JP2012093524A - 防眩フィルム、偏光板、画像表示装置、及び防眩フィルムの製造方法 - Google Patents

防眩フィルム、偏光板、画像表示装置、及び防眩フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面のざらつき感が抑制され、硬度に優れ、高コントラストでかつギラツキを抑えた防眩フィルムを提供すること。
【解決手段】透明プラスチックフィルム基材上Bに防眩層A3を有し、該防眩層が少なくとも下記成分(A)〜(C)を含有する硬化性組成物より形成され、(C)成分が少なくとも1種のホスフィンオキサイド系開始剤と、少なくとも1種のホスフィンオキサイド系以外の開始剤を含有する、防眩フィルム。(A)硬化性樹脂化合物(B)透光性樹脂粒子(C)2種以上の光重合開始剤
【選択図】図3

Description

本発明は、防眩フィルム、偏光板、画像表示装置、及び防眩フィルムの製造方法に関する。
透明プラスチックフィルム基材に防眩層を積層した防眩フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置において、表面散乱により、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、ディスプレイの表面に配置される。
フィルムに防眩性を持たせるにはフィルムの表面に凹凸を形成することで達成できる。しかし、防眩性を持たせるべく表面凹凸を増加させすぎると、フィルムが白っぽくなり、いわゆる黒締りが悪化する。近年、液晶ディスプレイがテレビの主流となり、この黒締りがより求められるようになってきた。よって、防眩性と黒締りの両立は防眩フィルムに求められる重要な性能となる。
また、防眩フィルムはディスプレイの表面に用いられることから、高い硬度が要求される。硬度を高くするには、防眩層の厚みを厚くすることや架橋度を上げることが有効であるが、これは防眩層が脆くなってしまう弊害も伴ってしまう。
防眩性を付与する方法としては、シリカ粒子や樹脂粒子などのフィラーを樹脂中に添加し、表面凹凸を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この場合、膜の厚みよりも粒子径の小さい粒子を用い、樹脂中で粒子を凝集させて表面凹凸を形成する方法が一般的である。粒子の凝集状態は樹脂の種類や粒子の組成だけでなく、塗膜にする際の微妙な乾燥条件にも左右されるため、所望の凝集状態に制御するのが難しく、黒締りの悪化を生じるという問題があった。
更に、前記シリカ粒子や樹脂粒子などのフィラーを利用して表面凹凸を形成した際、微細な凹凸が高密度で形成されてくると、防眩性が高まると同時に表面のざらつき感が目立つようになり、これも問題になっていた。また、高コントラスト化のため、樹脂バインダーと樹脂粒子の屈折率を近づけると、ギラツキが悪化してしまうという問題もあった。
また、特許文献3には硬化性化合物と表面硬化性開始剤と内部硬化性開始剤とを含む組成物を用いて硬度に優れたハードコート層を得ることが記載されている。しかしながら該特許文献3では表面のざらつき感やコントラストについては検討されていない。
特開平6−18706号公報 特開平10−20103号公報 特開2008−250265号公報
本発明は、表面のざらつき感が抑制され、硬度に優れ、高コントラストでかつギラツキを抑えた防眩フィルムを提供することを目的とする。更に、そのような防眩フィルムを用いた偏光板、及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下の手段により前記課題を解決した。
1.
透明プラスチックフィルム基材上に防眩層を有し、該防眩層が少なくとも下記成分(A)〜(C)を含有する硬化性組成物より形成され、(C)成分が少なくとも1種のホスフィンオキサイド系開始剤と、少なくとも1種のホスフィンオキサイド系以外の開始剤を含有する、防眩フィルム。
(A)硬化性樹脂化合物
(B)透光性樹脂粒子
(C)2種以上の光重合開始剤
2.
前記防眩層中の(C)成分である光重合開始剤のうち、ホスフィンオキサイド系開始剤の質量比率が20%以上95%以下である、上記1に記載の防眩フィルム。
3.
前記防眩層中の(B)成分である透光性樹脂粒子の粒径が3μm以上12μm以下であり、かつ透光性樹脂粒子の粒径に対する防眩層の膜厚の比が1.0以上3.0以下である、上記1に記載の防眩フィルム。
4.
前記防眩層中の(B)成分である透光性樹脂粒子の量が防眩層中の全固形分に対して3質量%以上20質量%以下である、上記1〜3のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
5.
前記防眩層中の(A)成分を硬化して得られた樹脂と(B)成分の屈折率差が0.01以下である、上記1〜4のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
6.
前記防眩層上に更に前記防眩層よりも屈折率が低い低屈折率層を有する、上記1〜5のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
7.
前記ホスフィンオキサイド系以外の開始剤が表面硬化性の光重合開始剤である、上記1〜6のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
8.
前記透明プラスチックフィルム基材がセルロースエステル系フィルムであり、かつ該セルロースエステル系フィルムの膜厚が30μm以上70μm以下である、上記1〜7のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
9.
上記1〜8のいずれか1項に記載の防眩フィルムを、偏光膜の保護フィルムの少なくとも一方に用いた偏光板。
10.
上記1〜8のいずれか1項に記載の防眩フィルムを、偏光膜の保護フィルムの一方に用い、光学異方性のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いた偏光板。
11.
上記1〜8のいずれか1項に記載の防眩フィルム、又は上記9若しくは10に記載の偏光板が画像表示面に配置された画像表示装置。
12.
