JP2012091834A - スライド式開閉蓋を有する収納容器 - Google Patents

スライド式開閉蓋を有する収納容器 Download PDF

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Abstract

【課題】たとえ片手が塞がっていても、容器本体のどちら側からでも積層薄紙を容易に、素早く引き出せるようにする。
【解決手段】内側に積層薄紙Pを収容する収容空間Sとこの積層薄紙Pの取出し口4 とが備わった容器本体2と、前記取出し口4を閉塞並びに解放するための左右対称形の一対の開閉蓋5とが備わり、前記開閉蓋5が前記容器本体2の上壁3にほぼ沿って平行にスライド出来るように装着されていると共に、両開閉蓋5の対向する辺縁13の間に両開閉蓋5による前記取出し口4の閉塞姿勢を保持するロック機構16が設けられ、このロック機構16は両開閉蓋5のいずれか一方の前記辺縁13上面を押圧することでロック解除可能に構成され、かつ、両開閉蓋5の閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋側への移行を防止するストッパー14が備わっている
【選択図】 図1

Description

この発明は、ウエットティシュ等、主として家庭で用いられている、多数枚が積層された薄紙を収納するための収納容器に関する。
従来から、人体等を拭ったり、家屋の床やトイレ等を拭いりするため等の積層薄紙を収納する収納容器が知られている。
この種の家庭用の積層薄紙の収納容器は、例えば、内側にそのまま集積されたもしくは個包装された積層薄紙を収容する収容空間と、この積層薄紙の取出し口を上部に備えた容器本体と、この容器本体の上部に回動自在に設けられて取出し口を開放及び閉塞する開閉蓋とを備えたものが存在したり、提案されていたりする。そして、何れもが開閉蓋を上向きに回動させて取出し口を開放し、この取り出し口から積層薄紙を引き出して使用する。使用後は開閉蓋を下向きに回動させて取出し口を閉塞し、積層薄紙に塵や埃が付着するのを防止するようにしてある。(例えば特許文献1〜8参照)。
ところで、従来のこの種収納容器は、多くのものが開閉蓋を開放した際に、この開閉蓋が上方へ立ち上がってその開放姿勢を保っている(特許文献1〜6参照)。
翻って、この種積層薄紙を容器から引き出す際の状況は、特に赤ちゃんなどの乳幼児のおしり拭きとして使用する場合においては、片方の手に乳幼児を抱きかかえていたり、乳幼児の足首などを持っていたりといった状況など、往々にして片側の手が塞がっている場合に使用されることが多いのが良く知られている事実である。
したがって、この片手が塞がっている状況下で、空いているもう片方の手で積層薄紙を容器から引き出そうとしても、特に容器の背側からでは開閉蓋がその引き出しを邪魔して、また、視界を遮って、中々上手く引き出せないのが常であった。
一方、種々検討の過程で、開閉蓋をその閉塞姿勢から180度反転して、取出し口を大きく解放するものも見られる(特許文献7〜8参照)。
しかし、このタイプは開閉蓋をその閉塞姿勢に保つためのロック構造が、一般的には、開閉蓋から一体に突設させた係合片を容器本体に連設したプッシュ片に係合する構造(特許文献6〜7参照)であったり、開閉蓋に設けたノッチを容器本体の係合凹部に係止させる等であったりする。そのために、早期の内に係合力が弱まり、開閉蓋が開きっぱなしになったり、係合片とプッシュ片の係合に不具合が生じて、開け難く、開放作業に時間がかかったりする問題点が見られる。そして、何れの場合にも開放姿勢にあるときの開閉蓋が、容器本体の側方へ大きく突出し、手足に引っ掛かったりするために、取り扱い上問題がある。
そこでこの発明の課題は、たとえ片手が塞がっていても、容器本体のどちら側からでも積層薄紙を容易に、素早く引き出せるようにする点である。
以上の技術的な課題を解決するために、この発明の請求項1記載のスライド式開閉蓋を有する収納容器は、内側に積層薄紙を収容する収容空間とこの積層薄紙の取出し口とが備わった容器本体と、前記取出し口を閉塞並びに解放するための左右対称形の一対の開閉蓋
