JP2012097065A - 含カルコゲン縮合多環式化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
で表される化合物を酸化する工程と、該工程で得られた下記式(3a)
で表される化合物と下記式(4a)
で表される化合物とを縮合する工程と、を含む方法により得られる化合物であることが好ましい。
で表される化合物(3b)を酸化する工程と、を含む方法により得られる化合物であることも好ましい。
で表される化合物と下記式(4b)
で表される化合物とを縮合する工程と、該工程で得られた式(3b)で表される化合物を酸化する工程と、を含む方法により得られる化合物であることも好ましい。
で表される化合物に含まれる水素原子を、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキルスルホネート基又は炭素数6〜20のアリールスルホネート基に置換する工程を含む方法により得られる化合物であることが好ましい。
で表される基であることが好ましい。
で表される化合物にアルキルリチウムを反応させる第I’工程と、第I’工程の反応生成物をアルキルスルフィド化又はアルキルセレニド化する第II’工程と、を有する、式(3b)
で表される化合物の製造方法に関する。
R1−X6 (11)
で表されるハロゲン化アルキルを反応させることにより、第I’工程の反応生成物をアルキルスルフィド化又はアルキルセレニド化することが好ましい。式(11)中、R1は式(3b)における定義と同義であり、X6はハロゲン原子を示す。
工程4に用いられる化合物(5)の製造方法として、以下の工程1A、工程2A及び工程3Aを経由する方法を例示することができる。
工程1A:
下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と記すことがある。)に含まれる水素原子を、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキルスルホネート基又は炭素数6〜20のアリールスルホネート基に置換する工程
工程2A:
工程1Aで得られた下記式(2a)で表される化合物(以下、「化合物(2a)」と記すことがある。)を酸化する工程
工程3A:
工程2Aで得られた下記式(3a)で表される化合物(以下、「化合物(3a)」と記すことがある。)と下記式(4a)で表される化合物(以下、「化合物(4a)」と記すことがある。)とを縮合する工程
工程3B:
下記式(3b)で表される化合物(以下、「化合物(3b)」と記すことがある。)を酸化する工程
工程1Aで得られた化合物(2a)と化合物(4a)とを縮合する工程
化合物(1)に含まれる水素原子を、脱離基に置換する工程
工程2C:
工程1Bで得られた下記式(2b)で表される化合物(以下、「化合物(2b)」と記すことがある。)と下記式(4b)で表される化合物(以下、「化合物(4b)」と記すことがある。)とを縮合する工程
まず、工程1Aの化合物(1)について説明する。
化合物(1)におけるR1は、炭素数1〜20のアルキル基を示す。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−ヘキシルオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基が挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、及びn−デシル基、が挙げられる。R1は更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、及びn−ヘキシル基から、更により好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、及びn−ブチル基から選ばれる。
(式中、Z2は上記と同じ意味を示し、X5は臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を示す。)で表される化合物(以下、化合物(1a)と記すことがある。)にアルキルリチウムを反応させる第I工程と、第I工程で得られた反応生成物をアルキルスルフィド化する第II工程とを含む調製方法を挙げることができる。
R1−S−S−R1
(式中、R1は上記と同じ意味を示す。)
で表されるジアルキルジスルフィド(以下、単にジアルキルジスルフィドと記すことがある)を反応させる工程(以下、「(I)工程」と記すことがある。)、並びに、
第I工程で得られた反応生成物に、硫黄を反応させた後、式(11)
R1−X6 (11)
(式中、R1は上記と同じ意味を示し、X6は臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を示す。)
で表されるハロゲン化アルキル(以下、「ハロゲン化アルキル(11)」と記すことがある)を反応させる工程(以下、「(II)工程」と記すことがある。)、
等を挙げることができる。
(I)工程で用いられるジアルキルジスルフィドとしては、例えば、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジ−n−プロピルジスルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−n−ヘキシルジスルフィド、ジ−n−オクチルジスルフィド、及びジ−n−デシルジスルフィドが挙げられる。好ましくは、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、及びジ−n−ヘキシルジスルフィドが挙げられ、更に好ましくは、ジメチルジスルフィド、及びジ−n−ヘキシルジスルフィド等が挙げられる。
(式中、R1、Z2及びX5は上記と同じ意味を示す。)
で表される化合物(以下、化合物(1b)と記すことがある。)を生成させる。続いて、生成した化合物(1b)を含む反応生成物を、例えば、−40℃以下、好ましくは−55℃〜−110℃、更に好ましくは、−65℃〜−100℃の温度範囲に冷却させた後、アルキルリチウムを化合物(1b)1モルに対して、0.5モル〜2モル加え、更に上記温度範囲で10分〜5時間反応液を攪拌する工程(第I工程の2回目)を行い、この工程で得られた反応生成物に、化合物(1b)1モルに対して、0.5モル〜2モルのジアルキルジスルフィドを加え、必要に応じて30℃まで昇温させ、10分から48時間反応液を攪拌する工程((I)工程の2回目)を行う。
