JP2012086782A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動輪のスリップ可能状態を検出したとき、モータと駆動輪の間に介装した第2摩擦要素のスリップ状態を維持することができるハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】本発明のハイブリッド車両の制御装置は、スリップ検出手段(ステップS1)により駆動輪7,7のスリップ可能状態が検出されたとき、第1摩擦要素4を開放すると共に第2摩擦要素5をスリップ締結し、第2摩擦要素5を介して伝達される駆動力で走行する「MWSCモード」を禁止し、第1摩擦要素4を締結すると共に第2摩擦要素5をスリップ締結し、第2摩擦要素5を介して伝達される駆動力で走行する「WSCモード」に設定する。
【選択図】図11

Description

本発明は、走行モードとしてエンジン使用スリップ走行モードとモータ使用スリップモードを有するハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
従来、車両負荷が所定値以上のとき、エンジンを作動させた状態で、エンジンとモータの間に介装された第1摩擦要素を開放し、モータ回転数をエンジン回転数よりも低い回転数に設定して、モータと駆動輪の間に介装された第2摩擦要素をスリップ締結させるハイブリッド車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009-132195号公報
しかしながら、従来のハイブリッド車両の制御装置にあっては、モータ回転数がエンジン回転数よりも低く設定することから、第2摩擦要素のスリップ回転数が低くなる。このため、路面μの低い走行路面下等において駆動輪がスリップすると、第2摩擦要素のスリップ締結状態が維持できないことがあった。
すなわち、第2摩擦要素のスリップ量が小さいため、駆動輪の回転数が急上昇すると第2摩擦要素における差回転が小さくなりすぎてモータと駆動輪が直結状態になってしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、駆動輪のスリップ可能状態を検出したとき、モータと駆動輪の間に介装した第2摩擦要素のスリップ状態を維持することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置では、エンジンと、モータと、第1摩擦要素と、第2摩擦要素と、スリップ検出手段と、走行モード制御手段と、を備える構成とした。
前記モータは、前記エンジンから駆動輪への駆動系に設けられ、前記駆動輪の駆動を行う。
前記第1摩擦要素は、前記エンジンと前記モータの間に介装され、前記エンジンと前記モータとを断接する。
前記第2摩擦要素は、前記モータと前記駆動輪の間に介装され、前記モータと前記駆動輪とを断接する。
前記スリップ検出手段は、前記駆動輪のスリップ可能状態を検出する。
前記走行モード制御手段は、前記スリップ検出手段により前記駆動輪のスリップ可能状態が検出されたとき、前記第1摩擦要素を開放すると共に前記第2摩擦要素をスリップ締結し、前記第2摩擦要素を介して伝達される駆動力で走行するモータ使用スリップ走行モードを禁止し、前記第1摩擦要素を締結すると共に前記第2摩擦要素をスリップ締結し、前記第2摩擦要素を介して伝達される駆動力で走行するエンジン使用スリップ走行モードに設定する。
よって、駆動輪のスリップ可能状態が検出されたとき、走行モード制御手段により、モータ使用スリップ走行モードが禁止され、エンジン使用スリップ走行モードが設定される。
すなわち、モータ使用スリップ走行モードを禁止して、エンジン使用スリップ走行モードに設定することで、第2摩擦要素におけるスリップ量が大きくなる。そのため、駆動輪がスリップして駆動輪の回転数が急上昇しても、第2摩擦要素における差回転は確保される。
この結果、駆動輪のスリップ可能状態を検出したとき、モータと駆動輪の間に介装した第2摩擦要素のスリップ状態を維持することができる。
実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。 実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。 実施例1の統合コントローラを示す演算ブロック図である。 実施例1の制御装置で用いられるマップ図であり、(a)は目標定常トルクマップを示し、(b)はMGアシストトルクマップを示す。 実施例1の制御装置で用いられるモードマップ選択部の選択ロジックを表す概略図である。 実施例1の制御装置で用いられるモードマップのうち、通常モードマップを示す。 実施例1の制御装置で用いられるモードマップのうち、MWSC対応モードマップを示す。 実施例1の制御装置で用いられるバッテリSOCに対する走行中要求発電出力を示す特性図である。 実施例1の制御装置で用いられるエンジンの最適燃費線を示す特性図である。 実施例1の自動変速機における変速線の一例を示す変速マップ図である。 実施例1の統合コントローラにて実行される走行モード制御処理の流れを示すフローチャートである。 