少なくとも下記成分(A)〜(C)を含有し、(C)成分が少なくとも1種のホスフィンオキサイド系開始剤と、少なくとも1種のホスフィンオキサイド系以外の開始剤を含有する硬化性組成物を透明プラスチックフィルム基材上に塗布し、硬化させて、防眩層を形成する工程を有する、防眩フィルムの製造方法。
(A)硬化性樹脂化合物
(B)透光性樹脂粒子
(C)2種以上の光重合開始剤
本発明の防眩フィルムによれば、表面のざらつき感が抑制され、硬度に優れ、高コントラストでかつギラツキを抑えた防眩フィルムを提供することができる。
防眩層硬化前の防眩フィルムを示す断面図である。 表面硬化性光重合開始剤を用いて硬化した防眩層を有する防眩フィルムを示す断面図である。 内部硬化性光重合開始剤を用いて硬化した防眩層を有する防眩フィルムを示す断面図である。
以下、本発明について以下に詳細に述べる。
本発明の防眩フィルムは、透明プラスチックフィルム基材上に防眩層を有し、該防眩層が少なくとも下記成分(A)〜(C)を含有する硬化性組成物より形成され、(C)成分が少なくとも1種のホスフィンオキサイド系開始剤と、少なくとも1種のホスフィンオキサイド系以外の開始剤を含有する。
(A)硬化性樹脂化合物
(B)透光性樹脂粒子
(C)2種以上の光重合開始剤
本発明における防眩層は、光重合開始剤としてホスフィンオキサイド系開始剤を使用することで表面のざらつき感が抑制され、更に高コントラストと低ギラツキを達成できる。また、ホスフィンオキサイド系開始剤以外の光重合開始剤と併用することで、高コントラスト、低ギラツキを維持したまま高硬度を達成できる。
通常、微粒子を含んだ防眩フィルムにおいては、防眩性の発現と同時に、微細な凹凸に起因した表面のざらつき感が発生してしまう。またこの表面のざらつき感は膜表面の硬化性が高いときにより顕著になる傾向がある。本発明では内部硬化性を有するホスフィンオキサイド系開始剤を使用することで、相対的に膜表面の硬化性を抑え、内部の硬化性を高めることができるため、表面のざらつき感が発生しにくくなる。
図1は、硬化前の防眩層A1を有する防眩フィルム10を示す模式図である。防眩フィルム10は、透明プラスチックフィルム基材B上に塗布された透光性樹脂粒子1と硬化性樹脂化合物と光重合開始剤を含有する硬化性組成物2を有する。図2は、前記光重合開始剤としてホスフィンオキサイド系以外の(表面硬化性)開始剤のみを使用し、硬化性組成物3を硬化させて防眩層A2を形成した防眩フィルム20を示す模式図である。ホスフィンオキサイド系以外の開始剤が表面硬化性を有するため防眩層の表面から先に硬化が進むことで図2のような表面形状を形成する。図2のような表面凹凸形状を有する防眩フィルム20は防眩層A2が全体的に光の散乱を示し、表面のざらつき感が生じてしまう。図3は、前記光重合開始剤としてホスフィンオキサイド系開始剤(内部硬化性開始剤)のみを使用し、硬化性組成物4を硬化させて防眩層A3を形成した防眩フィルム30を示す模式図である。ホスフィンオキサイド系開始剤のみ使用した場合は、表面硬化性の開始剤に対して相対的に防眩層の内部から硬化が進むことで図3のような表面形状を形成する。図3のような表面凹凸形状を有する防眩フィルム30は、透光性粒子が存在する部分で光の散乱が起き、透光性粒子が存在しない部分では光の散乱が起きにくい。そのため表面のざらつき感が生じにくい。ただし、ホスフィンオキサイド系開始剤のみ使用して防眩層を硬化させた場合は表面の硬度が劣ってしまう。
本発明における防眩層は、光重合開始剤としてホスフィンオキサイド系開始剤とホスフィンオキサイド系開始剤以外の光重合開始剤と併用することで、表面のざらつき感と硬度を両立させることができた。なお、本発明の防眩フィルムは図3と同様の表面凹凸形状を有している。
また驚くべきことに本発明によればギラツキも良化されるため、高コントラスト化のため内部散乱を低下させた場合もギラツキの悪化を抑えることができる。
(1)硬化性樹脂化合物
本発明における防眩層を形成するための硬化性組成物は少なくとも1種の硬化性樹脂化合物を含有する。該硬化性樹脂化合物は硬化後に透光性樹脂となりバインダーのはたらきをすることが好ましい。
防眩層を構成するマトリックスを形成する樹脂バインダーとしては、電離放射線等による硬化後に飽和炭化水素鎖を主鎖として有する透光性ポリマー(バインダーポリマーともいう)であることが好ましい。また、硬化後の主たるバインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。
硬化後に飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、下記に述べるエチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。
飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。防眩層を高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
防眩層を形成するための硬化性樹脂化合物に用いられる2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル{例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート}、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、(メタ)アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類は市販されているものを用いることもでき、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA、同PET−30、新中村化学工業(株)NKエステル A−TMMT、同A−TMPT等を挙げることができる。硬化収縮を低減してカールを抑制する観点からはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、カプロラクトン付加して架橋点間距離を広げることが好ましく、例えば、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパントリアクリレート(例えば大阪有機化学社製ビスコートV#360)、グリセリンプロピレンオキサイド付加トリアクリレート(例えば大阪有機化学社製V#GPT)、カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(例えば日本化薬製DPCA−20、120)などが好ましく用いられる。2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーは2種以上併用することも好ましい。
更に、硬化性樹脂化合物としては、2個以上のエチレン性不飽和基を有する樹脂、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂及び多価アルコール等の、多官能化合物などのオリゴマー又はプレポリマー等も挙げられる。これらのオリゴマー又はプレポリマーは2種以上併用してもよい。
2個以上のエチレン性不飽和基を有する樹脂はバインダー全量に対して10〜100質量%含有することが好ましい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤、樹脂粒子、分散溶媒、必要に応じて無機フィラー、塗布助剤、その他の添加剤等を含有する塗布液を調製し、該塗布液を透明基材上に塗布後、電離放射線又は熱による重合反応により硬化して防眩層を形成する。電離放射線硬化と熱硬化を合わせて行うことも好ましい。光及び熱重合開始剤としては市販の化合物を利用することができる。なお、本発明においては前述のとおり2種以上の光重合開始剤を用い、少なくとも1種がホスフィンオキサイド系開始剤であり、かつ少なくとも1種がホスフィンオキサイド系以外の開始剤である。
本発明において用いられる硬化性樹脂化合物は1種でも2種以上でもよい。硬化性樹脂化合物の含有量は、防眩層の膜強度の観点から、防眩層を形成するための硬化性組成物の全固形分に対して60〜99質量%が好ましく、70〜97質量%がより好ましく、80〜95質量%が更に好ましい。
本発明において、透光性粒子を除く防眩層の屈折率は1.46〜1.65であることが好ましく、1.49〜1.60であることがより好ましく、1.49〜1.53であることが特に好ましい。屈折率をこの範囲にすることで、塗布ムラ、干渉ムラを目立ちにくくし、硬度の高い防眩層を得ることができる。
ここで、該透光性粒子を除く防眩層の膜の屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。
防眩層の厚さは3μm〜36μmであることが好ましく、より好ましくは6μm〜20μmであり、更に好ましくは9μm〜15μmである。
防眩層の膜厚は、例えば、防眩層の断面を走査型電子顕微鏡で観察し基材からの法線方向の厚みの平均値で表すことができる。
(2)透光性樹脂粒子
本発明における防眩層を形成するための硬化性組成物は少なくとも1種の透光性樹脂粒子を含有する。
