JP2012089764A - 車載電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波を遮蔽するための遮蔽部材を確実に接地することができ、しかも製造作業が簡易な車載電子装置を提供する。
【解決手段】回路基板41と、回路基板41の表面側にて、電子部品42,42,…を覆う表側遮蔽部材5と、回路基板41の裏面側にて、回路基板41の表面側における電子部品42,42,…が実装されている範囲に対応する範囲を覆う裏側遮蔽部材6とを、基板貫通孔4aの周縁部に形成されている表側グランドパターン44にネジ留め舌片51を接触させ、基板貫通孔4aの周縁部に形成されている裏側グランドパターン45にネジ留め舌片61を接触させた状態で、表側貫通孔5a、基板貫通孔4a、及び裏側貫通孔6aにネジ11,11を挿通させて、筐体2のケース本体21に共締めする。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載される車載電子装置に関する。
車載電子装置は、車載機器を収容する筐体と、電磁波を遮蔽するための遮蔽部材とを備える。
車載機器は、制御回路基板又は電源回路基板等の回路基板を用いてなり、遮蔽部材は、回路基板に実装されている電子部品を覆う。この結果、車載機器は、他の電気機器が発生させた電磁波の悪影響を受ける虞がなくなり、同時に、他の電気機器は、車載機器が発生させた電磁波の悪影響を受ける虞がなくなる。
従来の遮蔽部材は、回路基板に形成されているグランドパターンに半田付けされている(特許文献1参照)。
特開2000−340969号公報
しかしながら、遮蔽部材とグランドパターンとを接続している半田部分には、半田クラックが発生することがある。何故ならば、温度変化による回路基板及び遮蔽部材夫々の伸縮量の差異、又は車両の振動等が、半田部分に外力を加えるからである。
特許文献1には、半田クラックの発生を抑制すべく、温度変化に起因する外力を吸収するシールドケースが開示されている。
ところが、特許文献1に記載のシールドケースを用いたとしても、ひとたび半田クラックが発生してしまえば、シールドケースとグランドパターンとの接続が失われることに変わりはない。即ち、従来の車載電子装置では、接続の信頼性を向上させることが困難である。
ところで、筐体内部における回路基板の無用な移動、又は筐体からの回路基板の無用な脱離等を防止するために、回路基板は筐体に取り付けられる。同様に、回路基板から遮蔽部材が無用に脱離することを防止するために、遮蔽部材は回路基板に取り付けられる。
従って、従来の車載電子装置を製造するためには、作業者は、回路基板に遮蔽部材を取り付ける作業と、筐体に回路基板を取り付ける作業とを個別に行なわなければならない。即ち、従来の車載電子装置は、製造作業が煩雑である。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、回路基板と、回路基板の一面に配されて電子部品を覆う遮蔽部材と、回路基板の他面に配されて電子部品の実装位置に対応する位置を覆う遮蔽部材とを、各遮蔽部材を配線パターンに接触させた状態で筐体に共締めする構成とすることにより、各遮蔽部材と配線パターンとを確実に接続することができ、しかも簡易に製造することができる車載電子装置を提供することにある。
第1発明に係る車載電子装置は、筐体と、配線パターンが形成されており、一面に電子部品が実装されている回路基板と、貫通孔が開設されており、前記配線パターンに接続されて電磁波を遮蔽する2個の遮蔽部材とを備え、前記回路基板及び前記2個の遮蔽部材を前記筐体に収容する車載電子装置であって、前記回路基板には貫通孔が開設されており、該貫通孔の周縁部には、前記回路基板の両面共に前記配線パターンが形成されており、該配線パターンは、前記筐体の外部に存在する導体部に接続されるようにしてあり、一方の前記遮蔽部材は、前記一面に配されて前記電子部品を覆い、他方の前記遮蔽部材は、前記回路基板の他面に配されて前記電子部品の実装位置に対応する位置を覆い、前記回路基板と両遮蔽部材とは、該遮蔽部材に開設されている貫通孔の周縁部を前記配線パターンに接触させた状態で、前記回路基板の貫通孔及び前記遮蔽部材の貫通孔を利用して前記筐体に共締めされていることを特徴とする。
第2発明に係る車載電子装置は、前記回路基板には、共締めに利用される貫通孔の周縁部以外にも、前記導体部に接続すべき配線パターンが形成されており、該配線パターンと、前記2個の遮蔽部材の一方又は両方とが半田付けされていることを特徴とする。
第3発明に係る車載電子装置は、前記2個の遮蔽部材夫々は、少なくとも1箇所の接続箇所の配置位置が、他の少なくとも2箇所の接続箇所を結ぶ仮想的な直線上から外れるように、前記配線パターンに接続されていることを特徴とする。
本発明にあっては、回路基板及び2個の遮蔽部材が、筐体に収容される。
回路基板は、車載機器を構成するものである。回路基板の一面には、電子部品が実装されている。この電子部品は、回路基板の一面に配された遮蔽部材(以下、第1の遮蔽部材という)によって覆われる。また、回路基板の他面の、回路基板の一面における電子部品の実装位置に対応する位置は、回路基板の他面に配された遮蔽部材(以下、第2の遮蔽部材という)によって覆われる。換言すれば、回路基板に実装されている電子部品は、回路基板の両面側から第1及び第2の遮蔽部材によって覆われる。
