JP2012090963A - 曲線状伸展性シールを有するポータル装置 - Google Patents

曲線状伸展性シールを有するポータル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】関節鏡外科手術、腹腔鏡外科手術および内視鏡外科手術のための曲線状器具シールおよび外科手術ポータルアセンブリの提供。
【解決手段】曲線状器具シール100は、本体112、環状内側エッジ114、環状外側エッジ116および(例えば、螺旋形状を有する)1つ以上の隆起した同心リング118aを含む。本体112は、上面および底面を含む。環状内側エッジ114は、外科手術器具を受け入れるように適合される開口部120を定める。環状外側エッジ116は、シールハウジングの内側部分に機械的に搭載するように適合され得る。隆起した同心リング118aは、環状内側エッジ114と環状外側エッジ116との間の弾性本体112の表面上に定められる。
【選択図】図2A

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2010年10月28日に出願された米国仮特許出願第61/407,581号への優先権およびその利益を主張し、その全内容は、これにより本明細書に参照することにより組み込まれている。
(背景)
(技術分野)
本開示は、機械的にポータル装置に連結するように適合された器具シールに関する。特に、本開示は、外科手術処置中、外科手術器具としっかりと密閉された関係を確立するように適合された曲線状伸展性器具シールに関する。
(関連技術の説明)
関節鏡処置、腹腔鏡処置および内視鏡処置は、一般的に身体内へ挿入された任意の外科手術器具を密閉することを要求する。換言すると、例えば、外科手術領域が食塩水で吹き込まれる、または食塩水を提供される外科手術処置において、ガスおよび流体は、身体に切開を通して流入または流出すべきでない。さらに、腹腔鏡処置および内視鏡処置は、しばしば、臨床医に切開から器官、組織および脈管を離脱させて扱うことを要求し、それにより、そのような処置で用いられる外科手術器具に、比較的長く狭くあることを要求する。
典型的には、外科手術器具は、器具シールの開口部を通して、器具シールに対して実質的に垂直方向で導入される。あるシチュエーションにおいて、外科手術器具が臨床医により外科手術処置中に操作されるとき、多少のガスおよび流体が、器具シールの周りの開口部を通して漏れる。より具体的には、外科手術器具が軸外れの位置で操作されるとき(つまり、外科手術器具が実質的に垂直方向ではない位置)、外科手術器具の周りに延長された開口部が作られる。この延長された開口部は、しばしば、「キャットアイ」効果と呼ばれる。「キャットアイ」効果は、意図しないガスおよび流体が器具シールの開口部を通して流入および/または流出することを可能にする。
そのため、医学分野において、外科手術処置中の外科手術器具の軸外れな操作中、効果的な密閉を維持し得る曲線状器具シールに対する継続したニーズが存在する。
(概要)
本開示は、関節鏡外科手術、腹腔鏡外科手術および内視鏡外科手術のための曲線状器具シールに関する。曲線状器具シールは、本体、環状内側エッジ、環状外側エッジおよび1つ以上の隆起した同心リングを含む。本体は、弾性材料から形成され得る上面および底面を含む。弾性本体の表面は、減少した厚みを隆起した同心リングの少なくとも1つの側上に有し得る。環状内側エッジは、外科手術器具を受け入れるように適合される開口部を定める。環状外側エッジは、シールハウジングの内側部分に機械的に搭載するように適合され得る。環状内側エッジは、増加した厚みの領域を定め得る。増加した厚みの領域および隆起した同心リングは、その間の減少した厚みの第一の領域を定める。隆起した同心リングは、環状内側エッジと環状外側エッジとの間の弾性本体の表面上に定められる。
実施形態において、1つ以上の隆起した同心リングは、螺旋構成を含み得、螺旋構成の第一の端は、環状内側エッジに近接し、螺旋構成の第二の端は、環状外側エッジに近接する。さらに、隆起した同心リングは、弾性本体の上面上、底面上または上面と底面の両方上に定められ得る。弾性本体の上面および底面上の隆起した同心リングは、垂直に配列され得るか、または互いから垂直にオフセットされ得る。
