JP2012087207A - 共重合樹脂組成物、成形品、及び共重合樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 3ヒドロキシ酪酸モノマーユニット、3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニット、及び乳酸モノマーユニットを含有し、前記乳酸モノマーユニットの含有率が50〜97モル%の乳酸共重合体と、3ヒドロキシ酪酸モノマーユニット及び3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニットを含有し、3ヒドロキシ酪酸モノマーユニットの含有率が10〜25モル%のポリエステル共重合体とを含むことを特徴とする共重合樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
生産にとって大きな問題となっている。
本実施形態における共重合樹脂組成物は、共重合体Aと共重合体Bが所定の割合で混合された混合物である。
本発明に係る共重合体Aに含まれる3HB−3HV共重合ポリエステル(単にポリエステルと略称する。)は、3ヒドロキシ酪酸(略称3HB)、3ヒドロキシ吉草酸(略称3HV)の共重合体(略称P−3HB−co−3HV)であってもよく、P−3HB−co−3HVに更に3ヒドロキシヘキサン酸(略称3HHx)が共重合した共重合体(略称P−3HB−co−3HV−co−3HHx)など、他のモノマー成分が含まれていてもよい。生産性や経済性からは、P−3HB−co−3HVが好ましく用いられる。
本発明における共重合体Aは、上記のポリエステル(3HB−3HV共重合体)に、更に乳酸モノマーユニットを含む共重合体であり、広い意味でのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の一種である。共重合体Aは、乳酸と3HBと3HVとがランダムに又は規則的に共重合していてもよい。本発明における共重合体Aは、上記の微生物発酵法により産生したポリエステル(3HB−3HV共重合体)に、乳酸を付加重合させたブロック共重合体が好ましい。
(共重合体B)
本発明における共重合体Bは、3HBと3HVの共重合したポリエステル共重合体である。共重合体Bは、前記共重合体Aで使用したポリエステル(3HB−3HV共重合体)であってもよいし、3HBと3HVの比率が異なるポリエステル共重合体であってもよい。微生物発酵法により産生する際に培地成分中のグルコース、プロピオン酸等の炭素源の割合を調整することにより、ポリエステル共重合体中(共重合体B)の3HVの比率をコントロールすることができる。また、ポリエステル共重合体中(共重合体B)の分子量は、微生物発酵法により産生した比較的高分子量のポリエステル共重合体を加水分解して調製してもよい。
本発明に係る共重合樹脂組成物に用いられる結晶化核剤は、ポリ乳酸等のバイオマス資源由来の熱可塑性樹脂に用いられる結晶化核剤であれば、どのようなものでもよい。例えば、タルク系核剤、フェニル基を持つ金属塩系材料からなる核剤、ベンゾイル化合物系からなる核剤などが好ましく用いられる。その他公知の結晶化核剤、例えば乳酸塩、安息香酸塩、シリカ、リン酸エステル塩系などを用いてもよい。
本実施形態の共重合樹脂組成物は、樹脂組成物の熱安定剤として、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤を含み、加水分解防止剤としてカルボジイミド化合物系加水分解防止剤、例えば、ポリカルボジイミド樹脂(商品名:カルボジライト、日清紡ケミカル株式会社製)などを含んでいることが好ましい。添加する熱安定剤及び加水分解防止剤は、上記3種の添加剤のうちから選択される一つでもよいが、上記2種の熱安定化剤及び加水分解防止剤は、それぞれ機能が異なっており、それぞれの添加剤がともに加えられたものが好ましい。熱安定剤及び加水分解防止剤の添加量は、種類により異なるが、一般的には、それぞれ共重合樹脂組成物100質量部に対し、0.1質量部から5質量部程度が好ましい。
本実施形態の共重合樹脂組成物には、更にシリコーン系難燃剤、有機金属塩系難燃剤、有機リン系難燃剤、金属酸化物系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等を添加することが好ましい。これにより、難燃性が向上して延焼が抑制できるとともに、生分解性樹脂組成物の流動性が向上するため、より優れた成形性を確保することができる。
・共重合体A、及び共重合体Bの重量平均分子量
本発明における共重合体A、及び共重合体Bの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20,000〜1,000,000、さらに好ましくは70,000〜800,000である。重量平均分子量(Mw)は、Gel Permeation Chromatography(GPC法)による標準ポリスチレン換算値として算出する。なお、重量平均分子量(Mw)は、共重合体Aに結晶化核剤等の添加剤を加えた共重合体樹脂組成物を測定してもよい。この場合は、GPC法において、添加剤成分由来と考えられる低分子量領域のフラクションをカットして測定すればよい。
