JP2012097874A - 油圧操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】開放型作動油タンクの作動油にゼリー状の異物が発生することを抑制でき、作動油の交換時期を長くすることができる油圧操作装置を提供することである。
【解決手段】開放型の作動油タンク13は、油圧駆動部11に供給する作動油12を貯蔵するとともに、ポンプ14により作動油タンク13から油圧駆動部11に作動油12が供給されたときや油圧駆動部11から作動油ポンプ13に作動油12が戻ってきたときに発生する作動油タンク13の作動油12の変化に伴い空気を吸排出する通気口16を有し、作動油タンク13の通気口16に取り付けられたシリンダ17は、油圧駆動部11に供給される作動油12の油量が変化した場合に空気を吸排気して作動油タンク13の内圧を一定に保ち、シリンダ17内に設けられたピストン18は作動油12が空気と接触することを防止し、シリンダ17内の作動油12の油面の変化に応じて往復運動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気を吸排気する通気口を有した開放型作動油タンクから作動油を油圧駆動部に供給して油圧駆動部を駆動する油圧操作装置に関する。
油圧駆動部に供給する作動油を貯蔵する作動油タンクには、開放型作動油タンクと密閉型作動油タンクとがある。開放型作動油タンクは大型の油圧機器に用いられ、空気を吸排気する通気口を有し、作動油により油圧駆動部を駆動した際に作動油タンクに貯蔵する作動油の油量が変動した場合であっても、通気口から空気を吸排気して作動油タンクの内圧を一定に保つものである。一方、密閉型作動油タンクは小型の油圧機器に用いられ、作動油タンクの内圧が変動した場合であっても、その内圧変動を作動油タンク本体で保持するものである。
大型の油圧機器として、ガス遮断器(GCB)を駆動する油圧駆動部がある。このガス遮断器の油圧駆動部に用いられている作動油タンクは開放型作動油タンクであり、開放型作動油タンクでは作動油が空気と接触し、空気や水分によって作動油が劣化することがあるので、定期的に作動油を交換することにより対応している。
ここで、大型の作動油タンクとして、密閉型メインタンクとは別にサブタンクを設け、このサブタンクにより、密閉型メインタンクの作動油が空気と接触するのを防止して空気や水分によって作動油が劣化することを防止するとともに、メインタンクの内圧を一定に保つようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、油入変圧器において、変圧器本体を収容した変圧器タンク内に絶縁油を充填し、変圧器タンクの上部にコンサベータを取り付け、コンサベータの隔壁により絶縁油の膨脹油量を吸収するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−345511号公報 特開2008−227268号公報
しかし、開放型作動油タンクにおいて、定期的に作動油を交換する時期以前に、作動油の劣化とは別の問題点が確認されるようになった。すなわち、作動油の交換時期以前に作動油が変質して、ゼリー状の異物が発生することが確認されるようになった。このような作動油の変質は単なる作動油の劣化とは異なり、サクションフィルタに目詰まりを発生させて油圧の昇圧が不能になるので、油圧駆動部を駆動できない事態となる。例えば、油圧機器がガス遮断器の油圧駆動部である場合には、ガス遮断器の開閉操作が行えないことになってしまい、電力系統の運用上にも支障を来すことになる。
現状では、作動油中に発生したゼリー状異物を除去・消去することができないので、作動油の交換時期を見直し、早めに作動油を交換することで対処しているが、早めに作動油を交換することになるので、作動油の交換のための費用が高くなり、また、大量の廃油が発生することになる。
本発明の目的は、開放型作動油タンクの作動油にゼリー状の異物が発生することを抑制でき、作動油の交換時期を長くすることができる油圧操作装置を提供することである。
請求項1の発明に係る油圧操作装置は、油圧駆動部に供給する作動油を貯蔵するとともに前記油圧駆動部に供給する作動油の変化に伴い空気を吸排出する通気口を有した開放型の作動油タンクと、前記作動油タンクから前記油圧駆動部に作動油を供給するポンプと、前記作動油タンクの前記通気口に取り付けられ前記油圧駆動部に供給される作動油の油量が変化した場合に空気を吸排気して前記作動油タンクの内圧を一定に保つためのシリンダと、前記シリンダ内に設けられ前記作動油が空気と接触することを防止し前記シリンダ内の前記作動油の油面の変化に応じて往復運動するピストンとを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係る油圧操作装置は、請求項1の発明において、前記シリンダの先端部に通気管を設けたことを特徴とする。