本開示は、また、外科手術処置中の使用のための外科手術ポータルアセンブリに関する。外科手術ポータルアセンブリは、上記で説明されるように、シールハウジング、スリーブおよび曲線状器具シールを含む。スリーブは、シールハウジングに搭載可能であり、下にある組織へのアクセスを提供するように適合される内部長手方向通路を有する。曲線状器具シールは、シールハウジング内で機械的に連結される。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
関節鏡外科手術、腹腔鏡外科手術および内視鏡外科手術のための曲線状器具シールであって、該曲線状器具シールは、
弾性材料から形成され、外科手術器具を受け入れるように適合されている開口部を定める環状内側エッジと該環状内側エッジから離間している環状外側エッジとを有する本体と、
螺旋形状を有し、該本体の該環状内側エッジと該環状外側エッジとの間の該曲線状器具シールの該本体の表面上に定められる複数の隆起した同心リングと
を含む、曲線状器具シール。
(項目2)
上記複数の隆起した同心リングは、流体を上記本体の上記環状内側エッジから該本体の上記環状外側エッジの方へ運搬するように構成されている形状を有する、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目3)
上記環状内側エッジは、増加した厚みの領域を定める、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目4)
上記増加した厚みの領域および上記複数の隆起した同心リングは、その間の減少した厚みの領域を定める、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目5)
上記弾性本体は、減少した厚みを上記複数の隆起した同心リングの少なくとも1つの側上に有する、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目6)
上記螺旋構成は、第一の端を上記環状内側エッジに有し、第二の端を上記環状外側エッジに有する、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目7)
上記弾性本体は、上面および底面を含む、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目8)
上記複数の隆起した同心リングは、上記弾性本体の上記上面上に定められる、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目9)
上記弾性本体の上記複数の隆起した同心リングは、該弾性本体の上記上面および上記底面上に定められる、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目10)
上記複数の隆起した同心リングは、上記弾性本体の上記上面上に定められ、複数の隆起した同心リングは、該弾性本体の上記底面上に定められる、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目11)
上記弾性本体の上記上面上の上記複数の隆起した同心リングと、該弾性本体の上記底面上の該複数の隆起した同心リングとは、垂直に配列されている、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(項目12)
上記弾性本体の上記上面上の上記複数の隆起した同心リングと、該弾性本体の上記底面上の該複数の隆起した同心リングとは、互いから垂直にオフセットされている、上記項目のいずれかに記載の曲線状器具シール。
(摘要)
本開示は、関節鏡外科手術、腹腔鏡外科手術および内視鏡外科手術のための曲線状器具シールに関する。曲線状器具シールは、本体、環状内側エッジ、環状外側エッジおよび(例えば、螺旋形状を有する)1つ以上の隆起した同心リングを含む。本体は、上面および底面を含む。環状内側エッジは、外科手術器具を受け入れるように適合される開口部を定める。環状外側エッジは、シールハウジングの内側部分に機械的に搭載するように適合され得る。隆起した同心リングは、環状内側エッジと環状外側エッジとの間の弾性本体の表面上に定められる。