第1及び第2の遮蔽部材は電磁波を遮蔽する。このため、回路基板を挟んで第1及び第2の遮蔽部材に囲繞されている空間(以下、遮蔽空間という)に関して、外部から内部への電磁波の侵入、及び内部から外部への電磁波の漏洩が共に抑制される。しかも、電磁波の侵入及び漏洩の抑制効果は、第1及び第2の遮蔽部材の何れか一方しか備えていない場合よりも顕著である。
回路基板並びに第1及び第2の遮蔽部材夫々には、貫通孔が開設されている。以下では、回路基板、第1の遮蔽部材、及び第2の遮蔽部材に開設されている貫通孔を、基板貫通孔、第1貫通孔、及び第2貫通孔という。
基板貫通孔の周縁部には、回路基板の両面共に、配線パターンが形成されている。この配線パターンは、例えば車両のボディアースに接続(以下、接地という)される。第1及び第2の遮蔽部材は、第1貫通孔及び第2貫通孔の周縁部が配線パターンに接続されることによって、接地される。
回路基板と第1の遮蔽部材と第2の遮蔽部材とは、第1の遮蔽部材を回路基板の一面側の配線パターンに接触させ、第2の遮蔽部材を回路基板の他面側の配線パターンに接触させた状態で、基板貫通孔と第1貫通孔と第2貫通孔とを利用して、筐体に共締めされる。この場合、作業者は、例えば筐体の底壁に、第2の遮蔽部材、回路基板、及び第1の遮蔽部材をこの順に載置し、次いで、これらを共締めすればよい。
仮に、回路基板及び第1及び第2の遮蔽部材の取り付けを個別に行なう場合、作業者は、回路基板の一面を上側に向けて第1の遮蔽部材を回路基板に取り付け、また、回路基板の他面を上側に向けて第2の遮蔽部材を回路基板に取り付け、更に、両面に第1及び遮蔽部材が配されている回路基板を、筐体に取り付けなければならない。しかも、第1及び第2の遮蔽部材夫々と配線パターンとの接続を、第1及び第2の遮蔽部材夫々を回路基板に取り付ける作業とは別個に行なわなければならない。
第2発明にあっては、回路基板には、共締めに利用される基板貫通孔の周縁部以外にも配線パターンが形成されている。この配線パターンには、第1及び第2の遮蔽部材の少なくとも一方が半田付けされる。即ち、2個の遮蔽部材の内、少なくとも一方の遮蔽部材は、共締めによって配線パターンに接続される共締め接続箇所と、半田付けによって配線パターンに接続される半田付け接続箇所とを有する。
共締め接続箇所及び半田付け接続箇所の両方において接続が維持されていれば、遮蔽部材は確実に接地される。また、配線パターンに対する接続箇所が共締め接続箇所のみである場合に比べて、半田付け接続箇所の分だけ接続箇所の個数が増加するため、第1及び第2の遮蔽部材が仮想的なコンデンサとして機能する面積が減少する。従って、第1及び第2の遮蔽部材によって発生する浮遊容量が低減される。
たとえ半田クラックが生じて、半田付け接続箇所における接続が失われたとしても、共締め接続箇所における接続は維持される。従って、遮蔽部材は問題なく接地される。
つまり、本発明の車載電子装置は、接続の信頼性を更に向上させることができる上に、浮遊容量に起因する車載機器の性能低下(例えばノイズの発生)を抑制することができる。
第3発明にあっては、第1及び第2の遮蔽部材夫々について、共締め(又は、共締め及び半田付け)によって配線パターンに接続される接続箇所が3箇所以上である。しかも、少なくとも1箇所の接続箇所の配置位置は、他の少なくとも2箇所の接続箇所を結ぶ仮想的な直線上から外れている。
このような3箇所の接続箇所の全てにおいて接続が維持されていれば、遮蔽部材は確実に接地される。また、第1及び第2の遮蔽部材によって発生する浮遊容量が低減される。
何故ならば、配線パターンに対する接続箇所の個数が2箇所以下である場合に比べて、接続箇所の個数が増加し、3箇所の接続箇所が全て同一直線上に配されている場合に比べて、接続箇所の配置位置が回路基板の面方向に分散するため、第1及び第2の遮蔽部材が仮想的なコンデンサとして機能する面積が減少するからである。
更に、共締め接続箇所における接続が失われる可能性は、例えば半田付け接続箇所における接続が失われる可能性よりも低いため、3箇所の接続箇所における接続が全て失われる可能性は非常に低い。従って、遮蔽部材は問題なく接地される。
つまり、本発明の車載電子装置は、接続の信頼性を更に向上させることができる上に、浮遊容量に起因する車載機器の性能低下(例えばノイズの発生)を抑制することができる。
本発明の車載電子装置による場合、回路基板に実装されている電子部品は、遮蔽空間の内部に配される。従って、この電子部品が、遮蔽空間の外部から侵入した電磁波の悪影響を受ける虞がなく、更に、この電子部品が発生させた電磁波が、遮蔽空間の外部に悪影響を与える虞がない。
また、回路基板を筐体に取り付ける基板取付工程と、第1の遮蔽部材を回路基板に取り付ける第1取付工程と、第1の遮蔽部材を配線パターンに接続する第1接続工程と、第2の遮蔽部材を回路基板に取り付ける第2取付工程と、第2の遮蔽部材を配線パターンに接続する第2接続工程とを、共締めによって1工程で実施することができる。従って、各工程を個別に実施する場合に比べて、車載電子装置の組み立て工数を大幅に低減することができる。
しかも、筐体に対する回路基板の取付位置、回路基板に対する第1の遮蔽部材の取付位置、及び回路基板に対する第2の遮蔽部材の取付位置を共通化することができるため、各取付位置が個別に設けられる場合に比べて、車載電子装置の構造を簡易にすることができる。
