JP2012096412A - 転写箔およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のインモールド成形用転写箔10は、基材シート20と、該基材シートの一方の面上に、少なくとも、離型層30と、受容層60と、印刷層70とをこの順に有するものであって、該受容層60が、アクリル系樹脂を含む樹脂材料により形成され、該樹脂材料が、特定のガラス転移温度を有するものである。
【選択図】図1
Description
基材シートと、該基材シートの一方の面上に、少なくとも、離型層と、受容層と、印刷層とをこの順に有する、インモールド成形用転写箔であって、
該受容層が、アクリル系樹脂を含む樹脂材料により形成され、
該樹脂材料が、90℃以上のガラス転移温度を有する、インモールド成形用転写箔が提供される。
基材シートと、該基材シートの一方の面上に、少なくとも、離型層と、受容層と、印刷層とをこの順に有する、インモールド成形用転写箔の製造方法であって、
(1)基材シートと、該基材シートの一方の面上に、離型層と、受容層とをこの順に有するインモールド成形用透明箔を用意する工程であって、該受容層が、アクリル系樹脂を含む樹脂材料により形成され、前記樹脂材料が、90℃以上のガラス転移温度を有する、工程と、
(2)基材と、該基材の一方の面上に、少なくとも、剥離層と、インク層とをこの順に有するインクリボンを用意する工程と、
(3)該インモールド成形用透明箔の受容層上に、該インクリボンを用いた熱転写プリンターによって、該インク層を転写して、印刷層を形成する工程と
を含む、インモールド成形用転写箔の製造方法が提供される。
本発明のインモールド成形用転写箔は、該基材シートの一方の面上に、少なくとも、離型層と、受容層と、印刷層とをこの順に有するものであり、離型層と受容層との間にハードコート層と、アンカー層とをこの順にさらに有してもよく、印刷層上に接着層をさらに有してもよい。また、基材シートの受容層と反対側の面上に、帯電防止層をさらに有してもよい。本発明の一態様によれば、帯電防止層/基材シート/離型層/ハードコート層/アンカー層/受容層/印刷層/接着層の順序で形成されてなる層構成を有するインモールド成形用転写箔が提供される。
本発明における基材シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、三酢酸セルロース、セロファン、ポリカーボネート、ポリウレタン系等のエラストマー系樹脂等を用いたものが挙げられる。これらのなかで、成形性および離型性が良好であるため、ポリエステル系樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。また、成形性、形状追従性、および取扱い性が良好であるため、基材シートの厚さは、25μm〜150μmの範囲内であることが好ましく、38μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
本発明における離型層は、ハードコート層と、アンカー層と、受容層と、印刷層と、接着層とからなる転写層が、基材シートからの剥離を容易に行うために設けられる層である。離型層を設けることで、本発明のインモールド成形用転写箔から転写層を確実かつ容易に被転写体へ転写させ、帯電防止層と、基材と、離型層とからなる剥離シートを確実に剥離することができる。離型層に用いられる離型剤としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、アクリル樹脂系離型剤、およびこれらの複合型離型剤等の離型剤が好ましい。これらのなかで、メラミン樹脂系離型剤およびアクリル樹脂系離型剤が特に好ましい。
本発明におけるハードコートは、転写層がインモールド成形用転写箔から樹脂成形体へと転写された後は、加飾成形品の最外層となり、摩耗や光、薬品等から成形品や印刷層を保護するための層である。好ましい態様によれば、ハードコート層は、電離放射線硬化性官能基を有するポリマーを用いて形成される。電離放射線硬化性とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋・重合させうるエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線等の照射により励起して、重合反応を生じることにより架橋・硬化する性能のことである。また、電離放射線硬化性官能基とは、上記電離放射線硬化性を発現しうる官能基のことであり、本発明においては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基等のエチレン性不飽和結合を有する官能基およびエポキシ基である。
