JP2012096804A - キャリアテープ用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温、高湿な条件で保管された後等でも、走行不良を起こすことなく良好に使用でき、トップカバーテープ等との接着性にも優れるキャリアテープを得ることができるキャリアテープ用紙を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、多層抄き合わせ紙からなり、平均厚みが300μm以上の基紙を備え、この基紙の表裏面の少なくとも一方の面に表出するように、少なくとも表面サイズ剤及びワックスを主成分として含有する表面処理剤が設けられ、下記断面吸水度が600秒以上900秒以下であるキャリアテープ用紙である。(断面吸水度とは、キャリアテープ用紙を厚みが40mm以上50mm以下となる範囲で荷重10Kg/cmで重ね合わせ、断裁機にて抄紙流れ方向に切断し、切断面に対しJIS−P3001(1976)に記載の吸油度試験方法に準拠し、軽油に替えて純水を1滴滴下し、全部吸収し終わるまでの秒数である。)
【選択図】図1

Description

本発明は、電子回路等を製造する際に使用するチップ状の電子部品を収納するキャリアテープに用いられるキャリアテープ用紙に関する。
電子機器の自動生産を行うにあたっては、電子部品を表面実装機(マウンター)により基板に自動装着する技術が用いられている。表面実装機に対してチップ状の電子部品を供給するために、電子部品収納用のキャビティ部(収納部)と表面実装機内への送り用のマージナル部とを備えるキャリアテープが用いられている。このキャリアテープは、通常、幅6〜9mm、厚み0.4〜1.2mm程度のサイズを有しており、特に一般的には、幅8mm、厚み0.7〜1.0mmのものがよく用いられている。このキャリアテープは、紙製のものやプラスチック製のもの等があるが、コスト安であること、軽量であること、廃棄容易であること及び非帯電性であることなどから紙製が望ましいとされている。
キャリアテープの具体的な形態としては、キャビティ部とマージナル部とが共に貫通孔であり、表面実装部品を収納した状態で、表面がトップカバーテープでシールされ、裏面がボトムカバーテープでシールされるパンチキャリアテープや、キャビティ部がエンボス加工により形成された凹部であり、表面のみがトップカバーテープでシールされるエンボスキャリアテープなどが知られている。
いずれのタイプのキャリアテープにおいても、電子部品が収納され、シールされたキャリアテープはカセットリールに巻付けられて出荷される。このキャリアテープは、ユーザーにてトップカバーテープが剥がされ、チップ状電子部品を取り出すことができる。
キャリアテープにチップ状の電子部品を収納する場合、キャリアテープがキャリアテープメーカーから電子部品メーカーに輸送され、電子部品メーカーにて電子部品がキャリアテープに収納される。このキャリアテープ自体の輸送から電子部品の収納までの環境は必ずしも一定ではない。例えば、高温、高湿の環境下でキャリアテープが使用された場合、キャリアテープが環境中の水分を吸収し、例えばトップカバーテープとボトムカバーテープとの両テープをヒートシールする際の熱でキャリアテープ中の水分が水蒸気となり、その後結露水が発生する。その結露水がキャリアテープ表面より吸収され、キャリアテープ厚みが部分的に増加し、キャリアテープを巻き取る収納機の走行に支障をきたす場合がある。このような結露の発生による紙厚の増加は、特に、収納機の運転を一時的に停止し、運転を再開する時に発生し易い傾向があり、キャリアテープ用紙を高温、高湿の環境下で使用する場合の重要な懸念事項となっている。
このような中、例えば特開2005−22721号公報では、抄紙機流れ方向断面の吸水度を300g/m以下とすることで高温、高湿の環境下で使用する場合の走行性改善を図る技術が開示されている。また、特開2005−179797号公報では、所定の算出式による質量変化率CVを20質量%未満とすることで、紙厚の変化が少なく操業効率を悪化させることのないキャリアテープ原紙を提供する技術が開示されている。
しかしながら、例えば、特開2005−22721号公報に開示された断面吸水度による評価手段は、本来結露として局所的に吸収される吸水性の評価ではなく、単に断面からの吸水性を評価したにすぎない。また、特開2005−179797号公報に開示された質量変化率CVもキャリアテープ原子全体としての値である。つまり、いずれの提案によっても、キャリアテープ用紙の断面に局所的に吸水される結露水による走行性不良の改善効果は十分とは言えず、更に改善する余地がある。
一方、上述の特許文献等においては、吸水性を改善するためにサイズ剤を内添することが開示されている。しかしながら、このようなサイズ剤をはじめとする添加剤を単に基紙に内添すると基紙の表裏面に接着されるカバーテープやボトムテープとの接着性が低下するという不都合がある。従って、キャリアテープの操業性を考慮すると、吸水性の改善と共に、この接着性についてもあわせて改善する必要がある。
特開2005−22721号公報 特開2005−179797号公報
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、高温、高湿な条件で保管された後等でも、走行不良を起こすことなく良好に使用でき、トップカバーテープ等との接着性にも優れるキャリアテープを得ることができるキャリアテープ用紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
表層、少なくとも1層の中層及び裏層を有する多層抄き合わせ紙からなり、平均厚みが300μm以上の基紙を備え、
この基紙の表裏面の少なくとも一方の面に表出するように、少なくとも表面サイズ剤及びワックスを主成分として含有する表面処理剤が設けられ、
下記断面吸水度が600秒以上900秒以下であるキャリアテープ用紙である。
(断面吸水度とは、キャリアテープ用紙を厚みが40mm以上50mm以下となる範囲で荷重10Kg/cmで重ね合わせ、断裁機にて抄紙流れ方向に切断し、切断面に対しJIS−P3001(1976)に記載の吸油度試験方法に準拠し、軽油に替えて純水を1滴滴下し、全部吸収し終わるまでの秒数である。)
当該キャリアテープ用紙によれば、上記方法で測定される断面吸水度が上記範囲であることで、このキャリアテープ用紙から得られるキャリアテープにおいて、結露による水が断面から吸収されることにより生じる局所的な厚み変動を抑え、収納機における走行性などの操業性の低下を抑制することができる。また、当該キャリアテープ用紙には表面サイズ剤及びワックスを主成分として含有する表面処理剤が表裏面の少なくとも一方の面に表出するように設けられているため、カバーテープ等との優れた接着性を発揮することができる。
上記表面サイズ剤が、好適にはスチレン・メタクリル酸系樹脂であり、上記ワックスが、好適にはパラフィンワックスであると、トップカバーテープとの接着性をより高めることができ好ましい。