とが備わり、前記開閉蓋が前記容器本体の外壁にほぼ沿って平行にスライド出来るように装着されていると共に、両開閉蓋の対向する辺縁の間に両開閉蓋による前記取出し口の閉塞姿勢を保持するロック機構が設けられ、このロック機構は両開閉蓋のいずれか一方の前記辺縁上面を押圧することでロック解除可能に構成され、かつ、両開閉蓋の閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋側への移行を防止するストッパーが備わっている構造を採用したものである。
以上の構成によれば、開閉蓋の辺縁を押圧することでロックを解除でき、しかも開閉蓋を取出し口の存在仮想平面と平行に横移動させることによって取出し口を開放できるので、容器本体の何れの側からでも、取出し口をしっかり視認できながら、しかもワンタッチで簡便に開閉蓋の開閉が可能になる。
従って、この発明の請求項1に記載のスライド式開閉蓋を有する収納容器は、開閉蓋が立ち上がって開放姿勢を保つ従来品やロック機構の作動が不安定な従来品と違って、収納容器の向きに関わりなく、どちらの側からも簡便に開閉蓋を開閉でき、併せて開閉蓋に邪魔されることなく、的確、かつ、素早く積層薄紙取出し口から引き出すことができる。
また、上記の技術的な課題を解決するために、この発明の請求項2に記載のように、内側に積層薄紙の収容空間を備え、上壁が弧状に形成されていて、この上壁に積層薄紙の取出し口が備わった容器本体と、前記取出し口を閉塞並びに解放するための前記上壁の円弧形状に沿って円弧状に形成された左右対称形の一対の開閉蓋とを備え、前記容器本体には前記開閉蓋が前記容器本体の上壁の弧状面にほぼ沿って平行にスライドできるようにこれを案内するガイドが備わっていると共に、開閉蓋の突き合わせ辺縁の間にこの開閉蓋による前記取出し口の閉塞姿勢を保持するロック機構が設けられ、このロック機構は開閉蓋の前記辺縁上面を押圧することでロック解除可能に構成され、かつ、両開閉蓋の閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋側への移行を防止するストッパーが備わっているものである。
以上の構成によるスライド式開閉蓋を有する収納容器においては、図1、図2、図4(A)に示すように、開閉蓋がロック機構によって取出し口を覆い、収納空間内の積層薄紙が乾燥するのを防止しながら、閉塞姿勢を保っている。この状態から収納空間内の積層薄紙を取り出すには、一方の開閉蓋の辺縁部を指先などで押圧して、開閉蓋を押しやり、撓ませる。この撓みによって、両開閉蓋のロック状態が解除される。ロックが解除された後は、容器本体の向きはそのままで、先ほどの両開閉蓋の辺縁を親指と人差し指を開くようにして押し広げる。このようにすることで、図3、図4(B)、図5に示すように、両開閉蓋は容器本体の上壁の弧状面にほぼ沿って平行にスライドする。このスライドはガイドによって円滑に達成される。開閉蓋が取出し口を開放したら、指先で積層薄紙を引き出す。開閉蓋は取出し口の両側へ移るだけであるから、容器本体の向きによって開閉蓋が視界を遮って取出し口が見え難くなることがなく、容器本体の何れの側からでもこの取出し口を的確に視認できる。
積層薄紙を使い終わって取出し口を閉塞するには、図3、図4(B)、図5に示した開放姿勢から、両開閉蓋辺縁のプッシュ部に親指と人差し指の指先を添えて両開閉蓋を閉止方向へ引き寄せるようにして、両開閉蓋をガイドに沿ってスライドさせる。最終段階でやや強く引き寄せてロック機構を作動させ、図1、図2、図4(A)に示す閉塞姿勢を保つようにする。
従って、この発明の請求項2記載のスライド式開閉蓋を有する収納容器は、両開閉蓋のいずれか一方の辺縁を押圧することでロックを解除でき、しかも開閉蓋を取出し口の存在仮想平面と平行に横移動させることによって取出し口を開放できるので、容器本体の何れ
の側からでも、取出し口をしっかり視認できながら、しかもワンタッチで簡便に開閉蓋の開閉が可能になる。
その結果、開閉蓋が立ち上がって開放姿勢を保つ従来品やロック機構の作動が不安定な従来品と違って、収納容器の向きに関わりなく、どちらの側からも簡便に開閉蓋を開閉でき、併せて開閉蓋に邪魔されることなく、的確、かつ、素早く積層薄紙を取出し口から引き出すことができる。