WSCモードにおけるエンジン回転数・モータジェネレータ回転数・出力軸回転数×1速ギヤ比の特性を示す図であり、(a)は通常時WSCモードを示し、(b)はスリップ時WSCモードを示す。 MWSCモードにおけるエンジン回転数・モータジェネレータ回転数・出力軸回転数×1速ギヤ比の特性を示す図であり、(a)は通常時MWSCモードを示し、(b)はスリップ時MWSCモードを示す。 実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両でのMWSCモード時にスリップが発生した時に走行モード制御を行う場合の走行モード・MWSC禁止判定・駆動輪スリップ判定・Eng回転数・MG回転数・車速MG軸換算回転数・駆動輪MG軸換算回転数・CL2温度の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の統合コントローラにて実行される走行モード制御処理の第1変形例の流れを示すフローチャートである。 実施例1の統合コントローラにて実行される走行モード制御処理の第2編敬礼の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。以下、図1に基づきパワートレイン構成を説明する。
実施例1のハイブリッド車両のパワートレインは、図1に示すように、エンジン1と、モータジェネレータ(モータ)2と、自動変速機3と、第1クラッチ(第1摩擦要素)4と、第2クラッチ(第2摩擦要素)5と、ディファレンシャルギア6と、タイヤ(駆動輪)7,7と、を備えている。
実施例1のハイブリッド車両は、エンジンと1モータ・2クラッチを備えたパワートレイン構成である。
前記エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、その出力軸とモータジェネレータ(略称MG)2の入力軸とが、第1クラッチ(略称CL1)4を介して連結される。
前記第1クラッチ4は、エンジン1とモータジェネレータ2の間に介装され、エンジン1とモータジェネレータ2とを断接するクラッチであり、締結油圧を制御することによって伝達トルク容量が可変する。この第1クラッチ4としては、例えば、ダイアフラムスプリングによる付勢力を保ち、ピストンを有する油圧アクチュエータを用いたストローク制御により完全締結〜スリップ締結〜完全解放までが制御されるノーマルクローズの乾式単板クラッチが用いられる。
前記モータジェネレータ2は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータであり、その出力軸と自動変速機(略称AT)3の入力軸とが連結される。
前記第2クラッチ5は、モータジェネレータ2とタイヤ7,7の間に介装され、モータジェネレータ2とタイヤ7,7とを断絶するクラッチであり、締結油圧を制御することによって伝達トルク容量が可変する。この第2クラッチ5としては、例えば、比例ソレノイドで油流量及び油圧を連続的に制御できるノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。
前記自動変速機3は、有段の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り替える有段変速機であり、その出力軸にディファレンシャルギア6を介してタイヤ7,7が連結される。なお、実施例1では、前記第2クラッチ5として、自動変速機3とは独立の専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機3の各変速段にて締結される複数の摩擦要素のうち、所定の条件に適合する摩擦要素(クラッチやブレーキ)を選択している。
前記自動変速機3の入力軸には、この入力軸により駆動される機械式オイルポンプ8が設けられている。そして、車両停止時等で機械式オイルポンプ8からの吐出圧が不足するとき、油圧低下を抑えるために電動モータにより駆動される電動サブオイルポンプ9がモータハウジング等に設けられている。
さらに、このパワートレインには、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサ10と、モータジェネレータ2の回転数を検出するMG回転センサ11と、自動変速機3の入力軸回転数を検出するAT入力回転センサ12と、自動変速機3の出力軸回転数を検出するAT出力回転センサ13と、が設けられる。
そして、このハイブリッド車両は、駆動形態の違いによる走行モードとして、電気自動車モード(以下、「EVモード」という)と、ハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という)と、エンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSCモード」という)とを、有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチ4を解放状態とし、モータジェネレータ2の駆動力のみで走行するモードであり、モータ走行モード・回生走行モードを有する。この「EVモード」は、要求駆動力が低く、バッテリSOCが確保されているときに選択される。
