JP2012093141A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】測定精度の低下を防ぎつつ、耐衝撃性に優れるガスセンサを提供する。
【解決手段】センサ素子を保持するケーシングと、内部がケーシングと連通しつつ後方側に配置される内筒と、内筒の径方向外側に配置される液体の通過は阻止しつつ大気の通気は可能なフィルタと、フィルタの径方向外側に配置される外筒とを備えるガスセンサにおいて、内筒に形成される内側導入孔の直径よりも外筒に形成される外側導入孔の直径を小さくしつつ、内側導入孔の断面積の合計を外側導入孔の断面積の合計よりも小さくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素センサ、HCセンサ、NOセンサなど、測定対象となるガス中の被検出成分を検出するためのガスセンサに関する。
従来、上述のようなガスセンサとして、例えば自動車エンジンの空燃比制御等に使用するための各種酸素センサが開発されている。近年では特に、排気ガスによる大気汚染など環境保護上の問題に対応するために、排気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素センサについて、とりわけ高性能で長寿命のものに対する需要が高まっている。
例えば、このような酸素センサとして代表的なものには、ZrO等の酸素イオン伝導性固体電解質により軸線方向に延びるよう形成された酸素検出素子を筒状のケーシング内に収容し、該酸素検出素子の先端側外面を排気ガスと接触させるとともに、ケーシングの後方側に配置された筒状部材内に基準ガスとしての大気を導入して、該検出素子に生ずる酸素濃淡電池起電力により被検出雰囲気中の酸素濃度を測定するようにした構造のものが広く使用されている。
ところで、上述のような酸素センサは自動車に搭載される場合、エンジンルーム以外にも、例えば車両の足周り部分に近い排気管等に取り付けられることも多い。このような状況においては、酸素センサは雨中走行時や洗車時等に水滴や油滴等により被水することとなる。この場合、酸素検出素子を水滴や汚れの付着から保護するために、これを収容する酸素センサの構造としては、高強度で密閉性の高いものを使用しなければならない。しかしながら、筒状部材内へは検出素子の基準ガスとして大気を導入する必要があることから、外部との連通部も必ず設けなければならない。すなわち、上記酸素センサを長期にわたって安定的に作動させるには、水滴や油滴等による被水に対する液密性を一定レベル以上に高めつつ、しかも通気性は確保するという相反した課題を同時に解決する必要がある。
そこで、このような要求に応じるため、筒状部材に通気孔を設け、さらにこれを撥水性フィルタで覆うことにより、水滴等の侵入は阻止しつつ大気の流通は確保できるようにした構造の酸素センサが開示されている。
特開平8−201338号公報 特開2000−46786号公報
しかし、特許文献1の酸素センサでは、撥水性フィルタが外部に露出しているため、車両が走行時に跳ね上げた小石等が撥水性フィルタに直接衝突し、撥水性フィルタが破損してセンサ内へ水滴等が侵入する事で、酸素センサの故障が生じていた。
また、特許文献2の酸素センサでは、防護カバーを設けて撥水性フィルタを外部に露出させない構成を取っているため、小石等の飛散物による撥水性フィルタの破損を防止することが可能である。しかしながら、撥水性フィルタが外部に露出していないため、外気(基準ガス)が筒状部材内に導入されるまでの経路が長くなり、筒状部材内部の基準ガスが大気と交換されづらく、長期間、筒状部材内で滞留してしまうため、酸素センサの測定精度の低下を引き起こす原因となっていた。
そこで本発明は、耐衝撃性に優れるガスセンサでありながら、測定精度の低下を防ぐ事が可能なガスセンサを提供する事を目的とする。
本発明の実施態様によれば、軸線方向に延び、自身の先端側に被測定ガスにさらされる検出部を有するセンサ素子と、前記センサ素子が挿入される筒状のケーシングと、前記ケーシングの後方側に配置され、内部空間が該ケーシングと連通し、かつ外気を自身の内部空間に導入する為の内側導入孔が自身の壁部に1ないし複数形成された筒状の内筒と、前記内筒の径方向外側に配置され、液体の通過は阻止し気体の通過は許容するフィルタと、該フィルタの径方向外側に配置され、当該フィルタを前記内筒と自身との間に保持すると共に、前記フィルタを介して前記内筒の内部空間に外気を導入する為の外側導入孔が、フィルタ表面上の自身の壁部に複数形成された外筒と、を有するガスセンサにおいて、前記内側導入孔の直径よりも前記外側導入孔の直径のほうが小さく、且つ前記内側導入孔の断面積の合計が前記外側導入孔の断面積の合計よりも小さいことを特徴とする。