本開示の様々な実施形態は、図面を参照して本明細書において説明される。
図1は、本開示の一実施形態に従う、曲線状伸展性器具シールを含む外科手術ポータル装置の斜視図である。 図2Aは、図1の曲線状伸展性器具シールの斜視図である。 図2Bは、側断面図であり、上面および底面に複数の隆起した同心リングを有する本体を含む、図2Aの曲線状伸展性器具シールを例示する。 図2Cは、側断面図であり、上面に隆起した同心リングを有する本体を含む曲線状伸展性器具シールの別の実施形態を例示する。 図3Aは、上面に螺旋状同心リングを有する本体を含む曲線状伸展性器具シールの別の実施形態の斜視図である。 図3Bは、側断面図であり、上面および底面に螺旋状同心リングを有する本体を含む、図3Aの曲線状伸展性器具シールを例示する。 図3Cは、上面に螺旋状同心リングを有する本体を含む曲線状伸展性器具シールの別の実施形態の側断面図である。 図4Aは、本開示の一実施形態に従う、曲線状伸展性器具シールのさらに別の実施形態の斜視図である。 図4Bは、側断面図であり、上面および底面に隆起した同心リングを有する本体を含む、図4Aの曲線状伸展性器具シールを例示する。 図4Cは、側断面図であり、上面に隆起した同心リングを有する本体を含む曲線状伸展性器具シールの別の実施形態を例示する。
(詳細な説明)
本開示のポータル装置は、体腔または関節内の外科手術部位に様々なタイプの器具を導入することを提供し、体腔または関節への気体および/または流体の進入ならびに体腔または関節からの気体および/または流体の退出を最小限にすることによって、器具の周りの実質的に流体密閉のインタフェースを維持するように適合された器具シールを組み込む。
器具の例は、クリップアプライヤ、グラスパ、解剖器具、レトラクタ、ステープラ、レーザプローブ、写真デバイス、内視鏡、腹腔鏡、管などを含むが、これらに限定されない。そのような器具は、総称して、「外科手術器具」、「器具」、または医療従事者の手も含み得る「外科手術物体」と呼ばれる。
ポータルアセンブリは、関節鏡処置、腹腔鏡処置または内視鏡処置において用いられ得る任意の適切なカニューレアセンブリであり得る。ポータルアセンブリはまた、例えば最小侵襲性腹腔鏡の手補助処置中などに医療従事者の手を受けるように適合され得る。
以下の説明において、従来のように、用語「近位」または「後方(trailing)」は、医療従事者により近い、デバイスの部分をいい、一方、用語「遠位」または「前方(leading)」は、医療従事者からより遠い、デバイスの部分をいう。
ここで図面を参照すると、図面において似ている参照数字は、いくつかの図の全体にわたり同一であるかまたは実質的に類似する部分を識別し、図1は、本開示の原理に従うポータル装置10の例示的実施形態を示す。ポータル装置10は、外科手術処置に関連して利用される関節鏡、腹腔鏡または内視鏡カニューレアセンブリであり得、その外科手術において、体腔は体腔内の内部器官から体腔の壁を持ち上げるために例えばCOなどの適切な気体が吹き込まれるか、または関節は関節構造へのアクセスを提供するために例えば食塩水などの適切な流体が提供される。カニューレアセンブリは、カニューレアセンブリの通路内に位置決め可能な先の尖った器具である栓子アセンブリ(図示されていない)と共に用いられ得る。栓子アセンブリは、体壁を貫くために利用され、次いでその後、処置を行なうために利用される外科手術器具の導入を可能にするためにカニューレアセンブリから除去される。
ポータル装置10は、ポータルハウジング12と、ポータルハウジング12から延びる細長いポータル部材14とを含む。ポータルハウジング12は、従来の手段によって互いに接続される複数のハウジングセグメントを含み得るか、または一体にもしくはモノリシックに形成される単一の構成要素であり得る。ポータルハウジング12は、ポータルハウジング12を通って延びる長手方向ハウジング軸「X」の周りに同軸で配置されるハウジング通路18を定める内側ハウジング壁16を有する。内側ハウジング壁16は、図1に示されるような曲線状伸展性器具シール100などの器具シールを収容するように寸法設定される。内側ハウジング壁16および器具シール100は、互いに協働して外科手術物体または器具「I」を受け、ポータルハウジング12内に器具「I」を横向きに限定する。内側ハウジング壁16は、断面が概ね円形であり得るか、または他の断面形状を呈し得る。