なお、本発明で使用し得る好適なワックスのエマルジョンとしては、パラフィンワックッスエマルジョンが挙げられ、たとえば市販のポリエチレンワックスエマルジョン、ミクロワックスエマルジョンを用いることができ、またこれらのワックスエマルジョンとパラフィンワックスエマルジョンとを混合して用いてもよい。
本発明においては、特にパラフィンワックスが比較的安定した走行安定性と滑り性を得ることができ、他の薬剤との混和性、相溶性も良く、本件発明者等の知見では、一般的に内添される内添サイズ剤との組み合わせ、多層抄き合わせにおける少なくとも表層又は裏層部分に表面サイズ剤とともに含浸していることにより、表面サイズ剤と共存し、表面サイズ剤が持つ高いサイズ性を維持したまま、摩擦係数の上昇を抑えて走行不良を改善することができるとともに、毛羽立ちや紙粉の発生を抑制できる。
更に本発明者等の知見では、表面サイズ剤として好適に使用できるスチレン・メタクリル酸系樹脂とワックスとして好適なパラフィンワックスとは親和性が高く、組み合わせることでお互い高い皮膜形成能を有し、カバーテープ若しくはボトムテープとの接着性を高めることができる。
上記中層が紙力増強剤及び内添サイズ剤を含有し、この紙力増強剤及び内添サイズ剤の中層における単位質量当たりの含有量が、表層及び裏層における単位質量当たりの含有量より多く、上記紙力増強剤がカチオン性ポリアクリルアミド樹脂であり、上記内添サイズ剤がロジンサイズ剤であるとよい。このような紙力増強剤及び内添サイズ剤を組み合わせて用いることで、高温、高湿な条件で保管された後等でも、走行不良を起こすことなくより良好に使用でき、トップカバーテープ等との接着性にもより優れるキャリアテープを得ることができる。また、内添サイズ剤として、ロジン系サイズ剤を組み合わせ用いることで、基紙の表裏面の少なくとも一方の面に設けられる表面サイズ剤及びパラフィンワックスエマルジョンとの相溶性が抑えられ、内添サイズ剤が表出することを抑制することができる。従って、当該キャリアテープ用紙によれば、内添サイズ剤によるカバーテープ等との接着性の低下を抑えられるためカバーテープ等との接着性をより高めることができる。
特に好適に内添サイズ剤として用いられるエマルジョン化された変性ロジンエマルジョンサイズ剤は、1層以上の構成から成る中層において、紙層中での偏在が少なく、均一なサイズ性を発揮でき、好適に組み合わせられるカチオン性のポリアクリルアミド樹脂から成る紙力増強剤との相乗効果にて、内添サイズ剤がカチオン性のポリアクリルアミド特有の高い凝集性により原料パルプに固着し、過熱による溶融により厚み方向における均一な吸水制御性と高温・高湿下の環境においても紙質の変化を抑制し、好適なキャリアテープ用紙の走行性を維持できる。
紙力増強剤としては、好適に用いられるカチオン性ポリアクリルアミド樹脂のほか、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉、変性澱粉、グァーガム、ポリビニールアルコール等、従来紙用途に用いられる乾燥紙力増強剤と組み合わせて用いることもでき、より好適にはカチオン性のポリアクリルアミドを内添後、内添サイズ剤の添加、更にアニオン性のポリアクリルアミドを内添することで更にサイズ効果と共に、紙力向上効果を得ることが出来る。
このような紙力増強剤を内添サイズ剤と併用して用いることで、内添サイズ剤と同様、基紙の表裏面の少なくとも一方の面に設けられる表面処理剤との相溶性が抑えられ、紙力増強剤が表出することを抑制することができる。特に、凝集性の高いカチオン性のポリアクリルアミドを内添することでその効果を高めることができる。従って、当該キャリアテープ用紙によればカバーテープ等との接着性をより高めることができる。
また、当該キャリアテープ用紙によれば、中層における紙力増強剤の固形分含有量を、固形物含有量で0.05質量%以上0.4質量%以下の範囲とすることで、水分を吸収した場合の変形度合いを低減し、操業性の低下をさらに抑えることができる。
なお、当該キャリアテープ用紙においては、中層における内添サイズ剤の含有量を固形物含有量で0.3質量%以上1.0質量%以下の範囲とすることで、断面吸水度を所望する範囲に容易に調整することができる。
上記基紙の表裏面の少なくとも一方の面に設けられる表面処理剤は、更にポリビニールアルコールを含有していることが好ましい。表面処理剤として組み合わせて用いられるポリビニールアルコールは、表面サイズ剤とワックスエマルジョンの過度の基紙内部への含浸を抑制すると共に、皮膜を形成しカバーテープやボトムテープとの接着性を維持しながら毛羽立ちのないキャリアテープ用紙を得ることができる。
上記内添サイズ剤と紙力増強剤との中層における含有比(質量比)は、100:15以上100:50以下であることが、程よい内添サイズ効果と紙力増強剤による紙力向上効果が相俟って好ましい。内添サイズ剤と紙力増強剤との含有比を上記範囲とすること、更には表裏面の少なくとも一方に設けられる表面処理剤との相乗効果により、断面からの吸水性及び吸水による変形性の抑制、高温、高湿な条件で補完されても寸法安定性を維持し、走行不良を抑え安定した操業性を共に高いレベルで得ることができる。
また、上記内添サイズ剤及び紙力増強剤の表層における含有量は、内添サイズ剤が0.02〜0.12質量%、紙力増強剤が0.05〜0.25質量%であることが好ましい。当該キャリアテープ用紙によれば、内添サイズ剤及び紙力増強剤の表層の含有量を抑えることで、表出するように設けられた表面処理剤と内添サイズ剤及び紙力増強剤が相溶することによるトップカバーテープ等との接着性の低下をより効果的に抑えることができる。
以上説明したように、本発明のキャリアテープ用紙によれば、高温、高湿な条件で保管された後等でも、走行不良を起こすことなく良好に使用でき、トップカバーテープ等との接着性にも優れるキャリアテープを得ることができる。
本発明の一実施形態に係るキャリアテープ用紙を示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態を適宜図面を参照しつつ詳説する。
図1のキャリアテープ用紙1は、表層2、中層3及び裏層4を備える基紙5の表裏面に、少なくとも表面サイズ剤とワックスとを主成分とする表面処理剤(塗工液)6が設けられたものである。このように少なくとも表面サイズ剤及びワックスを主成分とする表面処理剤6が少なくとも基紙の片面に設けられているため、この表面処理剤6は、基紙の表裏面に表出している。
(断面吸水度)
キャリアテープ用紙1の断面吸水度としては、600秒以上900秒以下であり、700秒以上850秒以下が好ましい。断面吸水度とは、上述のとおり、キャリアテープ用紙を厚みが40mm以上50mm以下となる範囲で荷重10Kg/cmで重ね合わせ、断裁機にて抄紙流れ方向に切断し、切断面に対しJIS−P3001(1976)に記載の吸油度試験方法に準拠し、軽油に替えて純水を用い、純水を1滴滴下し、全部吸収し終わるまでの秒数である。
