JP5708161B2 - 含カルコゲン縮合多環式化合物の製造方法 - Google Patents

含カルコゲン縮合多環式化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、含カルコゲン縮合多環式化合物の製造方法に関する。
有機薄膜トランジスタ等の有機エレクトロニクス分野において有用な有機半導体材料として、含カルコゲン縮合多環式化合物が提案されている(特許文献1)。含カルコゲン縮合多環式化合物の製造方法としては、ジスルフィド結合を含む縮合多環式化合物を遷移金属触媒の存在下、約200℃で加熱する方法が特許文献1に記載されている。
国際公開第2005/087780号
工業的な観点から、従来よりも温和な反応温度で含カルコゲン縮合多環式化合物を製造する方法が求められている。
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
本発明は、[1]〜[6]を提供する。
[1] 下記式(1a)
Figure 0005708161
で表される芳香族複素環化合物(1a)とN−ハロカルボン酸アミドとを水又はアルコール存在下で反応させて、
下記式(2a)
Figure 0005708161
で表される芳香族複素環化合物(2a)を得る工程、
芳香族複素環化合物(2a)と下記式(3)
Figure 0005708161
で表される芳香族化合物(3)とを反応させて、下記式(4)
Figure 0005708161
で示される化合物(4)を得る工程および
化合物(4)と酸とを反応させて、下記式(5)
Figure 0005708161
で示される含カルコゲン縮合多環式化合物(5)を得る工程を含む、含カルコゲン縮合多環式化合物の製造方法。
(各式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、Zはそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示し、Zは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基、又は、−Si(R(Rはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。)で表される置換シリル基を示す。Xはハロゲン原子を示し、Xは脱離基を示す。)
[2] 下記式(1b)
Figure 0005708161
で表される芳香族複素環化合物(1b)とN−ハロカルボン酸アミドとを水又はアルコール存在下で反応させることを特徴とする、下記式(2b)
Figure 0005708161
で表される芳香族複素環化合物(2b)の製造方法。
(各式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を示し、Zはそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示し、Zは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、Xはそれぞれ独立に、ハロゲン原子を示し、mは1〜3の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。但し、m+nは2〜4の整数であるものとする。)
[3] mは2であり、nは2である[2]記載の製造方法。
[4] 一般式(1b)で表される芳香族複素環化合物が下記式(1a)で表される芳香族複素環化合物(1a)であり、一般式(2b)で表される化合物(2b)が下記式(2a)で表される芳香族複素環化合物(2a)であることを特徴とする[2]記載の製造方法。
Figure 0005708161

