JP2012096774A - 減揺機能を備えたトリマラン船 - Google Patents

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Abstract

【課題】ローリング運動の減揺を効果的に行い、船体が上下動の共振を起こすような波浪航行における乗り心地を良好に改善するトリマラン船を提供する。
【解決手段】揺動アーム14によりセンタハルの左右両側に回転可能に支持されたサイドハル12をセンタハルに対して上下方向に移動可能に設け、センタハルに対するサイドハル14の上下方向運動に減衰力を与えるコイルばね24および粘性ダンバ26により構成された減衰装置を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、トリマラン船に関し、特に、減揺機能を備えたトリマラン船に関する。
センタハルと、センタハルの左右両側に配置された左右のサイドハルとを有するトリマラン船(三胴船)において、左右のサイドハルの各々に、当該サイドハルの上下方向中間部に上向きの段差面を形成する段差部が設けられものがある。このトリマラン船では、船体の横揺れによって降下する側のサイドハルの段差面が水中に沈むことにより、サイドハルが水中に沈む体積が増加し、浮力増加によって急速に浮き上がろうとする運動に対して、水圧による抵抗力が生じ、横揺れ時には、このことが左右のサイドハルで交互に生じることにより、横揺れ、つまりローリング運動を抑制する作用が得られる(例えば、特許文献1)。
また、ローリング運動に対する減揺装置を備えたトリマラン船として、トリマラン船の左右のサイドハルの左右方向外側に、引き揚げ可能な可動のトリムタブが設けられ、横揺れ時には、トリムタブを展開し、横揺れによって接水したトリムタブが水面を押すようになる時の反力によって横揺れを抑制するものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2008−279818号公報 特開2009−262588号公報
しかしながら、従来のトリマラン船におけるローリング運動の減揺は、何れも、波による揺れを、抵抗力、反力によって単に抑えものであるので、船体の横揺れや上下揺れの共振時の極大値を小さくする作用がなく、船体が横揺れ(ローリング運動)や上下揺れ(ヒービング運動)の共振を起こすような波浪時の航行における乗り心地を改善することができない。
本発明が解決しようとする課題は、トリマラン船において、船体が横揺れや上下揺れの共振を起こすような波浪航行における乗り心地を良好に改善することである。
本発明によるトリマラン船は、センタハルと、前記センタハルの左右両側に配置され、前記センタハルに対して上下方向に移動可能に接続された左右のサイドハルと、前記センタハルと前記サイドハルとの間に設けられ、前記センタハルに対する前記サイドハルの上下方向運動に減衰力を与える減衰装置とを有する。
この構成によれば、上下方向に移動可能に設けられたサイドハルのセンタハルに対する上下方向運動に対して減衰装置が減衰力を与える。船体の横揺れ時や上下揺れ時には、サイドハルがセンタハルに対して上下方向運動するので、船体の横揺れや上下揺れに減衰作用が作用し、特に、船体が横揺れや上下揺れの共振を起こすような波浪時の航行時の船体の横揺れ、上下揺れの減揺が効果的に行われる。
本発明によるトリマラン船に組み込まれる減衰装置として好適なものとして、ばねダンパと粘性ダンパの少なくとも何れか一方を含むもの、発電機を含むものがある。
減衰装置がばねダンパや粘性ダンパを含んでいるものであれば、船体の横揺れ、上下揺れに伴うサイドハルの上下動の運動エネルギが熱エネルギに変換されて船体の横揺れ、上下揺れの減衰が行われる。減衰装置が発電機を含むものであれば、船体の横揺れ、上下揺れに伴うサイドハルの上下動の運動エネルギが電気エネルギに変換されて船体の横揺れ、上下揺れの減衰が行われ、併せて波エネルギによる発電が行われ、船舶航行のエネルギ経済性が向上する。
本発明によるトリマラン船に組み込まれる減衰装置は、アクティブダンパを含むものであってもよい。この場合、アクティブダンパは、前記センタハルに対して前記サイドハルを上下方向に駆動するアクチュエータと、前記センタハルと前記サイドハルの少なくとも何れか一方の船体姿勢を検知する船体姿勢検知装置と、船体姿勢検知装置により検知される船体姿勢に基づいて前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置とを含んでいるものがある。
