JP2012086527A - 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、オルガノポリシロキサン組成物、および表示装置用パネルの製造方法 - Google Patents

支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、オルガノポリシロキサン組成物、および表示装置用パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性に優れ、積層されたガラス基板を破壊することなく短時間に剥離することができ、TFTアレイの製造など高温条件下の製造プロセスにも適用できるガラス基板を支持するための支持体を提供することを目的とする。
【解決手段】支持基板と支持基板の片面に設けられた剥離性表面を有する硬化シリコーン樹脂層とを有する、前記硬化シリコーン樹脂層表面にガラス基板を積層するための支持体であり、前記硬化シリコーン樹脂層が、(A)アルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、(C)白金系触媒とを少なくとも含有し、前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分および前記(B)成分の合計量に対して、白金換算で900〜3000質量ppmである、付加反応で硬化するオルガノポリシロキサン組成物を前記支持基板表面上で硬化させることにより形成された硬化シリコーン樹脂層であることを特徴とする支持体。
【選択図】なし

Description

本発明は、支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、オルガノポリシロキサン組成物、および表示装置用パネルの製造方法に関する。
液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置(OLED)、特にデジタルカメラや携帯電話等の携帯型表示装置の分野では、表示装置の軽量化、薄型化が重要な課題となっている。
この課題に対応するために、表示装置に用いるガラス基板の板厚をさらに薄くすることが望まれている。ガラス基板の板厚を薄くする一般的な方法としては、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する前または形成した後に、化学エッチングを用いてガラス基板をエッチング処理し、必要に応じてさらに物理研磨して薄くする方法が行われる。
しかしながら、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する前にエッチング処理等をしてガラス基板の板厚を薄くすると、ガラス基板の強度が低下し、たわみ量も大きくなる。そのため、既存の表示装置用パネルの製造ラインで処理することが困難になるという問題が生じる。
また、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成した後にエッチング処理等をしてガラス基板の板厚を薄くすると、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する過程においてガラス基板の表面に形成された微細な傷が顕在化する問題、すなわちエッチピット(etchpit)の発生という問題が生じる。
そこで、このような問題を解決することを目的として、板厚の薄いガラス基板と支持基板とを樹脂層を介して貼り合わせて積層体とし、その状態で表示装置を製造するための所定の処理を実施し、その後、ガラス基板表面と樹脂層の剥離性表面とを剥離する方法等が提案されている。
例えば、特許文献1には、ガラス基板と、支持基板とを積層させてなるガラス基板積層体であって、上記ガラス基板と上記支持基板とが、剥離性表面を有し、さらに非粘着性を示すシリコーン樹脂層を介して積層されていることを特徴とするガラス基板積層体が記載されている。
一方、シリコーン樹脂層に関連した技術として、例えば、特許文献2において、優れた剥離特性を有し、かつ、皮膜背面へのシリコーン移行の少ない硬化皮膜を形成するためのオルガノポリシロキサン組成物が提案されている。
国際公開第2007/018028号 特開2009−114285号公報
近年、TFTアレイなどの表示装置用部材の製造のためには、450℃程度という高温環境下での製造プロセスが実施されている。そのため、特許文献1に記載されるようなガラス基板積層体を該プロセスに適用するためには、このような高温条件でも分解を生じない優れた耐熱性を示す樹脂層が必要とされている。
本発明者らは、特許文献1に具体的に記載されるシリコーン樹脂層を使用して、高温条件下での耐熱性について検討を行ったところ、該シリコーン樹脂層の耐熱性は実用的な観点からは必ずしも満足いくものではなく、さらなる改良が必要であった。