更にまた、第1及び第2の遮蔽部材は、共締めによって配線パターンに接続されるため、半田付けによって配線パターンに接続される場合よりも、接続の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る車載電子装置の構成を示す横断面図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置の内部構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置の要部構成を示す模式的横断面図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置が備える表側遮蔽部材の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置が備える表側遮蔽部材の底面図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置が備える裏側遮蔽部材の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置が備える裏側遮蔽部材の底面図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置を組み立てる手順を説明するための模式的な横断面図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置を組み立てる手順を説明するための模式的な横断面図である。 本発明の実施の形態に係る車載電子装置を組み立てる手順を説明するための模式的な横断面図である。
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る車載電子装置1の構成を示す横断面図である。
図2は、車載電子装置1の内部構成を示す平面図である。
図3は、車載電子装置1の要部構成を示す模式的横断面図である。
以下では、図1〜図3の向かって左側・右側を車載電子装置1の左側・右側といい、図1及び図3の上側・下側並びに図2の手前側・奥側を車載電子装置1の上側・下側といい、図1及び図3の手前側・奥側並びに図2の下側・上側を車載電子装置1の前側・後側という。
図1に示すように、車載電子装置1は、各別体に設けられている筐体2、車載機器4、表側遮蔽部材5、及び裏側遮蔽部材6を備えている。
車載機器4、表側遮蔽部材5、及び裏側遮蔽部材6は、筐体2に収容されている。筐体2は、下側に配されているケース本体21と、ケース本体21とは別体に設けられており、上側に配されている蓋体22とを備えている。
ただし、図2は、筐体2から蓋体22を取り外した状態を示している。図2のII−II線における断面は、図1に示す断面に含まれている。
また、図3は、図1に示す車載電子装置1から蓋体22を取り外した状態を模式的に示している。このため、図3には、想像線で蓋体22が示されている。
また、図3では、各後述するネジ留め舌片51,51と半田付け舌片52とが表側遮蔽部材5の一部であり、各後述するネジ留め舌片61,61と半田付け舌片62とが裏側遮蔽部材6の一部であることを、想像線を用いて示している。
図2に示すように、筐体2には、筐体2に取り付けられている弾性ブッシュ12,13を介して、被覆電線14,15,16,17,…が引き込まれている。
まず、図1及び図2を参照しつつ、筐体2及び弾性ブッシュ12,13について説明する。
筐体2のケース本体21は、1枚の底壁21a及び複数枚の側壁を一体に有する有底筒状になしてある。ケース本体21の底壁21aの平面形状は、正方形の四隅の内、左下の角が矩形状に欠けたような六角形状である。
蓋体22は、ケース本体21の軸端開口(以下、単に開口という)を閉鎖する平板状になしてある。
ケース本体21及び蓋体22は、夫々が合成樹脂を用いて一体成形されてなる。更に詳細には、ケース本体21及び蓋体22は、GF(ガラス繊維)を30%含有するPBT(ポリブチレンテレフタレート)製である。
後述する回路基板41は、ネジ留めによってケース本体21の底壁21aの内面に取り付けられている。このために、底壁21aの内面には、5本の円筒状のボス211,211,212,212,212(以下、ボス211〜212という)が突設されている。ボス211〜212夫々の中空部分内周面には、雌ネジが形成されている。
ボス211〜212は、回路基板41を下側から安定的に支持すべく、互いに適長離隔配置されている。これらの内、ボス211,211は、ケース本体21の後側壁21bの近傍にて左右方向に互いに離隔して、前後方向の同一位置に配されている。
ケース本体21の周縁部外面には、9個の突出部213,213,…が突設されており、各突出部213,213,…には、ネジ留め用の貫通孔が上下方向に開設されている。
蓋体22の平面形状は、ケース本体21の底壁21aの外面の平面形状と同様であり、蓋体22の下面周縁部と、ケース本体21の各側壁の上端面とが全体的に接触している。蓋体22の周縁部外面には、ケース本体21の突出部213,213,…の突設位置に対応する位置に、9個の突出部223,223,…(図1中に2個のみ図示)が突設されており、各突出部223,223,…には、ネジ留め用の貫通孔が上下方向に開設されている。
蓋体22は、ケース本体21の各側壁の上端面に載置された後、ケース本体21の突出部213,213,…と蓋体22の突出部223,223,…とが図示しないネジでネジ留めされることによって、ケース本体21の開口を閉塞する。
なお、ケース本体21の開口を水密に閉塞するために、ケース本体21と蓋体22との間が、合成樹脂製の図示しないシール材によって封止されていてもよい。