請求項3の発明に係る油圧操作装置は、請求項1または請求項2の発明において、前記ピストンが前記シリンダ内部から逸脱しないように前記シリンダ内部に留具を設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、作動油タンクの作動油の油量が変化した場合に空気を吸排気するシリンダを設け、シリンダ内を往復運動するピストンにより作動油が空気と接触することを防止して、通気口から空気や水分が作動油に混入することを防止するので、作動油にゼリー状の異物の発生を抑制できる。これにより、作動油の交換時期を長くすることができ、作動油の交換作業の費用を低減でき、また、作動油の交換により発生する廃油を削減できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、シリンダの先端部に通気管を設けたので、通気管によりシリンダ内に吸排気する空気を案内することができシリンダ内に流入する塵埃の低減を図ることができる。
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明の効果に加え、ピストンがシリンダ内部から逸脱しないようにシリンダ内部に留具を設けたので、ピストンがシリンダ内部から逸脱することを防止でき、例えば、作動油の交換の際にピストンが作動油タンク内に落下することを防止できる。
本発明の実施形態に係る油圧操作装置の一例を示す構成図。 本発明の実施形態に係る油圧操作装置の他の一例を示す構成図。
図1は本発明の実施形態に係る油圧操作装置の一例を示す構成図である。まず、本発明に至った経過を説明する。開放型作動油タンクにおいて、定期的に作動油を交換する時期以前に、作動油の劣化とは別に、作動油が変質して、ゼリー状の異物が発生することが確認されるようになった。作動油が変質してゼリー状の異物が発生するのは、作動油に空気及び水分が混入したときに多いことが判明した。この知見に基づき、本発明の実施の形態では、開放型の作動油タンクに空気及び水分が接触しないようにした。
以下、本発明の実施形態に係る油圧操作装置を説明する。油圧操作装置は、油圧駆動部11に供給する作動油12を貯蔵する作動油タンク13を有し、作動油12は注油口22から作動油タンク13に注入される。注油口22から作動油12が注入されると、注油口22は常時は蓋により密閉される。作動油タンク13の作動油12は、ポンプ14により油圧駆動部11に供給される。ポンプ14はモータ15により駆動される。この作動油タンク13は、油圧駆動部11に供給する作動油12の変化に伴い空気を吸排出する通気口16を有した開放型の作動油タンクである。
通気口16は、本来的には、油圧駆動部11に供給する作動油12の変化に伴い空気を作動油タンク13内に吸排出するものであるが、本発明の実施の形態では、この通気口16に、シリンダ17が設けられている。
シリンダ17は、油圧駆動部11に供給される作動油12の油量が変化した場合に、シリンダ17内に空気を吸排気してシリンダ17内の作動油12の油面を変化させ、作動油タンクの内圧を一定に保つものである。そして、このシリンダ17内には、シリンダ17内の作動油の油面の変化に応じて往復運動するピストン18が設けられ、このピストン18により作動油12が空気と接触することを防止するようにしている。
また、シリンダ17の空気の吸排気口にはフィルタ19が設けられ、空気に含まれる塵埃がシリンダ17内に流入するのを防止している。さらに、シリンダ17内には上側留具20a及び下側留具20bが設けられ、ピストン18がシリンダ17内から逸脱しないようにしている。通常の作動油12の変化では、ピストン18は上側留具20a及び下側留具20bに動作を拘束されることなく、シリンダ17内を往復運動する。
例えば、作動油12の交換の際には作動油タンク13内の作動油12が排出されるので、それに伴いピストン18は作動油タンク13側に移動することになる。さらに、作動油タンク13の油面がシリンダ17の下部より低下すると、ピストン18は下側留具20bによりその移動が拘束され、ピストン18が作動油タンク13内に落下することを防止するようにしている。
一方、何らかの理由で作動油タンク13内の圧力が上昇した場合には、それに伴いピストン18はシリンダ17の空気の吸排気口側に移動することになり、作動油タンク13の油面がさらに上昇すると、ピストン18は上側留具20aによりその移動が拘束され、ピストン18がシリンダ17の外部に放出されることを防止する。なお、作動油タンク13には、図示省略の安全弁が設けられており、ピストン18がシリンダ17の上側留具20aに至る前に安全弁が動作するので、ピストン18がシリンダ17の上側留具20aに拘束されることは事実上有り得ないことであるが、安全のために上側留具20aを設けている。