で表される基に置換する方法としては、例えば、J.Am.Chem.Soc.,2006,128,9034記載の方法に準拠して、化合物(1)にBuLiを作用させた後、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと反応させる方法がある。
で表わされる基が挙げられる。
(n1は1〜14の整数を示し、n2及びn3は1〜10の整数を示す。)
で表される基が挙げられる。
(n4は1〜26の整数を示し、n5は1〜24の整数を示し、n6は1〜22の整数を示す。)
で表されるヘテロアラルキル基を挙げることができる。
(n4は1〜26の整数を示し、n5は1〜24の整数を示し、n6は1〜22の整数を示す。)
で表される基を挙げることができる。
−Si(R2)3
(式中、R2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。)
で表される基である。ここで、置換シリル基におけるケイ素原子に結合している3つのアルキル基又はアリール基の炭素数の合計は3〜30である。該アルキル基又は該アリール基1個の炭素数は最大で28である。該アルキル基又は該アリール基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置き換わっていてもよい。
で表される化合物(以下、「化合物(4)」と記すことがある)にアルキルリチウムを反応させる第I’工程と、第I’工程で得られた反応生成物をアルキルスルフィド化する第II’工程とを含む方法を挙げることができる。
で表される化合物(以下、「化合物(3)」と記すことがある)にハロゲン化剤を反応させる工程を含む方法によって得ることができる。当該工程の具体的な方法としては、工程1Aにおける化合物(1)に代えて化合物(3)を用いること以外は、工程1Aのハロゲン化剤を用いる方法と同様に行えばよい。式(3)中、Z2、R11、R12、R13及びR14は式(4)と同義である。
で表される化合物(以下、化合物(1c)と記すことがある)と式(4a)
で表される化合物(化合物(4a))とを縮合する工程を含む方法によって得ることができる。当該工程の具体的な方法としては、上述の工程3Aにおける、化合物(3a)に代えて化合物(1c)を用い、化合物(5)に代えて化合物(3)を得ること以外は、工程3Aと同様に行えばよい。式中、Z2、X1、X2、R11、R12、R13及びR14は、上記各式と同義である。
3,4−ジブロモチオフェン(0.30g、1.2mmol)をジエチルエーテル6mLに溶解し、−78℃まで冷却したあと、同温度にてt−BuLiを1.59M含むペンタン溶液(0.78mL、1.2mmol)を滴下した。さらに同温度にて30分間撹拌後、硫黄粉末(0.04g、1.2mmol)を加え、同温度で30分間攪拌した。同温度下、再度t−BuLiを1.59M含むペンタン溶液(0.78mL、1.2mmol)を滴下し、30分間撹拌した。その後、硫黄粉末(0.04g、1.2mmol)を加え、同温度で30分間攪拌させた後、緩やかに室温まで昇温させ、そのまま1時間攪拌した。この溶液を0℃に冷却させ、ヨウ化メチル(0.39g、2.7mmol)を加えた後、緩やかに室温まで昇温させ、そのまま2時間攪拌した。その後、水とクロロホルムを加えた後、有機層を分離し、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:1)で精製することで、3,4−ジメチルスルファニルチオフェンを0.19g得た(収率87%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.02(s,2H)、2.46(s,6H)
2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルファニルチオフェンの合成
3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(0.18g、1.0mmol)をクロロホルム10mLに溶解し、得られた溶解液にN−ブロモスクシンイミド0.38gを室温(約20℃)にて徐々に加えた。得られた混合液を室温にてさらに4時間撹拌後、水を加え、有機層と水層とに分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の有機層を濃縮して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン0.26gを得た(収率77%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):2.41(s,6H)
2,5−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェンの合成
2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(2.2g、6.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF)270mLに溶解し、得られた溶解液に4−n−ヘキシル−1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(4.74g、16.4mmol)、及び炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、89mL)を加えた。得られた混合液を室温にて窒素でバブリングした。この混合液に、PdCl2(dppf)(0.54g、0.7mmol)を加えた後、85℃で7時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、塩化アンモニウム水溶液を加えた。次いで水層と有機層とに分離した。水層中に含まれる生成物はTHFにより抽出し、有機層と混合した。混合された有機層は、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後反応液を濃縮し粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム及び分取ゲルパーミネーションクロマトグラフィーを用いて分取することによって、2,5−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェンを1.88g得た(収率51%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.60(d,J=8.4Hz,4H)、7.25(d,J=8.4Hz,4H)、2.65(t,J=7.6Hz,4H)、2.31(s,6H)、1.71−1.60(m、4H)、1.40−1.29(m,12H)、0.90(t,J=6.8Hz,6H)