また、本発明者らは、特許文献2に具体的に記載されるオルガノポリシロキサン組成物を使用して得られる硬化物の耐熱性についても検討を行ったところ、該硬化物においても耐熱性は必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、耐熱性に優れ、積層されたガラス基板を破壊することなく短時間に剥離することができ、TFTアレイの製造など高温条件下の製造プロセスにも適用できるガラス基板を支持するための支持体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、オルガノポリシロキサン組成物、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、従来技術について鋭意検討を行った結果、樹脂層中における白金系触媒の量が所定量であると、硬化シリコーン樹脂層の分解が抑制されるという知見を見出した。
本発明者らは、上記知見に基づき、以下に示す手段により上記目的を達成しうることを見出した。
すなわち、上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、
支持基板と支持基板の片面に設けられた剥離性表面を有する硬化シリコーン樹脂層とを有する、硬化シリコーン樹脂層表面にガラス基板を積層するための支持体であり、
硬化シリコーン樹脂層が、(A)アルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、(C)白金系触媒とを少なくとも含有し、(C)成分の含有量が(A)成分および(B)成分の合計量に対して白金換算で900〜3000質量ppmである付加反応で硬化するオルガノポリシロキサン組成物を、支持基板表面上で硬化させることにより形成された硬化シリコーン樹脂層であることを特徴とする支持体を提供するものである。
第1の態様において、硬化シリコーン樹脂層の厚みが5〜50μmであることが好ましい。
本発明の第2の態様は、支持基板とガラス基板とそれらの間に存在する硬化シリコーン樹脂層とを有するガラス基板積層体であり、
硬化シリコーン樹脂層が、(A)アルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、(C)白金系触媒とを少なくとも含有し、(C)成分の含有量が(A)成分および(B)成分の合計量に対して白金換算で900〜3000質量ppmである、付加反応で硬化するオルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなり、
ガラス基板と硬化シリコーン樹脂層との間の剥離強度が支持基板と硬化シリコーン樹脂層との間の剥離強度よりも低いことを特徴とするガラス基板積層体を提供するものである。
本発明の第2の態様においては、硬化シリコーン樹脂層が、支持基板表面に接触しかつガラス基板表面には接触していない状態にあるオルガノポリシロキサン組成物を硬化させ、オルガノポリシロキサン組成物硬化後にガラス基板表面に接触させて形成された層であることが好ましい。
本発明の第2の態様においては、400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用されることが好ましい。
本発明の第3の態様は、第2の態様のガラス基板表面上に、表示装置用パネルの構成部材の少なくとも一部を形成してなる、表示装置用パネル製造用の支持体付き表示装置用パネルを提供するものである。
本発明の第4の態様は、第2の態様のガラス基板積層体のガラス基板表面上に、表示装置用パネルの構成部材の少なくとも一部を形成し、その後ガラス基板と硬化シリコーン樹脂層付支持基板とを分離することを特徴とするガラス基板を有する表示装置用パネルの製造方法を提供するものである。
本発明の第5の態様は、ガラス基板に対する剥離性樹脂層を形成する用途に用いられる、オルガノポリシロキサン組成物であって、
(A)アルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、(C)白金系触媒とを少なくとも含有し、(C)成分の含有量が(A)成分および(B)成分の合計量に対して白金換算で900〜3000質量ppmであることを特徴とする、付加反応で硬化するオルガノポリシロキサン組成物を提供するものである。
本発明の第5の態様においては、硬化物が400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用されることが好ましい。また、本発明の第5の態様においては、硬化物がガス非透過性の面材で密閉された状態で400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用されることも好ましい。
本発明によれば、耐熱性に優れ、積層されたガラス基板を破壊することなく短時間に剥離することができ、TFTアレイの製造など高温条件下の製造プロセスにも適用できるガラス基板を支持するための支持体を提供することができる。
さらに、本発明によれば、オルガノポリシロキサン組成物、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法を提供することもできる。