アクティブダンパの場合には、センタハルとサイドハルの少なくとも何れか一方の船体姿勢に応じてサイドハルが横揺れや上下揺れを減衰する方向にアクティブ制御されることにより、船体の共振時の横揺れや上下揺れの極大値を減少させることができ、船体が共振を起こすような波浪時の航行における横揺れ、上下揺れの減揺が効果的に行われる。
本発明によるトリマラン船は、好ましくは、前記サイドハルは、揺動アームによって前記センタハルより揺動可能に支持され、円弧軌跡を描いて上下方向に移動するものであってよく、サイドハルの上下動可能な支持構造を簡単な軸受構造で構成することができる。
本発明によるトリマラン船によれば、上下方向に移動可能に設けられたサイドハルのセンタハルに対する上下方向運動に対して減衰装置が減衰力を与えることにより、船体の横揺れや上下揺れに減衰作用が作用し、特に、共振時の上下揺れの極大値を減少させることができ、船体が横揺れや上下揺れの共振を起こすような波浪時の航行時の船体の横揺れや上下揺れの減揺が効果的に行われる。これにより、船体が横揺れや上下揺れの共振を起こすような波浪時の航行における横揺れや上下揺れの減揺が効果的に行われ、乗り心地を大幅に改善することができる。
本発明によるトリマラン船の一つの実施例を示す斜視図(船底側より見上げた斜視図)。 本実施例によるトリマラン船の減揺機構の要部を示す斜視図。 (A)は、本実施形態によるトリマラン船が向かい波を受けて航行する場合の上下揺れを、(B)は固定のサイドハルを有する従来型のトリマラン船が向かい波を受けて航行する場合の上下揺れを各々模式的に示す説明図。 上下揺れの計算モデル図。 上下揺れの共振特性を示すグラフ。 本発明によるトリマラン船の他の実施例によるトリマラン船の減揺機構の要部を示す斜視図。 実施例によるトリマラン船の減揺機構の制御系を示すブロック図。
以下に、本発明によるトリマラン船の一つの実施例を、図1、図2を参照して説明する。
本実施例によるトリマラン船は、浮力体構造のセンタハル(メインハル)10と、センタハル10の左右両側に各々配置された左右のサイドハル(デミハル)12とを有する。
左右のサイドハル12は、中空構造による個別の浮力体であり、前後方向(船首船尾方向)に長く、尖った船首を有する船体形状をしている。左右のサイドハル12には、各々、前後方向の中間部より左右方向に、換言すると、センタハル10の側に所定のアーム長をもって延在する揺動アーム14を一体形成されている。
揺動アーム14の先端部14Aは、図2に示されているように、センタハル10の左右側部に開口11(図1参照)よりセンタハル10内に進入しており、先端部14Aには前後方向に延在する支持軸16が固定されている。支持軸16は、センタハル10内においてセンタハル10に固定配置された軸受部材18に、自身の中心軸線周りに回転可能に支持されている。
これにより、左右のサイドハル12は、揺動アーム14によってセンタハル10より各々個別に所定の回転角範囲に亘って揺動可能に支持され、各々、支持軸16を中心として円弧軌跡を描いて上下方向に個別に移動可能になっている。
支持軸16には減衰作用アーム19の基端部が固定連結されている。減衰作用アーム19の先端部には連結ピン20が取り付けられている。連結ピン20には、各々、一端をセンタハル10に取り付けられた取付ピン22に連結されたコイルばね24とシリンダ・ピストン構造の粘性ダンバ26の他端が連結されている。
コイルばね24と粘性ダンバ26とコイルばね26とは、センタハル10内に並列に配置されている。コイルばね26は、ばねダンパを構成するものであり、サイドハル12がセンタハル10に対して上下方向の中間位置、つまり、上下方向の中立位置にある状態で無荷重状態になり、サイドハル12が中立位置により上方へ変位すると、引張ばね荷重を生じ、これとは反対に、サイドハル12が中立位置により下方へ変位すると、圧縮ばね荷重を生じる。粘性ダンバ26は、シリンダチューブ内に粘性流体を封入されて粘性減衰能を有する一般的な複動式の粘性ダンバである。
なお、センタハル10は、左右のサイドハル12の上方に張り出した左右の翼状部13を有する。翼状部13はセンタハル10の甲板面積を拡張する。
サイドハル12は、静水航行時には、浮力によって中立位置にあって、無荷重状態にあるコイルばね26のばね力によって支えられ、センタハル10に対して上下方向に運動しない。
