この発明の実施例1の広角LEDランプ100、電球形LEDランプ(LED電球)100Aを、図1ないし図15を参照して記載する。
図1は実施例1のLEDランプ100、LED電球100Aを示す概略的な分解斜視図である。
図2は実施例1のLEDランプ100、LED電球100Aを示す概略的な斜視図である。
図3は実施例1のLEDランプ100、LED電球100Aを示し、その一部を破断して断面とした概略的な正面図である。
図4は図2のA1−A2線に沿ったLEDランプ100、LED電球100Aを示す概略的な断面図である。
図5は図2のB1−B2線に沿ったLEDランプ100、LED電球100Aを示す概略的な断面図である。
図6は図4の概略的な断面図に光路を記入した光路説明図である。
図7は図5の概略的な断面図に光路を記入した光路説明図である。
図8は図4の概略的な断面図における部分PT−Aの数例を拡大して示す概略的な断面図である。
図9は図4の概略的な断面図における部分PT−Bの数例を拡大して示す概略的な断面図である。
図10は実施例1に用いられる円筒110の一部の数例を平面的に展開した展開図である。
図11は図4の概略的な断面図における部分PT−Cの数例を拡大して示す概略的な断面図である。
図12はこの発明に使用できる各種のLED素子を示す概略的な断面図である。
図13はこの発明に使用できる他の各種のLED素子を示す概略的な断面図である。
図14はこの発明に使用できる各種のLEDユニットを示す概略的な断面図である。
図15は複数のLED素子を用いたLEDユニットにおいるLED素子の配列の例を示す概略的な平面図である。
図1ないし図5を参照して、実施例1のLEDランプ100、電球形LEDランプ(LED電球)100Aについて詳細に記載する。
LEDランプは、放熱外面と光反射性内面と複数の窓からなり、内部空間を有する熱伝導性中空部材と、前記熱伝導性中空部材と熱結合させ、前記内部空間へ指向する位置に配置させた、少なくとも一つの発光ダイオード(LED)素子を備える。
LEDランプ100は、熱伝導性材料からなり内部空間HSを有する「熱伝導性円筒」(熱伝導性中空部材)110と、少なくとも一つのLED(発光ダイオード(LED)素子)141を回路基板142に装着(実装)した「発光ユニット」140を備える。
熱伝導性円筒110は、外気と接するように露出した放熱外面110aと光反射性内面110bと貫通孔111を覆う光透過材料を有する複数の窓130からなる。
例えば図3ないし図7に示すように、発光ユニット140は、その回路基板142が熱伝導性基板(ヒートシンク、熱伝導性部材)150上に熱伝導接触(熱結合)して搭載、固定される。
熱伝導性円筒110は、上端の開口112(光出射端)から下端(光入射端)にわたって同じ内径d1(図4参照)を有する円筒からなり、円板状の熱伝導性基板150は上記内径d1と同じまたはわずかに小さな外径を有する熱伝導性円板からなる。
発光ユニット140を搭載した熱伝導性基板150は、熱伝導性円筒110の下端(光入射端)の内面110bと接触、近接して挿入される。
熱伝導性基板150は、その環状側面が熱伝導性円筒110の下端部と全面的にまたは部分的に熱伝導接触して固定されるように、熱伝導性ネジ(はんだ、熱伝導性接着材、熱伝導性リベット(鋲止め)、ピン止め、溶着、溶接)などの任意の熱伝導性固定手段FM(図3参照)により円筒110に固定される。
したがって、発光ユニット140は、熱伝導性基板150を経由して熱伝導性円筒110(内面110b、外面110a)と間接的に熱結合されることになる。
これにより動作中にLED素子141で発生した熱は露出した外面110aから空気中へ効果的に放散され、発光ユニット140のLED素子141は冷却され、常時LED素子141は許容温度以下に保たれる。
更にLEDランプ100にハウジング180に内蔵した点灯回路160と給電用口金170を設け電球形LED電球100Aとなる。
点灯回路160は、商用電源などの交流を直流に変換する電源回路であり、発光ユニット140のLED素子141を直流駆動してLED素子141を点灯する。
ハウジング180は、ロート状、円錐殻状などの形状をなし、直径が大きな上部開口と上部開口より直径が小さな下部開口とからなり、その内部空洞に点灯回路160が収容される。
熱伝導性基板150はその底部が金属、樹脂などのハウジング180の上部開口を塞ぐように、ハウジング180の上部と固定され、ハウジング180の下部と給電用の口金170が固定される。
リング状絶縁性部材181は、ハウジング180と口金170を連結する。
口金170は、白熱電球用に広く用いられている外部ソケットから交流電力を受電する給電端子であり、白熱電球の口金と同じスクリュウ形(エジソン形)給電端子(給電ベース)とすることができる。その代わり、口金170は、ピン形など他の任意の形式の給電端子としても良い。
(熱伝導性中空部材)
実施例1における熱伝導性円筒110などの熱伝導性中空部材は、全ての実施例に用いられる主要構成要素の一つである。
実施例1における熱伝導性円筒110は、外面110aと光反射性内面110bとこれらの両面110a、110bを厚み方向にほぼ垂直または下向きに傾斜して貫通する貫通孔111と貫通孔111を覆う光透過材料を有する複数の窓130からなる。
図10(図10A、図10B、図10B、図C、図10D)は、熱伝導性円筒110の一部を拡大して示す平面図である。
図10Aに示す熱伝導性円筒110−1は、外面110a(または光反射性内面110b)と複数の円形の窓130−1(または貫通孔111−1)からなり、複数の窓が横方向のピッチp1、縦方向のピッチp2を隔てて、格子状に並列配列されている。
図10Bに示す熱伝導性円筒110−2は、外面110a(または光反射性内面110b)と複数の矩形の窓130−2(または貫通孔111−2)からなり、複数の窓が格子状に並列配列されている。
図10Cに示す熱伝導性円筒110−3は、外面110a(または光反射性内面110b)と複数の楕円形の窓130−3(または貫通孔111−3)からなり、複数の窓が格子状に並列配列されている。
図10Dに示す熱伝導性円筒110−2は、外面110a(または光反射性内面110b)と複数の長方形の窓130−4(または貫通孔111−4)からなり、複数の窓が格子状に並列配列されている。
図10(図10A、図10B、図10B、図C、図10D)に示すように、それぞれの貫通孔111(窓130)の開口面積は熱伝導性円筒110の下部から上部の全ての領域にわたって全て同じサイズとすることができる。
また貫通孔111(窓130)の分布密度も全ての領域にわたって同じとすることができる。
その代わり、発光ユニット140からの光線L1の指向特性を考慮して複数の貫通孔111(窓130)の上記開口面積および、または上記分布密度を異なる領域で可変してもよく、それにより円筒110の窓130からの出射光線L2の光量を異なる領域で均一化または異ならせることができる。
例えば、複数の貫通孔111(窓130)の上記開口面積および、または上記分布密度を円筒110の下部から上部または環状周辺の左右に向かって連続的または段階的に増加または減少させても良い。
熱伝導性円筒110は、通常の合成樹脂より高い熱伝導性を有する銅、アルミニウム、亜鉛、錫、鉄などの熱伝導性金属(または合金)、熱伝導性セラミック、または熱伝導性粒子、熱伝導性繊維などの熱伝導性フィラー(充填物)を合成樹脂に含有した熱伝導性合成樹脂などからなることができる。
熱伝導性円筒110の素材として用いられる熱伝導性金属(または合金)は、例えば、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄などの金属、ジュラルミン(アルミニウムと銅、亜鉛、マグネシウムの合金であるアルミニウム合金)、鋼鉄(鉄と炭素、ニッケル、クロムなどとの合金)などの合金があげられる。
熱伝導性円筒110の素材として、鉄(熱伝導率TC:約67W/mK)、炭素鋼(熱伝導率TC:約30−50W/mK)、クロム鋼(熱伝導率TC:約20−60W/mK)、ニッケル鋼(熱伝導率TC:約10−60W/mK)などの各種の鋼鉄などの熱伝導性金属、合金を用いることができる。
全光量(全光束)の大きな光線を放射する高出力LEDを用いる場合には、熱伝導性円筒110の素材として、特に熱伝導率の高い銅(熱伝導率TC:約370W/mK)、アルミニウム(熱伝導率TC:約200W/mK)、ジュラルミン(熱伝導率TC:約140W/mK)などの高熱伝導性金属、合金を用いるのが望ましい。
熱伝導性円筒110の一例として、アルミニウム、その合金、銅、その合金、アルミニウム、銅などの異種金属の積層板などの熱伝導性金属板に複数の貫通孔(開口)111を形成した、パンチング・メタル(パーフォレイト・メタル:perforated metal)、エキスパンデッド・メタルと称する熱伝導性多孔金属板を、円筒状に加工した熱伝導性多孔金属円筒を使用できる。
他の例として、多孔性円筒110は、無孔性熱伝導性円筒に後から複数の貫通孔111をパンチング、ドリル加工などの機械的パンチング加工、エッチング液を用いた化学的エッチング処理、レーザービームなどを用いた物理的エッチング処理によるエッチング加工して形成しても良い。
他の例として、多孔性円筒110は、アルミニウムなどの熱伝導性金属、熱伝導性樹脂、熱伝導性セラミックなどの熱伝導性素材と所定の金形を用いて、複数の貫通孔、貫通孔と放熱フィンを有する円筒を製造しても良い。
熱伝導性円筒110は、円筒の外面が露出し外気と接触する熱伝導性外面110aからなり、その内面が光反射性内面110bからなる。したがって円筒として素材自体が高い熱伝導性と高い光反射性を共に有するアルミニウムまたはその合金、アルミニウムの陽極酸化膜付きアルミニウム(アルマイト、alumite(商標))を用いるのが望ましい。
その代わりに、熱伝導性円筒110として、高い熱伝導性を有する銅製円筒を用い、内面にアルミニウム、銀、錫、亜鉛などの高光反射性金属をメッキ、蒸着加工などにより被覆して光反射性内面110bとしても、アルミニウム製円筒と同様に高い熱伝導性と高い光反射性を共に持たせることができる。
この場合に、予め複数の貫通孔を設けた銅製円筒の全体に上記高光反射性金属をメッキ加工することにより、内面、外面および貫通孔111の内壁の全てを光反射性とすることができる。
円筒110として、内面側となる高い光反射性と熱伝導性を有するアルミニウムまたはその合金からなる第一の金属薄板と外面側となる高い熱伝導性を有する銅またはその合金からなる第二の金属薄板からなる異種金属板を積層一体化したクラッド形金属板を用いることができる。
実用的には、第一の金属薄板とし高い光反射性と熱伝導性を有するアルミニウムを用いる場合には、クラッド形金属板の全体としては比較的に高い熱伝導性が得られるので第二の金属薄板として鋼板を用いることができる。
またこのクラッド形金属板を予めパンチング加工して多数の貫通孔111を有するクラッド形金属板を円筒加工して熱伝導性円筒110とすることができる。
熱伝導性円筒として銅を用い、内面にアルミニウム、銀、錫、亜鉛などの高光反射性金属をメッキ、蒸着加工などにより被覆して光反射性内面110bとしても、アルミニウム製円筒と同様に高い熱伝導性と高い光反射性を共に持たせることができる。
光反射性内面110bは、光を鏡面反射する正反射性内面のみならず光を散乱反射する散乱反射性内面でも良い。
光反射性金属からなる熱伝導性円筒(中空部材)110の内面を、ブラスト処理、エッチング処理などの粗面化処理を行って多数の微小凹凸表面からなる散乱反射性(拡散反射性)内面110b(光反射性内面)としても良い。
または熱伝導性円筒(中空部材)110の内面に、白色顔料を含む白色塗料を塗布した白色散乱性を有する白色塗料膜を形成して散乱反射性内面110b(光反射性内面)としても良い。
(透過性窓)
図8(図8A、図8B、図8C)に示すように、透過性窓130は、透明材料に散乱性フィラーを混入して光散乱透過性窓とするのが望ましく、それにより窓130から外部に出射する照明光線L2の出射角度を広げることができる。
光散乱透過性窓130の数例と、それらにおける光路を図8(図8A、図8B、図8C)は、図4における部分PT−Aを拡大した断面図を参照して記載する。
図8Aに示すように、光散乱透過性窓130−1は円筒110に設けた貫通孔111に光散乱性フィラー130−1bを混入した透明樹脂130−1aを充てんしたものである。LED素子からの放射光線L1bが窓130−1の内面(円筒内面110b側)に入射すると、光線L1bは窓130−1内に進み透明樹脂130−1aに分散された光散乱性フィラー130−1bで散乱して、窓130−1の外面(円筒外面110a側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
図8Bに示すように、他の光散乱透過性窓130−2は円筒110に設けた貫通孔111に透明樹脂130−2aを充てんし、透明樹脂130−2aの外面(円筒外面110b側)に透明樹脂塗料に上記光散乱性フィラーを混入した散乱透過層130−2bを塗布、形成したものである。
LED素子からの放射光線L1bが窓130−2の内面(円筒内面110b側)に入射すると、光線L1bは窓130−2内に進み透明樹脂130−2aを透過し、散乱透過層130−2bで散乱して、窓130−2の外面(円筒外面110b側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
図8Cに示すように、更に他の光散乱透過性窓130−3は円筒110に設けた貫通孔111に透明樹脂130−3aを充てんし、透明樹脂130−3aの外面(円筒外面110a側)にブラスト加工などにより粗面化処理をして外面を粗面130−3bを形成したものである。
LED素子からの放射光線L1aが窓130−3の内面(円筒内面110b側)に入射すると、光線L1bは窓130−3内に進み透明樹脂130−3aを透過し、粗面130−3bで散乱して、窓130−2の外面(円筒外面110a側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
上記の光散乱性フィラーは、それ自体で光散乱性を有する酸化チタン、酸化亜鉛で代表される白色顔料などの光散乱性フィラー(充てん材)のみならず、それ自体は透明または半透明であるが透明樹脂材料と異なる屈折率を有し透明樹脂材料に分散して含有した時に両者の屈折率の差に基づいて光散乱性を示す光透過性フィラーからなる。
更に、光散乱透過性窓130−1(130)として、少なくとも透明樹脂材料より高い熱伝導性を有する粒子、繊維、ウィスカーなどの金属酸化物、セラミックなどからなる光散乱性および熱伝導性フィラーをアクリル、ポリカーボネート、エポキシ、シリコーンなどの透明樹脂材料に混入して、光散乱透過性窓130−1(130)の熱伝導性を向上させるのが望ましい。
透明樹脂材料より高い熱伝導性を有する光散乱性および熱伝導性フィラーとしては、例えば酸化チタン(TiO2)、シリカ(SiO2)またはガラスを用いることができる。
光散乱性および熱伝導性フィラーとして、酸化チタン(TiO2、TC:約11W/m・K)、シリカまたはガラス(約1W/m・K)と比較して熱伝導率(サーマル・コンダクティビティー:TC)が少なくとも数倍以上高い、例えば酸化亜鉛(ZnO、TC:約54W/m・K)、酸化アルミニウム(Al2O3、TC:約35W/m・K)、酸化マグネシウム(MgO、TC:約60W/m・K))等の金属酸化物、窒化ホウ素(BN、TC:約60W/m・K)、窒化アルミニウム(AlN、TC:約150W/m・K)、窒化ケイ素(SiN、TC:約50W/m・K)等の金属窒化物、炭化ケイ素(SiC、TC:約490W/m・K)、サファイア(TC:約30W/m・K)、ダイヤモンド(TC:約2000W/m・K)などの一種または複数種からなる透明あるいは白色を示す高熱伝導粒子を用いるのが特に望ましい。
これにより、光散乱透過性窓130−1(130)を含めた熱伝導性円筒110全体の熱伝導性を向上させることができる。そして熱伝導性円筒110からの照明光線L2の全光量を多くしたいときに、貫通孔111、窓130−1(130)の上記開口率を増加させても、窓130−1(130)の存在による熱伝導性円筒110全体の熱伝導性の低下を防ぐことができる。
(光反射性内面)
図9(図9A、図9B)を参照して、光反射性内面110bの数例と、それらにおける光路を記載する。(図9は図4における一部分PT−Bを拡大した断面図である。)
この明細書、特許請求の範囲において用いる用語「光反射性」は、光の入射角と反射角が反射面に対して同じ角度となる「正反射(鏡面反射)」のみならず、入射光が複数の方向に反射される「散乱反射(拡散反射)」も含む。
したがって、この明細書、特許請求の範囲において、用語「光反射性内面」、「反射性内面」は、光を正反射(鏡面反射)または散乱反射(拡散反射)する内面を意味する。
図9Aは、光反射性内面110bと外面110aを有する円筒110と窓130を示し、円筒110として素材自体で光反射性と熱伝導性が共に優れたアルミニウムまたはアルミニウム合金などを用いることができる。
熱伝導性円筒(中空部材)110として素材自体がアルミニウム、アルミニウム合金などの光反射率の高い光反射性を有する光反射性金属を用いる場合には、その内面は光を正反射(鏡面反射)または散乱反射(拡散反射)する光反射性内面110bとなる。
この光反射性金属からなる熱伝導性円筒(中空部材)110の内面を、更に鏡面処理、平滑化処理などを行って正反射性(鏡面反射性)内面(光反射性内面)110bとしても良い、
光反射性金属からなる熱伝導性円筒(中空部材)110の内面を、ブラスト処理、エッチング処理などの粗面化処理を行って多数の微小凹凸表面からなる散乱反射性(拡散反射性)内面110b(光反射性内面)としても良い。
銅、鋼鉄などの光反射率が比較的に低い熱伝導性円筒(中空部材)110を用いる場合には、その内面にアルミニウム、亜鉛、錫、ニッケル、クロム、銀などのように光反射率の高い光反射性を有する光反射性金属をメッキ処理、真空蒸着、スパッタリング処理などを行って正反射(鏡面反射)内面110b(光反射性内面)としても良い。
または熱伝導性円筒(中空部材)110の内面に、白色顔料を含む白色塗料を塗布した白色散乱性を有する白色塗料膜を形成して散乱反射性内面110b(光反射性内面)としても良い。
LED素子からの放射光線L1cが光反射性内面110bに到達するときに、そこで反射されて円筒110内の空間HSを上方へ進む。
反射光線L1cはその進行方向に位置する窓130、光透過性カバー120または光反射性内面110bに到達する。窓130、光透過性カバー120に到達した反射光線L1cはそれらから外部に出射して照明光線L2、L3となり、光反射性内面110bに到達した反射光線L1cは更に反射されて円筒110内の空間HSを上方へ進む。
図9Bは、内面110bと外面110aを有する円筒110と窓130を示し、円筒110とし熱伝導性が優れているが光反射性が比較的に小さい銅などを用い、内面110bにアルミニウム、銀などの反射性金属層を形成して光反射性内面110b−1としている。LED素子からの放射光線L1cが光反射性内面110b−1に到達するときに、そこで反射されて円筒110内の空間HSを上方へ進み、反射光線L1cは進行方向に位置する窓130、光透過性カバー120から外部に出射して照明光線L2、L3となり、または光反射性内面110b−1に到達して反射し更に上方に進む。
(貫通孔と窓の形状と配列)
貫通孔と窓の形状と配列について図10を参照して記載する。
図10(図10A、図10B、図10C、図10D)は複数の貫通孔110、窓130を有する多孔性円筒110の一部を拡大し平面状に展開した展開図である。
図10Aに示す円筒110−1は、多孔板の内外面(外面110aまたは内面110b)とほぼ同じ直径の複数の貫通孔110−1(または窓130−1)からなり、横方向のピッチp1、縦方向の列のピッチp2を離して複数の貫通孔110−1(または窓130−1)が格子(マトリクス)状の行列で並列に配列されている。
図10Bに示す円筒110−2は、多孔板の内外面(外面110aまたは内面110b)とほぼ同じ面積の四角形など矩形からなる複数の貫通孔110−2(または窓130−2)からなり、これらが格子(マトリクス)状の行列で並列に配列されている。
図10Cに示す円筒110−3は、多孔板の内外面(外面110aまたは内面110b)とほぼ同じ面積の楕円形からなる複数の貫通孔110−3(または窓130−3)からなり、楕円形貫通孔、窓が長軸,短軸の配置方向をそれぞれ同一方向にして格子(マトリクス)状の行列で並列に配列されている。
図10Dに示す円筒110−4は、多孔板の内外面(外面110aまたは内面110b)とほぼ同じ面積の長方形からなる複数の貫通孔110−4(または窓130−4)からなり、楕円形貫通孔、窓が長辺,短辺の配置方向をそれぞれ同一方向にして格子(マトリクス)状の行列で並列に配列されている。
図10A、図10B、図10C、図10Dにおいて、貫通孔110(110−1、110−2、110−3、110−4)、窓130(130−1、130−2、130−3、130−4)のピッチ、面積および、または形状を多孔板の異なる領域で変化させても良く、それにより窓130から出射する照明光線L2の光量を調節できる。
(光透過性カバー)
光透過性カバー120は、熱伝導性円筒110の他端(上部の光出射開口112)(図4参照)を覆って固定、配置されることができる。
光透過性カバー120は光透過性樹脂、ガラスからなるドーム、半円形など曲面形状の光透過性材料からなる。
光透過性カバー120は光透過性樹脂、ガラスからなる平板からなっても良い。(後に図30、図31を参照して記載する。)
また目的により、光透過性カバー120を省略しても良い。
図11(図11A、図11B、図11C、図11D)を参照して、光散乱透過性カバー120の具体例を、記載する。これらの図は、図4における部分PT−Cを拡大したものである。
図11Aに示す光散乱透過性カバー120Aは、所定の厚さの透明なカバー本体と、透明カバー本体の内面に透明な樹脂、ガラス内に粒子状、繊維状の複数の光散乱性フィラー(充てん剤)を分散して含有した光散乱層120A−1と、ほぼ平滑な曲面からなる外面120A−2とからなる。
図11Bに示す光散乱透過性カバー120Bは、所定の厚さの透明なカバー本体の内部に粒子状、繊維状の複数の光散乱性フィラーを分散して含有したものであり、その内面120B−1と外面120B−2はほぼ平滑な曲面からなる。
図11Cに示す光散乱透過性カバー120Cは、所定の厚さの透明なカバー本体の内面120C−1を粗面、マイクロ・プリズム面などの複数の微小な凹凸面とし、その外面120C−2をほぼ平滑な曲面としたものである。
その代わりに、破線で示すように外面120C−2≡を粗面、マイクロ・プリズム面としても良く、また内外面を粗面、マイクロ・プリズム面120C−1および120C−2≡としても良い。
図11Dに示す光散乱透過性カバー120Dは、所定の厚さの透明なカバー本体と、ほぼ平滑な曲面からなる外面120D−1と透明カバー本体の内面に透明な樹脂、ガラス内に複数の光散乱性フィラーを分散して含有した光散乱層120D−2とからなる。
