JP2012092182A - ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト - Google Patents

ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト Download PDF

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Abstract

【課題】破断強度や破断伸び率などのゴム物性と難燃性が共に優れ、且つ有害ガスの発生量が少ない安全なゴム組成物を提供すること。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部、下記一般式(I)で表される環状フェノキシホスファゼン10〜50質量部及び硫黄0.5〜10質量部を含有してなるゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いたコンベアベルト。
Figure 2012092182

(式中、nは3〜25の整数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、破断強度や破断伸び率などのゴム物性と難燃性が共に優れ、且つ有害ガスの発生量が少ない安全なゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたコンベアベルトに関する。
コンベアベルトのカバーゴムなど、輸送物を搬送するために耐久性が要求される部位などに使用されるゴムは、輸送物が何らかの要因によって発火したときなどに被害が拡大し難いよう、難燃性にも優れている必要がある。ゴムの難燃化には、従来、例えば塩素化パラフィン、三酸化アンチモン、臭素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤が好適に用いられていた(特許文献1及び2参照)。より一層高い水準で難燃化したい場合には、塩化ゴム(クロロプレン)などに三酸化アンチモンや塩素化パラフィンなどを配合していた。しかしながら、これらのハロゲン化物を含有するゴムは、難燃性としては優れているものの、燃焼中にハロゲン系の有害ガスが発生し、二次災害が生じるおそれがあった。
そこで、近年、有害ガスの発生量が少ないノンハロゲン及びノンアンチモン系の難燃剤として、適宜表面がコーティング処理された赤燐や、燐酸エステル系可塑剤(特許文献3参照)などが使われるようになってきた。
特開昭58−127746号公報 特開2009−249459号公報 米国特許出願公開第2010−0044189号公報 特開2007−224107号公報
しかし、有害ガスの発生量が少ないノンハロゲン及びノンアンチモン系の難燃剤として使用される燐酸エステル系可塑剤は、燐原子の含有量が少なめであるため、十分な難燃性を付与するための必要量が多く、例えば破断強度や破断伸び率などのゴム物性を損なう傾向にあった。さらに、同じくノンハロゲン及びノンアンチモン系の難燃剤として使用される赤燐は、常温では固体で存在する為、ゴムの破断強度が著しく低下する傾向にある。このように、破断強度や破断伸び率などのゴム物性に優れ、さらに十分な難燃性を有し、かつ有害ガスの発生量が少ないゴム組成物の開発が切望されている。
このような観点から、非ジエン系ゴム、ホスファゼン化合物及び有機過酸化物を含有する、難燃性及び機械的特性に優れた架橋性ゴム組成物が開発されている(特許文献4参照)。しかし、特許文献4に記載されたゴム組成物は、有機過酸化物加硫したものであるため、架橋点同士が直接又は架橋助剤を介して結合した構造をしているがゆえに耐熱性に優れるが、硫黄加硫した(架橋点同士が硫黄を介して結合している。)ゴム組成物に比べて破断伸び率が低くなる傾向にあり、且つ製造コストが高くなるという問題がある。なお、特許文献4に記載のゴム組成物では、有機過酸化物によってホスファゼン化合物とエチレン・α−オレフィンゴムとが共架橋されており、ジエン系ゴムを硫黄加硫したゴム組成物とは構造が大きく異なる。
よって、本発明の課題は、破断強度や破断伸び率などのゴム物性と難燃性が共に優れ、且つ有害ガスの発生量が少ない安全なゴム組成物を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、ジエン系ゴムと環状フェノキシホスファゼンとを所定割合で含有してなるゴム組成物であれば、破断強度や破断伸び率などのゴム物性を高い水準に維持したまま優れた難燃性を示し、また、いざ燃焼した場合でも有害ガスの発生量が少なく安全性が高いことを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[6]に関する。
[1]ジエン系ゴム100質量部、下記一般式(I)で表される環状フェノキシホスファゼン10〜50質量部及び硫黄0.5〜10質量部を含有してなるゴム組成物。
Figure 2012092182
(式中、nは3〜25の整数を示す。)
[2]ジエン系ゴムが、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)及びアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)から選択される少なくとも1種である、上記[1]に記載のゴム組成物。
[3]さらに、前記ジエン系ゴム100質量部に対して難燃助剤5〜50質量部を含有する、上記[1]又は[2]に記載のゴム組成物。