本発明の防眩層における表面凹凸形状を作るためには、透光性粒子の平均粒径に対する防眩層の膜厚の比(防眩層の膜厚/透光性粒子の平均粒径)を1.0〜3.0に設計することが好ましく、より好ましくは1.3〜2.7、最も好ましくは1.5〜2.5である。この比率が1.0以上であると、膜表面の凹凸が大きくなりすぎず、黒締りや点欠陥の観点で優れる。一方、3.0以下であると、所望の防眩性を達成するために多量の粒子を添加する必要がなく、膜の硬度の観点で優れる。
本発明の防眩層における表面凹凸形状は算術平均粗さRaを0.01〜0.25に設計することが好ましく、より好ましくは、0.01〜0.20、最も好ましくは0.01〜0.15である。Raの値が0.01以上であると、明確な防眩性が得られ、一方、Raの値が0.25以下であると、高い黒締まりを示す。
また、透光性粒子の平均粒径は3μm〜12μmが好ましく、より好ましくは4μm〜11μm、最も好ましくは5〜10μmである。本発明においては、平均粒径は一次粒径を示す。平均粒径3μm以上であれば、表面凹凸形状を有する防眩層を形成する場合に防眩層の厚みを適度に厚くすることができ、膜硬度が向上する。また、平均粒径12μm以下の粒子であれば所望の表面形状を形成しようとする場合、防眩層の厚みを厚くしすぎる必要がなく、カールや脆性の低下を抑制できる。
表面凹凸形状を、本発明の特定の範囲に調整する手段として、平均粒径が互いに異なる2種以上の粒子を使用することや、屈折率が互いに異なる2種以上の粒子を使用することも好ましい。
透光性粒子の粒子径の測定方法は、粒子の粒子径を測る測定方法であれば、任意の測定方法が適用できるが、粒子の粒度分布をコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算して得られた粒子分布から算出する方法や、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とする方法がある。
なお、本発明において平均粒子径はコールターカウンター法によって得られた値を用いる。
光性粒子の屈折率は、ヨウ化メチレン、1,2−ジブロモプロパン、n−ヘキサンから選ばれる任意の屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
透光性樹脂粒子はまた、バインダーとの屈折率差を制御することで内部散乱性を付与することができる。但し、屈折率差を大きくしすぎるとコントラストの低下を伴ってしまうため、透光性粒子を除く防眩層の屈折率との差を0.050以下に設計することが好ましく、更に好ましくは0.020以下であり、最も好ましいのは0.010以下である。この領域内に設計することで、高いコントラストを得ることが出来る。なお、本発明において2種以上の透光性樹脂粒子を用いる場合、屈折率は同じであっても、異なっていても良い。
透光性樹脂粒子の具体例としては、例えば架橋ポリメチルメタアクリレート粒子、架橋メチルメタアクリレート−スチレン共重合体粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋メチルメタアクリレート−メチルアクリレート共重合粒子、架橋アクリレート−スチレン共重合粒子、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子等の樹脂粒子が挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋ポリメチルメタアクリレート粒子、架橋メチルメタアクリレート−スチレン共重合体粒子等が好ましい。更にはこれらの樹脂粒子の表面にフッ素原子、シリコン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、燐酸基等を含む化合物を化学結合させた表面修飾粒子やシリカやジルコニアなどのナノサイズの無機微粒子を表面に結合した粒子も例に挙げられる。
本発明において用いられる透光性樹脂粒子は1種でも2種以上でもよい。透光性樹脂粒子の含有量は、防眩性付与と高い黒締まりの観点から、防眩層の全固形分に対して3〜20質量%が好ましく、5〜18質量%がより好ましく、7〜15質量%が更に好ましい。
(3)光重合開始剤
本発明における防眩層を形成するための硬化性組成物は2種以上の光重合開始剤を含有する。本発明においては該2種以上の光重合開始剤のうち、少なくとも1種がホスフィンオキサイド系開始剤であり、かつ少なくとも1種がホスフィンオキサイド系以外の開始剤である。
(ホスフィンオキサイド系光重合開始剤)
本発明におけるホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、光吸収時にn−π*遷移を起こし、フォトブリーチング効果を持つものが好ましく、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドが好ましく挙げられる。
市販されているホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、BASF製のイルガキュア819、DAROCUR TPOなどが好ましく挙げられる。
本発明において用いられるホスフィンオキサイド系光重合開始剤は1種でも2種以上でもよい。
(ホスフィンオキサイド系以外の光重合開始剤)
本発明におけるホスフィンオキサイド系以外の光重合開始剤としては、表面硬化性の光重合開始剤であることが好ましい。ホスフィンオキサイド系以外の光重合開始剤としては、具体的にはアセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
前記アセトフェノン類の例には、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−ジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−ジメチル−p−イソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、が含まれる。
前記ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、3,3’、4、4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが含まれる。
前記ボレート塩としては、例えば、特許第2764769号、特開2002−116539号等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19〜22頁,1998年,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩が挙げられる。例えば、前記特開2002−116539号明細書の段落番号[0022]〜[0027]記載の化合物が挙げられる。
また、その他の有機ホウ素化合物としては、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、及び特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられ、具体例にはカチオン性色素とのイオンコンプレックス類が挙げられる。
前記活性エステル類の例には、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、スルホン酸エステル類、環状活性エステル化合物などが含まれる。
具体的には、特開2000−80068号公報記載の実施例記載化合物1〜21が特に好ましい。
また、オニウム塩類の例には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
前記活性ハロゲン類としては、具体的には、若林 等の“Bull Chem.Soc Japan”42巻、2924頁(1969年)、米国特許第3,905,815号明細書、特開平5−27830号、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1巻(3号),(1970年)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:s−トリアジン化合物が挙げられる。
より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、BASF製のイルガキュア(651,184,500,907,369,1173,1870,2959,4265,4263,127など)、DAROCUR(1173)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
本発明において用いられるホスフィンオキサイド系以外の光重合開始剤は1種でも2種以上でもよい。
本発明において用いられる光重合開始剤の含有量は、高い膜硬度を達成するための観点から、防眩層を形成するための硬化性組成物における硬化性樹脂化合物100質量部に対して、総量として0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲で使用することがより好ましく、1〜6質量部の範囲で使用することが最も好ましい。
また、光重合開始剤のうち、ホスフィンオキサイド系開始剤の比率は、面のざらつき感と、高い膜硬度の両立の観点から、光重合開始剤総量に対して20質量%〜95質量%の範囲で使用することが好ましく、30質量%〜90質量%の範囲で使用することがより好ましく、40質量%〜85質量%の範囲で使用することが最も好ましい。
(4)有機高分子増粘剤
本発明における防眩層を形成するための硬化性組成物は、有機高分子増粘剤を含むことができる。