また、この発明に係るスライド式開閉蓋を有する収納容器は、請求項3に記載されるように、内側に積層薄紙の収容空間を備え、上壁が弧状に形成されていて、この上壁に積層薄紙の取出し口が備わった容器本体と、前記取出し口を閉塞並びに解放するための前記上壁の円弧形状に沿って円弧状に形成された左右対称形の一対の開閉蓋とを備え、前記容器本体には前記開閉蓋が前記容器本体の上壁の弧状面にほぼ沿って平行にスライドできるようにこれを案内するガイドが備わっていると共に、開閉蓋の対峙する辺縁の間にこの開閉蓋による前記取出し口の閉塞姿勢を保持するロック機構が設けられ、このロック機構は開閉蓋の前記辺縁上面を押圧することでロック解除可能に構成され、かつ、両開閉蓋の閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋側への移行を防止するストッパーが備わっていると共に、前記ロック機構によるロックが解除された後にこの開閉蓋を弾性反発力によって強制的に開き方向へ押圧する解放機構が備わった構成とすることができる。
この構成によると、請求項1に記載された発明の効果をそのまま発揮しながら、更に加えて、解放機構による弾性反発力によって、開閉蓋が強制的に開き方向へ押しやられ、その結果、ロック解除後の開閉蓋の開放動作を素早く行える。したがって、急いで収納容器から積層薄紙を取出すときにも、一層軽い力で、素早く、また的確に行える。
また、この発明に係るスライド式開閉蓋を有する収納容器は、請求項4に記載されるように、ガイドは容器本体の左右の壁面下部に形成されたガイドレールと前記両開閉蓋の左右の垂下壁の下部に設けられ、前記ガイドレールに嵌め込まれた駒とで構成されるのが望ましい。
開閉蓋の開閉動作を一層的確、かつ迅速、更にスムーズに行えるからである。
また、請求項5に記載のように、両開閉蓋の若しくはいずれか一方の開閉蓋の辺縁上面には部分的に粗面に形成された押圧面に形成されるのが望ましい。
指先の開閉蓋に対するフィット感を高め、引っ掛かりを的確にして、開閉を的確、かつ、素早く行えるからである。
更に、請求項6に記載のように、ロック機構は一方の開閉蓋辺縁の左右中央部から他方の開閉蓋辺縁の上壁側に向かって膨出した突部を備えて一体的に突設された係合突部と前記他方の開閉蓋辺縁の中央部に対向する部位の下面に一体に設けられた下向きに開口させた係止凹部とから構成されるのが望ましい。
簡易な構造で、廉価に提供できるからである。
また、請求項7に記載のように、開閉蓋は取出し口左右幅方向の2分の1の開口幅よりもやや長寸に形成されていて、開放姿勢でこの取出し口の上方を開放すると共に、容器本体の側面からの側方への突出量がこの開閉蓋のスライド方向の幅のほぼ3分の1以下に設定されるのが望ましい。
開閉蓋が大きく側方へ食み出す従来品と違って、側方への突出量が可及的に小さく、安全に取り扱えるからである。
さらに、請求項8に記載のように、積層薄紙としては、ウエットティッシュペーパーを用いるのが望ましい。
この発明に係るスライド式開閉蓋を有する収納容器の機能を最も理想的にはたらかせることができるからである。
この発明に係るスライド式開閉蓋を有する収納容器の実施例を示し、一部を取出して拡大した要部の拡大図を含む、開閉蓋を閉めた時の中央部分の説明断面図である。 開閉蓋を閉めた状態を示す全体外観図である。 開閉蓋を開いた状態を示す全体外観図である。 全体側面図で、(A)は開閉蓋を閉めた時の側面図、(B)は開閉蓋を開いた時の側面図である。 開閉蓋を開いた時の中央部分の説明断面図である。 ガイドと開閉蓋の関係並びにストッパーを示し、一部を取出して拡大した要部の拡大図を含む、図4(A)中A−A線一部切り欠き説明断面図である。 開閉蓋の開閉構造に係る変形例を示し、開閉蓋を閉めた時の中央部分の説明断面図である。 同変形例の開閉蓋を閉めた状態を示す全体外観図である。 同変形例の開閉蓋を開いた状態を示す全体外観図である。 同変形例の(A)は開閉蓋を閉めた時の一部切り欠き側面図、(B)は開閉蓋を開いた時の一部切り欠き側面図である。 同変形例の開閉蓋を開いた時の中央部分の説明断面図である。 この発明に係るスライド式開閉蓋を有する収納容器の更に別の変形例を示した一部切り欠き側面図である。 ロック機構の変形例を示す要部の拡大断面図である。 ウエットティシュの乾燥予防構造を示す全体外観図である。