本発明に係る支持体付き表示装置用パネルの一実施形態の模式的断面図である。
以下に、本発明に係るオルガノポリシロキサン組成物、支持体、ガラス基板積層体、および、支持体付き表示装置用パネルについて詳述する。
まず、以下に、オルガノポリシロキサン組成物(構成成分など)について詳述する。
該組成物の特徴としては、白金系触媒の量が挙げられる。つまり、本発明においては、従来技術よりもより多くの白金系触媒を使用することにより、高温条件下での樹脂の分解に伴い発生するラジカル(例えば、・O−Si)が白金系触媒によって捕捉(トラップ)される。その結果、発生したラジカルによる連鎖的な樹脂の分解が抑制され、硬化シリコーン樹脂層の耐熱性が向上するという特徴を有する。なお、上記のような効果は、樹脂層が支持基板とガラス基板との間に挟まれた密閉状態の場合により顕著に表れる。
<オルガノポリシロキサン組成物>
本発明に係るオルガノポリシロキサン組成物には、以下の3つの成分が含有される。
(A)成分:アルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン(以下、オルガノアルケニルポリシロキサンともいう。)
(B)成分:ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン(以下、オルガノハイドロジェンポリシロキサンともいう。)
(C)成分:白金系触媒
また、(C)成分の含有量は、(A)成分および(B)成分の合計量に対して、白金換算で900〜3000質量ppmである。
また、必要に応じて、組成物中には(D)成分:付加反応抑制剤が含有されていてもよい。
以下に、各構成成分について詳述する。
<(A)成分:オルガノアルケニルポリシロキサン>
(A)成分であるオルガノアルケニルポリシロキサンは、1分子中にアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンである。
アルケニル基としては特に限定されないが、例えば、ビニル基(エテニル基)、アリル基(2−プロペニル基)、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキシニル基などが挙げられ、中でも耐熱性に優れる点から、ビニル基が好ましい。
一分子中に含まれるアルケニル基の数は、2個以上であることが好ましい。
また、オルガノアルケニルポリシロキサン中におけるアルケニル基の含有量は特に制限されないが、得られる樹脂層の耐熱性が優れる点で、0.03〜10mol%が好ましく、0.05〜5mol%がより好ましく、0.1〜3mol%が特に好ましい。アルケニル基の含有量が高すぎると、粘度の増加により取扱いが難しくなることがある。
オルガノアルケニルポリシロキサンの25℃における粘度は特に制限されないが、取扱い性、および、得られる硬化シリコーン樹脂層の耐熱性の点から、40〜10000cPが好ましく、40〜5000cPがより好ましい。
一般に、直線状のオルガノポリシロキサンの両末端の1官能性単位はM単位と呼ばれ、両末端以外の2官能性の単位はD単位と呼ばれ、n個のD単位を有する線状のオルガノポリシロキサンの構造は、M(D)nMで表される。また、各単位の平均組成を表す場合、M2(D)nで表されることもある。
オルガノアルケニルポリシロキサンにおいて、アルケニル基はM単位またはD単位に存在し、M単位とD単位の両方に存在していてもよい。硬化速度の点から、少なくともM単位に存在していることが好ましく、2個のM単位の両方に存在していることが好ましい。また、M単位のみにアルケニル基を有するオルガノアルケニルポリシロキサンは、それが高分子量になるほど1分子あたりのアルケニル基濃度が低くなり硬化シリコーン樹脂層の架橋密度が低下するため、耐熱性の低下をもたらすおそれがあることより、M単位とともにD単位の一部にもアルケニル基を有していることが好ましい。
オルガノアルケニルポリシロキサンとしては、下記式(1)で表される平均組成の直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
(M1a(M2b(D1c(D2d ・・・(1)
ただし、M1はアルケニル基を有しないM単位、M2はアルケニル基を有するM単位、D1はアルケニル基を有しないD単位、およびD2はアルケニル基を有するD単位を表し、aは0〜2の数、bは0〜2の数でa+b=2、cは0以上の数、dは0以上の数でc+d=nである(ただし、b+dは2以上)。なお、nは1〜1500が好ましい。
より好ましい式(1)で表されるオルガノアルケニルポリシロキサンは、aが0以上1未満の数、bは1以上2以下の数、cは1以上の数、dは1以上の数である。
2単位はアルケニル基を2個または3個有してもよいが、好ましくは1個有する。D2単位はアルケニル基を2個有してもよいが、好ましくは1個有する。アルケニル基としてはビニル基が好ましい。M1単位、D1単位、M2単位、D2単位は、下記式で表されるものであることが好ましい。R1〜R5は、それぞれ独立に、炭素数4以下のアルキル基もしくはフルオロアルキル基、またはフェニル基を表す。R1〜R5は、好ましくはすべてメチル基である。
