減少するように、通電時間を減少して駆動制御され、結果として、いずれの補正の場合も、駆動電流は目標電流Ikに到達して過不足なくPWM制御される。
したがって、SRモータ1の誘起電圧の影響も考慮して各相の通電開始のタイミングを一層適切なものに補正することができる。
なお、アクセルペダルが踏み込まれなくなったりしてSRモータ1が発電機として動作する回生時にも、制御部4によりインバータ3を同様に駆動制御すれはよいが、その際、(3)式、(4)式と同様の式の演算により、通電開始角θonを補正通電開始角θon**に相当する補正通電開始角に遅角シフト補正、進角シフト補正することが好ましい。さらに、遅角補正による誘起電圧の増加を防止して過電流によるインバータ3等の損傷を確実に防ぎ、安全性を高める場合は、電流立上角度θriseとキャリア周期タイミング角度θcnとの関係にかかわらず、回生時は常に(4)式と同様の式の演算により進角シフト補正のみを行なうようにすればよい。
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば、インバータ3や制御部4の構成等は前記実施形態と異なっていてもよい。
また、SRモータ1が4相以上の多相の場合にも、インバータ3のアーム数、スイッチング素子数が3相の場合より多くなるだけであり、本発明を同様に適用できる。
さらに、本発明は、例えばアキシャルギャップ型のSRモータのモータ駆動装置にも同様に適用することができ、さらには、SRモータ以外のモータのモータ駆動装置にも適用できる。
そして、本発明は、電気自動車、ハイブリッド車の駆動モータだけでなく、種々の用途のモータのモータ駆動装置に適用することができる。
1 SRモータ
3 インバータ
4 制御部
41 演算処理部
41a 演算部
41b 記憶部
41c 補正部
41d 設定部

Claims (2)

  1. 所定のキャリア周期に同期して制御対象のモータの電流をPWM制御するモータ駆動制御装置であって、
    前記モータの通電開始タイミングから前記電流が立ち上がるタイミングを導出する電流立上タイミング導出手段と、
    前記キャリア周期と前記電流が立ち上がるタイミングとの偏差に基づいて前記通電開始タイミングを補正する補正手段とを備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置おいて、
    さらに、前記補正手段の補正度合いを前記モータの誘起電圧に応じて設定する設定手段を備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
JP2010243484A 2010-10-29 2010-10-29 モータ駆動制御装置 Active JP5709464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010243484A JP5709464B2 (ja) 2010-10-29 2010-10-29 モータ駆動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010243484A JP5709464B2 (ja) 2010-10-29 2010-10-29 モータ駆動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012100370A true JP2012100370A (ja) 2012-05-24
JP5709464B2 JP5709464B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=46391661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010243484A Active JP5709464B2 (ja) 2010-10-29 2010-10-29 モータ駆動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5709464B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110120762A (zh) * 2019-05-23 2019-08-13 合肥工业大学 无误差的开关磁阻电机电流控制方法
CN112968647A (zh) * 2021-02-03 2021-06-15 大连理工大学 一种开关磁阻电机的改进电流预测控制方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09182490A (ja) * 1995-12-26 1997-07-11 Aisin Seiki Co Ltd スイッチドリラクタンスモータの制御装置
JP2006094577A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Nissan Motor Co Ltd スイッチトリラクタンスモータの高速域制御方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09182490A (ja) * 1995-12-26 1997-07-11 Aisin Seiki Co Ltd スイッチドリラクタンスモータの制御装置
JP2006094577A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Nissan Motor Co Ltd スイッチトリラクタンスモータの高速域制御方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110120762A (zh) * 2019-05-23 2019-08-13 合肥工业大学 无误差的开关磁阻电机电流控制方法
CN112968647A (zh) * 2021-02-03 2021-06-15 大连理工大学 一种开关磁阻电机的改进电流预测控制方法
CN112968647B (zh) * 2021-02-03 2022-12-02 大连理工大学 一种开关磁阻电机的改进电流预测控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5709464B2 (ja) 2015-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090302792A1 (en) AC rotating machine with improved drive for its stator coil
US9979329B2 (en) Power converting device and power converting system
JP6227008B2 (ja) 開閉体制御装置及び開閉体制御方法
JP2009240041A (ja) ブラシレスモータ制御装置及びブラシレスモータ
JP5188723B2 (ja) スイッチトリラクタンスモータの制御装置
JP2016189647A (ja) 電動機システム
JP5665175B2 (ja) 電動車両駆動用モータの出力制御装置および出力制御方法
US9000704B2 (en) Three-phase motor driving apparatus and three-phase motor driving method
JP5545646B2 (ja) モータ駆動制御装置
JP2012125096A (ja) モータ駆動制御装置
JP5709464B2 (ja) モータ駆動制御装置
JP6292071B2 (ja) スイッチトリラクタンスモータの制御装置
EP3550718B1 (en) Driving control device and driving control method
JP2012244740A (ja) 駆動装置
JP6719403B2 (ja) モータ制御装置
JP2011030385A (ja) モータ駆動装置、及びモータに備えられたロータの相対位置の判別方法
JP5512410B2 (ja) モータ駆動制御装置
CN115398794A (zh) 马达控制装置、马达系统及马达控制方法
JP7103065B2 (ja) 制御装置
JP2012191728A (ja) モータの制御装置
JP5507346B2 (ja) モータ駆動制御装置
JP2012135103A (ja) モータ駆動制御装置
JP2016103912A (ja) 電力変換装置
JP6183292B2 (ja) スイッチトリラクタンスモータの制御装置
JP2012223026A (ja) 駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5709464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250