ポータル部材14は、ポータル部材14の長さに沿って延びる長手方向ポータル軸「Y」を定めるスリーブ部材であり得る。ポータル部材14の長手方向ポータル軸「Y」は、ポータルハウジング12の長手方向ハウジング軸「X」と概ね長手方向に整列し得る。ポータル部材14は、ポータル部材14の近位端または後方端24から遠位端または前方26に延びる内部長手方向開口部22を定める外側スリーブ壁20を含む。ポータル部材14の長手方向開口部22は、ポータルハウジング12の中央ハウジング通路18と概ね長手方向に整列しており、外科手術物体の通過のための、ポータル装置10を通る共通の長手方向通路18、22を定める。ポータル部材14は、ポータルハウジング12に接続される別個の構成要素であり得るか、またはポータルハウジング12にモノリシックに形成され得る。ポータル部材14およびポータルハウジング12は、例えばバヨネットロック、ねじ切り接続または類似のものを含むがこれらに限定されない様々な機構によって解除可能に接続され得る。
ポータル部材14は、ステンレス鋼またはポリマー材料または類似のものなどの別の剛体材料から形成され得る。ポータル部材14は、透明または不透明であり得る。ポータル部材14が腹腔鏡処置または内視鏡処置に用いられる場合、ポータル部材14の直径は、変動し得るが、典型的には約3mm〜15mmの範囲である。ポータル部材が手補助の最小侵襲性アプローチに用いられる場合、ポータル部材の直径は、実質的に15mmより大きくなり得る。
図1は、本開示される曲線状器具シール100の例示的実施形態を示し、曲線状器具シール100はポータルアセンブリ10に位置を定められる。曲線状器具シールの本開示される実施形態が器具シールを必要とする例えばカニューレアセンブリなどの任意の適切な外科手術アセンブリまたは外科手術装置に位置を定められるように適合され得ることが想定される。
図2A〜図2Bは本開示される曲線状器具シールの一実施形態を例示し、曲線状器具シールは総称して100として示される。曲線状器具シール100は、本体112を含み、本体112は、環状内側エッジ114と、環状外側エッジ116と、一つ以上の隆起した同心リング118aとを含む(「隆起した」は本明細書において器具シールのある他の部分の高さより比較的大きい高さをいうために用いられ、シールの表面に溝またはチャネルが切られるかまたはさもなければ形成されるシールもまた溝間またはチャネル間に隆起したリングを有することが認められる)。本体112は、例えばエラストマー材料などの任意の適切な弾性材料から形成され、上面112aと、底面112bとを含む。環状内側エッジ114は、外科手術処置中、外科手術器具「I」を受けるように適合される開口部120を定める。環状外側エッジ116は、ポータルハウジング12の内側ハウジング壁16に機械的に取り付くように適合され得る。
1つ以上の隆起した同心リング118aは、弾性本体112の上面112aに形成され、環状内側エッジ114と環状外側エッジ116との間に配置される。各隆起した同心リング118aは、上面112aに形成され、隣接する同心リングから間隔を空けて置かれる。例えば、より小さい直径を有する隆起した内側同心リング118aは、環状内側エッジ114の方に位置を決められ、より大きい直径を有する隆起した外側同心リング118aは、環状外側エッジ116の方に位置を決められる。例示されるように、隆起した中央同心リング118aは、内側リングと外側リングとの間に形成され得る。
隆起した同心リング118aは、弾性本体112の表面112aの上に突き出得、それによって、本体112の間隔を空けた位置においてより大きい厚さを弾性本体112に提供し得る。この方法で、隆起した同心リング118aは、伸展性器具シール100の弾性本体112に構造的剛性を提供し得、従って、器具「I」が本体112の開口部120内に横向きに操作された(すなわち、軸外れ位置に)場合、いわゆる「キャットアイ」効果を減少させ得る。