その代わりに、光散乱透過性カバーは、透明なカバー本体の内面に図11Aに示した光散乱層120A−1を設けると共に外面に図11Dに示した光散乱層120D−2を設けても良い。
(LED素子)
図12(図12A、図12B、図12C、図12D、図12E、図12F)を参照して、この発明で好適に用いられる白色光線を出射する面実装(SMD)形LED素子141の例を記載する。
図12A、図12B、図12C、図12D、図12E、図12Fに示すように、LED素子141は面実装(SMD)形LED素子であり、青色光線、紫色光線、紫外線などの短波長光線を放射するLEDチップと、LEDチップ141aを封止し短波長光線を受光してより長い波長を有する可視光線に波長変換する蛍光体(波長変換素子)を含有する封止材を含み、疑似白色光線、白色光線を外部に出射するものである。これらの図において、小さな複数の丸は蛍光体粒子を示す。
LED素子141−1、141−2、141−3、141−4、141−5、141−6は、それぞれ両面と側面に所定のパターンの導電リード配線141cを形成させた絶縁基板141dと、絶縁基板141dの上面に搭載し短波長光線を発するLEDチップ141aと、LEDチップ141aと導電リード配線141cを接続するボンディング・ワイヤー141bと、LEDチップ141aを封止しLEDチップ141aから放射される短波長光線を波長変換してより長い波長を有する可視光線を放射する蛍光体を含有する透明封止材141e−1、141e−2、141e−3、141kを含む。
疑似白色光線を出射するLED素子141は、青色光線を発する青色LEDチップ141aと青色光線を黄色光線に変換する黄色蛍光体を組み合わせる。この場合、青色光線と黄色光線が混色した疑似白色光線が得られる。
白色光線を出射するLED素子141は、青色光線を発する青色LEDチップ141aと青色光線を緑色光線に変換する緑色蛍光体および青色光線を赤色光線に変換する赤色蛍光体を組み合わせる。この場合、青色光線と緑色光線および赤色光線が混色した白色光線が得られる。
または白色光線を出射するLED素子141は、紫色光線または紫外光線を発するLEDチップ141aと紫色、紫外光線をそれぞれ赤色光線、緑色光線、青色光線に変換する三種類の三原色(R、G、B)蛍光体を組み合わせる。この場合、赤色光線、緑色光線、青色光線が混色した白色光線が得られる。
図12Aに示すLED素子141−1は、LEDチップ141aを封止し、蛍光体を含有する透明封止材141e−1が矩形立体、台形立体または円柱であり、上面と周側面から光線が出射する。
図12Bに示すLED素子141−1は、LEDチップ141aを封止し、蛍光体を含有する透明封止材141e−2が反射ケーシング141fにより囲まれており、上面から光線が出射する。
図12Cに示すLED素子141−3は、LEDチップ141aを封止し、蛍光体を含有する透明封止材141e−3が凸レンズ状であり、その半球面からから光線が出射する。
図12Dに示すLED素子141−3は、図12Bに示すLED素子141−2の変形であり、蛍光体を含有する透明封止材141e−2の上面に凸レンズ141gを配置したものであり、凸レンズ141gの半球面から光線が出射する。
図12Eに示すLED素子141−4は、図12Bに示すLED素子141−2の変形であり、蛍光体を含有する透明封止材141e−2の上面に、V字形断面の円錐形表面を有する円錐形レンズ141hを配置したものであり、光線は円錐形表面で内部全反射し主として周側面から光線が出射する。
図12Fに示すLED素子141−5は、図12Bに示すLED素子141−2の変形であり、蛍光体を含有する透明封止材141e−2の上面に、凸レンズの頂面に断面がV字形の円錐形溝を有する溝付き凸レンズ141jを配置したものであり、光線は主として曲面から出射する。
図12Gに示すLED素子141−3は、LEDチップ141aを封止し、蛍光体を含有する透明封止材141e−3が凸レンズ141kと、その上面にV字形断面の円錐形表面と傾斜側面を有する断面がM字形のレンズからなる特殊レンズ状であり、主として傾斜側面と曲面から光線が出射する。
図13(図13A、図13B、図13C、図13D、図13E)を参照して、この発明で好適に用いられる面実装(SMD)形LED素子141の例を記載する。
LED素子141−7、141−8、141−9、141−10、141−11、141−12は、それぞれ両面と側面に所定のパターンの導電リード配線141cを形成させた絶縁基板141dと、絶縁基板141dの上面に搭載し短波長光線を発するLEDチップ141aと、LEDチップ141aと導電リード配線141cを接続するボンディング・ワイヤー141bと、LEDチップ141aを封止する透明封止材141e−1、141e−2、141e−3、141kを含む。
図13A、図13B、図13Cは、R、G、Bのいずれかの単色光を出射するSMD形LED素子141−7、141−8、141−9を示す。
これらの単色光SMD形LED素子141−7、141−8、141−9を用いて白色光線を得るには、赤色光線、緑色光線、青色光線を出射する3個の単色光SMD形LED素子を隣接して配置させ、これらの3色光線を混色して白色光線を得る。
図13Aに示すLED素子141−7は、単色LEDチップ141aを封止する透明封止材141e−4が矩形立体、台形立体または円柱であり、上面と周側面から光線が出射する。
図13Bに示すLED素子141−8は、LEDチップ141aを封止する透明封止材141e−2が反射ケーシング141fにより囲まれており、上面から光線が出射する。
図13Cに示すLED素子141−9は、LEDチップ141aを封止する透明封止材141e−3が凸レンズ状であり、その半球面からから光線が出射する。
図13A、図13B、図13Cは、R、G、Bのいずれかの単色光を出射するSMD)形LED素子141−7、141−8、141−9を示す。
これらの単色光SMD形LED素子141−7、141−8、141−9を用いて白色光線を得るには、赤色光線、緑色光線、青色光線を出射する3個の単色光SMD形LED素子を隣接して配置させ、これらの3色光線を混色、合成して白色光線を得る。
図13C、図13D、図13Eは、白色光線を出射するSMD形LED素子141−10、141−11、141−12を示す。
図13C、図13D、図13E に示すように、SMD形LED素子141−10、141−11、141−12は、それぞれのパッケージ内に赤色光線、緑色光線、青色光線を出射する3個の単色光LEDチップ141a(R)、141a(G)、141a(B)が内蔵されており、赤色光線、緑色光線、青色光線が合成された白色光線を出射する。
図13Cに示すLED素子141−10は、三原色LEDチップ141a(R)、141a(G)、141a(B)を封止する透明封止材141e−4が矩形立体、台形立体または円柱であり、上面と周側面から白色光線が出射する。
図13Dに示すLED素子141−11は、三原色LEDチップ141a(R)、141a(G)、141a(B)を封止する透明封止材141e−5が反射ケーシング141fにより囲まれており、上面から白色光線が出射する。
図13Eに示すLED素子141−12は、三原色LEDチップ141a(R)、141a(G)、141a(B)を封止する透明封止材141e−6が凸レンズ状であり、その半球面からから白色光線が出射する。
(発光ユニット)
図14(図14A、図14B、図14C)および図15を参照してこの発明に用いられる発光ユニットを記載する。
図14(図14A、図14B、図14C)は、発光ユニット140の数例(140−1、140−2、140−3)を示す概略的な部分断面図である。
図15は、発光ユニット140におけるLED素子141の配列パターンを示す概略的な平面図である。
図14Aに示すように、発光ユニット140−1は、ために、例えば図12、図13を参照して詳細に記載した白色照明光線L1を出射させる一つまたは複数のSMD形LED素子141を回路基板142の一表面に実装したものである。
回路基板142は、銅、アルミニウムなどの高熱伝導性、導電性金属基板、高熱伝導性、導電性カーボン基板などの導電性基板に配線パターンを有する絶縁被覆を表面に形成した基板、高熱伝導性絶縁セラミック基板に配線パターンを形成した基板を用いるのが望ましい。
図15に示すように、発光ユニット140(140−1)は、例えば、円形(または矩形)の回路基板142に、中心および複数の仮想同心線AR(1)、AR(2)、・・・・・、AR(n)に沿って複数のLED素子141(またはLEDチップ141a)を配列することができる。
回路基板142における複数の同心状仮想線AR(1)、AR(2)、・・・・・、AR(n)に配列する複数のLED 141としては図12(図12Aないし図12G)または図13(図13Aないし図13(E)に示す複数のSMD形LED素子の群から一種または複数種を選択して用いることができる。
図6などに示すLED電球100Aにおいて、光透過性カバー120から出射させる照明光線L3の光量(光束)と円筒110(窓130)の周側面から出射させる照明光線L2の光量の比率は、目的に応じて次のようにして可変できる。
光透過性カバー120から出射させる照明光線L3の全光量を円筒110(窓130)の周側面から出射させる照明光線L2の全光量より大きくしたいときには、例えば、回路基板142の中心近辺の仮想線AR(1)に(図6に示す円筒110の中心軸の近辺の位置に)上面方向に指向して光線を放射する上面発光LED素子141−2(図12B参照)、広角発光LED素子141−1、141−3(図12A、図12C参照)を配置または配列し、回路基板142の中心から最も離れた仮想線AR(n)に(図6に示す円筒110の内面110bに隣接する位置に)側面方向に指向して光線を放射する側面発光LED素子141−4、141−6(図12E、図12G参照)を配置または配列すれば良い。
上記と反対に、光透過性カバー120から出射させる照明光線L3の全光量を円筒110(窓130)の周側面から出射させる照明光線L2の全光量より小さくしたいときには、回路基板142の中心近辺の仮想線AR(1)に上面発光LED素子141−2(図12B参照)、広角発光LED素子141−1、141−3(図12A、図12C参照)を配置または配列し、回路基板142の中心から最も離れた仮想線AR(n)に側面発光LED素子141−4、141−6(図12E、図12G参照)を配置または配列すれば良い。
図14Bに示す発光ユニット140−2は、白色照明光線L1を出射させるために、一つまたは複数の青色、紫色、紫外線などの短波長光線を発する複数のLEDチップ141aを回路基板142の上面に実装し、LEDチップ141aを複数の蛍光体粒子141bを含有した透明封止材141cで被覆したものである。
図14Cに示す発光ユニット140−3は、白色照明光線L1を出射させるために、一つまたは複数の青色、紫色、紫外線などの短波長光線を発する複数のLEDチップ141aを回路基板142の上面に実装し、LEDチップ141aを透明封止材141cで被覆し、更に複数の蛍光体粒子141bを含有した透明封止材141dで被覆したものである。
ハウジング180は、ロート状、円錐殻状などの形状をなした金属、樹脂、セラミックからなる素材からなり、その内部空洞に点灯回路160を収容することができる。ハウジング180の素材は、熱伝導性を有するのが望ましい。
(窓)
光透過性を有する窓130は、樹脂、ガラスからなる光透過性材料を貫通孔111に覆うように固定、配置したものである。
この明細書において用語「貫通孔」は、貫通孔のみならず、用語「スルーホール:through hole」、「開口またはオープニング:opening」、「アパーチャー:aperture」、「スリット:slit」も含む。
窓130は、貫通孔111にアクリル、ポリカーボネート、エポキシ、シリコーン樹脂などのなどの透明樹脂、ガラスからなる光透過性材料を充てん、封止してなるのが望ましい。それによりLED素子141からの光線L1は、窓130から熱伝導性円筒110の外部に出射でき、また外気、湿気が熱伝導性円筒110の内部空間HSに侵入しないようにすることができる。
熱伝導性円筒110の外面110aまたは内面110bの総面積S1に対する複数の貫通孔111の開口の総面積S2の比率を開口率S2/S1と定義するときに、開口率S2/S1が大きいほど複数の窓130から出射できる照明光線L2の全光量(全光束)が増加し、逆に外面110aから放熱する熱量が減少する。
(光路)
図1、図3、図6、図7を参照して、LEDランプ100、LED電球100Aにおける光路を説明すると下記のa)ないしh)の通りである。
a)円筒110の内部空間HSにおいて、LED素子140は放射光線L1を上方向と横方向へ指向して出射する。
b)その放射光線L1は一部が窓130に、他の一部が光反射性内面110bに到達し、残りが上部開口112を経由して光透過性カバー120に到達する。
c)図3、図6、図8、図9などを参照して、窓130で受光した光線L1bは、貫通孔111の内部の光透過材料を透過、散乱透過して円筒110の外部に出射して照明光線L2となる。
d)特に図3、図6、図7を参照して、光透過性カバー120に達した光線L1aは、そこを透過、散乱透過して外部に出射して照明光線L3となる。
e)図3、図6、図7などを参照して、光反射性内面110bに到達した光線L1cはそこで正反射、散乱反射などにより反射して横方向を含めて上方向に進む。
f)図3、図6、図7などを参照して、光反射性内面110bで反射した光線L1cは一部が窓130に到達し、一部が光反射性内面110bの別の領域に到達し、または光透過性カバー120に到達する。
g)図3、図6、図8、図9などを参照して、窓130に到達した光線は、上記c)に記載したようにそこを透過、散乱透過して円筒110の外部に出射して照明光線L2となる。
h)光反射性内面110bの別の領域に到達した光線は再び繰り返してほぼ上方に進み、光反射性内面110bの空に別の領域に到達し、または別の窓130に入射し、または光透過性カバー120に入射する。
このように光反射性内面110bに到達した反射光線L1cは一回反射または複数回繰り返して反射してほぼ上方向に進み、反射ロスを無視すると全ての光線反射光線L1cは窓130または光透過性カバー120から外部へ出射する。
このLED電球100Aは、LED素子140からの出射光線L1のほとんどが円筒110と光透過性カバー120から外部に出射して照明光線L2、L3とすることができるので、広い照射範囲(配光領域)を照射できる。
従ってこのLED電球100Aは、市販のLED電球と比べて広い配光特性を発揮でき、高い放熱性と広い配光特性を両立させた白熱電球と置換できる低消費電力、長寿命の電球形LEDランプを提供できる。
(熱伝導経路)
この実施例1のLED電球100Aにおける熱伝導経路を図3、図6または図7を参照して記載する。
LED電球100Aの給電用口金170を交流電力供給用の白熱電球用の外部ソケットに取り付けたときに、口金170から交流電力が点灯回路160に供給され、点灯回路160の出力においてAC−DC変換されて、所定の直流電圧が回路基板142の上面(一面)に搭載されたLED素子141に供給されてそこから放射光線L1を出射する。
回路基板142の底面(他面)は、高熱伝導基板150上に熱伝導接触して固定されているので、LED素子141の点灯中、LED素子141において発生した熱は、回路基板142から高熱伝導基板150に伝達、移送される。
高熱伝導基板150と高熱伝導性円筒(中空部材)110は下記のようにして熱伝導結合されている。
高熱伝導基板150の周縁と、高熱伝導性円筒(中空部材)110の下端の熱伝導内面110bと密に接触、密接し、熱伝導性ネジ(または、はんだ、熱伝導性樹脂などの熱伝導性結合材)などの任意の固定手段FMにより固定されている。
高熱伝導基板150の周縁と高熱伝導性円筒(中空部材)110の下端の熱伝導内面110bの間に、熱伝導性シリコーン樹脂、ゴム、ゲルなどの熱伝導性弾性部材、熱伝導性カーボン繊維などの熱伝導性繊維部材などの熱伝導性部材を介在させても良い。
したがって、LED素子141の発熱は、矢印H1で示す熱伝導経路にしたがって、LED素子141から順次、回路基板142、高熱伝導基板150を経由して、高熱伝導性円筒(中空部材)110に伝達、移送され、矢印H2の放熱経路で示すように円筒(中空部材)110の露出した放熱外面110aから外部空気へ放散される。
このようにして、LED素子141の点灯中、LED素子141において発生した熱は、高熱伝導性円筒(中空部材)110の放熱外面110aから外部空気へ放散されるので、LED素子141は所定の許容温度以下に保たれて、所定の光量(光束)の光線を効率よく放射でき、過熱によるLED素子141の劣化を回避でき、よって長寿命のLED電球100Aを提供できる。
図16を参照して、実施例2のLED電球100A−1を記載する。図16はLED電球100A−1を示す概略的な正面図である。
この実施例2のLED電球100A−1は上記実施例1のLED電球100Aの一変形であり、複数の放熱フィンを付加した点を除いてLED電球100Aと同一である。
LED電球100A−1は、上記実施例1のLED電球100Aにおける熱伝導性円筒110において、縦方向の複数の窓130の列とこれと隣接する縦方向の複数の窓130の列の間の外面の領域に縦方向に延びる所定の長さLnと放熱側面190a、放熱頂面190bからなる熱伝導性放熱フィン190を立設したものである。
したがって、発光ユニット140のLED素子141からの発熱は、回路基板142と熱伝導基板150を経由して熱伝導性円筒110に伝達され、円筒110の外面110aからと放熱フィン190の側面190a、頂面190bから外気に放熱される。
図17を参照して、実施例3のLED電球100A−2を記載する。図17はLED電球100A−2を示す概略的な正面図である。
この実施例3のLED電球100A−2は上記実施例1のLED電球100Aの他の一変形であり、複数の放熱フィンを付加した点を除いてLED電球100Aと同一である。
LED電球100A−2は、上記実施例1のLED電球100Aにおける熱伝導性円筒110において、横方向の複数の窓130の列とこれと隣接する横方向の複数の窓130の列の間の外面の領域に縦方向に環状に延びる放熱側面190’a、放熱頂面190’bからなる熱伝導性放熱フィン190’を立設したものである。
したがって、発光ユニット140のLED素子141からの発熱は、回路基板142と熱伝導基板150を経由して熱伝導性円筒110に伝達され、円筒110の外面110aからと放熱フィン190’の側面19’0a、頂面190’bから外気に放熱される。
図18、図19を参照して、実施例4のLED電球200を記載する。図18はLED電球200を示す概略的な正面図、図19は円筒110の窓(貫通孔)の配列を示す概略的な平面図である。
図18に示すように、この実施例4のLED電球200は、上記実施例1と同様に、a)外面と光反射性内面と貫通孔111を覆う光透過材料を有する複数の窓130からなる熱伝導性円筒(熱伝導性中空部材)110と、少なくとも一つのLED素子141を回路基板142に実装した発光ユニット140と回路基板142を熱伝導接触して固定する熱伝導性基板150を備えるLEDランプと、b)ハウジング180に内蔵した点灯回路160と給電用口金170からなる。
発光ユニット140を搭載した熱伝導性基板150は、熱伝導性円筒110の下端(光入射端)の内面110bと接触、近接して挿入され、その環状側面が熱伝導性円筒110の下端部と全面的にまたは部分的に熱伝導接触して固定されるように、熱伝導性ネジ、熱伝導性接着材、熱伝導性リベット(鋲止め)、ピン止め、溶着、溶接などの任意の熱伝導性固定手段により円筒110に固定される。
したがって、発光ユニット140のLED素子141の発熱は、熱伝導経路H1で示すように熱伝導性基板150を経由して熱伝導性円筒110と間接的に熱結合される。
これにより動作中にLED素子141で発生した熱は、放熱経路H2に示すように、露出した外面110aから空気中へ効果的に放散され、発光ユニット140のLED素子141は冷却され、常時LED素子141は許容温度以下に保たれる。
図18に示すように、LED素子141からの放射光線L1は、光透過性カバー120に直接向かう光線L1aと、円筒110の窓130に向かう光線L1bと、円筒110の反射内面110bに向かう光線L1cとなる。
窓130に向かう光線L1bは円筒110の周辺から外部に出射して照明光線L2となり、光透過性カバー120に直接向かう光線L1aは外部に出射して照明光線L3となり、反射内面110bに向かう光線L1cは反射して反射光線L1dとなって光透過性カバー120、円筒110の他の反射内面110bまたは窓130に向かって進む。
上記実施例1においては図10(図10A、図10B、図10C、図10D)に示すように円筒110における貫通孔111、窓130の配列が並列配列であるが、上記実施例1と異なり、この実施例4においては図19(図19A、図19B)に示すように円筒110における貫通孔111、窓130の配列が千鳥配列である。
図19Aに示す例では、円筒110−5の外面110aと内面110bとを貫通する複数の円形貫通孔111−5に光透過材料を充填した複数の窓130−5が、互い違いのジグザグ状に配置され、矢印付き鎖線で示す千鳥形配列をなしている。
図19Bに示す例では、円筒110−6の外面110aと内面110bとを貫通する複数の矩形貫通孔111−6に光透過材料を充填した複数の窓130−6が、互い違いのジグザグ状に配置され、矢印付き鎖線で示す千鳥形配列をなしている。
図20を参照して、実施例5のLED電球300Aを記載する。図20はLED電球300Aを示す概略的な正面図である。
図20に示すように、この実施例5のLED電球300Aは、上記実施例1と同様に、a)外面と光反射性内面と貫通孔111を覆う光透過材料を有する複数の窓130からなる熱伝導性円筒(熱伝導性中空部材)110と、少なくとも一つのLED素子141を回路基板142に実装した発光ユニット140と回路基板142を熱伝導接触して固定する熱伝導性基板150を備えるLEDランプと、b)ハウジング180に内蔵した点灯回路160と給電用口金170からなる。
発光ユニット140を搭載した熱伝導性基板150は、熱伝導性円筒110の下端(光入射端)の内面と接触、近接して挿入され、その環状側面が熱伝導性円筒110の下端部と全面的にまたは部分的に熱伝導接触して固定されるように、熱伝導性ネジ、熱伝導性接着材、熱伝導性リベット(鋲止め)、ピン止め、溶着、溶接などの任意の熱伝導性固定手段により円筒110に固定される。
したがって、発光ユニット140のLED素子141の発熱は、熱伝導性基板150を経由して熱伝導性円筒110と間接的に熱結合される。
これにより動作中にLED素子141で発生した熱は露出した外面110aから空気中へ効果的に放散され、発光ユニット140のLED素子141は冷却され、常時LED素子141は許容温度以下に保たれる。
この実施例5のLED電球300Aは、上記実施例1と異なり、熱伝導性円筒110に配置された複数の窓130の縦配列のピッチが変化している。