式(1)はオルガノアルケニルポリシロキサンにおけるオルガノシロキサン単位の平均の組成を示すものであり、オルガノアルケニルポリシロキサンの個々の分子は、aは0から2である整数、bは0から2である整数でa+b=2を満たし、cは0以上の整数、dは0以上の整数である。オルガノアルケニルポリシロキサンは1分子あたりアルケニル基を2個以上有することより、b+dが2以上である。
直鎖状の構造を有する化合物である上記オルガノアルケニルポリシロキサンは、アルケニル基を有する他のオルガノポリシロキサン(分岐状オルガノポリシロキサンなど)との混合物であってもよいが、通常、オルガノアルケニルポリシロキサンのみが使用される。ただし、オルガノアルケニルポリシロキサンは、2種以上のオルガノアルケニルポリシロキサン混合物であってもよい。なお、異なるLa値を示す2種のオルガノアルケニルポリシロキサンを併用すると、より有利な効果が得られる。La値に関しては、後段で説明する。
また、式(1)で表わされるオルガノアルケニルポリシロキサンにおいてD1とD2がいずれも多数存在する場合、D1とD2の配列はランダム共重合鎖構造であってもブロック共重合鎖構造であってもよい。
なお、オルガノアルケニルポリシロキサンとしては国際公開第2007/018028号に記載の以下式(A)や式(B)で表されるオルガノアルケニルポリシロキサンを使用できる。以下式(A)および(B)中、pは1〜1500の整数を表し、qは1〜1500の整数を表す。p+q=nである。
オルガノアルケニルポリシロキサンの100グラムあたりのアルケニル基の当量数Laは、0.001≦La≦30の範囲にあることが好ましい。より好ましいLaは0.0015≦La≦20であり、さらに好ましくは0.002≦La≦15である。Laをこの範囲とすることにより、硬化シリコーン樹脂の耐熱性が良好となり、また硬化シリコーン樹脂の層とガラス基板との剥離強度の経時安定性が向上する。
<(B)成分:オルガノハイドロジェンポリシロキサン>
(B)成分であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン中におけるケイ素原子と結合する水素原子の数は、得られる硬化シリコーン樹脂層の耐熱性が良好である点から、2個以上であることが好ましく、2〜200個がより好ましく、6〜100個が特に好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は特に制限されないが、取扱い性、および、得られる硬化シリコーン樹脂層の耐熱性の点から、1〜1000cPが好ましく、5〜800cPがより好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは直鎖状でも、分岐状でもよく、得られる硬化シリコーン樹脂層の耐熱性の点からは、直鎖状が好ましい。
直鎖状の場合、水素原子はM単位またはD単位に存在し、M単位とD単位の両方に存在していてもよい。硬化速度の点から、少なくともM単位に存在していることが好ましく、2個のM単位の両方に存在していることが好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記式(2)で表される平均組成の直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
(M3α(M4β(D3γ(D4δ ・・・(2)
ただし、M3はケイ素原子に結合した水素原子が存在しないM単位、M4はケイ素原子に結合した水素原子が存在するM単位、D3はケイ素原子に結合した水素原子が存在しないD単位、およびD4はケイ素原子に結合した水素原子が存在するD単位を表し、αは0以上2未満の数、βは0でない2以下の数でα+β=2、γは0を超える数、δは0以上の数でγ+δ=mである。なお、mは1〜150が好ましい。
より好ましいオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、αは0以上1未満の数、βは1以上2以下の数、γは1以上の数、δは1以上の数である。
4単位はケイ素原子に結合した水素原子を2個または3個有してもよいが、好ましくは1個有する。D4単位はケイ素原子に結合した水素原子を2個有してもよいが、好ましくは1個有する。M3単位、D3単位、M4単位、D4単位は、下記式で表されるものであることが好ましい。R1〜R5は、それぞれ独立に、炭素数4以下のアルキル基もしくはフルオロアルキル基、またはフェニル基を表す。R1〜R5は好ましくはすべてメチル基である。
4単位が存在する場合(δが0でない場合)、D3とD4の存在比であるγ/δは、分子中のケイ素原子に結合した水素原子の密度を表す指標である。この存在比(γ/δ)は、0.2〜30が好ましく、特に0.5〜20が好ましい。この存在比が小さすぎると硬化シリコーン樹脂中に未反応のケイ素原子に結合した水素原子の残存量が多くなることより、硬化シリコーン樹脂のガラス基板に対する剥離強度の経時的変化が大きくなり、また耐熱性の低下をもたらすおそれがある。また、存在比が大きすぎると、硬化シリコーン樹脂の架橋密度が低下するため、耐熱性の低下をもたらすおそれがある。