2,5−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの合成
2,5−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(1.40g、2.8mmol)を酢酸70mLに溶解し、そこに室温にて35%過酸化水素水(0.60g、6.2mmol)を滴下した。滴下終了後、得られた反応液を50℃まで昇温し、同温度にてさらに5.5時間撹拌した。途中で35%過酸化水素水を0.3g追加した。次に、反応液を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びクロロホルムを加え、有機層と水層とに分離した。水層中に含まれる生成物はクロロホルムで抽出して有機層と混合した。混合された有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで洗浄することによって、2,5−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンを0.99g得た(収率66%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.45(d,J=8.1Hz,1.6H)、7.36(d,J=8.1Hz,2.4H)、7.28−7.24(m,4H)、3.28(s、3.6H)、3.09(s、2.4H)、2.70−2.63(m,4H)、1.70−1.53(m,4H)、1.42−1.28(m,12H)、0.92−0.87(m,6H)
MS−FD:528(M+)
ビス(5−ヘキシルベンゾ[4,5]チエノ)[3,2−c:2’,3’−e]チオフェンの合成
2,5−ビス(4’−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェン(0.30g、0.6mmol)、及びP2O5(0.03g、0.2mmol)をトリフルオロメタンスルホン酸10.3mLに溶解させ反応液を得た。該溶解液を50℃まで昇温した後、同温度にて3時間撹拌し、続いて室温まで冷却し、反応液を得た。反応液を水103mLに加え、析出した固体をろ別した。析出した固体を水で洗浄後、得られた固体をピリジン90mLに溶解し、得られた溶解液が還流するまで加熱しながら10時間撹拌した。溶解液を室温まで冷却した後、溶解液に水及びクロロホルムを加えた。得られた有機層及び水層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してから、濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム及びゲルパーミネーションクロマトグラフィーを用いて精製することによって、ビス(5−ヘキシルベンゾ[4,5]チエノ)[3,2−c:2’,3’−e]チオフェンを0.08g得た(収率31%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.65(d,J=7.3Hz,2H)、7.57(d,J=1.0Hz,2H)、7.19(dd,J=7.3,1.0Hz,2H)、2.73(t,J=7.0Hz,4H)、1.73−1.63(m,4H)、1.40−1.29(m,12H)、0.90(t,J=6.8Hz,6H)
2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの合成
2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(2.34g、7.0mmol)を酢酸150mLに溶解し、得られた溶解液に35%過酸化水素水(0.78g、8.0mmol)を滴下した後、得られた反応液を60℃まで昇温し、同温度にて12時間撹拌した。途中、35%過酸化水素水を0.77g追加した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びクロロホルムを添加し、混合した後、有機層及び水層に分離した。有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥してから濃縮し粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムを用いて精製することによって、2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンを1.65g得た(収率64%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):3.21(s,2.4H)、3.09(s,3.6H)
2,5−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの合成
