JP2012094670A - 電子部品 - Google Patents

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恵美 仁宮
Takashi Komatsu
敬 小松
Katsuhiko Igarashi
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Abstract

【課題】基板において発生する振動音の抑制効果を向上させることができる電子部品を提供する。
【解決手段】本発明のセラミックコンデンサ10は、セラミックコンデンサ素子11と、一対の接続端子12とを含み、セラミックコンデンサ素子11は、複数の誘電体層26と内部電極27とを有する誘電体素体21と、誘電体素体21の端面に設けられる一対の外部電極22とを有すると共に、接続端子12は、外部電極22に接続される電極接続部41と、基板13に接続され、誘電体素体21と対向するように設けられる外部接続部42と、誘電体素体21の下面と外部接続部42との間に隙間を有するように電極接続部41と外部接続部42とを接続する中間部43とを有し、接続端子12の損失係数が、10よりも大きく70以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路基板に実装される電子部品に関し、特に積層型のセラミックコンデンサに好適なものである。
ノート型パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話など各種携帯型の情報処理装置においては、電子部品として、コンデンサ、インダクタ、バリスタまたはこれらを複合した複合部品を回路基板に表面実装することにより、高密度に電子部品を搭載して回路基板全体の大きさの小型化が図られている。このような回路基板に搭載されるコンデンサとして、積層型のセラミックコンデンサが用いられている。
積層型のセラミックコンデンサは、誘電体と内部電極とが交互に積層されている。誘電体を形成するセラミック材料には、誘電率が比較的高いチタン酸バリウム等の強誘電体材料が一般的に用いられている。このような積層型のセラミックコンデンサに交流電圧を印加すると、誘電体を形成するセラミック材料は電歪現象を伴うので、電圧の変化に応じて各誘電体層の厚みが変化し、セラミックコンデンサのサイズが変化する。これにより、セラミックコンデンサは印加電圧の大きさに応じた機械的歪みを生じる。このため、セラミックコンデンサに交流電圧を印加すると、誘電体の電歪現象によりセラミックコンデンサが振動する。
この電歪現象によるセラミックコンデンサの振動は、セラミックコンデンサが実装されている基板に伝播する。この基板に伝わった振動により、基板が共鳴して振動が増幅され、基板において振動音(音鳴り)が発生する。すなわち、コンデンサの振動によって周囲の空気が振動して音が発生すると共に、基板に伝わった振動により基板も共鳴振動し、音が発生する。コンデンサの振動に起因して生じる音圧が大きくなることで振動音が可聴音として人間の耳に認識される。
また、セラミックコンデンサの振動は、誘電体の積層数が多く、電歪が大きいセラミック材料を用いている場合ほど、基板に伝わる振動が増幅され、基板の振動音が大きくなる傾向がある。特に、より大きな静電容量を得るため、複数のセラミックコンデンサを基板上に並列に接続した場合等には、複数のセラミックコンデンサが同じ周期で振動するため、基板に伝わる振動が増幅されるため、振動音がより発生し易くなる。
そこで、基板の振動音を低減するため、セラミックコンデンサ素子の端子電極に一対の接続端子を当接して設けた積層セラミックコンデンサが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1、2に記載の積層セラミックコンデンサによれば、接続端子が、セラミックコンデンサ素子を基板から浮かせて基板上に表面実装し、一対の接続端子の電極接続部とセラミックコンデンサ素子の端子電極との間に隙間を設けた構造とすることで、セラミックコンデンサ素子で発生した振動が基板に伝播するのを抑制し、セラミックコンデンサに起因して振動音が発生するのを抑制している。
特開2004−153121号公報 特開2005−64377号公報
ここで、従来の電子部品では、接続端子として金属板を用いて形成されているが、金属板は損失係数が小さいため、セラミックコンデンサ素子で発生した振動が基板に伝播するのを十分抑制できず、基板で発生する振動音を抑制する効果が小さかった、という問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、基板において発生する振動音の抑制効果を向上させることができる電子部品を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明者らは電子部品について鋭意研究をした。その結果、素子と基板とを接続する接続端子の損失係数を所定の範囲内にすることで、素子で発生した振動が基板に伝播するのを効率よく抑制でき、素子に起因して発生する振動音を抑制する効果を向上させることができることを見出した。本発明は、係る知見に基づいて完成されたものである。