ここでいう増粘剤とは、それを添加することにより液の粘度が増大するものを意味し、添加することにより塗布液の粘度が上昇する大きさとして好ましくは0.05〜50cPであり、更に好ましくは0.10〜20cPであり、最も好ましくは0.10〜10cPである。
本発明では有機高分子増粘剤としてセルロースエステルが好ましい。中でも、セルロースアセテートブチレートが特に好ましい。有機高分子増粘剤の例としては以下のものが挙げられる。
ポリ−ε−カプロラクトン
ポリ−ε−カプロラクトン ジオール
ポリ−ε−カプロラクトン トリオール
ポリビニルアセテート
ポリ(エチレン アジペート)
ポリ(1,4−ブチレン アジペート)
ポリ(1,4−ブチレン グルタレート)
ポリ(1,4−ブチレン スクシネート)
ポリ(1,4−ブチレン テレフタレート)
ポリ(エチレンテレフタレート)
ポリ(2−メチル−1,3−プロピレンアジペート)
ポリ(2−メチル−1,3−プロピレン グルタレート)
ポリ(ネオペンチルグリコールアジペート)
ポリ(ネオペンチルグリコール セバケート)
ポリ(1,3−プロピレンアジペート)
ポリ(1,3−プロピレン グルタレート)
ポリビニルブチラール
ポリビニルホルマール
ポリビニルアセタール
ポリビニルプロパナール
ポリビニルヘキサナール
ポリビニルピロリドン
ポリアクリル酸エステル
ポリメタクリル酸エステル
セルロースアセテート
セルロースプロピオネート
セルロースアセテートブチレート
有機高分子増粘剤の分子量は数平均分子量で0.3万〜40万が好ましく、0.4万〜30万がより好ましく、0.5万〜20万が特に好ましい。
有機高分子増粘剤の添加量は防眩層を形成するための硬化性組成物の全固形分に対して0.5〜10質量%が好ましく、1.0〜7.0質量%がより好ましく、2.0〜5.0質量%が特に好ましい。
(5)界面活性剤
本発明における防眩層を形成するための硬化性組成物には、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、あるいはその両者を含有することが好ましい。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いることができる。面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることができる。
フッ素系の界面活性剤の好ましい例としては、フルオロ脂肪族基含有共重合体( 「フッ素系ポリマー」と略記することもある) が挙げられ、該フッ素系ポリマーは、下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位を含む、あるいは(i)のモノマーに相当する繰り返し単位と更に下記(ii)のモノマーに相当する繰り返し単位とを含む、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体が有用である。
(i)下記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
一般式(1)
Figure 2012093524
一般式(1)においてR11は水素原子又はメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子又は−N(R12)−を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。R12は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。Xは酸素原子が好ましい。
(ii)前記(i)と共重合可能な下記一般式(2)で示されるモノマー
一般式(2)
Figure 2012093524
一般式(2)において、R13は水素原子又はメチル基を表し、Yは酸素原子、イオウ原子又は−N(R15)−を表し、R15は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。Yは酸素原子、−N(H)−、及び−N(CH)−が好ましい。R14は置換基を有しても良い炭素数4以上20以下の直鎖、分岐又は環状のアルキル基を表す。R14のアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。炭素数4以上20以下の直鎖、分岐又は環状のアルキル基としては、直鎖及び分岐してもよいブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基、等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
本発明で用いられるフッ素系ポリマーに用いられるこれらの一般式(1)で示されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該フッ素系ポリマーの各単量体に基づいて10モル%以上であり、好ましくは15〜70モル%であり、より好ましくは20〜60モル%の範囲である。
本発明で用いられるフッ素系ポリマーの好ましい質量平均分子量は、3000〜100,000が好ましく、5,000〜80,000がより好ましい。 更に、本発明で用いられるフッ素系ポリマーの好ましい添加量は、塗布液100質量部に対して0.001〜5質量部の範囲であり、更に好ましくは0.005〜3質量部の範囲であり、より好ましくは0.01〜1質量部の範囲である。フッ素系ポリマーの添加量が0.001質量部以上であればフッ素系ポリマーを添加した効果が充分得られ、また5質量部以下であれば、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、塗膜としての性能(例えば反射率、耐擦傷性) に悪影響を及ぼしたり、といった問題が生じない。
(6)溶剤
本発明のフィルムの各層を形成するための塗布組成物に用いられる溶剤としては、各成分を溶解又は分散可能であること、塗布工程、乾燥工程において均一な面状となり易いこと、液保存性が確保できること、適度な飽和蒸気圧を有すること、等の観点で選ばれる各種の溶剤が使用できる。
溶媒は2種類以上のものを混合して用いることができる。特に、乾燥負荷の観点から、常圧室温における沸点が100℃以下の溶剤を主成分とし、乾燥速度の調整のために沸点が100℃以上の溶剤を少量含有することが好ましい。
沸点が100℃以下の溶剤としては、例えば、ヘキサン(沸点68.7℃)、ヘプタン(98.4℃)、シクロヘキサン(80.7℃)、ベンゼン(80.1℃)などの炭化水素類、ジクロロメタン(39.8℃)、クロロホルム(61.2℃)、四塩化炭素(76.8℃)、1,2−ジクロロエタン(83.5℃)、トリクロロエチレン(87.2℃)などのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル(34.6℃)、ジイソプロピルエーテル(68.5℃)、ジプロピルエーテル(90.5℃)、テトラヒドロフラン(66℃)などのエーテル類、ギ酸エチル(54.2℃)、酢酸メチル(57.8℃)、酢酸エチル(77.1℃)、酢酸イソプロピル(89℃)などのエステル類、アセトン(56.1℃)、2−ブタノン(メチルエチルケトンと同じ、79.6℃)などのケトン類、メタノール(64.5℃)、エタノール(78.3℃)、2−プロパノール(82.4℃)、1−プロパノール(97.2℃)などのアルコール類、アセトニトリル(81.6℃)、プロピオニトリル(97.4℃)などのシアノ化合物類、二硫化炭素(46.2℃)などがある。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好ましくはケトン類である。ケトン類の中では2−ブタノンが特に好ましい。
沸点が100℃を以上の溶剤としては、例えば、オクタン(125.7℃)、トルエン(110.6℃)、キシレン(138℃)、テトラクロロエチレン(121.2℃)、クロロベンゼン(131.7℃)、ジオキサン(101.3℃)、ジブチルエーテル(142.4℃)、酢酸イソブチル(118℃)、シクロヘキサノン(155.7℃)、2−メチル−4−ペンタノン(MIBKと同じ、115.9℃)、1−ブタノール(117.7℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(153℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(166℃)、ジメチルスルホキシド(189℃)などがある。好ましくは、シクロヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノンである。
(7)無機フィラー
本発明の防眩層には、上記の透光性粒子に加えて、屈折率の調整、膜強度の調整、硬化収縮減少、更に低屈折率層を設けた場合の反射率低減の目的に応じて、無機フィラー使用することもできる。例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する酸化物からなり、一次粒子の平均粒子径が、一般に0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下1nm以上である微細な高屈折率無機フィラーを含有することも好ましい。
透光性粒子との屈折率差を調整するために、マトリックスの屈折率を低くする必要が生じた場合は、無機フィラーとして、シリカ微粒子、中空シリカ微粒子等の微細な低屈折率無機フィラーを用いることができる。好ましい粒径は、前記の微細な高屈折率無機フィラーと同じである。