4単位とD4単位の存在比を表すβ/δは、15≦(β/δ)×1000≦1500であることが好ましい。より好ましくは15≦(β/δ)×1000≦1000であり、特に15≦(β/δ)×1000≦500であることが好ましい。(β/δ)×1000が15以上であれば、分子量、架橋密度が大きくなりすぎることなく反応性が良好であるため、未反応基に起因する剥離強度の経時変化が少なく剥離強度が安定である。一方、(β/δ)×1000が1500以下であれば分子量、架橋密度が適正であるため強度等の物性が良好である。
なお、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、国際公開第2007/018028号に記載の以下式(C)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(β=0の化合物に該当)を使用することもできる。以下式(C)中、xは0〜150の整数を表し、yは1〜150の整数を表す。x+y=mである。
オルガノポリシロキサン組成物におけるオルガノアルケニルポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの含有比率は特に限定されないが、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に結合した水素原子と、オルガノアルケニルポリシロキサン中の全アルケニル基とのモル比(水素原子/アルケニル基)が0.7〜1.05となるように調整することが好ましい。なかでも、0.8〜1.0となるように含有比率を調整することが好ましい。ケイ素原子に結合した水素原子とアルケニル基とのモル比が1.05を超える場合には、硬化シリコーン樹脂の長期間放置後の剥離力が上昇するおそれがある。また、ケイ素原子に結合した水素原子とアルケニル基のモル比が0.7未満である場合には、硬化シリコーン樹脂の架橋密度が低下するため、耐薬品性等に問題が生じるおそれがある。
<(C)成分:白金系触媒>
(C)成分は白金系触媒であり、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子との反応を促進する触媒である。
白金系触媒としては、公知のものを用いることができる。具体的には、白金微粉末、白金黒、塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール化合物若しくはアルデヒド化合物、白金のオレフィン錯体、アルケニルシロキサン錯体若しくはカルボニル錯体などがあげられる。より具体的には、白金のアルケニルシロキサン錯体などの市販品(例えば、信越シリコーン株式会社製、CAT−PL−56)を使用することができる。
オルガノポリシロキサン組成物における白金系触媒の含有量は、(A)成分および(B)成分の合計量に対して、白金換算で900〜3000質量ppmである。なかでも、得られる硬化シリコーン樹脂層の耐熱性と、オルガノポリシロキサン組成物の塗布性(液の保存安定性)の点で、1100〜3000質量ppmが好ましく、1500〜3000質量ppmがより好ましい。900質量ppm以上であると、得られる硬化シリコーン樹脂層の耐熱性が良好である。3000質量ppm以下であると、組成物の塗布性(液の保存安定性)が良好である。
耐熱性が良好であるとは、液晶表示用部材等を製造する時の条件(温度・時間)で、硬化シリコーン樹脂層の重量減量が少ないことを指す。具体的には1回の加熱において、ガラス積層体中の硬化シリコーン樹脂層の初期の樹脂重量に対し、50重量%以上残存していることが好ましく、70重量%以上残存していることがより好ましい。
塗布性(液の保存安定性)が良好であるとは、具体的には室温で保管中に粘度上昇が小さく、塗布した時に良好な表面状態の塗膜が得られることを指す。増粘の程度に関しては、室温で組成物を1か月保存した場合、組成物の粘度が初期の粘度に対して1.1倍以内であることが好ましい。
<(D)成分:付加反応抑制剤>
(D)成分は付加反応抑制剤であり、白金系触媒による反応を制御する目的で使用する化合物である。なお、(D)成分は、任意の成分であり、必要に応じて使用される。
付加反応抑制剤としては、公知のものを使用することができる。具体的には、ベンゾトリアゾール系化合物(特公昭40−25069号公報)、アセチレンアルコール系化合物(特公昭44−31476号公報)、ビニル基含有ポリシロキサン化合物(特公昭48−10947号公報)、ハイドロパーオキサイド(特公昭57−20340号公報)、アミン系化合物(特開昭63−56563号公報)などが挙げられる。好適にはアセチレンあるいはアセチレンアルコール含有化合物から選択することができる。より具体的には3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどを挙げることができる。