Figure 0005708161

(各式中、R、Z、Z、及びXは前記と同じ意味を表す。)
[5] ZおよびZがいずれも硫黄原子である[2]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] N−ハロカルボン酸アミドがN−ハロスクシンイミドである[2]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、含カルコゲン縮合多環式化合物を、従来よりも温和な反応温度で製造可能である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
一般式(2a)(以下、化合物(2a)と記すことがある。)で表される芳香族複素環化合物は、一般式(1a)で表される芳香族複素環化合物(以下、化合物(1a)と記すことがある。)とN−ハロカルボン酸アミドとを水又はアルコール存在下で反応させることにより得ることができる。
まず、化合物(1a)について説明する。化合物(1a)におけるRは、炭素数1〜20のアルキル基を示す。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−ヘキシルオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基が挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、及びn−デシル基、が挙げられる。Rは更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、及びn−ヘキシル基から、更により好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、及びn−ブチル基から選ばれる。
化合物(1a)におけるZはそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示す。Zは好ましくは硫黄原子である。Zは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。Zは好ましくは、酸素原子又は硫黄原子であり、さらに好ましくは硫黄原子である。
化合物(1a)をN−ハロカルボン酸アミドと反応させ式(2a)で表される芳香族複素環化合物(2a)を製造する方法において使用されるN−ハロカルボン酸アミドとしては、例えば、N−クロロアセトアミド、N−ブロモアセトアミド、N−ヨードアセトアミドなどのN−ハロアセトアミド類、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミドなどのN−ハロスクシンイミド類、N−クロロフタルイミド、N−ブロモフタルイミド、N−ヨードフタルイミドなどのN−ハロフタルイミド類、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントインなどの1,3−ジハロヒダントイン類が挙げられる。好ましくは、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、N−クロロフタルイミド、N−ブロモフタルイミド、N−ヨードフタルイミドが挙げられ、さらに好ましくは、N−ブロモスクシンイミドが挙げられる。
N−ハロカルボン酸アミドの使用量としては、例えば、化合物(1a)1モルに対し、0.5モルから15モル、好ましくは、0.7モルから10モル、さらに好ましくは1モルから8モルである。N−ハロカルボン酸アミドの使用量が少なすぎると反応が完結せず、使用量が多すぎると副反応が進行する。
N−ハロカルボン酸アミドは一度に仕込んでもよいし、反応の進行度合いに合わせて数回に分けて仕込んでも良い。
化合物(1a)とN−ハロカルボン酸アミドとの反応は、水又はアルコール存在下で行う。前記反応では、水又はアルコールを、反応開始前に反応溶媒に添加してもよいし、反応開始後に反応溶媒に添加してもよい。また、水又はアルコールを反応溶媒として用いてもよい。水又はアルコールを反応溶媒に添加する場合、反応溶媒に対し、通常1〜200重量倍、好ましくは2〜150重量倍、さらに好ましくは5〜100重量倍である。アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられる。
反応溶媒としては、水又はアルコールに加え、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン,シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル溶媒及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応溶媒の使用量は、化合物(1a)に対し、通常、1〜500重量倍、好ましくは2〜300重量倍、さらに好ましくは5〜200重量倍である。反応温度は、通常、−78℃〜溶媒の沸点、好ましくは、−40℃から溶媒の沸点、さらに好ましくは0℃〜溶媒の沸点である。反応時間は1分〜96時間の範囲を挙げることができる。反応終了後は一般的な後処理をし、必要に応じて、蒸留、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等の精製することで化合物(2a)を得ることができる。
本反応では、化合物(1a)とN−ハロカルボン酸アミドとを反応させた後に、塩基を添加しても良い。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム等が挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウムである。
塩基の添加量としては、例えば、化合物(1a)1モルに対し、1モルから100モル、好ましくは、2モルから80モル、さらに好ましくは5モルから50モルである。
続いて、一般式(2a)で示される芳香族複素環化合物と一般式(3)で示される芳香族化合物(以下、化合物(3)と記すことがある。)との縮合反応について説明する。
化合物(3)におけるR11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基、又は、−Si(R(Rはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。)で表される置換シリル基を示す。
「置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基」の「炭素数1〜30のアルキル基」は、直鎖、分枝鎖、環状のいずれでもよい。炭素数1〜30のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−ヘキシルオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基が挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、2−ヘキシルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基」が有する置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルコキシ基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基、n−ヘンイコシルオキシ基、n−ドコシルオキシ基、n−トリコシルオキシ基、n−テトラコシルオキシ基、n−ペンタコシルオキシ基、n−ヘキサコシルオキシ基、n−ヘプタコシルオキシ基、n−オクタコシルオキシ基、n−ノナコシルオキシ基、及びn−トリアコンチルオキシ基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基」が有する置換基としては、フッ素原子が好ましい。フッ素原子を有する炭素数1〜30のアルキル基としては、例えば、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロドデシル基、及びパーフルオロトリデシル基が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基」の「炭素数1〜30のアルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基、n−ヘンイコシルオキシ基、n−ドコシルオキシ基、n−トリコシルオキシ基、n−テトラコシルオキシ基、n−ペンタコシルオキシ基、n−ヘキサコシルオキシ基、n−ヘプタコシルオキシ基、n−オクタコシルオキシ基、n−ノナコシルオキシ基、及びn−トリアコンチルオキシ基を挙げることができる。好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、及びn−イコシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基」の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数4〜30のヘテロアリール基、及び炭素数5〜30のヘテロアラルキル基を挙げることができる。置換基に含まれる水素原子はフッ素原子に置き換わっていてもよい。
炭素数6〜30のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を挙げることができる。炭素数7〜30のアラルキル基としては、下記一般式で表される基が挙げられる。n1は1〜14の整数を示し、n2及びn3は1〜10の整数を示す。
Figure 0005708161
炭素数4〜30のヘテロアリール基とは、アリール基の芳香環に含まれる炭素原子の少なくとも1つが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、及びセレン原子等の複素原子に置き換えられた基を意味し、例えば、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、チエノ[3,2−b]チエニル基、フロロ[3,2−b]フリル基、チエノ[3,2−b]フリル基、ベンゾ[b]チエニル基、ベンゾ[b]フリル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、チエニル基、チアゾリル基、チエノ[3,2−b]チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ベンゾ[b]フリル基が好ましい。