無機フィラーは、表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
無機フィラーの添加量は、防眩層の全質量の10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80質量%であり、特に好ましくは30〜75質量%である。
なお、無機フィラーは、粒径が光の波長よりも十分短いために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質の性質を有する。
(8)低屈折率層
本発明では、防眩層の上に低屈折率層を形成することもできる。低屈折率層は防眩層よりも低い屈折率を有し、厚さは50〜200nmであることが好ましく、70〜150nmであることが更に好ましく、80〜120nmであることが最も好ましい。
低屈折率層の屈折率は、直下の層の屈折率より低く、1.20〜1.55であることが好ましく、1.25〜1.46であることがより好ましく、1.30〜1.40であることが特に好ましい。低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることが更に好ましい。低屈折率層は低屈折率層形成用の硬化性組成物を硬化して得ることが好ましい。
好ましい低屈折率層の硬化性物組成の態様としては、
(1)架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物を含有する組成物、
(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物を主成分とする組成物、
(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと無機微粒子(特に中空構造を有する無機微粒子が好ましい。)を含有する組成物、
などが挙げられる。
(1)及び(2)に関しても、無機微粒子を含有することが好ましく、更に屈折率の低い中空構造を有する無機微粒子用いると、低屈折率化や無機微粒子添加量と屈折率の調整などの観点で特に好ましい。
(1)架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物
架橋性又は重合性の官能基を有する含フッ素化合物としては、含フッ素モノマーと架橋性又は重合性の官能基を有するモノマーの共重合体を挙げることができる。これら含フッ素ポリマーの具体例は、特開2003−222702号公報、特開2003−183322号公報等に記載されている。
上記のポリマーに対しては特開2000−17028号公報に記載のごとく適宜重合性不飽和基を有する硬化剤を併用してもよい。また、特開2002−145952号に記載のごとく含フッ素の多官能の重合性不飽和基を有する化合物との併用も好ましい。多官能の重合性不飽和基を有する化合物の例としては、上記の2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを挙げることができる。また、特開2004−170901号公報に記載のオルガノランの加水分解縮合物も好ましく、特に(メタ)アクリロイル基を含有するオルガノシランの加水分解縮合物が好ましい。これら化合物は、特にポリマー本体に重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合に耐擦傷性改良に対する併用効果が大きく好ましい。
ポリマー自身が単独で十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができる。例えばポリマー本体に水酸基含有する場合には、各種アミノ化合物を硬化剤として用いることが好ましい。架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。これら化合物の硬化には、有機酸又はその塩を用いるのが好ましい。
(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物を主成分とする組成物
含フッ素のオルガノシラン化合物の加水分解縮合物を主成分とする組成物も屈折率が低く、塗膜表面の硬度が高く好ましい。フッ素化アルキル基に対して片末端又は両末端に加水分解性のシラノールを含有する化合物とテトラアルコキシシランの縮合物が好ましい。具体的組成物は、特開2002−265866号公報、特許317152号公報に記載されている。
(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物
更に別の好ましい態様として、低屈折率の粒子とバインダーからなる低屈折率層が挙げられる。低屈折率粒子としては、有機でも無機でも良いが、内部に空孔を有する粒子が好ましい。中空粒子の具体例は、特開2002−79616号公報に記載のシリカ系粒子に記載されている。粒子屈折率は1.15〜1.40が好ましく、1.20〜1.30が更に好ましい。バインダーとしては、上記防眩層の頁で述べた二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを挙げることができる。
本発明に用いられる低屈折率層用の組成物には、前述の光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。ラジカル重合性化合物を含有する場合には、該化合物に対して1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部の重合開始剤を使用できる。
本発明に用いられる低屈折率層には、無機粒子を併用することができる。耐擦傷性を付与するために、低屈折率層の厚みの15%〜150%、好ましくは30%〜100%、更に好ましくは45%〜60%の粒径を有する微粒子を使用することができる。
本発明の低屈折率層には、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のポリシロキサン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することができる。
ポリシロキサン構造を有する添加剤としては、反応性基含有ポリシロキサン{例えば“ KF−100T”,“X−22−169AS”,“KF−102”,“X−22−3701IE”,“X−22−164B”,“X−22−5002”,“X−22−173B”,“X−22−174D”,“X−22−167B”,“X−22−161AS” (商品名)、以上、信越化学工業(株)製;“AK−5”,“AK−30”,“AK−32”(商品名)、以上東亜合成(株)製;、「サイラプレーンFM0725」,「サイラプレーンFM0721」(商品名)、以上チッソ(株)製等}を添加するのも好ましい。また、特開2003−112383号公報の表2、表3に記載のシリコーン系化合物も好ましく使用できる。
フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。該フルオロアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜10であり、直鎖(例えば−CFCF,−CH(CFH,−CH(CFCF,−CHCH(CFH等)であっても、分岐構造(例えばCH(CF,CHCF(CF,CH(CH)CFCF,CH(CH)(CFCFH等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環又は6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基又はこれらで置換されたアルキル基等)であっても良く、エーテル結合を有していても良い(例えばCHOCHCFCF,CHCHOCHH,CHCHOCHCH17,CHCHOCFCFOCFCFH等)。該フルオロアルキル基は同一分子中に複数含まれていてもよい。
フッ素系化合物は、更に低屈折率層皮膜との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタアクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはダイキン化学工業(株)製、R−2020、M−2020、R−3833、M−3833、オプツールDAC(以上商品名)、大日本インキ(株)製、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300、MCF−323(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
これらのポリシロキサンフッ素系化合物やポリシロキサン構造を有する化合物は低屈折率層全固形分の0.1〜10質量%の範囲で添加されることが好ましく、特に好ましくは1〜5質量%の場合である。
(10)ハードコート層
本発明の防眩フィルムには、フィルムの物理的強度を更に付与するために、防眩層に加えてハードコート層を設けることができる。ハードコート層は、二層以上の積層から構成されてもよい。