図20に示すように、円筒110の下端近辺(発光ユニット140の近辺)において縦方向に隣接する窓130の配列のピッチp1は、円筒110の上端(光透過性カバー120の配置方向)の近辺における配列のピッチpnより大きく設定(p1>pn、n=1,2,3,・・・)してあり、このピッチは上記下端近辺から上記上端に向かって段階的または連続的に減少している。これにより円筒110の周面から外部へ出射する光量を均一化できる。
使用する照明器具、照明シェード(笠)のデザイン、照明の目的によっては円筒110の周面の下方から出射する光量を上方から出射する光量より多くしたい時には、図20に示すピッチと正反対に、ピッチを上記下端近辺から上記上端に向かって段階的または連続的に増加させるように(pn>p1)設定する。
図21、図22を参照して、実施例6のLED電球400Aを記載する。図21はLED電球400Aを示す概略的な断面図である。図22はLED電球400Aの一部を拡大して示す概略的な断面図である。
図21に示すように、この実施例6のLED電球400Aは、上記実施例1と同様に、a)外面と光反射性内面と貫通孔111を覆う光透過材料を有する複数の窓130からなる熱伝導性円筒(熱伝導性中空部材)110と、少なくとも一つのLED素子141を回路基板142に実装した発光ユニット140と回路基板142を熱伝導接触して固定する熱伝導性基板150を備えるLEDランプと、b)ハウジング180に内蔵した点灯回路160と給電用口金170からなる。
上記実施例1と同様に、発光ユニット140を搭載した熱伝導性基板150は、熱伝導性円筒110の下端(光入射端)の内面と接触、近接して挿入され、その環状側面が熱伝導性円筒110の下端部と全面的にまたは部分的に熱伝導接触して固定されるように、熱伝導性ネジ、熱伝導性接着材、熱伝導性リベット(鋲止め)、ピン止め、溶着、溶接などの任意の熱伝導性固定手段により円筒110に固定される。
したがって、発光ユニット140のLED素子141の発熱は、熱伝導性基板150を経由して熱伝導性円筒110と間接的に熱結合される。
これにより動作中にLED素子141で発生した熱は露出した外面110aから空気中へ効果的に放散され、発光ユニット140のLED素子141は冷却され、常時LED素子141は許容温度以下に保たれる。
この実施例6のLED電球400Aは、上記実施例1と異なり、熱伝導性円筒110の内面において複数の窓130と対応する領域に凸レンズ(光路変換素子)190を設けたものである。
これによりLED素子141の内で上向きに向かう放射光線L1の一部の光線L1bを凸レンズ(光路変換素子)190でほぼ横方向に屈折させて光路変換させ、窓130から出射させることができる。
図22(図22A、図22B。図22C、図22D)は、凸レンズ(光路変換素子、偏向素子)190を設けた光散乱透過性窓130の数例と、それらにおける光路を示す。
図22Aは、図8Aに示す光散乱透過性窓130−1に凸レンズ190を設けたものである。
光散乱透過性窓130−1は円筒110に設けた貫通孔111に光散乱性フィラー130−1bを混入した透明樹脂130−1aを充てんしたものであり、光散乱透過性窓130−1の内面に凸レンズ190を設けている。
LED素子からの上向きの放射光線L1bが凸レンズ190のドーム状(半球形)曲面に入射すると、そこで屈折されて略横向きの光線となり、光散乱性窓130−1の内面(円筒内面110b側)に入射し、光線L1bは窓130−1内に進み、窓130−1の外面(円筒外面110a側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
図22Bは、図8Bに示す光散乱透過性窓130−2に凸レンズ190を設けたものである。
図22Bに示すように、光散乱透過性窓130−2は円筒110に設けた貫通孔111に透明樹脂130−2aを充てんし、透明樹脂130−2aの外面(円筒外面110b側)に透明樹脂塗料に上記光散乱性フィラーを混入した散乱透過層130−2bを塗布、形成したものである。
LED素子からの上向きの放射光線L1bが凸レンズ190のドーム状曲面に入射すると、そこで屈折されて略横向きの光線となり、光散乱性窓130−1の内面(円筒内面110b側)に入射し、光線L1bは窓130−1内に進み透明樹脂130−2aを透過し、散乱透過層130−2bで散乱して、窓130−2の外面(円筒外面110b側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
図22Cは、図8Cに示す光散乱透過性窓130−3に凸レンズ190を設けたものである。
図22Cに示すように、光散乱透過性窓130−3は円筒110に設けた貫通孔111に透明樹脂130−3aを充てんし、透明樹脂130−3aの外面(円筒外面110b側)にブラスト加工などにより粗面化処理をして外面を粗面130−3bを形成したものである。
LED素子からの上向きの放射光線L1bが凸レンズ190のドーム状曲面に入射すると、そこで屈折されて略横向きの光線となり、光線L1bは窓130−3内に進み透明樹脂130−3aを透過し、粗面130−3bで散乱して、窓130−3の外面(円筒外面110b側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
図22Dに示すように、光散乱フィラーを含まない透明窓130−4の内面に凸レンズ(光路変換素子)190を設けてもよい。
LED素子からの上向きの放射光線L1bが凸レンズ190のドーム状曲面に入射すると、そこで屈折されて略横向きの光線となり、光線L1bは窓130−4内に進み透明樹脂130−4aを透過し、散乱することなく窓130−3の外面(円筒外面110b側)から外部へ照明光線L2となって出射する。
図23、図24を参照して、実施例7のLED電球500Aを記載する。図23はLED電球500Aを示す概略的な断面図である。図24はLED電球500Aの一部を拡大して示す概略的な断面図である。
図23に示すように、この実施例7のLED電球500Aは、上記実施例1と同様に、a)外面と光反射性内面と貫通孔111を覆う光透過材料を有する複数の窓130からなる熱伝導性円筒(熱伝導性中空部材)110と、少なくとも一つのLED素子141を回路基板142に実装した発光ユニット140と回路基板142を熱伝導接触して固定する熱伝導性基板150を備えるLEDランプと、b)ハウジング180に内蔵した点灯回路160と給電用口金170からなる。
上記実施例1と同様に、発光ユニット140を搭載した熱伝導性基板150は、熱伝導性円筒110の下端(光入射端)の内面と接触、近接して挿入され、その環状側面が熱伝導性円筒110の下端部と全面的にまたは部分的に熱伝導接触して固定されるように、熱伝導性ネジ、熱伝導性接着材、熱伝導性リベット(鋲止め)、熱伝導性ピン止め、溶着、溶接などの任意の熱伝導性固定手段により円筒110に固定される。
したがって、発光ユニット140のLED素子141の発熱は、熱伝導性基板150を経由して熱伝導性円筒110と間接的に熱結合される。
これにより動作中にLED素子141で発生した熱は露出した外面110aから空気中へ効果的に放散され、発光ユニット140のLED素子141は冷却され、常時LED素子141は許容温度以下に保たれる。
この実施例7のLED電球500Aは、上記実施例1と異なり、熱伝導性円筒110の内面において複数の窓130と対応する領域にプリズム(光路変換素子)192を設けたものである。
これによりLED素子141の内で上向きに向かう放射光線L1の一部の光線L1bをプリズム(光路変換素子)192でほぼ横方向に屈折させて光路変換させ、窓130から出射させることができる。
図24(図24A、図24B。図24C、図24D)は、プリズム(光路変換素子、偏向素子)192を設けた光散乱透過性窓130の数例と、それらにおける光路を示す。
図24Aは、図8Aに示す光散乱透過性窓130−1にプリズム192を設けたものである。
光散乱透過性窓130−1は円筒110に設けた貫通孔111に光散乱性フィラー130−1bを混入した透明樹脂130−1aを充てんしたものであり、光散乱透過性窓130−1の内面にプリズム192を設けている。
LED素子からの上向きの放射光線L1bがプリズム192の一辺(傾斜面)に入射すると、そこで屈折されて略横向きの光線となり、光散乱性窓130−1の内面(円筒内面110b側)に入射し、光線L1bは窓130−1内に進み、窓130−1の外面(円筒外面110a側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
図24Bは、図8Bに示す光散乱透過性窓130−2にプリズム192を設けたものである。
図24Bに示すように、光散乱透過性窓130−2は円筒110に設けた貫通孔111に透明樹脂130−2aを充てんし、透明樹脂130−2aの外面(円筒外面110b側)に透明樹脂塗料に上記光散乱性フィラーを混入した散乱透過層130−2bを塗布、形成したものである。
LED素子からの上向きの放射光線L1bがプリズム192の一辺(傾斜面)に入射すると、そこで屈折されて略横向きの光線となり、光散乱性窓130−1の内面(円筒内面110b側)に入射し、光線L1bは窓130−1内に進み透明樹脂130−2aを透過し、散乱透過層130−2bで散乱して、窓130−2の外面(円筒外面110b側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
図24Cは、図8Cに示す光散乱透過性窓130−3にプリズム192を設けたものである。
図24Cに示すように、光散乱透過性窓130−3は円筒110に設けた貫通孔111に透明樹脂130−3aを充てんし、透明樹脂130−3aの外面(円筒外面110b側)にブラスト加工などにより粗面化処理をして外面を粗面130−3bを形成したものである。
LED素子からの上向きの放射光線L1bがプリズム192の一辺(傾斜面)に入射すると、そこで屈折されて略横向きの光線となり、光線L1bは窓130−3内に進み透明樹脂130−3aを透過し、粗面130−3bで散乱して、窓130−3の外面(円筒外面110b側)から外部へ拡散された広角の照明光線L2となって出射する。
図24Dに示すように、光散乱フィラーを含まない透明窓130−4の内面にプリズム(光路変換素子)192を設けてもよい。
LED素子からの上向きの放射光線L1bがプリズム192の一辺(傾斜面)に入射すると、そこで屈折されて略横向きの光線となり、光線L1bは窓130−4内に進み透明樹脂130−4aを透過し、散乱することなく窓130−3の外面(円筒外面110b側)から外部へ照明光線L2となって出射する。
図25ないし図29を参照して、実施例8の電球形LEDランプ(LED電球)700Aを詳細に記載する。
図25は実施例8のLED電球700Aを示す概略的な分解斜視図である
図26はLED電球700Aを示し一部を正面図とした概略的な部分断面図である。
図27は図26において光路および熱伝導経路を記入した概略的な部分断面図である。
図28は図26における一部分PT−Dを示す概略的な拡大断面図である。
図29は図26における一部分PT−Eを示す概略的な拡大断面図である。
図25ないし図26を参照してLED電球700Aの構成を記載する。LED電球700Aは、主として透過性カバー120と、熱伝導性円筒(熱伝導性中空部材)210と、熱伝導性円筒210の内面側に配置された光透過性円筒230と、発光ユニット140と、熱伝導底蓋155と、点灯回路160したハウジング180と、給電用口金(給電端子)170からなる。
そして透過性カバー120と、熱伝導性円筒210(透過性円筒230)と、発光ユニット140と、熱伝導底蓋155と、ハウジング180と、給電用口金(給電端子)170がこの順序で配置され一体化されている。
発光ユニット140は、少なくとも一つのLED素子141を回路基板142の上面に実装してなる。
図27、図28A(図26における一部PT−Dの部分的拡大図)を参照してLED電球700Aにおける熱伝導経路、熱伝導性固定手段を説明する。
熱伝導性底蓋155(ヒートシンク、熱伝導性部材)155は、円形の熱伝導性底板155aと、底板155aの周縁近辺上に延びる二つの熱伝導性リング状部材155c、155dと、リング状部材155c、155d間の溝155bからなる。
回路基板142の底面(他面)は、高熱伝導底蓋155の上面155aに熱伝導接触して固定されているので、LED素子141の点灯中、LED素子141において発生した熱は、回路基板142から高熱伝導底蓋155に伝達、移送される。
高熱伝導性円筒(中空部材)210の下端は、高熱伝導底蓋155におけるリング状部材155b、155c間の溝155b内に挿入され、熱伝導性樹脂(熱伝導性接着剤、はんだ、熱伝導性ネジなどの熱伝導性結合材)などの任意の熱伝導性固定手段FM’により固定されている。
このとき、高熱伝導基板150の周縁と高熱伝導性円筒(中空部材)210の下端の熱伝導内面210bの間に、熱伝導性シリコーン樹脂、ゴム、ゲルなどの熱伝導性弾性部材、熱伝導性カーボン繊維などの熱伝導性繊維部材などの熱伝導性部材を介在させても良い。
したがって発光ユニット140のLED素子141で発生した熱は、矢印付き実線で示す熱伝導経路H1、矢印付き鎖線で示す熱伝導経路H1aに従い、回路基板142、高熱伝導底蓋155を経由して高熱伝導性円筒210に伝達移送され、その高熱伝導性外面210aから、放熱経路(矢印付き波状実線)H2に示すように、外部空気に熱拡散される。
このようにして、LED素子141の点灯中、LED素子141において発生した熱は、高熱伝導性円筒(中空部材)210の外面210aから外部空気へ放散されるので、LED素子141は所定の許容温度以下に保たれ、過熱によるLED素子141の劣化を回避でき、よって長寿命のLED電球700Aを提供できる。
発光ユニット140の回路基板142は、熱伝導性接着剤、熱伝導性ネジなどの任意の熱伝導性固定手段により熱伝導性底蓋155の熱伝導性底板155a上に熱伝導接触して固定される。
熱伝導性円筒(熱伝導性中空部材)210は、外気と接するように露出した外面210aと光反射性内面210bと貫通孔111からなる。
熱伝導性円筒210の一例として、アルミニウム、その合金、銅、その合金、アルミニウム、銅などの異種金属の積層板などの熱伝導性金属板に複数の貫通孔(開口)111を形成した、パンチング・メタル(パーフォレイト・メタル、エキスパンデッド・メタルと称する熱伝導性多孔金属板を、円筒状に加工した熱伝導性多孔金属円筒を使用できる。
透過性円筒230は、熱伝導性円筒210と相似形であり、熱伝導性円筒210の内径d1よりわずかに小さい外径d3を有し熱伝導性円筒210の内側に挿入されて配置される。
光透過性円筒230の一例として、アクリル、ポリカーボネート、エポキシ、シリコーン、ポリエチレン・テレフタレート(PET)などの透明樹脂材料を使用できる。
透過性円筒230は、熱伝導性円筒210の反射性内面210bに接触、近接、密接、接着、溶着されるのが望ましく、それにより熱伝導性円筒210の複数の貫通孔111は、透過性円筒230によって封止される。
そして熱伝導性円筒210の複数の貫通孔111は、貫通孔111と対応する透過性円筒230の部分によって覆われて実施例1などに記載した透過性窓130として機能する。
この実施例では、熱伝導性円筒210は、上端の開口112(光出射端)から下端(光入射端)にわたって同じ内径d1を有する円筒からなる。
図27などに示すように熱伝導性円筒210の下端部は熱伝導性底蓋155の溝155b内に挿入され、熱伝導性接着剤、はんだなどの任意の熱伝導性固定手段FM’により固定され、
熱伝導性円筒210と熱伝導性底蓋155は熱結合される。
したがって、発光ユニット140は、熱伝導性底蓋155を経由して熱伝導性円筒210(内面210b、外面210a)と間接的に熱結合されることになる。
これにより動作中にLED素子141で発生した熱は露出した外面210aから空気中へ効果的に放散され、発光ユニット140のLED素子141は冷却され、常時LED素子141は許容温度以下に保たれる。
点灯回路160は、商用電源などの交流を直流に変換する電源回路であり、発光ユニット140のLED素子141を直流駆動してLED素子141を点灯する。
ハウジング180は、ロート状、円錐殻状などの形状をなし、直径が大きな上部開口と上部開口より直径が小さな下部開口とからなり、その内部空洞に点灯回路160が収容される。
熱伝導性底蓋155はその底部が金属、樹脂などのハウジング180の上部開口を塞ぐように、ハウジング180の上部と固定され、ハウジング180の下部と給電用の口金170が固定される。
口金170は、白熱電球用に広く用いられている外部ソケットから交流電力を受電する給電端子であり、白熱電球の口金と同じスクリュウ形(エジソン形)給電端子(給電ベース)とすることができる。その代わり、口金170は、ピン形など他の任意の形式の給電端子としても良い。
LEDランプ700Aの給電用口金170を交流電力供給用の白熱電球用の外部ソケットに取り付けたときに、口金170から交流電力が点灯回路160に供給され、点灯回路160の出力においてAC−DC変換されて、所定の直流電圧が回路基板142の上面(一面)に搭載されたLED素子141に供給されてそこから放射光線L1を出射する。
(熱伝導経路、熱伝導性固定手段の数例)
図28(図28A、図28B、図28C、図28D)を参照してLED電球700Aにおける熱伝導経路と熱伝導性固定手段の数例を記載する。
図28A、図28Bは、図26(参照符号PT−Dの拡大部分)、図27を参照して既に詳細に記載した一例の熱伝導経路155、熱伝導性固定手段FM’である。
図28Aに示すように、熱伝導性円筒210の環状の下端円筒周縁は高熱伝導底蓋155の二つのリング状部材155c、155d間の溝155bリング状溝155b内に挿入され、熱伝導性リング状部材155c、155dによって挟まれている。
熱伝導性円筒210と高熱伝導底蓋155は熱伝導性接着剤、はんだなどの熱伝導性固定手段FM’によって固定されるのが望ましい。
発光ユニット140は回路基板142にLED素子141を実装したものであり、回路基板142は高熱伝導底蓋155の底板155aに熱伝導接触して固定されているので、LED素子141の発熱は、熱伝導経路H1に示すように回路基板142を経由して高熱伝導底蓋155に伝達、移送される。
図28Aにおいては、光透過性円筒230の下端は、高熱伝導底蓋155における内側のリング状部材155dより上方に位置しているので、熱伝導性円筒210の環状の下端近辺の環状周縁は一対のリング状部材155c、155dによって挟まれているので、LED素子141からの熱は更に底板155aから一対のリング状部材155c、155dを経由して熱伝導性経路H1、H1aに従って熱伝導性円筒210の環状の下端円筒周縁に伝達、移送され、その外面210aから外部空気へ拡散され放熱される。
図28Bにおいては熱伝導性円筒210と光透過性円筒230は共にそれらの下端近辺において一対のリング状部材155c、155dによって挟まれているが、光透過性円筒230は熱伝導性円筒210より熱伝導率が低いので、LED素子141からの熱は主として熱伝導性経路H1、H1aに従って底板155aから外側のリング状部材155cを経由して熱伝導性円筒210の環状の下端円筒周縁に伝達、移送され、その外面210aから外部空気へ拡散され放熱される。
図28C、図28Dに示す高熱伝導底蓋156は、図28A、図28Bに示す高熱伝導底蓋155と異なり、熱伝導性底板156aとその周縁に立設した一つの熱伝導性リング状部材156cからなる。
図28Cにおいては、熱伝導性円筒210はその下端近辺において光透過性円筒230と熱伝導性リング状部材156cによって挟まれ、これらの3部材を貫通する複数の貫通孔が設けられ、これらの貫通孔に熱伝導性ネジ、リベット素子、ピンなどの熱伝導性固定部材FM”が挿入され、3部材が固定され一体化している。
LED素子141からの熱は主として熱伝導性経路H1、H1aに従って底板156aから外側のリング状部材156cを経由して熱伝導性円筒210の環状の下端円筒周縁に伝達、移送され、その外面210aから外部空気へ拡散され放熱される。
図28Dにおいては、熱伝導性円筒210はその下端近辺が光透過性円筒230の下端に沿って折り曲げられ、貫通孔がリング状部材156c、熱伝導性円筒210はその下端近辺、光透過性円筒230の下端、熱伝導性円筒210の折り曲げ部分を貫いて設けられ、これらの貫通孔に熱伝導性ネジ、リベット素子、ピンなどの熱伝導性固定部材FM”が挿入され、3部材が固定され一体化している。
LED素子141からの熱は主として熱伝導性経路H1、H1aに従って底板156aから外側のリング状部材156cを経由して熱伝導性円筒210の環状の下端円筒周縁に伝達、移送され、その外面210aから外部空気へ拡散され放熱される。
図27を参照してLED電球700Aにおける光路を説明する。
LED素子141からの放射光線L1は、ほぼ上方向に進み光透過性カバー120に向かう光線L1aと、ほぼ横上方向に進み光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の貫通孔111に向かう光線L1bと、ほぼ横上方向に進み光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の反射内面210bに向かう光線L1cとからなる。
光線L1aは光透過性カバー120から外部に出射して照明光線L3となり、光線L1bは貫通孔111から外部に出射して照明光線L2となり、光線L1aは貫通孔111から外部に出射して照明光線L2となり、反射内面210bで反射して光透過性円筒230を透過して反射光線L1dとなり、光透過性カバー120、他の貫通孔111または他の反射内面210bに向かう。
図29(図29A、図29B、図29C、図29D)を参照してLED電球700Aにおける光透過性円筒、熱伝導性円筒の幾つかの具体例とその光路を記載する。
図29(図29A、図29B、図29C、図29D)は、図26における一部分PT−Eを示す概略的な拡大断面図である。
図29A、図29B、図29C、図29D (および図27、図28)に示すように、光透過性円筒230の外径は複数の貫通孔(または開口)211が設けられた熱伝導性円筒210の内径と等しいかわずかに小さくしてあるので、光透過性円筒230は、熱伝導性円筒210の光反射性内面210bに接触、密接、近接して配置することができる。
したがってこれらの貫通孔(または開口)211は、これらと対応する光透過性円筒230によって覆われ、貫通孔211と貫通孔211と対面する光透過性円筒230の領域が、実質的に例えば実施例1における窓130として機能し、即ち貫通孔211と光透過性円筒230の組み合わせが窓130に該当する。
LED素子141からの放射光線L1は、ほぼ上方向に進み光透過性カバー120に向かう光線L1aと、ほぼ横上方向に進み光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の貫通孔111に向かう光線L1bと、ほぼ横上方向に進み光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の反射内面210bに向かう光線L1cとからなる。