前記「HEVモード」は、第1クラッチ4を締結状態として走行するモードであり、モータアシスト走行モード・発電走行モード・エンジン走行モードを有し、いずれかのモードにより走行する。なお、モータアシスト走行モードは、エンジン1とモータジェネレータ2の2つを駆動源として走行する。発電走行モードは、エンジン1を駆動源として走行すると同時に、エンジン1の動力を利用してモータジェネレータ2を発電機として動作させる。エンジン走行モードは、エンジン1の駆動力のみで走行する。この「HEVモード」は、要求駆動力が高いとき、あるいは、バッテリSOCが不足するようなときに選択される。
前記「WSCモード」は、第1クラッチ4の締結状態で、モータジェネレータ2の回転数制御により第2クラッチ5をスリップ締結させて走行するモードである。このとき、第2クラッチ5を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態や運転者操作に応じて決まる要求駆動トルクになるようにクラッチトルク容量をコントロールしながら走行する。この「WSCモード」は、「HEVモード」の選択状態での停車時・発進時・減速時等のように、エンジン回転数がアイドル回転数を下回るような走行領域において選択される。また、「WSCモード」では、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときであってもクリープ走行が達成可能である。
さらに、路面勾配が所定値以上における上り坂等で、運転者がアクセルペダルを調整し車両停止状態を維持するアクセルヒルホールド(ストール停車状態)が行われるような場合、WSCモードでは、第2クラッチ5のスリップ量が過多の状態が継続されるおそれがある。エンジン1の回転数をアイドル回転数以下にすることができないからである。そこで、実施例1ハイブリッド車両では、エンジン1を作動させたまま第1クラッチ4を解放し、モータジェネレータ2の回転数制御により第2クラッチ5をスリップ締結させて走行するモータスリップ走行モード(以下、「MWSCモード」という)を有する。この「MWSCモード」では、モータジェネレータ2のみを駆動源として走行し、モータジェネレータ2の回転数をエンジン1のアイドル回転数よりも低い回転数に設定する。このとき、エンジン1は、アイドル回転数を目標回転数とするフィードバッグ制御に切り替える。
図2は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。以下、図2に基づいて制御システム構成を説明する。
実施例1の制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ30と、エンジンコントローラ31と、モータコントローラ32と、サブポンプコントローラ33と、インバータ34と、バッテリ35と、CL1用ソレノイドバルブ14と、CL2用ソレノイドバルブ15と、アクセル開度センサ16と、Gセンサ17と、車輪速センサ(車体速度検出手段)18と、CL2温度センサ(第2摩擦要素温度検出手段)19と、電圧センサ20と、電流センサ21と、を備えている。
前記統合コントローラ30は、パワートレイン系の動作点を統合制御する。この統合コントローラ30では、アクセル開度APOと車速VSP(自動変速機出力軸回転数に比例)とバッテリ充電状態SOC(バッテリ出力電圧及び出力電流から換算)と、に応じて、運転者が望む駆動力を実現できる走行モードを設定する。そして、エンジンコントローラ31に目標エンジントルクを指令し、モータコントローラ32に目標MGトルクもしくは目標MG回転数を指令し、サブポンプコントローラ33に所定の駆動信号を指令し、CL1用ソレノイドバルブ14及びCL2用ソレノイドバルブ15に所定の駆動信号を指令する。
前記エンジンコントローラ31は、エンジン1を制御する。前記モータコントローラ32は、モータジェネレータ2を制御する。前記サブポンプコントローラ33は、電動サブオイルポンプ9を駆動する電動モータを制御する。前記インバータ34は、モータジェネレータ2及び上記電動モータを駆動する。前記バッテリ35は、電気エネルギーを蓄える。
さらに、前記CL1用ソレノイドバルブ14は、第1クラッチ4の油圧を制御する。前記CL2用ソレノイドバルブ15は、第2クラッチ5の油圧を制御する。前記アクセル開度センサ16は、アクセル開度(APO)を検出する。前記Gセンサ17は、車両に作用する前後加速度を検出する。前記車輪速センサ18は、4輪の各車輪速を検出する。前記CL2温度センサ19は、第2クラッチ5の温度を検出する。前記電圧センサ20は、バッテリ35からの出力電圧を検出する。前記電流センサ21は、バッテリ35からの出力電流を検出する。
図3は、実施例1の統合コントローラを示す演算ブロック図である。以下、図3に基づいて統合コントローラの構成を説明する。
前記統合コントローラ30は、図3に示すように、目標駆動トルク演算部100と、モード選択部200と、目標発電出力演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を備えている。