防眩フィルムに充分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、ハードコート層の厚さは通常0.5μm〜50μm程度とし、好ましくは1μm〜20μm、更に好ましくは2μm〜10μm、最も好ましくは3μm〜7μmである。また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。更に、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性樹脂化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明プラスチックフィルム基材上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
ハードコート層には、内部散乱性付与の目的で、平均粒径が1.0〜10.0μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子を含有してもよい。
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、高屈折率モノマー又は無機粒子、或いは両者を加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。
(11)透明プラスチックフィルム基材
本発明における透明プラスチックフィルム基材(支持体)としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートやなど、特に限定は無い。透明樹脂フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。
その中でも、透明性が高く、光学的に複屈折が少なく、製造が容易であり、偏光板の保護フィルムとして一般に用いられているセルロースアシレートフィルムが好ましく、セルローストリアセテートフィルムが更に好ましい。又、透明基材の厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。本発明においては、透明プラスチックフィルム基材がセルロースエステル系フィルムであり、かつ該セルロースエステル系フィルムの膜厚が30μm以上70μm以下であることが特に好ましい。
本発明ではセルロースアシレートフィルムに、酢化度が59.0〜61.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定及び計算に従う。セルロースアシレートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることが更に好ましい。
また、本発明に使用するセルロースアシレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の値が1.0に近いこと、換言すれば分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることが更に好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
一般に、セルロースアシレートの2,3,6の水酸基は全体の置換度の1/3ずつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。本発明ではセルロースアシレートの6位水酸基の置換度が、2,3位に比べて多いほうが好ましい。全体の置換度に対して6位の水酸基が32%以上アシル基で置換されていることが好ましく、更には33%以上、特に34%以上であることが好ましい。更にセルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。
本発明ではセルロースアシレートとして、特開平11−5851号公報の段落「0043」〜「0044」[実施例][合成例1]、段落「0048」〜「0049」[合成例2]、段落「0051」〜「0052」[合成例3]に記載の方法で得られたセルロースアセテートを用いることができる。
本発明では、ポリエチレンテレフタレートフィルムも、透明性、機械的強度、平面性、耐薬品性及び耐湿性共に優れており、その上安価であり好ましく用いられる。透明プラスチックフィルムとその上に設けられるハードコート層との密着強度をより向上させるため、透明プラスチックフィルムは易接着処理が施されたされたものであることが更に好ましい。市販されている光学用易接着層付きPETフィルムとしては東洋紡績社製コスモシャインA4100、A4300等が挙げられる。
(12)防眩フィルムの層構成
本発明の防眩フィルムは、一般に、最も単純な構成では、透明基材上に防眩層を塗設した構成である。
本発明の防眩フィルムの好ましい層構成の例を下記に示すが、特にこれらの層構成のみに限定されるわけではない。
・支持体/防眩層
・支持体/ハードコート層/防眩層
・支持体/防眩層/ハードコート層
・支持体/防眩層/低屈折率層
・支持体/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
支持体/防眩層/ハードコート層/低屈折率層
<塗布方式>
本発明の光学フィルムは以下の方法で形成することができるが、この方法に制限されない。まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。次に、諸機能層を形成するための塗布液をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥するが、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法(米国特許2681294号明細書、特開2006−122889号明細書参照)がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
(13)防眩層の硬化条件
本発明における防眩層の硬化方法に関して、好ましい例を以下に述べる。
本発明では、電離放射線による照射と、照射の前、照射と同時又は照射後の熱処理とを組み合わせることにより、硬化することが有効である。
以下にいくつかの製造工程のパターンを示すが、これらに限定されるものではない。
照射前→ 照射と同時 → 照射後(−は熱処理を行っていないことを示す。)
(1)熱処理→ 電離放射線硬化→ −
(2)熱処理→ 電離放射線硬化→ 熱処理
(3) − → 電離放射線硬化→ 熱処理
その他、電離放射線硬化時に同時に熱処理を行う工程も好ましい。
本発明においては、上記のとおり、電離放射線による照射と組み合わせて熱処理を行うことが好ましい。熱処理は、防眩フィルムの支持体、防眩層を含めた構成層を損なうものでなければ特に制限はないが、好ましくは60〜200℃、更に好ましくは80〜130℃、最も好ましくは80〜110℃である。
熱処理に要する時間は、使用成分の分子量、その他成分との相互作用、粘度などにより異なるが、15秒〜1時間、好ましくは30秒〜30分、最も好ましくは45秒〜5分である。
電離放射線の種類については、特に制限はなく、X線、電子線、紫外線、可視光、赤外線などが挙げられるが、紫外線が広く用いられる。例えば塗膜が紫外線硬化性であれば、紫外線ランプにより10mJ/cm〜1000mJ/cmの照射量の紫外線を照射して各層を硬化するのが好ましい。照射の際には、前記エネルギーを一度に当ててもよいし、分割して照射することもできる。特に塗膜の面内での性能ばらつきを少なくする点や、面状、表面のざらつき感を良化させるという観点からは、2回以上に分割して照射することが好ましく、初期に150mJ/cm以下の低照射量の紫外光を照射し、その後、50mJ/cm以上の高照射量の紫外光を照射し、かつ初期よりも後期の方で高い照射量を当てることが好ましい。
(14)偏光板
本発明の防眩フィルムは、偏光膜とその両側に配置された保護フィルムとからなる偏光板の、その保護フィルムの一方又は両方に使用して、防眩性を有する偏光板とすることができる。
一方の保護フィルムとして本発明の防眩フィルムを用い、他方の保護フィルムには、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、その他方の保護フィルムには、溶液製膜法で製造され、かつ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における幅方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。
また、偏光膜の2枚の保護フィルムのうち、本発明の防眩フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい態様である。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
また偏光膜としては、公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作製される。
すなわち、連続的に供給されるポリビニルアルコール系フィルムなどのポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸して、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内で、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するように、フィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落番号0020〜0030に詳しい記載がある。