以下、この発明に係るスライド式開閉蓋を有する収納容器をウエットティッシュペーパーの収納容器に適用した場合の実施の形態を図1〜6の記載に基づいて説明する。
この発明のスライド式開閉蓋を有する収納容器1は、容器本体2と、この容器本体2の上壁3の中央部分に形成されたウエットティシュなどの積層薄紙(以下単にウエットティッシュと称するが、あくまでも一例であって、ウエットティッシュに限定されるものでないことは言うまでもない)Pの取出し口4と、この取出し口4を開閉する左右対称形に形成された一対の開閉蓋5とを具備する。
容器本体2は、例えば硬質ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂を素材にして、ほぼ直方体として形成されている。この容器本体2の底壁6は、図1、図5、図6に示すように、容器本体2の周壁7に対して凹凸縁8を介して着脱自在に嵌合させる。凹凸縁8の嵌合により、容器本体2内が密封状態に保たれる。凹凸縁8の嵌合を解除してこの底壁6を外すことによって、容器本体2の収納空間S内にウエットティシュPを収納できる。
次に、取出し口4の構成について、図1、図3、図5、図6の記載に基づいて説明する。
容器本体2の上壁(天壁)3の中央部分を収納空間S側に矩形にやや凹没させて凹部9を一体的に形成する。そして、この凹部9の中央に前記取出し口4が形成される。開口の形状は容器本体2の長手方向(図1上において紙面の奥行き方向)に延びるようにして、円形、楕円形、長方形、更には波型、十字型など種々選択される(図外)。また、この容器本体2の上壁3は、容器本体の長手方向に直行する方向、つまりは幅方向(図1におい
て紙面の左右方向)で、中央部が軽く上方に盛り上がっていて、容器本体全体としては、側面視ほぼかまぼこ型を呈する。
開閉蓋5は、左右一対で、図1〜図5に明示するように、左右合わせて容器本体2の前記幅方向の寸法のほぼ3分の2の幅を備えている。この開閉蓋5は、例えば硬質ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂を素材にして形成されている。夫々は上壁3の形状に合わせて中央部が軽く上方に盛り上がった円弧状の閉塞板部分10と、この閉塞板部分10の両端から前記容器本体2の左右の周壁7Aに沿って下方へ一体に垂下された脚部分11から構成されている。左右一対の開閉蓋5は前記上壁3の弧状面にほぼ沿って平行に、後述のガイド溝12に案内されてスライドできる。そして、収納容器2の幅方向中央で互いに対向する辺縁13を突き合わせた閉止時には両開閉蓋5によって前記凹部9の全域上方を覆うことが出来るよう左右幅の寸法が設定されている。また、両開閉蓋5はその閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋5側へ移行しないように後述のストッパー14でその閉止位置が保たれるように構成されている。更に、前記閉塞板部分10のいずれか一方の辺縁13の中央部分上面には部分的に粗面にした押圧面10A(図2、図3上PUSH表示部位)が形成されている。指先の開閉蓋5に対するフィット感を高め、引っ掛かりを的確にして、開閉を的確、かつ、素早く行えるようにするためである。粗面の形態としては、砂状の凹凸形状や複数の凸状リブ、更には複数の凹状溝などを用いることができる。
図1、図5、特に図6に示すように、この脚部分11の下端には夫々内側に突設するスライド駒15が一体に設けられている。このスライド駒15は、容器本体2の長手方向の両側、つまり前記左右の周壁7Aの外面下方に、断面コの字型に凹没させて設けられたガイドの一例としての前記ガイド溝12に滑動自在に嵌合されている。このガイド溝12は、前記上壁3の曲率に合わせてほぼ同じ曲率でカーブし、容器本体2の左右の前記周壁7Aの左右中央部分からほぼ前後の周壁7B近傍で、容器本体2周壁7の下端に設けられた外向きフランジ7Dにわたって設けられている。従って、開閉蓋5は脚部分11を介して、この上壁3の曲率に沿って上壁3に平行に、引分け戸状にスライドでき、スライド行程の最終段階で、脚部分11の一端がこのフランジ7Dに突き当ってそのスライドが終了する。この時の開閉蓋5の前後の周壁7B側の突出量は、この発明では、図3、図4(B)、図5に示すように、夫々概ね開閉蓋5の横幅寸法のほぼ3分の1程度に設定されている。