前記目標駆動トルク演算部100は、図4(a)に示す目標定常トルクマップと、図4(b)に示すMGアシストトルクマップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから、目標定常トルクとMGアシストトルクを算出する。
前記モード選択部200は、路面勾配推定部201と、モードマップ選択部202と、を有し、選択されたモードマップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから、走行モードを演算する。
前記路面勾配推定部201は、Gセンサ17の検出値と、車輪速センサ18の車輪速加速度平均値等から演算した実加速度との偏差から路面勾配を推定する。前記モードマップ選択部202は、路面勾配推定部201により推定された路面勾配に基づいて、所定のモードマップを選択する。このモードマップとしては、通常モードマップと、MWSC対応モードマップと、を有する。
図5は、モードマップ選択部の選択ロジックを表す概略図である。図6は、通常モードマップを示し、図7は、MWSC対応モードマップを示す。
前記モードマップ選択部202は、通常モードマップ(図6)が選択されている状態から推定勾配が所定値g2以上になると、MWSC対応モードマップに選択を切り替える。一方、MWSC対応モードマップ(図7)が選択されている状態から推定勾配が所定値g1(<g2)未満になると、通常モードマップに選択を切り替える。すなわち、推定勾配に対してヒステリシスを設け、マップ切替時の制御ハンチングを防止する。
前記通常モードマップには、EV領域に存在する運転点(APO,VSP)が横切ると「HEVモード」へと切り替えるEV⇒HEV切替線と、HEV領域に存在する運転点(APO,VSP)が横切ると「EVモード」へと切り替えるHEV⇒EV切替線と、運転点(APO,VSP)が横切ると「HEVモード」と「WSCモード」を切り替えるHEV⇔WSC切替線と、が設定されている。
ここで、前記EV⇒HEV切替線と前記HEV⇒EV切替線は、EV領域とHEV領域を分ける線としてヒステリシス量を持たせて設定されている。但し、「EVモード」の選択中、バッテリSOCが所定値以下になると、強制的に「HEVモード」を目標走行モードとする。
また、前記HEV⇔WSC切替線は、自動変速機3が1速段のときに、エンジン1がアイドル回転数を維持する第1設定車速VSP1に沿って設定されている。但し、所定アクセル開度APO1以上の領域では、大きな駆動力を要求されることから、第1設定車速VSP1よりも高い第2設定車速VSP1´領域までWSC領域が設定されている。
すなわち、アクセル開度APOが大きいときの要求を、アイドル回転数付近のエンジン回転数に対応したエンジントルクとモータトルクで達成するのは困難な場合がある。ここで、エンジントルクは、エンジン回転数が上昇すればより多くのトルクを出力できる。このことから、エンジン回転数を引上げてより大きなトルクを出力させれば、例え第1設定車速VSP1よりも高い車速まで「WSCモード」であっても、短時間で「WSCモード」から「HEVモード」に移行することができる。この場合が図6に示す第2設定車速VSP1´まで広げられたWSC領域である。
前記MWSC対応モードマップは、EV領域が設定されていない点で通常モードマップとは異なる。このMWSCモードマップには、運転点(APO,VSP)が横切ると「HEVモード」と「WSCモード」を切り替えるHEV⇔WSC切替線と、運転点(APO,VSP)が横切ると「WSCモード」と「MWSCモード」を切り替えるWSC⇔MWSC切替線と、が設定されている。
ここで、WSC領域は、アクセル開度APOに拘らず領域を変更せず、HEV⇔WSC切替線は、第1設定車速VSP1に沿って設定されている。また、MWSC領域は、WSC領域内に設定されており、第1設定車速VSP1よりも低い第3設定車速VSP2と、所定アクセル開度APO1よりも高いアクセル開度APO2とで囲まれた領域となっている。なお、「MWSCモード」の詳細については後述する。
前記目標発電出力演算部300は、図8に示す走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCから目標発電出力を演算する。また、現在の動作点から図9で示す最適燃費線までエンジントルクを上げるために必要な出力を演算し、前記目標発電出力と比較して少ない出力を要求出力として、エンジン出力に加算する。
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標定常トルク,MGアシストトルクと目標走行モードと車速VSPと目標発電出力とを入力する。そして、これらの入力情報を動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標CL2トルク容量と目標ATシフトとCL1ソレノイド電流指令を演算する。
前記変速制御部500は、目標CL2トルク容量と目標ATシフトとから、これらを達成するように自動変速機3内のソレノイドバルブを駆動制御する。図10に変速制御で用いられる変速線マップの一例を示す。車速VSPとアクセル開度APOから現在の変速段から次変速段をいくつにするか判定し、変速要求があれば変速クラッチを制御して変速させる。
