JP2012086989A - ガラス板製造装置及びガラス板製造方法 - Google Patents

ガラス板製造装置及びガラス板製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トップロールによるガラスリボンとの付着防止機能を維持した上で、該トップロールの存在によるフロートバス内の温度の局部的撹乱や熱ロス、更には錫の揮発物の凝集付着及びその落下等を回避する。
【解決手段】フロートバス3に貯留された溶融錫2上に溶融ガラス4を浮かせてガラスリボン6を形成するに際して、ガラスリボン6の両側縁部6a近傍にそれぞれ配置されたトップロール7を使用してガラスリボン6を幅方向両側外方に向かって引っ張るように構成したガラス板製造装置1において、トップロール7におけるローラ部7aと回転軸部7bとの外表面を、ジルコニアで被覆する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス板の製造方法及びその装置に係り、詳しくは、フロート法によりトップロールを使用してフロートバス内における溶融錫上でガラスリボンを適切に成形し得る雰囲気或いは状態を作り出すための技術的思想に関する。
周知のように、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OLED)などに代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)、或いは太陽電池や2次電池などの製作に使用されるガラス板は、各種の方法により製造されているのが実情である。
その製造方法の一種として、溶融ガラスをフロートバス内に貯留された溶融錫上に浮かべた状態で下流側に導くことによりガラスリボンを成形し、このガラスリボンをフロートバスの下流端から固化させつつ取り出すようにしたフロート法が公知となっている。このフロート法を採用した場合には、フロートバス内の成形域において、ガラスリボンの両側縁部近傍にそれぞれ配置した複数のトップロールを使用して、そのガラスリボンを幅方向両側外方に引っ張ることにより、その厚みや板幅を所望値とすることが行われる。
このトップロールは、ガラスリボンの側縁部に係合し且つ通例においては金属(耐熱金属)からなるロール部と、このロール部に一体的に連なる中空状の回転軸部とを有し、この回転軸部の中空部が、ロール部に冷却媒体としての冷却水を流通させる内部通路とされている。トップロールが、このような構成とされている主たる理由は、ガラスリボンに係合して食い込むローラ部を冷却することにより、そのローラ部とガラスリボンとの付着を防止するためである。
このようなトップロールの冷却方式であると、ガラスリボンに係合するローラ部のみならず、ローラ部に一体的に連なる回転軸部も冷却体となり、したがってローラ部と回転軸部とが全体として冷却体となる。そのため、この冷却体が、フロートバス内の温度の局部的な撹乱要因になると共に、フロートバスとしての熱ロスを増大させる要因にもなる。しかも、この冷却体は、フロートバス内に局部的に相対的な低温部を生じさせるため、フロートバス中の錫の揮発物がその低温部で凝集付着して、その付着物がガラスリボン上に落下することにより、製品欠陥が発生するという問題を招く。
この種の問題回避に関連する技術として、特許文献1には、トップロールのローラ部の先端面にカバーを取り付け、このカバー内に保温部材たる断熱材を充填した構成が開示されている。また。特許文献2には、トップロールのローラ部におけるガラスリボンとの係合部を除く部分を、塊状の遮熱体で覆うようにした構成が開示されている。
特開平8−277131号公報 特開平10−212128号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された対策を講じたとしても、既述のフロートバス内における温度の局部的撹乱及び熱ロスの問題や、フロートバス内に局部的な低温部が生じることによる錫の揮発物の凝集付着及びその落下等の問題を、確実には回避することができない。