本発明の電子部品は、複数の誘電体層と該誘電体層を介して設けられる内部電極とを有する誘電体素体と、該誘電体素体の端面に設けられる外部電極とを有する素子と、一対の接続端子とを含み、前記接続端子が、前記外部電極に接続される電極接続部と、基板に接続され、前記誘電体素体と対向するように設けられる外部接続部と、前記誘電体素体の下面と前記外部接続部との間に隙間を有するように前記電極接続部と前記外部接続部とを接続する中間部とを有し、前記接続端子の損失係数が、10よりも大きく70以下であることを特徴とする。
この構成によれば、接続端子の損失係数を、上記範囲内とすることで、素子で発生した振動が基板に伝播するのを抑制し、素子に起因して基板から発生する振動音を抑制する効果を向上させることができる。
本発明の好ましい態様として、前記外部接続部が、前記外部電極の端面に対して垂直に設けられる側面で接続されることが好ましい。これにより、素子に起因して基板から発生する振動音が基板に伝達するのを更に抑制することができる。
本発明の好ましい態様として、前記接続端子が、Mg、Ni、Feの何れか1つの金属と、Mg−Zr系、Al−Zn系、Ti−Ni系、Mn−Cu系の何れか1つの合金との少なくとも1つ以上で形成されることが好ましい。上記金属または合金は損失係数が高いため、接続端子として用いることで、素子に起因して基板から発生する振動音が基板に伝達するのを好適に抑制することができる。
本発明によれば、基板において発生する振動音の抑制効果を向上させることができる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係るセラミックコンデンサの斜視図である。 図2は、図1中のA−A断面図である。 図3は、図1中のB方向から見たときのセラミックコンデンサの側面図である。 図4は、従来の接続端子の寸法を示す説明図である。 図5は、セラミックコンデンサの他の構成を示す側面図である。 図6は、音圧の測定を行なう際に用いた試験装置の構成を簡略に示す図である。
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態という。)につき、詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態および実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態および実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態および実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
本発明の実施形態に係る電子部品であるセラミックコンデンサの好適な一実施形態を図1〜図3に示す。図1は、本発明の実施形態に係るセラミックコンデンサの斜視図であり、図2は、図1中のA−A断面図であり、図3は、図1中のB方向から見たときのセラミックコンデンサの側面図である。図1〜3に示すように、セラミックコンデンサ10は、セラミックコンデンサ素子11と一対の接続端子12とを含む。尚、本実施形態では、図1中のセラミックコンデンサ素子11の長さ方向をX、幅方向をY、厚さ方向をZとする。
セラミックコンデンサ10は、回路基板(以下、「基板」という。)13上に搭載されている。セラミックコンデンサ10は、1つのセラミックコンデンサ素子11により構成されているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、セラミックコンデンサ10は、セラミックコンデンサ素子11を複数積層して組み合わせてもよい。
基板13は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、PDAや携帯電話等の小型の処理装置に用いられる。この基板13のセラミックコンデンサ10が実装される表面には、基板電極14A、14Bが設けられている。基板電極14A、14Bからは配線15A、15Bが延びている。一対の接続端子12は、はんだ16によって基板電極14A、14Bに各々はんだ付けされる。
セラミックコンデンサ素子11は、誘電体素体21と、誘電体素体21の両端部に各々形成された一対の端子電極(外部電極)22とを有する。セラミックコンデンサ素子11は、積層型のセラミックコンデンサであり、両端面並びに、上面と下面と両側面とを含む四方側面を有する略直方体形状に形成される。