図29A、図29B、図29C、図29Dに示すように、ほぼ横上方向に進み光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の反射内面210b、210−1bに向かう光線L1cは、反射内面210b反射内面210bで反射して反射光線L1dとなり、主として斜め上方に進み、光透過性カバー120、異なる反射内面210b反射内面210b、または貫通孔111に向かう。
図29Aに示す光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、したがって熱伝導性円筒210の貫通孔111に向かう光線L1bは、透明円筒230を透過して外部に出射してほぼ直進する照明光線L2となる。
図29Bに示す例では、光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、貫通孔111に対面する外面領域に、複数の散乱粒子を透明素材に含む光散乱層240aまたは240bが形成されている。したがって、貫通孔111に向かう光線L1bは、透明円筒230内を進み、光散乱層240aまたは240bにおいて散乱されて外部に出射して拡散された照明光線L2となる。
図29Cに示す例では、光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、貫通孔111に対面する外面領域に、ブラスト加工、エッチング加工などにより微小凹凸を有する粗面240cが形成されている。したがって、貫通孔111に向かう光線L1bは、透明円筒230内を進み、粗面240cにおいて散乱されて外部に出射して拡散された照明光線L2となる。
図29Dに示す例では、熱伝導性中空部材は、光透過性円筒(光透過性中空部材)230と、光透過性円筒230の外面の海状領域に形成して配置した光反射兼熱伝導層210−1と、前記外面の海状領域の存在しない島状領域に位置する複数の開口からなる窓部211からなることができる。
または熱伝導性中空部材は、光透過性円筒(光透過性中空部材)230の外面に島状の複数の開口からなる窓部211を有するアルミニウム・フィルムなどからなる光反射兼熱伝導性金属フィルム210−1を積層しても良い。
光反射兼熱伝導層210−1は、前記光透過性円筒230の外面の所定領域にアルミニウム、銀、ニッケルなどの光反射率(および熱伝導率)の高い光反射金属を蒸着、スパッタリンクなどにより光反射金属膜210−1aを形成してなることができる。
更に光反射金属膜210−1aに電気メッキ、無電解メッキなどにより銅、銀などの高い熱伝導性金属膜210−1bを積層しても良い。
光反射兼熱伝導層210−1は、望ましくは、アルミニウム、銀、ニッケルなどの光反射率の高い光反射金属を蒸着、スパッタリンクなどにより光反射金属膜210−1bを形成し、更に光反射金属膜210−1bに電気メッキ、無電解メッキなどにより銅、銀などの高い熱伝導性金属膜210−1bを積層したものである。
図30(図30A、図30B、図30C、図30D)を参照してLED電球700Aにおける光透過性円筒、熱伝導性円筒の幾つかの他の具体例とその光路について記載する。
図30(図30A、図30B、図30C、図30D)は、図26における一部分PT−Eを示す概略的な拡大断面図である。
図30(図30A、図30B、図30C、図30D)は、図29(図29A、図29B、図29C、図29D)において、熱伝導性円筒210の貫通孔(または開口)211の領域と対面する光透過性円筒230の内面領域に、光路変換素子として凸レンズ190を固定、配置したものである。
予め複数の凸レンズ190を内面に形成した柔軟性を有する光透過性フィルムを円筒状に丸めて固定し、凸レンズ付き光透過性円筒230とすることができる。
図30A、図30B、図30C、図30D (および図27、図28)に示すように、凸レンズ190を形成した光透過性円筒230の外径は複数の貫通孔211が設けられた熱伝導性円筒210の内径と等しいかわずかに小さくしてあるので、光透過性円筒230は、熱伝導性円筒210の光反射性内面210bに接触、密接、近接して配置することができる。
したがってこれらの貫通孔(または開口)211は、これらと対応する凸レンズ190を形成した光透過性円筒230によって覆われ、貫通孔211と貫通孔211と対面する光透過性円筒230の領域が、実質的に例えば実施例1における窓130として機能し、即ち貫通孔211と光透過性円筒230の組み合わせが窓130に該当する。
LED素子141からの放射光線L1は、ほぼ上方向に進み光透過性カバー120に向かう光線L1aと、ほぼ横上方向に進み凸レンズ190で屈折し光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の貫通孔111に向かう光線L1bと、ほぼ横上方向に進み光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の反射内面210bに向かう光線L1cとからなる。
図30A、図30B、図30C、図30Dに示すように、ほぼ横上方向に進み凸レンズ190で屈折し光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の反射内面210b、210−1bに向かう光線L1cは、反射内面210b反射内面210bで反射して反射光線L1dとなり、主として斜め上方に進み、光透過性カバー120、異なる反射内面210b反射内面210b、または貫通孔111に向かう。
図30Aに示す光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、したがって熱伝導性円筒210の貫通孔111に向かう光線L1bは、凸レンズ190で屈折した後に透明円筒230を透過して外部に出射してほぼ直進する照明光線L2となる。
図30Bに示す例では、光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、貫通孔111に対面する外面領域に、複数の散乱粒子を透明素材に含む光散乱層240aまたは240bが形成されている。したがって、貫通孔111に向かう光線L1bは、凸レンズ190で屈折した後に透明円筒230内を進み、光散乱層240aまたは240bにおいて散乱されて外部に出射して拡散された照明光線L2となる。
図30Cに示す例では、光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、貫通孔111に対面する外面領域に、ブラスト加工、エッチング加工などにより微小凹凸を有する粗面240cが形成されている。したがって、貫通孔111に向かう光線L1bは、凸レンズ190で屈折した後に透明円筒230内を進み、粗面240cにおいて散乱されて外部に出射して拡散された照明光線L2となる。
図30Dに示す例では、内面に凸レンズ190を形成した光透過性円筒230の外面に孔または開口211に該当する複数の島状領域を除く海状領域に光反射兼熱伝導層210−1を形成したものである。
光反射兼熱伝導層210−1は、望ましくは、アルミニウム、銀、ニッケルなどの光反射率の高い光反射金属を蒸着、スパッタリンクなどにより光反射金属膜210−1bを形成し、更に光反射金属膜210−1bに電気メッキ、無電解メッキなどにより銅、銀などの高い熱伝導性金属膜210−1bを積層したものである。
図31(図31A、図31B、図31C、図31D)を参照してLED電球700Aにおける光透過性円筒、熱伝導性円筒の幾つかの他の具体例とその光路について記載する。
図31(図31A、図31B、図31C、図31D)は、図26における一部分PT−Eを示す概略的な拡大断面図である。
図31(図31A、図31B、図31C、図31D)は、図29(図29A、図29B、図29C、図29D)において、熱伝導性円筒210の貫通孔(または開口)211の領域と対面する光透過性円筒230の内面領域に、光路変換素子としてプリズム192を固定、配置したものである。
予め複数のプリズム192を内面に形成した柔軟性を有する光透過性フィルムを円筒状に丸めて固定し、凸レンズ付き光透過性円筒230とすることができる。
図31A、図31B、図31C、図31D (および図27、図28)に示すように、プリズム192を形成した光透過性円筒230の外径は複数の貫通孔211が設けられた熱伝導性円筒210の内径と等しいかわずかに小さくしてあるので、光透過性円筒230は、熱伝導性円筒210の光反射性内面210bに接触、密接、近接して配置することができる。
したがってこれらの貫通孔(または開口)211は、これらと対応するプリズム192を形成した光透過性円筒230によって覆われ、貫通孔211と貫通孔211と対面する光透過性円筒230の領域が、実質的に例えば実施例1における窓130として機能し、即ち貫通孔211と光透過性円筒230の組み合わせが窓130に該当する。
LED素子141からの放射光線L1は、ほぼ上方向に進み光透過性カバー120に向かう光線L1aと、ほぼ横上方向に進みプリズム192で屈折し光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の貫通孔111に向かう光線L1bと、ほぼ横上方向に進み光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の反射内面210bに向かう光線L1cとからなる。
図31A、図31B、図31C、図31Dに示すように、ほぼ横上方向に進みプリズム192で屈折し光透過性円筒230を透過して熱伝導性円筒210の反射内面210b、210−1bに向かう光線L1cは、反射内面210b反射内面210bで反射して反射光線L1dとなり、主として斜め上方に進み、光透過性カバー120、異なる反射内面210b反射内面210b、または貫通孔111に向かう。
図31Aに示す光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、したがって熱伝導性円筒210の貫通孔111に向かう光線L1bは、プリズム192で屈折した後に透明円筒230を透過して外部に出射してほぼ直進する照明光線L2となる。
図31Bに示す例では、光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、貫通孔111に対面する外面領域に、複数の散乱粒子を透明素材に含む光散乱層240aまたは240bが形成されている。したがって、貫通孔111に向かう光線L1bは、プリズム192で屈折した後に透明円筒230内を進み、光散乱層240aまたは240bにおいて散乱されて外部に出射して拡散された照明光線L2となる。
図31Cに示す例では、光透過性円筒230は透明素材からなる透明円筒230であり、貫通孔111に対面する外面領域に、ブラスト加工、エッチング加工などにより微小凹凸を有する粗面240cが形成されている。したがって、貫通孔111に向かう光線L1bは、プリズム192で屈折した後に透明円筒230内を進み、粗面240cにおいて散乱されて外部に出射して拡散された照明光線L2となる。
図31Dに示す例では、内面にプリズム192を形成した光透過性円筒230の外面に孔または開口211に該当する複数の島状領域を除く海状領域に光反射兼熱伝導層210−1を形成したものである。
光反射兼熱伝導層210−1は、望ましくは、アルミニウム、銀、ニッケルなどの光反射率の高い光反射金属を蒸着、スパッタリンクなどにより光反射金属膜210−1bを形成し、更に光反射金属膜210−1bに電気メッキ、無電解メッキなどにより銅、銀などの高い熱伝導性金属膜210−1bを積層したものである。
図32を参照して実施例9のLED電球800Aについて記載する。
図32は実施例9のLED電球800Aを示し一部を正面図とした概略的な部分断面図である。
実施例1などに示したLED電球100 Aは、複数の窓130を有する熱伝導性中空部材として円筒の形状を有する熱伝導性円筒810を用いているが、熱伝導性中空部材の形状はその目的に応じてほぼロート状(円錐状、ホーン状、コーン状)、その他の形状とすることができる。
図32に示すように、実施例9のLED電球800Aは、複数の窓130を有する熱伝導性中空部材としてロート状の形状を有する熱伝導性ロート状部材810を用いている。
LED電球800Aは、光透過性カバー120と、貫通孔111に光透過性材料を充てんした複数の窓130を有する熱伝導性ロート状部材810と、LED素子141と回路基板142からなる発光ユニット140と、発光ユニット140を収容し、かつ熱伝導性ロート状部材810の下端近辺を固定する熱伝導性ハウジング182と、点灯回路160を内蔵した給電用口金170を備える。
光透過性カバー120は、熱伝導性ロート状部材810の上部の大開口を塞ぐように上記上部に固定され、発光ユニット140は熱伝導性部材150上に固定され、熱伝導性ロート状部材810の下部の小開口近辺において内部空間HS内に配置されている。
LED素子141からの放射光線L1は、一部が窓130を透過してロート状部材810の周側面から出射して照明光線L2となり、一部がロート状部材810の光反射性内面で反射して内部空間HS内を上方向、横上方向に進み、他の一部は上部に進み光透過性カバー120を透過して照明光線L3となる。
このようにして、LED電球800Aは光透過性カバー120から出射する照明光線L3により上方向(または下方向)を照明するのみならず、ロート状部材810の周側面から出射する照明光線L2により側面方向(横方向)を照明できるので、他の実施例1などと同様に、ほぼ全方向を照明できるLED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1に従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性ハウジング182を経由して、熱伝導性ロート状部材810に伝達、移送され、放熱経路H2に示すように、熱伝導性ロート状部材810の外面から外気に拡散され放熱されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図33を参照して実施例10のLED電球810Aについて記載する。図33は、LED電球810Aを示す概略的な縦断面図である。
この実施例10のLED電球810Aは、実施例1のLED電球100Aと発光ユニットと熱伝導性基板の個所が異なり、その他の構成はLED電球100Aと同じである。
実施例1のLED電球100Aにおいては、発光ユニット140は、LED素子140を回路基板142に実装し、回路基板142を熱伝導性基板150の上に熱結合して固定し、熱伝導性基板150の周縁部をネジ、リベット素子、ピンなどの熱伝導性固定手段FMにより熱伝導性円筒110と熱結合して固定している。
これに対し実施例10のLED電球810Aにおいては、実施例1の回路基板142を省略して、絶縁性を有する熱伝導性基板150−1を用い、絶縁性、熱伝導性150−1の上面に接続パターンを形成して、LED素子140を絶縁性、熱伝導性基板150−1上に実装している。
そして絶縁性、熱伝導性基板150−1の周縁部をネジ、リベット素子、ピンなどの熱伝導性固定手段FMにより熱伝導性円筒110と熱結合して固定している。
その他の構成は、この実施例10と実施例1は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
図34を参照して実施例110のLED電球820Aについて記載する。図34は、LED電球820Aを示す概略的な縦断面図である。
この実施例11のLED電球820Aは、実施例1のLED電球100Aと発光ユニットと熱伝導性基板の個所が異なり、その他の構成はLED電球100Aと同じである。
実施例1のLED電球100Aにおいては、発光ユニット140は、LED素子140を回路基板142に実装し、回路基板142を熱伝導性基板150の上に熱結合して固定し、熱伝導性基板150の周縁部をネジ素子、リベット素子、ピンなどの熱伝導性固定手段FMにより熱伝導性円筒110と熱結合して固定している。
これに対し実施例11のLED電球820Aにおいては、実施例1の回路基板142を省略して、周縁に沿ってリング状熱伝導性板150−2を有する熱伝導性底蓋からなる熱伝導性基板150−2を用い、熱伝導性基板150−2の上面に接続パターン付き絶縁層を形成し、この絶縁層を経由してLED素子140を熱伝導性基板150−2上に実装している。
この実施例11では、熱伝導性円筒110の下端の外面と、リング状熱伝導性板150−2の内面に凹凸ネジ部からなる熱伝導性固定手段FMが予め形成され、これにより熱伝導性基板150−2と熱伝導性円筒110は熱結合して固定されている。
その他の構成は、この実施例11と実施例1は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
図35を参照して実施例12のLED電球830Aについて記載する。図35は、LED電球830Aを示す概略的な縦断面図である。
この実施例12のLED電球830Aは、実施例1のLED電球100Aと光透過性カバーの形状が異なり、その他の構成はLED電球100Aと同じである。
実施例1のLED電球100Aにおける光透過性カバー120は半円形部材であるのに対して、実施例12のLED電球830Aにおける光透過性カバー120−1はほぼ円板である。
その他の構成は、この実施例12と実施例1は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
図36を参照して実施例13のLED電球840Aについて記載する。図36は、LED電球840Aを示し一部を正面図で現わす概略的な縦断面図である。
この実施例13のLED電球840Aは、図32を参照して記載した実施例9のLED電球800Aと光透過性カバーの形状が異なり、その他の構成はLED電球800Aと同じである。
実施例1のLED電球100Aにおける光透過性カバー120はドーム状(半球形)部材であるのに対して、実施例13のLED電球840Aにおける光透過性カバー120−1はほぼ円板である。
その他の構成は、この実施例13と実施例1は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
図37を参照して実施例14のLED電球850Aについて記載する。図37は、LED電球850Aを示す概略的な分解斜視図である。
この実施例14のLED電球850Aは、実施例1のLED電球100Aの外観形状と窓部が異なり、その他の構成はLED電球100Aと同じである。
実施例1のLED電球100Aにおいては、図1などに示すように、熱伝導性中空部材が熱伝導性円筒110であり、光透過性カバー120がドーム状(半球形)部材であり、ハウジング180の上部開口が円形である。
これに対して、図37に示すように、熱伝導性中空部材が6角形などの熱伝導性多角筒(多角形熱伝導性中空部材)811であり、光透過性カバー120−2が6角形などの多角立体板であり、ハウジング180の上部開口が6角形などの多角形である。
この実施例14では、熱伝導性多角筒811に設けた窓130の口径が熱伝導性多角筒110の下端(発光ユニット140の配置個所)から上端(発光ユニット140の配置個所)に向かって段階的に(または連続的に)拡大している。
図37に示すように、下端近辺の窓130−1の口径は小さく、上端近辺の窓130−3の口径は大きく、下端と上端の中間の窓130−2の口径は窓130−1より大きく窓130−3より小さく設定してある。
このように、窓130の口径を熱伝導性多角筒811の異なる領域において可変することにより、熱伝導性多角筒811の周側面から出射する光量を変化させることができ、用途に応じた配光特性を選択できる。
その他の構成は、この実施例14と実施例1は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
図38を参照して実施例15のLED電球860Aについて記載する。図38はLED電球860Aを示す概略的な縦断面図である。
この実施例15のLED電球860Aは、実施例1のLED電球100Aの光透過性カバーと形状が異なり、その他の構成はLED電球100Aと同じである。
実施例1のLED電球100Aにおいては、図1などに示すように、光透過性カバー120がドーム状(半球形)部材である。
これに対して、この実施例15のLED電球860Aにおいては、図38に示すように、光透過性カバー120−2が下方に開口を有するほぼ球状の内部空間を有する殻である。
球状光透過性カバー120−2は、その開口部分が熱伝導性円筒110の上端開口を覆うように固定される。
その他の構成は、この実施例15と実施例1は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
図39を参照して実施例16のLED電球870Aについて記載する。図39はLED電球870Aを示す概略的な縦断面図である。
この実施例16のLED電球870Aは、実施例1のLED電球100Aの光透過性カバーと形状が異なり、その他の構成はLED電球100Aと同じである。
実施例1のLED電球100Aにおいては、図1などに示すように、光透過性カバー120がドーム状(半球形)部材である。
これに対して、この実施例16のLED電球870Aにおいては、図39に示すように、光透過性カバー120−2がほぼローソクの炎を現わすローソク形外観形状をなす殻であり、シャンデリア照明器具に用いられるいわゆるシャンデリア電球の光透過性カバーと類似したほぼ逆V字形、ほぼ逆U字形のカバー形状である。
ローソク形光透過性カバー120−2は、その下端開口部分が熱伝導性円筒110の上端開口を覆うように固定される。
その他の構成は、この実施例16と実施例1は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
図40を参照して実施例17のLED電球880Aについて記載する。図40はLED電球880Aを示す概略的な縦断面図である。
LED電球880Aは、光透過性かつ熱伝導性カバー(部分透過性カバー)120−5と、複数の窓130を有する熱伝導性円筒110と、LED素子141と回路基板142からなる発光ユニット140と、回路基板142と熱結合して固定された熱伝導性部材150と、点灯回路160を内蔵した熱伝導性ハウジング180と、給電用口金170を備える。
光透過性かつ熱伝導性カバー(部分透過性カバー)120−5は、熱伝導性円筒110の上端の開口を覆うように上端に熱結合して固定される。
光透過性かつ熱伝導性カバー120−5は、外面110−1aと光反射性内面110−1bからなる熱伝導性ドーム状(半球形)部材110−1と、熱伝導性ドーム状部材110−1に設けた複数の貫通孔に光透過性材料を充てんした複数の窓130−1からなる。
熱伝導性ドーム状部材110−1は熱伝導性円筒110と同様な構成であり、窓130−1は熱伝導性円筒110の窓130と同様な構成である。
発光ユニット140は円板状の熱伝導性部材150上に固定され、熱伝導性円筒110の下部の開口近辺において内部空間内に配置されている。