次に、図11に示すフローチャートを用いて、実施例1の統合コントローラにて実行される走行モード制御処理の流れを説明する。
ステップS1では、駆動輪であるタイヤ7,7がスリップしたか否かを判断し、YES(スリップ検出)の場合にはステップS2へ移行し、NO(スリップ未検出)の場合にはステップS4へ移行する。ここで、タイヤ7,7がスリップしたことは、車輪速センサ18によって検出されたタイヤ7,7の車輪速と、AT出力回転センサ13によって検出された自動変速機3の出力軸回転数に比例する車速VSPとの速度差ΔVに基づいて判断する。この速度差ΔVが所定値以上になったときには、車速VSPよりも車輪速が上回ったとして、スリップ発生と判断する。
ステップS2では、ステップS1での駆動輪スリップ発生との判断に続き、運転モードが「MWSCモード」に設定されることを禁止すると共に、強制的に「WSCモード」に設定し、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、ステップS2での運転モード制御に続き、CL2温度センサ19により検出された第2クラッチ5の温度が閾値温度以上になったか否かを判断し、YES(閾値温度以上)の場合にはステップS4へ移行し、NO(閾値温度未満)の場合にはステップS2を繰り返す。ここで、閾値温度とは、第2クラッチ5が過熱状態となる温度であり、この閾値温度以上になると第2クラッチ5の故障や劣化につながる温度である。
ステップS4では、ステップS3での第2クラッチ温度が閾値温度以上との判断に続き、「MWSCモード」へのモード移行を可能とする通常制御を実施し、エンドへ進む。ここで、この通常制御とは、通常モードマップ又はMWSC対応モードマップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから走行モードを演算する制御である。
次に、作用を説明する。
まず、「WSCモードについて」と「MWSCモードについて」の説明を行い、続いて、実施例1のハイブリッド車両の制御装置における「MWSC禁止制御作用」を説明する。
[WSCモードについて]
図12は、WSCモードにおけるエンジン回転数・モータジェネレータ回転数・出力軸回転数×1速ギヤ比の特性を示す図であり、(a)は通常時WSCモードを示し、(b)はスリップ時WSCモードを示す。
「WSCモード」とは、エンジン1が作動している状態に特徴があり、要求駆動力変化に対する応答性が高い。具体的には、第1クラッチ4を完全締結し、第2クラッチ5を要求駆動力に応じた伝達トルク容量としてスリップ制御し、エンジン1及びモータジェネレータ2の駆動力を用いて走行する。
ここで、実施例1に示すようなハイブリッド車両では、トルクコンバータのように回転数差を吸収する要素が存在しない。そのため、図12(a)に示すように、エンジン1からの出力回転数(Eng回転数)とモータジェネレータ2からの出力回転数(MG回転数)は一致する。一方、自動変速機3の出力軸に変速ギヤ比(ここでは1速ギヤ比)を積算した値(=駆動輪回転数相当値)は、第2クラッチ5における伝達トルク容量に応じて変化する。
このとき、エンジン1には自立回転を維持するためのアイドリング回転数による下限値が存在する。すなわち、Eng回転数及びMG回転数は、上記下限値以下に設定することができない。そのため、この下限値に相当する車速よりも低車速領域とするためには、第2クラッチ5のスリップ量ΔCL2が大きくなる。
そして、このような「WSCモード」中に駆動輪がスリップしたとする。このとき、図12(b)に示すように、自動変速機3の出力軸に変速ギヤ比(ここでは1速ギヤ比)を積算した値(=駆動輪回転数相当値)は、スリップにより急上昇する。これに対し、スリップ時に、第2クラッチ5のスリップ量ΔCL2が大きくなっているため、駆動輪回転数が急上昇してもモータジェネレータ2と駆動輪が直結することはない。つまり、第2クラッチ5のスリップ状態を保つことができる。
このように、第2クラッチ5のスリップ状態を維持するため、第2クラッチ5の締結力のみで駆動力を制御でき、第2クラッチ5における伝達トルク容量を維持することができる。これにより、駆動輪はスリップ状態からグリップ状態に復帰でき、車両挙動の乱れを防止することができる。
[MWSCモードについて]
図13は、MWSCモードにおけるエンジン回転数・モータジェネレータ回転数・出力軸回転数×1速ギヤ比の特性を示す図であり、(a)は通常時MWSCモードを示し、(b)はスリップ時MWSCモードを示す。
路面勾配が大きい勾配路において、例えば、ブレーキペダル操作を行うことなく車両を停止状態又は微速発進状態に維持しようとすると、平坦路と比べて大きな駆動力が要求される。すなわち、第2クラッチ5における伝達トルク容量は、平坦路の場合よりも大きくなる。このとき「WSCモード」であると、第2クラッチ5は強い締結力でのスリップ状態を継続することになり、発熱量が過剰になってクラッチ耐久性の低下を招くことが考えられる。また、車速の上昇もゆっくりになることから、「HEVモード」への移行までに時間がかかり、さらに発熱するおそれがある。
