JP2012090778A - 超音波照射デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、生体組織の表層付近にできた病変部に限らず、生体組織の深部で成長した病変部(腫瘍など)に対しても適切な処置を行うことができる超音波照射デバイスを提供する。
【解決手段】 少なくとも一部が体腔内に挿入され、体腔を形成する生体組織に対して超音波を照射して治療を行う超音波照射デバイス1であって、所定の離れた位置に集束する集束超音波を発する集束超音波素子23と、集束超音波素子23から照射される集束超音波が集束する集束位置の周囲に配置され、集束超音波が照射される対象となる生体組織の一部を狭持して位置決めする把持部15と、集束超音波素子23から集束超音波の集束位置に到る集束超音波の伝播経路としての空間を確保するとともに、把持部15を支持する外筒部材12と、を具備する。
【選択図】図1
【解決手段】 少なくとも一部が体腔内に挿入され、体腔を形成する生体組織に対して超音波を照射して治療を行う超音波照射デバイス1であって、所定の離れた位置に集束する集束超音波を発する集束超音波素子23と、集束超音波素子23から照射される集束超音波が集束する集束位置の周囲に配置され、集束超音波が照射される対象となる生体組織の一部を狭持して位置決めする把持部15と、集束超音波素子23から集束超音波の集束位置に到る集束超音波の伝播経路としての空間を確保するとともに、把持部15を支持する外筒部材12と、を具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、集束超音波素子を使用した生体組織に対して処置を行うための超音波照射デバイスに関する。
特許文献1には、病変部を高周波処置する高周波処置用の治療機器が記載されている。ここでは、デバイスの先端に生体組織を挟持するアームの爪部を設け、表層付近の生体組織に僅かに突起した初期状態に近い病変部をデバイスの先端のアームの爪部で挟み込むことにより隆起させて固定している。この状態で、デバイス先端のアームに高周波電流をかけて病変部を切除するなどの処置を行っている。
上記従来構成の治療機器は、表層付近の生体組織に僅かに突起した初期状態に近い病変部をデバイスの先端のアームの爪部で挟み込むことにより隆起させて固定した状態で、高周波電流をかけて病変部を切除するなどの処置を行っている。しかし、デバイスの先端のアームの爪部は、表層付近の生体組織しか把持することができないので、生体組織の深部で成長した病変部(腫瘍など)に対して、加熱・焼灼するなどの処置は困難である。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、生体組織の表層付近にできた病変部に限らず、生体組織の深部で成長した病変部(腫瘍など)に対しても適切な処置を行うことができる超音波照射デバイスを提供することにある。
本発明の一局面の態様の超音波照射デバイスは、少なくとも一部が体腔内に挿入され、体腔を形成する生体組織に対して超音波を照射して治療を行う超音波照射デバイスであって、体腔内に挿入される部位に設けられ、所定の離れた位置に集束する集束超音波を発する集束超音波素子と、前記集束超音波素子から照射される集束超音波が集束する集束位置の周囲に配置され、前記集束超音波が照射される対象となる前記生体組織の一部を狭持して位置決めする位置決め手段と、前記集束超音波素子から前記集束超音波の集束位置に到る前記集束超音波の伝播経路としての空間を確保するとともに、前記位置決め手段を支持する構造体と、を具備する。
好ましくは、前記構造体は、前記位置決め手段が前記生体組織を狭持したとき、前記集束超音波の伝播経路となる空間を閉空間とし、当該空間を外部と隔離するように構成されている。
好ましくは、前記構造体は、前記閉空間を満たす液体を供給する液体供給手段をさらに有する。
好ましくは、前記構造体は、前記集束超音波の伝播経路となる空間の周壁部に開いた穴をさらに有し、かつ前記集束超音波の伝播経路となる空間を満たす液体を供給する手段をさらに有する。
好ましくは、前記位置決め手段は、前記集束超音波の伝播経路の中心線方向に沿う直線運動機構と連結され、前記直線運動機構の直線運動を前記集束超音波の伝播経路の中心線方向と直交する方向の移動動作に変換して開閉可能な硬性アームにより構成されている。
好ましくは、前記位置決め手段は、前記液体供給手段による液体の供給により伸縮するドーナツ型バルーンにより構成されている。
好ましくは、前記構造体は、前記閉空間を満たす液体を供給する液体供給手段をさらに有する。
好ましくは、前記構造体は、前記集束超音波の伝播経路となる空間の周壁部に開いた穴をさらに有し、かつ前記集束超音波の伝播経路となる空間を満たす液体を供給する手段をさらに有する。
好ましくは、前記位置決め手段は、前記集束超音波の伝播経路の中心線方向に沿う直線運動機構と連結され、前記直線運動機構の直線運動を前記集束超音波の伝播経路の中心線方向と直交する方向の移動動作に変換して開閉可能な硬性アームにより構成されている。
好ましくは、前記位置決め手段は、前記液体供給手段による液体の供給により伸縮するドーナツ型バルーンにより構成されている。