一実施形態において、隆起した同心リング118aは、任意の適切な距離で互いから離れるように間隔を空けて置かれ得、隣接するリング118a間にかつ/またはリング118aと内側エッジ114および外側エッジ116との間に実質的に平坦な表面122aを定め得る。本体112の表面122aの各々は、本体112の隆起した同心リング118aの厚さと比較すると、減少した厚さの領域を定める。いくつかの実施形態において、表面領域122aの減少した厚さは、任意の適切な切断技術または形成技術によってさらに減少させられ得、溝を定め得る。外科手術器具「I」が開口部120を通って挿入され、横向きに動かされる場合、平坦表面122aの各々は、本体112に位置を決められ、構成され、器具シール100の伸展性(すなわち、可撓性)を改善する。そのようなものとして、隆起した同心リング118aは、伸展性器具シール100の全体に構造的剛性を提供し、外科手術処置中、外科手術器具「I」が横向きに操作された場合、「キャットアイ」効果を最小限にする。
一実施形態において、図2Bに最も良く示されるように、上面112aおよび底面112bの両方とも、隆起した同心リング118a、118bを含む。上面112aと同様に、底面112bは、環状内側エッジ114と環状外側エッジ116との間に1つ以上の隆起した同心リング118bおよび平坦表面122bを規定する。
弾性本体112の上面112aおよび底面112b上の隆起した同心リング118a、118bは、隆起した同心リング118a、118bが互いに鏡像(すなわち、反対)となるように、垂直に整列され得る。この方法で、器具シール100の同心リング118a、118bの全厚さは、約2倍となり、従って、外科手術処置中、器具シール100の本体112の選択された領域に、より構造的な剛性を提供する。あるいは、図2Cに示されるように、隆起した同心リング118a'、118b'は、本体112'の上面112a’または底面112b'にのみ提供され得る。図2Cの例示的実施形態において、曲線状シール100’は、隆起したリング118a’を含み、隆起したリング118a’は、本体112’の上面112a’に形成される。
図3A〜図3Bは、総称して200として示される本開示される曲線状器具シールの別の実施形態を例示する。器具シール100と同様に、曲線状器具シール200は、本体212と、環状内側エッジ214と、環状外側エッジ216とを含む。しかしながら、曲線状器具シール200は、第2の端部219aまで連続して渦巻状に巻く(すなわち、螺旋形を描く)第1の端部217aを有する螺旋状の構成に形成される隆起したリング218aを含む。隆起した螺旋形同心リング218aの第1の端部217aは、環状内側エッジ214に隣接して位置を決められ、隆起した螺旋形同心リング218aの第2の端部219aは、環状外側エッジ216に隣接して位置を決められる。
本体212は、例えばエラストマー材料などの任意の適切な材料から形成され、上面212aと、底面212bとを含む。環状内側エッジ214は、外科手術処置中、外科手術器具「I」を受けるように適合される開口部220を定める。環状外側エッジ216は、図1に示されるように、ポータルハウジング12の内側ハウジング壁16に機械的に取り付くように適合され得る。
隆起した螺旋形同心リング218aは、環状内側エッジ214と環状外側エッジ216との間の弾性本体212の上面212aに形成され、弾性本体212の表面212aの上に突き出得、それによって、螺旋形リング218aの領域において弾性本体212に、より大きい厚さを提供し得る。この方法で、隆起した螺旋形同心リング218aは、伸展性器具シール200の表面212に構造的剛性を提供し、従って、器具「I」が開口部220内において横向きに操作された場合、いわゆる「キャットアイ」効果を減少させる。
一実施形態において、隆起した螺旋形同心リング218aは、各連続リングが任意の適切な距離で離れて置かれ、螺旋形平坦表面222aを定めるように、渦巻状構成で形成され得る。本体212の表面222aは、本体212の隆起した同心リング218aと比較して減少した厚さを有する。いくつかの実施形態において、表面領域222aの厚さは、任意の適切な切断技術または形成技術によってさらに減少させられ得、溝を定め得る。上記に説明されるように、減少した厚さ領域222aは、外科手術器具「I」が開口部220を通って挿入され、横向きに動かされる場合、器具シール200の伸展性(すなわち、可撓性)を改善するように構成され、一方、隆起した同心リング218aは、伸展性器具シール200の全体に構造的剛性を提供する。