本発明におけるアンカー層は、ハードコート層と受容層との密着性を向上させるために設けられてよい。本発明において、アンカー層は、樹脂を含むものであり、添加剤等をさらに含んでもよい。アンカー層の形成に用いる樹脂としては、2液硬化性ウレタン系樹脂、熱硬化ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、およびビニル系共重合体樹脂等が挙げられる。
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に、インクリボンから転写されるインク層を、受容層上に形成および保持するためのものである。本発明において、受容層は、アクリル系樹脂を含む樹脂材料により形成されるものである。本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
本発明における印刷層は、インク層を有するインクリボンを用いた熱転写プリンターによって、該インク層が転写して形成されるものであり、加飾成形品を製造する際に表面に所望の意匠性を付与するものである。このように熱転写により印刷層を形成することで、小ロット多品種での製造に対応でき、グラデーション等の複雑な意匠を表現することができる。また、印画する画像は、デジタル情報での画像処理工程のみであり、一般の製版、印版等の工程が不要となり、工程数の低減による納期の短縮および設備の不要によるコストの低減を実現することができる。なお、印刷層は、下記で説明するインクリボンのインク層と同様の成分を有するものである。
本発明における接着層は、印刷層を接着性よく樹脂成形体に転写するための層である。本発明において、接着層は、樹脂を含むものであり、添加剤等をさらに含んでもよい。接着層の形成に用いる樹脂としては、樹脂成形体の素材に適した感熱性または感圧性の樹脂を適宜選択して用いることができる。例えば、樹脂成形体の材質が、ポリフェニレンオキサイド−ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、およびスチレン系樹脂の場合には、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、およびポリアミド系樹脂等を用いることが好ましい。また、樹脂成形体の材質が、ポリプロピレン樹脂の場合には、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、および環化ゴム、クマロンインデン樹脂等を使用することが好ましい。
本発明における帯電防止層は、加飾成形品の製造工程、特に転写工程において、転写箔への異物の付着を防止するために形成される層である。本発明において、帯電防止層は、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル等の金属、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)等の金属酸化物、および黒鉛等からなる導電性物質の粉末または微薄片を含むものであり、界面活性剤等の添加剤をさらに含んでもよい。
本発明において、インクリボンは、インモールド成形用透明箔(印刷層形成前の状態の転写箔)の受容層上に、熱転写プリンターを用いて印刷層を形成するためのものである。インモールド成形用転写箔の製造に用いるインクリボンは、基材の一方の面に、少なくとも、剥離層と、インク層とをこの順に有し、インク層上に、接着層および帯電防止層をこの順にさらに有してもよい。また、基材の他方の面に耐熱滑性層をさらに有するものがよい。好ましい態様によれば、耐熱滑性層/基材/剥離層/インク層/接着層/帯電防止層の順序で形成されてなる層構成を有するインクリボンを用いるのがよい。また、他の態様によれば、インクリボンには、インク層と、金、銀、銅、亜鉛、および黄銅等の金属を蒸着により設けた金属蒸着層とを連続した1枚の基材上に面順次に設けてもよい。
本発明に用いられるインクリボンを構成する基材の材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明に用いられるインクリボンを構成するインク層は、樹脂と、着色剤とを含むものであればよく、公知の種々のインク層を用いることができる。本発明においては、インク層を有するインクリボンを用いた熱転写プリンターによって、インモールド成形用透明箔の受容層上に、インク層を転写させて印刷層を形成することができる。