本発明によれば、生体組織の表層付近にできた病変部に限らず、生体組織の深部で成長した病変部(腫瘍など)に対しても適切な処置を行うことができる超音波照射デバイスを提供することができる。
[第1の実施の形態]
(構成)
図1〜図7は、本発明の第1の実施の形態を示す。本実施の形態の超音波照射デバイス1は、例えば図3に示す腹腔鏡下手術のシステムの中で、内視鏡3や、気腹デバイス4と一緒に手術台5上の患者Hの腹壁部に穿刺されて使用される。
(構成)
図1〜図7は、本発明の第1の実施の形態を示す。本実施の形態の超音波照射デバイス1は、例えば図3に示す腹腔鏡下手術のシステムの中で、内視鏡3や、気腹デバイス4と一緒に手術台5上の患者Hの腹壁部に穿刺されて使用される。
本実施の形態の超音波照射デバイス1は、ケーブル2を介して超音波照射装置6に繋がっている。気腹デバイス4は、送気装置7に接続されている。この送気装置7から送気されるエアーが気腹デバイス4を経て患者Hの腹部に供給され、患者Hの腹部が気腹されて手術空間が形成される。
また、内視鏡3は、体腔内に挿入される挿入部3aと、術者が把持するための把持部3bとを備える。内視鏡3の挿入部3aの先端には、図示しない照明窓と、観察窓などが配設されている。把持部3bには、ユニバーサルコード8を介して光源装置9が接続されている。そして、光源装置9から供給される照明光が照明窓から出射され、体内が照明される。さらに、観察窓から入射される体腔内の観察像が例えば図示しないCCD等の撮像部で撮像され、図示しないカメラコントロールユニットを介して体腔内の画像が図示しないモニター等に表示される。
本実施の形態の超音波照射デバイス1は、ケーブル2の先端に照射デバイス本体11が配設されている。図1は、本実施の形態の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11の概略構成を示す。照射デバイス本体11の先端部分には、外筒部材12(構造体)と、この外筒部材12に対して中心線方向に移動可能な内筒部材(把持部操作部材)13とが設けられている。内筒部材13の先端部の周壁面には、先端側に向かうにしたがって外径が小さくなる先細のテーパー面14が形成されている。
外筒部材12の先端部には、生体組織を把持(狭持)する把持部(位置決め手段)15が設けられている。把持部15には、生体組織を把持(狭持)する2つの硬性アーム16a,16bが設けられている。
また、外筒部材12の先端部には、2つの硬性アーム16a,16bを支持する棒状の2つの把持部支持部材17a,17bが設けられている。2つの把持部支持部材17a,17bは、外筒部材12の内側に対向するように配置されている。各把持部支持部材17a,17bの外端部は、外筒部材12の周壁部に固定されている。各把持部支持部材17a,17bの内端部は、外筒部材12の中心線方向と直交する方向に沿って外筒部材12の内部側に向けて延設されている。さらに、各把持部支持部材17a,17bの内端部には、大径なストッパ18がそれぞれ形成されている。
また、外筒部材12の先端部には、2つの硬性アーム16a,16bを支持する棒状の2つの把持部支持部材17a,17bが設けられている。2つの把持部支持部材17a,17bは、外筒部材12の内側に対向するように配置されている。各把持部支持部材17a,17bの外端部は、外筒部材12の周壁部に固定されている。各把持部支持部材17a,17bの内端部は、外筒部材12の中心線方向と直交する方向に沿って外筒部材12の内部側に向けて延設されている。さらに、各把持部支持部材17a,17bの内端部には、大径なストッパ18がそれぞれ形成されている。
一方の硬性アーム16aには、一方の把持部支持部材17aが挿通される挿通孔19aが形成されている。同様に、他方の硬性アーム16bには、他方の把持部支持部材17bが挿通される挿通孔19bが形成されている。そして、2つの硬性アーム16a,16bは、それぞれ把持部支持部材17a,17bに沿って外筒部材12の中心線方向と直交する方向に移動可能に支持されている。ここで、把持部15の2つの硬性アーム16a,16bは、図1および図2(A),(B)に示すように把持部15の2つの硬性アーム16a,16bの先端間が全開状態で開いた全開位置と、図6に示すように把持部15の2つの硬性アーム16a,16bの先端間が当接する全閉位置との間で移動可能になっている。
2つの硬性アーム16a,16bの基端部には、内筒部材13のテーパー面14と摺接状態で接触する円弧形状の摺接部20がそれぞれ設けられている。各硬性アーム16a,16bの先端部には、外筒部材12の内部側に向けて屈曲された爪部21がそれぞれ設けられている。
また、2つの把持部支持部材17a,17bには、それぞれ硬性アーム16a,16bを外筒部材12の内方向(閉じる方向)に押圧する状態に付勢する圧縮コイルばね(弾性部材)22が装着されている。この圧縮コイルばね22は、外筒部材12と、各硬性アーム16a,16bとの間に配設されている。
内筒部材13の基端部は、図示しない把持部開閉操作手段に接続されている。この把持部開閉操作手段は、外筒部材12に対して内筒部材13を中心線方向に進退させる状態で駆動する内筒部材駆動機構を有する。内筒部材駆動機構は、例えば、電磁モータを備えたボールネジ機構であってもよい。また、直線駆動が可能な超音波モータでもよい。