熱伝導性部材150は、その周縁端面が熱伝導性円筒110の下部にネジなどの固定手段FMにより熱結合して固定されている。
実施例1のLED電球100Aにおいては、光透過性カバー120がほぼ全ての領域が光透過性材料からなるのに対して、この実施例17のLED電球880Aにおいては、光透過性かつ熱伝導性カバー120−5からなる点が異なる。
光透過性かつ熱伝導性カバー120−5の形状は、実施例1の光透過性カバー120の形状と同様なドーム状(半球形)形状からなる。
LED素子141からの放射光線L1は、光透過性かつ熱伝導性カバー120−5に向かう光線L1aと、円筒110に向かう光線L1b、L1cとなる。
円筒110の窓130に向かう光線L1bは、円筒110の周辺から外部に出射して照明光線L2となる。
円筒110の反射内面110bに向かう光線L1cは、反射して反射光線L1dとなって光透過性かつ熱伝導性カバー120−5、円筒110の他の反射内面110bまたは窓130に向かって進む。
光透過性かつ熱伝導性カバー120−5の窓130−1へ向かう光線L1aは、窓130−1から出射して照明光線L3となる。
光透過性かつ熱伝導性カバー120−5の反射内面110−1bへ向かう光線は反射して、他の窓130、窓130−1または他の反射内面110−1、110−1bへ向かう光線となる。
円筒110の窓130に向かう光線L1bは、円筒110の周辺から外部に出射して照明光線L2となる。
円筒110の反射内面110bに向かう光線L1cは、反射して反射光線L1dとなって光透過性かつ熱伝導性カバー120−5、円筒110の他の反射内面110bまたは窓130に向かって進む。
このようにして、LED電球880Aは光透過性かつ熱伝導性カバー120−5から出射する照明光線L3により上方向(または下方向)を照明するのみならず、熱伝導性円筒110の周側面から出射する照明光線L2により側面方向(横方向)を照明できるので、他の実施例1などと同様に、ほぼ全方向を照明できるLED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1に従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150を経由して、熱伝導性円筒110に伝達、移送され、放熱経路H2に示すように、熱伝導性円筒110の外面110aから外気に拡散され放熱される。
更にこの実施例17では、LED素子141からの発熱は熱伝導性円筒110の上端から光透過性かつ熱伝導性カバー120−5に伝達、移送され、カバー120−5の外面110−1aから外気に拡散され放熱H3される。
図41を参照して実施例18のLED電球890Aについて記載する。図41は、LED電球890Aを示す概略的な縦断面図である。
実施例18のLED電球890Aは、図32を参照して記載した実施例9のLED電球800Aにおいて、光透過性カバー120の替わりに図41を参照して記載した実施例17のLED電球880Aの熱伝導性かつ光透過性カバー120−5と同様な熱伝導性かつ光透過性カバー120−5を用いたものである。
図41に示すように、実施例18のLED電球890Aは、複数の貫通孔に光透過性材料を充てんした複数の窓130−1を有する熱伝導性ドーム状部材110−1からなる熱伝導性かつ光透過性カバー120−5と、複数の貫通孔111に光透過性材料を充てんした複数の窓130を有する熱伝導性ロート状部材810と、LED素子141と回路基板142からなる発光ユニット140と、発光ユニット140を収容し、かつ熱伝導性ロート状部材810の下端近辺を固定する熱伝導性ハウジング182と、点灯回路160を内蔵した給電用口金170を備える。
熱伝導性かつ光透過性カバー120−5は、熱伝導性ロート状部材810の上部の大開口を塞ぐように上記上部に固定され、発光ユニット140は熱伝導性部材150上に固定され、熱伝導性ロート状部材810の下部の小開口近辺において内部空間HS内に配置されている。
LED素子141からの放射光線L1は、熱伝導性かつ光透過性カバー120−5と熱伝導性ロート状部材810に向って進む。放射光線L1の一部が熱伝導性かつ光透過性カバー120−5と熱伝導性ロート状部材810の窓130−1、130から出射して照明光線L3、L2となり、放射光線L1の残部が熱伝導性かつ光透過性カバー120−5と熱伝導性ロート状部材810の光反射性内面110−1b、110bで反射して他の光反射性内面110−1b、110bまたは窓130−1、130に向かって進む。
このようにして、LED電球890Aは熱伝導性かつ光透過性カバー120−5から出射する照明光線L3により上方向(または下方向)を照明するのみならず、ロート状部材810の周側面から出射する照明光線L2により側面方向(横方向)を照明できるので、ほぼ全方向を照明できるLED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1に従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性ハウジング182を経由して、熱伝導性ロート状部材810に伝達、移送され、放熱経路H2に示すように、熱伝導性ロート状部材810の外面110aから外気に拡散され放熱される。
更にこの実施例18では、実施例17と同様に、LED素子141からの発熱は熱伝導性円筒110の上端から光透過性かつ熱伝導性カバー120−5に伝達、移送され、カバー120−5の外面110−1aから外気に拡散され放熱H3される。
このようにして、LED電球890Aにおいては、LED素子141からの発熱は、伝導性ロート状部材810の外面110aと光透過性かつ熱伝導性カバー120−5のほぼ全面から放散されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図42を参照して実施例19のLED電球900Aについて記載する。図42は、LED電球900Aを示す概略的な縦断面図である。
図42に示すように、LED素子141と回路基板142からなる発光ユニット140と、回路基板142を熱結合して固定する熱伝導性部材155と、熱伝導性部材155の底面と熱結合して固定され点灯回路160を収容する熱伝導性ハウジング182と、熱伝導性ハウジング182の下部に固定された給電用口金170を備える。
この実施例19のLED電球900Aにおいては、他の実施例と異なり、下部に開口を有するほぼ球状のグローブからなる熱伝導性かつ光透過性カバー(球形中空部材)812を用いる。
熱伝導性かつ光透過性カバー812は、外面110−2aと光反射性内面110−2bを有するほぼ球状殻からなる熱伝導性部材110−2と、熱伝導性球状殻110−2に設けた複数の貫通孔に光透過性材料を充てんした複数の窓130−2と下部開口からなり、ほぼ球状の内部空間HSを有する。
海状の熱伝導性球状殻110−2に島状の複数の窓130−2が配置されており、複数の窓130−2は連続した熱伝導性球状殻110−2に互いに孤立して配置されている。
発光ユニット140を設けた熱伝導部材155の周縁の熱伝導突起155aに熱伝導性球状殻110−2の下部開口部が熱結合して固定され、発光ユニット140は熱伝導性かつ光透過性球状カバー120−6の内部空間HS内の下部に収容される。
LED素子141からの放射光線L1は、内部空間HSを経由して熱伝導性かつ光透過性球状カバー120−6の窓130−2または反射内面110−2に向けて進む。
窓130−2に入射した放射光線L1は、熱伝導性かつ光透過性球状カバー120−6のほぼ全球面から出射してほぼ全球状に広がる広角照明光線L3となる。
このようにして、LED電球900Aは熱伝導性かつ光透過性球状カバー120−6から出射する照明光線L3によりほぼ全方向を照明できるLED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、順次、回路基板142、熱伝導性部材155、熱伝導突起155aを経由して、熱伝導性かつ光透過性球状カバー120−6の熱伝導性球状殻110−2に伝達、移送され、露出外面110aから外気に拡散され放熱H3される。
このようにして、LED電球900Aにおいては、LED素子141からの発熱は、熱伝導性球状殻110−2のほぼ全球面から放散されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図43を参照して実施例20のLED電球910Aについて記載する。図43は、LED電球910Aを示す概略的な縦断面図である。
この実施例20のLED電球910Aは、実施例12のLED電球830Aの変形であり、カバーの構成が異なり、その他の構成はLED電球830Aと同じである。
実施例12のLED電球830Aの円板状カバー120−1はほぼ全部が光透過性材料からなる光透過性円板状カバー120−1であるのに対して、この実施例20のLED電球910Aの円板状カバー120−1は、熱伝導性かつ光透過性を有する円板状カバー120−7からなる。
LED電球910Aは、複数の貫通孔111に光透過性材料を充てんした複数の窓130を有する熱伝導性円筒110と、熱伝導性円筒110の内部空間の下端近辺に配置したLED素子141と回路基板142からなる発光ユニット140と、回路基板142を熱結合して固定する熱伝導性部材150と、熱伝導性部材155の底面と熱結合して固定され点灯回路160を収容する熱伝導性ハウジング182と、熱伝導性ハウジング182の下部に固定された給電用口金170を備える。
熱伝導性円筒110の上部開口を覆うように、熱伝導性かつ光透過性を有する円板状カバー120−7が熱伝導性円筒110の上端と熱結合して固定され、熱伝導性円筒110の下端は熱伝導性部材155の周縁端部と熱結合して固定されている。
その他の構成は、この実施例20と実施例12は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
LED素子141からの放射光線L1は、内部空間を経由して熱伝導性円筒110の窓130または反射内面110bと、熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7の窓130−1または反射内面110−1bに向けて進む。
窓130、130−1に入射した放射光線L1は、熱伝導性円筒110と熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7から出射して広角照明光線L3となる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、順次、回路基板142、熱伝導性部材155を経由して、熱伝導性円筒110と熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7に伝達、移送され、放熱経路H2に示すように露出外面110a、110−1aから外気に拡散され熱伝導性円筒110の側周面から外気へ拡散して放熱され、かつ放熱経路H3に示すように熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7から外気へ拡散して放熱される。
このようにして、LED電球910Aにおいては、LED素子141からの発熱は、熱伝導性円筒110と熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7から放散されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図44を参照して実施例21のLED電球920Aについて記載する。図44は、LED電球920Aを示す概略的な縦断面図である。
この実施例21のLED電球920Aは、実施例13のLED電球840Aの変形であり、カバーの構成が異なり、その他の構成はLED電球840Aと同じである。
実施例13のLED電球840Aの円板状カバー120−1はほぼ全部が光透過性材料からなる光透過性円板状カバー120−1であるのに対して、この実施例21のLED電球920Aのカバーは、熱伝導性かつ光透過性を有する円板状カバー120−7からなる。
LED電球920Aは、複数の貫通孔111に光透過性材料を充てんした複数の窓130からなるロート状熱伝導性中空部材810と、ロート状熱伝導性中空部材810の内部空間の下端近辺に配置したLED素子141と回路基板142からなる発光ユニット140と、回路基板142を熱結合して固定する熱伝導性部材150と、発光ユニット140と熱伝導性部材150を収容する熱伝導性ハウジング182と、熱伝導性ハウジング182の下部に固定され点灯回路160を空洞に内蔵した給電用口金170を備える。
ロート状熱伝導性中空部材810の上部開口を覆うように、熱伝導性かつ光透過性を有する円板状カバー120−7がロート状熱伝導性中空部材810の上端と熱結合して固定され、ロート状熱伝導性中空部材810の下端は熱伝導性ハウジング182の周縁部と熱結合して固定されている。
その他の構成は、この実施例21と実施例13は同じであり、同一な構成要素には同一な参照符号を付しているので、ここではその記載を省略する。
LED素子141からの放射光線L1は、内部空間を経由してロート状熱伝導性中空部材810の窓130または反射内面と、熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7の窓130−1または熱伝導性円板110−1の反射内面に向けて進む。
窓130、130−1に入射した放射光線L1は、熱伝導性円筒810と熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7から出射して広角照明光線L3となる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性ハウジング182を経由して、ロート状熱伝導性中空部材810と熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7に伝達、移送され、ロート状熱伝導性中空部材810とその露出外面から外気に拡散され、熱伝導性円筒810の側周面から外気へ放熱H2され、かつ熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7から外気へ放熱H3される。
このようにして、LED電球920Aにおいては、LED素子141からの発熱は、ロート状熱伝導性中空部材810と熱伝導性かつ光透過性円板状カバー120−7から放散されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図45、図46、図47を参照して実施例22(および実施例23)のLED電球930A(実施例22および実施例23)、930A−1(実施例22)について記載する。
図45は、実施例22(および実施例23)を示し、複数の部分拡大断面図を含み、一部を正面図とした概略的な縦断面図である。
図46は、図45に光路を記入した実施例22を示す概略的な縦断面図である。
図45、図46に示すように、LED素子141として紫外光線、青色光線(または紫色光線)からなる短波長一次光線を放射する短波長形LED素子141を用い、この短波長一次光線によって励起され、より波長の長い二次可視光線に変換する蛍光体を蛍光カバー120Aと熱伝導性中空部材110Aの蛍光窓130Aに坦持し、それにより蛍光カバー120Aと蛍光窓130Aから白色照明光線を出射させることができる。
実施例22(および実施例23)のLED電球200Aは、上記実施例1と同様に、a)外面と光反射性内面と貫通孔111に蛍光体を含む光透過材料を有する複数のY蛍光窓130Aからなる熱伝導性円筒(熱伝導性中空部材)110Aと、少なくとも一つのLED素子141を回路基板142に実装した発光ユニット140と回路基板142を熱伝導接触して固定する熱伝導性基板150を備えるLEDランプと、b)ハウジング180に内蔵した点灯回路160と給電用口金170からなる。
発光ユニット140を搭載した熱伝導性基板150は、熱伝導性円筒110Aの下端(光入射端)の内面110A−bと接触、近接して挿入して配置され、その環状側面が熱伝導性円筒110の下端部と全面的にまたは部分的に熱伝導接触して固定されるように、熱伝導性ネジ、熱伝導性接着材、熱伝導性リベット(鋲止め)、ピン止め、溶着、溶接などの任意の熱伝導性固定手段FMにより円筒110に固定される。
したがって、発光ユニット140のLED素子141の発熱は、熱伝導経路H1で示すように熱伝導性基板150を経由して熱伝導性円筒110と間接的に熱結合される。
これにより動作中にLED素子141で発生した熱は露出した外面110A−aから空気中へ効果的に放散H2され、発光ユニット140のLED素子141は冷却され、常時LED素子141は許容温度以下に保たれる。
図45の部分拡大断面図に示す蛍光カバー120Aは、蛍光カバー120A−1または蛍光カバー120A−2からなる。
蛍光カバー120A−1は蛍光カバー120A−1aの内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層120A−1aを形成したものである。
蛍光カバー120A−2は、蛍光カバー120A−2aの内部に複数の蛍光体粒子120A−2bを分散して含有したものである。
図45の部分拡大断面図に示す蛍光窓130Aは、蛍光窓130A−1、蛍光窓130A−2または蛍光窓130A−3からなる。
蛍光窓130A−1は、光透過性部材130A−1aの内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層130A−1bを形成したものである。
蛍光窓130A−2は、光透過性部材130A −2aの内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層130A−2bを形成したものである。
蛍光窓130A−3は、光透過性部材130A−3aの内部に複数の蛍光体粒子130A−3bを分散して含有したものである。
図46に示すように、実施例22のLED電球930A−1においては、青色一次光線を放射する青色発光ダイオード素子BL−LED 141と、青色一次光線を黄色二次光線に波長変換する黄色蛍光体を含有する黄色(Y)蛍光カバー120Aと、青色一次光線を黄色二次光線に波長変換する黄色蛍光体を含有する黄色(Y)蛍光窓130Aの組み合わせを用いる。
LED素子141からの青色一次光線L1は、Y蛍光カバー120Aに直接向かう青色一次光線L1aと、円筒110のY蛍光窓130Aに向かう青色一次光線L1bと、円筒110の反射内面110A−bに向かう青色一次光線L1cとなる。
円筒110の複数のY蛍光窓130Aに向かう青色一次光線L1bの一部は、Y蛍光窓130Aに含まれる黄色蛍光体を励起して黄色二次光線に波長変換され、黄色二次光線と青色一次光線L1bの残部がY蛍光窓130Aから外部に出射して、円筒110の側周面から外部に向かう黄色と青色光線が混色した疑似白色照明光線L2(W=Y+B)となる。
Y蛍光カバー120Aに直接向かう青色一次光線L1aの一部は、Y蛍光カバー120Aに含まれる黄色蛍光体を励起して黄色二次光線に波長変換され、黄色二次光線と青色一次光線L1bの残部がY蛍光カバー120Aから外部に出射して、主としてY蛍光カバー120Aの上方向に向かう黄色と青色光線が混色した疑似白色照明光線L3(W=Y+B)となる。
反射内面110A−bに向かう青色一次光線L1cは反射して反射光線L1dとなってY蛍光カバー120A、円筒110の他の反射内面110A−bまたはY蛍光窓130Aに向かって進む。
実施例23と前記実施例22の共通な記載はここでは省略する。
図47は、図45に光路を記入した実施例23を示す概略的な縦断面図である。
図47に示すように、実施例23のLED電球930A−2においては、紫外一次光線を放射する紫外発光ダイオード素子UV−LED 141と、紫外一次光線をそれぞれR、G、B二次光線に波長変換する赤色、緑色および青色蛍光体からなる三原色蛍光体を含有するRGB蛍光カバー120Aと、紫外一次光線をR、G、B二次光線に波長変換する赤色、緑色および青色蛍光体からなる三原色蛍光体を含有するRGB蛍光窓130Aの組み合わせを用いる。
LED素子141からの紫外一次光線L1は、RGB蛍光カバー120Aに直接向かう紫外一次光線L1aと、円筒110のRGB蛍光窓130Aに向かう紫外一次光線L1bと、円筒110の反射内面110A−bに向かう紫外一次光線L1cとなる。
円筒110の複数のRGB蛍光窓130Aに向かう紫外一次光線L1bは、RGB蛍光窓130Aに含まれるRGB蛍光体を励起してR、G、B二次光線に波長変換され、RGB蛍光窓130Aから外部に出射して、円筒110の側周面から外部に向かうRGB光線が混色した白色照明光線L2(W=Y+B)となる。
RGB蛍光カバー120Aに直接向かう紫外一次光線L1aは、RGB蛍光カバー120Aに含まれるRGB蛍光体を励起してR、G、B二次光線に波長変換され、RGB蛍光カバー120Aから外部に出射して、主としてRGB蛍光カバー120Aの上方向に向かうRGB光線が混色した白色照明光線L3(W=Y+B)となる。
反射内面110A−bに向かう紫外一次光線L1cは反射して反射光線L1dとなってRGB蛍光カバー120A、円筒110の他の反射内面110A−bまたはRGB蛍光窓130Aに向かって進む。
図48、図49を参照して実施例24のLED電球940Aについて記載する。
図48は実施例24を示す概略的な縦断面図である。図49は図48に光路を記入した概略的な縦断面図である。
実施例24のLED電球940Aは、図41を参照して記載した実施例18のLED電球890Aの一変形である。
実施例24のLED電球940Aは、実施例18のLED電球890Aと同様に、熱伝導性かつ光透過性カバー120−5と同様な熱伝導性かつ光透過性カバー120−5を用いることができる。
実施例24のLED電球940Aは、実施例18のLED電球890Aと異なり、熱伝導性ロート状部材810の下端と熱結合して接続されたなほぼU字形断面を有する熱伝導性底蓋812を備え、熱伝導性底蓋812の底面の中心から内部空間に延びる熱伝導性中空支柱152の上部に熱伝導基板150の底面が熱結合して固定されている。
熱伝導基板150の上面に、側面(サイド)放射形LED素子141−1、頂面(トップ)放射形LED素子141−2と回路基板142からなる発光ユニット140が熱結合して固定され、発光ユニット140は、熱伝導性中空支柱152の上部に配置され熱伝導性中空支柱152、熱伝導性底蓋812を経由して熱伝導経路H1に従い熱伝導性ロート状部材810と熱結合される。
LED素子141は熱伝導性中空支柱152の線状中空部に配置された配線WRを経由して口金170の空洞に配置された点灯回路160の直流出力が供給され点灯される。
発光ユニット140は、熱伝導性かつ光透過性カバー120−5と熱伝導性ドーム状部材110−1との結合部から横方向の距離d1離れて配置され、発光ユニット140の上部の空間HS1と下部空間HS2が連通し、光線の通過を許す光通路となる。