そこで、このような場合には、エンジン1を作動させたまま第1クラッチ4を解放し、第2クラッチ5の伝達トルク容量を運転者の要求駆動力に制御しつつ、モータジェネレータ2の回転数を第2クラッチ5の出力回転数よりも所定回転数高い回転数に制御する「MWSCモード」を設定する。
言い換えると、この「MWSCモード」では、エンジン1とモータジェネレータ2が切り離されているため、それぞれ異なる回転数に設定することができる。そのため、モータジェネレータ2の回転数を、エンジン1の回転数(=アイドル回転数)よりも低い回転数としつつ第2クラッチ5のスリップ制御を行う(図13(a)参照)。
この場合、エンジン1が作動状態であるために、モータジェネレータ2にエンジンクランキング分の余剰トルクを残しておく必要がなく、モータジェネレータ2の駆動トルク上限値を引上げることができる。また、第2クラッチ5のスリップ量ΔCL2が小さくなり、第2クラッチ5の発熱量を抑えてクラッチ耐久性を向上することができる。
しかしながら、図13(b)に示すように、このような「MWSCモード」中に駆動輪がスリップし、自動変速機3の出力軸に変速ギヤ比(ここでは1速ギヤ比)を積算した値(=駆動輪回転数相当値)が急上昇したとする。すると、スリップ時の第2クラッチ5のスリップ量ΔCL2が小さいため、第2クラッチ5における入出力差回転がなくなり、モータジェネレータ2と駆動輪が直結状態になってしまう(図13(b)におけるA部)。
しかも、第2クラッチ5のスリップ締結を維持するために、モータジェネレータ2の回転数制御を行っているので、モータトルクがそのまま駆動輪に伝わって車両挙動が不安定になってしまう。さらに、車両挙動が不安定になることから、駆動輪はスリップ状態からグリップ状態に復帰できず、車両挙動の不安定状態が増長するおそれがあった。
「MWSC禁止制御作用」
図14は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両でのMWSCモード時にスリップが発生した時に走行モード制御を行う場合の走行モード・MWSC禁止判定・駆動輪スリップ判定・Eng回転数・MG回転数・車速MG軸換算回転数・駆動輪MG軸換算回転数・CL2温度の各特性を示すタイムチャートである。
実施例1のハイブリッド車両において、Gセンサ17の検出値と、車輪速センサ18の車輪速加速度平均値等から演算した実加速度との偏差から推定した走行路面の路面勾配が所定値g2以上であると、図7に示すMWSC対応モードマップが選択される。そして、車速が第3設定車速VSP2以下、アクセル開度がAPO2以下になる、すなわち、MWSC対応モードマップにおいて、WSC領域にある運転点(APO,VSP)がWSC⇔MWSC切替線を横切ると、「MWSCモード」に設定される。
この「MWSCモード」では、エンジン1を作動しつつ第1クラッチ4を解放し、モータジェネレータ2の回転数(以下、MG回転数という)を、エンジン1の回転数(以下、Eng回転数という)(=アイドル回転数)よりも低い回転数としながら第2クラッチ5のスリップ制御を行う。
このとき、車速MG軸換算回転数(以下、車速回転数という)と、駆動輪MG軸換算回転数(以下、駆動輪回転数という)は一致しており、車速の上昇に応じて共に次第に上昇する。なお、MG回転数は、車速回転数及び車輪速回転数よりも所定回転数大きい値に設定されるため、MG回転数も車速の上昇に応じて次第に上昇する。また、第2クラッチ5はスリップ締結状態であるため、摩擦による発熱でクラッチ温度(以下、CL2温度という)が次第に上昇する。ここで、第2クラッチ5におけるスリップ量ΔCL2は小さいため、温度上昇率は低く抑えられる。
時刻t0において、駆動輪がスリップしたとする。このスリップにより、駆動輪回転数は急増する。一方、車速回転数は慣性力が作用しているため変動しない。そのため、駆動輪回転数と車速回転数との間に差回転(速度差ΔV)が生じる。
そして、時刻t1において、この差回転(速度差ΔV)が所定値以上になると、図11に示すフローチャートのステップS1でYES、つまりスリップ検出と判断され、駆動輪スリップ判定がOFF→ONとなる。これにより、ステップS2に移行して「MWSCモード」の設定が禁止され、「WSCモード」が設定される。すなわち、時刻t1において、走行モードは「MWSCモード」→「WSCモード」となり、MWSC禁止判定はOFF→ONとなる。
走行モードが「WSCモード」になることで、第1クラッチ4は締結されてエンジン1とモータジェネレータ2が直結状態になる。これにより、Eng回転数(=アイドル回転数)とMG回転数は一致し、MG回転数が増加する。すなわち、第2クラッチ5におけるスリップ量ΔCL2は増加する。
そのため、駆動輪のスリップによって駆動輪回転数が急増しても、第2クラッチ5と駆動輪が直結状態になることが防止され、第2クラッチ5における差回転(スリップ量ΔCL2)が確保でき、スリップ締結状態を維持することができる。そして、第2クラッチ5がスリップ締結しているので、第2クラッチ5の締結力のみで駆動力を制御でき、第2クラッチ5における伝達トルク容量を維持することができる。これにより、駆動輪はスリップ状態からグリップ状態に復帰でき、車両挙動の乱れを防止することができる。すなわち、駆動輪スリップにより急上昇した駆動輪回転数は次第に減少し、時刻t2´において、車速回転数と再び一致する。