内筒部材13が、先端側に押し出し操作された場合には、2つの硬性アーム16a,16bの摺接部20は、内筒部材13の前進動作にともないテーパー面14に沿って摺接しながら移動する。このとき、2つの硬性アーム16a,16bは、圧縮コイルばね22のばね力に抗して圧縮コイルばね22を圧縮しながらそれぞれ把持部支持部材17a,17bに沿って外筒部材12の内側から外側に向けて移動する。そして、内筒部材13が、図1および図2(A),(B)に示すように最先端位置に押し出し操作された場合には、2つの硬性アーム16a,16bの先端間が全開状態で開いた全開位置に移動する。このとき、2つの硬性アーム16a,16bの摺接部20は、図1に示すように内筒部材13のテーパー面14の最後端位置と摺接した位置に移動する。
また、把持部15の2つの硬性アーム16a,16bを閉操作する際には、内筒部材13が図1の全開位置から外筒部材12の基端部方向(図1中で左方向)に引っ張り操作される。このとき、2つの硬性アーム16a,16bは、圧縮コイルばね22のばね力により、硬性アーム16a,16bを外筒部材12の内方向(閉じる方向)に押圧されている。そのため、内筒部材13が図1中で左方向に移動する動作にともない2つの硬性アーム16a,16bの摺接部20は、内筒部材13の後退動作にともないテーパー面14に沿って摺動しながら外筒部材12の内方向(閉じる方向)に移動する。そして、2つの硬性アーム16a,16bの摺接部20が、図5に示すように内筒部材13のテーパー面14の最先端位置と摺接する位置まで移動した場合には、図6に示すように把持部15の2つの硬性アーム16a,16bの先端間が当接する全閉位置まで移動するように設定されている。この状態で、2つの硬性アーム16a,16bの先端間で生体組織を把持(狭持)するようになっている。
また、本実施の形態の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11には、内筒部材13の内部に集束超音波を照射する集束超音波素子23が配設されている。この集束超音波素子23は、圧電素子であるが、集束超音波を発することが可能なcMUT素子(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers:マイクロマシン技術による容量性の超音波送受信素子)でもよい。
集束超音波素子23は、超音波素子保持部材24によって保持されている。この超音波素子保持部材24は、内筒部材13の内部に外筒部材12の中心線方向に移動自在に装着されている。超音波素子保持部材24は、図示しない超音波素子保持部材移動手段と接続されている。この超音波素子保持部材移動手段は、例えば電磁モータを備えたボールネジ機構で構成されている。なお、超音波素子保持部材移動手段は、直線駆動が可能な超音波モータでもよい。そして、超音波素子保持部材移動手段によって超音波素子保持部材24を、内筒部材13の内部で外筒部材12の中心線方向に進退移動させることにより、超音波の集束位置を外筒部材12の中心線方向に変化させるようになっている。
また、照射デバイス本体11には、外筒部材12の先端開口部を処置対象の生体組織の表面H1に当接させて外筒部材12の先端開口部を閉じた際に、外筒部材12の内部における集束超音波素子23と生体組織の表面H1との間に集束超音波素子23から集束超音波の集束位置に到る集束超音波の伝播経路としての超音波伝播空間部分(閉空間)が形成されている。そして、本実施の形態では、照射デバイス本体11の外筒部材12によって集束超音波素子23から集束超音波の集束位置に到る集束超音波の伝播経路としての空間を確保するとともに、2つの硬性アーム16a,16bを支持する構造体が形成されている。
外筒部材12の先端部外周面には、外筒部材12の外部から超音波伝播媒体を外筒部材12の内部に受け入れるための複数の液体注入口25が形成されている。そして、本実施の形態の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11が患者Hの体内に挿入され、手術空間が超音波伝播媒体で満たされた場合には、液体注入口25から外筒部材12の内部に水などの液体の超音波伝播媒体が流入され、外筒部材12の内部の集束超音波素子23の超音波伝播空間部分が水などの液体の超音波伝播媒体で満たされるようになっている。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波照射デバイス1の使用時には、予め、内筒部材13は、図5に示す後退位置で保持されている。このとき、2つの硬性アーム16a,16bの摺接部20は、内筒部材13のテーパー面14の最先端位置と摺接する位置まで移動した状態で、圧縮コイルばね22のばね力により、硬性アーム16a,16bが外筒部材12の内方向(閉じる方向)に押圧された状態で保持されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波照射デバイス1の使用時には、予め、内筒部材13は、図5に示す後退位置で保持されている。このとき、2つの硬性アーム16a,16bの摺接部20は、内筒部材13のテーパー面14の最先端位置と摺接する位置まで移動した状態で、圧縮コイルばね22のばね力により、硬性アーム16a,16bが外筒部材12の内方向(閉じる方向)に押圧された状態で保持されている。