外側導入孔の直径を相対的に小さくすることで、小石等の飛散物による撥水性フィルタの破損を抑制することが可能である。その結果、ガスセンサ内へ水滴等が侵入することを抑制できた。しかしながら一方で、単に外側導入孔の直径を小さくするだけだと、外側導入孔の通気量が減少し、内筒の内部空間の基準ガスが大気と交換されづらくなり、長期間滞留してしまう。従って、ガスセンサの測定精度の低下を引き起こす原因となっていた。
これに対し、本発明のガスセンサによれば、個々の外側導入孔の直径は小さくしつつも、外側導入孔の断面積の合計が内側導入孔の断面積の合計よりも大きく形成されていることで、内筒の内部空間における基準ガスが大気と交換される際に、外側導入孔の影響を受けることが無いため(つまり、内側導入孔を通過する大気の通過量で調整するため)、内筒の内部空間における基準ガスが大気と容易に交換され、ガスセンサの測定精度の低下を抑制する事ができる。
なお、ここで述べる導入孔の断面積とは、導入孔を径方向(ガスセンサの軸線方向とは垂直な方向)から見たときの導入孔の占める面積のことである。
また、前記ガスセンサを径方向外側から見たときに、外側導入孔が見えることが好ましい。つまり、外筒の外側には他の部材が存在せず、フィルタが外部に直接露出する構成をとることで、速やかに外気(基準ガス)をガスセンサの内外で交換する事ができ、検出精度の低下を抑制できる。そして、外側導入孔の直径を内側導入孔の直径よりも小さくすることで、フィルタが外部に露出している構成をとっても、確実にフィルタを保護することが可能となる。
また、前記外側導入孔の直径は0.4mm以下であることが好ましい。自動車等の車両に取付けられるガスセンサの使用環境において、0.4mm以下の小石等の飛散物が車両走行時に跳ね上げられても、撥水性フィルタが破損する事は少ないが、0.4mmを超える小石等の飛散物が車両走行時に跳ね上げられた場合には、撥水性フィルタは破損しやすい。そのため、外側導入孔の直径を0.4mm以下とすることで、小石等の飛散物が跳ね上げられたとしても、撥水性フィルタに破損を生じにくくすることができる。
さらに、前記フィルタは、前記内筒を径方向から取り囲むよう筒状に設けられていることが好ましい。このように、フィルタを全周に設けることで、仮にフィルタの位置が内筒と外筒との間で周方向にずれたとしても、常に外側導入孔を内側からフィルタが覆っているので、ガスセンサの内部に水が侵入する事が無い。
上記構成に加えて、前記内側導入孔と前記外側導入孔とが、ガスセンサを径方向から見たときに重ならない位置に設けられていることが好ましい。このように内側導入孔と外側導入孔とをずらして配置する事で、仮に外側導入孔から露出した部位のフィルタが破損し、破損した箇所から水滴等が侵入したとしても、フィルタが破損した部位と内側導入孔とが面していないため、内側導入孔まで水滴が到達しにくく、水滴が内側導入孔より内筒の内部空間に侵入することを抑制できる。なお、ここで「前記内側導入孔と前記外側導入孔とが、ガスセンサを径方向から見たときに重ならない位置に設けられている」とは、「ガスセンサを軸線方向から見たときに、ガスセンサの外表面と中心とを結ぶ線上に、内側導入孔と外側導入孔との両方が存在しない」という意味である。また、内側導入孔と外側導入孔とが重ならないよう配置するために、各導入孔を周方向にずらしても軸線方向にずらしてもどちらでもよい。さらに、軸線方向と周方向との両方向にずらしてもよい。
本発明の一実施例としての酸素センサの縦断面図。 図1のA−A´線における、内筒、外筒、及びフィルタの断面図。 図2のB線方向から見たときの、外筒の正面図。 図2のC線方向から見たときの、内筒の正面図。 他の実施例における、内筒の正面図。 他の実施例における、内筒、外筒、及びフィルタの断面図。
以下、本発明を具体化したガスセンサの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照し、ガスセンサの一例としての酸素センサ1の構造について説明する。図1に示す酸素センサ1は自動車等の内燃機関のエンジンから排出される排気ガスの排気管(図示外)に取り付けられて使用されるものである。以下では、酸素センサ1の軸線方向において、排気管内に挿入される酸素検出素子2の先端に向かう側(図中下側)を先端側とし、これと反対方向に向かう側(図中上側)を後端側として説明するものとする。