[4]さらに、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、ゴム用軟化剤1〜20質量部及びカーボンブラック20〜90質量部を含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物。
[5]コンベアベルト用である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム組成物。
[6]上記[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム組成物を用いたコンベアベルト。
本発明によれば、破断強度や破断伸び率などのゴム物性を高い水準に維持したまま優れた難燃性を示し、また、いざ燃焼した場合でも有害ガスの発生量が少なく安全性が高いゴム組成物を提供できる。
本発明のゴム組成物が含有する環状フェノキシホスファゼンは、例えば赤燐とメラミンシアヌレートに代えることによって、環状フェノキシホスファゼンとほぼ同等量のリン原子及び窒素原子を含有してなるゴム組成物(比較例4参照)に対して、難燃性のみならず、破断強度及び破断伸び率がより一層優れている。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部、環状フェノキシホスファゼン10〜50質量部及び硫黄0.5〜10質量部を含有してなるものである。
以下、本発明のゴム組成物の原料成分について、詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
ジエン系ゴムは、1分子中に炭素−炭素二重結合を2つ有するモノマーを単独重合したもの、該モノマー2種を共重合したもの、又は該モノマー1種とエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物とを共重合下ものである。1分子中に炭素−炭素二重結合を2つ有するモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ペンタジエン等が挙げられ、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。エチレン性不飽和結合を1つ有する化合物としては、例えばアクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ、アクリロニトリル、スチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
ジエン系ゴムの具体例としては、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が好ましく挙げられる。これらの中でも、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)がより好ましく、これら3種を併用することがさらに好ましい。天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)及びスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を併用する場合、それぞれの含有割合(NR:BR:SBR)は、質量比で、好ましくは50〜80:10〜40:5〜30であり、より好ましくは60〜80:15〜35:5〜25である。
(環状フェノキシホスファゼン)
環状フェノキシホスファゼンとしては、下記一般式(I)で表される環状フェノキシホスファゼンを用いる。
Figure 2012092182
前記一般式(I)中、nは3〜25の整数を示す。nは、融点を100〜150℃程度(好ましくは100〜130℃、より好ましくは100〜120℃、さらに好ましくは100〜115℃)にする観点から、好ましくは3〜20の整数、より好ましくは3〜15の整数、さらに好ましくは3〜5の整数、特に好ましくは3又は4である。より具体的には、下記化学構造式のように、n=3で六員環を形成しているもの(以下、六員環状フェノキシホスファゼンと称する。)、n=4で八員環を形成しているもの(以下、八員環状フェノキシホスファゼンと称する。)が好ましい。
Figure 2012092182
本発明では、環状フェノキシホスファゼンは、前記一般式(I)で表される環状フェノキシホスファゼン2種以上の混合物であってもよい。混合物である場合、融点を100〜150℃程度(好ましくは100〜130℃、より好ましくは100〜120℃、さらに好ましくは100〜115℃)にする観点から、六員環状フェノキシホスファゼンを40質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、60質量%以上含有することがさらに好ましい。さらに、六員環状フェノキシホスファゼンと八員環状フェノキシホスファゼンとを合計70質量%以上含有していることが好ましく、80質量%以上含有していることがより好ましく、85質量%以上含有していることがさらに好ましい。なお、環状フェノキシホスファゼンの混合物においては、六員環状フェノキシホスファゼンと八員環状フェノキシホスファゼン以外の環状フェノキシホスファゼンとして、例えばn=15の環状フェノキシホスファゼンなどが含まれていてもよい。