炭素数5〜30のヘテロアラルキル基とは、アラルキル基の芳香環に含まれる炭素原子の少なくとも1つが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子等の複素原子に置き換えられた基を意味し、ヘテロアラルキル基としては、例えば、下記一般式で表される基を挙げることができる。n4は1〜26の整数を示し、n5は1〜24の整数を示し、n6は1〜22の整数を示す。
Figure 0005708161
さらに好ましくは、下記一般式を挙げることができる。n4は1〜26の整数を示し、n5は1〜24の整数を示し、n6は1〜22の整数を示す。
Figure 0005708161
「置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基」が有する置換基としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有する炭素数1〜30のアルコキシ基としては、例えば、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、パーフルオロデシルオキシ基、パーフルオロドデシルオキシ基、パーフルオロトリデシルオキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基」の「アリール基」としては、好ましくは単環又は二環であり、より好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基」の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子等のハロゲン原子、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数4〜20のヘテロアリール基、及び炭素数5〜20のヘテロアラルキル基を挙げることができる。置換基に含まれる水素原子はフッ素原子に置き換わっていてもよい。
「置換基を有していてもよいアリール基」としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、パーフルオロフェニル等を挙げることができる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、及びn−トリアコンチル基が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基」の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数4〜20のヘテロアリール基、炭素数5〜20のヘテロアラルキル基等を挙げることができる。
置換基のアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基に含まれる水素原子はフッ素原子に置き換わっていてもよい。
「置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基」の置換基としては、フッ素原子が好ましい。
「置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基」としては、例えば、下記一般式;
Figure 0005708161
(n1は1〜24の整数を示し、n2及びn3は1〜20の整数を示す。)で表される炭素数7〜30のアラルキル基、又は下記一般式;
Figure 0005708161
(n4及びn5は1〜24の整数を示し、n6は1〜23の整数を示す。)で表される炭素数7〜30の置換基を有するアラルキル基が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基」としては、例えば、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、チエノ[3,2−b]チエニル基、フロロ[3,2−b]フリル基、チエノ[3,2−b]フリル基、ベンゾ[b]チエニル基、ベンゾ[b]フリル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、チエニル基、チアゾリル基、チエノ[3,2−b]チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ベンゾ[b]フリル基、より好ましくは、下記化学式
Figure 0005708161
で表わされる基が挙げられる。
「置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基」の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数4〜30のヘテロアリール基、炭素数5〜30のヘテロアラルキル基等を挙げることができる。置換基に含まれる水素原子はフッ素原子に置き換わっていてもよい。
「置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基」としては、2−チエニル基、2−チエノ[3,2−b]チエニル基、2−ベンゾ[b]チエニル基、5−フルオロ−2−チエニル基、5−ヘキシル−2−チエニル、4−ヘキシルオキシ−2−チエニル基等を挙げることができる。
「置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基」の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数4〜30のヘテロアリール基、炭素数5〜20のヘテロアラルキル基等を挙げることができる。置換基に含まれる水素原子はフッ素原子に置き換わっていてもよい。
「置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基」の置換基としては、フッ素原子が好ましい。「置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基」としては、例えば、下記一般式で表される基を挙げることができる。n4は1〜26の整数を示し、n5は1〜24の整数を示し、n6は1〜22の整数を示す。
Figure 0005708161
「フッ素原子を有していてもよい炭素数3〜30のトリアルキルシリル基」におけるトリアルキルシリル基とは、ケイ素原子に結合している3つのアルキル基の炭素数の合計が3〜30であるシリル基である。ケイ素原子に結合しているアルキル基1個の炭素数の最大は28であり、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基である。そして、フッ素原子で置換されているトリアルキルシリル基としては、ケイ素原子に結合しているアルキル基にある水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置き換わった基であることを意味する。当該トリアルキルシリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ(i−プロピル)シリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基、及びジメチルドデシルシリル基が挙げられる。
化合物(3)におけるXは脱離基を示す。Xは化合物(3)と化合物(2a)との縮合反応が進行し得るような脱離基であればよい。例えば、下記一般式(6)で表される基が好適である。
Figure 0005708161
式(6)中、R10はそれぞれ独立に水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリールオキシ基を示し、R10は同一でも異なっていてもよく、2つのR10が結合してホウ素原子とともに環構造を形成していてもよい。
炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、及び1,2−ジメチルプロピル基等の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、及びn−ヘキサノキシ基が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、及び2−ナフトキシ基が挙げられる。
2つのR10が結合してホウ素原子とともに環構造を形成する場合、好ましい例としては、1,3,2−ジオキサボロラン環、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン環、5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン環、1,3,2−ベンゾジオキサボロール環、及び9−ボラビシクロ3,3,1−ノナン環が挙げられる。
脱離基の具体例としては、式(6)の基以外にも、下記一般式(7)、(8)及び(9)でそれぞれ表されるような脱離基が挙げられる。
Figure 0005708161
式(7)におけるR20としては、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、及びn−デシル基が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、及びn−ヘキシル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びn−ブチル基である。式(7)中のR20はそれぞれ異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
式(8)におけるXは、ハロゲン原子を示し、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。好ましくは臭素原子、ヨウ素原子である。
式(9)におけるXは、ハロゲン原子を示し、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。好ましくは臭素原子、ヨウ素原子である。
化合物(3)において、脱離基として式(6)の基を持つ化合物の製造法としては、例えば、第4版実験化学講座24有機合成VI(日本化学会編)80ページに記載の方法で製造することができる。
化合物(3)において、脱離基として式(7)の基を持つ化合物の製造法としては、例えば、第4版実験化学講座24有機合成VI(日本化学会編)189ページに記載の方法で製造することができる。
化合物(3)において、脱離基として式(8)の基を持つ化合物の製造法としては、例えば、第4版実験化学講座24有機合成VI(日本化学会編)43ページに記載の方法で製造することができる。
化合物(3)において、脱離基として式(9)の基を持つ化合物の製造法としては、例えば、第4版実験化学講座25有機合成VII(日本化学会編)401ページに記載の方法で製造することができる。
化合物(3)としては、例えば、表1に例示される化合物(3−1)〜(3−280)を挙げることができる。