本実施形態において、「略直方体形状」とは、立方体形状や直方体形状のみならず、誘電体素体21のように、直方体の稜線部分に面取りが施されて、稜部がR形状となっている形状を含むことはいうまでもない。誘電体素体21はR形状とすることによって、誘電体素体21の稜部における破損の発生を抑制することができる。すなわち、誘電体素体21は、実質的に立方体形状又は直方体形状を有していればよい。
誘電体素体21は、互いに対向する端面23aおよび端面23b(以下、まとめて「端面23」という場合がある。)と、端面23に垂直で互いに対向する側面24aおよび側面24b(以下、まとめて「側面24」という場合がある。また、側面24a、側面24bは、各々、「上面」、「下面」という場合がある。)と、端面23に垂直で互いに対向する側面25aおよび側面25b(以下、まとめて「側面25」という場合がある。)とを有する。側面24と側面25とは互いに垂直である。
誘電体素体21は、複数の誘電体層26と、複数(例えば100層程度)の内部電極27とを有している。誘電体素体21は、複数の誘電体層26と複数の内部電極27とを交互に積層して形成されている。誘電体素体21は、セラミックグリーンシート(未焼成セラミックシート)を複数枚積層し、セラミックグリーンシートの間に内部電極27となる所定パターンの導電性ペーストを含む積層体を加熱圧着して一体化して、切断し、脱脂し、焼成することにより得られる略直方体状の焼結体である。誘電体層26と内部電極27との積層方向は、セラミックコンデンサ素子11の厚さ方向Zである。誘電体素体21は、両端面並びに、上面と下面と両側面とを含む四方側面を有する直方体形状に形成されており、誘電体素体21は、その大きさを、例えば、長さ方向X、幅方向Y、厚さ方向Zにそれぞれほぼ3.2mm、2.5mm、2.5mmとして形成される。なお、説明の都合上、図2では、誘電体層26および内部電極27の積層数を視認できる程度の数としているが、所望の電気特性に応じて、誘電体層26および内部電極27の積層数を適宜変更してもよい。積層数は、例えば、誘電体層26および内部電極27を、各々数十層としてもよく、100層から500層程度としてもよい。また、実際の誘電体素体21は、誘電体層26の層間を視認できない程度に一体化されていてもよい。
誘電体層26は、セラミックグリーンシートを焼成して得られるものである。誘電体層26を構成する誘電体材料は、特に限定されるものではなく、例えば、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム(BaTiO3)などが挙げられる。誘電体層26は、これら誘電体材料を1種又は2種類以上を複数混合して用いるようにしてもよい。誘電体層26は、高い誘電率の有する観点から、特に、誘電率の高い強誘電体材料としてBaTiO3で構成されることが好ましい。誘電体層26としてチタン酸バリウムなどを主成分として用いて構成された誘電体素体21は、誘電体としての機能を有し、電界が加えられると歪みが生じる。このため、セラミックコンデンサ素子11は、交流電圧が印加されると、交流電圧の大きさに応じた機械的歪みを生じ、この機械的歪みが振動となって基板13に伝播することで、基板13が振動し、この振動が可聴周波数帯域である場合、基板13の振動が、振動音として現れることになる。
内部電極27は、一端が誘電体素体21の端面23a、23bの何れかから露出し、一方の外部電極22に接続され、他端は開放端になっており、他方の外部電極22とは絶縁されている。対向する一対の外部電極22に各々接続している内部電極27同士が誘電体層26を介して交互に対向し、所定間隔を持って複数積層されている。
内部電極27を構成する材料としては、積層型のセラミック電子部品の内部電極として通常用いられる導電性材料であれば用いることができ、例えば、Pd、Ag、Niを主成分とする導電性材料を含んだものなどが用いられる。
外部電極22は、誘電体素体21の端面23a、23bと、側面24、25の端面23a、23b側の一部を覆うように設けられている。外部電極22は、誘電体素体21の端面23a、23bで内部電極27と接続している。外部電極22は、電子部品の外部電極として通常用いられる導電性材料であれば用いることができ、例えば、Cuを主成分として含有するものが用いられる。外部電極22は、Cu粉末を含有する導電性ペーストを誘電体素体21の端面23a、23bに塗布して焼き付けることによって形成されている。外部電極22を構成する金属成分としては、Cu以外に、Ag、Pd、Ni、Snなどを導電性材料として含んでもよい。また、外部電極22は、複数の金属電極層で構成されていてもよく、例えば、Cuを主成分とした下地電極に、Niめっき層、Snめっき層を形成するようにしてもよい。