熱伝導性かつ光透過性カバー120−5は、複数の貫通孔111に複数の光散乱粒子(光拡散粒子)または複数の蛍光体粒子を含有した光透過性材料を充てんした複数の散乱性または蛍光性窓130−1を有する熱伝導性ドーム状部材110−1からなる。
熱伝導性ロート状部材810は、複数の貫通孔111に(望ましくは複数の光散乱粒子(光拡散粒子)または複数の蛍光体粒子を含有した)光透過性材料を充てんした複数の光散乱性または蛍光性窓130を有する。
LED素子141からの放射光線L1−1、L1−2は、熱伝導性かつ光透過性カバー120−5に向って進み、放射光線L1の一部が熱伝導性かつ光透過性カバー120−5の光散乱性または蛍光性窓130−1から出射して照明光線L3となる。
窓130−1が光散乱性粒子または蛍光性粒子を含有するときには、窓130−1に入射した放射光線L1−1、L1−2は、ほぼ無指向性、全方向性の光散乱性光線または蛍光性光線となるので、光散乱性光線または蛍光性光線は、照明光線L3として外部に出射するのみならず、一部が上部空間HS1に戻り、下部空間HS2に向かって進むことに留意されたい。
放射光線L1−1、L1−2の残部は、熱伝導性かつ光透過性カバー120−5の光反射性内面110−1bで反射してカバー120−5の内側の上部空間HS1から熱伝導性ロート状部材810の内側の下部空間HS2に進む。
熱伝導性ロート状部材810の下部空間HS2に進んだ放射光線L1−1、L1−2は、一部が熱伝導性ロート状部材810の窓130に向かって進み、窓130で散乱または波長変換されて熱伝導性ロート状部材810の周面から出射し照明光線L2となる。
熱伝導性ロート状部材810の下部空間HS2に進んだ放射光線L1−1、L1−2は、残部が熱伝導性ロート状部材810の反射内面110bに向かって進み、反射内面110bで反射して更に他の反射内面110bまたは他の窓130に向かって進む。
このようにして、LED電球940Aは熱伝導性かつ光透過性カバー120−5から出射する照明光線L3により上方向(または下方向)を照明するのみならず、ロート状部材810の周側面から出射する照明光線L2により側面方向(横方向)を照明できるので、ほぼ全方向を照明できるLED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1、H1aに従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性中空支柱152、熱伝導性底蓋812を経由して、熱伝導性ロート状部材810に伝達、移送され、外面810aから外気に拡散され放熱HS2される。
更に、LED素子141からの発熱は熱伝導性円筒810の上端から光透過性かつ熱伝導性カバー120−5に伝達、移送され、カバー120−5の外面110−1aから外気に拡散され放熱H3される。
このようにして、LED電球940Aにおいては、LED素子141からの発熱は、伝導性ロート状部材810の外面810aと光透過性かつ熱伝導性カバー120−5のほぼ全面から放散されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図50、図51を参照して実施例25のLED電球950Aについて記載する。
図50は実施例25を示す概略的な縦断面図である。図51は図50に光路を記入した概略的な縦断面図である。
実施例25のLED電球950Aは、図45、図46を参照して記載した実施例23のLED電球940Aにおける蛍光カバー120Aと図49、図50を参照して記載した実施例24のLED電球940Aにおける熱伝導性ロート状部材810を組み合わせたものである。
実施例24のLED電球940Aにおいては熱伝導性かつ光透過性カバー120−5を用いているが、実施例25のLED電球950Aにおいては熱伝導性かつ光透過性カバー120−5の替わりに実施例23のLED電球940Aと同じ蛍光カバー120Aを用いている。
実施例25のLED電球950Aは、実施例24のLED電球940Aと同様に、熱伝導性ロート状部材810の下端と熱結合して接続されたほぼU字形断面を有する熱伝導性底蓋812を備え、熱伝導性底蓋812の底面の中心から内部空間に延びる熱伝導性中空支柱152の上部に熱伝導基板150の底面が熱結合して固定されている。
熱伝導基板150の上面に、側面(サイド)放射形LED素子141−1、頂面(トップ)放射形LED素子141−2と回路基板142からなる発光ユニット140が熱結合して固定され、発光ユニット140は、熱伝導性中空支柱152の上部に配置され、熱伝導性中空支柱152、熱伝導性底蓋812を経由して熱伝導経路H1に従い熱伝導性ロート状部材810と熱結合される。
LED素子141は熱伝導性中空支柱152の線状中空部に配置された配線WRを経由して口金170の空洞に配置された点灯回路160の直流出力が供給され点灯される。
発光ユニット140は、蛍光カバー120Aと熱伝導性ロート状部材810との結合部から横方向に所定距離d1離れて配置され、発光ユニット140の上部の空間HS1と下部空間HS2が連通し、光線の通過を許す光通路となる。
図50における部分拡大断面図に示すように、蛍光カバー120Aとして蛍光カバー120A−1または蛍光カバー120A−2が用いられる。
蛍光カバー120A−1は蛍光カバー120A−1aの内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層120A−1aを形成したものである。
蛍光カバー120A−2は、蛍光カバー120A−2aの内部に複数の蛍光体粒子120A−2bを分散して含有したものである。
熱伝導性ロート状部材810は、複数の貫通孔111に複数の蛍光体粒子を含有した光透過性材料を充てんした複数の蛍光性窓130を有する。蛍光性窓130に、更に複数の光散乱粒子(光拡散粒子)を含有するのが望ましい。
青色(BL)一次光線L1−1、L1−2を放射するBL形LED素子141を用いる場合には、主として黄色蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
紫外(UV)一次光線L1−1、L1−2を放射するUV形LED素子141を用いる場合には、三原色(RGB)蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
青色(BL)または紫外光線(UV)からなる短波長光線を放射する短波長形LED素子141からのBL、UV一次光線L1−1、L1−2は、蛍光カバー120Aに向って進み、波長変換されてより波長の長い可視二次光線に変換される。
BL形LED素子141を用いる場合には、青色一次光線L1−1、L1−2によって励起された黄色蛍光体から発する可視二次光線は黄色光線であり、この黄色光線と透過した一部の青色一次光線と混色して蛍光カバー120Aの外部に出射し、疑似白色照明光線L3となる。残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る黄色光線L3’となる。
黄色蛍光体から発する可視二次光線はほぼ無指向性、全方向性の光散乱性、光拡散性を有する黄色二次光線となるので、二次光線は、照明光線L3として外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む黄色二次光線L3’となる。
青色一次光線L1−1、L1−2の一部は、蛍光カバー120Aの蛍光体および、または散乱粒子で反射されて蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、一部が熱伝導性ロート状部材810の窓130に向かって進み、窓130で熱伝導性ロート状部材810の周面から出射し照明光線L4となる。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、残部が熱伝導性ロート状部材810の反射内面810bに向かって進み、反射内面810bで反射して更に他の反射内面810bまたは他の窓130に向かって進む。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外一次光線L1−1、L1−2によって励起された三原色(RBG)蛍光体から発する可視二次光線は三原色(RBG)が混色した白色二次光線であり、白色二次光線は蛍光カバー120Aの外部に出射し、白色照明光線L3となる。残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る白色光線L3’となる。
RBG蛍光体から発する可視二次光線はほぼ光散乱性、光拡散性を有する無指向性、全方向性の白色二次光線となるので、白色二次光線は、白色照明光線L3として外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む白色光線L3’となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外線が蛍光カバー120Aの外部に漏洩しないように、蛍光体の含有量を増加させ、または蛍光カバー120Aの外面に可視光線を透過し紫外線を遮断する紫外応答形光触媒膜または光学積層膜などからなる紫外線遮断層を設けるのが望ましい。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、一部が熱伝導性ロート状部材810の窓130に向かって進み、窓130で熱伝導性ロート状部材810の周面から出射し照明光線L4となる。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、残部が熱伝導性ロート状部材810の反射内面810bに向かって進み、反射内面810bで反射して更に他の反射内面810bまたは他の窓130に向かって進む。
このようにして、LED電球950Aは、蛍光カバー120Aから出射する照明光線L3により上方向(または下方向)を照明するのみならず、ロート状部材810の周側面から出射する照明光線L4により側面方向(横方向)を照明できるので、ほぼ全方向を照明できるLED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1、H1aに従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性中空支柱152、熱伝導性底蓋812を経由して、熱伝導性ロート状部材810に伝達、移送され、外面810aから外気に拡散され放熱HS2される。
このようにして、LED電球950Aにおいては、LED素子141からの発熱は、熱伝導性ロート状部材810の外面810aから放散されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図52、図53、図54を参照して実施例26のLED電球960Aについて記載する。
図52は実施例26を示す概略的な縦断面図である。図53は発光ユニットの支持部材を示す概略的な平面図である。図54は図52に光路を記入した概略的な縦断面図である。
実施例26のLED電球960Aは、図50、図51を参照して記載した実施例25のLED電球950Aの一変形である。
実施例26のLED電球960Aは、実施例25のLED電球950Aと同様に、蛍光カバー120Aと熱伝導性ロート状部材810を組み合わせたものである。
発光ユニット140は、少なくとも一つのLED素子と回路基板142からなり、少なくとも一つのLED素子は側面(サイド)放射形LED素子141−1、頂面(トップ)放射形LED素子141−2からなることができる。
実施例25のLED電球950Aにおいては、発光ユニット140は熱伝導性底蓋812から中空空間に延びる熱伝導性中空支柱152の上部に支持され中空空間に配置されている。
これと異なり実施例26のLED電球960Aにおいては、発光ユニット140はそれと固定された高熱伝導基板156の周端から横方向に放射状に延びる複数(図53では4本)の熱伝導性線状部材(アーム、腕)157と線状部材157の先端に熱結合して固定された熱伝導性環状固定部157aからなる支持部材によって中空空間に配置されている。
環状固定部157aは熱伝導性ロート状部材810の内面に熱結合して固定されて、発光ユニット140は中空空間の所定位置に配置される。
このようにして、発光ユニット140は、熱伝導経路H1に従い高熱伝導基板156を経由して、熱伝導性線状部材157と熱結合され、更に熱伝導経路H1aに従い熱伝導性環状固定部157aを経由して熱伝導性ロート状部材810の熱伝導内面と熱結合される。
図53に示すように、隣接する複数の線状部材157の間に複数の扇状の開口領域158が存在するので、発光ユニット140の上部の空間HS1と下部空間HS2が連通し、光線の通過を許す光通路となる。
LED素子141は配線WRを経由して口金170の空洞に配置された点灯回路160の直流出力が供給され点灯される。
図52における部分拡大断面図に示すように、蛍光カバー120Aとして蛍光カバー120A−1または蛍光カバー120A−2が用いられる。
蛍光カバー120A−1は蛍光カバー120A−1aの内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層120A−1aを形成したものである。
蛍光カバー120A−2は、蛍光カバー120A−2aの内部に複数の蛍光体粒子120A−2bを分散して含有したものである。
熱伝導性ロート状部材810は、複数の貫通孔111に複数の蛍光体粒子を含有した光透過性材料を充てんした複数の蛍光性窓130を有する。蛍光性窓130に、更に複数の光散乱粒子(光拡散粒子)を含有するのが望ましい。
青色(BL)一次光線L1−1、L1−2を放射するBL形LED素子141を用いる場合には、主として黄色蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
紫外(UV)一次光線L1−1、L1−2を放射するUV形LED素子141を用いる場合には、三原色(RGB)蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
青色(BL)または紫外光線(UV)からなる短波長光線を放射する短波長形LED素子141からのBL、UV一次光線L1−1、L1−2は、蛍光カバー120Aに向って進み、波長変換されてより波長の長い可視二次光線に変換される。
BL形LED素子141を用いる場合には、青色一次光線L1−1、L1−2によって励起された黄色蛍光体から発する可視二次光線は黄色光線であり、この黄色光線と透過した一部の青色一次光線と混色して蛍光カバー120Aの外部に出射し、疑似白色照明光線L3となる。残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る黄色光線L3’となる。
黄色蛍光体から発する可視二次光線はほぼ無指向性、全方向性の光散乱性、光拡散性を有する黄色二次光線となるので、二次光線は、照明光線L3として外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む黄色二次光線L3’となる。
青色一次光線L1−1、L1−2の一部は、蛍光カバー120Aの蛍光体および、または散乱粒子で反射されて蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、一部が熱伝導性ロート状部材810の窓130に向かって進み、窓130で熱伝導性ロート状部材810の周面から出射し照明光線L4となる。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、残部が熱伝導性ロート状部材810の反射内面810bに向かって進み、反射内面810bで反射して更に他の反射内面810bまたは他の窓130に向かって進む。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外一次光線L1−1、L1−2によって励起された三原色(RBG)蛍光体から発する可視二次光線は三原色(RBG)が混色した白色二次光線であり、白色二次光線は蛍光カバー120Aの外部に出射し、白色照明光線L3となる。残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る白色光線L3’となる。
RBG蛍光体から発する可視二次光線はほぼ光散乱性、光拡散性を有する無指向性、全方向性の白色二次光線となるので、白色二次光線は、白色照明光線L3として外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む白色光線L3’となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外線が蛍光カバー120Aの外部に漏洩しないように、蛍光体の含有量を増加させ、または蛍光カバー120Aの外面に可視光線を透過し紫外線を遮断する紫外応答形光触媒膜または光学積層膜などからなる紫外線遮断層を設けるのが望ましい。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、一部が熱伝導性ロート状部材810の窓130に向かって進み、窓130で熱伝導性ロート状部材810の周面から出射し照明光線L4となる。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、残部が熱伝導性ロート状部材810の反射内面810bに向かって進み、反射内面810bで反射して更に他の反射内面810bまたは他の窓130に向かって進む。
このようにして、LED電球960Aは、蛍光カバー120Aから出射する照明光線L3により上方向(または下方向)を照明するのみならず、ロート状部材810の周側面から出射する照明光線L4により側面方向(横方向)を照明できるので、ほぼ全方向を照明できるLED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1、H1aに従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性線状部材157、熱伝導性環状固定部材157aを経由して、熱伝導性ロート状部材810に伝達、移送され、外面810aから外気に拡散され放熱HS2される。
このようにして、LED電球960Aにおいては、LED素子141からの発熱は、熱伝導性ロート状部材810の外周面810aから放散されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図55、図56、(図53)を参照して実施例27のLED電球970Aについて記載する。
図55は実施例27を示す概略的な縦断面図である。図56は図55に光路を記入した概略的な縦断面図である。
実施例27のLED電球970Aは、図48、図49を参照して記載した実施例24のLED電球940Aの一変形である。
実施例27のLED電球970Aは、実施例25のLED電球940Aと同様に、光透過性かつ熱伝導性カバー120−5と熱伝導性ロート状部材810を組み合わせたものである。
発光ユニット140は、少なくとも一つのLED素子と回路基板142からなり、少なくとも一つのLED素子は側面(サイド)放射形LED素子141−1、頂面(トップ)放射形LED素子141−2からなることができる。
実施例24のLED電球940Aにおいては、発光ユニット140は熱伝導性底蓋812から中空空間に延びる熱伝導性中空支柱152の上部に支持され中空空間に配置されている。
これと異なり実施例27のLED電球970Aにおいては、発光ユニット140はそれと固定された高熱伝導基板156の周端から放射状に配置され横方向に延びる複数(図53では4本)の熱伝導性線状部材(アーム、腕)157と線状部材157の先端に熱結合して固定された熱伝導性環状固定部157aからなる熱伝導性線状支持部材157によって中空空間に配置されている。
環状固定部157aは熱伝導性ロート状部材810の内面に熱結合して固定されて、発光ユニット140は中空空間の所定位置に配置される。
このようにして、発光ユニット140は、熱伝導経路H1に従い高熱伝導基板156を経由して、熱伝導性線状支持部材157と熱結合され、更に熱伝導経路H1aに従い熱伝導性環状固定部157aを経由して熱伝導性ロート状部材810の熱伝導内面と熱結合されて固定される。
熱伝導性ロート状部材810は、複数の貫通孔111に(望ましくは複数の光散乱粒子(光拡散粒子)または複数の蛍光体粒子を含有した)光透過性材料を充てんした複数の光散乱性または蛍光性窓130を有し、海状の熱伝導性ロート状部材810に複数の互いに孤立した複数の窓130が存在している。
熱伝導性かつ光透過性カバー120−5は、熱伝導性ロート状部材810と同様に、複数の貫通孔に複数の光散乱粒子(光拡散粒子)または複数の蛍光体粒子を含有した光透過性材料を充てんした複数の散乱性または蛍光性窓130−1を有する熱伝導性ドーム状部材110−1からなり、海状のドーム状の熱伝導性カバー110−1に複数の互いに孤立した複数の窓130−1が存在している。
熱伝導性カバー110−1は、熱伝導性ロート状部材810の上部開口を覆うように、熱伝導性ロート状部材810の上部の環状端部に熱結合して固定されて、熱伝導性カバー110−1と熱伝導性ロート状部材810は熱結合される。
図53に示すように、隣接する複数の線状部材157の間に複数の開口領域158が存在するので、発光ユニット140の上部の空間HS1と下部空間HS2が連通し、光線の通過を許す光通路となる。
LED素子141は配線WRを経由して口金170の空洞に配置された点灯回路160の直流出力が供給され点灯される。
熱伝導性ロート状部材810は、複数の貫通孔111に複数の蛍光体粒子を含有した光透過性材料を充てんした複数の蛍光性窓130を有する。蛍光性窓130に、更に複数の光散乱粒子(光拡散粒子)を含有するのが望ましい。
熱伝導性かつ光透過性カバー120−5は、複数の貫通孔111に複数の光散乱粒子(光拡散粒子)または複数の蛍光体粒子を含有した光透過性材料を充てんした複数の散乱性または蛍光性窓130−1を有する熱伝導性ドーム状部材110−1からなる。
熱伝導性ロート状部材810は、複数の貫通孔111に(望ましくは複数の光散乱粒子(光拡散粒子)または複数の蛍光体粒子を含有した)光透過性材料を充てんした複数の光散乱性または蛍光性窓130を有する。
LED素子141からの放射光線L1−1、L1−2は、熱伝導性かつ光透過性カバー120−5に向って進み、放射光線L1の一部が熱伝導性かつ光透過性カバー120−5の光散乱性または蛍光性窓130−1から出射して照明光線L3となる。
窓130−1が光散乱性粒子または蛍光性粒子を含有するときには、窓130−1に入射した放射光線L1−1、L1−2は、ほぼ無指向性、全方向性の光散乱性光線または蛍光性光線となるので、光散乱性光線または蛍光性光線は、照明光線L3として外部に出射するのみならず、一部が上部空間HS1に戻り、下部空間HS2に向かって進むことに留意されたい。
青色(BL)一次光線L1−1、L1−2を放射するBL形LED素子141を用いる場合には、主として黄色蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