2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェン(0.08g、0.2mmol)をTHF9mLに溶解し、得られた溶解液に4−n−ヘキシル−1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(0.17g、0.6mmol)、及び炭酸セシウム水溶液(2.0M、2.9mL)を加えた。得られた混合液を室温にて窒素でバブリングした後、PdCl2(dppf)(0.09g、0.01mmol)を加え、さらに、80℃まで昇温して16時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、塩化アンモニウム水溶液を加え、有機層及び水層に分離した。水層中に含まれる生成物はTHFで抽出し、有機層と混合した。混合された有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し粗生成物を得た。得られた粗生成物を、薄層クロマトグラフィーを用いて分取することによって、2,5−ビス(4’−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンを0.05g得た(収率41%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.45(d,J=8.1Hz,2.5H)、7.36(d,J=8.1Hz,1.5H)、7.28−7.24(m,4H)、3.28(s、2.3H)、3.09(s、3.7H)、2.70−2.63(m,4H)、1.70−1.53(m,4H)、1.42−1.28(m,12H)、0.92−0.87(m,6H)
下記合成経路にしたがって、含カルコゲン縮合多環式化合物を合成した。
1−n−ペンチルオキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンの合成
1−ブロモ−4−n−ペンチルオキシベンゼン(25g、103mmol)をジエチルエーテル500mLに溶解し、得られた溶解液を−78℃に冷却した。この溶解液に−78℃で、t−BuLi/ペンタン溶液(関東化学製、t−BuLi濃度1.76M)117mLを45分かけて滴下し、同温度にてさらに30分撹拌した後、45分かけて0℃まで昇温し、0℃で1時間撹拌した。得られた反応液を再び−78℃に冷却し、2−イソプロピル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(31.2mL、154mmol)を滴下し、同温度にてさらに3時間撹拌した後、室温まで昇温し、室温で3時間撹拌した。得られた反応液に飽和食塩水及びエーテルを加え、有機層と水層とに分離し、有機層は、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムにて精製することにより、1−n−ペンチルオキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンを得た(収率98%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.74(d,J=8.6Hz,2H)、6.88(d,J=8.6Hz,2H)、3.97(t,J=6.5Hz,2H)、1.73−1.81(m,2H)、1.20−1.50(m、4H)、1.33(s,12H)、0.93(t,J=7.0Hz,3H)
2,5−ビス(4−n−ペンチルオキシフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェンの合成
2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(9g、27mmol)をTHF1000mLに溶解し、得られた溶解液に4−n−ペンチルオキシ−1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(21.1g、72.7mmol)、及び炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、364mL)を加えた。次いで、得られた混合液を室温にて窒素でバブリングした。この混合液に、PdCl2(dppf)(2.2g、2.7mmol)を加えた後、85℃まで昇温し、同温度で4.5時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、塩化アンモニウム水溶液を加え、有機層と水層とに分離した。水層中に含まれる生成物はTHFで抽出し、有機層と混合した。混合された有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムを用いて精製することによって、2,5−ビス(4−n−ペンチルオキシフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェンを13.7g得た(収率100%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.60(d,J=8.6Hz,4H)、6.95(d,J=8.6Hz,4H)、4.00(t,J=6.5Hz,4H)、2.96(s,6H)1.76−1.84(m,4H)、1.38−1.48(m、8H)、0.94(t,J=7.0Hz,6H)
2,5−ビス(4−n−ペンチルオキシフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの合成
酢酸250mLに2,5−ビス(4−n−ペンチルオキシフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(5g、10mmol)を加え、得られた混合物を50℃に昇温し溶解後、室温まで冷却した。この溶解液に35%過酸化水素水(2.1g、22mmol)を加え室温で撹拌した。その後、NMRで2,5−ビス(4−n−ペンチルオキシフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェンが確認されなくなるまで、35%過酸化水素水を少量加えることを繰り返し、合計で3.9gの35%過酸化水素水を加えた。得られた反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、有機物をクロロホルムで抽出した。抽出された有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、2,5−ビス(4−n−ペンチルオキシフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンを5.3g得た(収率99%)。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.46(d,J=8.6Hz,1.9H)、7.38(d,J=8.6Hz,2.1H)、6.94−6.98(m,4H)、3.98−4.03(m,4H)、3.25(s,3.2H)、3.09(s、2.8H)、1.70−1.90(m,4H)、1.30−1.50(m,8H)、0.94(t,J=7.0Hz,6H)