一実施形態において、図3Bに最も良く示されるように、上面212aおよび底面212bの両方とも、隆起した螺旋形同心リング218a、218bを含む。上面212aと同様に、底面212bは、第2の端部219aまで渦巻状に巻く(すなわち、螺旋形を描く)第1の端部217bを有する螺旋状の構成に形成される隆起したリング218bを含む。隆起した螺旋形同心リング218bの第1の端部217bは、本体212の環状内側エッジ214に隣接して位置を決められ、隆起した螺旋形同心リング218bの第2の端部219bは、環状外側エッジ216に隣接して位置を決められる。
一実施形態において、図3Bに示されるように、弾性本体212の上面212aの隆起した同心螺旋形リング218aおよび底面212bの隆起した同心螺旋形リング218bは、それらが互いに整列しないように、垂直にずらされ得る。この方法で、器具シール200の同心螺旋形リング218a、218bは、弾性本体212の散乱した部分に構造的剛性を提供し、従って器具シール200の全体に構造的剛性を配布する。
あるいは、別の実施形態において、弾性本体212の上面212aの隆起した同心螺旋形リング218aおよび底面212bの隆起した同心螺旋形リング218bは、それらが互いに鏡像(すなわち、反対)となるように、垂直に整列され得る。この方法で、器具シール200の同心螺旋形リング218a、218bの全厚さは、約2倍となり、従って、器具シール200の選択された領域に、より構造的な剛性を提供する。あるいは、図3Cに示されるように、隆起した同心螺旋形リング218a'、218b'は、本体212'の上面212a’または底面212b'にのみ提供され得る。図3Cの例示的実施形態において、曲線状シール200’は、隆起したリング218a’を含み、隆起したリング218a’は、本体212’の上面212a’に形成される。
例えば図3A〜図3Cの実施形態に示される螺旋形配置は、器具シール200に接触させられる流体が器具シール200の中心から離れるように容易に動かされるという点でさらなる利点を有し得る。具体的には、器具が開口部220を通って挿入されると、例えば、殺菌剤、血液、食塩水、他の体液など、器具によって運ばれる流体は、開口部220の近くのシール200の中心領域に集まり得る。腹腔鏡外科手術に関して、これらの流体はより漏れがちであるのでこれらの流体がここに集まること、または体腔内の通気圧力によって開口部200を通ってこれらの流体が排出されることは概して望ましくない(前に言及されたように、外科手術空間内において食塩水などの流体が通気気体よりもむしろ用いられることは関節鏡外科手術において典型的である)。さらに、ここに集まる流体または他の物質は、開口部200を通って挿入される内視鏡を汚し得、それによって、外科手術中、体腔を視覚化する内視鏡の能力を減少させ、外科手術処置中、内視鏡が繰り返し除去され、再洗浄されることを要求し得る。上記に説明され、例えば図3A〜図3Cに示される螺旋形配置は、底面222a、222bなどによって形成される連続した非常に長いチャネルを提供することによってこの発生の可能性を減少させ得、その連続した非常に長いチャネルの中に開口部220の近くに集まる流体が開口部220から離れるように伝えられ得、運ばれ得る。このチャネルに沿った流体の伝達は、例えば、毛管作用、重力などによって起こり得る。