すなわち、特許文献1に開示された対策は、ガラスリボンの温度の均一化のみを目的として、トップロールのローラの先端面に断熱材を付設したものであるため、フロートバス内の広い空間内に生じる不適切な現象に対して好適な影響を及ぼし得るものではない。そのため、この程度の対策では、トップロールの存在が、フロートバス内における温度の局部的撹乱や熱ロスの要因となること、更には錫の揮発物の凝集付着及びその落下等の要因となることを、依然として回避することができない。また、仮に、このような問題を回避することを企図したならば、断熱材(保温材)のヒータの出力を過度に高める必要性が生じ、コスト面で不利になるばかりでなく、ローラ部を冷却してガラスリボンとの付着を防止するという本来の機能が損なわれることになる。
また、特許文献2に開示された対策は、トップロールの放熱損失を低減させることのみを目的として、実質的にトップロールにおけるローラ部の周辺部分のみを遮熱体で覆ったものであるため、この場合にも、フロートバス内の広い空間内に生じる不適切な現象に対して好適な影響を及ぼすことは困難化を余儀なくされる。しかも、遮熱体は、固体或いは繊維からなる塊状のものであって、ローラ部におけるガラスリボンとの係合部をその遮熱体で覆ったのでは、ガラスリボンへの適切な食い込みが行なわれなくなるため、当該係合部は露出させておく必要がある。これらの事情に鑑みれば、このような対策によるにしても、トップロールの外表面における露出部分が必然的に広くなって、トップロールの存在が、フロートバス内における温度の局部的撹乱や熱ロスの要因となること、更には錫の揮発物の凝集付着及びその落下等の要因となることを、依然として回避することができない。
本発明は、上記事情に鑑み、トップロールによるガラスリボンとの付着防止機能を維持した上で、該トップロールの存在によるフロートバス内の温度の局部的撹乱や熱ロス、更には錫の揮発物の凝集付着及びその落下等の不具合発生を回避することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、フロートバスに貯留された溶融錫上に溶融ガラスを浮かせてガラスリボンを形成するに際して、前記ガラスリボンの側縁部表面に係合するローラ部と、該ローラ部に一体的に連なり且つ該ローラ部を冷却する冷却媒体流通路が内部に形成された回転軸部とを有するトップロールを、前記ガラスリボンの両側縁部近傍にそれぞれ配置し、それらのトップロールを使用して前記ガラスリボンを幅方向両側外方に向かって引っ張るように構成したガラス板製造装置において、前記トップロールにおける前記ローラ部と前記回転軸部との外表面を、ジルコニアで被覆したことに特徴づけられる。ここで、上記の「幅方向」とは、ガラスリボンの進行方向と直交する方向であり、また上記の「ガラスリボンの側縁部」とは、ガラスリボンの幅方向の端部を意味する(以下、同様)。
このような構成によれば、トップロールのローラ部と回転軸部とが、冷却体となり得るにも拘らず、その外表面には、ジルコニアの被覆により膜が形成されているため、トップロールの存在がフロートバス内の雰囲気に及ぼす悪影響が効果的に回避される。詳述すると、ジルコニアは、耐熱性に優れた特性を示すばかりでなく、ローラ部及び回転軸部を形成する通例の材料である金属(耐熱性金属)等よりも熱伝導率が小さいため、このジルコニアの被膜がトップロール適所の外表面に形成されていると、フロートバス内の雰囲気中から熱を吸収することが抑制される。そのため、トップロールが存在するにも拘らず、フロートバス内における温度の局部的撹乱や熱ロスの増大を不当化させることが回避される。しかも、フロートバス内では、局部的に相対的な低温部の発生が抑制されるため、錫の揮発物が低温部で凝集付着してその付着物がガラスリボン上に落下するという事態の発生確率が低減され、最終製品たるガラス板の品質低下を抑止することができる。更に、トップロールにおけるローラ部のガラスリボンとの係合部の外表面に、ジルコニアが被覆されていても、その程度のことでは、ローラ部による冷却機能が損なわれないため、ローラ部とガラスリボンとが付着するという事態は生じない。換言すれば、ジルコニアの被膜を形成することによって、ローラ部による冷却機能は僅かに低下するものの、ローラ部とガラスリボンとの付着が生じる程度までには、その機能が低下しないことになる。そのため、トップロールは、回転しながらガラスリボンをその幅を広げる方向に引っ張るという本来の作用を支障なく且つ円滑に行うことが可能である。また、フロートバスが小型であれば、上記のようにジルコニアが被覆されてなるトップロールを設置したことによる効果がより一層顕著に得られると共に、成形温度が高い組成のガラスリボンに対しても有効である。なお、ジルコニアは、ローラ部の先端面を含む外表面の全領域または略全領域に被覆されると共に、回転軸部の外表面についても全領域または略全領域に被覆されることが好ましい。また、ローラ部及び回転軸部の外表面に被覆層(膜)を一層だけ形成する場合には、その層が必然的にジルコニアの被覆層とされるが、それらの外表面に複数の被覆層を形成する場合には、最外層がジルコニアの被覆層とされる。