本発明における共重合体A、及び共重合体B中の乳酸モノマーユニット、3HBモノマーユニット、及び3HVモノマーユニットのモル比率は、プロトンNMRの測定結果から算出する。
本発明に係る共重合樹脂組成物の荷重たわみ温度は、65℃以上であることが好ましい。荷重たわみ温度は、JIS K 7191−2(1996)A法、すなわち、曲げ応力1.80MPaにおける荷重たわみ温度を測定する。具体的には、長さ130mm、幅3.2mm、高さ12.7mmの短冊試験片を用いて、支点間距離100mm、昇温速度2℃/nin、曲げ応力は1.80MPaで測定する。短冊試験片は、共重合樹脂組成物のペレットを、型締力50トンの電動式射出成形機を用いて、金型温度80℃、シリンダー温度180℃、射出速度20mm/s、射出圧力100MPa、冷却時間30secで成形し、十分結晶化が進むまでアニーリングして作製した。
本発明に係る共重合樹脂組成物の熱分解保持率(分子量保持率と言うこともある。)(%)は、80%以上であることが好ましい。熱分解保持率は、下式のように共重合樹脂組成物を200℃で10分間加熱した後の重量平均分子量(Mw)の減少率(%)として表し、
[熱分解保持率]={[加熱前のMw]−[加熱後のMw]}/[加熱前のMw]×100
として算出する。なお、重量平均分子量(Mw)は上述のGPC法により測定すればよい。重量平均分子量測定と同じように、乳酸共重合体に結晶化核剤等の添加剤を加えた共重合体樹脂組成物の場合、GPC法において、重量平均分子量(Mw)は、添加剤成分由来と考えられる低分子量領域のフラクションをカットして算出する。
本発明に係る共重合樹脂組成物のシャルピー衝撃強度は、6kJ/m2以上であることが好ましい。シャルピー衝撃強度は、JIS K 7111−1の方法で測定する。具体的には、長さ80mm、幅4mm、高さ10mmの短冊試験片を用いて、支持台スパン62mmで測定する。短冊試験片は、共重合樹脂組成物のペレットを、型締力50トンの電動式射出成形機を用いて、金型温度80℃、シリンダー温度180℃、射出速度20mm/s、射出圧力100MPa、冷却時間30secで成形し、十分結晶化が進むまでアニーリングして作製した。
<共重合体B1の作製>
バチルス属菌をペプトン5.0g/l、イーストエキス5.0g/l、肉エキス5.0g/lを含む培地で16時間培養した。得られた培養液を、窒素源を制限した最少培地(グルコースを含む)にプロピオン酸を添加し、45℃で48時間培養することでポリエステルを含む培養菌体を得た。得られた培養菌体を凍結乾燥し、クロロホルムを添加して菌体内物質を抽出した。不溶分を濾別し、濾液にメタノールを加え、菌体抽出物を再析出させ、これを濾過し、精製した菌体産生物を共重合体B1とした。共重合体B1をNMR解析することによって、3ヒドロキシ酪酸モノマーユニット(3HB)と3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニット(3HV)の含有比(モル比)が約83:17であった。また、共重合体B1のGPC法による重量平均分子量(Mw)は、標準ポリスチレン換算値で350,000であった。
この菌体産生物(共重合体B1)の一部をアルカリ性の温水で処理して加水分解して分子量を下げて乾燥し、ポリエステル1とした。次に、ポリエステル1を0.05gを無水トルエン1リットル中に溶解し、L乳酸0.95g、オクチル酸スズ0.1gを加え、窒素雰囲気中にて130℃で24時間撹拌した後、更に130℃で24時間静置した。その後、真空雰囲気中に1時間保持し、室温に戻し、得られた生成物をクロロホルムに溶かし、メタノールとヘキサンを加えて析出物をろ過、回収した。析出物を溶解、析出、ろ過を繰り返して精製し、最後に真空乾燥して精製物を得た。得られた精製物をNMR解析して、乳酸共重合体(Co−PLA)であることを確認し、これを共重合体A1とした。共重合体A1のL乳酸モノマーユニット(LLA)、3ヒドロキシ酪酸モノマーユニット(3HB)、3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニット(3HV)の含有比(モル比)は、95:4:1であった。また、共重合体A1のGPC法による重量平均分子量(Mw)は、標準ポリスチレン換算値で171,000であった。
次に、共重合体A1と共重合体B1を質量比90:10の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し、共重合樹脂組成物1とした。