オルガノポリシロキサン組成物における付加反応抑制剤の含有量は特に制限されないが、組成物の硬化反応の制御の点から、組成物全量に対して、0.1〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
(その他の添加剤)
本発明におけるオルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤が含有されていてもよい。例えば、各種シリカ、炭酸カルシウム、酸化鉄などの無機フィラーなどを含有していてもよい。
また、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレンなどの有機溶媒や水などの分散媒は、硬化シリコーン樹脂層を構成しない成分であるが、オルガノポリシロキサン組成物の塗布のための作業性向上などの目的で使用することができる。
上記オルガノポリシロキサン組成物は、種々の用途に使用することができ、剥離性表面を有する樹脂層(剥離性樹脂層)の形成に使用されることが好ましい。なかでも、ガラス基板に対して剥離性を示す樹脂層を形成するために使用されることが好ましい。つまり、ガラス基板に対する剥離性樹脂層の形成用組成物であることが好ましい。
また、上記オルガノポリシロキサン組成物は、その硬化物である硬化シリコーン樹脂が400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用されることも好ましい。
さらに、上記オルガノポリシロキサン組成物は、その硬化物である硬化シリコーン樹脂がガス非透過性の面材で密閉された状態で400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用されることも好ましい。なお、ガス非透過性の面材としては、例えば、ガラス基板などが挙げられる。
<支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル>
図1は、本発明の支持体付き表示装置用パネルの一実施形態の模式的断面図である。
同図に示す支持体付き表示装置用パネル10は、本発明に係る支持体20を備えているもので、支持基板12、樹脂層(硬化シリコーン樹脂層)14、ガラス基板16、表示装置用パネルの構成部材18をこの順で積層した積層構造を有する。なお、各層の厚さは、該図によって限定されない。
なお、支持基板12と樹脂層14とは本発明に係る支持体20を構成し、支持体20とガラス基板16とは本発明に係るガラス基板積層体30を構成し、ガラス基板16と表示装置用パネルの構成部材18とは表示装置用パネル40(支持体20がないもの)を構成する。
以下に、本発明に係る支持体20、ガラス基板積層体30、表示装置用パネル40、支持体付き表示装置用パネル10を構成する各層について説明する。
<支持基板>
本発明で使用される支持基板12は、後述する樹脂層14を介してガラス基板16を支持し、ガラス基板16の強度を補強するためのものであれば、特に限定されない。
支持基板12の材質としては特に制限されないが、工業的な入手の容易性の観点より、ガラス、シリコン、合成樹脂、金属等が好適な例として例示される。なかでも、支持基板12としては、ガラス板、シリコンウエハ、合成樹脂板または金属板であることが好ましい。
支持基板12の材質としてガラスを採用する場合、その組成は、例えばアルカリ金属酸化物を含有するガラス(ソーダライムガラスなど)、無アルカリガラスなどの種々の組成のガラスを使用できる。中でも、熱収縮率が小さいことから無アルカリガラスであることが好ましい。
ガラス基板16と支持基板12に用いるガラスとの線膨張係数の差は、150×10−7/℃以下であることが好ましく、100×10−7/℃以下であることがより好ましく、50×10−7/℃以下であることがさらに好ましい。ガラス基板16のガラスと支持基板12のガラスとは同一材質のガラスであってもよい。この場合は、両ガラスの線膨張係数の差は0である。
支持基板12の材質としてプラスチック(合成樹脂)を採用する場合、その種類は特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアクリル樹脂、各種液晶ポリマー樹脂、シリコーン樹脂などが例示される。
支持基板12の材質として金属を採用する場合、その種類は特に制限されず、例えば、ステンレス鋼、銅などが例示される。
支持基板12の耐熱性は特に制限されないが、該支持基板12上にガラス基板16を積層した上で、表示装置用部材のTFTアレイなどを形成する場合は耐熱性が高いことが好ましい。具体的にはその材料サンプルを空気雰囲気下、10℃毎分のスピードで加熱して行った場合の重量減量がサンプル重量の5%を超えるときの温度を、5%加熱重量減温度と定義し、該温度が300℃以上であることが好ましい。更に350℃以上であることがより好ましい。
この場合、耐熱性の点では上記したガラスはどれも当てはまる。