この場合、前記ジルコニアの被覆は、溶射によりなされていることが好ましい。
このように、溶射によってトップロールのローラ部及び回転軸部の外表面にジルコニアを被覆するように構成すれば、ローラ部の外周面(ガラスリボンとの係合部)を含むローラ部周辺が、複雑に入り組んだ形状とされているにも拘らず、その外表面の全領域に対して、漏れなく均等な厚みのジルコニア溶射膜を形成することができる。また、回転軸部に対しても、その外表面の全領域に、漏れなく均等な厚みのジルコニア溶射膜を形成することができる。しかも、溶射できる材料は、その特性に起因して限定されることになるが、ジルコニアは、溶射に適した材料であるため、良質の溶射被膜を所望の箇所に適切に形成することができる。
また、前記ジルコニアの被覆厚は、1〜1000μmであることが好ましい。
このような数値範囲の厚みを有するジルコニアの被膜を、トップロールのローラ部及び回転軸部の外表面に形成しておけば、トップロールがフロートバス内の雰囲気中から熱を吸収することが、過不足なく適切に抑制される。
また、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、フロートバスに貯留された溶融錫上に溶融ガラスを浮かせてガラスリボンを形成するに際して、前記ガラスリボンの側縁部表面に係合するローラ部と、該ローラ部に一体的に連なり且つ該ローラ部を冷却する冷却媒体流通路が内部に形成された回転軸部とを有するトップロールを、前記ガラスリボンの両側縁部近傍にそれぞれ配置し、それらのトップロールを使用して前記ガラスリボンを幅方向両側外方に向かって引っ張るガラス板製造方法において、前記ローラ部と前記回転軸部との外表面にジルコニアが被覆されてなるトップロールを使用して、前記ガラスリボンを幅方向両側外方に向かって引っ張ることに特徴づけられる。
この方法の構成は、上述の本発明に係る装置のうち冒頭で述べた装置の構成と実質的に同一であるので、作用効果を含む説明事項は、当該装置について既に述べた説明事項と実質的に同一である。
以上のように本発明によれば、トップロールのローラ部と回転軸部との外表面に、ジルコニアを被覆したことから、フロートバス内における温度の局部的撹乱や熱ロスの増大を不当化させることが回避されると共に、フロートバス内での局部的に相対的な低温部の発生が抑制されるため、錫の揮発物が低温部で凝集付着してその付着物がガラスリボン上に落下するという事態の発生確率が低減され、ガラス板の品質低下が抑止される。更に、このようにジルコニアが被覆されていても、その程度のことでは、ローラ部とガラスリボンとが付着するという事態を招くには至らないため、トップロールが回転しながらガラスリボンをその幅を広げる方向に引っ張るという本来の作用を支障なく且つ円滑に行うことが可能となる。
本発明の実施形態に係るガラス板製造装置(ガラス板製造方法の実施状況)の全体構成を示す概略平面図である。 本発明の実施形態に係るガラス板製造装置(ガラス板製造方法の実施状況)の要部構成を示す概略正面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、図1は、フロート法を採用してなるガラス板製造装置(ならびにその製造方法の実施状況)を概略的に示す平面図であり、また図2は、そのガラス板製造装置の特徴的構成要素であるトップロールの周辺の構成を示す要部拡大正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るガラス板製造装置1は、溶融錫2が貯留されたフロートバス3を有し、図外の溶融炉の下流部からフロートバス3の上流部に供給された溶融ガラス4が、溶融錫2上に浮かべられた状態で下流側(矢印A方向)に導かれ、成形域5を経ることにより、ガラスリボン6に成形されて、フロートバス3の下流端から引き出されるように構成されている。そして、フロートバス3の成形域5には、ガラスリボン6の両側縁部6a近傍にそれぞれ、複数のトップロール7が配置され、これらのトップロール7は、ガラスリボン6を幅方向外方に向かって引っ張るように構成されている。