尚、図6に示すように、前記開閉蓋5の両脚部分11に設けられたスライド駒15同士の間隔K1はガイド溝12の底同士の間隔K2と同等若しくはやや広く、かっ、容器本体2左右の周壁7Aの外面同士の間隔K3よりは狭い寸法に設定されていることは改めて言うまでもない。要するに、スライド駒15をガイド溝12から簡単に離脱させず、スムーズに開閉動できるようにするために形成されたものである。
両開閉蓋5の互いに対向する前記辺縁13の間に、開閉蓋5による前記取出し口4の閉塞姿勢を保持するロック機構16が設けられている。
このロック機構16は、図1、同図の拡大部分、図5に示すように、一方の開閉蓋5辺縁13(図2〜4参照)の下面に設けられた係合凹部17と、他方の開閉蓋5の辺縁13に前記一方の開閉蓋5側に向けて一体に突設された係止突起18とから構成される。係合凹部17並びに係止突起18は共に、この開閉蓋5の長手方向(容器本体2の長手方向)の中央部分に相当する位置に設けられている。係合凹部17は一方の開閉蓋5の辺縁13からやや内側に入った部位の下面を上方に円弧状に凹入させて形成されている。また、係止突起18は先端に前記係合凹部17に下方から嵌合する上方へ円弧状に膨出された突部19を備えている。凹部17と突部19を円弧状に形成したのはロックの係脱を容易、且つ、軽くするためである。
前記係止突起18と前記係合凹部17とのロック並びに解除、つまりは開閉蓋5の開閉は次のように行われる。
先ず、開閉蓋5を開くには、図1、図2、図4(A)の閉塞位置にある状態から、他方の開閉蓋5の辺縁13の中央部分を、例えば人差し指で下方へ押圧する。これによって、辺縁13を下方へ撓ませて係止突起18を下方へ押圧する。これによって、辺縁13を下方に撓ませて係止突起18を下方へ移行させる。この押圧によって、係止突起18の突部19は係合凹部17から下方へ離脱する。この状態で一方の開閉蓋5の辺縁13にも親指を添えて、両指を開くようにして開閉蓋5を互い引き離すことによってロックの解除が果される。引き続き、両開閉蓋5を、左右に引き離すことによって、図3、図4(B)、図5に示すように、凹部9、つまりは取出し口4上方が開放される。
次に、開閉蓋5を閉じるには、図3、図4(B)、図5の開放位置にある状態から、例えば親指と人差指を夫々一対の開閉蓋5の辺縁13に添えて、中央に向かって互いを引き寄せる。引き寄せの最終段階では、前記一方の開閉蓋5の係合凹部17へ至る手前の下面と前記突部19が接触した下方へやや弾性変形して押圧されながら突き進む。係合凹部17に至ると、下方への押圧力が解除されることで、弾性復元してこの突部19が係合凹部17内へ移行して嵌め込まれ、これによってロックが果される。その結果、開閉蓋5が閉じられ、図1、図2、図4(A)に示すように、凹部9、つまりは取出し口4の上方は左右一対の開閉蓋5で閉塞される。
また、図1に示すように、開閉蓋5の下面と容器本体2の前記上壁3の上面との間には、この開閉蓋5の下方への撓みを許して係合凹部17から係合突起18の離脱を許し、合わせて開閉蓋5の左右のスライドを円滑に行わせるように、隙間20が存在するように構成されている。この隙間20は、開閉蓋5の下面が上壁3の上面よりやや高い位置にあるように、脚部分11の寸法を設定することで形成されている。
両開閉蓋5はその閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋5側へ移行しないように、図6に示すストッパー14でその閉止位置が保たれる。
このストッパー14は、以下のように構成される。