本件発明者らが見出した知見によると、断面吸水度が600秒未満では、結露による水を断面で局所的に早く吸収するので、局所的に厚み変動が起こりやすく、操業性の低下を招く問題を発現する。一方、断面吸水度が900秒を超えると、結露による水の吸収の影響は受け難いものの、層間強度の低下や紙粉発生を招く問題を発現する場合があるとともに、抄紙機系内の汚れや製造コストアップの問題が生じる。
(基紙)
基紙5は、多層抄きによりこのような3層構造にすることができる。本発明において、基紙はこの3層構造に限らず、中層を複数有する4層、又はそれ以上の多層構造であってもよい。ここで、多層抄きとするのは、各層間でパルプ繊維同士に適度な絡みあいが生ずるため各層の適度な一体性が得られるからである。また、多層抄きでは、各層の原料の構成を自由に変更でき、例えば、古紙パルプを中層に配合しつつ、表層及び裏層にバージンパルプを使用することや、表層、中層及び裏層の各々で濾水度を調整することができ、各層の目付け量を調整することも容易にでき、本件発明の課題解決に適した基紙の構成を容易に得ることが可能であると共に、リサイクルに貢献する古紙パルプを使用しつつ品質の確保を容易に達成することができるといった利点がある。
また、坪量の高いキャリアテープ用紙においては、多層抄きとすることにより、高い生産性を得ることができるといった利点がある。すなわち、坪量の高いキャリアテープ用紙を単層で製造する場合には、抄紙機での脱水性、乾燥性が極めて悪く、生産スピードが低くなる場合があり、また、低坪量の単層紙を後に貼り合せる製造方法では、単層紙の製造とは別に貼り合せの工程が必要となり生産効率が低下する場合がある。これに対し、多層抄きとするとこれらを解決することができる。
基紙5の各抄紙層(表層2、中層3及び裏層4)に用いる原料パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ、あるいは、ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的に又は機械的に製造されたパルプ等の公知の種々のパルプから一種又は数種を適宜選択して使用することができる。ただし、表面実装部品への影響を考慮し填料を減少させる必要がある場合は、古紙パルプよりもバージンパルプを使用することが好ましい。
特にキャリアテープ用紙1の表層2及び/又は裏層4においては、電子部品を収納する凹部や貫通孔形成の役割、トップテープやカバーテープとの接着性等、各種品質特性等をバランスよく、効率的に達成するために、LBKP、NBKPが適する。特に、表層2及び/又は裏層4はLBKPを70質量%以上95質量%以下含有することが好ましい。LBKPの含有量が70質量%以上95質量%以下であると、キャリアテープ用紙として必要な表面強度や剛度を保ちながら、良好な地合いが得られるとともに、トップカバーテープやボトムカバーテープとの接着性がより良好となり、トップカバーテープ等を剥離する際に安定したピールオフ強度を得ることができる。
表層2及び裏層4の原料パルプのLBKPの含有量が70質量%未満であると、良好な地合いを得ることが難しくなり、トップカバーテープ等との接着性にばらつきが生じやすく、トップカバーテープ等を剥離する際にキャリアテープの走行が安定しないことがあり、生産効率が低下するおそれもある。他方、LBKPの含有量が95質量%を超えると、表面強度や剛度が低下し、トップカバーテープ等を剥離する際に毛羽立ちや紙粉が発生し、チップ状電子部品をキャリアテープに収納、取り出しする際の生産効率が低下する原因となる。
他方、特に中層3においては、機械パルプを含有させることが好ましい。また、機械パルプに加え、LBKP及びNBKPを混合して用いるのが好ましい。機械パルプを含有させることにより、中層3の地合を良好にし、地合ムラを起点とした折れ、しわの発生が防止される。さらに、機械パルプを含有させることで中層3の柔軟性が向上し、カセットリール等に捲き付ける場合に発生する湾曲した形状に適応できる特性となり、折れ、しわ防止効果をいっそう発揮する。
好適な機械パルプとしては、グランドウッドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、プレッシャライズドグランドウッドパルプ(PGW)などが挙げられる。これら機械パルプの中でも結束繊維や紙粉の発生が少ないサーモメカニカルパルプ(TMP)、プレッシャライズドグランドウッドパルプ(PGW)が特に好ましい。
中層3における機械パルプの含有量は5質量%以上が好ましく、10質量%以上とすることが中層3にクッション性を持たせ、表面の折れ、しわを防止する点でより好ましい。なお、機械パルプの含有量が多いと、強度が低くなり、断面からの紙粉発生や中層3での層間剥離の懸念があるため、30質量%以下、特には20質量%以下が好ましい。
ここで中層3に機械パルプを含有させるにあたって、古紙パルプをその原料とすることで機械パルプを含有させることが可能である。例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、又は離解・脱墨・漂白古紙パルプ等を中層の原料とすればよい。これらの古紙パルプの中でも、特に中層3の原料としては、表面強度や剛度、引張強度や層間強度などが高く、かつ機械パルプを含みクッション性に優れる茶古紙やクラフト封筒古紙から製造される古紙パルプが、紙中の灰分が10%未満でありキャリアテープ用紙に用いた場合に強度低下が少なく好適である。
一方、キャリアテープ用紙1においては、表層2及び裏層4のフリーネスを表層2及び裏層4に隣接する中層3のフリーネスと100cc以下の範囲内のフリーネス差異とすることが好ましく、より好ましくは90cc以内の差異に抑えることが高温、高湿な条件で保管された後等でもキャリアテープ用紙の変形やカールが少なく、走行不良を起こすことなく良好に使用でき、コアに捲き取る際の屈曲追随性に優れるキャリアテープを得ることができるためより好ましい。表層2及び裏層4のフリーネスを裏層4に隣接する中層3のフリーネスよりも100cc以下のフリーネス差異に調節することにより、カール調整がより容易となる。ただし、表層2及び裏層4のフリーネスが裏層4に隣接する中層3のフリーネスよりも100ccを超えて差が生じる場合には、表層2及び裏層4と裏表層2及び面層4に隣接する中層3との繊維の絡み合いが悪くなり、キャリアテープとしたときに直径約50mmのコアに捲き取る際、あるいは捲き戻される際に発生する湾曲形状の変化にともなう曲げ応力やしごきの力による層間剥離が生ずるおそれが高まるためフリーネスの差は100cc以下とするのが望ましい。なお、層間剥離が生じた場合にはトップカバーテープを剥離する際にキャリアテープの走行が安定しないし、さらにチップ状電子部品を所定位置にセットできないなどの不都合が発生する。