セラミックコンデンサ10は、セラミックコンデンサ素子11の一対の外部電極22に電圧が印加されることで、セラミックコンデンサ素子11に電荷が蓄積される。
接続端子12は、基板電極14A、14Bと一対の外部電極22とをそれぞれ接続するように一対設けられている。接続端子12は、一対の外部電極22とはんだ28ではんだ付けにより接続されている。
本実施形態では、接続端子12は、金属部材で構成され、電極接続部41と、外部接続部42と、中間部43とを有する。具体的には、電極接続部41は、セラミックコンデンサ素子11の長さ方向Xに誘電体素体21の側面25a、25bの外部電極22と接続している。外部接続部42は、誘電体素体21と対向するように基板電極14A、14Bに設けられ、基板電極14A、14Bとはんだ16により接続されている。中間部43は、誘電体素体21の下面(側面24b)と基板13との間に隙間を有するように電極接続部41と外部接続部42との間に設けられている。また、図3に示すように、接続端子12は、外部接続部42と誘電体素体21の下面(側面24b)との間に隙間を有するように誘電体素体21の設けられている側に折り曲げて形成されている。
セラミックコンデンサ素子11の一対の外部電極22に電圧が印加されることで、誘電体素体21に振動が発生するが、誘電体素体21で発生した振動が基板13に伝達するのを抑制するためには、接続端子12において誘電体素体21で発生した振動が基板13に伝達するのを抑制する必要がある。接続端子12において誘電体素体21で発生した振動が基板13に伝達するのを抑制するためには、接続端子12のばね定数Kを小さくする必要がある。
図4は、従来の接続端子の寸法を示す説明図である。図4に示す接続端子は、従来から用いられている一般的な接続端子である。図4中、接続端子31の厚さをt、幅をb、基板32の基板電極33から接続端子31とセラミックコンデンサ素子11の外部電極22とを接続するはんだ28の基板面34側までの距離(接続端子取付長さ)をLとする。このとき、接続端子31のばね定数Kは、下記式(1)で表すことができる。下記式(1)中のEは、接続端子31のヤング率である。
Figure 2012094670
図3に示す本実施形態の接続端子12の上記式(1)における長さLは、中間部43と中間部43から電極接続部41のはんだ28の上面側までの距離に対応し、図4に示すような従来の接続端子31の上記式(1)における長さLよりも長くすることができる。このため、接続端子12のばね定数Kを小さくすることができ、セラミックコンデンサ素子11で発生した振動が基板13に伝播するのを抑制することができる。
また、接続端子12のばね定数Kが小さいほど、誘電体素体21の電歪に起因して発生する振動が基板13に伝達されるのを抑制し、振動音の発生を抑制する効果を高くすることができる。接続端子12は、セラミックコンデンサ素子11の外部電極22と基板13の基板電極14とを電気的に接続するものであるため、導電性が必要である。導電性を有する材料としては金属材料があるが、金属材料は一般にヤング率が高い。このため、板状の金属材料を折り曲げて成型したのみでは、接続端子12のばね定数Kを小さくすることには限界がある。
本実施形態では、接続端子12は、損失係数が10よりも大きく70以下である金属または複数の金属で構成される合金を用いて構成される。損失係数が、10よりも大きく70以下である金属または合金としては、例えば、Mg、Ni、Feなどの金属や、Mg−Zr系、Al−Zn系、Ti−Ni系、Mn−Cu系などの合金が挙げられる。これら単独または1種類以上を混合して用いてもよい。例えば、上記金属と上記合金を混合する場合の合金として、Mg−Al−Zn系、Mg−Ti−Ni系、Mg−Mn−Cu系、Ni−Mg−Zr系、Ni−Al−Zn系、Ni−Mn−Cu系、Fe−Mg−Zr系、Fe−Al−Zn系、Fe−Ti−Ni系、Fe−Mn−Cu系合金が挙げられる。また、Mg−Zr系合金を用いる場合、その組成比は1対0.5から1対0.7の範囲が好ましく、Al−Zn系合金やTi−Ni系合金を用いる場合、その組成比は1対0.8から1対1.2の範囲が好ましく、Mn−Cu系として、例えばMn−Cu−Al−Fe−Ni系合金を用いる場合、その組成比は1対35対4.0対2.5対1.0から1対40対4.5対3.5対2.0の範囲が好ましく、1対37対4.25対3対1.5程度がより好ましい。