図2は、各トップロール7の構造及びその周辺構造を詳細に例示している。同図に示すように、トップロール7は、ガラスリボン6の側縁部に係合(食い込み)する係合部としての爪部7axが外周部に形成されたローラ部7aと、該ローラ部7aに一体的に連なり且つ外方側に向かって延びる回転軸部7bとを有する。この回転軸部7bは、フロートバス3の側壁3aに形成された貫通孔3xに遊挿され、その外方端が駆動部8に連結されている。
更に、この回転軸部7bは、ローラ部7aの外方端面7ayに内方端が固定され且つ外方端が駆動部8に連結された小径の主軸7baと、該主軸7baの軸方向外方側部位に外嵌固定された保護スリーブ7bbとからなる。そして、この主軸7baは、中空軸であって、その中空部は、ローラ部7aの内部に冷却媒体としての冷却水を供給するための内部通路とされている。従って、冷却水は、ローラ部7aの内部及び回転軸部7bの軸方向全長に亘る内部を流通する構成とされている。
而して、トップロール7におけるローラ部7aと回転軸部7bとの外表面の全領域には、ジルコニアが被覆され、その被覆は、溶射によりなされている。従って、ローラ部7aの内方端面(先端面)7az及び外方端面7ay並びに爪部7axの外表面、主軸7baの内方側部位の外周面(露出部位の外周面)7bx、更には保護スリーブ7bbの軸方向全長に亘る外周面7by及びその内方端面7bzには、ジルコニアの被膜が形成されている。この場合、ジルコニアの被覆厚(膜厚)は、1〜1000μmとされている。
詳述すると、トップロール7におけるローラ部7aと回転軸部7bとは、金属(耐熱金属)で形成されており、ジルコニアは、その金属よりも熱伝導率の小さな材料であって且つ溶射に適した材料である。したがって、ローラ部7aと回転軸部7bとの外表面には、ローラ部7aの爪部7ax周辺を含めて複雑に入り組んだ箇所が存在しているが、それらの箇所にも万遍なくジルコニアの被膜が形成されている。また、ジルコニアの溶射は、プラズマ炎、ガス炎、爆発炎(デトネーション法)を用いて行われている。
以上のような構成によれば、トップロール7の内部では冷却水が流通しているため、このトップロール7は、フロートバス3内において冷却体となり得る。しかしながら、このトップロール7におけるローラ部7aと回転軸部7bとの外表面の全域には、それら7a、7bを形成している金属よりも熱伝導率の小さいジルコニアの被膜が形成されているため、このトップロール7がフロートバス3内の雰囲気中から熱を吸収することが抑制される。そのため、フロートバス3内にトップロール7が存在しているにも拘らず、このフロートバス3内における温度の局部的撹乱や熱ロスの不当な増大が回避される。しかも、フロートバス3内では、トップロール7の存在に起因して局部的に相対的な低温部が発生するという事態が生じ難くなるため、錫の揮発物が低温部で凝集付着してその付着物がガラスリボン6上に落下するという現象が発生し難くなり、最終製品たるガラス板の品質低下を抑止することができる。
また、トップロール7におけるローラ部7aのガラスリボン6との係合部である爪部7ax周辺の外表面をも含めて、万遍なくジルコニアが被覆されているが、このような態様でトップロール7の外表面にジルコニアの被膜が形成されている程度のことでは、ローラ部7aとガラスリボン6とが付着するという事態は生じない。そのため、トップロール7は、回転しながらガラスリボン6をその幅を広げる方向に引っ張るという本来の作用を支障なく円滑に行うことができる。
更に、溶射によってトップロール7のローラ部7a及び回転軸部7bの外表面にジルコニアが被覆されているため、ローラ部7aの爪部7ax周辺などが複雑に入り組んだ形状とされているにも拘らず、それらの外表面の全領域に対して、漏れなく均等な厚みのジルコニア溶射膜が形成され得ることになる。したがって、ローラ部7a及び回転軸部7bの外表面の全域に亘って、良質のジルコニアの溶射被膜が形成されることになり、フロートバス3内の雰囲気に悪影響を及ぼすことがより一層適切に回避される。