筐体2の側壁には、前後方向に適長離隔して、2個の矩形状の貫通孔231,232が左右方向に開設されている。更に詳細には、貫通孔231,232とは、ケース本体21の左側壁21cの上端部にて、左側壁21cを左右方向に貫通して設けられている2個の凹部の内面と、蓋体22の下面とが囲繞している空間である。
弾性ブッシュ12,13は、例えば合成ゴム製であって、左右方向両端部には鍔状の突出部が一体に形成されている。
貫通孔231には、弾性ブッシュ12が水密に嵌合しており、貫通孔232には、弾性ブッシュ13が水密に嵌合している。
以上のような筐体2は、例えば、図示しない車体の左ヘッドランプ近傍のクラッシャブルゾーンに配置されているサイドメンバ(衝撃吸収フレーム)に取り付けられている。このために、例えば筐体2に一体形成されている図示しない取付部、及び筐体2に取り付けられた図示しないブラケットが、サイドメンバにネジ留めされている。
次に、図1〜図3を参照しつつ、被覆電線14,15,16,17,…、及び車載機器4について説明する。
図2には、各1本の被覆電線14,15,16,17のみが示されている。ただし、本実施の形態における車載電子装置1は、各2本の被覆電線16,16及び被覆電線17,17を備えている。以下では、被覆電線16,16,17,17をまとめて、被覆電線16〜17といい、被覆電線14,15,16〜17をまとめて、被覆電線14〜17という。
被覆電線14〜17は、例えば、金属製の導線の周面を合成樹脂製の絶縁体で被覆してなるケーブルであり、被覆電線14,15は信号線として機能し、被覆電線16〜17は給電線として機能する。被覆電線14,15は、弾性ブッシュ12を左右方向に水密に貫通している。被覆電線16〜17は、弾性ブッシュ13を左右方向に水密に貫通している。つまり、被覆電線14〜17は、弾性ブッシュ12,13を介して、筐体2の内部に引き込まれている。
車載機器4は、通信機能を有する受給電装置である。
車載機器4は回路基板41を用いてなり、回路基板41の平面形状は、ケース本体21の底壁21aの内面の平面形状と略同様である。以下では、回路基板41の両面の内、蓋体22に対面すべき面を表面といい、底壁21aに対面すべき面を裏面という。
回路基板41には、ケース本体21のボス211,211に対応する位置に配されているネジ留め用の基板貫通孔4a,4aと、ボス212,212,…に対応する位置に配されている図示しない3個のネジ留め用の基板貫通孔とが開設されている。各基板貫通孔は、後述するネジ11の軸部が挿通可能な内径を有している。
回路基板41の表面における基板貫通孔4a,4aの周縁部には、表側グランドパターン44,44が形成されている。同様に、回路基板41の裏面における基板貫通孔4a,4aの周縁部には、裏側グランドパターン45,45が形成されている。表側グランドパターン44,44と裏側グランドパターン45,45とは、本発明の実施の形態における配線パターン(更に詳細には、共締めに利用される貫通孔の周縁部に形成されている配線パターン)として機能する。
回路基板41の表面における基板貫通孔4a,4aの周縁部以外の適宜の位置には、表側グランドパターン46,46,…(図3中に1個のみ図示)が形成されている。同様に、回路基板41の裏面における基板貫通孔4a,4aの周縁部以外の適宜の位置には、裏側グランドパターン47,47,…(図3中に1個のみ図示)が形成されている。表側グランドパターン46,46,…と裏側グランドパターン47,47,…とは、本発明の実施の形態における配線パターン(更に詳細には、共締めに利用される貫通孔の周縁部以外に形成されている配線パターン)として機能する。
また、回路基板41の表面には、複数個の電子部品42,42,…及び電子部品43,43,…が実装されている。
電子部品42,42,…は、電磁波の遮蔽を要するものである。即ち、各電子部品42は、筐体2に収容されている他の電子部品43,43,…、又は筐体2に収容されていない電気機器(以下、他の電気機器という)等が発生させた電磁波による悪影響を受け易いものである。或いは、各電子部品42は、他の電子部品43,43,…又は他の電気機器に対して悪影響を与え易い電磁波を発生させるものである。
各電子部品42の例としては、車載機器4の制御中枢として機能するCPU、通信を司るLSI、又は、車載機器4の各部へ配電する電源回路等が挙げられる。
電子部品43,43,…は、電磁波を遮蔽する必要がないもの、又は、電磁波を遮蔽すると不都合が生じるもの等である。
各電子部品43の例としては、車載機器4と車体内部に配されている他の電気機器との有線通信に用いられるインターフェイス回路、又は、車載機器4と車体外部に配されている他の電気機器との無線通信を司るLSI等が挙げられる。
なお、電磁波を遮蔽する必要はないが、電磁波を遮蔽しても特に不都合は生じないものは、電子部品42として取り扱ってもよい。
回路基板41の表面には、被覆電線14〜17の一端部が電気的に接続される複数個の接続端部441〜444が実装されている。
被覆電線14,15の一端部は、接続端部441,442を介して車載機器4に電気的に接続されており、被覆電線14,15の他端部は、車体内部に配されている他の電気機器に電気的に接続されている。このとき、被覆電線14は、車載機器4に電気信号を入力するための信号線として機能し、被覆電線15は、車載機器4から電気信号を出力するための信号線として機能する。