図4A〜図4Bは、概して300として示される本開示の曲線状器具シールのさらなる実施形態を例示する。曲線状器具シール300は、本体312、環状内側エッジ314、環状外側エッジ316および隆起した同心リング318aを含む。本体312は、任意の適切な弾性材料(例えばエラストマー材料)から形成され、上面312aおよび底面312bを含む。上記で説明される曲線状器具シール100および200と類似して、環状内側エッジ314は、外科手術器具「I」を受け入れるように適合される開口部320を定める。しかし、環状内側エッジ314は、増加した厚み315aの領域を定める。増加した厚み315aの領域および隆起した同心リング318aは、その間の減少した厚み322aの第一の領域を定める。器具「I」が挿入され、横に動かされたとき、環状内側エッジ314の周りにサポートを提供することにより、増加した厚み322aの領域および隆起した同心リング318aは、いわゆる「キャットアイ効果」を実質的に減少させるように構成されており、ここで、減少した厚みの領域は、わずかな柔軟性を本体312に提供することにより器具「I」の横の動きを促進させる。上記で論じたように、本体312の環状外側エッジ316は、ポータルハウジング12の内側ハウジング壁16に機械的に搭載するように適合され得る。
隆起した同心リング318aは、環状内側エッジ314と環状外側エッジ316との間の弾性本体312の上面312a上に形成される。隆起した同心リング318aは、上面312aの任意の部分上に定められ得、それにより、上面312a上の隆起した同心リング318aの位置に依存して、隆起した同心リング318aの直径を変える。例えば、隆起した同心リング318aは、隆起した同心リング318aが環状内側エッジ314に隣接する表面312aの一部上に位置づけられるとき、小さな直径を有し得る。さらに、またはあるいは、隆起した同心リング318aは、隆起した同心リング318aが環状外側エッジ316に隣接して位置づけられるとき、大きな直径を有し得る。
隆起した同心リング318aは、弾性本体312の表面312aの上に突出し得、それによって、弾性本体312に、より大きな厚みを提供する。上記で説明したように、隆起した同心リング318aは、このようにして構造的剛性を伸展性器具シール300の本体312の選択された領域に提供し、したがって、器具「I」が開口部320内で横に操作されるときのいわゆる「キャットアイ」効果を減少させる。
隆起した同心リング318aに近接した領域(つまり、隆起した同心リング318aのどちらか一方の側上)は、表面312aの平板表面322aを定める。表面322aを定める本体312は、本体312の隆起した同心リング318aの厚みと比較したとき、減少した厚みを有する。実施形態において、表面領域322aの厚みは、任意の適切な切断または形成技術によりさらに減少され得ることにより、大きな空洞を定める。減少した厚み領域322aは、外科手術器具「I」が、開口部320を通して挿入され、横に動かされる一方で、隆起した同心リングが、伸展性器具シール300に構造的剛性を提供するとき、器具シール300の伸展性(つまり可撓性)を改善するように構成されている。
一実施形態において(図4Bにおいて最もよく示される)、上面312aと底面312bは、両方とも、隆起した同心リング318a、318bを含む。上面312aに類似して、底面312bは、隆起した同心リング318bと、環状内側エッジ314と環状外側エッジ316との間の平板表面領域322bとを定める。あるいは、図4Cに示されるように、隆起した同心リング318a’および318b’は、本体312’の上面312a’または底面312b’上に提供され得るのみである。図4Cの例示的実施形態において、曲線状シール300’は、本体312’の上面312a’上に形成される隆起した同心リング318a’を含む。
図4Bにおいて最もよく示されるように、弾性本体312の上面312aおよび底面312bの隆起した同心リング318a、318bは、垂直にオフセットされ得、隆起した同心リング318a、318bが互いから誤配列される。このようにして、器具シール300の同心リング318a、318bは、弾性本体312の異なる部分上に構造的剛性を提供し、したがって、外科手術処置中、器具シール300を通して構造的剛性を配分する。
あるいは、別の実施形態において、弾性本体312の上面312aおよび底面312b上の隆起した同心リング318a、318bは、垂直に配列され得、それらは互いに鏡像(つまり反対)である。このようにして、器具シール300の同心リング318a、318bの全体の厚みは、おおよそ2倍にされ、したがって、外科手術処置中、器具シール300に、より多くの構造的剛性を提供する。