紫外(UV)一次光線L1−1、L1−2を放射するUV形LED素子141を用いる場合には、三原色(RGB)蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
青色(BL)または紫外光線(UV)からなる短波長光線を放射する短波長形LED素子141からのBL、UV一次光線L1−1、L1−2は、蛍光カバー120Aに向って進み、波長変換されてより波長の長い可視二次光線に変換される。
BL形LED素子141を用いる場合には、青色一次光線L1−1、L1−2によって励起された黄色蛍光体から発する可視二次光線は黄色光線であり、この黄色光線と透過した一部の青色一次光線と混色して蛍光カバー120Aの外部に出射し、疑似白色照明光線L3となる。残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る黄色光線L3’となる。
黄色蛍光体から発する可視二次光線はほぼ無指向性、全方向性の光散乱性、光拡散性を有する黄色二次光線となるので、二次光線は、照明光線L3として外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む黄色二次光線L3’となる。
青色一次光線L1−1、L1−2の一部は、蛍光カバー120Aの蛍光体および、または散乱粒子で反射されて蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、一部が熱伝導性ロート状部材810の窓130に向かって進み、窓130で熱伝導性ロート状部材810の周面から出射し照明光線L4となる。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、残部が熱伝導性ロート状部材810の反射内面810bに向かって進み、反射内面810bで反射して更に他の反射内面810bまたは他の窓130に向かって進む。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外一次光線L1−1、L1−2によって励起された三原色(RBG)蛍光体から発する可視二次光線は三原色(RBG)が混色した白色二次光線であり、白色二次光線は蛍光カバー120Aの外部に出射し、白色照明光線L3となる。残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る白色光線L3’となる。
RBG蛍光体から発する可視二次光線はほぼ光散乱性、光拡散性を有する無指向性、全方向性の白色二次光線となるので、白色二次光線は、白色照明光線L3として外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む白色光線L3’となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外線が蛍光カバー120Aの外部に漏洩しないように、蛍光体の含有量を増加させ、または蛍光カバー120Aの外面に可視光線を透過し紫外線を遮断する紫外応答形光触媒膜または光学積層膜などからなる紫外線遮断層を設けるのが望ましい。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、一部が熱伝導性ロート状部材810の窓130に向かって進み、窓130で熱伝導性ロート状部材810の周面から出射し照明光線L4となる。
熱伝導性ロート状部材810の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、残部が熱伝導性ロート状部材810の反射内面810bに向かって進み、反射内面810bで反射して更に他の反射内面810bまたは他の窓130に向かって進む。
このようにして、LED電球970Aは、蛍光カバー120Aから出射する照明光線L3により上方向(または下方向)を照明するのみならず、ロート状部材810の周側面から出射する照明光線L4により側面方向(横方向)を照明できるので、ほぼ全方向を照明できるLED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1、H1aに従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性線状部材157、熱伝導性環状固定部材157aを経由して、熱伝導性ロート状部材810および熱伝導性かつ光透過性カバー120−5に伝達、移送される。
このようにして、LED電球970Aにおいては、LED素子141からの発熱は、熱伝導性ロート状部材810の外面810aおよび熱伝導性かつ光透過性カバー120−5の外面110−1aの両方から外気に拡散され放熱HS2、 HS3されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図57、図58、図59を参照して実施例28のLED電球980Aについて記載する。
図57は実施例28を示す概略的な縦断面図である。図58は発光ユニットの支持部材を示す概略的な平面図である。図59は図57に光路を記入した概略的な縦断面図である。
実施例28のLED電球980Aは、図52、図53、図54を参照して記載した実施例26のLED電球960Aの一変形である。
実施例26のLED電球960Aは、ドーム状カバー120Aとロート状部材810からなり、全体的に一般的な茄子または西洋梨形を有する白熱電球と類似した外形を有しているが、実施例28のLED電球980Aは、ドーム状カバー120Aとほぼ逆ドーム状部材からなり、全体的にほぼ球(ボール)形殻を有する白熱電球と類似した外形を有しており、外形が異なる点を除いて基本的に両者960A、980Aの構成は同じである。
発光ユニット140は、回路基板142の上面に実装された少なくとも一つのLED素子141とからなり、回路基板142の底面は高熱伝導基板156の上面に熱伝導接触して固定される。
発光ユニット140はそれと固定された高熱伝導基板156の周端から横方向に放射状に延びる複数(図58では4本)の熱伝導性線状部材(アーム、腕)157と線状部材157の先端に熱結合して固定された熱伝導性環状固定部157aからなる支持部材によって中空空間に配置されている。
環状固定部157aは熱伝導性逆ドーム状部材813の内面に熱結合して固定されて、発光ユニット140は中空空間の所定位置に配置される。
このようにして、発光ユニット140は、熱伝導経路H1に従い高熱伝導基板156を経由して、熱伝導性線状部材157と熱結合され、更に熱伝導経路H1aに従い熱伝導性環状固定部157aを経由して熱伝導性逆ドーム状部材813の熱伝導性内面110−2と熱結合される。
隣接する複数の線状部材157の間に複数の扇状の開口領域158が存在するので、発光ユニット140の上部の空間HS1と下部空間HS2が連通し、光線の通過を許す光通路となる。
熱伝導性逆ドーム状部材813の底部は、内部空洞に点灯回路160を収容したハウジング180の上部に固定され、ハウジング180の底部に給電用口金170が固定される。
口金170を交流電力供給用の外部ソケットに取り付けたときに、点灯回路160は交流電力を直流に変換し、LED素子141は配線WRを経由して直流出力が供給され点灯される。
図57における部分拡大断面図に示すように、蛍光カバー120Aとして蛍光カバー120A−1または蛍光カバー120A−2が用いられる。
蛍光カバー120A−1は蛍光カバー120A−1aの内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層120A−1aを形成したものである。
蛍光カバー120A−2は、蛍光カバー120A−2aの内部に複数の蛍光体粒子120A−2bを分散して含有したものである。
熱伝導性逆ドーム状部材813は、複数の貫通孔111に光透過性材料を充てんした、または光透過性材料に複数の蛍光体粒子を含有した複数の光透過性または蛍光性窓130−2を有する。光透過性または蛍光性窓130−2に、更に複数の光散乱粒子(光拡散粒子)を含有するのが望ましい。
青色(BL)一次光線L1を放射するBL形LED素子141を用いる場合には、主として黄色蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
紫外(UV)一次光線L1を放射するUV形LED素子141を用いる場合には、三原色(RGB)蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
青色(BL)または紫外光線(UV)からなる短波長光線を放射する短波長形LED素子141からのBL、UV一次光線L1は、蛍光カバー120Aに向って進み、波長変換されてより波長の長い可視二次光線に変換される。
BL形LED素子141を用いる場合には、青色一次光線L1によって励起された黄色蛍光体から発する可視二次光線は黄色光線であり、この黄色光線と透過した一部の青色一次光線と混色して蛍光カバー120Aの外部に出射し、疑似白色照明光線L3となる。残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る黄色光線L3’となる。
蛍光カバー120Aの蛍光体から発する可視二次光線はほぼ無指向性、全方向性の光散乱性、光拡散性を有する二次光線となるので、二次光線は、照明光線L3として外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む黄色二次光線L3’となる。
青色一次光線L1の一部は、蛍光カバー120Aの蛍光体および、または散乱粒子で散乱反射されて蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、熱伝導性逆ドーム状部材813の内部空間HS2に進む。
内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、一部が熱伝導性逆ドーム状部材813の窓130−2に向かって進み、窓130−2で熱伝導性逆ドーム状部材813の周面から出射し疑似白色照明光線L4となる。
熱伝導性逆ドーム状部材813の内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、残部が熱伝導性逆ドーム状部材813の反射内面110−2bに向かって進み、反射内面110−2bで反射して更に他の反射内面110−2bまたは他の窓130−2に向かって進む。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外一次光線L1によって励起された三原色(RBG)蛍光体から発する可視二次光線は三原色(RBG)が混色した白色二次光線であり、一部の白色二次光線は蛍光カバー120Aの外部に出射し、白色照明光線L3となる。白色二次光線の残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る白色光線L3’となる。
RBG蛍光体から発する可視二次光線はほぼ光散乱性、光拡散性を有する無指向性、全方向性の白色二次光線となるので、白色二次光線は、白色照明光線L3として蛍光カバー120Aの外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む白色光線L3’となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外線が蛍光カバー120Aの外部に漏洩しないように、蛍光体の含有量を増加させ、または蛍光カバー120Aの外面に可視光線を透過し紫外線を遮断する紫外応答形光触媒膜、光学積層膜または透過性吸収膜などからなる可視光線透過性紫外線遮断層を設けるのが望ましい。
熱伝導性逆ドーム状部材813の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、一部が熱伝導性逆ドーム状部材813の窓130−2に向かって進み、熱伝導性逆ドーム状部材813の周面に分布された複数の光透過性窓130−2から出射し白色照明光線L4となる。
熱伝導性逆ドーム状部材813の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、残部が熱伝導性逆ドーム状部材813の反射内面110−2bに向かって進み、反射内面110−2bで反射して更に他の反射内面110−2bまたは他の窓130−2に向かって進む。
このようにして、ほぼ球形のLED電球980Aは、蛍光ドーム状カバー120Aと熱伝導性逆ドーム状部材813からなる球形殻のほぼ全方向から疑似白色光線、白色光線からなる照明光線L3およびL4を出射して照明できる球形LED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1、H1aに従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性線状部材157、熱伝導性環状固定部材157aを経由して、熱伝導性逆ドーム状部材813に伝達、移送され、外面110−2aから外気に拡散され放熱H3される。
このようにして、LED電球980Aにおいては、LED素子141からの発熱は、熱伝導性逆ドーム状部材813のドーム状外周面110−2aから放散されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図60、図61を参照して実施例29のLED電球990Aについて記載する。
図60は実施例29を示す概略的な縦断面図である。図61は図60に光路を記入した概略的な縦断面図である。
実施例29のLED電球990Aは、図57、図58、図59を参照して記載した実施例28のLED電球980Aの一変形である。
実施例29のLED電球990Aは、実施例28のLED電球980Aと同様に、ドーム状蛍光カバー120Aとほぼ逆ドーム状熱伝導部材120−6からなるほぼ球(ボール)形の殻を有し、ほぼ球(ボール)形の殻を有する白熱電球と類似した外形を有している。
実施例28のLED電球980Aの発光ユニット140においては、LED素子141の光出射面がドーム状蛍光カバー120Aと対面するように殻内に配置され、LED素子141からの放射光線L1はドーム状蛍光カバー120Aを照射している。
これに対して、実施例29のLED電球990Aの発光ユニット140においては、実施例28のLED電球980Aと異なり、LED素子141の光出射面が逆ドーム状熱伝導部材120−6と対面するように殻内に配置されており、発光ユニット140の上下の位置が実施例28の発光ユニット140と反転している。
図60、図61に示すように実施例29の発光ユニット140は、回路基板142の底面に実装された少なくとも一つのLED素子141とからなり、回路基板142の上面は高熱伝導基板156の底面に熱伝導接触して固定される。
発光ユニット140はそれと固定された高熱伝導基板156の周端から横方向に放射状に延びる複数の熱伝導性線状部材(アーム、腕)157と線状部材157の先端に熱結合して固定された熱伝導性環状固定部157aからなる支持部材によって中空空間に配置されている。
環状固定部157aは熱伝導性逆ドーム状部材813の内面に熱結合して固定されて、発光ユニット140は上部中空空間HS1およびHS2からなるほぼ球状の中空空間のほぼ中央に配置される。
このようにして、発光ユニット140は、熱伝導経路H1に従い高熱伝導基板156を経由して、熱伝導性線状部材157と熱結合され、更に熱伝導経路H1aに従い熱伝導性環状固定部157aを経由して熱伝導性逆ドーム状部材813の熱伝導内面と熱結合される。
隣接する複数の線状部材157の間に複数の扇状の開口領域158(図58参照)が存在するので、発光ユニット140の上部の空間HS1と下部空間HS3が連通し、光線の通過を許す光通路となる。
熱伝導性逆ドーム状部材813の底部に円錐形、多角錐形などの錐形リフレクタ158を設けるのが望ましく、これにより上記底部に向かう光線L1を熱伝導性逆ドーム状部材813の内面または蛍光カバー120Aに向けて方向変換できる。
熱伝導性逆ドーム状部材813の底部は、内部空洞に点灯回路160を収容したハウジング180の上部に固定され、ハウジング180の底部に給電用口金170が固定される。
口金170を交流電力供給用の外部ソケットに取り付けたときに、点灯回路160は交流電力を直流に変換し、LED素子141は配線WRを経由して直流出力が供給され点灯される。
図60における部分拡大断面図に示すように、蛍光カバー120Aとして蛍光カバー120A−1または蛍光カバー120A−2が用いられる。
蛍光カバー120A−1は蛍光カバー120A−1aの内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層120A−1aを形成したものである。
蛍光カバー120A−2は、蛍光カバー120A−2aの内部に複数の蛍光体粒子120A−2bを分散して含有したものである。
熱伝導性逆ドーム状部材813は、海状の逆ドーム状熱伝導性体110−2に島状に孤立して設けられた複数の貫通孔111に光透過性材料に複数の蛍光体粒子を含有した複数の蛍光性窓130−2を有する。蛍光性窓130−2に、更に複数の光散乱粒子(光拡散粒子)を含有するのが望ましい。
青色(BL)一次光線L1−1、L1−2を放射するBL形LED素子141を用いる場合には、主として黄色蛍光体を坦持した蛍光性窓130−2および蛍光カバー120Aを用いる。
紫外(UV)一次光線L1−1、L1−2を放射するUV形LED素子141を用いる場合には、三原色(RGB)蛍光体を坦持した蛍光性窓130−2および蛍光カバー120Aを用いる。
青色(BL)または紫外光線(UV)からなる短波長光線を放射する短波長形LED素子141からのBL、UV一次光線L1は、熱伝導性逆ドーム状部材813の蛍光性窓130−2に向って進み、波長変換されてより波長の長い可視二次光線に変換される。
BL形LED素子141を用いる場合には、青色一次光線L1によって励起された熱伝導性逆ドーム状部材813の蛍光性窓130−2の黄色蛍光体から発する可視二次光線は黄色光線であり、この黄色光線と透過した一部の青色一次光線と混色して蛍光性窓130−2の外部に出射し、疑似白色照明光線L2となる。
黄色蛍光体から発する可視二次光線はほぼ無指向性、全方向性の光散乱性、光拡散性を有する黄色二次光線となるので、二次光線は、照明光線L2として外部に出射するのみならず、残部の黄色二次光線が熱伝導性逆ドーム状部材813の下方の内部空間HS2に戻り、次いでドーム状蛍光カバー120Aの上方の内部空間HS1に進み、ドーム状蛍光カバー120Aに入射する。
青色一次光線L1の一部は、熱伝導性逆ドーム状部材813の光反射性内面110−2bで反射されて下方の内部空間HS2に戻り、更に上方の内部空間HS1を経由してドーム状蛍光カバー120Aに入射する。
ドーム状蛍光カバー120Aに入射した青色一次光線L1の一部が黄色光線に波長変換され、その一部が透過してドーム状蛍光カバー120Aから外部に出射して青色および黄色光線が混色して疑似白色照明光線L3となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外一次光線L1によって励起された三原色(RBG)蛍光体から発する可視二次光線は三原色(RBG)が混色した白色二次光線である。
UV形LED素子141から下方に放射された紫外一次光線L1は、その一部が熱伝導性逆ドーム状部材813の蛍光窓130−2に入射してほぼ全方向に散乱、拡散する白色二次光線となり、蛍光窓130−2から出射して白色照明光線L2となる。
紫外一次光線L1は、その一部が熱伝導性逆ドーム状部材813の光反射性内面110−2bで反射されて下方の内部空間HS2に戻り、蛍光窓130−2に入射、他の光反射性内面110−2bで反射、または更に上方の内部空間HS1を経由してドーム状蛍光カバー120Aに入射する。
ドーム状蛍光カバー120Aに入射した紫外一次光線L1は白色二次光線に波長変換され、ドーム状蛍光カバー120Aから外部に出射してRGB光線が混色して白色照明光線L3となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、近紫外線が蛍光カバー120Aの蛍光窓130−2、熱伝導性逆ドーム状部材813の外部に漏洩しないように、蛍光体の含有量を増加させ、または蛍光カバー120A、蛍光窓130−2の外面に可視光線を透過し紫外線を遮断する紫外応答形光触媒膜、光学積層膜または紫外吸収、可視透過膜などからなる可視透過性紫外線遮断層を設けるのが望ましい。
このようにして、ほぼ球形のLED電球990Aは、蛍光ドーム状カバー120Aから出射する照明光線L3と熱伝導性逆ドーム状部材813の周側面から出射する照明光線L2により、球形殻のほぼ全方向を照明できる球形LED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1、H1aに従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性線状部材157、熱伝導性環状固定部材157aを経由して、熱伝導性逆ドーム状部材813に伝達、移送され、逆ドーム状外周面110−2aから外気に拡散され放熱H3されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
この実施例29において、BL、UV一次光線L1を放射する上記のBL、UV形LED素子141の替わりに、白色一次光線L1を放射する白色形LED素子141を用いることができる。
白色形LED素子141を用いる場合には、ドーム状の蛍光カバー120Aの替わりに図1などを参照し実施例1などに開示した蛍光体を含まない透明または光散乱性ドーム状カバー120を用い、熱伝導性逆ドーム状部材813の蛍光窓130−2の替わりに、複数の蛍光体を含まない透明または光散乱性を有する光透過性窓130を用いる。
光透過性窓130に入射した白色光線、疑似白色光線L1は、全方向に拡散、散乱するので一部が熱伝導性逆ドーム状部材813の光透過性窓130から出射して白色光線L2となり、一部が下方の内部空間HS2に戻り、上方の内部空間HS1を経由して光散乱性ドーム状カバー120から出射して白色光線L2となる。
図62、図63を参照して実施例30のLED電球991Aについて記載する。
図62は実施例30を示す概略的な縦断面図である。図63は図62に光路を記入した概略的な縦断面図である。
実施例30のLED電球991Aは、図57、図58、図59を参照して記載した実施例28のLED電球980Aの一変形である。
実施例30のLED電球991Aの外形は、実施例28のLED電球980Aの外形と同様に、ドーム状(半球形)部材とほぼ逆ドーム状(半球形)部材からなるほぼ球(ボール)形の殻を有し、ほぼ球形の殻を有するボール形白熱電球と類似した外形を有している。
実施例30のLED電球991Aは、実施例28のLED電球980Aと同様に、発光ユニット140は、そのLED素子141の光出射面がドーム状(半球形) 部材と対面するように殻内に配置され、LED素子141からの放射光線L1はドーム状(半球形)部材を照射している。