図3、図4(B)、特に図6に示すように、容器本体2の左右の周壁7Aの中央部で、左右の周壁7Aが上壁3と連なる上縁部分に、夫々の開閉蓋5のスライド量に見合った所定長さの、この左右の周壁7A表面から容器本体2の内側に凹没させて断面形状L形の凹部21が設けられる。また、前記各開閉蓋5の脚部分11の上部内側にこの凹部21に嵌り込む駒部材22が設けられている。したがって、この凹部21の容器本体2の幅方向の中心側に位置する段部21Aに前記駒部材22が当接することで、夫々の開閉蓋5は他方の開閉蓋存在側へ移行するのを阻止される。その結果、丁度容器本体2の左右中心部分で開閉蓋5は互いの辺縁13を突き合わせた姿勢で、所期の閉塞位置を保つように構成されている。
尚、前記夫々の開閉蓋5のスライド量に見合った所定長さとは、開閉蓋5の図1に示す閉塞位置から図5に示す開放位置に至る移動長さで、開閉蓋5の脚部分11がフランジ7Dに突き当てて開放側への移行が阻止されるまでの距離を言う。凹部21はこの開閉蓋5の移動長さに前記駒部材22の幅を加えた長さとほぼ同等もしくはやや長目であることが必要であることは言うまでもない。
次にこの発明の第2の実施例について、図7〜11の記載に基づいて説明する。
以下に説明するこの第2の実施例では、収納容器2からウエットティッシュPを取出す際の緊急性を勘案して、開閉蓋5の開放姿勢への動きをより一層軽い力で、素早く、また的確に行えるようにすることを意図して開発されたものである。
基本的な考え方は、ロック機構16によるロックが解除された後に、この開閉蓋5をス
プリングの弾性反発力によって強制的に開き方向へスライドするようにし、ロック解除後の開閉蓋5の開放動作を素早く行えるようにしたものである。
ロック機構16によるロックが解除された後にこの開閉蓋5を弾性反発力によって強制的に開き方向へスライドする解放機構は以下に記す樹脂ばねで構成される。
図8、12に示すように、夫々の開閉蓋5の前記辺縁13とは反対側の縁23の下面に樹脂ばね24が装着されている。この樹脂ばね24を、開閉蓋5閉塞時に前記凹部9の前後の立ち上がり壁9Aに弾性反発力に抗して当接させ、ロック機構16のロック状態が解除されると、樹脂ばね24の弾性反発力で開閉蓋5が一挙に開放されるようになっている。
樹脂ばね24は薄板状の長方形状の板ばねが中央で二つ折にされ、この二つ折り部24Aが前記凹部9側に向けられた姿勢で、基端側の二枚重ね部分24Bが開閉蓋5の下面にピン止め25など適宜の手段で固定される。樹脂ばね24の長さは、適宜設定されるが、図例では開閉蓋5の幅のほぼ2分の1〜3分の1程度である。二つ折り部24Aはループになるので、凹部9の前後の立ち上がり壁9Aに当接すると、この壁9Aに沿って中間部分から上手く折れ曲がるようにして下方へ移行する。この折れ曲がりによって、弾性反発力が蓄えられる。また、この樹脂ばね24の移行と開閉蓋5の閉塞時の折れ曲がり姿勢を許容するために、前記凹部9の前後の立ち上がり壁9Aの外側で、容器本体2の長手方向中央部分に相当する部位には、前記上壁3を一部凹没させて凹入部26が設けられている。凹入部26の深さは、この凹入部26の底壁26Aが、図例では、収納容器2内に収められた新規のウエットティシュ束の最上端面とほぼ同等の高さ位置にあるように設定されている。樹脂ばね24の素材としては、ポリウレタンなどの合成樹脂製またはシリコンゴム、ブタジエンゴム、エチレン―プロピリンゴムなどのゴム製のものを用いることができる。また、金属ばねを前記樹脂ばねの代替として用いることもできる。
更に、この実施例では、容器の流通時に不必要に開閉蓋5が樹脂ばね24によって開放されないように締め切り構造が付加されている。
具体的には、図7、図8に示すように、各開閉蓋5の前記辺縁13の上面に、容器本体2の長手方向に所定の寸法を備えて一体に立ち上げられた鍔27が設けられている。また、この両鍔27を樹脂ばね24の弾発力に抗してしっかりと突き合わせておくために、中央に両鍔27の重ね合わせ寸法と同等若しくはやや長目の幅のスリット28を備えた矩形の平板から成る拡開阻止具29を有する。
従って、容器の流通時には閉塞姿勢にあって互いに突き合わせ状にある鍔27をこの拡開阻止具29の前記スリット28に差し込んでおく。このようにすることによって、容器の流通時に不用意に開閉蓋5が開放されるのを上手く防止できる。
尚、その他の構成は上記実施例1と同様であるので、実施例1と同様の符号を付して、詳細な説明は省略する。