(15)画像表示装置
本発明の防眩フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に用いられる。
(16)防眩フィルムの製造方法
本発明の防眩フィルムの製造方法は、少なくとも下記成分(A)〜(C)を含有し、(C)成分が少なくとも1種のホスフィンオキサイド系開始剤と、少なくとも1種のホスフィンオキサイド系以外の開始剤を含有する硬化性組成物を透明プラスチックフィルム基材上に塗布し、硬化させて、防眩層を形成する工程を有する。
(A)硬化性樹脂化合物
(B)透光性樹脂粒子
(C)2種以上の光重合開始剤
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(防眩層用塗布液の調製)
以下の組成で各成分を添加し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層用塗布液1を調製した。
PET−30 28.4g
ビスコート360 17.0g
CAB 0.8g
イルガキュア907 0.6g
イルガキュア819 1.7g
6μm架橋アクリル−スチレン粒子分散液(30%) 22.0g
SP−13 0.1g
MIBK(メチルイソブチルケトン) 4.9g
MEK(メチルエチルケトン) 24.8g
なお、上記防眩層用塗布1において、透光性樹脂粒子を除いた硬化後のマトリックスの屈折率は1.52であった。
透光性樹脂粒子の分散液は攪拌しているMIBK溶液中に透光性樹脂粒子を分散液の固形分濃度が30質量%になるまで徐々に加え、30分間攪拌して作製した。透光性樹脂粒子は積水化成品工業(株)製の「6μm架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.520)」を用いた。
開始剤と粒子の種類や添加量を表1のように変更した以外は防眩層用塗布液1と同様にして塗布液2〜16を作製した。表中の開始剤、粒子の量は固形分中におけるそれぞれの比率(質量%)である。
(無機粒子分散液(B−1)の調製)
特開2002−79616号公報の調製例4から調製時の条件を変更して、内部に空洞を有するシリカ微粒子を作製した。これを水分散液状態からメタノールに溶媒置換した。最終的に固形分濃度が20質量%になるように調節して、平均粒子径45nm、シェル厚み約7nm、シリカ粒子の屈折率1.30の粒子が得られた。これを分散液(B)とする。
前記分散液(B)の500質量部に対してアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン15質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5質量部加え混合した後に、イオン交換水を9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加した。更に総液量がほぼ一定になるようにMEKを添加しながら減圧蒸留により溶媒を置換し、最終的に固形分濃度が20質量%になるように調節して分散液(B−1)を調製した。
(低屈折率層用塗布液の調製)
含フッ素ポリマー(P−12:含フッ素共重合体、特開2007−293325号公報の例示化合物)を7.6g、DPHAを1.4g、分散液(B−1)を2.4g、光重合開始剤(イルガキュア907)0.46g、メチルエチルケトン190g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート48gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
(防眩層の塗設)
60μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルムをロール形態で巻き出して、防眩層用塗布液1を使用し防眩フィルム試料1を作製した。
特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量150mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取った。防眩層の膜厚(硬化後の平均膜厚)は12μmとなるように塗布量を調整した。得られた防眩層の屈折率は1.520であった。
上記と同様の塗布方法を用い、塗布液1〜16を使用して、表1に示したような膜厚を有するトリアセチルセルロースフィルム基材に、表1に示したような膜厚(硬化後の平均膜厚)となるように防眩層塗布液を塗布し、防眩フィルム試料2〜20を作製した。防眩フィルム試料20では下記に示す方法で防眩層上に更に低屈折率層を塗布した。
(低屈折率層の塗設)
上記防眩層を塗設したトリアセチルセルロースフィルムを再び巻き出して、上記低屈折率層用塗布液を前記のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、90℃で75秒間乾燥の後、窒素パージ下酸素濃度0.01〜0.1%で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量240mJ/cmの紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取り、防眩フィルム試料20を作製した。低屈折率層の屈折率は1.46であった。
それぞれ使用した化合物を以下に示す。
PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
ビスコート360:トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート[大阪有機化学工業(株)製]
CAB:セルロースアセテートブチレート[イーストマン・コダック製]
イルガキュア819:ホスフィンオキサイド系光重合開始剤[BASF製]
イルガキュア907:アセトフェノン系光重合開始剤[BASF製]
イルガキュア184:アセトフェノン系光重合開始剤[BASF製]
イルガキュア127:アセトフェノン系光重合開始剤[BASF製]
DAROCUR TPO:ホスフィンオキサイド系光重合開始剤[BASF製]
SP−13:フッ素系界面活性剤
Figure 2012093524
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
P−12:含フッ素共重合体、特開2007−293325号公報の例示化合物(P−12)、主鎖にシリコーンを含み、側鎖に水酸基と重合性官能基としてアクリロイル基を有する含フッ素共重合体、数平均分子量3万、Mw/Mn=1.6
表1中記載の透光性樹脂粒子としては、積水化成品工業(株)製の下記粒子を用いた。
A:6μm架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.520)
B:3.5μm架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.520)
C:12μm架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.520)
D:6μm架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.500)
E:6μm架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.555)
(防眩フィルムの鹸化処理)
得られた防眩フィルムを次の条件で鹸化処理・乾燥した。
アルカリ浴:1.5mol/dm水酸化ナトリウム水溶液、55℃で120秒。
第1水洗浴:水道水、60秒。
中和浴:0.05mol/dm硫酸、30℃−20秒。
第2水洗浴:水道水、60秒。
乾燥:120℃、60秒。
(フロント用偏光板の作製)
1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗したトリアセチルセルロースフィルムと、防眩フィルム試料1〜20における鹸化処理済みの各々のフィルムに、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光子の両面を接着、保護してフロント用偏光板を作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムの膜厚は対応する防眩フィルムと同じものを使用した。
(リア用偏光板の作製)
防眩フィルムを下記に示す光学補償フィルムに変更したこと以外は、前記フロント用偏光板と同様にして、リア用偏光板を作製した。
(光学補償フィルムの作製)
下記の組成の内層用及び外層用ドープをそれぞれ調製した。
内層用ドープの組成:
セルロースアセテートC−1 100質量部
(アセチル置換度2.81、数平均分子量88000)
下記レターデーション発現剤(2) 7質量部
Figure 2012093524
下記の重合体P−2 9.0質量部
下記染料(1)(ブルーイング染料) 0.000078質量部
Figure 2012093524
ジクロロメタン 423.9質量部
メタノール 63.3質量部
外層用ドープの組成:
セルロースアセテートC−1 100質量部
(アセチル置換度2.81、数平均分子量88000)
レターデーション発現剤(2) 7質量部
下記の重合体P−2 9.0質量部
染料(1)(ブルーイング染料) 0.000078質量部
平均粒径16nmのシリカ粒子 0.14質量部