共重合樹脂組成物1について、作製したペレットを、棚式の熱風乾燥機を使用して50℃で12時間乾燥した後、型締力50トンの電動式射出成形機を使用して、金型温度80℃、シリンダー温度180℃、射出速度20mm/s、射出圧力100MPa、冷却時間30secの設定で射出成形した。成形品を80℃で15分間一次アニーリングし、60℃で12時間二次アニーリングし、荷重たわみ温度試験用の短冊試験片とした。作製した短冊試験片のサイズは、長さ130mm、幅3.2mm、高さ12.7mmである。荷重たわみ温度の試験は、JIS K 7191−2(1996)に従って行った。なお、支点間距離100mm、昇温速度2℃/min、曲げ応力は1.80MPaとした。共重合樹脂組成物1の荷重たわみ温度は、80℃であった。
ホットプレート上に共重合樹脂組成物1を1g置き、200℃で10分間加熱した。加熱前と加熱後の樹脂組成物1について、それぞれGPC法による重量平均分子量(Mw)を測定し、下記の式を用いて熱分解保持率(%)を算出した。
熱分解保持率={(加熱前のMw)−(加熱後のMw)}/(加熱前のMw)×100
共重合樹脂組成物1の熱分解保持率は、90%であった。
共重合樹脂組成物1について、作製したペレットを、棚式の熱風乾燥機を使用して50℃で12時間乾燥した後、型締力50トンの電動式射出成形機を使用して、金型温度80℃、シリンダー温度180℃、射出速度20mm/s、射出圧力100MPa、冷却時間30secの設定で射出成形した。成形品を80℃で15分間一次アニーリングし、60℃で12時間二次アニーリングし、シャルピー衝撃試験用の短冊試験片とした。作製した短冊試験片のサイズは、長さ80mm、幅4mm、高さ10mmである。シャルピー衝撃強度の試験は、JIS K 7111−1に従って行った。共重合樹脂組成物1のシャルピー衝撃強度は、6.7kJ/m2であった。
以上の共重合樹脂組成物1の組成、性状を纏めて表3の実施例1の欄に示した。
<共重合体A2の作製>
実施例1の<共重合体B1の作製>において、共重合体B1を作成した際のバチルス属菌培地の培養条件及び得られた菌体産生物の加水分解条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、3ヒドロキシ酪酸モノマーユニット(3HB)と3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニット(3HV)の含有比(モル比)が97:3の共重合体B1'を作製した。
次に、共重合体A2と実施例1で作製した共重合体B1を質量比90:10の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し、共重合樹脂組成物2とした。
実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物2の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物2の組成等とともに、実施例1と同様にして表3の実施例2の欄に示した。
<共重合体B2の作製>
実施例1の<共重合体B1の作製>において、バチルス属菌培地の培養条件を調整して、3ヒドロキシ酪酸モノマーユニット(3HB)と3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニット(3HV)の含有比(モル比)が、87.6:12.4の共重合体B2を作製した。共重合体B2のGPC法による重量平均分子量(Mw)は、標準ポリスチレン換算値で780,000であった。共重合体B2の組成と重量平均分子量を表2に示した。
次に、実施例1で作製した共重合体A1と共重合体B2を質量比90:10の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し、共重合樹脂組成物3とした。
実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物3の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物3の組成等とともに、実施例1と同様にして表3の実施例3の欄に示した。
<共重合樹脂組成物4の作製>
実施例2で作製した共重合体A2と、実施例3で作製した共重合体B2を質量比90:10の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し、共重合樹脂組成物4とした。
実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物4の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物4の組成等とともに、実施例1と同様にして表3の実施例4の欄に示した。
<共重合樹脂組成物5の作製>
実施例1で作製した共重合体A1と共重合体B1を質量比99:1の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し、共重合樹脂組成物5とした。
実施例1と同様にして、樹共重合脂組成物5の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物5の組成等とともに、実施例1と同様にして表3の実施例5の欄に示した。
<共重合樹脂組成物6の作製>