ビス(5−ペンチルオキシベンゾ[4,5]チエノ)[3,2−c:2’,3’−e]チオフェンの合成
メタンスルホン酸211mLにP2O51.3gを加えた溶液を0℃に冷却後、2,5−ビス(4−n−ペンチルオキシフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェン(12.5g、23.5mmol)を含むクロロホルム溶液(211mL)を30分かけて滴下した。得られた反応液を50℃まで昇温し、合計12時間撹拌した。水2111mLに、攪拌後の反応液を加え、有機層と水層とに分液した。有機層は水で洗浄し、濃縮した。得られたオイルにピリジン1877mLを加え、還流しながら4時間撹拌した。得られたピリジン溶液を室温まで冷却した後、水及びクロロホルムを加えて有機層と水層とに分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物のシリカゲルカラムカラムクロマトグラフィーにおいて、ヘキサン/クロロホルム=3/1の展開溶媒で溶出する成分を除いた後、展開溶媒を酢酸エチルに変えて溶出する成分を回収し、7.1gの混合物を得た。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.72(d,J=8.6Hz,2H)、7.36(s,2H)、7.05(d,J=8.6Hz,2H)、4.05(t,J=6.5Hz,4H)、1.80−1.90(m,4H)、1.38−1.56(m,12H)、0.96(t,J=7.3Hz,6H)
2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)チオフェンの製造例
2,5−ジブロモチオフェン(15.0g、62.0mmol)をTHF300mLに溶解し、得られた溶解液に4−ヘキシル−1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(48.25g、167.4mmol)及び炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、387.5mL)を加えた後、室温にて窒素でバブリングし、懸濁液を得た。この懸濁液に、PdCl2(dppf)・ジクロロメタン錯体(5.06g、6.2mmol)を加え、40℃で6時間撹拌した。得られた反応溶液を室温まで冷却後、有機層を分液し、水層中に含まれる生成物は更にクロロホルムで抽出し、有機層とクロロホルム層とを併せて濃縮した。得られた濃縮物にクロロホルムを加え、得られたクロロホルム層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物は、シリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン)で精製した後、さらに、再結晶(再結晶溶媒:ヘキサン)することで、2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)チオフェンを5.70g得た(収率23%)。
得られた2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)チオフェンの分析結果は以下のとおりである。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.53(d,J=8.1Hz,4H)、7.23(s,2H)、7.19(d,J=8.1Hz,4H)、2.61(t,J=7.6Hz,4H)、1.68−1.57(m、4H)、1.40−1.25(m,12H)、0.89(t,J=6.8Hz,6H)
HRMS(EI):404.2535(M+).Calcd for C28H36S:404.2538.
3,4−ジブロモ−2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)チオフェン(化合物(4−6))の製造例
製造例11及び製造例11に準じて得られた2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)チオフェン(9.90g、24.47mmol)をクロロホルム79mLに溶解した。該溶解液を0℃まで冷却した後、臭素(7.97g、49.87mmol)を含むクロロホルム溶液(4mL)を滴下し、さらに、同温度にて3.5時間撹拌した。得られた反応溶液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、分液して得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次、洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製することで、3,4−ジブロモ−2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)チオフェン(化合物(4−6))を11.80g得た(収率86%)。
得られた化合物(4−6)の分析結果は以下のとおりである。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.57(d,J=8.1Hz,4H)、7.27(d,J=8.1Hz,4H)、2.66(t,J=7.6Hz,4H)、1.71−1.60(m、4H)、1.40−1.26(m,12H)、0.90(t,J=6.8Hz,6H)
HRMS(EI):560.0722(M+).Calcd for C28H34Br2S:560.0748.