ここで、損失係数とは、接続端子12などを形成する金属材料や合金材料、ゴム材料などのように制振材料の減衰特性の評価指標である。例えば制振材料に正弦的荷重を与えたとき、制振材料の変形も正弦的に変化するが、荷重と変形との間で位相がδずれる。これは制振材料が粘弾性を有するからであり、制振材料が粘弾性を有することによって荷重を与えた時に変形の応答が遅れるためである。制振材料が粘弾性が大きいほどこの位相のずれδが大きくなる。一般的にこの位相差δの正接をとったtanδを損失係数という。すなわち、接続端子12となる金属材料に周期的に金属材料の弾性が生じる領域で金属材料の長さ方向に伸縮させて歪を負荷し、そのときの金属材料の反発力と引張力との応答から金属材料の弾性成分E’と塑性成分E’’を測定した際、損失係数は、弾性成分E’に対する塑性成分E’’の比(塑性成分E’’/弾性成分E’)として表される。損失係数が大きい材料ほど、粘性が大きいことを意味するため、誘電体素体21で発生した振動が基板32に伝達されるのを抑制することになる。湿度や測定周波数などにもよるが、例えば、室温(25℃程度)状態であって1Hz以上100Hz以下の周波数帯域におけるポリイミドフィルムの損失係数は1.0程度であり、銅の損失係数は0.1程度であり、ポリイミドとCuとを2層構造としたときの損失係数は、0.5程度である。
損失係数が10よりも大きく70以下のように、損失係数が大きい金属または複数の金属で構成される合金を用いて接続端子12を形成することにより、上記式(1)のヤング率Eを小さくすることができるため、接続端子12のばね定数Kを小さくできる。このため、セラミックコンデンサ素子11で発生した振動が、セラミックコンデンサ素子11から基板13に伝播される際、接続端子12でセラミックコンデンサ素子11で発生した振動を吸収することで、セラミックコンデンサ素子11で発生した振動が基板13に伝播するのを抑制することができる。セラミックコンデンサ素子11で発生した振動が基板13に伝播されるのを抑制することで、基板13で発生する振動音を抑制することができる。なお、振動音の大きさは、例えば後述する集音マイクを介して測定される音圧から求められる。
セラミックコンデンサ素子11の外部電極22と接続端子12の電極接続部41との間は、はんだ28ではんだ付けにより接続されているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、導電性接着剤などを用いて外部電極22と接続端子12の電極接続部41とを接続するようにしてもよい。はんだ28または導電性接着剤により外部電極22と接続端子12との間を接続することで、外部電極22と接続端子12との間の導電性を確保しつつ安定して接続できる。このため、セラミックコンデンサ素子11の外部電極22と接続端子12の電極接続部41との間を、はんだ28または導電性接着剤で接続してもセラミックコンデンサ素子11で発生した振動を接続端子12で吸収する際の妨げとならず、外部電極22と接続端子12との接続を維持しつつ、接続端子12で振動が基板13に伝播するのを安定して抑制することができる。
接続端子12の電極接続部41と外部接続部42と中間部43との幅は、各々同じ幅A1であり、セラミックコンデンサ素子11の長さ方向Xであって誘電体素体21の側面25a、25bに設けられている外部電極22の幅Wと対応しているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。接続端子12がセラミックコンデンサ10を保持しつつ、接続端子12とセラミックコンデンサ素子11との接続を維持し、誘電体素体21で発生した振動が基板13に伝播するのを抑制する効果が得られる範囲内であれば、電極接続部41と外部接続部42と中間部43との各々の幅A1は異なるようにしてもよい。また、接続端子12がセラミックコンデンサ10を保持しつつ、セラミックコンデンサ素子11で発生した振動が基板13に伝播するのを十分抑制できる範囲内であれば、中間部43と中間部43から電極接続部41のはんだ28の上面側までの上記式(1)における幅bに対応する幅A1は、外部電極22の幅Wより広くてもよいし、狭くしてもよい。
接続端子12の厚さA2は、80μm以上120μm以下であることが好ましく、90μm以上110μm以下であることがより好ましい。接続端子12の厚さA2を80μm以上とすることで、接続端子12がセラミックコンデンサ10を保持するのに十分な強度を保つことができる。また、接続端子12の厚さを120μm以下とすることで、セラミックコンデンサ素子11で発生した振動が基板13に伝播するのを十分抑制できる。