超音波照射デバイス1の使用前に、まず初めに予め生体組織の深部にある腫瘍などの病変部H2の位置を超音波内視鏡3(図3参照)や、MRI、CTなどを使って確認する。また、病変部H2がある生体組織の周辺は、水などの液体の超音波伝播媒体で予め満たされている。
病変部H2の位置を特定した後、上記した超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11の先端を病変部H2がある生体組織の表面H1の近くに配置する。続いて、図示しない把持部開閉操作手段を動作させて照射デバイス本体11の外筒部材12の内部の内筒部材13を外筒部材12の先端部方向に直線的に前進移動させる。
内筒部材13が前進移動することにより、内筒部材13のテーパー面14が把持部15の2つの硬性アーム16a,16bのテーパー形状の摺接部20と接触して把持部15の摺接部20のテーパー形状部分の内側に入りこむ。
このように内筒部材13が直線移動すると、圧縮コイルばね22のばね力により閉じられていた2つの硬性アーム16a,16bが、圧縮コイルばね22を押し縮めながら開いていく。2つの硬性アーム16a,16bが図1に示すように全開状態に開いた全開位置の状態で、図4に示すように超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11の先端を生体組織の表面H1に押し当て、生体組織の表面H1の中心部分を盛り上がらせる。
このように内筒部材13が直線移動すると、圧縮コイルばね22のばね力により閉じられていた2つの硬性アーム16a,16bが、圧縮コイルばね22を押し縮めながら開いていく。2つの硬性アーム16a,16bが図1に示すように全開状態に開いた全開位置の状態で、図4に示すように超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11の先端を生体組織の表面H1に押し当て、生体組織の表面H1の中心部分を盛り上がらせる。
次に、その状態で先程とは逆の方向(図5中に矢印に示すように内筒部材13を後退させる方向)に動かすことにより、縮んでいた圧縮コイルばね22が伸びる方向に弾性復帰するので、その戻り力で2つの硬性アーム16a,16bの先端間が閉まる。2つの硬性アーム16a,16bの先端間が閉まると同時に照射デバイス本体11の先端に押されて中心部分が少し盛り上がっていた生体組織の表面H1の根元部分が挟まれ、照射デバイス本体11の内部に生体組織が隆起した状態で挿入される。その結果、病変部H2の周辺の生体組織が外筒部材12の内部の閉空間内に引き込まれて配置されるとともに、2つの硬性アーム16a,16bの先端間が当接する全閉位置の先端間で生体組織を把持(狭持)し、生体組織に対して位置決めされる。
この状態で、外筒部材12の液体注入口25から外筒部材12の内部に入った超音波伝播媒体(水)により、集束超音波素子23と生体組織の表面H1との間で形成される超音波伝播空間部分(閉空間)は、満たされた状態となっている(図5参照)。
次に、図示しない超音波素子保持部材移動手段を動作させて超音波素子保持部材24を2つの硬性アーム16a,16bの方向に移動させる。これにより、集束超音波素子23の集束位置(焦点)を生体組織の深部にある腫瘍などの病変部H2と一致させる。この状態で、集束超音波素子23から出力される超音波を腫瘍などの病変部H2に集束させ、腫瘍などの病変部H2を超音波で処置する(図7参照)。
その後、超音波素子保持部材移動手段を繰り返し動作させて超音波素子保持部材24の位置を少しずつ変化させていくことにより、集束超音波素子23から出力される超音波の集束位置を少しずつ変化させて腫瘍などの病変部H2の全体を処置していく。
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の超音波照射デバイス1では、集束超音波素子23を音源として利用し、その音源から照射される超音波の集束位置(焦点)と、生体組織の深部に形成された腫瘍などの病変部H2の位置を一致させることにより、集束超音波素子23から出力される集束超音波を病変部H2に正しく照射させることができる。そのため、生体組織の深部に形成された病変部H2についても切開することなく、低侵襲で処置できる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の超音波照射デバイス1では、集束超音波素子23を音源として利用し、その音源から照射される超音波の集束位置(焦点)と、生体組織の深部に形成された腫瘍などの病変部H2の位置を一致させることにより、集束超音波素子23から出力される集束超音波を病変部H2に正しく照射させることができる。そのため、生体組織の深部に形成された病変部H2についても切開することなく、低侵襲で処置できる。