本発明に用いられるインクリボンを構成する耐熱滑性層は、基材のインク層と反対側の面に設けられるものであり、熱転写プリンターのサーマルヘッドの熱によるスティキングやシワ等の悪影響を防止するためのものである。耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
本発明に用いられるインクリボンを構成する剥離層は、熱転写の際に、インク層が基材からの剥離を容易に行うために設けられた層である。また、熱転写によりインクリボンからインモールド成形用透明泊へと転写されて、インモールド成形転写箔を形成した後は、インモールド成形転写箔の印刷層を保護するものである。また、加飾成形品を製造する際には、樹脂成形体の表面に接着する役割を果たすものである。本発明において、剥離層は、樹脂を含むものであり、添加剤等をさらに含んでもよい。剥離層の形成に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いて形成するのがよい。例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
本発明のインモールド成形用転写箔の製造方法は、下記の工程(1)〜(3):
(1)基材シートと、該基材シートの一方の面上に、離型層と、受容層とをこの順に有するインモールド成形用透明箔を用意する工程であって、該受容層が、アクリル系樹脂を含む樹脂材料により形成され、前記樹脂材料が、90℃以上のガラス転移温度を有する、工程と、
(2)基材と、該基材の一方の面上に、少なくとも、剥離層と、インク層とをこの順に有するインクリボンを用意する工程と、
(3)該インモールド成形用透明箔の受容層上に、該インクリボンを用いた熱転写プリンターによって、該インク層を転写して、印刷層を形成する工程と
を含むものである。このような製造工程により転写箔の印刷層を形成することで、他の印刷方法で必要な一般の製版、印版等の工程を省き、工程数および設備の削減によりコストの低減を図ることができる。
本発明の加飾層を有する樹脂成形体(加飾成形品)は、上記のインモールド成形用転写箔を用いて、上記の射出成形同時転写加飾法により成形するのがよい。好ましい態様によれば、加飾成形品の製造方法は、下記の工程(4)〜(7):
(4)上記のインモールド成形用転写箔の製造方法により製造されたインモールド成形用転写箔を用意する工程と、
(5)インモールド成形用金型内に、該インモールド成形用転写箔を挿入する工程と、
(6)該金型内に溶融した射出樹脂を射出注入する工程と、
(7)該インモールド成形用転写箔と、該射出樹脂とを一体化させて、樹脂成形体の表面上に加飾層を形成する工程と
を含むものである。さらに、樹脂成形体を冷却して金型から取り出した後、該転写箔の剥離シートを剥離することにより、加飾成形品を得ることができる。このような製造工程により加飾成形品を製造することで、樹脂成形体の表面にグラデーション等の複雑な意匠を表現することができる。また、インモールド成形用転写箔の受容層が、アクリル系樹脂を含む樹脂材料により形成され、前記樹脂材料が、90℃以上のガラス転移温度を有するため、耐熱性および耐圧性に優れ、形成された加飾層の画像(意匠)の歪みや流れを抑制することができる。
インモールド成形用透明箔の作製
まず、基材シートとして、50μmの厚さの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタラートフィルムを用意した。この基材シートの一方の面に、グラビアリバースコート法によって、下記組成の離型層用インキを塗工して、離型層を形成した。次いで、該離型層上に、グラビアリバースコート法によって、下記組成のハードコート層用インキを6μmの厚さで塗工して、ハードコート層を形成した。そして、該ハードコート層に水銀燈から紫外線を照射して、未反応のアクリレート(アクリロイル)基が残る程度に架橋硬化させた。
離型層用インキの組成
・メラミン樹脂系離型主剤(大日精化(株)製、EX-114Dメジウム): 100重量部
・硬化剤(大日精化(株)製、PTC NO.7硬化剤): 10重量部
ハードコート層用インキの組成
・紫外線硬化樹脂(成分:ウレタンアクリレート系プレポリマー、大日精化(株)製、セイカビーム EXF−HT−S) 100重量部