実施例1で作製した共重合体A1と共重合体B1を質量比70:30の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し、共重合樹脂組成物6とした。
実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物6の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物6の組成等とともに、実施例1と同様にして表3の実施例6の欄に示した。
<共重合樹脂組成物7の作製>
実施例1の<共重合樹脂組成物1の作製>において、作製した樹脂組成物1を100質量部に対して、結晶化核剤として、結晶化核剤1(タルク系核剤;日本タルク株式会社製のSG-2000日産)、結晶化核剤2(フェニル基を持つ金属塩系材料からなる核剤;日産化学株式会社製のPPA-Zn)、結晶化核剤3(ベンゾイル化合物系核剤;株式会社ADEKA製のT-1287N)をそれぞれ0.5質量部ずつ添加し、混練して共重合樹脂組成物7とした。
実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物7の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物7の組成等とともに、実施例1と同様にして表3の実施例7の欄に示した。
<共重合樹脂組成物8の調製と荷重たわみ温度、及びシャルピー衝撃強度測定>
市販のポリL乳酸(PLA;三井化学株式会社製のレイシア H−100)を共重合樹脂組成物8とした。実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物8の荷重たわみ温度、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を表4の比較例1の欄に示した。
<共重合樹脂組成物9の作製と荷重たわみ温度、及びシャルピー衝撃強度測定>
比較例1において、調製した共重合樹脂組成物8(市販のポリ乳酸)100質量部に対して、結晶化核剤として、結晶化核剤1(タルク系核剤;日本タルク株式会社製のSG-2000)、結晶化核剤2(フェニル基を持つ金属塩系材料からなる核剤;日産化学株式会社製のPPA-Zn)、結晶化核剤3(ベンゾイル化合物系核剤;株式会社ADEKA製のT-1287N)をそれぞれ0.5質量部ずつ添加し、混練して共重合樹脂組成物9とした。実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物9の荷重たわみ温度、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物9の組成等とともに、測定結果を表4の比較例2の欄に示した。
<共重合樹脂組成物10の調製と荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度測定>
実施例1で作製した共重合体A1を共重合樹脂組成物10とした。実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物10の荷重たわみ温度、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を表4の比較例3の欄に示した。
<共重合樹脂組成物11の調製と荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度測定>
実施例1で作製した共重合体B1を共重合樹脂組成物11とした。実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物11の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を表4の比較例4の欄に示した。
<共重合体A12の作製>
実施例1の<共重合体B1の作製>において、バチルス属菌培地の培養条件を調整して、3ヒドロキシ酪酸モノマーユニット(3HB)と3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニット(3HV)の含有比(モル比)が、92:8のポリエステルを作製した。このポリエステルのGPC法による重量平均分子量(MW)は、標準ポリスチレン換算値で1,300,000であった。このポリエステルをアルカリ性の温水により、加水分解して分子量を低下させてポリエステル12を作製した。
共重合体A12と、実施例1で作製した共重合体B1を90:10の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し共重合樹脂組成物12とした。
実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物12の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物12の組成等とともに、実施例1と同様にして表4の比較例5の欄に示した。
<共重合体B13の作製>