さらに、本実施形態は、超音波照射時には、照射デバイス本体11の先端に構成した把持部15の2つの硬性アーム16a,16bを動作させて病変部H2または、生体組織の表面H1を隆起させて掴み、照射デバイス本体11の内部に引き込むことにより、超音波の集束位置を病変部H2に対して位置合わせを行っている。そのため、体内の生体組織のように動き易い表面であっても把持部15で掴むことにより、照射デバイス本体11と一体化する。そして、掴んだ表面に近い位置にある病変部H2に対しても超音波の集束位置を正確に位置合わせすることができる。このため、組織表面の動きに左右されずに適切な処置を行うことができる。
さらに、当該把持部15を、集束超音波素子23から集束位置までの超音波伝播経路を確保する外筒部材12の内部に支持させるように構成したため、集束超音波素子23の支持構造を簡素化することができる。そのため、集束超音波素子23の支持構造に余計な部材を必要とせず、細径化された低侵襲な超音波照射デバイス1の提供を可能としている。
したがって、本実施の形態では、生体組織の表層付近にできた病変部に限らず、生体組織の深部で成長した腫瘍などの病変部H2に対しても適切な処置を行うことができる超音波照射デバイス1を提供することができる。
なお、本実施の形態では、把持部15の2つの硬性アーム16a,16bを外筒部材12の内方向(閉じる方向)に押圧する状態に付勢する弾性部材としては、一般的に使用されている圧縮コイルばね22を使用した例を示したが、板バネでもよい。
なお、本実施の形態では、把持部15の2つの硬性アーム16a,16bを外筒部材12の内方向(閉じる方向)に押圧する状態に付勢する弾性部材としては、一般的に使用されている圧縮コイルばね22を使用した例を示したが、板バネでもよい。
(第1の実施の形態の変形例1)
図8は、第1の実施の形態の超音波照射デバイス1の変形例を示す。第1の実施の形態では、照射デバイス本体11の外筒部材12の周壁部に複数の液体注入口25を設け、外筒部材12の内部に形成される集束超音波の伝播経路となる空間を満たす液体の超音波伝播媒体(水など)をこれらの液体注入口25から供給する構成を示した。本変形例は、外筒部材12の内部に形成される集束超音波の伝播経路となる空間(超音波伝播空間部分)が閉空間となっていることは第1の実施の形態と同様であるが、外筒部材12に液体注入口25が形成されておらず、その空間が外部と隔離するように構成した。そして、液体注入口25の代わりに照射デバイス本体11の外筒部材12の内部に超音波伝播媒体である水などの液体を供給する液体供給路31を設けた。この液体供給路31は、基端部に図示しない液体供給部が連結されている。
図8は、第1の実施の形態の超音波照射デバイス1の変形例を示す。第1の実施の形態では、照射デバイス本体11の外筒部材12の周壁部に複数の液体注入口25を設け、外筒部材12の内部に形成される集束超音波の伝播経路となる空間を満たす液体の超音波伝播媒体(水など)をこれらの液体注入口25から供給する構成を示した。本変形例は、外筒部材12の内部に形成される集束超音波の伝播経路となる空間(超音波伝播空間部分)が閉空間となっていることは第1の実施の形態と同様であるが、外筒部材12に液体注入口25が形成されておらず、その空間が外部と隔離するように構成した。そして、液体注入口25の代わりに照射デバイス本体11の外筒部材12の内部に超音波伝播媒体である水などの液体を供給する液体供給路31を設けた。この液体供給路31は、基端部に図示しない液体供給部が連結されている。
そこで、本変形例では、外筒部材12の内部の液体供給路31を通して照射デバイス本体11自体で外筒部材12の内部の超音波伝播空間に水などの液体を供給することが可能になる。これにより、例えば、超音波伝播に必要な水などの液体が流れ出てしまい、超音波伝播媒体で満たすことができないような生体組織(食道などの管状の生体組織)にできた腫瘍などの病変部でも本変形例の超音波照射デバイス1による超音波照射が可能になる。そのため、処置対象の生体組織を限定する必要がなくなる効果がある。
(第1の実施の形態の変形例2)
第1の実施の形態では、照射デバイス本体11の外筒部材12の周壁部に複数の液体注入口25を設け、外筒部材12の内部に形成される集束超音波の伝播経路となる空間を満たす液体の超音波伝播媒体(水など)をこれらの液体注入口25から供給する構成を示した。本変形例は、外筒部材12の周壁部にこの液体注入口25に相当する穴を設け、かつ、外筒部材12の内部に超音波伝播媒体である水などの液体を供給する液体供給路31を設けたものである。この液体供給路31は、基端部に図示しない液体供給部が連結されている。
そこで、本変形例では、外筒部材12の内部の液体供給路31を通して照射デバイス本体11自体で外筒部材12の内部の超音波伝播空間に水などの液体を供給することが可能になる。そして、外筒部材12の内部の超音波伝播空間に水を供給するだけでなく、外筒部材12の周壁部に設けられた穴から超音波伝播媒体である水を外筒部材12の外側に供給することができる。これにより、例えば、本発明の超音波照射デバイスによって生体組織の周辺を超音波伝播媒体で満たすことができるようになり、別の超音波伝播媒体供給手段が不要となる。また、超音波伝播媒体が処置中に減少しやすい部位でも、超音波伝播媒体を補充しながら処置ができるようになる。
(第1の実施の形態の変形例2)