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波線は結合手を意味する。
好ましくは、(3−1)、(3−2)、(3−3)、(3−6)、(3−8)、(3−11)、(3−13)、(3−15)、(3−16)、(3−17)、(3−20)、(3−21)、(3−24)、(3−26)、(3−29)、(3−32)、(3−42)、(3−43)、(3−44)、(3−45)、(3−46)、(3−47)、(3−48)、(3−49)、(3−50)、(3−51)、(3−52)、(3−54)、(3−56)、(3−57)、(3−59)、(3−60)、(3−61)、(3−62)、(3−63)、(3−64)、(3−65)、(3−66)、(3−67)、(3−68)、(3−69)、(3−70)、(3−71)、(3−72)、(3−73)、(3−74)、(3−75)、(3−76)、(3−77)、(3−78)、(3−79)、(3−80)、(3−81)、(3−83)、(3−84)、(3−85)、(3−86)、(3−87)、(3−88)、(3−92)、(3−95)、(3−96)、(3−97)、(3−98)、(3−99)、(3−100)、(3−101)、(3−103)、(3−104)、(3−105)、(3−107)、(3−109)、(3−110)、(3−112)、(3−114)、(3−124)、(3−128)、(3−129)、(3−134)、(3−135)、(3−137)、(3−138)、(3−139)、(3−143)、(3−147)、(3−149)、(3−151)、(3−156)、(3−159)、(3−164)、(3−169)、(3−177)、(3−196)、(3−197)、(3−198)、(3−201)、(3−203)、(3−205)、(3−207)、(3−208)、(3−210)、(3−219)、(3−225)、(3−228)、(3−234)、(3−235)、(3−237)、(3−239)、(3−246)、(3−249)、(3−251)、(3−253)、(3−259)、(3−269)、(3−270)、(3−271)、(3−272)、(3−274)、(3−276)、(3−278)、(3−280)が挙げられる。
さらに好ましくは、(3−1)、(3−2)、(3−3)、(3−6)、(3−42)、(3−43)、(3−44)、(3−45)、(3−46)、(3−47)、(3−48)、(3−49)、(3−50)、(3−51)、(3−52)、(3−54)、(3−56)、(3−57)、(3−59)、(3−64)、(3−73)、(3−78)、(3−80)、(3−92)、(3−95)、(3−101)、(3−103)、(3−104)、(3−105)、(3−107)、(3−109)、(3−110)、(3−112)、(3−114)、(3−124)、(3−128)、(3−129)、(3−156)、(3−196)、(3−197)、(3−269)、(3−272)、(3−274)、(3−276)が挙げられる。
化合物(3)のXが、式(6)で表される基の場合、本縮合反応は、例えば、遷移金属触媒及び塩基の存在下、例えば、0℃〜150℃程度の温度範囲内で、溶液中で容易に反応を進行させることができる。
本縮合反応で用いられる遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム触媒又はニッケル触媒が挙げられる。パラジウム触媒としては、市販されているものを用いてもよいし、予めパラジウム化合物とホスフィン化合物を接触させて調製したものを用いてもよいし、パラジウム化合物とホスフィン化合物を、本縮合反応の反応系中で調製してもよい。
パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス[トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、及びジクロロビス(1,1’−ジフェニルホスフィノフェロセニル)パラジウム(II)等が挙げられる。
パラジウム化合物としては、トリス(ジベンシリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)・クロロホルム付加体、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン)ジクロロパラジウム(II)、(2,2’−ビピリジル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)クロロニトロパラジウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、臭化パラジウム(II)、パラジウム(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、ヨウ化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、及びトリフルオロ酢酸パラジウム(II)等が挙げられ、好ましくは、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。かかるパラジウム化合物は、通常市販されているものが用いられる。
ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリ(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリ(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,3−ジフェニルホスフィノプロパン、1,4−ジフェニルホスフィノブタン、1,2−ジシクロヘキシルホスフィノエタン、1,3−ジシクロヘキシルホスフィノプロパン、1,4−ジシクロヘキシルホスフィノブタン、1,2−ジメチルホスフィノエタン、1,3−ジメチルホスフィノプロパン、1,4−ジメチルホスフィノブタン、1,2−ジエチルホスフィノエタン、1,3−ジエチルホスフィノプロパン、1,4−ジエチルホスフィノブタン、1,2−ジイソプロピルホスフィノエタン、1,3−ジイソプロピルホスフィノプロパン、1,4−ジイソプロピルホスフィノブタン、トリ−2−フリルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−6’−ジメトキシ、1,1’−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−メチル−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル1,1’−ビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、及び1,1’−ビス(ジ−イソプロピルホスフィノ)フェロセン等が挙げられる。かかるホスフィン化合物としては、市販されているものを用いてもよいし公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。ホスフィン化合物の使用量はパラジウム化合物1モルに対して、例えば、0.5モル〜10モルであり、好ましくは1モル〜5モルである。
本縮合反応で用いられるニッケル触媒としては、例えば、ジクロロビス(1,1’−ジフェニルホスフィノフェロセニル)ニッケル(II)、ジクロロビス(ジフェニルホスフィノ)ニッケル(II)、ジクロロニッケル(II)、ジヨードニッケル(II)が挙げあれる。
遷移金属触媒の使用量は化合物(3)1モルに対して、金属換算で、例えば、0.0005モル〜0.5モルである。
本縮合反応は、反応溶媒存在下で行うことが好ましい。反応溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、及びエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;ジメチルスルホキシド;N−メチルピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;水が挙げられる。反応溶媒は単独で用いてもよいし2種以上を混合して用いてもよい。溶媒は脱気して用いることが好ましい。また、反応で用いる化合物の一部又は全てを反応溶媒に溶解又は懸濁させてから、窒素バブリング等の方法で脱気してもよい。反応溶媒の使用量は、化合物(2a)に対して、例えば、0.5質量倍〜200質量倍であり、好ましくは2質量倍〜100質量倍である。
本縮合反応は、塩基存在下で行うことが好ましい。塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化タリウム、水酸化バリウム、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸タリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、及びリン酸カリウムが用いられる。塩基の使用量は、化合物(3)1モルに対して、少なくとも0.5モル、好ましくは、少なくとも1モルである。
本縮合反応は、相間移動触媒の存在下に行ってもよい。相間移動触媒としては、例えば、テトラアルキルハロゲン化アンモニウム、テトラアルキル硫酸水素アンモニウム、又は、テトラアルキル水酸化アンモニウム等の第4級アンモニウム塩を挙げることができ、好ましくは、テトラ−n−ブチルハロゲン化アンモニウム、ベンジルトリエチルハロゲン化アンモニウムが挙げられる。反応の雰囲気は大気下でも可能であるが、用いる触媒が劣化する恐れがあるため、窒素又はアルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
本縮合反応の反応温度は、例えば、0℃〜150℃の範囲を挙げることができる。本縮合反応の反応時間は、例えば、1分〜96時間の範囲を挙げることができる。本縮合反応終了後、例えば、得られた反応混合物と塩化アンモニウム水溶液とを混合し、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理をし、得られた有機層を濃縮し、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶、リサイクルゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の精製手段を行うことで、化合物(4)を得ることができる。
化合物(4)としては、例えば、表2に例示される化合物(4−1)〜(4−452)を挙げることができる。
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波線は結合手を意味する。
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化合物(4)として、好ましくは、(4−1),(4−2),(4−3),(4−5),(4−6),(4−8),(4−10),(4−16),(4−17),(4−18),(4−24),(4−28),(4−31),(4−35),(4−37),(4−41),(4−42),(4−49),(4−51),(4−52),(4−56),(4−57),(4−58),(4−68),(4−73),(4−81),(4−82),(4−83),(4−84),(4−85),(4−86),(4−87),(4−88),(4−89),(4−90),(4−91),(4−93),(4−94),(4−95),(4−96),(4−98),(4−101),(4−103),(4−107),(4−108),(4−110),(4−112),(4−113),(4−114),(4−122),(4−127),(4−137),(4−140),(4−142),(4−148),(4−150),(4−159),(4−160),(4−161),(4−166),(4−167),(4−177),(4−178),(4−181),(4−184),(4−186),(4−202),(4−203),(4−207),(4−212),(4−213),(4−223),(4−225),(4−228),(4−230),(4−239),(4−243),(4−246),(4−248),(4−257),(4−260),(4−269),(4−271),(4−279),(4−291),(4−298),(4−299),(4−300),(4−302),(4−308),(4−314),(4−320),(4−321),(4−325),(4−327),(4−331),(4−332),(4−334),(4−341),(4−344),(4−350),(4−362),(4−375),(4−376),(4−380),(4−381),(4−390),(4−393),(4−394),(4−398),(4−399),(4−404),(4−410),(4−416),(4−434),(4−435),(4−436),(4−437),(4−439),(4−441),(4−442),(4−443),(4−445)が挙げられる。