以上の各実施例では、上壁3を円弧状に形成し、収納容器2全体としては、側面視かまぼこ型に形成してあるが、この実施例3では、図12に示すように、上壁3が扁平に形成されている。この上壁3の扁平形状に合わせて、開閉蓋5も水平に方向に沿った扁平に形成され、また、ガイド溝15も水平に方向に沿って直線に形成されている。
この実施例3の場合も、開閉蓋5が開いたときに、その前後の周壁7Bからの出っ張る量が前記実施例1、2と同等で、開いている開閉蓋5が手足に引っ掛かったりする虞も少なく、取り扱い易い。
尚、その他の構成は上記実施例1と同様であるので、実施例1と同様の符号を付して、詳細な説明は省略する。
以上の各実施例において、必要に応じて、前記ロック機構16のロック強度を強弱種々
選択出来るようにするのが望ましい。図13に示す例は、上記各実施例のものと違って、強く締めたい時の構造を示す。係合凹部17と係止突起18との引っ掛かりを強くし、外れにくくしたものである。
具体的には、係合凹部17の辺縁13側をほぼ垂直な面とし、これに対応させて、前記係止突起18の開閉蓋5の本体側に面する側を係合凹部17の前記垂直な面に合わせてほぼ垂直に形成したものである。係合凹部17と係止突起18との引っ掛かりが強くなり、強い閉止が可能になる。
更に、14図に示すように、前記凹部9の周囲に可撓性のある素材、例えばゴム素材や合成樹脂素材の立ち上がり壁30を設けることができる。その立ち上がり高さは、開閉蓋5が凹部9上を覆った閉止時に、この開閉蓋5の下面にこの立ち上がり壁30の上縁が丁度接触する程度である。つまりは、開閉蓋5の下面と下位の上壁3との間に形成されている前記隙間20とほぼ同等寸法である。
ロック機構16のロックを解除するために、開閉蓋5の辺縁13を下方へ押圧して撓ませるが、この立ち上がり壁30は可撓性であるから、自身が撓んでこの開閉蓋5の下方への撓みを許すので、ロックの解除はスムーズに行われる。
尚、前記実施例1では押圧面10Aが粗面に形成された例を示したが、これに代えて、第2の実施例に27で示す鍔を採用することもできる。
設置位置は押圧面10Aを設けた位置と同じで、辺縁13の中央部分の上面に一体に立ち上げて設けられている。
開閉蓋5の開閉時に、この鍔27を指先で摘まむことによって、より一層的確に開閉蓋5の開閉を可能にする。
また、図13に示す水平スライドの実施例においても、図7〜11の実施例2に示す樹脂ばね24を適用することもできる。この場合、当然に拡開阻止具29を必要とすることは言うまでもない。
また、前記各実施例において、開閉蓋5の開放量は、前記凹部9の上方全域として説明をした。ウエットティッシュPを最も引き出し易い、理想的な開放量であるからである。しかし、この発明では、必ずしもこの最適な開放量に拘るものではない。少なくとも取出し口4の上方を開放できるに足る開放量であればウエットティシュなどの積層薄紙Pは容易に引き出せるものであるから、最小限の開放量で効率良くウエットティッシュPを引き出せる範囲として、少なくとも取出し口4を解放する量が必要であることは言うまでもなく、この発明では、開放量の範囲としては取出し口4の上方から凹部9の上方の全域にわたる範囲を含み、この範囲内で適宜に設定されるのが望ましい。
以上に示したこの発明に係るスライド式開閉蓋を有する収納容器は、単にウエットティッシュペーパー収納紙容器に適用されるに止まらず、各種軟質材収納容器、その他各種容器など、ワンタッチの開閉を必要とする分野へも適用できることは言うまでもない。
1…スライド式開閉蓋を有する収納容器
2…容器本体
3…上壁
4…取出し口
5…開閉蓋
7…周壁
7A…左右の周壁
7B…前、後の周壁
9…凹部
10…閉塞板部分
11…脚部分
12…ガイド溝
13…辺縁
14…ストッパー
15…スライド駒
16…ロック機構
21…凹部
22…駒部材
24…樹脂ばね
27…鍔
29…拡開防止具
30…立ち上がり壁
P…積層薄紙
S…収納空間
特開2008−143575号公報 特開2008−137678号公報 特開2008−100749号公報 特開2006−347554号公報 特開2001−341788号公報 特開2005−104536号公報 特開平11−349066号公報 特開平08−104377号公報