第1の実施の形態では、照射デバイス本体11の外筒部材12の周壁部に複数の液体注入口25を設け、外筒部材12の内部に形成される集束超音波の伝播経路となる空間を満たす液体の超音波伝播媒体(水など)をこれらの液体注入口25から供給する構成を示した。本変形例は、外筒部材12の周壁部にこの液体注入口25に相当する穴を設け、かつ、外筒部材12の内部に超音波伝播媒体である水などの液体を供給する液体供給路31を設けたものである。この液体供給路31は、基端部に図示しない液体供給部が連結されている。
そこで、本変形例では、外筒部材12の内部の液体供給路31を通して照射デバイス本体11自体で外筒部材12の内部の超音波伝播空間に水などの液体を供給することが可能になる。そして、外筒部材12の内部の超音波伝播空間に水を供給するだけでなく、外筒部材12の周壁部に設けられた穴から超音波伝播媒体である水を外筒部材12の外側に供給することができる。これにより、例えば、本発明の超音波照射デバイスによって生体組織の周辺を超音波伝播媒体で満たすことができるようになり、別の超音波伝播媒体供給手段が不要となる。また、超音波伝播媒体が処置中に減少しやすい部位でも、超音波伝播媒体を補充しながら処置ができるようになる。
[第2の実施の形態]
図9〜図13は、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1〜図7参照)の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11の構成を次の通り変更した変形例である。
(構成)
図9は、本実施の形態の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体41の概略構成を示す。本実施の形態の照射デバイス本体41の先端部分には、外筒部材42が設けられている。この外筒部材42の内部には、集束超音波を照射する集束超音波素子43と、この集束超音波素子43を保持している超音波素子保持部材44と、この超音波素子保持部材44を外筒部材42に対して中心線方向に進退させる保持部材移動手段45とを供えている。保持部材移動手段45は、例えば電磁モータを備えたボールネジ機構によって構成されている。そして、保持部材移動手段45によって超音波素子保持部材44を外筒部材42に対して中心線方向に進退させることにより、集束超音波素子43から出力される超音波の集束位置を変化させるようになっている。
図9〜図13は、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1〜図7参照)の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体11の構成を次の通り変更した変形例である。
(構成)
図9は、本実施の形態の超音波照射デバイス1の照射デバイス本体41の概略構成を示す。本実施の形態の照射デバイス本体41の先端部分には、外筒部材42が設けられている。この外筒部材42の内部には、集束超音波を照射する集束超音波素子43と、この集束超音波素子43を保持している超音波素子保持部材44と、この超音波素子保持部材44を外筒部材42に対して中心線方向に進退させる保持部材移動手段45とを供えている。保持部材移動手段45は、例えば電磁モータを備えたボールネジ機構によって構成されている。そして、保持部材移動手段45によって超音波素子保持部材44を外筒部材42に対して中心線方向に進退させることにより、集束超音波素子43から出力される超音波の集束位置を変化させるようになっている。
また、外筒部材42の先端部には、生体組織を把持するための把持機構46が設けられている。この把持機構46は、外筒部材42の先端部内周面に沿って配置されたドーナツ型のバルーン47と、このバルーン47に隣接させたゴムリング48とを有する。
バルーン47の外周部は、外筒部材42の先端部内周面に固定されている。さらに、外筒部材42の筒壁部には、ドーナツ型バルーン47の内部に流体を供給する流体供給路49が形成されている。この流体供給路49の基端部は、図示しない流体供給部と連結されている。
ゴムリング48は、外筒部材42の先端部で、ドーナツ型バルーン47の外筒部材42の基端側に隣接して配置されている。このゴムリング48は、腫瘍の大きさに合わせて交換可能に外筒部材42の内周面に取り付けられている。そして、ドーナツ型バルーン47の内部に流体を供給した際に、外筒部材42の中心方向にバルーン47が膨らむようにバルーン47の形状を規制する機能と、腫瘍などの病変部H2の仮固定を行う機能をこのゴムリング48が兼ね備えている。ここで、バルーン47が膨らむ際には、バルーン47の前面側は、処置対象の生体組織の表面H1と当接し、バルーン47の後面側は、ゴムリング48と当接する。これにより、バルーン47の前後方向の移動、すなわち集束超音波素子43から出力される超音波の伝播経路の中心線方向の移動が規制される。そのため、外筒部材42の中心方向にバルーン47が膨らむようにバルーン47の形状を規制することができる。
上記把持機構46は、ドーナツ型バルーン47に、例えば流体として、超音波を伝播する液体を供給することにより、外筒部材42の中心方向にバルーン47が膨らむ際に、バルーン47の中心穴47aに腫瘍などの病変部H2を嵌め込む。このようにバルーン47を膨らませて生体組織を締め付けることにより、腫瘍などの病変部H2に対して照射デバイス本体41の先端部分を位置決めする機構となっている。