さらに好ましくは、(4−1),(4−2),(4−5),(4−6),(4−17),(4−18),(4−35),(4−37),(4−81),(4−82),(4−83),(4−84),(4−85),(4−86),(4−87),(4−89),(4−90),(4−93),(4−96),(4−98),(4−103),(4−112),(4−140),(4−142),(4−148),(4−150),(4−159),(4−167),(4−177),(4−178),(4−181),(4−184),(4−202),(4−203),(4−207),(4−223),(4−225),(4−230),(4−239),(4−298),(4−299),(4−300),(4−302),(4−308),(4−325),(4−327),(4−331),(4−332),(4−375),(4−376),(4−380),(4−381),(4−399),(4−437),(4−439),(4−441)が挙げられる。
一般式(5)で示される含カルコゲン縮合多環式化合物(以下、化合物(5)と記すことがある。)は、化合物(4)に酸を反応させることで得ることができる。酸としては、具体的に、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、燐酸、燐酸と五酸化二燐の混合物、及び塩酸等が挙げられる。好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、及び塩酸である。用いる酸は必要に応じて、水などで希釈して使用してもよい。
酸に化合物(4)をそのまま又はクロロホルム等の溶媒に希釈して仕込み、−20℃〜100℃程度で1分〜48時間程度攪拌して行う。この際、また、Pなど脱水剤の存在下で反応を行ってもよい。反応終了後、例えば、反応混合物を水と混合し、析出した固体をろ別しても良いし、水と混合した後、必要に応じて溶媒を加え、有機層を分液し、濃縮しても良い。必要に応じてカラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶、リサイクルゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の通常の精製手段を行うことで、化合物(5)を得ることができる。
また、化合物(4)に酸を反応させた後、生成するオニウムカチオン中間体を塩基処理することでも化合物(5)を得ることができる。この場合は、化合物(4)と酸の反応後、水と混合し、析出した固体をろ別、又は、水と混合した後、溶媒を加え有機層を分液して得たオニウムカチオン中間体に、必要に応じて溶媒の存在下、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基などの塩基を加え、50℃から溶媒の沸点までの温度で、例えば、1分〜48時間攪拌する。その後、一般的な後処理を行い、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶、リサイクルゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の通常の精製手段を行うことで、化合物(5)を得ることができる。
化合物(5)としては、例えば、表3に例示される化合物(5−1)〜(5−452)を挙げることができる。