波浪時航行時に、トリマラン船が横波を受け、センタハル10が横揺れ(ローリング)すると、左右のサイドハル12が水面に対して互いに逆相で上下に変位する。この変位によって水中に進入する深さを増す側のサイドハル12は、コイルばね24と粘性ダンバ26による減衰作用のもとに、支持軸16を回動中心としてセンタハル10に対して回動変位(上昇変位)しつつ水中に沈む体積を増加する。このサイドハル12は、水中に沈んだ体積の増加によって浮力を増することにより、浮き上がろうとする。
この浮き上がろうとするサイドハル12は、コイルばね24と粘性ダンバ26による減衰作用のもとに、支持軸16を回動中心としてセンタハル10に対して回動変位(降下変位)しつつ浮上方向に移動する。
これに対し、水中に進入する深さを減らす反対側のサイドハル12は、コイルばね24と粘性ダンバ26による減衰作用のもとに、支持軸16を回動中心としてセンタハル10に対して回動変位(降下変位)しつつ水中に沈む体積を減少する。このサイドハル12は、水中に沈んだ体積の減少によって浮力を減らすことにより、沈もうとする。
この沈もうとするサイドハル12は、コイルばね24と粘性ダンバ26による減衰作用のもとに、支持軸16を回動中心としてセンタハル10に対して回動変位(上昇変位)しつつ沈下方向に移動する。
このようにして、センタハル10の横揺れによって左右のサイドハル12が、センタハル10に対して互いに逆相で、上下方向に運動することにより、コイルばね24と粘性ダンバ26とによって減衰力が与えられ、この動作が横揺れの周期に応じて左右のサイドハル12で交互に生じる。これにより、コイルばね24、粘性ダンバ26を接続された左右のサイドハル12が各々動吸振器として作用し、センタハル10の横揺れの運動エネルギが、コイルばね24と粘性ダンバ26によって熱エネルギに変換される。
この結果、センタハル10の横揺れが抑えられ、船体(センタハル10)の横揺れの共振時の極大値が減少する。これにより、船体が横揺れの共振を起こすような波浪時の航行における横揺れの減揺が効果的に行われ、トリマラン船の乗り心地が大幅に改善されることになる。
なお、この作用は、必ずしも、ばねダンパをなすコイルばね24と粘性ダンバ26の双方を必要とすることはなく、コイルばね24と粘性ダンバ26の何れか一方のみであって同等に得ることができる。
トリマラン船が向かい波を受け、センタハル10が上下揺れ(ヒービング)する場合には、左右のサイドハル12が水面に対して互いに同相で上下に変位し、この変位に応じてコイルばね24と粘性ダンバ26とによって減衰力が与えられ、この動作が上下揺れの周期に応じて左右のサイドハル12で互いに同期に生じる。これにより、コイルばね24、粘性ダンバ26を接続された左右のサイドハル12が各々動吸振器として作用し、センタハル10の上下揺れの運動エネルギが、コイルばね24と粘性ダンバ26によって熱エネルギに変換される。
この結果、センタハル10の上下揺れが抑えられ、船体(センタハル10)の上下揺れの共振時の極大値が減少する。これにより、船体が上下揺れの共振を起こすような波浪時の航行における上下揺れの減揺が効果的に行われ、トリマラン船の乗り心地が大幅に改善されることになる。
図3(A)は、上述の実施形態によるトリマラン船が向かい波を受けて航行する場合の上下揺れを、図3(B)は固定のサイドハルを有する従来型のトリマラン船が向かい波を受けて航行する場合の上下揺れを各々模式的に示している。
図3(A)、(B)から分かるように、本実施形態によるトリマラン船は、コイルばね24、粘性ダンバ26を接続されたサイドハル12が、向かい波によって上下動し、動吸振器として作用することにより、向かい波航行時におけるトリマラン船の上下揺れ幅Haが、固定のサイドハルを有する従来型のトリマラン船の上下揺れ幅Hbより大幅に小さくなっていることが分かる。
上述の実施形態のように、コイルばね24、粘性ダンバ26を接続されたサイドハル12が、トリマラン船の上下揺れに対して動吸振器として作用することを、図4に示されているような計算モデルによって検証した。この検証の解析条件は、以下の通りである。
毎cmにつき毎cm排水トンTcm(t)で、釣り合いにより浮力が増加するから、センタハル10、サイドハル12は、各々、伸び1cmにつきTcm(t)の張力を生じる水によるばねKc、Ksによって吊り下げられている場合と等価の上下振動を行う。この水によるばるのばね定数κは下式により表される。
κ=Tcm(t/cm)
船舶の上下動(上下揺れ)周期Thは、下式により示されるものとした。
Th=2π√(W/κ・g)=2π√(W/Tcm・g) (但し、g:cm単位)
=2π√(W/(Aw/100)γ・g) (但し、g:cm単位)
=2π√(W/Aw・γ・g) (但し、g:m単位)