耐熱性の観点より好ましいプラスチック材料としては、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、各種液晶ポリマー樹脂等が例示される。
支持基板12の厚さは特に限定されないが、本発明のガラス基板積層体30を現行の表示装置用パネルの製造ラインで処理できる厚さであることが好ましい。例えば、現在、液晶表示装置に使用されているガラス基板の厚さは主に0.5〜1.2mmの範囲にあり、特に0.7mmが多い。本発明では主にこれよりも薄いガラス基板を使用することを想定している。この際、ガラス基板積層体30の厚さが現行のガラス基板と同程度の厚さであれば、現行の製造ラインに容易に適合できる。
例えば、現行の製造ラインが厚さ0.5mmのガラス基板を処理するように設計されたものであって、ガラス基板16の厚さが0.1mmである場合、支持基板12の厚さと樹脂層14の厚さとの和を0.4mmとする。また、現行の製造ラインは厚さが0.7mmのガラス基板を処理するように設計されているものが最も一般的であるが、例えば、ガラス基板16の厚さが0.4mmならば、支持基板12の厚さと樹脂層14の厚さとの和を0.3mmとする。
本発明におけるガラス基板16は液晶表示装置に限られるものではなく、また本発明は、ガラス基板積層体30を現行の表示装置用パネル40の製造ラインに適合させることのみを目的とするものではない。したがって、支持基板12の厚さは限定されるものではないが、0.1〜1.1mmの厚さであることが好ましい。さらに、支持基板12の厚さは、ガラス基板16よりも厚いことが好ましい。また、支持基板12がガラス板である場合は、特に0.3mm以上であることが好ましい。支持基板12がガラス板である場合、その厚さは0.3〜0.8mmであることがより好ましく、0.4〜0.7mmであることがさらに好ましい。
上述した各種材料で構成される支持基板12の表面は、支持基板12としてガラス基板を採用する場合は、研磨処理された研磨面でもよく、または研磨処理されていない非エッチング面(生地面)であってもよい。生産性およびコストの点からは、非エッチング面(生地面)であることが好ましい。
支持基板12は第1主面および第2主面を有しており、その形状は限定されないが、矩形であることが好ましい。ここで、矩形とは、実質的に略矩形であり、周辺部の角を切り落とした(コーナーカットした)形状をも含む。
支持基板12の大きさは限定されないが、例えば矩形の場合は100〜2000mm×100〜2000mmであってよく、500〜1000mm×500〜1000mmであることが好ましい。
<樹脂層(硬化シリコーン樹脂層)>
樹脂層14は、上述した支持基板12の第1主面上に固定され、ガラス基板16が積層されたガラス基板積層体30においては、第1主面および第2主面を有するガラス基板16の第1主面に密着している。ガラス基板16の第1主面と樹脂層14との間の剥離強度は、支持基板12の第1主面と樹脂層14との間の剥離強度よりも低いことが必要である。すなわち、ガラス基板16と支持基板12とを分離する際には、ガラス基板16の第1主面と樹脂層14との界面で剥離し、支持基板12の第1主面と樹脂層14との界面では剥離し難いことが必要である。このため、樹脂層14はガラス基板16の第1主面と密着するが、ガラス基板16を容易に剥離することができる表面特性を有する。すなわち、樹脂層14は、ガラス基板16の第1主面に対してある程度の結合力で結合してガラス基板16の位置ずれなどを防止していると同時に、ガラス基板16を剥離する際には、ガラス基板16を破壊することなく、容易に剥離できる程度の結合力で結合している。本発明では、この樹脂層14表面の容易に剥離できる性質を剥離性という。一方、支持基板12の第1主面と樹脂層14とは相対的に剥離しがたい結合力で結合している。
本発明のガラス基板積層体30において、樹脂層14とガラス基板16とは粘着剤が有するような粘着力によっては付いておらず、固体分子間におけるファンデルワールス力に起因する力、すなわち、密着力によって付いていることが好ましい。
一方、樹脂層14の上記支持基板12の第1主面に対する結合力は、ガラス基板16の第1主面に対する結合力よりも相対的に高い。本発明ではガラス基板16の第1主面に対する結合を密着といい、支持基板12の第1主面に対する結合を固定という。
また、樹脂層14の柔軟性が高いので、ガラス基板16と樹脂層14との間へ気泡や塵介等の異物が混入しても、ガラス基板16のゆがみ欠陥の発生を抑制することができる。