2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(化合物(3b−6))の製造例
窒素雰囲気下、3,4−ジブロモ−2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)チオフェン(1.00g、1.78mmol)をTHF22mLに溶解し、−78℃まで冷却した。該溶液に、t−BuLiの1.55Mペンタン溶液(1.72mL、2.67mmol)を滴下し、−78℃にて30分攪拌した(以上、第I’工程)。第I’工程で得られた反応溶液に硫黄粉末(0.069g、2.15mmol)を加え、1時間攪拌した(以上、第V’工程)。第V’工程で得られた反応溶液に、t−BuLiの1.55Mペンタン溶液(1.72mL、2.67mmol)を滴下し、30分攪拌したのち硫黄粉末(0.063g、1.96mmol)を加えた。同温度で1時間攪拌後、緩やかに室温まで昇温しそのまま1時間攪拌した(以上、第VI’工程)。第VI’工程で得られた反応溶液を0℃に冷却し、ヨードメタン(0.606g、4.27mmol)を加えた後、緩やかに室温まで昇温させ2時間攪拌した。得られた反応溶液に水及びクロロホルムを加えて分液した。得られた有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレータ−により濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムおよび分取ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにて精製することで、2,5−ビス(4−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(化合物(3b−6))を0.447g得た(収率51%)。
得られた化合物(3b−6)の分析結果は以下のとおりである。
1H−NMR(CDCl3、δppm):7.60(d,J=8.4Hz,4H)、7.25(d,J=8.4Hz,4H)、2.65(t,J=7.6Hz,4H)、2.31(s,6H)、1.71−1.60(m、4H)、1.40−1.29(m,12H)、0.90(t,J=6.8Hz,6H)
HRMS(EI):496.2281(M+).Calcd for C30H40S3:496.2292.
製造例14
(2,5−ビス(4−エチルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェン製造例)
2,5−ビス(4−エチルフェニル)−3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(15.0g、39.0mmol)を酢酸600mLに70℃にて溶解し、得られた溶解液に同温にて35.4重量%の過酸化水素を含む水溶液(7.7g、過酸化水素として79.9mmol)を1時間かけて滴下後、同温度にて10時間撹拌した。次に、亜硫酸ナトリウム水溶液(20重量%)150mLを70℃にて加え、同温度にて1時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、クロロホルム500mLを加え、有機層と水層とに分離した。水層中に含まれる生成物はクロロホルム150mLで2回抽出して有機層と混合した。混合された有機層を水300mLで3回洗浄し、水酸化ナトリウム水溶液(20重量%)を室温にて加えて水層がpH10〜12となるように調整し、さらに、室温にて30分間撹拌した後、有機層と水層とに分離した。得られた有機層に水300mL及び硫酸水溶液(5重量%)を加えて水層をpH6〜8に調整し、有機層と水層とに分離した。分離された有機層は硫酸マグネシウムで乾燥した後濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をn−ヘプタンからの再結晶により精製することによって、下記式
で表される2,5−ビス(4−エチルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェン(15.4g、37.0mmol)の白色結晶を収率95%で得た。
得られた2,5−ビス(4−エチルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの分析結果は以下の通りである。
1H−NMR(δ、CDCl3): 1.29(t×d、6H)、3.10(s、3H)、3.28(s、3H)、7.29(d×d、4H)、7.37(d、2H)、7.46(d、2H)
(ビス(5−エチルベンゾ[4,5]チエノ)[3,2−c:2’,3’−e]チオフェン(化合物(10−3)の製造例)
攪拌子、温度計を取り付けたフラスコに97%硫酸20mLを加え、系内を窒素置換した後、該硫酸を0℃に冷却した。冷却された硫酸に製造例14で得られた2,5−ビス(4−エチルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェン(2.00g、4.80mmol)を混合液の温度が2℃を超えないように、30分間かけて少しずつ加え、さらに、0℃で6時間攪拌し反応溶液を調製した。攪拌子、温度計を取り付けた別のフラスコに水150mLを仕込み、この水に、該反応溶液を加えた。水と該反応溶液との混合液の温度は20℃を超えないように少しずつ該反応溶液が加えられた。得られた反応溶液を5℃にて18時間静置した後、濾過を行い、濾上物を水、炭酸水素ナトリウム水溶液(5重量%)、水、メタノールの順序で洗浄した。得られた濾上物をトルエンに加え、炭酸ナトリウム水溶液(5重量%)を加えた後、70℃にて溶解し、有機層と水層とに分離した。有機層は70℃にてさらに水で2回洗浄した後濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンからの再結晶により精製することによって、式(10−3)
Claims (20)
- 式(5)
[式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を示し、Z1はそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示し、Z2は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基、又は、−Si(R2)3(R2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。)で表される置換シリル基を示す。]