=2π√(Cvp・d/g)
但し、W:船の排水量(t)
Tcm:毎cmの排水トン数(t/cm)
Aw:水線面積(m
γ:海水の単位面積質量(t/m
Cvp:堅柱形肥せき係数(鉛直柱形係数)
d:喫水(m)
図5は、計算結果を示すグラフであり、縦軸が振幅比(X/Xst)を、横軸が振動数比λである。実線は、コイルばね24、粘性ダンバ26を接続されたサイドハル12を有するトリマラン船の上下振動特性を、波線が同じトリマラン船でサイドハル12を固定した場合の上下振動特性を各々示している。
このグラフから、サイドハル12を固定した場合には、共振周波数領域で、振幅比(X/Xst)が発散増大するが、コイルばね24、粘性ダンバ26を接続されたサイドハル12を有するトリマラン船では、共振周波数領域での振幅比(X/Xst)が小さくなり、コイルばね24、粘性ダンバ26を接続されたサイドハル12が動吸振器として有効に作用している事が分かった。
以上のことにより、動吸振器のばね、ダンバの最適化により、非定常や共振周波数海面の大幅な揺れに対して航行速度が速くなった時に船首における造波抵抗の大幅な低減が可能になる。
なお、波エネルギを電気エネルギとして回収するために、サイドハル12の支持軸16に発電機28が連結されていてもよい。
つぎに、本発明によるトリマラン船の他の実施例を、図6を参照して説明する。なお、図6において、図2に対応する部分は、図2に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施例では、支持軸16にセクタギヤ30が固定されている。セクタギヤ30には発電機32のロータ軸34に固定されたピニオン36が噛合している。なお、発電機32は、正逆、何れの回転でも発電を行うものであり、図には示されていないが、センタハル10に固定配置される。
この実施例では、波浪時航行時に、横波によってセンタハル10が横揺れすると、左右のサイドハル12が水面に対して上下方向に変位する。この変位によって水中に進入する深さを増す側のサイドハル12は、支持軸16を回動中心としてセンタハル10に対して回動変位(上昇変位)して発電機32のロータ軸34を回転させつつ水中に沈む体積を増加する。このサイドハル12は、水中に沈んだ体積の増加によって浮力を増することにより、浮き上がろうとする。
この浮き上がろうとするサイドハル12は、支持軸16を回動中心としてセンタハル10に対して回動変位(降下変位)して発電機32のロータ軸34を回転させつつ浮上方向に移動する。
これに対し、水中に進入する深さを減らす反対側のサイドハル12は、支持軸16を回動中心としてセンタハル10に対して回動変位(降下変位)して発電機32のロータ軸34を回転させつつ水中に沈む体積を減少する。このサイドハル12は、水中に沈んだ体積の減少によって浮力を減らすことにより、沈もうとする。
この沈もうとするサイドハル12は、支持軸16を回動中心としてセンタハル10に対して回動変位(上昇変位)して発電機32のロータ軸34を回転させつつ沈下方向に移動する。
このようにして、センタハル10の横揺れによってサイドハル12がセンタハル10に対し上下方向に運動することにより、ロータ軸34が回転して発電機32が発電を行い、この動作が横揺れの周期に応じて左右のサイドハル12で交互に生じる。これにより、波エネルギによる発電が行われ、横揺れの運動エネルギが、発電機32によって電気エネルギに変換される。
この結果、メインハル10の横揺れが抑制され、船体の横揺れによる共振時の上下動の極大値が減少する。これにより、メインハル10が横揺れによって共振を起こすような波浪時の航行における横揺れの減揺が効果的に行われ、乗り心地が大幅に改善されることになる。なお、発電機32によって発電された電力は、船舶搭載のバッテリーに充電されればよく、船舶航行におけるエネルギ経済性の向上に寄与する。
上述の作用は、向かい波によって船体が上下揺れする場合も同様に得られ、上下揺れの減揺と、発電機32による波エネルギを電気エネルギとして回収することとが行われる。
他の実施例として、発電機32に代えて、回転駆動と発電とを行うことができる回転電機であるモータ・ジェネレータ40(図7参照)が用いられてもよい。
モータ・ジェネレータ40が発電作用を行うジェネレータ動作モードでは、上述の実施例と同じように、横揺れの運動エネルギが発電機32によって電気エネルギに変換され、メインハル10のローリング運動が抑制される。
モータ・ジェネレータ40が回転駆動作用を行うモータ動作モードでは、モータ・ジェネレータ40によるサイドハル12の上下方向の駆動によってアクティブダンパが具現される。