(「AEROSIL R972」日本アエロジル(株)製)
ジクロロメタン 424.5質量部
メタノール 63.4質量部
重合体P−2:TPA/PA/SA/AA(=45/5/30/20(モル%))のジカルボン酸残基と、エチレングリコール(100モル%)のジオール残基とからなる重縮合体であって、両末端がアセチルエステル残基で封止されている、数平均分子量が900の重縮合体(ここで、TPAはテレフタル酸、PAはフタル酸、SAはセバシン酸、AAはアジピン酸である。)
上記組成の外層及び内層ドープ液をバンド流延装置を用い、支持体面側外層、内層、空気界面側外層の3層構造となるように、2000mm幅でステンレスバンド支持体上に均一に同時積層共流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶媒量が40質量%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離の際に張力をかけて縦(MD)延伸倍率が1.02倍となるように延伸し、ついで、テンターで両端部を把持し、幅手(TD)方向の延伸倍率が1.22倍となるように、45%/分の速度で横方向に延伸(横延伸)した。延伸開始時の残留溶剤量は30質量%であった。延伸後に搬送しながら115℃の乾燥ゾーンで35分間乾燥させた。乾燥後に1340mm幅にスリットし、各層の膜厚比が支持体面側外層:内層:空気界面側外層=3:94:3で、総膜厚60μmと40μmセルロースアシレート光学補償フィルムを得た。
(液晶表示装置の作製)
VA型液晶表示装置(LC−37GS10、シャープ(株)製)に設けられているフロント、及びリアの偏光板及び位相差膜を剥がし、代わりに上記で作製したそれぞれの偏光板を、フロントはトリアセチルセルロースフィルムが、リアは光学補償フィルムが液晶セル側になるように配置し、透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように貼り付けて、防眩フィルムを有する液晶表示装置を作製した。なお、リアの偏光板は、フロントの防眩フィルムで使用したトリアセチルセルロースフィルムの膜厚と同じ膜厚光学補償フィルムを用いたものを使用した。
(防眩フィルム及び液晶表示装置の評価)
<1>鉛筆硬度
得られた防眩フィルム試料を、JIS―K5400に従う鉛筆硬度試験で評価した。本発明では、3H以上を合格とした。
<2>表面のざらつき感
視認側偏光板表面に防眩フィルム試料を貼った偏光板を配置した液晶表示装置(SONY(株)製KDL−40J5000)に対し表面のざらつき感を官能評価した。
暗室下で、3波長蛍光灯1灯分の光を当てても全くざらつき感がない: A
暗室下で、3波長蛍光灯1灯分の光を当てるとわずかにざらつき感があるが、明室下では全くざらつき感がない: B
暗室下で、3波長蛍光灯1灯分の光を当てると強いざらつき感があり、明室下でもわずかにざらつき感がある : C
明室下でも強いざらつき感があり、使用時に問題となる。 : D
<3>暗室コントラスト
作製した防眩フィルムを、液晶テレビ(SHARP LC46−SE1)に実装し、測定機(TOPCON SR−UL1R)を用いた。防眩層を設けていないトリアセチルセルロースフィルムを用いて測定した際の値を100とし、各防眩フィルムでのコントラスト値を算出し、以下の基準で評価した。
97以上 : A
95以上97未満 : B
93以上95未満 : C
93未満 : D
<4>ギラツキ
作製した防眩フィルムを、液晶テレビ(TOSHIBA REGZA 32RX1)に実装し、緑色のベタ表示をした状態で、B、G、R各画素の部分的な拡大/縮小が不均一に目視される状態(ギラツキ)の程度を以下の基準で目視評価した。
ギラツキが全く気にならない : A
ギラツキがほぼ気にならない : B
ギラツキが若干気になる : C
ギラツキが気になる : D
<5>表面ヘイズ
[1]JIS−K7136に準じて、得られた光拡散フィルムの全ヘイズ値(H)を測定した。装置には日本電色工業(株)製ヘーズメーターNDH2000を用いた。
[2]光拡散フィルムの表面及び裏面に顕微鏡用イマージョンオイル(ニコン(株)製イマージョンオイルTYPE A、屈折率n=1.515)を数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S9111、MATSUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板と得られた光学フィルムを密着し、表面ヘイズを除去した状態でヘイズを測定し、別途測定したガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみを挟みこんで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズ(Hin)として算出した。
[3]上記[1]で測定した全ヘイズ(H)から上記[2]で算出した内部ヘイズ(Hin)を引いた値をフィルムの表面ヘイズ(Hout)として算出した。
なお、下記表1中、粒子1、粒子2の「Δn」は、各防眩層を構成するマトリクス(透光性樹脂粒子を除いたもの)と各粒子の屈折率の差の絶対値を表す。
Figure 2012093524
表1より、ホスフィンオキサイド系以外の開始剤のみを用いて作製した防眩フィルムでは、十分な硬度は得られるものの、表面のざらつき感が目立ってしまうことがわかる(防眩フィルム試料4、8、16)。一方で、ホスフィンオキサイド系開始剤のみを使用すると、表面のざらつき感が気にならなくなるものの、十分な硬度が得られなくなってしまう(防眩フィルム試料5、6)。
しかし、ホスフィンオキサイド系開始剤とホスフィンオキサイド系以外の開始剤とを併用することで、高い鉛筆硬度が得られ、かつ高い表面のざらつき感抑制効果も得ることができた。更に、これらはギラツキも目立たず、高いコントラストも達成できた。
A1:硬化前の防眩層
A2、A3:硬化後の防眩層
10、20、30:防眩フィルム
B:透明プラスチックフィルム基材
1:透光性樹脂粒子
2、3、4:硬化性組成物

Claims (12)

  1. 透明プラスチックフィルム基材上に防眩層を有し、該防眩層が少なくとも下記成分(A)〜(C)を含有する硬化性組成物より形成され、(C)成分が少なくとも1種のホスフィンオキサイド系開始剤と、少なくとも1種のホスフィンオキサイド系以外の開始剤を含有する、防眩フィルム。
    (A)硬化性樹脂化合物
    (B)透光性樹脂粒子
    (C)2種以上の光重合開始剤
  2. 前記防眩層中の(C)成分である光重合開始剤のうち、ホスフィンオキサイド系開始剤の質量比率が20%以上95%以下である、請求項1に記載の防眩フィルム。
  3. 前記防眩層中の(B)成分である透光性樹脂粒子の粒径が3μm以上12μm以下であり、かつ透光性樹脂粒子の粒径に対する防眩層の膜厚の比が1.0以上3.0以下である、請求項1に記載の防眩フィルム。
  4. 前記防眩層中の(B)成分である透光性樹脂粒子の量が防眩層中の全固形分に対して3質量%以上20質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
  5. 前記防眩層中の(A)成分を硬化して得られた樹脂と(B)成分の屈折率差が0.01以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
  6. 前記防眩層上に更に前記防眩層よりも屈折率が低い低屈折率層を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
  7. 前記ホスフィンオキサイド系以外の開始剤が表面硬化性の光重合開始剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
  8. 前記透明プラスチックフィルム基材がセルロースエステル系フィルムであり、かつ該セルロースエステル系フィルムの膜厚が30μm以上70μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の防眩フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の防眩フィルムを、偏光膜の保護フィルムの少なくとも一方に用いた偏光板。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の防眩フィルムを、偏光膜の保護フィルムの一方に用い、光学異方性のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いた偏光板。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の防眩フィルム、又は請求項9若しくは10に記載の偏光板が画像表示面に配置された画像表示装置。
  12. 少なくとも下記成分(A)〜(C)を含有し、(C)成分が少なくとも1種のホスフィンオキサイド系開始剤と、少なくとも1種のホスフィンオキサイド系以外の開始剤を含有する硬化性組成物を透明プラスチックフィルム基材上に塗布し、硬化させて、防眩層を形成する工程を有する、防眩フィルムの製造方法。
    (A)硬化性樹脂化合物
    (B)透光性樹脂粒子
    (C)2種以上の光重合開始剤
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