図62、図63に示すように実施例30の発光ユニット140は、回路基板142の上面に実装された少なくとも一つのLED素子141とからなり、回路基板142の底面は熱伝導基板156の上面に熱伝導接触して固定される。
発光ユニット140はそれと固定された熱伝導基板156の周端から横方向に放射状に延びる複数の熱伝導性線状部材(アーム、腕)157と線状部材157の先端に熱結合して固定された熱伝導性環状固定部157aからなる支持部材によって中空空間に配置されている。
環状固定部157aは熱伝導性ドーム状部材120−6Aの内面に熱結合して固定されて、発光ユニット140は上部中空空間HS1およびHS2からなるほぼ球状の中空空間のほぼ中央に配置される。
このようにして、発光ユニット140は、熱伝導経路H1に従い熱伝導基板156を経由して、熱伝導性線状部材157と熱結合され、更に熱伝導経路H1aに従い熱伝導性環状固定部157aを経由して熱伝導性ドーム状部材120−6Aの熱伝導内面と熱結合される。
隣接する複数の線状部材157の間に複数の扇状の開口領域158(図58参照)が存在するので、発光ユニット140の上部の空間HS1と下部空間HS3が連通し、光線の通過を許す光通路となる。
逆ドーム状部材120A’は、逆ドーム状光透過性部材の内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層を形成した蛍光性逆ドーム状部材120A’、または逆ドーム状光透過性部材の内部に複数の蛍光体粒子を分散して含有した蛍光性逆ドーム状部材120A’とすることができる。
これと異なり、逆ドーム状光透過性部材の内面に蛍光体粒子の替わりに複数の光散乱性粒子を含有した透明材料層からなる光散乱層を形成した散乱性逆ドーム状部材120A’、または逆ドーム状光透過性部材の内部に蛍光体粒子の替わりに複数の光散乱性粒子を分散して含有した散乱性逆ドーム状部材120A’とすることができる。
図63に示すように、逆ドーム状部材120A’の底部に円錐形、多角錐形などの錐形リフレクタ158を設けるのが望ましく、これにより上記底部に向かう光線L1を逆ドーム状部材120A’の内面または熱伝導性ドーム状部材120−6Aに向けて方向変換できる。
逆ドーム状部材120A’の底部は、内部空洞に点灯回路160を収容したハウジング180の上部に固定され、ハウジング180の底部に給電用口金170が固定される。
口金170を交流電力供給用の外部ソケットに取り付けたときに、点灯回路160は交流電力を直流に変換し、LED素子141は配線WRを経由して直流出力が供給され点灯される。
熱伝導性ドーム状部材120−6Aは、海状のドーム状熱伝導性体110−2Aに島状に孤立して設けられた複数の貫通孔111に光透過性材料に複数の蛍光体粒子または光散乱粒子を含有した複数の窓130−2Aを有する。
青色(BL)一次光線L1を放射するBL形LED素子141を用いる場合には、熱伝導性ドーム状部材120−6Aの窓130−2Aと逆ドーム状部材120A’は黄色蛍光体(黄色蛍光体粒子)を含む。
紫外(UV)一次光線L1を放射するUV形LED素子141を用いる場合には、熱伝導性ドーム状部材120−6Aの窓130−2Aと逆ドーム状部材120A’は三原色(RGB)蛍光体(RGB蛍光体粒子)を含む。
白色一次光線L1を放射する白色形LED素子141を用いる場合には、熱伝導性ドーム状部材120−6Aの窓130−2Aに光散乱体(光散乱粒子)を含む。窓130−2Aと逆ドーム状部材120A’の両方に光散乱体(光散乱粒子)を含めても良い。
青色(BL)または紫外光線(UV)からなる短波長光線を放射する短波長形LED素子141からのBL、UV一次光線L1は、熱伝導性ドーム状部材120−6Aの蛍光性窓130−2Aに向って進み、波長変換されてより波長の長い可視二次光線に変換される。
BL形LED素子141を用いる場合には、青色一次光線L1によって励起された熱伝導性ドーム状部材120−6Aの蛍光性窓130−2Aの黄色蛍光体から発する可視二次光線は黄色光線であり、この黄色光線と透過した一部の青色一次光線と混色して蛍光性窓130−2Aの外部に出射し、疑似白色照明光線L3となる。
黄色蛍光体から発する可視二次光線はほぼ無指向性、全方向性の光散乱性、光拡散性を有する黄色二次光線となるので、二次光線は、照明光線L3として蛍光性窓130−2Aの外部に出射するのみならず、残部の黄色二次光線L3’が熱伝導性ドーム状部材120−6Aの内部空間HS1に戻り、次いで蛍光性逆ドーム状部材120A’の内部空間HS2に進み、蛍光性逆ドーム状部材120A’に入射し蛍光性逆ドーム状部材120A’を透過する。
青色一次光線L1の一部は、熱伝導性ドーム状部材120−6Aの反射性内面110−2bで反射して熱伝導性ドーム状部材120−6Aの内部空間HS1に戻り、次いで蛍光性逆ドーム状部材120A’の内部空間HS2に進み、蛍光性逆ドーム状部材120A’に入射する。
蛍光性逆ドーム状部材120A’に入射した青色一次光線L1は一部が波長変換されて黄色二次光線となり、黄色二次光線と一部の青色一次光線L1が蛍光性逆ドーム状部材120A’を透過し、疑似白色照明光線L4となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外一次光線L1によって励起された三原色(RBG)蛍光体から発する可視二次光線は三原色(RBG)が混色した白色二次光線である。
UV形LED素子141から放射された紫外一次光線L1は、その一部が熱伝導性ドーム状部材120−6Aの蛍光窓130−2Aに入射してほぼ全方向に散乱、拡散する白色二次光線となり、一部が蛍光窓130−2Aから出射して白色照明光線L3となる。
紫外一次光線L1は、その一部が熱伝導性ドーム状部材120−6Aの光反射性内面110−2bで反射されて上方の内部空間HS1に戻り、蛍光窓130−2Aに入射、他の光反射性内面110−2bで反射、または更に下方の内部空間HS2を経由して蛍光性逆ドーム状部材120A’に入射する。
蛍光性逆ドーム状部材120A’に入射した紫外一次光線L1は白色二次光線に波長変換され、外部に出射してRGB光線が混色して白色照明光線L4となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、近紫外線が熱伝導性ドーム状部材120−6Aの蛍光窓130−2A、蛍光性逆ドーム状部材120A’の外部に漏洩しないように、蛍光体の含有量を増加させ、または蛍光窓130−2A、蛍光性逆ドーム状部材120A’の外面に可視光線を透過し紫外線を遮断する紫外応答形光触媒膜、光学積層膜または紫外吸収、可視透過膜などからなる可視透過性紫外線遮断層を設けるのが望ましい。
白色一次光線L1を放射する白色形LED素子141を用いる場合には、光散乱性窓130−2Aと光散乱性逆ドーム状部材120A’としている場合には、白色形LED素子141から放射された白色光線L1は、その一部が熱伝導性ドーム状部材120−6Aの光散乱性窓130−2Aに入射してほぼ全方向に散乱、拡散する白色光線となる。
この白色光線の一部が光散乱性窓130−2Aから出射して白色照明光線L3となり、残りの白色光線L3’は内部空間HS1に戻り、更に下方の内部空間HS2を経由して光散乱性逆ドーム状部材120A’に入射し、光散乱性逆ドーム状部材120A’から外部へ出射して照明光線L4となる。
白色光線L1は、その一部が熱伝導性ドーム状部材120−6Aの光反射性内面110−2bで反射されて上方の内部空間HS1に戻り、更に下方の内部空間HS2を経由して光散乱性逆ドーム状部材120A’に入射し、光散乱性逆ドーム状部材120A’から外部へ出射して照明光線L4となる。
このようにして、ほぼ球形のLED電球991Aは、熱伝導性ドーム状部材120−6Aから出射する照明光線L3と逆ドーム状部材120A’から出射する照明光線L4により、球形殻のほぼ全方向を照明できる球形LED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1、H1aに従い、順次、回路基板142、熱伝導性部材150、熱伝導性線状部材157、熱伝導性環状固定部材157aを経由して、熱伝導性ドーム状部材120−6Aに伝達、移送され、その外周面110−2aから外気に拡散され放熱H3されるので、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
図64を参照して実施例31のLED電球992Aについて記載する。
図64は実施例31を示す概略的な縦断面図である。
実施例31のLED電球992Aは、図62、図63に示すドーム状部材と、図57、図59に示す逆ドーム状部材とを組み合わせたほぼ球(ボール)形の殻を有し、ほぼ球形の殻を有するボール形白熱電球と類似した外形を有している。
実施例31のLED電球992Aは、海状のドーム状熱伝導性体110−2Aに島状に孤立して設けられた複数の貫通孔に光透過性材料に複数の蛍光体粒子または光散乱粒子を含有した複数の窓130−2Aを有する熱伝導性ドーム状部材120−6Aと、海状のドーム状熱伝導性体110−2Bに島状に孤立して設けられた複数の貫通孔に光透過性材料に複数の蛍光体粒子または光散乱粒子を含有した複数の窓130−2Bを有する半球形状の逆ドーム状部材120−6Bを組み合わせてほぼ球(ボール)形の殻を備える。
この実施例では、光出射面が熱伝導性ドーム状部材120−6Aと対面する少なくとも一つの第一のLED素子141とLED素子141を実装した第一の回路基板142からなる第一の発光ユニット140と、光出射面が逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bと対面する少なくとも一つの第二のLED素子141’とLED素子141’を実装した第二の回路基板142’からなる第二の発光ユニット140’が、それぞれ共通の熱伝導性基板156の上面と下面に熱伝導接触して固定されている。
発光ユニット140、140’は、それらと固定された熱伝導基板156の周端から横方向に放射状に延びる複数の熱伝導性線状部材157と線状部材157の先端に熱結合して固定された熱伝導性環状固定部157aからなる支持部材によって熱伝導性ドーム状部材120−6A、逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bとに熱結合して固定され、殻の中空空間のほぼ中央位置に配置されている。
このようにして、発光ユニット140、140’は、熱伝導経路H1に従い熱伝導基板156を経由して、熱伝導性線状部材157と熱結合され、更に熱伝導経路H1aに従い熱伝導性環状固定部157aを経由して熱伝導性ドーム状部材120−6A、逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bの熱伝導内面と熱結合される。
逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bの底部は、内部空洞に点灯回路160を収容したハウジング180の上部に固定され、ハウジング180の底部に給電用口金170が固定される。
口金170を交流電力供給用の外部ソケットに取り付けたときに、点灯回路160は交流電力を直流に変換し、LED素子141は配線WRを経由して直流出力が供給され点灯される。
青色(BL)一次光線L1を放射するBL形LED素子141を用いる場合には、熱伝導性ドーム状部材120−6A、逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bの窓130−2A、130−2Bは黄色蛍光体(黄色蛍光体粒子)を含む。
紫外(UV)一次光線L1を放射するUV形LED素子141を用いる場合には、熱伝導性ドーム状部材120−6A、逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bの窓130−2A、130−2Bは三原色(RGB)蛍光体(RGB蛍光体粒子)を含む。
白色一次光線L1を放射する白色形LED素子141を用いる場合には、熱伝導性ドーム状部材120−6A、逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bの窓130−2A、130−2Bは光散乱体(光散乱粒子)を含む。
ほぼ球形のLED電球992Aは、熱伝導性ドーム状部材120−6Aから出射する照明光線L3と逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bから出射する照明光線L4により、球形殻のほぼ全方向を照明できる球形LED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141、141’からの発熱は、熱伝導経路H1、H1aに従い、順次、回路基板142、142’、熱伝導性部材150、熱伝導性線状部材157、熱伝導性環状固定部材157aを経由して、熱伝導性ドーム状部材120−6Aおよび逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bに伝達、移送され、それらの外面110−2aおよび110’−2aから外気に拡散され放熱H3されるので、LED素子141、141’は常時、許容温度以下に保持される。
通常の照明用途では、第一の発光ユニット140と第二の発光ユニット140’の両方を点灯回路160により同時に点灯しているが、これに限定されず用いているが、第一の発光ユニット140と第二の発光ユニット140’のいずれか一方または両方を点灯回路160により切り替えて点灯させて、LED電球992Aの照明範囲(配光特性、指向特性)を変化させることができる。
例えば第一の発光ユニット140のみを点灯した場合でも、LED素子141からの光線L1は対応する熱伝導性ドーム状部材120−6Aの散乱性または蛍光性窓130−2Aにおいて無指向性の散乱光線となり、一部の散乱光線が窓130−2から外部に出射して照明光線L3となる。
そして残部の散乱光線と熱伝導性ドーム状部材120−6Aの反射性内面110−2bで反射した光線L1が熱伝導性ドーム状部材120−6Aの内部空間HS1に戻り、更に内部空間HS2を経由して逆熱伝導性ドーム状部材120−6Bの散乱性または蛍光性窓130−2Bにおいて上記残部の散乱光線が透過し、または無指向性の散乱光線となり、窓130−2Bから出射して照明光線L4となる。
照明用途によっては、第一の発光ユニット140と第二の発光ユニット140’のいずれか一方を当初から省略しても良く、この場合でも上記の説明から照明光線L3および照明光線L4が得られる。
図65、図66を参照して実施例32のLED電球993Aについて記載する。
図65は実施例32を示す概略的な縦断面図である。図66は発光ユニットの支持部材を示す概略的な平面図である。
実施例32のLED電球993Aは、図57、図58、図59を参照して記載した実施例28のLED電球980Aの一変形である。
実施例32のLED電球993Aは、実施例28のLED電球980Aと同様に、ドーム状蛍光カバー120Aとほぼ逆ドーム状熱伝導性中空部材813からなり、全体的にほぼ球(ボール)形殻を有する白熱電球と類似した外形を有している。
図65、図66に示すように、この実施例32のLED電球993Aは、実施例28のLED電球980Aと異なり、線状回路基板142の上面に少なくとも一つのLED素子141を実装した複数(4セットなど)の線状発光ユニット140Aが、中心から横方向に放射状に延びる複数(4本など)の熱伝導性線状部材(アーム、腕)からなり全体として「十」字または「X」字形の熱伝導性支持部材157Aの表面に複数(4本など)の発光ユニット140Aが熱伝導接触して搭載されている。
熱伝導性支持部材157Aの複数(4本など)の先端は、熱伝導性逆ドーム状部材813の上部の熱伝導部110−2に熱結合して固定され複数の発光ユニット140Aは中空空間HS1、HS2に保持されるように配置されている。
更に、底部152aから上部152bに延びる熱伝導性支柱152を設けても良く、この場合に底部152aと熱伝導性逆ドーム状部材813の底部と熱伝導接触させ、上部152bに上記熱伝導性支持部材の底部の中心に熱伝導接触させて、熱伝導性支柱152により複数の発光ユニット140Aを支持させても良い。
このようにして、発光ユニット140Aは、熱伝導経路H1aに従い熱伝導性支持部材157Aを経由して、熱伝導性逆ドーム状部材813の上部の熱伝導性内面110−2と熱結合される。
更に、熱伝導性支柱152を設ける場合には、発光ユニット140Aは、熱伝導性支持部材157Aを経由して、熱伝導経路H1b、H1cに従い、熱伝導性逆ドーム状部材813の底部の熱伝導性内面110−2と熱結合される。
図66に示すように、熱伝導性支持部材157Aにおける隣接する複数の線状部分の間に複数の扇状の開口領域158が存在するので、上部の空間HS1と下部空間HS2が連通し、光線の通過を許す光通路となる。
熱伝導性逆ドーム状部材813の底部は、内部空洞に点灯回路160を収容したハウジング180の上部に固定され、ハウジング180の底部に給電用口金170が固定される。
口金170を交流電力供給用の外部ソケットに取り付けたときに、点灯回路160は交流電力を直流に変換し、LED素子141は配線WRを経由して直流出力が供給され点灯される。
蛍光カバー120Aとして蛍光カバー120A−1または蛍光カバー120A−2が用いられる。
蛍光カバー120A−1は蛍光カバー120A−1aの内面に複数の蛍光体粒子を含有した透明材料層からなる蛍光層120A−1aを形成したものである。
蛍光カバー120A−2は、蛍光カバー120A−2aの内部に複数の蛍光体粒子120A−2bを分散して含有したものである。
熱伝導性逆ドーム状部材813は、複数の貫通孔111に光透過性材料を充てんした、または光透過性材料に複数の蛍光体粒子を含有した複数の光透過性または蛍光性窓130−2を有する。
青色(BL)一次光線L1を放射するBL形LED素子141を用いる場合には、主として黄色蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
紫外(UV)一次光線L1を放射するUV形LED素子141を用いる場合には、三原色(RGB)蛍光体を坦持した蛍光カバー120Aを用いる。
青色(BL)または紫外光線(UV)からなる短波長光線を放射する短波長形LED素子141からのBL、UV一次光線L1は、蛍光カバー120Aに向って進み、波長変換されてより波長の長い可視二次光線に変換される。
BL形LED素子141を用いる場合には、青色一次光線L1によって励起された黄色蛍光体から発する可視二次光線は黄色光線であり、この黄色光線と透過した一部の青色一次光線と混色して蛍光カバー120Aの外部に出射し、疑似白色照明光線L3となる。残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る黄色光線L3’となる。
蛍光カバー120Aの蛍光体から発する可視二次光線はほぼ無指向性、全方向性の光散乱性、光拡散性を有する二次光線となるので、二次光線は、照明光線L3として外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む黄色二次光線L3’となる。
青色一次光線L1の一部は、蛍光カバー120Aの蛍光体および、または散乱粒子で散乱反射されて蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、熱伝導性逆ドーム状部材813の内部空間HS2に進む。
内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、一部が熱伝導性逆ドーム状部材813の窓130−2に向かって進み、窓130−2で熱伝導性逆ドーム状部材813の周面から出射し疑似白色照明光線L4となる。
熱伝導性逆ドーム状部材813の内部空間HS2に進んだ黄色二次光線L3’と青色一次光線は、残部が熱伝導性逆ドーム状部材813の反射内面110−2bに向かって進み、反射内面110−2bで反射して更に他の反射内面110−2bまたは他の窓130−2に向かって進む。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外一次光線L1によって励起された三原色(RBG)蛍光体から発する可視二次光線は三原色(RBG)が混色した白色二次光線であり、一部の白色二次光線は蛍光カバー120Aの外部に出射し、白色照明光線L3となる。白色二次光線の残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1、HS2に戻る白色光線L3’となる。
RBG蛍光体から発する可視二次光線はほぼ光散乱性、光拡散性を有する無指向性、全方向性の白色二次光線となるので、白色二次光線は、白色照明光線L3として蛍光カバー120Aの外部に出射するのみならず、残部が蛍光カバー120Aの内部空間HS1に戻り、内部空間HS2に進む白色光線L3’となる。
UV形LED素子141を用いる場合には、紫外線が蛍光カバー120Aの外部に漏洩しないように、蛍光体の含有量を増加させ、または蛍光カバー120Aの外面に可視光線を透過し紫外線を遮断する紫外応答形光触媒膜、光学積層膜または透過性吸収膜などからなる可視光線透過性紫外線遮断層を設けるのが望ましい。
熱伝導性逆ドーム状部材813の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、一部が熱伝導性逆ドーム状部材813の窓130−2に向かって進み、熱伝導性逆ドーム状部材813の周面に分布された複数の光透過性窓130−2から出射し白色照明光線L4となる。
熱伝導性逆ドーム状部材813の内部空間HS2に進んだ白色二次光線L3’は、残部が熱伝導性逆ドーム状部材813の反射内面110−2bに向かって進み、反射内面110−2bで反射して更に他の反射内面110−2bまたは他の窓130−2に向かって進む。
このようにして、ほぼ球形のLED電球993Aは、蛍光ドーム状カバー120Aと熱伝導性逆ドーム状部材813からなる球形殻のほぼ全方向から疑似白色光線、白色光線からなる照明光線L3およびL4を出射して照明できる球形LED電球を提供できる。
点灯中、LED素子141からの発熱は、熱伝導経路H1aおよび、または (H1b、H1c)に従い、熱伝導性逆ドーム状部材813に伝達、移送され、外面110−2aから外気に拡散され放熱H3され、LED素子141は常時、許容温度以下に保持される。
この実施例32において、発光ユニット140Aを、熱伝導性支持部材157Aの上面に搭載する替わりに、熱伝導性支持部材157Aの底面に搭載しても良く、または熱伝導性支持部材157Aの両面に搭載しても良い。
この実施例32において、熱伝導性逆ドーム状部材813とドーム状蛍光カバー120Aの上下の配置を反転させても良い。
以上に開示した各種の実施の形態、実施例における各種の構成要素、構成部分を任意に組み合わせても良い。
以上に添付図面を参照して本発明の各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、本発明の精神と特許請求の範囲に基づいて各種の変形、設計変更、改良および均等物の構築が可能であることに留意されたい。