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波線は結合手を意味する。
Figure 0005708161
化合物(5)として、好ましくは、(5−1),(5−2),(5−3),(5−5),(5−6),(5−8),(5−10),(5−35),(5−37),(5−41),(5−42),(5−49),(5−51),(5−52),(5−56),(5−57),(5−58),(5−68),(5−73),(5−81),(5−82),(5−83),(5−84),(5−85),(5−86),(5−87),(5−88),(5−89),(5−90),(5−91),(5−93),(5−94),(5−95),(5−96),(5−98),(5−101),(5−103),(5−107),(5−108),(5−110),(5−112),(5−113),(5−114),(5−177),(5−178),(5−181),(5−184),(5−186),(5−202),(5−203),(5−207),(5−212),(5−213),(5−223),(5−225),(5−228),(5−230),(5−239),(5−243),(5−246),(5−248),(5−257),(5−260),(5−269),(5−271),(5−279),(5−291),(5−298),(5−299),(5−300),(5−302),(5−325),(5−327),(5−331),(5−332),(5−334),(5−341),(5−344),(5−350),(5−362),(5−375),(5−376),(5−380),(5−381),(5−398),(5−399),(5−404),(5−410),(5−416)が挙げられる。
さらに好ましくは、(5−1),(5−2),(5−5),(5−6),(5−35),(5−37),(5−81),(5−82),(5−83),(5−84),(5−85),(5−86),(5−87),(5−89),(5−90),(5−93),(5−96),(5−98),(5−103),(5−112),(5−177),(5−178),(5−181),(5−184),(5−202),(5−203),(5−207),(5−223),(5−225),(5−230),(5−239),(5−298),(5−299),(5−300),(5−302),(5−325),(5−327),(5−331),(5−332),(5−375),(5−376),(5−380),(5−381),(5−399)が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、一般式(1b)で表される芳香族複素環化合物(以下、化合物(1b)と記すことがある。)とN−ハロカルボン酸アミドとを水又はアルコール存在下で反応させることにより、一般式(2b)(以下、化合物(2b)と記すことがある。)で表される芳香族複素環化合物を得ることができる。
まず、化合物(1b)について説明する。化合物(1b)におけるRは、前記と同じ意味を表す。
化合物(1b)におけるZは、前記と同じ意味を表す。Zは好ましくは硫黄原子である。化合物(1b)におけるZは、前記と同じ意味を表す。Zは好ましくは、酸素原子又は硫黄原子であり、さらに好ましくは硫黄原子である。
化合物(1b)としては、例えば、表4に例示される化合物(1−1)〜(1−42)を挙げることができる。本例示においては便宜上、化合物(1b)は、下記式を用いて表す。
Figure 0005708161
Figure 0005708161
Figure 0005708161
好ましい化合物(1b)としては、(1−1),(1−3),(1−6),(1−9),(1−12),(1−13),(1−14),(1−15),(1−16),(1−17),(1−18),(1−19),(1−24),(1−25),(1−26),(1−27),(1−28),(1−29),(1−32),(1−35),(1−36),(1−38),(1−40)が挙げられる。
化合物(1b)は、さらに好ましくは、(1−12),(1−13),(1−14),(1−15),(1−16),(1−17),(1−18),(1−19),(1−24),(1−25),(1−26),(1−27),(1−29)から選ばれる。
化合物(1b)をN−ハロカルボン酸アミドと反応させ式(2b)で表される芳香族複素環化合物を製造する方法において使用される試薬、使用量、反応温度、反応時間等は、前記に準じて行うことができる。
mは1〜3の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。但しm+nは2〜4の整数である。好ましくは、mは2であり、nは2である。
化合物(2b)としては、例えば、表5に例示される化合物(2−1)〜(2−62)を挙げることができる。本例示においては、便宜上、化合物(2b)は、下記式を用いて表す。