各被覆電線16の一端部は、接続端部443を介して車載機器4に電気的に接続されている。また、各被覆電線16の他端部は、車体外部に配されている図示しない外部装置から受電する場合に、外部装置に電気的に接続される。このとき、一方の被覆電線16は、車載機器4に電力を入力するための給電線として機能し、他方の被覆電線16は、車載機器4に電気信号を入力するための給電線として機能する。
各被覆電線17の一端部は、接続端部444を介して車載機器4に電気的に接続されている。また、一方の被覆電線17の他端部は、車体内部に配されている図示しない外部装置に電気的に接続されており、他方の被覆電線17の他端部は、図示しない車両のボディアースに電気的に接続(即ち接地)されている。このとき、各被覆電線17は、車載機器4から電力を出力するための給電線として機能する。
以上のような車載機器4は、車体外部の外部装置からの受電を管理するために必要なデータを送受信するよう構成されている。
表側グランドパターン44,44,46,46,…及び裏側グランドパターン45,45,47,47,…は、接地されている方の被覆電線17に電気的に接続されている。
次に、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6について説明する。
図4及び図5は、表側遮蔽部材5の斜視図及び底面図である。図4は、表側遮蔽部材5を右上後方から視認した状態を示しており、また、図5の向かって左側・右側、上側・下側、及び手前側・奥側は、車載電子装置1の右側・左側、後側・前側、及び下側・上側である。更にまた、図5のV−V線における断面は、図1に示す断面に含まれている。
図6及び図7は、裏側遮蔽部材6の斜視図及び底面図である。図6は、裏側遮蔽部材6を右上後方から視認した状態を示しており、また、図7の向かって左側・右側、上側・下側、及び手前側・奥側は、車載電子装置1の右側・左側、後側・前側、及び下側・上側である。更にまた、図7のVII−VII線における断面は、図1に示す断面に含まれている。
まず、図1〜図5を参照しつつ、表側遮蔽部材5について説明する。
表側遮蔽部材5は、回路基板41の表面に配されて、電子部品42,42,…を覆い、更に、表側グランドパターン44,44,46,46,…に電気的に接続されることによって接地されて、電磁波を遮蔽する。つまり、表側遮蔽部材5は、本発明の実施の形態における一方の遮蔽部材として機能する。
このために、表側遮蔽部材5は、例えば1枚のアルミニウム製の金属平板に対して剪断加工及び曲げ加工等を施すことによって形成されている。また、表側遮蔽部材5には、被覆天面50、2個のネジ留め舌片51,51、各1個の半田付け舌片52,53、2個の半田付け突起54,54、及び複数個の被覆側面55,55,…が一体に設けられている。
被覆天面50は平板状になしてあり、回路基板41から適長離隔して平行に配されている。このとき、被覆天面50は、電子部品42,42,…が配置されている範囲の上方で、この範囲を覆う。
各被覆側面55は平板状になしてあり、被覆天面50に垂直に配されている。被覆側面55,55,…は、電子部品42,42,…が配置されている範囲の前側方、後側方、左側方、及び右側方にて、この範囲を覆う。また、被覆側面55,55,…の内の6個は、被覆天面50と、ネジ留め舌片51,51、半田付け舌片52,53、及び半田付け突起54,54との間に介在している。
ネジ留め舌片51,51、半田付け舌片52,53、及び半田付け突起54,54は、表側遮蔽部材5の接地に用いられる。且つ、ネジ留め舌片51,51は、回路基板41に対する表側遮蔽部材5の取り付けにも用いられる。
このために、各ネジ留め舌片51は、被覆天面50に平行な平板状になしてあり、ネジ留め用の表側貫通孔5aが中央部に開設されている。また、各ネジ留め舌片51は、回路基板41に形成されている表側グランドパターン44に、表側貫通孔5aと基板貫通孔4aとを位置合わせした状態で、接触配置されている。各表側貫通孔5aは、ネジ11の軸部が挿通可能な内径を有している。
半田付け舌片52,53は、被覆天面50に平行な平板状になしてある。また、半田付け舌片52,53は、回路基板41に形成されている表側グランドパターン46,46に半田付けされている。
このようなネジ留め舌片51,51及び半田付け舌片52,53は、適宜の被覆側面55,55,…の下端部に突設されている。
各半田付け突起54は、適宜の被覆側面55の下端部から下方へ突設されている短棒状になしてある。各半田付け突起54は、回路基板41の表面に開設されている図示しない挿入穴に挿入されており、この挿入穴の周縁部に形成されている表側グランドパターン46に半田付けされている。
一方のネジ留め舌片51、半田付け舌片52、及び他方のネジ留め舌片51は、表側遮蔽部材5の後部における前後方向の同一位置(即ち、左右方向に沿う仮想的な直線上)に、左右方向に互いに離隔してこの順に並設されている。また、一方の半田付け突起54、半田付け舌片53、及び他方の半田付け突起54は、表側遮蔽部材5の前部における前後方向の同一位置に、左右方向に互いに離隔してこの順に並設されている。
次に、図1、図3、図6、及び図7を参照しつつ、裏側遮蔽部材6について説明する。
裏側遮蔽部材6は、回路基板41の裏面に配されて、回路基板41の表面における電子部品42,42,…が実装されている範囲に対応する範囲を覆い、更に、裏側グランドパターン45,45,47,47,…に電気的に接続されることによって接地されて、電磁波を遮蔽する。つまり、裏側遮蔽部材6は、本発明の実施の形態における他方の遮蔽部材として機能する。