本発明で使用する環状フェノキシホスファゼン、特に六員環状フェノキシホスファゼンの融点は112℃程度であり、常温では固体の難燃剤である。環状フェノキシホスファゼンの融点が112℃程度であり低いため、本発明のゴム組成物に含有させる各成分を112〜150℃程度で溶融混練すると、溶融混練時に環状フェノキシホスファゼンが液状となっているために難燃剤を組成物中に効率良く分散させることができ、この点で、赤燐(融点:590℃)などの高融点を有する難燃剤より優れる。なお、環状フェノキシホスファゼンが液状で効率良く分散されると、難燃性の向上効果が高まり、かつ破断強度や破断伸び率などのゴム物性を高く維持することができ、さらには耐摩耗性が高くなる。
環状フェノキシホスファゼンの使用量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して10〜50質量部であり、好ましくは10〜40質量部、より好ましくは15〜40質量部、さらに好ましくは15〜35質量部である。環状フェノキシホスファゼンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して10質量部未満であると、難燃性の改善効果が不十分である。一方、環状フェノキシホスファゼンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して50質量部を超えると、破断強度及び破断伸び率等のゴム物性が不十分となる。
本発明のゴム組成物には、難燃性の観点から、環状フェノキシホスファゼンと共に、難燃助剤を含有してなるものであることが好ましい。
難燃助剤としては、公知のものを使用することができるが、本発明の主旨から、非ハロゲン系の難燃助剤であることが好ましい。なお、ハロゲン系の難燃助剤を使用する場合は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、特に好ましくは1質量部以下である。
非ハロゲン系の難燃助剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、赤燐、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化鉄、酸化銅、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ケイ素、ゼオライト、酸化ジルコニウム等の無機系難燃助剤;燐酸トリフェニルエステル、燐酸トリクレジルエステル等の燐酸エステル系可塑剤;メラミンシアヌレート、エチレンジメラミンジシアヌレートなどが挙げられるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの中でも、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛が好ましい。難燃助剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、赤燐を使用する場合には、本発明の効果を著しく損なわないように、その使用量は10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
難燃助剤を使用する場合、その使用量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部、より好ましくは15〜40質量部、さらに好ましくは20〜40質量部である。
(硫黄)
本発明のゴム組成物は、硫黄を含有してなるもの、つまり硫黄加硫してなるものである。硫黄の使用量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
(ゴム用軟化剤)
本発明のゴム組成物は、ゴム用軟化剤を含有してなるものであることが好ましい。ゴム用軟化剤としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、シリコーンオイル、植物系オイルが挙げられる。これらの中でも、パラフィン系オイル、ナフテン系オイルが好ましい。ゴム用軟化剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
パラフィン系オイルの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.1〜2、より好ましくは1.1〜1.5であり、動粘度(40℃)は好ましくは30〜2,000mm2/secである。パラフィン系オイルとしては、出光興産株式会社製の「ダイアナプロセスオイルPW」、新日本石油株式会社製の「スーパーオイルY22」、三井化学株式会社製の「ルーカント(登録商標)HC」などの市販品を利用することができる。
ナフテン系オイルは、水添されたものであってもよいし、未水添のものであってもよい。ナフテン系オイルとしては、出光興産株式会社製の「ダイアナプロセスオイルNS」、「ダイアナプロセスオイルNM」、「ダイアナプロセスオイルNR」や、三共油化工業株式会社製の「SNH」などの市販品を利用することができる。
芳香族系オイルとしては、出光興産株式会社製の「ダイアナプロセスオイルAC」などの市販品を利用することができる。
ゴム用軟化剤を使用する場合、その使用量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部であり、より好ましくは3〜20質量部、さらに好ましくは5〜20質量部、特に好ましくは5〜15質量部である。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有してなるものであることが好ましい。カーボンブラックとしては、標準品種であるSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF(以上ゴム用ファーネス)、MTカーボンブラック(熱分解カーボン)等が挙げられる。