なお、本明細書において、フリーネスは、各層を手作業にて層間剥離させ、JIS−P8220に準拠して標準離解機にて各層の試料パルプを離解処理したのちに、JIS−P8121に準拠してカナダ標準濾水度試験機にて測定した濾水度の値である。
ここで、基紙に用いる原料パルプのフリーネスは300〜480ccとすることが好ましく、320〜450ccとすることがより好ましい。また、表層2及び裏層4に隣接する中層の原料パルプのフリーネスは330〜480ccとすることが好ましく、350〜450ccとすることが高温、高湿な条件で保管された後等でもキャリアテープ用紙の変形が少なく、走行不良を起こすことなく良好に使用でき、キャリアテープ用紙搬送時の蛇行や滑りが少ないキャリアテープを得ることができるためより好ましい。中層4におけるフリーネスが330cc未満であると、キャリアテープとしたときの折れ、しわのおそれが高まり、480ccを超えると用紙の表面強度や剛度が低下傾向となるため、紙粉が発生しやすくキャリアテープ用紙としての加工適性に劣る場合が生じるようになる。
基紙5の平均厚みは300μm以上であるが、キャリアテープとして好適に用いられるためには、400μm以上1,200μm以下が好ましく、700μm以上1,000μm以下がさらに好ましい。基紙5の平均厚みが上記下限未満の場合は、キャリアテープとしての十分な強度が発揮できない。一方、基紙5の平均厚みが上記上限を超えると、通常の収納機を用いての走行が困難になる場合があり、また、厚みが増すことによって収納効率が低下することとなる。
基紙5においては、各層を形成するための原料パルプ又はパルプスラリー中に、内添薬品を必要に応じて添加することができる。例えば、硫酸バンド等の薬品定着剤、ロジン等のサイズ剤、澱粉等の紙力増強剤、ポリアクリルアマイド等の濾水・歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂等の耐水化剤、消泡剤、塩基性染料、酸性染料、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料等の染料等を適宜用いることができる。内添される内添サイズ剤及び紙力増強剤については、後に詳述する。
(表面処理剤)
次に、キャリアテープ用紙1の表裏面に表出するように設けられる表面処理剤について詳述する。
本発明において基紙5の表裏面の少なくとも一方には、表面サイズ剤とワックスエマルジョンとを主成分とする表面処理剤6が設けられる。
上記表面サイズ剤としては、スチレン・メタクリル酸系樹脂、スチレン・マレイン酸系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂などの共重合体の表面サイズ剤を使用することができる。これらの中でも、スチレン・メタクリル酸系樹脂が、より好ましくはスチレン・メタクリル酸共重合物のアンモニウム塩が後述するワックスエマルジョン、特にはパラフィンワックスエマルジョンとの親和性に優れ好適である。上記サイズ剤は溶液タイプ、あるいはエマルジョンタイプのものであり、熱風乾燥やカレンダー処理を施した後には溶融し皮膜を形成するものである。スチレン・メタクリル酸系樹脂の重合平均分子量としては1,000〜500,000のものを使用することが好ましい。
テープとの接着性の観点からは、上記表面サイズ剤としては、上述した中でも、オレフィン系樹脂、又はスチレン・マレイン酸系樹脂の共重合体を使用することが好ましい。特にスチレン・メタクリル酸系樹脂の表面サイズ剤は、溶解性パラメーターが10近傍であり、スチレン・メタクリル酸系樹脂のサイズ剤を用いるとカバーテープやボトムテープとの接着性を維持しながら毛羽立ちのないキャリアテープ用紙を得ることができる。
上記表面サイズ剤の溶解性パラメータは、8以上12以下であることが好ましく、9以上11以下がより好ましく、9.5以上10.5以下がさらに好ましい。
本発明のキャリアテープ用紙から製造されるキャリアテープの表面に貼着されるカバーテープ及びキャリアテープ裏面に貼着されるボトムテープは、一般にポリエチレンを主成分として含むホットメルト性ポリオレフィン樹脂から形成され、これらの樹脂のSP値は一般に8〜12程度である。一方、2種の物質の接着性はそれぞれのSP値が近似している程高くなるから、キャリアテープのテープ接着面(表面及び裏面)に、SP値が8〜12、より好ましくは9〜11、さらに好ましくは9.5〜10.5である表面サイズ剤を表出させることで良好な接着性を得ることが可能になる。本発明に用いられる表面サイズ剤のSP値が8未満又は12を超えると、カバーテープ及び/又はボトムテープに対する接着性が不十分になるおそれがある。
溶解性パラメータが、8以上12以下の好適に用いられる表面サイズ剤として、SP値が8.5のロジン系化合物(商標;RFサイズ880L−50、ミサワセラミックス社製)、SP値が9.3のロジン系化合物(商標;サイズパインE−50、荒川化学工業社製)、SP値が9.7のポリエチレンイミン系樹脂(商標;ポリミンSN、ビーエーエスエフジャパン製)、SP値が10.5のポリスチレン−アクリル共重合物(商標;ポリマロン1308S、荒川化学工業社製)が例示される。
なお、本発明において、溶解性パラメータ(Solubility parameter:SP値)とは、2成分系正則溶液(Regular solution)の凝集エネルギー密度の平方根(単位(cal:cm−31/2)をいう。溶解パラメータ(SP値)は、「最新紙加工便覧」(昭和63年8月20日、テックタイムス発行)の第523〜524行に記載の方法等により算出することができる。
上記表面サイズ剤として好適に用いられるスチレン・メタクリル酸系樹脂は、スチレンとメタクリル酸又はメタクリル酸エステル等との共重合体であるが、スチレンとメタクリル酸との共重合体が好ましく、ランダム共重合体やブロック共重合体を用いるのが好ましい。また、カバーテープとの優れたピール強度を発現することができる点においてスチレン・メタクリル酸共重合体を用いることがより好ましい。
スチレン・メタクリル酸系樹脂の融点は、80℃以上120℃以下とするのが好ましく、85℃以上110℃以下とするのがさらに好ましい。融点を120℃以下とすることにより、ヒートシール時の熱エネルギーによる熱融着が十分となり、十分なヒートシール接着性能向上効果を得ることができる。一方、80℃以上とすることにより、過剰に熱融着して、カバーテープ剥離時にキャリアテープの表面が毛羽立ち、または紙層破壊が生じるおそれがなくなる。
表面処理剤として表面サイズ剤と共に用いられるワックスは、広範囲な産業分野でさまざまな用途に用いられており、その目的とする機能は耐水性、撥水性、柔軟化、滑り性、つや出し性、金属面に対する離型性などである。
上記ワックスとしては、パラフィンワックスが好適に用いられる。パラフィンワックスは、表面サイズ剤の機能を損なうことなく好適に用いられる。なお、これらのワックスは、通常エマルジョンとして表面処理剤と共に表面又は裏面に表出するように塗布等によって設けられる。