酸素センサ1は、軸線方向に延びる有底筒状の酸素検出素子2と、軸線方向に延びる棒状のセラミックヒータ3とが、ケーシング10の内部に挿入されてなるよう構成される。酸素検出素子2は酸素イオン伝導性を有する固体電解質体と、固体電解質体の内外面に設けられた外側電極2b及び内側電極2cにより構成されている。そのような固体電解質体としては、YないしCaOを固溶させたZrOが代表的なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属ないし希土類金属の酸化物とZrOとの固溶体を使用してもよい。また、ベースとなるZrOにはHfOが含有されていてもよい。
外側電極2b及び内側電極2cはいずれも、酸素検出素子2を構成する固体電解質へ酸素を注入するための酸素分子の解離反応、及び該固体電解質から酸素を放出させるための酸素の再結合反応に対する可逆的な触媒機能(酸素解離触媒機能)を有する多孔質電極、例えばPt多孔質電極として構成されている。
そして、酸素検出素子2用の一方のリード線20は、内側端子金具23を介して前述の酸素検出素子2の内側電極2cと電気的に接続されている。一方、他方のリード線21は、外側端子金具33を介して、酸素検出素子2の外側電極2bと電気的に接続されている。
ここで、酸素検出素子2は、排気ガス温が十分高温となっている場合には当該排気ガスで加熱されて活性化されるが、エンジン始動時など排気ガス温が低温である場合には前述のセラミックヒータ3で強制的に加熱することで活性化される。セラミックヒータ3は、例えばアルミナを主とするセラミック棒の先端部に、例えば蛇行状に形成された発熱部4が設けられたものである。この発熱部4は、ヒータ端子金具43に接続されるヒータ用のリード線22を経て通電されることにより、酸素検出素子2の先端部(検出部2a)を所定の活性化温度以上に加熱する役割を果たす。
まず、ケーシング10に関して説明する。金属製のケーシング10の内側には、絶縁性セラミックから形成されたインシュレータ6,7、並びにタルクから形成され、インシュレータ6、7に挟まれたセラミック粉末であるシール層8が設けられている。酸素検出素子2はケーシング10と電気的に絶縁された状態で、ケーシング10を軸線方向に貫通している。ケーシング10の外側は、酸素センサ1を排気管等の取付部に取り付けるためのねじ部11を有する。そして、ケーシング10の後端側には自身の内部とケーシング10の内部とが連通するように内筒50が接続されており、内筒50はインシュレータ6ケーシング10との間にパッキン15を介して加締められている。また、ケーシング10の先端側には酸素検出素子2の先端側に形成された検出部2aを所定の空間を隔てて覆うようにキャップ状のプロテクタ100が接続されている。プロテクタ100には、排気ガスを透過させる複数のガス透過口101が形成されている。これにより排気ガス中の酸素が酸素検出素子2の先端側表面に接触可能となっている。
次に、ケーシング10の後端側に設けられる内筒50に関して説明する。内筒50の内部には、上述した内側端子金具23、外側端子金具33、及びヒータ端子金具43並びにリード線20,21,22を自身の内側に挿通させて保持するセラミックセパレータ18が配置されている。セラミックセパレータ18の後端又は後端寄り部位には、径方向に突出するフランジ部18aが設けられており、後述するグロメット17と内筒50とで軸線方向に挟持されている。そして、内筒50及びセラミックセパレータ18の後端を径方向から覆うように外筒60が配置されている。外筒60の先端側開口部は内筒50に外挿されており、後端側開口部にはグロメット17が内挿されている。グロメット17はリード線20,21,22を軸線方向に挿通させて保持している。外筒60の先端側開口部は径方向内側に向けて加締められることで、内筒50に固定されている。
次に、発明の要点であるフィルタ70及び内筒50と外筒60とに設けられた導入孔について説明する。内筒50の後端又は後端寄り部位の径方向外側にはフィルタ70が配置されており、フィルタ70は内筒50と、外筒60とで径方向に挟持されている。なおフィルタ70を挟持するために、外筒60は、フィルタ70の先端部又は先端寄り部位に対応する位置のフィルタ用先端加締部61と、フィルタ70の先端部又は先端寄り部位に対応する位置のフィルタ用後端加締部62とにおいて、径方向内側に向けて加締められている。そのため、フィルタ70は、内筒50と外筒60との間で振動などによりずれることが防止されている。なお、ここで対応する位置とは、フィルタ用先端加締部61及びフィルタ用後端加締部62の径方向内側には、フィルタ70が存在する事を意味する。
なお、フィルタ70は液体の通過は阻止しつつも気体の通過は阻止することが可能な通気フィルタである。具体的には、本実施例のフィルタ70としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔質構造体(商品名:例えばゴアテックス(ジャパンゴアテックス(株)))が使用されている。