このアクティブダンパによる減揺機構の制御系の一つの実施例を、図7を参照して説明する。モータ・ジェネレータ40のモータ動作モードとジェネレータ動作モードとの動作モード切替と、各動作モードの制御を行うモータ・ジェネレータ制御器42が設けられている。モータ・ジェネレータ制御器42は、モータ・ジェネレータ40のドライブ回路を含むものであって、インバータ44を介して船舶搭載のバッテリ46に接続されている。なお、モータ・ジェネレータ40、回転・位相センサ52、モータ・ジェネレータ制御器42、インバータ44は、左右のサイドハル12毎に個別に設けられる。
モータ・ジェネレータ40は、モータ動作モードではバッテリ46より電力を供給され、ジェネレータ動作モードではバッテリ46に電力を供給し、充電を行う。
モータ・ジェネレータ制御器42とインバータ44は、各々マイクロコンピュータを含む電子制御ユニット(ECU)48が出力する指令によって動作する。電子制御ユニット48には、船体姿勢センサ50と、回転・位相センサ52とが接続されている。
船体姿勢センサ50は、船体姿勢検知装置であり、センタハル10の姿勢、特に、傾斜センサ等により構成されてローリング運動によるセンタハル10の水平面に対する横傾き角を検知する。回転・位相センサ52は、モータ・ジェネレータ40に直結されたロータリエンコーダ等により構成され、モータ・ジェネレータ40の回転軸の回転角を検知する。
電子制御ユニット48は、モータ動作モードでは、船体姿勢センサ50より入力したセンサ信号によってセンタハル10の水平面に対する横傾き角と横傾きの加速度、方向を算出し、これらの制御因子として予め定められたアクティブダンパの制御則に従ってモータ・ジェネレータ40の制御目標値を演算する。そして、電子制御ユニット48は、左右の回転・位相センサ52より入力したセンサ信号により得られる左右のモータ・ジェネレータ40の回転角をフィードバック値として算出した偏差より左右のモータ・ジェネレータ40の操作量を演算し、当該操作量を左右のモータ・ジェネレータ制御器42に渡す。
これにより、左右のサイドハル12が左右のモータ・ジェネレータ40によってアクティブダンパ制御則の従ってセンタハル10に対して上下移動する。これにより、アクティブダンパ作用が得られ、メインハル10のローリング運動を抑制することができる。
図4に示されている実施例の変形実施例として、モータ・ジェネレータ40は、モータ動作モードのみを行う電動モータであってもよく、また、アクティブダンパの駆動源であるアクチュエータは、電動モータに限られることはなく、油圧や空気圧による流体圧式のシリンダ装置等であってもよい。
なお、センタハル10に対するサイドハル12の上下移動可能な支持は、揺動アーム14の回動可能な支持によるもの以外に、センタハル10に固定されて上下方向に直線的に延在するガイド機構に案内されてサイドハル12が上下移動する支持であってもよい。
10 メインハル
12 サイドハル
14 揺動アーム
24 コイルばね
26 粘性ダンバ
32 発電機
40 モータ・ジェネレータ

Claims (6)

  1. センタハルと、
    前記センタハルの左右両側に配置され、前記センタハルに対して上下方向に移動可能に接続された左右のサイドハルと、
    前記センタハルと前記サイドハルとの間に設けられ、前記センタハルに対する前記サイドハルの上下方向運動に減衰力を与える減衰装置と、
    を有するトリマラン船。
  2. 前記減衰装置は、ばねダンパと粘性ダンパの少なくとも何れか一方を含む請求項1に記載のトリマラン船。
  3. 前記減衰装置は、発電機を含む請求項1に記載のトリマラン船。
  4. 前記減衰装置は、アクティブダンパを含む請求項1に記載のトリマラン船。
  5. 前記アクティブダンパは、前記センタハルに対して前記サイドハルを上下方向に駆動するアクチュエータと、前記センタハルの船体姿勢を検知する船体姿勢検知装置と、船体姿勢検知装置により検知される船体姿勢に基づいて前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置とを含んでいる請求項4に記載のトリマラン船。
  6. 前記サイドハルは、揺動アームによって前記センタハルより揺動可能に支持され、円弧軌跡を描いて上下方向に移動する請求項1から5の何れか一項に記載のトリマラン船。
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