Claims (8)

  1. 内側に積層薄紙を収容する収容空間とこの積層薄紙の取出し口とが備わった容器本体と、前記取出し口を閉塞並びに解放するための左右対称形の一対の開閉蓋とが備わり、前記開閉蓋が前記容器本体の上壁にほぼ沿って平行にスライド出来るように装着されていると共に、両開閉蓋の対向する辺縁の間に両開閉蓋による前記取出し口の閉塞姿勢を保持するロック機構が設けられ、このロック機構は両開閉蓋のいずれか一方の前記辺縁上面を押圧することでロック解除可能に構成され、かつ、両開閉蓋の閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋側への移行を防止するストッパーが備わっていることを特徴とするスライド式開閉蓋を有する収納容器。
  2. 内側に積層薄紙の収容空間を備え、上壁が弧状に形成されていて、この上壁に積層薄紙の取出し口が備わった容器本体と、前記取出し口を閉塞並びに解放するための前記上壁の円弧形状に沿って円弧状に形成された左右対称形の一対の開閉蓋とを備え、前記容器本体には前記開閉蓋が前記容器本体の上壁の弧状面にほぼ沿って平行にスライドできるようにこれを案内するガイドが備わっていると共に、開閉蓋の対峙する辺縁の間にこの開閉蓋による前記取出し口の閉塞姿勢を保持するロック機構が設けられ、このロック機構は開閉蓋の前記辺縁上面を押圧することでロック解除可能に構成され、かつ、両開閉蓋の閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋側への移行を防止するストッパーが備わっていることを特徴とするスライド式開閉蓋を有する収納容器。
  3. 内側に積層薄紙の収容空間を備え、上壁が弧状に形成されていて、この上壁に積層薄紙の取出し口が備わった容器本体と、前記取出し口を閉塞並びに解放するための前記上壁の円弧形状に沿って円弧状に形成された左右対称形の一対の開閉蓋とを備え、前記容器本体には前記開閉蓋が前記容器本体の上壁の弧状面にほぼ沿って平行にスライドできるようにこれを案内するガイドが備わっていると共に、開閉蓋の対峙する辺縁の間にこの開閉蓋による前記取出し口の閉塞姿勢を保持するロック機構が設けられ、このロック機構は開閉蓋の前記辺縁上面を押圧することでロック解除可能に構成され、かつ、両開閉蓋の閉塞位置を保ち、互いに他方の開閉蓋側への移行を防止するストッパーが備わっていると共に、前記ロック機構によるロックが解除された後にこの開閉蓋を弾性反発力によって強制的に開き方向へ押圧する解放機構が備わっていることを特徴とするスライド式開閉蓋を有する収納容器。
  4. ガイドは容器本体の左右の壁面下部に形成されたガイドレールと前記開閉蓋の左右の垂下壁の下部に設けられ、前記ガイドレールに嵌め込まれた駒とで構成されている請求項1又は2のいずれかに記載のスライド式開閉蓋を有する収納容器。
  5. 開閉蓋の辺縁上面には部分的に粗面に形成された押圧面が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のスライド式開閉蓋を有する収納容器。
  6. ロック機構は一方の開閉蓋辺縁の左右中央部から他方の開閉蓋辺縁の上壁側に向かって膨出した突部を備えて一体的に突設された係合突部と前記他方の開閉蓋辺縁の中央部に対向する部位の下面に一体に設けられた下向きに開口させた係止凹部とから構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のスライド式開閉蓋を有する収納容器。
  7. 開閉蓋は取出し口左右幅方向の2分の1の開口幅よりもやや長寸に形成されていて、開放姿勢でこの取出し口の上方を開放すると共に、容器本体の側面からの側方への突出量がこの開閉蓋のスライド方向の幅のほぼ3分の1以下に設定されている請求項1〜5のいずれかに記載のスライド式開閉蓋を有する収納容器。
  8. 積層薄紙がウエットティッシュである請求項1 乃至請求項 7のいずれかに記載のスライド式開閉蓋を有する収納容器。
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