カーボンブラックを使用する場合、その使用量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、好ましくは20〜90質量部、より好ましくは30〜70質量部、さらに好ましくは40〜60質量部である。
本発明のゴム組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、その他の添加剤を含有してなるものであってもよい。かかる添加剤としては、例えば、低ロス化剤、老化防止剤、ワックス、シリカ、シランカップリング剤、加硫促進剤、加硫遅延剤(スコーチ防止剤)、しゃく解剤、オゾン亀裂防止剤、抗酸化剤、クレーなどが挙げられる。これらは、市販品を使用できる。添加剤の使用量は、本発明の目的が損なわれない範囲で当業者が適宜選択できる。
低ロス化剤としては、本発明のゴム組成物のエネルギー損失を低減するものであり、例えば3−ヒドロキシ−N'−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド(BMH)(大塚化学株式会社製)などが挙げられる。
老化防止剤としては、公知の老化防止剤を選択し用いることができる。例えば、N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(「ノクラック(登録商標)6C」、大内新興化学工業株式会社製)やN−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(「ノクラック(登録商標)3C」、大内新興化学工業株式会社製)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物などが挙げられる。
シリカとしては、ニップシールAQ(商品名、東ソー・シリカ株式会社製)の市販品を使用することができる。
また、加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等が挙げられる。市販品としては、例えば「ノクセラー(登録商標)NS−F」(商品名、大内新興化学工業株式会社製)などが挙げられる。
加硫促進剤を使用する場合、その使用量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。
このように、本発明のゴム組成物は、所定割合のジエン系ゴム及び環状フェノキシホスファゼンと、適宜必要な難燃助剤、ゴム用軟化剤、カーボンブラック、硫黄、その他の添加剤を溶融混練することにより得られる。
溶融混練する方法は、当業者が通常実施する方法に従えばよく、例えば、硫黄、加硫促進剤以外の全成分を、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサーなどを用いて混練(A練り)した後、必要に応じて、硫黄、加硫促進剤を添加(B練り)して中・低速バンバリーミキサー、ニーダー、混練ロール機などで混練すればよい。A練りする際の温度及びB練りする際の温度はいずれについても、環状フェノキシホスファゼンを液状にして充分に混合する観点から、好ましくは110〜150℃、より好ましくは112〜150℃、さらに好ましくは115〜150℃、特に好ましくは120〜150℃である。
(ゴム組成物の性状)
本発明のゴム組成物は、破断強度が15MPa以上であり、おおよそ15〜18MPaの範囲である。また、破断伸び率が500%以上であり、おおよそ530〜630%の範囲である。さらに、耐摩耗性にも優れているため、コンベアベルト用に適している。ゆえに、本発明は、本発明のゴム組成物を用いたコンベアベルトをも提供する。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で得られたゴム組成物について、以下の方法に従って、破断強度及び破断伸び率を測定した。また、以下の方法に従って、難燃性及び耐摩耗性を調査した。
(1.破断強度、破断伸び率)
溶媒キャスト法により成型したフィルムを用いて、「JIS K6251 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じ、引張り速度は10mm/minにて測定した。
(2.難燃性)
オーストラリア規格のAS1334.10によって、炎消化時間及びグロー継続時間を調査し、難燃性の指標とした。具体的には、12.5mm幅の短冊状ベルト試験片を切り出し、水平に固定した。そして、端部から1000℃のガスバーナーを当て、60秒燃焼させた後、火炎を除去し、炎の継続時間を測定した。また、炎が消火後、1.5m/sの通風を開始し、グローの消火時間を測定した。
いずれも時間が短い方が難燃性に優れることを示す。なお、グローとは無煙燃焼のことである。
(3.耐摩耗性)
JIS K6264−2に従い、DIN摩耗試験機を使用して室温で摩耗量を測定した。値が小さいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
<実施例1〜3及び比較例1〜7>
表1に示す配合(単位:質量部)で、硫黄及び加硫促進剤を除く各成分をバンバリーミキサーにて140℃で溶融混練(A練り)し、引き続き、硫黄及び加硫促進剤を添加して115℃で溶融混練(B練り)することによりゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を用いて、破断強度及び破断伸び率を測定し、難燃性及び耐摩耗性について調査した。結果を表1に示す。