このために、裏側遮蔽部材6は、例えば1枚のアルミニウム製の金属平板に対して剪断加工及び曲げ加工等を施すことによって形成されている。また、裏側遮蔽部材6には、被覆底面60、2個のネジ留め舌片61,61、各1個の半田付け舌片62,63、2個の半田付け突起64,64、及び6個の介在側面65,65,…が一体に設けられている。
被覆底面60は平板状になしてあり、回路基板41から適長離隔して平行に配されている。このとき、被覆底面60は、回路基板41の下方で、電子部品42,42,…が実装されている範囲に対応する範囲を覆う。
つまり、電子部品42,42,…は、回路基板41を挟んで表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6に囲繞されている空間(即ち遮蔽空間)の内部に配されている。そして、遮蔽空間の外部から内部への電磁波の侵入、及び遮蔽空間の内部から外部への電磁波の漏洩は、共に抑制されている。一方、電子部品43,43,…は、遮蔽空間の外部に配されている。換言すれば、本実施の形態における表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6は、必要最小限の範囲を囲繞するものであるため、例えば回路基板41全体を囲繞するものよりも小型である。
各介在側面65は平板状になしてあり、被覆底面60に垂直に配されている。6個の介在側面65,65,…は、被覆底面60と、ネジ留め舌片61,61、半田付け舌片62,63、及び半田付け突起64,64との間に介在している。ただし、各介在側面65の上下方向の長さは、表側遮蔽部材5の被覆側面55の上下方向の長さよりも短い。何故ならば、被覆底面60と回路基板41の裏面との間には、電子部品42,42,…が配置されていないからである。
ネジ留め舌片61,61、半田付け舌片62,63、及び半田付け突起64,64は、裏側遮蔽部材6の接地に用いられる。且つ、ネジ留め舌片61,61は、回路基板41に対する裏側遮蔽部材6の取り付けにも用いられる。
このために、各ネジ留め舌片61は、被覆底面60に平行な平板状になしてあり、ネジ留め用の裏側貫通孔6aが中央部に開設されている。また、各ネジ留め舌片61は、回路基板41に形成されている裏側グランドパターン45に、裏側貫通孔6aと基板貫通孔4aとを位置合わせした状態で、接触配置されている。各裏側貫通孔6aは、ネジ11の軸部が挿通可能な内径を有している。
半田付け舌片62,63は、被覆底面60に平行な平板状になしてある。また、半田付け舌片62,63は、回路基板41に形成されている裏側グランドパターン47,47に半田付けされている。
このようなネジ留め舌片61,61及び半田付け舌片62,63は、適宜の介在側面65,65,…の下端部に突設されている。
各半田付け突起64は、適宜の介在側面65の上端部から上方へ突設されている短棒状になしてある。各半田付け突起64は、回路基板41の裏面に開設されている図示しない挿入穴に挿入されており、この挿入穴の周縁部に形成されている裏側グランドパターン47に半田付けされている。
一方のネジ留め舌片61、半田付け舌片62、及び他方のネジ留め舌片61は、裏側遮蔽部材6の後部における前後方向の同一位置に配され、且つ、左右方向に互いに離隔してこの順に並設されている。また、一方の半田付け突起64、半田付け舌片63、及び他方の半田付け突起64は、裏側遮蔽部材6の前部における前後方向の大略同一位置に配され、且つ、左右方向に互いに離隔してこの順に並設されている。
図8〜図10は、車載電子装置1を組み立てる手順を説明するための模式的な横断面図である。ただし、弾性ブッシュ12,13の取り付け及び被覆電線14〜17の配線等については説明を省略する。
作業者は、まず、回路基板41及び裏側遮蔽部材6を準備する。そして、作業者は、図8に示すように、回路基板41の表面を下側に向け、更に、回路基板41の裏面に裏側遮蔽部材6を載置してから、例えば図中白抜矢符で示す箇所を半田付けする。
具体的には、作業者は、基板貫通孔4a,4aと裏側貫通孔6a,6aとを位置合わせしつつ裏側グランドパターン45,45にネジ留め舌片61,61を載置し、裏側グランドパターン47,47に半田付け舌片62,63を載置し、回路基板41の裏面に開設されている挿入穴に半田付け突起64,64を挿入する(図6及び図7も参照)。次いで、作業者は、裏側グランドパターン47,47,…に、半田付け舌片62,63及び半田付け突起64,64を半田付けする。この結果、裏側遮蔽部材6が4箇所、半田付けによって裏側グランドパターン47,47,…に電気的に接続される。
なお、図8では、電子部品42,42,…及び電子部品43,43,…が予め実装されている回路基板41に裏側遮蔽部材6が半田付けされているが、これに限定されず、半田付け終了後に電子部品42,42,…及び電子部品43,43,…が実装されてもよい。
次に、作業者は、表側遮蔽部材5を準備する。そして、作業者は、図9に示すように、回路基板41の表面を上側に向け、更に、回路基板41の表面に表側遮蔽部材5を載置してから、例えば図中白抜矢符で示す箇所を半田付けする。