本件発明における表面処理剤(塗工液)は、表面及び/又は裏面に塗工することで、表裏面に表出するように設けられることができる。この表面処理剤としての塗工においては表面サイズ剤及びワックスのみを含有する表面処理剤の塗工又は含浸も可能ながら、水溶性高分子を併用することが好ましく、表面サイズ剤及びワックスと水溶性高分子との配合割合は、固形分質量比で、5〜30:10とするのが好ましく、10〜20:10とするのが更に好ましい。
水溶性高分子に対する表面サイズ剤及びワックスの配合割合を5:10以上とすることにより、十分なヒートシール接着性能向上効果を得ることができ、30:10以下とすることにより、キャリアテープの表面強度が向上し、塗工設備等への汚れ付着がなく製造時の操作性がより向上する。
上記水溶性高分子としては、澱粉、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド(PAM)等から、1種又は2種以上を使用することができる。なかでも、表面強度やトップカバーテープ等との接着性、耐熱性などの点からポリビニルアルコール(PVA)又は澱粉を用いることが好ましい。
水溶性高分子の質量平均分子量としては、用いる水溶性高分子の種類によって差があるが、5万以上とするのが好ましい。また、ポリビニルアルコール(PVA)を用いる場合、その重合度は1,000〜2,000が好ましく、ケン化度は97%以上が好ましく、98%以上がさらに好ましい。ケン化度が高いPVAは、冷水では膨潤するのみでほとんど溶解せず、高温水に溶解するため、塗工液の調整は煩雑となるが、断面吸水度を600秒以上900秒以下に調整することが容易になり、高温、高湿な条件で保管された後等でも、走行不良を起こすことなく良好に使用でき、トップカバーテープ等との接着性にも優れ、更に誘電率が絶縁体なみであり、電子部品の静電気対策に効果があり、皮膜強度が高く、吸湿性も低いため、カバーテープとのヒートシール接着性に優れ、紙粉発生の抑制に効果を発揮する。
表面処理剤6は、上述のように塗工液として塗工又は含浸することによって容易に設けられるが、この塗工液における表面処理剤の固形分濃度は、2質量%以上10質量%以下とするのがカバーテープとのピール強度及び表面の毛羽立ち防止効果のバランスの点で好ましく、4質量%以上7質量%とするのがさらに好ましい。
上記表面の表面処理剤塗工液の塗工又は含浸量は特に限定されないが、有効成分(表面サイズ剤、ワックス及び水溶性樹脂等)合計量でキャリアテープ用紙1の表面に0.05g/m以上4.0g/m以下とするのが好ましい。塗工又は含浸量を0.05g/m以上とすることにより、キャリアテープ表面からの毛羽立ち発生がより抑制され、4.0g/m以下とすることにより、キャリアテープ表面のカスによる欠陥の発生や中層まで表面処理剤が浸透することを抑えることができる。
キャリアテープ用紙1の裏面の表面処理剤の塗工又は含浸量としては、基紙表面の表面処理剤の塗工又は含浸量に対して、固形分比で100%以上200%以下とするのが好ましい。裏面への塗工又は含浸量をこの範囲とすることにより、基紙の表裏差を軽減し、後述するカール値への調整が容易となり、また、キャリアテープの折れ、しわの問題を改善することができ、トップカバーテープを安定的に剥離することができる。
(内添サイズ剤)
上記基紙5は、内添サイズ剤を含有していることが好ましい。
内添サイズとしては、従来から例えば、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、スチレンマレイン酸、アルケニル無水コハク酸等のサイズ剤を1種又は2種以上適宜選択して用いられているが、本件発明者らの知見では、キャリアテープ用紙抄造時に中層3に含有させた断面吸水性を調整する内添サイズ剤が、抄紙時の脱水・乾燥により表層2や裏層4側に移動し、基紙の表裏面に設けた表面サイズ剤、特にはスチレン・メタクリル酸系樹脂や、ワックス、特にはパラフィンワックスの効果を阻害する問題を招く場合が有る。そこで、内添サイズ剤を用いることで、表面処理剤との相溶性が抑えられ、内添サイズ剤が表出することを抑制することができる。従って、当該キャリアテープ用紙1によれば、断面における低吸水性を維持しながら、表面に貼着されるカバーテープ及び裏面に貼着されるボトムテープとの接着性を維持することができる。
このような内添サイズ剤は、公知のものから適宜選択して用いればよいが、本発明者らの知見では、表面処理剤に用いられる表面サイズ剤やワックス(エマルジョン)との組み合わせにおいて、ロジン(エマルジョン)系内添サイズ剤が表面処理剤との相溶性制御に効果的であり、好適に用いることができる。
この内添サイズ剤の中層3における固形分含有量としては、0.3質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以上0.6質量%以下がさらに好ましい。中層3における内添サイズ剤の固形分含有量を0.3質量%以上とすることで、当該キャリアテープ1は断面吸水性を効果的に低下させることができる。一方、内添サイズ剤の固形分含有量を1.0質量%以下とすることで、この内添サイズ剤が表面又は裏面に表出し、カバーテープ等との接着性を低下させることをより効果的に抑えることができる。
また、この内添サイズ剤は、基紙の表層2及び/又は裏層4の少なくとも一方の層に含有させることも可能であるが、表層2及び裏層4における含有量としては0.02〜0.12質量%以下であることが、表面処理剤の適度な含浸に好ましい。このように内添サイズ剤の表面近傍の含有量を抑えることで、表出するように設けられたスチレン・アクリル系樹脂にこの内添サイズ剤が相溶することによるトップカバーテープ等との接着性の低下をより効果的に抑えることができる。
なお、このように、基紙の表層2及び/又は裏層4の少なくとも一方の層及び中層3における内添サイズ剤の含有量又は含有率を調整する手段としては、例えば、各層における原料スラリー中に添加する内添サイズ剤の量を調整すること等が挙げられる。
(紙力増強剤)
上記基紙5は、紙力増強剤を含有していることが好ましい。基紙5が紙力増強剤を含有することで、局所的な水分の吸収によっても、基紙5の変形を一定程度抑えることができると共に、強度向上を図ることができる。
紙力増強剤としては、従来から紙用途に用いられる、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂(PAM)、酸化澱粉、カチオン化澱粉等が1種又は2種以上を適宜選択して用いられているが、本件発明者らの知見では、キャリアテープ用紙抄造時に中層3に含有させた紙力増強剤が、抄紙時の脱水・乾燥により表層2や裏層4側に移動し、基紙の表裏面に設けた表面サイス剤の効果を阻害する問題を招く場合が有る。そこで、紙力増強剤を基紙の中層3に含有させることが好ましく、この単位質量当たりの含有量を表層2及び裏層4の単位質量当たりの含有量より小さくすることがさらに好ましい。この紙力増強剤としては、ポリアクリルアミド系樹脂(PAM)が好ましく、更に好ましくはカチオン性ポリアクリルアミド樹脂を用いることで、表面サイス剤との相溶性が抑えられ、紙力増強剤が表出することを抑制することができる。従って、当該キャリアテープ用紙1によれば、吸水による紙の変形を抑制しながら、表面に貼着されるカバーテープ及び裏面に貼着されるボトムテープとの接着性を維持することができる。