なお、上記実施形態では、トップロール7におけるローラ部7a及び回転軸部7bの外表面に、ジルコニアの被膜を一層だけ形成したが、複数層の異種の被膜を形成し且つ最外層をジルコニアの被膜としてもよい。このようにした場合には、ローラ部7a及び回転軸部7bを形成している金属部分の熱膨脹係数よりも大きく且つジルコニアの被膜の熱膨張係数よりも小さい膜を、中間層として介在させることにより、両者の間に生じる熱膨脹差を緩和して、ジルコニアの被膜が剥離する確率を効果的に低減させることができる。この場合、中間層の膜は、金属系のものであってもよく、或いは金属系とセラミックスとの混合物であってもよい。
本発明者等は、本発明の効果を確認すべく、実験を試みた。その実験及び結果の詳細は、下記に示す通りである。
SS400で作製したトップロールのローラ部と回転軸部とを分離した状態で、このローラ部と回転軸部との外表面に、重量%で、Ni80%、Cr20%の合金を、プラズマ溶射することにより、厚みが約85μmの合金溶射膜を形成した。更に、それらの外表面に、ジルコニアをプラズマ溶射することにより、厚みが約275μmのジルコニア溶射膜を形成した。その後、この溶射が完了したローラ部と回転軸部とを接合した。この場合、回転軸部の内部には、供給用と帰還用との一対の内部通路が形成されており、これらの内部通路に冷却水を流通させた。更に、このトップロールを、フロートバス内におけるガラスリボンの両側縁部近傍に、図1に示すような態様で設置した。
このような状態で、トップロールを30日に亘って使用し、その冷却水の温度変化を測定した結果、上記のように金属溶射膜及びジルコニア溶射膜が形成されたトップロールは、平均で0.7℃の低下に留まったのに対して、それらの溶射膜が形成されていないトップロールは、平均で3.3℃低下するに至った。したがって、最外層にジルコニア溶射膜が形成されたトップロールは、温度低下が小さく、ジルコニア溶射膜による断熱効果が確認され、この事から、フロートバス内の雰囲気中からの熱の吸収が抑制できることも確認された。
また、これと同時に、トップロールのローラ部における爪部とガラスリボンとが付着しないことが確認されると共に、目視検査により、ジルコニア溶射膜に剥離が生じていないことも確認された。
1 ガラス板製造装置
2 溶融錫
3 フロートバス
4 溶融ガラス
6 ガラスリボン
6a ガラスリボンの側縁部
7 トップロール
7a ローラ部
7b 回転軸部

Claims (4)

  1. フロートバスに貯留された溶融錫上に溶融ガラスを浮かせてガラスリボンを形成するに際して、前記ガラスリボンの側縁部表面に係合するローラ部と、該ローラ部に一体的に連なり且つ該ローラ部を冷却する冷却媒体流通路が内部に形成された回転軸部とを有するトップロールを、前記ガラスリボンの両側縁部近傍にそれぞれ配置し、それらのトップロールを使用して前記ガラスリボンを幅方向両側外方に向かって引っ張るように構成したガラス板製造装置において、
    前記トップロールにおける前記ローラ部と前記回転軸部との外表面を、ジルコニアで被覆したことを特徴とするガラス板製造装置。
  2. 前記ジルコニアの被覆が、溶射によりなされていることを特徴とする請求項1に記載のガラス板製造装置。
  3. 前記ジルコニアの被覆厚が、1〜1000μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板製造装置。
  4. フロートバスに貯留された溶融錫上に溶融ガラスを浮かせてガラスリボンを形成するに際して、前記ガラスリボンの側縁部表面に係合するローラ部と、該ローラ部に一体的に連なり且つ該ローラ部を冷却する冷却媒体流通路が内部に形成された回転軸部とを有するトップロールを、前記ガラスリボンの両側縁部近傍にそれぞれ配置し、それらのトップロールを使用して前記ガラスリボンを幅方向両側外方に向かって引っ張るガラス板製造方法において、
    前記ローラ部と前記回転軸部との外表面にジルコニアが被覆されてなるトップロールを使用して、前記ガラスリボンを幅方向両側外方に向かって引っ張ることを特徴とするガラス板製造方法。
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