具体的には、作業者は、基板貫通孔4a,4aと表側貫通孔5a,5aとを位置合わせしつつ表側グランドパターン44,44にネジ留め舌片51,51を載置し、表側グランドパターン46,46に半田付け舌片52,53を載置し、回路基板41の表面に開設されている挿入穴に半田付け突起54,54を挿入する(図4及び図5も参照)。次いで、作業者は、表側グランドパターン46,46,…に、半田付け舌片52,53及び半田付け突起54,54を半田付けする。この結果、表側遮蔽部材5が4箇所、半田付けによって表側グランドパターン46,46,…に電気的に接続される。
次に、作業者は、5個のネジ11,11,…及びケース本体21を準備する。
ここで、各ネジ11は導電性を有し、頭部と、ボス211の雌ネジに対応する雄ネジが形成されている軸部とを一体に備えている。そして、作業者は、図10に示すように、ネジ11,11,…を用いて、ケース本体21に対する回路基板41の取り付けと、回路基板41に対する表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6の取り付けとを同時的に行なう。
具体的には、作業者は、両面に表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6が半田付けされている回路基板41を、ボス211〜212に載置する(図2も参照)。このとき、作業者は、回路基板41の表面を上側に向け、また、基板貫通孔4a,4aとボス211,211の中空部分とを位置合わせし、更に、回路基板41の前述した3個のネジ留め用の基板貫通孔とボス212,212,…の中空部分とを位置合わせする。
この後、作業者は、3本のネジ11,11,…の軸部を、回路基板41の3個のネジ留め用の基板貫通孔に挿通し、この3本のネジ11,11,…をボス212,212,…に螺嵌させる(図2も参照)。
更に、作業者は、2本のネジ11,11の軸部を、表側貫通孔5a,5a、基板貫通孔4a,4a、及び裏側貫通孔6a,6aに上側からこの順に挿通させ、この2本のネジ11,11をボス211,211に螺嵌させる(図1〜図3も参照)。
この結果、回路基板41、表側遮蔽部材5、及び裏側遮蔽部材6が、ケース本体21に共締めされる。また、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6が各2箇所、ネジ留めによって表側グランドパターン44,44及び裏側グランドパターン45,45に電気的に接続される。換言すれば、筐体2に対する車載機器4、表側遮蔽部材5、及び裏側遮蔽部材6夫々のネジ留めと、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6の接地とが、同時的に行なわれる。
ところで、表側遮蔽部材5と表側グランドパターン44,44,46,46,…との接続箇所は、計6箇所である。しかも、表側遮蔽部材5は、仮想的な三角形の3頂点に位置する3箇所の接続箇所を有する(例えば、ネジ留め舌片51,51と表側グランドパターン44,44との接続箇所及び半田付け舌片52と表側グランドパターン46との接続箇所)。
同様に、裏側遮蔽部材6と裏側グランドパターン45,45,47,47,…との接続箇所は、計6箇所である。しかも、裏側遮蔽部材6は、仮想的な三角形の3頂点に位置する3箇所の接続箇所を有する。
以上の結果、表側遮蔽部材5と裏側遮蔽部材6とが仮想的なコンデンサとして機能する面積は少ない。従って、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6によって発生する浮遊容量は少ない。このため、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6がノイズ源となる虞がない。
たとえ、半田クラックが発生することによって、表側遮蔽部材5と表側グランドパターン46,46,…との電気的な接続、及び裏側遮蔽部材6と裏側グランドパターン47,47,…との電気的な接続が全て断たれたとしても、表側遮蔽部材5と表側グランドパターン44,44との電気的な接続、及び裏側遮蔽部材6と裏側グランドパターン45,45との電気的な接続は維持されるため、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6は問題なく接地される。即ち、車載電子装置1の接続信頼性は高い。
最後に、作業者は、9個のネジ及び蓋体22を準備する。そして、作業者は、図1に示すように、ケース本体21に蓋体22をネジ留めする。以上の結果、車載電子装置1が組み立てられる。
以上のような車載電子装置1においては、遮蔽空間の外部から内部へ無用な電磁波が侵入すること、及び、遮蔽空間の内部から外部へ無用な電磁波が漏洩することを抑制することができる。このとき、電磁波の遮蔽を要する電子部品42,42,…は、遮蔽空間の内部に配され、少なくとも、電磁波を遮蔽すると不都合が生じる電子部品43,43,…は、遮蔽空間の外部に配されているため、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6夫々の平面視のサイズを必要最小限にすることができる。
また、車載電子装置1においては、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6の両方によって遮蔽空間が形成されているため、両者の内の一方しか備えていない場合よりも、遮蔽効果を向上させることができる。