アンカー層用インキの組成
・アクリルポリオール系樹脂(大日精化(株)製、TM−VMAC): 100重量部
・ポリイソシアネート系硬化剤(成分:ヘキサンメチレンジイソシアネート、大日精化
(株)製、PTC−RC3 硬化剤): 15重量部
受容層用インキの組成
・アクリル系樹脂(ガラス転移温度:100℃、大日精化(株)製、DNP−HS1):
100重量部
なお、上記の各インキは、適宜、有機溶剤にて希釈して用いた。
まず、混合樹脂と、着色剤とを下記の組成で有機溶剤に溶解させてインク層用インキを調製した。次に、4.5μmの厚さのPET基材の一方の面に、下記組成の剥離層用インキを用いて、グラビアリバースコート法によって、0.3μmの厚さの剥離層を形成した。続いて、該剥離層上に、上記のインク層用インキを用いて、グラビアリバースコート法によって、0.5μmの厚さのインク層を形成した。そして、該インク層上に、インキを用いて、グラビアリバースコート法によって、0.3μmの厚さの接着層を形成した。以上により、基材/剥離層/インク層/接着層の順序で形成されてなる層構成を有するインクリボンを作製した。
インク層用インキの組成
・アクリル系樹脂と塩酢ビ系樹脂の混合樹脂100重量部に着色剤(下記)のいずれかを40重量部混合したカラーインキ材料(DNPファインケミカル(株)製、CR700シリーズ)
剥離層用インキの組成
・アクリル系樹脂と塩酢ビ系樹脂の混合樹脂(DNPファインケミカル(株)製、剥離ニスDX): 100重量部
接着層用インキの組成
・アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR83): 100重量部
上記で作製したインモールド成形用透明箔1の受容層上に、サーマルヘッドを搭載した熱転写プリンターと上記で作製したインクリボンとを用いて、インクリボンのインク層を順次転写させて、印刷層を形成した。以上により、基材シート/離型層/ハードコート層/アンカー層/受容層/印刷層/接着層の順序で形成されてなる層構成を有するインモールド成形用転写箔1を作製した。なお、インモールド成形用転写箔1の印刷層上に形成された接着層は、インクリボンの剥離層が転写したものである。
受容層を形成する樹脂材料として、100℃のガラス転移温度を有するアクリル系樹脂と80℃のガラス転移温度を有するアクリル系・塩酢ビ系混合樹脂とを混合して得られた90℃のガラス転移温度を有する混合樹脂を用い、0.5μmの厚さで塗工して受容層を形成した以外は、実施例1と同様にして、印刷用転写箔2を作製した。
受容層用インキ2の組成
・アクリル系樹脂(ガラス転移温度:100℃、大日精化(株)製、DNP−HS1):
90重量部
・アクリル系・塩酢ビ系混合樹脂(ガラス転移温度:80℃、大日精化(株)製、TM−A1HS): 10重量部
受容層を形成する樹脂材料として、100℃のガラス転移温度を有するアクリル系樹脂を用い、5μmの厚さで塗工して受容層を形成した以外は、実施例1と同様にして、印刷用透明転写箔3を作製した。
受容層用インキ3の組成
・アクリル系樹脂(ガラス転移温度:100℃、大日精化(株)製、DNP−HS1):
100重量部
受容層を形成する樹脂材料として、80℃のガラス転移温度を有するアクリル系・塩酢ビ系混合樹脂を用い、0.5μmの厚さで塗工して受容層を形成した以外は、実施例1と同様にして、印刷用透明転写箔4を作製した。
受容層用インキ4の組成
・アクリル系・塩酢ビ系混合樹脂(ガラス転移温度:80℃、大日精化(株)製、TM−A1HS): 100重量部
上記で作製したインモールド形成用転写箔1を、インモールド成形用金型内に挿入し、溶融樹脂を金型内に流し込んで(射出成形して)、インモールド成形を行い、加飾層を有する樹脂成形品を得た。得られた成形体について、射出成形時のゲート部分の形状(凹凸)、成形体表面の印画画像の歪み、流れ等の外観の観察を行った。同様に、上記で作製したインモールド形成用転写箔2〜4を用いて評価を行った。評価基準は下記の通りである。
評価基準
・○:外観上問題がなかった。
・△:わずかであるが、ゲート部分の印画画像の歪が認められた。
・×:ゲート部分の印画画像が消失し、下地である成形樹脂が露出していた。
20 基材シート
30 離型層
40 ハードコート層
50 アンカー層
60 受容層
70 印刷層
80 接着層
90 帯電防止層
110 転写層
120 剥離シート
210 インクリボン