また、外筒部材42の先端部外周面には、複数の液体注入口50が形成されている。そして、水などの超音波伝播媒体を外筒部材42の外部から複数の液体注入口50を通して外筒部材42の内部に流入させることで、外筒部材42の内部空間部分が水などの超音波伝播媒体で満たされるようになっている。
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波照射デバイス1の使用時には、まず初めに、内視鏡3(図3参照)などを使用して隆起した腫瘍などの病変部H2の位置を特定する。腫瘍などの病変部H2がある生体組織の周辺は、水などの液体の超音波伝播媒体で予め満たされている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波照射デバイス1の使用時には、まず初めに、内視鏡3(図3参照)などを使用して隆起した腫瘍などの病変部H2の位置を特定する。腫瘍などの病変部H2がある生体組織の周辺は、水などの液体の超音波伝播媒体で予め満たされている。
病変部H2の位置を特定した後、上記した超音波照射デバイス1の照射デバイス本体41の先端を病変部H2がある生体組織の表面H1の近くに配置する。続いて、照射デバイス本体41の先端に装着したバルーン47の中心穴47aと、ゴムリング48の中心穴に腫瘍などの病変部H2が入りこむように、生体組織の表面H1に照射デバイス本体41を押し当てる(図10参照)。このとき、ゴムリング48によって腫瘍などの病変部H2の仮固定を行うことができる。
さらに、バルーン47の中心穴47aと、ゴムリング48の中心穴に腫瘍などの病変部H2が入ったことを確認した後、流体供給路49からドーナツ型バルーン47に、例えば流体として、水などの超音波が伝播する液体を供給してバルーン47を膨らませる。このとき、バルーン47が膨らむ際には、図11に示すようにバルーン47の前面側は、処置対象の生体組織の表面H1と当接し、バルーン47の後面側は、ゴムリング48と当接する。これにより、バルーン47の前後方向の移動、すなわち集束超音波素子43から出力される超音波の伝播経路の中心線方向の移動が規制される。そのため、外筒部材42の中心方向にバルーン47が膨らむようにバルーン47の形状を規制することができる。
ドーナツ型バルーン47は、膨らむと同時に腫瘍などの病変部H2の周辺の生体組織と腫瘍そのものに密着しながら中心穴47aの径が小さくなり、腫瘍を締め付けていく。その結果、腫瘍に対して照射デバイス本体41の先端部分が位置決めされる(図11参照)。
ドーナツ型バルーン47は、膨らむと同時に腫瘍などの病変部H2の周辺の生体組織と腫瘍そのものに密着しながら中心穴47aの径が小さくなり、腫瘍を締め付けていく。その結果、腫瘍に対して照射デバイス本体41の先端部分が位置決めされる(図11参照)。
このとき、外筒部材42の液体注入口50から外筒部材42の内部に入った超音波伝播媒体(水)により、集束超音波素子43と生体組織の表面H1との間に形成される超音波伝播空間部分(閉空間)は、水で満たされた状態となっている。
その状態で、超音波素子保持部材移動手段45を動作させて超音波素子保持部材44を把持機構46の方向に移動させる。これにより、集束超音波素子43の集束位置(焦点)と腫瘍などの病変部H2の位置を一致させて、腫瘍などの病変部H2を超音波で処置する(図12参照)。
その状態で、超音波素子保持部材移動手段45を動作させて超音波素子保持部材44を把持機構46の方向に移動させる。これにより、集束超音波素子43の集束位置(焦点)と腫瘍などの病変部H2の位置を一致させて、腫瘍などの病変部H2を超音波で処置する(図12参照)。
必要により、図13中に矢印で示すように超音波素子保持部材移動手段45を繰り返し動作させて超音波素子保持部材44の位置を少しずつ変化させることで、集束超音波素子43の焦点位置が少しずつ変化するので、腫瘍全体の処置が可能になる。
(効果)
そこで、本実施の形態では第1実施形態の効果に加え、次の効果がある。すなわち、本実施形態によれば、把持機構46に柔らかいバルーン47を使用しており、また、バルーン47の形状を規制するためのリング48もゴム製であるので、どちらも腫瘍などの病変部H2が入り込む部分(内径)が伸縮可能である。
(効果)
そこで、本実施の形態では第1実施形態の効果に加え、次の効果がある。すなわち、本実施形態によれば、把持機構46に柔らかいバルーン47を使用しており、また、バルーン47の形状を規制するためのリング48もゴム製であるので、どちらも腫瘍などの病変部H2が入り込む部分(内径)が伸縮可能である。
よって、照射デバイス本体41の外筒部材42の外径と同程度の大きさに隆起した腫瘍などの病変部H2でもバルーン47が萎んだ状態であればバルーン47とゴムリング48の中心穴に腫瘍などの病変部H2を被せることができる。また、ゴムリング48も伸縮性があるので、その状態でバルーン47を膨らませることで、腫瘍などの病変部H2を締め付けることができるので、腫瘍などの病変部H2に対して照射デバイス本体41の先端を容易に固定することができる。