で表される化合物を酸と反応させる工程を有することを特徴とする式(10)
[式中、Z1、Z2、R11、R12、R13及びR14は前記と同義である。]
で表される含カルコゲン縮合多環式化合物の製造方法。 - 前記式(5)の化合物を酸と反応させた後、反応生成物と塩基とを混合することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 前記式(5)で表される化合物が、
式(2a)
[式中、R1、Z1及びZ2は前記と同義である。X1はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキルスルホネート基又は炭素数6〜20のアリールスルホネート基を示す。]
で表される化合物と式(4a)
[式中、R11、R12、R13及びR14は前記と同義である。X2は脱離基を示す。]
で表される化合物とを縮合する工程と、
前記工程で得られた式(3b)
[式中、R1、Z1、Z2、R11、R12、R13及びR14は前記と同義である。]で表される化合物を酸化する工程と、
を含む方法により得られる化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。 - 前記式(5)で表される化合物が、
式(2b)
[式中、R1、Z1及びZ2は前記と同義である。X2は脱離基を示す。]
で表される化合物と式(4b)
[式中、R11、R12、R13及びR14は前記と同義である。X1はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキルスルホネート基又は炭素数6〜20のアリールスルホネート基を示す。]
で表される化合物とを縮合する工程と、
前記工程で得られた式(3b)
[式中、R1、Z1、Z2、R11、R12、R13及びR14は前記と同義である。]で表される化合物を酸化する工程と、
を含む方法により得られる化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。 - Z1及びZ2がいずれも硫黄原子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の製造方法。
- R11、R12、R13及びR14からなる群から選ばれる少なくとも1つの基が、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、その他のR11、R12、R13及びR14は水素原子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の製造方法。
- 式(5)
[式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を示し、Z1はそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示し、Z2は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基、又は、−Si(R2)3(R2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。)で表される置換シリル基を示す。]
で表される化合物。 - 前記式(5)におけるR12がいずれも水素原子、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基からなる群から選ばれる同一の基であり、R11、R13及びR14がいずれも水素原子であることを特徴とする請求項12記載の化合物。
- 式(3b)
[式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を示し、Z1はそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示し、Z2は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基、又は、−Si(R2)3(R2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。)で表される置換シリル基を示す。]
で表される化合物。 - 前記式(3b)におけるR12がいずれも水素原子、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基からなる群より選ばれる同一の基であり、R11、R13及びR14がいずれも水素原子であることを特徴とする請求項14記載の化合物。
- 式(4)
[式中、X5はそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、Z2は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基、又は、−Si(R2)3(R2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。)で表される置換シリル基を示す。]
で表される化合物にアルキルリチウムを反応させる第I’工程と、
前記第I’工程の反応生成物をアルキルスルフィド化又はアルキルセレニド化する第II’工程と、
を有することを特徴とする式(3b)
[式中、Z2、R11、R12、R13及びR14は前記と同義である。R1はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を示し、Z1はそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示す。]
で表される化合物の製造方法。 - 前記第II’工程において、前記第I’工程の反応生成物に、硫黄又はセレンを反応させた後、式(11)
R1−X6 (11)
[式中、R1は前記と同義であり、X6はハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化アルキルを反応させることにより、前記第I’工程の反応生成物をアルキルスルフィド化又はアルキルセレニド化することを特徴とする請求項16記載の製造方法。
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