また、フィルタの後端側には、ゴム製(例えばフッ素ゴムやシリコンゴム)の遮水部19が配置されている。該遮水部19の先端側はフィルタ用後端加締部62により圧縮されている。これにより、仮にグロメット17と外筒60の後端との間から水等の異物が侵入してきても、フィルタ70へと到達することを防いでいる。
そして、外筒61には、フィルタ用先端加締部61とフィルタ用後端加締部62との間である外側導入孔形成部63に外側導入孔65が形成されている。また、内筒50には、外側導入孔形成部63に対応する位置に、内側導入孔55が形成されている。なお、ここで対応する位置とは、外側導入孔形成部63の径方向内側に、内側導入孔55が存在する事を意味する。
そのため、ガスセンサ周囲の大気が、外側導入孔65、フィルタ70、内側導入孔55を介して内筒50及びケーシング10の内部に導入され、その結果酸素検出素子2の内側へと到達する。なお、図面上は内側導入穴55とセラミックセパレータ18との間に隙間は無いが、実際は微細な隙間が存在しており、大気はこの隙間を通ってケーシング10の内部へと到達する。また、セラミックセパレータ18の側面に通気用の溝を設けて大気を導入させるようにしても良い。
次に、内側導入孔55及び外側導入孔65の配置を、図2、図3、及び図4を用いて説明する。図2は、図1のA−A´線における内筒50、外筒60、及びフィルタ70の断面図を表す。図3は、外筒60を径方向(図2のB方向)から見たときの正面図、図4は、内筒50を径方向(図2のC方向)から見たときの正面図(外筒60及びフィルタ70が存在しない状態の酸素センサ1を、径方向から観察した図)である。なお、外筒60に対応する位置を、点線により表し、本来外側導入孔65がある点も表現した。
図2、図3、及び図4に示すように、本実施例では、内側導入孔55は、均一な導入孔が1個ずつ、4方向に形成されており、計4個設けられている。外側導入孔65は、均一な導入孔が29個ずつ、4方向に形成されており、計116個設けられている。内側導入孔55及び外側導入孔65の直径は、それぞれ1.6mm、0.3mmであるので、内側導入孔55の断面積の合計は、約8.04mm、外側導入孔65の断面積の合計は、約8.20mmとなる。
上記したように、外側導入孔65の直径は小さくしつつも、内側導入孔55の断面積の合計よりも外側導入孔65の断面積の合計を大きくしているため、内筒50の内部空間における基準ガスが大気と交換される際に、通気量は内側導入孔55を通過する大気の通過量で調整されることになるため、酸素センサ1の測定精度の低下を抑制する事ができる。
また、自動車等の車両に取付けられるガスセンサの使用環境において、0.4mm以下の小石等の飛散物が車両走行時に跳ね上げられても、撥水性フィルタが破損する事は少ないが、0.4mmを超える小石等の飛散物が車両走行時に跳ね上げられた場合には、撥水性フィルタは破損しやすい。そのため、本実施例の酸素センサ1においては、外部にフィルタ70を露出させる外側導入孔65の直径を0.4mm以下とすることで、小石等の飛散物が跳ね上げられたとしても、フィルタ70の破損を抑制することが可能となっている。
また、図2に示すように、内側導入孔55及び外側導入孔65は、周方向にずらして配置されている。このため、仮に外側導入孔65から露出した部位のフィルタ70が破損し、破損した箇所から水滴等が侵入したとしても、フィルタ70が破損した部位と、内側導入孔55とは面していないため、内側導入孔55まで水滴が到達しにくく、水滴が内側導入孔55より内筒50の内部空間に侵入することを抑制できる。
なお、内側導入孔55と外側導入孔65との距離が、外側導入孔の直径以上、周方向(又は軸線方向)に離して配置されていることが好ましい。これにより、内側導入孔55に面した部位のフィルタ70をより効果的に保護することが出来る。
また、フィルタ70は周方向に切れ目無く存在しているため、仮に酸素センサ1へと外部から衝撃が加わり外筒60が変形することで、内筒50と外筒60とによるフィルタの挟持力が低下し、フィルタ70が周方向に回転又は移動可能となっても、常に内側導入孔55及び外側導入孔65に面した位置にフィルタ70が存在するため、ケーシング10の内部に水等の異物(大気以外の物質)が浸入することをより効果的に防ぐ事が可能となっている。
[他の実施形態]
(1)上記の実施形態では、有底筒状の酸素検出素子2を備える酸素センサ1を例に挙げて説明したが、これに限定されることは無く、ガスセンサの使用に際して基準ガス(大気)を利用するガスセンサであれば適用できる。例えば、板型の検出素子を備える酸素センサやNOxセンサ等に、本発明を適用する事が出来る。