Figure 0005708161
Figure 0005708161
Figure 0005708161
好ましい化合物(2b)としては、(2−1),(2−3),(2−4),(2−9),(2−10),(2−13),(2−17),(2−21),(2−22),(2−23),(2−24),(2−25),(2−27),(2−28),(2−29),(2−37),(2−39),(2−40),(2−42),(2−43),(2−44),(2−46),(2−47),(2−49),(2−52),(2−58)が挙げられる。
化合物(2b)は、さらに好ましくは、(2−17),(2−22),(2−23),(2−24),(2−25),(2−29),(2−37),(2−39),(2−40),(2−42),(2−43),(2−46),(2−49)から選ばれる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
<2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの合成1>

Figure 0005708161

室温下、3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(2.50g、14.2mmol)のジオキサン(267mL)溶液にN−ブロモスクシンイミド(3.85g、21.6mmol)を加え、6時間撹拌した。その後、さらにN−ブロモスクシンイミド(0.96g、5.39mmol)を追加し、2時間攪拌した。この反応マスに水(115mL)およびN−ブロモスクシンイミド(3.85g、21.6mmol)を追加し、同温度にて2時間攪拌した。その後、さらにN−ブロモスクシンイミド(3.85g、21.6mmol)をさらに追加し、4時間30分攪拌した。反応終了後、この反応混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液(150mL)に加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム−酢酸エチル)にて精製することで、2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンを0.73g得た。(収率14%)
H−NMR(CDCl、δppm):3.21(s,2.4H)、3.09(s,3.6H)
<2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの合成2>
Figure 0005708161

室温下、3,4−ジメチルスルファニルチオフェン(83mg、0.47mmol)のジオキサン(11.6mL)および水(5.0mL)溶液にN−ブロモスクシンイミド(336mg、1.89mmol)を加え、4時間40分撹拌した。その後、さらにN−ブロモスクシンイミド(168mg、0.95mmol)を追加し、2時間攪拌した。この反応マスの一部を引き抜き、飽和炭酸ナトリウム水溶液により処理、有機層をGC分析したところ、2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの生成を確認した。
<2,5−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンの合成>
Figure 0005708161