そして、駆動輪回転数と車速回転数が一致した時刻t2´から所定時間経過した時刻t2において、駆動輪がスリップ状態からグリップ状態に復帰したとして駆動輪スリップ判定はON→OFFとなる。
一方、時刻t1において駆動輪のスリップ判定がなされてから、第2クラッチ5におけるスリップ量ΔCL2の増加に伴って第2クラッチ5の発熱量は増加し、温度上昇率が高くなる。
そして、時刻t3において、CL2温度が閾値温度に達すると、図11に示すフローチャートのステップS3でYESと判断され、MWSC禁止判定がON→OFFとなる。これにより、ステップS4に移行して、通常の制御が実施される。すなわち、まず走行路面の推定勾配に基づいてモードマップを選択し、選択したモードマップにおける運転点(APO,VSP)の位置から走行モードを設定する。ここでは、MWSC対応モードマップが選択され、運転点(APO,VSP)がMWSC領域にあるため、走行モードは「MWSCモード」に設定される。これにより、第1クラッチ4が解放されると共に、モータジェネレータ2の回転数が少なくなって、第2クラッチ5におけるスリップ量ΔCL2は小さくなる。そして、スリップ量ΔCL2が小さくなることで、CL2温度の温度上昇が抑えられ、緩やかに下降する。
このように、実施例1のハイブリッド車両の制御装置では、「MWSCモード」の設定禁止中にCL2温度が所定値以上上昇したら、「MWSCモード」へのモード移行を可能とする。このため、「MWSCモード」を禁止して「WSCモード」に設定することで、第2クラッチ5におけるスリップ量ΔCL2が増加し、第2クラッチ5の発熱量が増加しても、CL2温度が所定値以上上昇すること防止できる。これにより、第2クラッチ5の発熱による劣化や故障を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジン1と、前記エンジン1から駆動輪(タイヤ)7,7への駆動系に設けられ、前記駆動輪7,7の駆動を行うモータ(モータジェネレータ)2と、前記エンジン1と前記モータ2の間に介装され、前記エンジン1と前記モータ2とを断接する第1摩擦要素(第1クラッチ)4と、前記モータ2と前記駆動輪7,7の間に介装され、前記モータ2と前記駆動輪7,7とを断接する第2摩擦要素(第2クラッチ)5と、前記駆動輪7,7のスリップ可能状態を検出するスリップ検出手段(ステップS1)と、前記スリップ検出手段(ステップS1)により前記駆動輪7,7のスリップ可能状態が検出されたとき、前記第1摩擦要素4を開放すると共に前記第2摩擦要素5をスリップ締結し、前記第2摩擦要素5を介して伝達される駆動力で走行するモータ使用スリップ走行モード(MWSCモード)を禁止し、前記第1摩擦要素4を締結すると共に前記第2摩擦要素5をスリップ締結し、前記第2摩擦要素5を介して伝達される駆動力で走行するエンジン使用スリップ走行モード(WSCモード)に設定する走行モード制御手段(図11)と、を備える構成とした。
このため、駆動輪のスリップ可能状態を検出したとき、モータと駆動輪の間に介装した第2摩擦要素のスリップ状態を維持することができる。
(2) 前記第2摩擦要素(第2クラッチ)5の温度を検出する第2摩擦要素温度検出手段(CL2温度センサ)19を備え、前記走行モード制御手段(図11)は、前記モータ使用スリップ走行モード(MWSCモード)禁止中に、前記第2摩擦要素5の温度(CL2温度)が所定値(閾値温度)以上になったら、前記モータ使用スリップ走行モード(MWSCモード)へのモード移行を可能とする構成とした。
このため、(1)の効果に加え、第2摩擦要素の温度上昇を抑え、発熱によるクラッチ劣化やクラッチ故障を防止することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、図11に示すフローチャートのステップS3において、第2クラッチ5の温度が閾値温度以上になったら、「MWSCモード」へのモード移行を可能とする通常制御を実施している。しかしながら、これに限らず、図15に示すフローチャートにおけるステップS13のように、車体全体の速度(車体速度=車速)が所定速度以上になったら、ステップS14へ移行して「MWSCモード」へのモード移行を可能とする通常制御を実施するようにしてもよい。すなわち、車体速度を検出する車体速度検出手段(実施例1では車輪速センサ18)を備え、「MWSCモード」の設定禁止中に、車体速度(車速VSP)が所定値以上になったら、「MWSCモード」へのモード移行を可能としてもよい。ここで、「車速が所定速度以上になる」とは、駆動輪が走行路面に対して十分にグリップし、車両が加速している状態になることである。そのため、駆動輪が走行路面に対して十分にグリップしてから「MWSCモード」へのモード移行を可能とすることになり、車両挙動の乱れをさらに確実に防止することができる。