接続端子12は、外部接続部42を連結し、基板電極と接続するようにしているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、外部接続部42は分断し、図5に示すように、一対の外部接続部42−1、42−2を設けるようにしてもよい。これにより、金属端子を構成する外部接続部42−1、42−2に使用する材料を少なくすることができる。このため、費用の削減を図りつつ、環境負荷を低減することができる。また、電極接続部41を個別に端子電極22にはんだ付けできるので、接続端子12の取り付け角度の微調整を容易に行うことが可能となり、実装傾きを容易に制御することできる。
このように、本実施形態に係るセラミックコンデンサ10によれば、接続端子12を損失係数が10よりも大きく70以下である金属または合金で構成して、接続端子12のばね定数Kを小さくすることで、接続端子12によりセラミックコンデンサ10で発生した振動が基板13に伝播するのを効率よく抑制し、基板13で発生する振動音の抑制効果を向上させることができる。
また、複数のセラミックコンデンサ10を基板13に搭載した際、複数のセラミックコンデンサ10が同じ周期で振動することで基板13に伝わる振動が増幅されるため、振動音が共鳴することにより基板13から発生する振動音の大きさも増大するが、本実施形態に係るセラミックコンデンサ10によれば、接続端子12によりセラミックコンデンサ10で発生した振動が基板13に伝播するのを抑制できるため、複数のセラミックコンデンサ10を基板13に搭載しても、複数のセラミックコンデンサ10の振動が共鳴することにより基板13から発生する振動音の大きさが増大するのを抑制することができる。
以上、本実施形態では、電子部品の一例として積層型のセラミックコンデンサに適用した場合について説明したが、本発明に係る電子部品は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明に係るセラミック電子部品は、セラミック素体を有するセラミック電子部品であれば、例えば圧電振動子、インダクタ、バリスタ、サーミスタ等の電子部品にも適用可能である。
本実施形態に係る発明の内容を実施例および比較例を用いて以下に詳細に説明するが、本実施形態に係る発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜6、比較例1>
[セラミックコンデンサの作製]
セラミックコンデンサ素子は、図1中、長さ方向Xにおける長さが、3.2mmであり、幅方向Yにおける長さが、2.5mmであり、厚さ方向Zにおける長さが、2.5mmである。実施例1〜6および比較例1で用いられる接続端子を設けたセラミックコンデンサは、図1に示すセラミックコンデンサ10のように、セラミックコンデンサ素子11の長さ方向Xであって誘電体素体21の両側面25a、25bに接続端子12を外部電極22と接続するように一対設けたものである。実施例1〜6および比較例1で用いられる接続端子を構成する金属または合金の成分を表1に示す。なお、実施例1、2は、厚さの違うMg金属板を用意した。実施例3は、Mg−Zr系合金の組成比を1対0.6程度とし、実施例4は、Mn−Cu−Al−Fe−Ni系合金の組成比を1対37対4.25対3対1.5程度とし、実施例5は、Al−Zn系合金の組成比を6対4程度とし、実施例6は、Ti−Ni系合金の組成比を4対6程度とした。また、比較例はステンレス鋼としてSUS304を使用した。
[評価]
(振動音の大きさ(音圧)の測定)
各セラミックコンデンサを基板に搭載して交流電圧を印加した際に、基板から発生する振動音の大きさ(音圧)を測定した。図6は、音圧の測定を行なう際に用いた試験装置の構成を簡略に示す図である。図6に示すように、試験装置50は、無響箱51と、集音マイク(商品名:MI−1233、小野測器社製)52と、電源装置53と、FFTアナライザ(商品名:DS2100、小野測器社製)54とを備えている。そして、測定対象となるセラミックコンデンサ55は、基板56に設置された状態で、無響箱51内に設置される。セラミックコンデンサ55を設置した基板56は、その両端に正負一対の電極がそれぞれ設けられる。
無響箱51は、箱状に形成され、その内壁に吸音材57が設けられている。吸音材57は、グラスウール等を用いており、その表面を波型等に形成することで、音波の接触面積を拡大させ、吸音効果を高めている。
電源装置53は、一対の配線58を介して、基板56の正負一対の電極にそれぞれ接続されており、基板56は、配線58に吊り下げられた状態で、セラミックコンデンサ55が無響箱51内の底面に対向するように、無響箱51の中央部分に配置される。電源装置53は、セラミックコンデンサ55へ向けて、周波数を1kHz〜10kHzとし、DCバイアス20Vとして、3Vp−pの交流電圧を印加した。
集音マイク52は、無響箱51内の底面に設けられ、無響箱51の中央部分に設置されたセラミックコンデンサ55と所定距離を保つようにして配置される。FFTアナライザ54は、集音マイク52により集音された振動音の大きさ(音圧)を解析した。