この紙力増強剤の中層3における固形分含有量としては、0.05質量%以上0.40質量%以下が好ましく、0.10質量%以上0.25質量%以下がさらに好ましい。中層3における紙力増強剤の固形分含有量を0.05質量%以上とすることで、当該キャリアテープ1は吸水による基紙の変形を効果的に低下させることができる。一方、紙力増強剤の固形分含有量を0.25質量%以下とすることで、この紙力増強剤が表面又は裏面に表出し、カバーテープ等との接着性を低下させることをより効果的に抑えることができる。
また、この紙力増強剤の基紙の表層2及び/又は裏層4の少なくとも一方の層における含有量としては0.05〜0.25g/m以下であるとよい。このように紙力増強剤の表面近傍の含有量を中層と比べ同等又は抑えることで、表出するように設けられた表面処理剤にこの紙力増強剤が相溶することによるトップカバーテープ等との接着性の低下をより効果的に抑えることができる。
なお、このように、基紙の表層2及び/又は裏層4の少なくとも一方の層及び中層3における紙力増強剤の含有量又は含有率を調整する手段としては、上述した内添サイズ剤と同様に、例えば、対応する各層における原料スラリー中に添加する紙力増強剤の量を調整すること等が挙げられる。
(内添サイズ剤と紙力増強剤との関係)
なお、上記内添サイズ剤と紙力増強剤との中層3における含有比(質量比)としては、10:0.2以上10:5以下が好ましく、10:3〜10:5以下がさらに好ましい。上記内添サイズ剤と紙力増強剤との表層2又は裏層4における含有比(質量比)としては、10:10以上10:40以下が好ましく、10:15〜10:30以下がさらに好ましい。このように内添サイズ剤と紙力増強剤との含有量を同程度とすることで、吸水性及び吸水による変形性を共に高いレベルでより抑えることができる。
(キャリアテープ用紙)
当該キャリアテープ用紙1は、表面におけるトップカバーテープとのピール強度が800mN以上1,400mN以下であることが好ましく、900mN以上1,200mN以下であることがより好ましい。ピール強度が800mN未満であると、トップカバーテープとの接着性が不十分で、電子部品取り出し工程において予期しない剥離トラブルが生じる場合があり、1,400mNを超えると、トップカバーテープとの接着性が過剰となり電子部品取り出し工程において基紙表面の毛羽立ちや紙層破壊が生じるおそれがある。
一方、当該キャリアテープ用紙1は、裏面におけるボトムカバーテープとのピール強度が1,000mN以上1,500mN以下であることが好ましい。ピール強度が1,000mN未満であると、ボトムカバーテープとの接着性が不十分で、部分的にボトムカバーテープの浮きが発生する場合があり、電子部品取り出し工程において予期しない剥離トラブルが生じる場合がある。また、このピール強度が1,500mNを超えると、ボトムカバーテープとの接着性が過剰となり不必要なコストアップを招くこととなる。また、表面処理剤を過剰に塗工又は含浸することになるため、塗工又は含浸時の汚れ、断紙、乾燥不良などによる操業トラブルを招く恐れがある。
<ピール強度の測定方法>
なお、ピール強度は、以下の試験方法に準じて測定されるものである。
キャリアテープ用紙及びキャリアテープ用カバーテープ(日本マタイ(株)製、商品名「NCテープ」)を、それぞれ幅8mm、長さ300mmに切り出してサンプルを作製する。得られたサンプルについて、幅方向で端から1mm、6mmの位置にそれぞれ1mm幅で2カ所、160℃で1秒間ヒートシールし、23℃、湿度50%環境下にて15分間放置する。次に、万能引張試験機を使用し、500mm/分の速度で180度剥離させ、剥離した際の加重をもってピール強度とする。
さらに、当該キャリアテープ用紙は、下記(1)〜(6)の手順で測定される裏層側へのカール評価値が3〜10mmであることが好ましく、5〜8mmであることがさらに好ましい。裏層側へのカール評価値が3mm未満の場合は、リール捲き付け時あるいは捲き付け状態において、折れ、しわの発生の防止効果が小さく、裏層側へのカールが10mmを超える場合には、トップカバーテープ剥離時に表層側への折れ、しわが発生しやすくなる。ここで、当該カール評価値は、下記の手順から明らかになるとおり、巻き癖カールなどの外力要因によって発生する反り性ではなく、キャリアテープ用紙が本来固有にもっている反り性を評価するものである。
<カール評価値の測定方法>
カール評価値は、下記(1)〜(6)の手順により測定する。
(1)被測定キャリアテープ用紙を流れ方向10cm、幅方向10cmの正方形に裁断して測定用試料とする。
(2)被測定キャリアテープ用紙1枚につき5枚の試料を作成する。
(3)裁断された各試料を23℃の恒温環境下において湿度を65%RH、25%RH、65%RH、85%RHの順に連続的に変化させる吸脱湿処理を行う。このとき前記各湿度下においては2時間の維持時間を設ける。
(4)吸脱湿処理を3サイクル繰り返した後、さらに各試料を23℃、65%RHの環境下に3時間放置し、その後に各試料の反り具合を測定する。
(5)反り具合の測定は、反った試料の凸面を下方にして水平台上に載置し、かかる状態において4箇所各頂点から前記水平台の試料載置面までの距離をそれぞれ測定し、この4箇所測定値の平均値を基準カール値とする。
(6)5枚の試料の基準カール値の平均値をそのキャリアテープ用紙のカール評価値(mm)とする。
さらに、当該キャリアテープ用紙は、TAPPI UM522に準じて測定したZ軸方向の層間強度が1.1〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.6であることがより好ましい。層間強度を1.1〜1.7とするためには、各層の原料の選択・調整、濾水度の調整、目付け量の調整、紙力増強剤の添加、層間に澱粉などの接着剤を噴霧するなどの方法により達成することができる。層間強度が1.1未満の場合には、層同士の繊維の絡み合いが悪くなり、リール等に捲き付ける時に発生する湾曲した形状への変化にともなう応力歪みによって、層間剥離が生じてしまう場合がある。他方、層間強度が1.7を超える場合には、紙力増強剤の添加量を多くする、層間に澱粉などの接着剤を多く噴霧するなどの対応が必要で、基紙の層間強度としても過剰な品質となり、不必要なコストアップを招くことになる。また、薬品に頼らない場合には、少なくとも各層の原料パルプ、濾水度、目付け量などをほぼ同一にする必要が生じ、本形態が所望するカール値を達成することが難しくなる。