(2)また、上記の実施形態では、内側導入孔55及び外側導入孔65の数が、それぞれ4個、116個であって、且つ直径がそれぞれ1.6mm、0.3mmである例で説明したが、これに限られるものではなく、「内側導入孔の直径よりも前記外側導入孔の直径のほうが小さく、前記内側導入孔の断面積の合計が前記外側導入孔の断面積の合計よりも小さい」という関係を満たせば、導入孔の数及び直径は適宜変更する事が可能である。例えば、直径3.2mmの内側導入孔1つと、直径0.15mmの外側導入孔65を464個形成しても良い。
但し、外側導入孔65の直径が0.05mm未満となると、ガスセンサ1を自動車等の車両に取付けて利用した場合には、車両の跳ね上げた泥水等がガスセンサ1にかかり、泥水等が外側導入孔65に付着した時に目詰まりを生じることがある。その結果、外側導入孔65の通気を阻害し、ケーシング内部の基準ガスを速やかに交換できなくなる虞がある。そのため、外側導入孔の直径は0.05mm以上とすることが好ましい。
(3)また、上記の実施形態では、酸素センサ1を径方向から見たときに内側導入孔55と外側導入孔65とが重ならないよう配置するため、内側導入孔55と外側導入孔65とを周方向にずらして配置しているが、これは、図5に示すように、軸線方向にずらして配置しても問題無い。なお図5は、内筒50を径方向外側から見たときの正面図である。図中の15個形成された孔は、外筒60に形成された外側導入孔65に対応する孔の位置である。また、軸線方向にずらしつつ、且つ周方向にずらして配置することで、より一層水滴等の異物(大気以外の物質)がケーシング10の内部に侵入する事を効果的に防ぐ事が可能となる。
(4)また、上記の実施形態のように、フィルタ70が内筒50を径方向から取り囲むように筒状に設けられていることが好ましいが、図6に示すように、外側導入孔65に面した部位にのみフィルタ70を配置しても良い。なおこの際には、外筒60のフィルタ70に対応する位置を径方向内側に加締めて、フィルタ70が周方向にずれることの無い様に固定する事が好ましい。
1…酸素センサ
2…酸素検出素子
3…ヒータ
4…発熱部
6、7…インシュレータ
8…シール層
10…ケーシング
15…パッキン
17…グロメット
18…セラミックセパレータ
20、21、22…リード線
23…内側端子金具
33…外側端子金具
43…ヒータ端子金具
50…内筒
55…内側導入孔
60…外筒
61…フィルタ用先端加締部
62…フィルタ用後端加締部
63…外側導入孔形成部
65…外側導入孔
70…フィルタ
100…プロテクタ
101…ガス透過口

Claims (5)

  1. 軸線方向に延び、自身の先端側に被測定ガスにさらされる検出部を有するセンサ素子と、
    前記センサ素子が挿入される筒状のケーシングと、
    前記ケーシングの後方側に配置され、内部空間が該ケーシングと連通し、かつ外気を自身の内部空間に導入する為の内側導入孔が自身の壁部に1ないし複数形成された筒状の内筒と、
    前記内筒の径方向外側に配置され、液体の通過は阻止し気体の通過は許容するフィルタと、
    該フィルタの径方向外側に配置され、当該フィルタを前記内筒と自身との間に保持すると共に、前記フィルタを介して前記内筒の内部空間に外気を導入する為の外側導入孔が、フィルタ表面上の自身の壁部に複数形成された外筒と、
    を有するガスセンサにおいて、
    前記内側導入孔の直径よりも前記外側導入孔の直径のほうが小さく、且つ前記内側導入孔の断面積の合計が前記外側導入孔の断面積の合計よりも小さいことを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記ガスセンサを径方向外側から見たときに、外側導入孔が見えることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記外側導入孔の直径は0.4mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記フィルタは、前記内筒を径方向から取り囲むよう筒状に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 前記ガスセンサを径方向外側から見たときに、前記内側導入孔と前記外側導入孔とが重ならない位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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