このような油圧駆動部11は、例えば、大型の油圧機器、例えばガス遮断器の主接点の駆動機構を油圧で駆動するものである。油圧駆動部11がガス遮断器の主接点の駆動機構である場合には、ポンプ14によって油圧駆動部11側の油圧が高圧状態に維持されている。この状態で、遮断器の投入指令があると、油圧操作機構側の図示省略の投入用電磁弁が開かれる。投入用電磁弁が開かれると、高圧になっている油圧が遮断器の駆動機構に流れ込み遮断器の主接点の投入が行われる。
いま、ガス遮断器の主接点の駆動機構を駆動するために、作動油タンク13に貯蔵する作動油12の油量が油圧駆動部11が供給されたとすると、作動油タンク13内の作動油12が減少する方向に変化する。その場合には、シリンダ17内の油面が下降し、シリンダ17から空気を吸気してピストン18は作動油タンク13側に移動し作動油タンク13の内圧を一定に保つ。
一方、ガス遮断器の主接点の駆動機構の動作を開放する場合には、油圧駆動部11から作動油12が作動タンク13内に戻ってくる。この場合には、作動油タンク13の作動油12は増加するので、シリンダ17内の作動油12の油面は上昇し、シリンダ17はシリンダ17内の空気を排気することになり、ピストン18はシリンダ17の吸排気口側に移動する。このようにして、シリンダ17は作動油タンク13の内圧を一定に保つ。
このように、ピストン18は作動油タンク13の内圧を一定に保つようにシリンダ17の内壁を摺動し、空気が作動油12に接触しないようにするものであるため、その材質としては、気密性を保ちシリンダ17の内壁を滑らかに摺動するものが望ましい。また、作動油により変質しないものが望ましい。例えば、金属などの無機材料を用いる。これにより、例えば、高分子材料の屈曲動作が伴うコンサベータ構造のものと比較して長期寿命が期待できる。
図2は本発明の実施形態に係る油圧操作装置の他の一例を示す構成図である。この他の一例は、図1に示した一例に対し、シリンダ17の先端部に通気管21を設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
通気管19は、シリンダ17内に吸排気する空気を案内するものであり、図2に示すように、シリンダ17の先端部には屈曲した通気管21が設けられている。そして、通気管21の空気の吸排出口には塵埃を除去するためのフィルタ19が取り付けられている。通気管21の吸排出口が下方に向くように屈曲させているのは、空気に含まれる塵埃が直接的にシリンダ17内に流入しないようにするためである。これにより、空気に含まれる塵埃がシリンダ17内に流入するのを低減できる。
図2では、通気管21の吸排気口を下方に向けて配置したが、吸排気口が空気を取り込み易い位置で塵埃が流入し難い位置であればどの向きでもよいが、好ましくは、周囲に塵埃が堆積する部材がなく、水平方向から鉛直方向に傾きを持たせて配置することが望ましい。これは、空気に含まれる塵埃が直接的にシリンダ17内に流入しないようにするためである。
以上述べたように、本発明の実施形態によれば、油圧操作機構の作動油タンク13に、ポンプ14の動作時の作動油の油量の変化に伴う油面変動吸収用のシリンダ17内にピストン18を設置して、油面(油量)の変動に合わせてピストン18を動作させ油面(油量)を調整し、ピストン18により作動油と空気との接触を防止するので、作動油12の劣化が抑制される。これにより、作動油12が変質してゼリー状の異物が発生することを抑制でき、作動油交換インターバルが長くなり、費用及び大量の廃油の削減が可能となる。
11…油圧駆動部、12…作動油、13…作動油タンク、14…ポンプ、15…モータ、16…通気口、17…シリンダ、18…ピストン、19…フィルタ、20…留具、21…通気管、22…注油口

Claims (3)

  1. 油圧駆動部に供給する作動油を貯蔵するとともに前記油圧駆動部に供給する作動油の変化に伴い外気を吸排出する通気口を有した開放型の作動油タンクと、前記作動油タンクから前記油圧駆動部に作動油を供給するポンプと、前記作動油タンクの前記通気口に取り付けられ前記油圧駆動部に供給される作動油の油量が変化した場合に外気を吸排気して前記作動油タンクの内圧を一定に保つためのシリンダと、前記シリンダ内に設けられ前記作動油が外気と接触することを防止し前記シリンダ内の前記作動油の油面の変化に応じて往復運動するピストンとを備えたことを特徴とする油圧操作装置。
  2. 前記シリンダの先端部に通気管を設けたことを特徴とする請求項1に記載の油圧操作装置。
  3. 前記ピストンが前記シリンダ内部から逸脱しないように前記シリンダ内部に留具を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油圧操作装置。
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