Figure 2012092182
<表1中の注釈の説明>
1)天然ゴム、グレード;RSS−4号
2)「JSR1500」(商品名)、スチレンブタジエンゴム、JSR株式会社製
3)「ジエンNF35R」(商品名)、ブタジエンゴム、旭化成工業株式会社製
4)「SPS−100」(商品名)、大塚化学株式会社製、一般式(I)中のn=3であるものを約70質量%、n=4であるものを約20質量%含有した環状フェノキシホスファゼンの混合物。
5)「エンパラ(登録商標)70」(商品名)、味の素ファインテクノ株式会社製
6)「PATOX(登録商標)−M」(商品名)、日本精鉱株式会社製
7)「ノバレッド120」(商品名)、表面処理された赤燐、燐化学工業株式会社製
8)「MC−4000」(商品名)、日産化学工業株式会社製
9)「ハイジライト(登録商標)H−42」(商品名)、昭和電工株式会社製
10)「TCP」(商品名)、大八化学工業株式会社製
11)「ALCANEX(登録商標)FRC」(商品名)、水澤化学工業株式会社製
12)「ダイアナプロセスオイルAC」(商品名)、芳香族系オイル、出光興産株式会社製
13)「ダイアブラック(登録商標)H」(商品名)、グレード;HAF、三菱化学株式会社製
14)「ノクラック(登録商標)6C」(商品名)、大内新興化学工業株式会社製
15)「Sulfax Z」(商品名)、鶴見化学工業株式会社製
16)「ノクセラー(登録商標)NS−F」(商品名)、大内新興化学工業株式会社製
表1より、本発明のゴム組成物は、ゴム物性と難燃性とが共に優れており、同時に、耐摩耗性にも優れていることがわかる。
一方、比較例1で得られたゴム組成物は、環状フェノキシホスファゼンの使用量が少な過ぎるため、難燃性が充分に改善されていない。比較例2で得られたゴム組成物は、環状フェノキシホスファゼンの使用量が多過ぎるため、難燃性は高いものの、ゴム物性が低下しており、耐摩耗性も低くなった。
比較例3は、実施例2において環状フェノキシホスファゼンの代わりに同量の赤燐を使用したものであるが、ゴム物性が大幅に低下し、耐摩耗性も大幅に低下した。比較例4は、赤燐とメラミンシアヌレートを併用することによって、燐原子と窒素原子を共存させ、環状フェノキシホスファゼンを使用した場合と類似した環境下に置かれるようにしたものであるが、難燃性が低下し、ゴム物性も大きく低下し、かつ耐摩耗性も低下した。
比較例5は、環状フェノキシホスファゼンの代わりに燐酸エステル系可塑剤とメラミンシアヌレートとを併用したものである。ここで、燐酸エステル系可塑剤の燐原子の含有率は、環状フェノキシホスファゼンの場合と比べて少ないため、40質量部使用することで、燐原子の含有量としては環状フェノキシホスファゼン30質量部の場合(実施例2)とおおよそ同じとなる。さらにメラミンシアヌレートを使用して窒素原子を共存させることにより、実施例2と同程度の難燃性になると推測したが、結果的には、難燃性は劣り、破断強度は大幅に低下し、耐摩耗性も低くなった。
比較例6及び7は、ハロゲン系難燃剤を使用したものであるが、酸化アンチモンと共に含有量を増やさなければ難燃性が不十分なままであり(比較例6)、一方、含有量を増やした場合(比較例7)には、ゴム物性が低下した。さらに、比較例7では、水酸化アルミニウムを使用しなかったところ、グロー継続時間が長くなった。
<試験例1、比較試験例1>
実施例2、比較例3において得られたゴム組成物を用い、BSS7239(ボーイング社の安全規格)に従って、ASTM E662の試験時の発煙ガス(CO、HCl、SO2、NOx)の発生量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2012092182
表2より、発明のゴム組成物を用いた試験例1では、ハロゲン系難燃剤を使わなかったことにより、燃焼時に発生する有害ガスの濃度が大きく減少し、同時に、煙の濃度が大きく減少した。
本発明のゴム組成物は、破断強度や破断伸び率等のゴム物性に優れ、高い難燃性を有し、さらに有毒ガスの発生量が抑制されており、かつ耐摩耗性に優れるため、ベルト等の各種ゴム製品、例えばコンベアベルト等に有用である。

Claims (6)

  1. ジエン系ゴム100質量部、下記一般式(I)で表される環状フェノキシホスファゼン10〜50質量部及び硫黄0.5〜10質量部を含有してなるゴム組成物。
    Figure 2012092182
    (式中、nは3〜25の整数を示す。)
  2. ジエン系ゴムが、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)及びアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. さらに、前記ジエン系ゴム100質量部に対して難燃助剤5〜50質量部を含有する、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. さらに、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、ゴム用軟化剤1〜20質量部及びカーボンブラック20〜90質量部を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. コンベアベルト用である、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いたコンベアベルト。
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