さらに、当該キャリアテープ用紙は、表層のTAPPI T459 om−83に準じて測定した表面強度が12A以上であることが好ましく、14Aであることがより好ましい。表面強度を12A以上とするためには、原料配合率や原料パルプスラリーのフリーネス、水溶性高分子を塗工・含浸するなどの方法により達成することができる。トップカバーテープを接着する側の表面の表面強度が12A未満の場合には、トップカバーテープを剥離する工程にて、キャリアテープ用紙表面のパルプ繊維がとられ、紙粉となって操業性を悪化させる原因となる。
当該キャリアテープ用紙は、15〜20cm程度の幅の中原反に裁断された後に、製品幅(例えば8mm幅)に裁断され、パンチ加工等の適宜の加工が施され、搬送対象部品収納用のキャビティ部やテープ送り用のマージナル部等が形成されることで、キャリアテープとなる。
(キャリアテープ用紙の製造方法)
当該キャリアテープ用紙は、上述のように公知の方法で多層抄きし、基紙の表裏面に表面処理剤(塗工液)を塗工又は含浸することによって、製造することができる。
上記表面処理剤(塗工液)を基紙の表裏面に塗工又は含浸するために用いる塗工装置は、特に限定されるものではなく、例えば、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター及びゲートロールコーター、サイズプレス等のロールコーター、ベルバパコーター、カレンダー塗工機等を適宜使用することができる。
ここで、例えば裏面への塗工量を表面側への塗工量よりも多くする場合には、例えば、基紙の表裏層に塗工又は含浸する塗工液中の成分の濃度を変えたり、各面に対する塗工回数を変えたりすればよい。例えば、カレンダー塗工機によって裏層に2回塗工し、表層に1回塗工するなどすればよい。
表面処理剤を塗工した後には、カレンダー装置にて基紙の表裏面を平滑化処理することが好ましい。表面平滑化処理するためのカレンダー装置としては特に限定されるものではなく、例えばマシンカレンダー、ソフトカレンダー、ヤンキードライヤー等が適宜使用される。表面平滑化処理は、JIS−P8151のプリント・サーフ試験機法(面積式流量計形プリント・サーフ試験機。以下PPSともいう。)にて、ソフトバッキングを用いてクランプ装置のバッキングを1.0MPaとして測定したときの平滑度が5.0〜8.0μmとなるようにするのが好ましい。
なお、本発明のキャリアテープ用紙は上記実施形態に限定されるものではない。例えば表面処理剤は、基紙の表裏面ではなく、片面にのみ表出するように設けられていてもよい。また、上記表面処理剤を基紙の一方の面に表出するように設ける手段としては、塗工又は含浸による方法のみならず、多層構造のキャリアテープ用紙の表層や裏層に当たる単層に内添する手段も好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下に詳述する表層、中層及び裏層がこの順に積層された構造の基紙に表面処理剤を塗工し、その後、乾燥及びカレンダー処理を行って実施例1のキャリアテープ用紙を得た。
表層については、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)10質量%、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)90質量%の割合のパルプスラリーを、抄造後離解した際のカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が420ccになるように調整した。これにパルプ全量(固形分換算)に対し、内添サイズ剤(近代化学工業社製「R50」)を固形分換算で0.08質量%、紙力増強剤としてカチオン性の変性ポリアクリルアミド(カチオン性PAM 星光PMC社製「DS4356」)を固形分換算で0.20質量%添加し、さらに硫酸バンドを添加してpHを5に調整した抄紙原料を使用した。
中層については、NBKP50質量%、LBKP40質量%、サーモメカニカルパルプ(TMP)10質量%の割合のパルプスラリーを、抄造後離解した際のカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が400ccになるように調節した。これにパルプ全量(固形分換算)に対し、サイズ剤(近代化学工業社製「R50」)を固形分換算で0.50質量%、紙力増強剤としてカチオン性の変性ポリアクリルアミド(カチオン性PAM 星光PMC社製「DS4356」)を固形分換算で0.20質量%添加し、さらに硫酸バンドを添加してpHを5に調整した抄紙原料を使用した。
裏層については、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)10質量%、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)90質量%の割合のパルプスラリーを、抄造後離解した際のカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が350ccになるように調節した。これにパルプ全量(固形分換算)に対し、サイズ剤(近代化学工業社製「R50」)を固形分換算で0.08質量%、紙力増強剤としてカチオン性の変性ポリアクリルアミド(カチオン性PAM 星光PMC社製「DS4356」)を固形分換算で0.20質量%内添し、さらに硫酸バンドを添加してpHを5に調整した抄紙原料を使用した。
これらの抄紙原料を円網多層抄紙機にて、表層の目付け量を60g/m、裏層の目付け量を80g/mとして、中層と抄き合せ3層構造の多層抄き紙(基紙)とした。この基紙に下記に示すように調整した表面処理剤をカレンダー塗工機で表面、裏面それぞれに所定量塗工して、実施例1にかかる坪量580g/mのキャリアテープ用紙を得た。なお、表面処理剤の塗工量に応じ、中層の目付け量を微調整した。
(表面処理剤の調整)
ポリビニルアルコール(日本合成化学社製「ゴーセノールN300」)、スチレン・メタクリル酸共重合体樹脂(質量平均分子量9,000、融点100℃、近代化学工業社製「ケイコートSA930」、SP値10.0)、及びパラフィンワックス(ハリマ化成社製「ハリコートRK」)をそれぞれの固形分量が10:6:7となるように水に混合し、調製した表面処理剤を表面に2.3g/m塗工した。なお、実施例において塗工量は固形分換算した値である。
また、上記表面処理剤を裏面に3.45g/m塗工した。
[実施例2〜22及び比較例1〜5]
表1及び表2に示すように、各種条件を変化させて実施例2〜22及び比較例1〜5のキャリアテープ用紙を得た。表1及び表2に示す条件以外は変化させなかった。
なお、表2中、実施例15で用いた表面サイズ剤としてのロジン系化合物(SP値8.5)はミサワセラミックス社製「RFサイズ880L−50」、実施例16で用いた表面サイズ剤としてのロジン系化合物(SP値9.3)は荒川化学工業社製「サイズバインE−50」、実施例17で用いた表面サイズ剤としてのポリエチレンイミン系樹脂(SP値9.7)はビーエーエスエフジャパン社製「ポリミンSN」、実施例18で用いた表面サイズ剤としてのポリスチレン−アクリル共重合物(SP値10.5)は荒川化学工業社製「ポリマロン1308S」である。