実施例1の<ポリエステル1の作製>において、バチルス属菌培地の培養条件を調整して、3ヒドロキシ酪酸モノマーユニット(3HB)と3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニット(3HV)の含有比(モル比)が、93:7の共重合体B13を作製した。このポリエステルのGPC法による重量平均分子量(Mw)は、標準ポリスチレン換算値で1,300,000であった。共重合体B13の組成及び重量平均分子量を表2に示した。
次に、実施例1で作製した共重合体A1と、共重合体B13を90:10の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し共重合樹脂組成物13とした。
<共重合樹脂組成物13の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度測定>
実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物13の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物13の組成等とともに、実施例1と同様にして表4の比較例6の欄に示した。
<共重合樹脂組成物14の作製>
実施例1で作製した共重合体A1と共重合体B1を50:50の割合で、2軸混練押出機で180℃の温度で溶融混練して、大きさ3mm程度の成形用のペレットを作製し共重合樹脂組成物14とした。
実施例1と同様にして、共重合樹脂組成物14の荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度を測定し、測定結果を共重合樹脂組成物14の組成等とともに、比較例1と同様にして表4の比較例7の欄に示した。
上述の実施例1〜7、比較例1〜7における共重合樹脂組成物の組成、性状等を、それぞれ表3、表4にまとめて示した。表3、表4における判定結果は、荷重たわみ温度、熱分解保持率、及びシャルピー衝撃強度の判定基準を3項目全て満足しているものを○、判定基準を1項目でも満足していないものを×としている。なお、判定基準は、荷重たわみ温度は65℃以上、熱分解保持率80%以上、及びシャルピー衝撃強度6kJ/m2以上である。また、n.d.は未測定であることを表す。
Claims (10)
- 前記乳酸共重合体と前記ポリエステル共重合体の質量混合比が、99:1〜60:40の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の共重合樹脂組成物。
- 前記化学式[3]で表されるモノマーユニットが、L乳酸モノマーユニット、D乳酸モノマーユニットのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の共重合樹脂組成物。
- 結晶化核剤を更に含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合樹脂組成物。
- 前記結晶化核剤が、タルク系核剤、フェニル基を持つ金属塩系材料からなる核剤、及びベンゾイル化合物系核剤より選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項4に記載の共重合樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の共重合樹脂組成物を、金型温度を50℃以上90℃以下の射出成形金型で成形したことを特徴とする成形品。
- 3ヒドロキシ酪酸モノマーユニットと3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニットを含むポリエステルを微生物発酵法により産生するポリエステル産生行程と、
前記ポリエステルに、乳酸をモノマーユニットの比率として50〜97モル%の範囲となるように付加して乳酸共重合体を製造する乳酸共重合体製造工程と、
3ヒドロキシ酪酸モノマーユニットと、10〜25モル%の3ヒドロキシ吉草酸モノマーユニットとを含むポリエステル共重合体を微生物発酵法により産生するポリエステル共重合体産生工程と、
前記乳酸共重合体と前記ポリエステル共重合体を所定の比率で混合する共重合体混合工程と、
を有することを特徴とする共重合樹脂組成物の製造方法。 - 前記共重合体混合工程において、結晶化核剤を更に混合することを特徴とする請求項7に記載の共重合樹脂組成物の製造方法。
- 前記結晶化核剤は、タルク系核剤、フェニル基を持つ金属塩系材料からなる核剤、及びベンゾイル化合物系核剤より選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項8に記載の共重合樹脂組成物の製造方法。
- 前記乳酸共重合体と前記ポリエステル共重合体の質量混合比が、99:1〜60:40の範囲であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の共重合樹脂組成物の製造方法。
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