220 基材
230 剥離層
240 インク層
250 接着層
260 帯電防止層
270 耐熱滑性層
310 インモールド成形用透明箔
Claims (13)
- 基材シートと、前記基材シートの一方の面上に、少なくとも、離型層と、受容層と、印刷層とをこの順に有する、インモールド成形用転写箔であって、
前記受容層が、アクリル系樹脂を含む樹脂材料により形成され、
前記樹脂材料が、90℃以上のガラス転移温度を有する、インモールド成形用転写箔。 - 前記受容層が、0.05〜3.0μmの厚さを有する、請求項1に記載のインモールド成形用転写箔。
- 前記印刷層が、インク層を有するインクリボンを用いた熱転写プリンターによって、前記インク層が転写して形成される、請求項1または2に記載のインモールド成形用転写箔。
- 前記インモールド成形用転写箔が、前記離型層と前記受容層との間に、ハードコート層と、アンカー層とをこの順にさらに有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインモールド成形用転写箔。
- 前記インモールド成形用転写箔が、前記印刷層上に、接着層をさらに有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインモールド成形用転写箔。
- 前記着色剤が、墨、白、シルバー、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーン、およびブルーからなる群から選択される少なくとも一つの色を呈する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインモールド成形用転写箔。
- インモールド成形により製造される樹脂成形体であって、
前記樹脂成形体が、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインモールド成形用転写箔によって加飾された加飾層を有する、樹脂成形体。 - 基材シートと、前記基材シートの一方の面上に、少なくとも、離型層と、受容層と、印刷層とをこの順に有する、インモールド成形用転写箔の製造方法であって、下記の工程(1)〜(3):
(1)基材シートと、前記基材シートの一方の面上に、少なくとも、離型層と、受容層とをこの順に有するインモールド成形用透明箔を用意する工程であって、前記受容層が、アクリル系樹脂を含む樹脂材料により形成され、前記樹脂材料が、90℃以上のガラス転移温度を有する、工程と、
(2)基材と、前記基材の一方の面上に、少なくとも、剥離層と、インク層とをこの順に有するインクリボンを用意する工程と、
(3)前記インモールド成形用透明箔の受容層上に、前記インクリボンを用いた熱転写プリンターによって、前記インク層を転写して、印刷層を形成する工程と
を含む、インモールド成形用転写箔の製造方法。 - 前記受容層が、0.05〜3.0μmの厚さを有する、請求項8に記載のインモールド成形用転写箔の製造方法。
- 前記インモールド成形用透明箔が、前記離型層と前記受容層との間に、ハードコート層と、アンカー層とをこの順にさらに有する、請求項8または9に記載のインモールド成形用転写箔の製造方法。
- 前記インモールド成形用転写箔が、前記印刷層上に、接着層をさらに有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載のインモールド成形用転写箔の製造方法。
- 前記着色剤が、墨、白、シルバー、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーン、およびブルーからなる群から選択される少なくとも一つの色を呈する、請求項8〜11のいずれか一項に記載のインモールド成形用転写箔の製造方法。
- 加飾層を有する樹脂成形体の製造方法であって、下記の工程(4)〜(7):
(4)請求項8〜12のいずれか一項に記載のインモールド成形用転写箔の製造方法により製造されたインモールド成形用転写箔を用意する工程と、
(5)インモールド成形用金型内に、前記インモールド成形用転写箔を挿入する工程と、
(6)前記金型内に溶融した射出樹脂を射出注入する工程と、
(7)前記インモールド成形用転写箔と、前記射出樹脂とを一体化させて、樹脂成形体の表面上に加飾層を形成する工程と
を含む、樹脂成形体の製造方法。
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