また、比較例2で用いたロジンサイズ剤は、星光PMC社製「FR1900」、比較例3で用いたAKDサイズ剤は、星光PMC社製「AD1602」、比較例4で用いたアニオン性ポリアクリルアミドは、星光PMC社製「DA4104」である。
Figure 2012096804
Figure 2012096804
<評価試験>
以上のようにして作成した各実施例及び各比較例に係るキャリアテープ用紙についての評価試験を行った。結果は、表2に示す。なお、物性測定及び評価試験は、JIS−P8111に準拠して温度23℃±1℃、湿度50±2%の環境条件で行った。また、各実施例及び各比較例についての操業性をも評価した。各測定方法及び試験方法についての詳細は以下のとおりである。
(坪量)
JIS−P8124「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
(厚み)
JIS−P8118「厚さ及び密度の試験方法」に準拠して平均厚みを測定した。
(断面吸水度)
各キャリアテープについて、上述した方法で断面吸水度を測定した。
(表面強度)
TAPPI T459 om−83に準じて表層の表面強度を測定した。
(ピール強度)
各キャリアテープ用紙の表面において、カバーテープとのピール強度を前述した試験法により測定した。なお、カバーテープとしては、次に示すものを用いた。商品名「NCテープ」(日本マタイ社製)、ポリエチレンフィルム基材に東洋インキ製造社製 水溶性感熱接着剤、商品名「ヒートマジックDW」を塗布したもの。
<部品取り出し試験>
各キャリアテープ用紙について、下記のようにして部品取り出し試験を行った。
得られたキャリアテープ用紙を裁断して、キャリアテープ原紙を得た。このキャリアテープ原紙をボトムカバーテープと共にチップ状電子部品装填装置に掛け、電子部品装填用キャビティ部形成、ボトムカバー紙貼合、電子部品装填、トップカバーテープ貼合を行って、表面実装品としての電子部品が収容されてなるキャリアテープを得た。次に、電子部品取り出し装置にてカバーテープの剥離及び電子部品の取り出し試験を行い、以下の点に着目して評価した。
(トップカバーテープ剥離時の毛羽立ち)
トップカバーテープ剥離後のキャリアテープ表面を観察し、ヒートシールされていた箇所の毛羽立ち量を確認した。毛羽立ちがないものを◎、わずかに毛羽立ちがあるものの電子部品取り出しに影響がなかったものを○、毛羽立ちにより電子部品取り出し作業に微少な影響があったものを△、毛羽立ちにより電子部品取り出し作業に重大なトラブルが発生したものを×とした。
(トップカバーテープ剥離時の走行性)
トップカバーテープ剥離時のトップカバーテープの走行性を評価した。トップカバーテープの走行性が非常に良好であるものを◎、走行性が良好であり電子部品取り出し作業も良好であるものを○、走行性が不安定で電子部品取り出し作業に微少な影響があったものを△、走行性が悪く電子部品取り出し作業に重大なトラブルが発生したものを×とした。
(ボトムカバーテープとの接着性)
トップカバーテープの剥離、電子部品取り出しに至るまで、キャリアテープ用紙とボトムカバーテープは十分な接着性を有して密着し、非常に良好であるものを◎、接着性が良好であり電子部品取り出し作業も良好であるものを○、エッジ部分で部分的にボトムカバーテープの浮きが見られ電子部品取り出し作業に微少な影響があったものを△、部分的にボトムカバーテープの浮きが見られ電子部品取り出し作業に重大なトラブルが発生したものを×とした。
(折れの評価)
折れの評価は、流れ方向30cm、幅8mmのサンプルを10本用意し、直径6cmの円柱に捲きつけ、折れ、しわの発生個数を目視で数えた。そして1本あたりの平均個数を次の基準で評価し表中に表した。1個未満を◎、1個以上2個未満を○、2以上5個未満△、5個以上を×と評価した。
表2から、実施例1〜22のキャリアテープ用紙は、品質評価において優れていることが分かる。これに対して、比較例1〜5のキャリアテープ用紙は、品質評価において実施例1〜22よりも劣る結果となっている。すなわち、本発明のキャリアテープ用紙は、トップカバーテープとの接着性及び剥離性のバランスに優れ、トップカバーテープ剥離時にキャリアテープ用紙表面に毛羽立ちや紙粉が発生せず、さらにボトムカバーテープとの接着性に優れ、キャリアテープの折れの問題が改善され、もってトップカバーテープを安定的に剥離することができるといえる。これにより、電子部品取り出し時の安定生産に優れ、生産効率のよいキャリアテープ用紙となるといえる。特に実施例及び比較例における断面吸水度と走行性とを比較することで、本発明における断面吸水度を一定範囲に制御することが、走行性を高めることができることがわかる。
本発明は、電子回路を製造する際に使用する、チップ状の表面実装電子部品(チップ状電子部品)を収納し、表面実装機(マウンター)に搬送するためのキャリアテープに用いられるキャリアテープ用紙として適用可能である。
1 キャリアテープ用紙
2 表層
3 中層
4 裏層
5 基紙
6 表面処理剤

Claims (4)

  1. 表層、少なくとも1層の中層及び裏層を有する多層抄き合わせ紙からなり、平均厚みが300μm以上の基紙を備え、
    この基紙の表裏面の少なくとも一方の面に表出するように、少なくとも表面サイズ剤及びワックスを主成分として含有する表面処理剤が設けられ、
    下記断面吸水度が600秒以上900秒以下であるキャリアテープ用紙。
    (断面吸水度とは、キャリアテープ用紙を厚みが40mm以上50mm以下となる範囲で荷重10Kg/cmで重ね合わせ、断裁機にて抄紙流れ方向に切断し、切断面に対しJIS−P3001(1976)に記載の吸油度試験方法に準拠し、軽油に替えて純水を1滴滴下し、全部吸収し終わるまでの秒数である。)
  2. 上記表面サイズ剤がスチレン・メタクリル酸系樹脂であり、
    上記ワックスがパラフィンワックスである請求項1に記載のキャリアテープ用紙。
  3. 上記中層が紙力増強剤及び内添サイズ剤を含有し、
    この紙力増強剤及び内添サイズ剤の中層における単位質量当たりの含有量が、表層及び裏層における単位質量当たりの含有量より多く、
    上記紙力増強剤がカチオン性ポリアクリルアミド樹脂であり、上記内添サイズ剤がロジンサイズ剤である請求項1又は請求項2に記載のキャリアテープ用紙。
  4. 上記表面処理剤が、更にポリビニールアルコールを含有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のキャリアテープ用紙。

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