器具シール100、200および300の製造の材料は、例えば、イソプレンまたは天然ゴムのような適切なエラストマー材料を含み得るが、それらに限定されない。開示される実施形態において、器具シール100、200および300は、親水性のコーティングでコーティングされ得ることにより外科手術器具「I」の通過を促進する。
一実施形態において、ポータルハウジング12は、また、機械的に協働してハウジング12内に(図1に示されるように)配置されるゼロ閉鎖バルブ30を含み得る。ゼロ閉鎖バルブ30は、例えば、ダックビルバルブ、スリットバルブ、トランペットバルブなどであり得るが、それらに限定されない。ゼロ閉鎖バルブ30は、外科手術物体がないときには、実質的に流体密閉シールを提供するように適合されている。
使用中、外科手術物体または外科手術器具「I」(図1に示される)は、ハウジング通路18を通し、上記で説明される具現化された伸展性シール100、200および300のうちの任意の1つを通して導入される。より具体的には、外科手術器具「I」は、シール100、200および300とポータル部材12の長手方向の開口部18を通して進められ、それによって、シール通路120、220および320は、臨床医が外科手術処置を行っている間に、外科手術器具「I」まわりに密閉を確立しようと協働する。
開示の複数の実施形態が図面において示されかつ/または本明細書で論じられたが、開示をそれに限定する意図ではなく、開示は、当分野で許容される限り範囲が広く、明細書も同様に読まれることが意図される。そのため、上記説明は、限定的なものとして解釈するべきではなく、特定の実施形態の例示に過ぎない。当業者は、これに添付の特許請求の範囲の範囲および精神内で他の改変を予想する。

Claims (12)

  1. 関節鏡外科手術、腹腔鏡外科手術および内視鏡外科手術のための曲線状器具シールであって、該曲線状器具シールは、
    弾性材料から形成され、外科手術器具を受け入れるように適合されている開口部を定める環状内側エッジと該環状内側エッジから離間している環状外側エッジとを有する本体と、
    螺旋形状を有し、該本体の該環状内側エッジと該環状外側エッジとの間の該曲線状器具シールの該本体の表面上に定められる複数の隆起した同心リングと
    を含む、曲線状器具シール。
  2. 前記複数の隆起した同心リングは、流体を前記本体の前記環状内側エッジから該本体の前記環状外側エッジの方へ運搬するように構成されている形状を有する、請求項1に記載の曲線状器具シール。
  3. 前記環状内側エッジは、増加した厚みの領域を定める、請求項1に記載の曲線状器具シール。
  4. 前記増加した厚みの領域および前記複数の隆起した同心リングは、その間の減少した厚みの領域を定める、請求項1に記載の曲線状器具シール。
  5. 前記弾性本体は、減少した厚みを前記複数の隆起した同心リングの少なくとも1つの側上に有する、請求項1に記載の曲線状器具シール。
  6. 前記螺旋構成は、第一の端を前記環状内側エッジに有し、第二の端を前記環状外側エッジに有する、請求項1に記載の曲線状器具シール。
  7. 前記弾性本体は、上面および底面を含む、請求項1に記載の曲線状器具シール。
  8. 前記複数の隆起した同心リングは、前記弾性本体の前記上面上に定められる、請求項7に記載の曲線状器具シール。
  9. 前記弾性本体の前記複数の隆起した同心リングは、該弾性本体の前記上面および前記底面上に定められる、請求項7に記載の曲線状器具シール。
  10. 前記複数の隆起した同心リングは、前記弾性本体の前記上面上に定められ、複数の隆起した同心リングは、該弾性本体の前記底面上に定められる、請求項9に記載の曲線状器具シール。
  11. 前記弾性本体の前記上面上の前記複数の隆起した同心リングと、該弾性本体の前記底面上の該複数の隆起した同心リングとは、垂直に配列されている、請求項10に記載の曲線状器具シール。
  12. 前記弾性本体の前記上面上の前記複数の隆起した同心リングと、該弾性本体の前記底面上の該複数の隆起した同心リングとは、互いから垂直にオフセットされている、請求項10に記載の曲線状器具シール。
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