2,5−ジブロモ−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェン(0.08g、0.2mmol)をTHF9mLに溶解し、得られる溶解液に4−n−ヘキシル−1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(0.17g、0.6mmol)、及び炭酸セシウム水溶液(2.0M、2.9mL)を加える。得られる混合液を室温にて窒素でバブリングし、PdCl(dppf)(0.09g、0.01mmol)を加え、さらに、80℃まで昇温して16時間撹拌する。得られる反応液を室温まで冷却後、塩化アンモニウム水溶液を加え、有機層及び水層に分離する。水層はTHFで抽出し、有機層と混合する。混合される有機層を水を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し粗生成物を得る。得られる粗生成物を、薄層クロマトグラフィーを用いて分取することによって、以下のスペクトルを有する2,5−ビス(4’−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェンを得る。
H−NMR(CDCl、δppm):7.45(d,J=8.1Hz,2.5H)、7.36(d,J=8.1Hz,1.5H)、7.28−7.24(m,4H)、3.28(s、2.3H)、3.09(s、3.7H)、2.70−2.63(m,4H)、1.70−1.53(m,4H)、1.42−1.28(m,12H)、0.92−0.87(m,6H)
ビス(5−ヘキシルベンゾ[4,5]チエノ)[3,2−c:2’,3’−e]チオフェンの合成

Figure 0005708161

2,5−ビス(4’−n−ヘキシルフェニル)−3,4−ジメチルスルフィニルチオフェン(0.30g、0.6mmol)、及びP(0.03g、0.2mmol)をトリフルオロメタンスルホン酸10.3mLに溶解させ反応液を得る。該溶解液を50℃まで昇温し、同温度にて3時間撹拌し、続いて室温まで冷却し、反応液を得る。反応液を水103mLに加え、析出した固体をろ別する。析出する固体を水で洗浄後、得られる固体をピリジン90mLに溶解し、得られる溶解液を還流するまで加熱しながら10時間撹拌する。溶解液を室温まで冷却し、溶解液に水及びクロロホルムを加える。得られる有機層及び水層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してから、濃縮し、粗生成物を得る。得られた粗生成物をシリカゲルカラム及びゲルパーミネーションクロマトグラフィーを用いて精製することによって、以下のスペクトルを有するビス(5−ヘキシルベンゾ[4,5]チエノ)[3,2−c:2’,3’−e]チオフェンを得る。
H−NMR(CDCl、δppm):7.65(d,J=7.3Hz,2H)、7.57(d,J=1.0Hz,2H)、7.19(dd,J=7.3,1.0Hz,2H)、2.73(t,J=7.0Hz,4H)、1.73−1.63(m,4H)、1.40−1.29(m,12H)、0.90(t,J=6.8Hz,6H)
本発明の製造方法によれば、含カルコゲン縮合多環式化合物を、従来よりも温和な条件で製造可能である。

Claims (6)

  1. 下記式(1a)
    Figure 0005708161
    で表される芳香族複素環化合物(1a)とN−ハロカルボン酸アミドとを水又はアルコール存在下で反応させて、
    下記式(2a)
    Figure 0005708161
    で表される芳香族複素環化合物(2a)を得る工程、
    芳香族複素環化合物(2a)と下記式(3)
    Figure 0005708161
    で表される芳香族化合物(3)とを反応させて、下記式(4)
    Figure 0005708161
    で示される化合物(4)を得る工程および
    化合物(4)と酸とを反応させて、下記式(5)
    Figure 0005708161
    で示される含カルコゲン縮合多環式化合物(5)を得る工程を含む、含カルコゲン縮合多環式化合物の製造方法。
    (各式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、Zはそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示し、Zは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜30のヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜30のヘテロアリール基、又は、−Si(R(Rはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を示す。)で表される置換シリル基を示す。Xはハロゲン原子を示し、Xは脱離基を示す。)
  2. 下記式(1b)
    Figure 0005708161
    で表される芳香族複素環化合物(1b)とN−ハロカルボン酸アミドとを水又はアルコール存在下で反応させることを特徴とする、下記式(2b)
    Figure 0005708161
    で表される芳香族複素環化合物(2b)の製造方法。
    (各式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を示し、Zはそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を示し、Zは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、Xはそれぞれ独立に、ハロゲン原子を示し、mは1〜3の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。但し、m+nは2〜4の整数であるものとする。)
  3. mは2であり、nは2である請求項2記載の製造方法。
  4. 一般式(1b)で表される芳香族複素環化合物が下記式(1a)で表される芳香族複素環化合物(1a)であり、一般式(2b)で表される化合物(2b)が下記式(2a)で表される芳香族複素環化合物(2a)であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
    Figure 0005708161
    (各式中、R、Z、Z、及びXは前記と同じ意味を表す。)
  5. およびZがいずれも硫黄原子である請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. N−ハロカルボン酸アミドがN−ハロスクシンイミドである請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法。
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