更に、ネジ留めによる表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6夫々の接地工程と、ネジ留めによる表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6夫々の回路基板41に対する取付工程と、ネジ留めによる回路基板41の筐体2に対する取付工程とを同時的に行なうことができる。即ち、車載電子装置1の組み立てが簡易であるため、作業性を向上させることができる。しかも、車載電子装置1の組立工数を無用に増大させることなく、車載電子装置1の接続信頼性及び遮蔽効果を向上させることができる。
更にまた、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6は、夫々が1枚の金属板からなるため、夫々が複数の部材からなる場合よりも、車載電子装置1の製造作業を単純化させることができ、延いては、車載電子装置1の製造コストを低減させることができる。何故ならば、複数の部材からなる表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6は、例えば、複数の部材を溶接又はネジ留め等によって1個の部材となすか、又は、複数の部材夫々を回路基板41に取り付ける必要があるからである。
また、合成樹脂を用いてなる筐体2は、例えば金属製の筐体に比べて、車両の衝突時に容易に破壊される。従って、車載電子装置1を搭載している車両は、クラッシャブルゾーンにおいて衝突事故時の衝撃を十分に吸収することができる。
なお、半田クラックの発生を抑制するために、車載電子装置1は、半田付けの際に半田が通常よりも増量されているか、又は、半田クラックが発生し難いような材質の回路基板41、表側遮蔽部材5、裏側遮蔽部材6、及び/又は半田が用いられていてもよい。
また、表側遮蔽部材5及び裏側遮蔽部材6の平面視のサイズが十分に小さい場合には、浮遊容量も小さいため、半田付けによる接地箇所が少ない又は設けられていない構成でもよい。
特に、裏側遮蔽部材6を半田付けしない場合には、回路基板41の裏面を上側に向けてから、裏側遮蔽部材6と裏側グランドパターン47,47,…とを半田付けする工程を省くことができる。更に、表側遮蔽部材5を半田付けしないときには、作業者は、まず、裏側遮蔽部材6をボス211,211に載置し、回路基板41を、裏側遮蔽部材6及びボス212,212,…に載置し、次に、表側遮蔽部材5を回路基板41に載置してから、回路基板41、表側遮蔽部材5、及び裏側遮蔽部材6をケース本体21に共締めすればよい。以上の結果、車載電子装置1の製造作業を更に単純化させることができる。
また、回路基板41の裏面にも電子部品42,42,…が実装されている構成でもよい。この場合、表側遮蔽部材5は、回路基板41の表面に実装されている電子部品42,42,…と、回路基板41の裏面における電子部品42,42,…が実装されている範囲に対応する範囲とを覆う。同様に、裏側遮蔽部材6は、回路基板41の裏面に実装されている電子部品42,42,…と、回路基板41の裏面における電子部品42,42,…が実装されている範囲に対応する範囲とを覆う。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、車載電子装置1に、実施の形態に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
1 車載電子装置
2 筐体
41 回路基板
4a 基板貫通孔(貫通孔)
42 電子部品
44,46 表側グランドパターン(配線パターン)
45,47 裏側グランドパターン(配線パターン)
5 表側遮蔽部材(一方の遮蔽部材)
5a 表側貫通孔(貫通孔)
6 裏側遮蔽部材(他方の遮蔽部材)
6a 裏側貫通孔(貫通孔)

Claims (3)

  1. 筐体と、
    配線パターンが形成されており、一面に電子部品が実装されている回路基板と、
    貫通孔が開設されており、前記配線パターンに接続されて電磁波を遮蔽する2個の遮蔽部材と
    を備え、
    前記回路基板及び前記2個の遮蔽部材を前記筐体に収容する車載電子装置であって、
    前記回路基板には貫通孔が開設されており、該貫通孔の周縁部には、前記回路基板の両面共に前記配線パターンが形成されており、該配線パターンは、前記筐体の外部に存在する導体部に接続されるようにしてあり、
    一方の前記遮蔽部材は、前記一面に配されて前記電子部品を覆い、
    他方の前記遮蔽部材は、前記回路基板の他面に配されて前記電子部品の実装位置に対応する位置を覆い、
    前記回路基板と両遮蔽部材とは、該遮蔽部材に開設されている貫通孔の周縁部を前記配線パターンに接触させた状態で、前記回路基板の貫通孔及び前記遮蔽部材の貫通孔を利用して前記筐体に共締めされていることを特徴とする車載電子装置。
  2. 前記回路基板には、共締めに利用される貫通孔の周縁部以外にも、前記導体部に接続すべき配線パターンが形成されており、
    該配線パターンと、前記2個の遮蔽部材の一方又は両方とが半田付けされていることを特徴とする請求項1に記載の車載電子装置。
  3. 前記2個の遮蔽部材夫々は、少なくとも1箇所の接続箇所の配置位置が、他の少なくとも2箇所の接続箇所を結ぶ仮想的な直線上から外れるように、前記配線パターンに接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載電子装置。
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