試験装置50において、電源装置53が基板56へ向けて所定の交流電圧を印加すると、セラミックコンデンサ55で振動が発生し、セラミックコンデンサ55の振動が基板56に伝達され、基板56から振動音が発生する。この振動音を、集音マイク52を用いて集音し、集音した振動音を、FFTアナライザ54で解析することで、基板56から発生する振動音の大きさ(音圧)を測定した。
各セラミックコンデンサを設置した基板から発生した音圧の測定結果を表1に示す。尚、図1に示すセラミックコンデンサ10のように、セラミックコンデンサ素子11の幅方向Yであって誘電体素体21の両側面25に外部電極22と接続するように1対設け、損失係数が高い金属または合金で形成された実施例1〜6で用いられる接続端子を設けたセラミックコンデンサでは、比較例1のセラミックコンデンサを用いた場合に発生した音圧を基準とした。音圧は、比較例1のセラミックコンデンサを用いた場合に生じた振動音の音圧より低くできれば、音圧の抑制効果が良好であると判断した。
実施例1〜6および比較例1の各セラミックコンデンサを用いた時の音圧の測定結果を表1に示す。
Figure 2012094670
表1に示すように、実施例1〜6では、音圧を比較例1の音圧の値より低くできたことが確認された。比較例1で接続端子を形成するために用いられるステンレス鋼は、損失係数が1と低いのに対し、実施例1〜6で接続端子を形成するために用いられる金属または合金は、いずれも損失係数が40以上と高いことから、接続端子を形成するために用いられる金属または合金の損失係数が高いほど、上記式(1)のヤング率Eを小さくすることができ、接続端子12のばね定数Kを小さくできると考えられる。これにより、セラミックコンデンサ素子で発生した振動が基板に伝播するのを抑制する効果が得られる。
よって、セラミックコンデンサは、接続端子12として、損失係数が、10よりも大きく70以下である金属または複数の金属で構成される合金を用いることで、セラミックコンデンサ素子11で発生した振動が基板13に伝播するのを抑制することができることが判明した。
以上より、本実施形態に係る電子部品をセラミックコンデンサとして回路基板に搭載すれば、回路基板から発生する振動音の大きさを低減できる。また、複数のセラミックコンデンサを回路基板に搭載した際に複数のセラミックコンデンサの振動が共鳴することにより回路基板から発生する振動音の大きさも低減することが可能となる。したがって、本実施形態に係る電子部品は、回路基板に搭載される積層型のセラミックコンデンサとして用いる場合において有用であり、特に、セラミックコンデンサがノート型パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話等の各種情報処理装置等の回路基板に搭載されるセラミックコンデンサとして好適に用いることができる。
以上のように、本発明に係る電子部品は、回路基板に実装される積層型のセラミックコンデンサとして用いる場合において有用であり、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話等の各種情報処理装置等の回路基板に用いるのに適している。
10 セラミックコンデンサ
11 セラミックコンデンサ素子
12 接続端子
13 回路基板(基板)
14A、14B 基板電極
15A、15B 配線
16、28 はんだ
21 誘電体素体
22 外部電極(端子電極)
24、25 側面
26 誘電体層
27 内部電極
41 電極接続部
42 外部接続部
43 中間部

Claims (3)

  1. 複数の誘電体層と該誘電体層を介して設けられる内部電極とを有する誘電体素体と、該誘電体素体の端面に設けられる外部電極とを有する素子と、
    一対の接続端子とを含み、
    前記接続端子が、前記外部電極に接続される電極接続部と、基板に接続され、前記誘電体素体と対向するように設けられる外部接続部と、前記誘電体素体の下面と前記外部接続部との間に隙間を有するように前記電極接続部と前記外部接続部とを接続する中間部とを有し、
    前記接続端子の損失係数が、10よりも大きく70以下であることを特徴とする電子部品。
  2. 前記外部接続部が、前記外部電極の端面に対して垂直に設けられる側面で接続される請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記接続端子が、Mg、Ni、Feの何れか1つの金属と、Mg−Zr系、Al−Zn系、Ti−Ni系、Mn−Cu系の何れか1つの合金との少なくとも1つ以上で形成される請求項1または2に記載の電子部品。
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