また、流体として超音波を伝播する液体が入っているバルーン47で腫瘍などの病変部H2を締め付けているので、照射した超音波がバルーン47に当たったとしても反射の影響が小さくて済む。よって、集束超音波素子43から効率よく超音波照射を行うことができる。また、本実施の形態の把持機構46は、第1の実施の形態の超音波照射デバイス1の把持部15の構造と比較すると、部品点数が少なくて済む。
なお、本実施の形態の集束超音波素子43は第1の実施の形態と同様に圧電素子を示しているが、集束超音波を発することが可能なcMUT素子でもよい。さらに、超音波素子保持部材移動手段45も、電磁モータを備えたボールネジ機構を示しているが、直線駆動が可能な超音波モータでもよい。
(第2の実施の形態の第1の変形例)
図14は、第2の実施の形態の超音波照射デバイス1の第1の変形例を示す。本変形例は、図14に示すように、第2の実施の形態の外筒部材42の液体注入口50の代わりに照射デバイス本体41の外筒部材42の筒壁部に、外筒部材42の内部に超音波伝播媒体を供給する供給路51が設けられている。この供給路51の基端部には、図示しない超音波伝播媒体の供給部が連結されている。
図14は、第2の実施の形態の超音波照射デバイス1の第1の変形例を示す。本変形例は、図14に示すように、第2の実施の形態の外筒部材42の液体注入口50の代わりに照射デバイス本体41の外筒部材42の筒壁部に、外筒部材42の内部に超音波伝播媒体を供給する供給路51が設けられている。この供給路51の基端部には、図示しない超音波伝播媒体の供給部が連結されている。
そこで、本変形例では、照射デバイス本体41自体で外筒部材42の内部の超音波伝播空間に水などの超音波伝播媒体を供給することが可能になる。こうすることにより、例えば、超音波伝播に必要な水などの超音波伝播媒体が流れ出てしまうような生体組織(食道などの管状の生体組織)にできた腫瘍などの病変部でも本変形例の超音波照射デバイス1による超音波照射が可能になる。そのため、処置対象の生体組織を限定する必要がなくなる効果がある。
(第2の実施の形態の第2の変形例)
図15は、第2の実施の形態の超音波照射デバイス1の第2の変形例を示す。本変形例は、図15に示すように、ドーナツ型のバルーン47の内周面(腫瘍などの病変部と接触する部分)に爪61などの突起物を設けたものである。これにより、生体組織を締め付けた際に、生体組織に爪61などの突起物が食い込むので、更に位置決め精度が向上する効果がある。
図15は、第2の実施の形態の超音波照射デバイス1の第2の変形例を示す。本変形例は、図15に示すように、ドーナツ型のバルーン47の内周面(腫瘍などの病変部と接触する部分)に爪61などの突起物を設けたものである。これにより、生体組織を締め付けた際に、生体組織に爪61などの突起物が食い込むので、更に位置決め精度が向上する効果がある。
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
本発明は、集束超音波素子を使用した生体組織に対して処置を行うための超音波照射デバイスを使用する技術分野や、これを製造する技術分野に有効である。
12…外筒部材(構造体)、15…把持部(位置決め手段)、23…集束超音波素子。
Claims (6)
- 少なくとも一部が体腔内に挿入され、体腔を形成する生体組織に対して超音波を照射する超音波照射デバイスであって、
体腔内に挿入される部位に設けられ、所定の離れた位置に集束する集束超音波を発する集束超音波素子と、
前記集束超音波素子から照射される集束超音波が集束する集束位置の周囲に配置され、前記集束超音波が照射される対象となる前記生体組織の一部を狭持して位置決めする位置決め手段と、
前記集束超音波素子から前記集束超音波の集束位置に到る前記集束超音波の伝播経路としての空間を確保するとともに、前記位置決め手段を支持する構造体と、
を具備することを特徴とする超音波照射デバイス。 - 前記構造体は、前記位置決め手段が前記生体組織を狭持したとき、前記集束超音波の伝播経路となる空間を閉空間とし、当該空間を外部と隔離するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波照射デバイス。
- 前記構造体は、前記閉空間を満たす液体を供給する液体供給手段をさらに有する請求項2に記載の超音波照射デバイス。
- 前記構造体は、前記集束超音波の伝播経路となる空間の周壁部に開いた穴をさらに有し、かつ前記集束超音波の伝播経路となる空間を満たす液体を供給する手段をさらに有する請求項1に記載の超音波照射デバイス。
- 前記位置決め手段は、前記集束超音波の伝播経路の中心線方向に沿う直線運動機構と連結され、前記直線運動機構の直線運動を前記集束超音波の伝播経路の中心線方向と直交する方向の移動動作に変換して開閉可能な硬性アームにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波照射デバイス。
- 前記位置決め手段は、前記液体供給手段による液体の供給により伸縮するドーナツ型バルーンにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波照射デバイス。
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