また、実施例1のハイブリッド車両の制御装置では、図11のフローチャートのステップS1において、駆動輪であるタイヤ7,7のスリップを検出したか否かを判断しているが、これに限らない。図15に示すステップS11のように、駆動輪が実際にスリップしていなくとも、車両状況や走行環境から駆動輪がスリップする可能性を検出したか否かを判断し、スリップする可能性がある場合に、ステップS12へ移行して「MWSCモード」を禁止して「WSCモード」を設定してもよい。
ここで、駆動輪のスリップ可能性の有無は、例えば、走行路面が凍結しやすい条件の判定や、路面スリップ対応車両状態へのセット判定に基づいて行う。具体的には、外気温、エンジン水温等の各種温度が所定値以下の場合には、走行路面が凍結しやすいとして、「スリップ可能」と判断する。また、運転手が路面が滑りやすいと判断して、予め車両に搭載された路面スリップに対応した車両機能を有効にした場合には、「スリップ可能」と判断する。
さらに、図16に示すフローチャートのステップS21のように、駆動輪のスリップ又は駆動輪のスリップ可能性のいずれか一方を検出した場合に、ステップS22 へ移行して「MWSCモード」を禁止して「WSCモード」を設定してもよい。また、ステップS23のように、第2クラッチ5の温度が閾値温度以上になったとき又は車体速度が所定速度以上になったときのいずれか一方の場合に、ステップS24へ移行して「MWSCモード」へのモード移行を可能とする通常制御を実施するようにしてもよい。
さらに、駆動輪であるタイヤ7,7のスリップ判断も、駆動輪回転数と車速回転数との差回転に基づいて行うだけでなく、例えば、トラクションコントロール等の予め車両に搭載されたスリップ防止制御が作動したことを検出して、スリップ発生と判断してもよい。
そして、実施例1では、第2クラッチ5を、有段式の自動変速機3に内蔵した摩擦要素の中から選択する例を示した。しかし、自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設けても良く、例えば、モータジェネレータ2と変速機入力軸との間に自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設ける例や、変速機出力軸と駆動輪であるタイヤ7,7の間に自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設ける例も含まれる。
実施例1では、自動変速機3として有段式の自動変速機を用いる例を示したが、自動変速機3とは別に第2クラッチ5を設けた場合であれば、無段変速機を用いることもできる。
実施例1では、制御装置を後輪駆動のハイブリッド車両に対し適用した例を示したが、前輪駆動のハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、走行モードとして、WSC走行モードとMWSC走行モードを有するハイブリッド車両であれば適用できる。
1 エンジン
2 モータジェネレータ(モータ)
3 自動変速機
4 第1クラッチ(第1摩擦要素)
5 第2クラッチ(第2摩擦要素)
7,7 タイヤ(駆動輪)
18 車輪速センサ(車体速度検出手段)
19 CL2温度センサ(第2摩擦要素温度検出手段)

Claims (3)

  1. エンジンと、
    前記エンジンから駆動輪への駆動系に設けられ、前記駆動輪の駆動を行うモータと、
    前記エンジンと前記モータの間に介装され、前記エンジンと前記モータとを断接する第1摩擦要素と、
    前記モータと前記駆動輪の間に介装され、前記モータと前記駆動輪とを断接する第2摩擦要素と、
    前記駆動輪のスリップ可能状態を検出するスリップ検出手段と、
    前記スリップ検出手段により前記駆動輪のスリップ可能状態が検出されたとき、前記第1摩擦要素を開放すると共に前記第2摩擦要素をスリップ締結し、前記第2摩擦要素を介して伝達される駆動力で走行するモータ使用スリップ走行モードを禁止し、前記第1摩擦要素を締結すると共に前記第2摩擦要素をスリップ締結し、前記第2摩擦要素を介して伝達される駆動力で走行するエンジン使用スリップ走行モードに設定する走行モード制御手段と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    車体速度を検出する車体速度検出手段を備え、
    前記走行モード制御手段は、前記モータ使用スリップ走行モード禁止中に、前記車体速度が所定値以上になったら、前記モータ使用スリップ走行モードへのモード移行を可能とすることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第2摩擦要素の温度を検出する第2摩擦要素温度検出手段を備え、
    前記走行モード制御手段は、前記モータ使用スリップ走行モード禁止中に、前記第2摩擦要素の温度が所定値以上になったら、前記モータ使用スリップ走行モードへのモード移行を可能とすることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。

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