樹脂層14のガラス基板16の第1主面に対する剥離強度を相対的に低くし、樹脂層14の支持基板12の第1主面に対する剥離強度を相対的に高くするために、上述したオルガノポリシロキサン組成物を支持基板12の第1主面上で硬化させて硬化シリコーン樹脂からなる樹脂層14を形成し、その後に硬化シリコーン樹脂からなる樹脂層14にガラス基板16を積層して密着させることが好ましい。本発明における硬化シリコーン樹脂は剥離紙などに使用される非粘着性の硬化シリコーン樹脂と同様の樹脂であり、ガラス基板16と密着させても剥離強度は低い。しかし、硬化シリコーン樹脂となるオルガノポリシロキサン組成物を支持基板12表面で硬化させると、硬化反応時の支持基板12表面との相互作用により接着し、硬化後の樹脂層14と支持基板12表面との剥離強度は高くなると考えられる。したがって、ガラス基板16と支持基板12とが同じ材質からなるものであっても、樹脂層14と両者間の剥離強度に差を設けることができる。
ガラス基板16の第1主面に対する剥離強度と支持基板12の第1主面に対する剥離強度に差を設けた樹脂層14の形成は、上記方法に限られるものではない。例えば、樹脂層14表面に対する密着性がガラス基板16よりも高い材質の支持基板12を用いる場合には、フィルム状の樹脂層14(硬化シリコーン樹脂フィルム)を介在させてガラス基板16と支持基板12とを同時に積層することができる。
また、オルガノポリシロキサン組成物の硬化による接着性がガラス基板16に対して充分低くかつその接着性が支持基板12に対して充分高い場合は、ガラス基板16と支持基板12の間でオルガノポリシロキサン組成物を硬化させて樹脂層14を形成することができる。
支持基板12がガラス基板16と同様のガラス材料からなる場合であっても、支持基板12表面の接着性を高める処理を施して樹脂層14に対する剥離強度を高めることもできる。例えば、ガラス材料からなる支持基板12表面にシラノール基の濃度を高める処理を施して樹脂層14との結合力を高めることができる。
<樹脂層の形成>
上述したように、オルガノポリシロキサン組成物を支持基板12の第1主面上で硬化させて、硬化シリコーン樹脂からなる樹脂層14を形成することが好ましい。そのために、オルガノポリシロキサン組成物を支持基板12の片面に塗布してオルガノポリシロキサン組成物の層を形成し、次いでオルガノポリシロキサン組成物を硬化させて硬化シリコーン樹脂層を形成する。
オルガノポリシロキサン組成物の層の形成は、オルガノポリシロキサン組成物が流動性の組成物の場合はそのまま塗布し、オルガノポリシロキサン組成物が流動性の低い組成物や流動性のない組成物の場合は、有機溶剤を配合して塗布する。また、オルガノポリシロキサン組成物の乳化液や分散液などを使用することもできる。有機溶剤などの揮発性成分を含む塗膜は、次いでその揮発性成分を蒸発除去してオルガノポリシロキサン組成物の層とする。オルガノポリシロキサン組成物の硬化は、揮発性成分の蒸発除去と連続して行うことができる。
オルガノポリシロキサン組成物の硬化は上記方法に限られるものではない。例えば、オルガノポリシロキサン組成物を何らかの剥離性表面上で硬化して硬化シリコーン樹脂のフィルムを製造し、このフィルムを支持基板12と積層して支持体20を製造することができる。また、オルガノポリシロキサン組成物が揮発性成分を含まない場合、上記のように、ガラス基板16と支持基板12の間に挟持して硬化させることができる。
オルガノポリシロキサン組成物を支持基板12の片面に塗布してオルガノポリシロキサン組成物の層を形成する場合、塗布方法は特に限定されず、従来公知の方法が挙げられる。公知の方法としては、スプレーコート法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、グラビアコート法が挙げられる。このような方法の中から、組成物の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、オルガノポリシロキサン組成物に揮発性成分を配合していない場合、ダイコート法、スピンコート法またはスクリーン印刷法が好ましい。溶剤などの揮発性成分を配合した組成物の場合、硬化前に加熱等で揮発性成分を除去してから硬化させる。
オルガノポリシロキサン組成物を硬化させる条件としては、使用されるオルガノポリシロキサンなどの種類によって異なり、適宜最適な条件が選択される。通常、加熱温度としては50〜300℃が好ましく、100℃〜270℃がより好ましく、処理時間としては5〜300分が好ましく、5〜180分が好ましい。
樹脂層14が低シリコーン移行性を有していれば、ガラス基板16を剥離した際に、樹脂層14中の成分がガラス基板に移行しにくい。シリコーン移行性とは、シリコーン樹脂中の比較的低分子量のシリコーン成分がシリコーン樹脂表面からシリコーン樹脂に接した他の材料の表面に移行する現象をいう。本発明においては、樹脂層14の硬化シリコーン樹脂中に存在する、未反応のオルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサンの分解物、硬化シリコーン樹脂の分解物などが移行しやすいシリコーン成分となる。
低シリコーン移行性を有する樹脂層14とするためには、樹脂層14中に未反応のオルガノポリシロキサン成分が残らないように硬化反応をできるだけ進行させることが好ましい。上記のような反応温度および反応時間であると、樹脂層14中に未反応のオルガノポリシロキサン成分が実質的に残らないようにすることができるので好ましい。上記した反応時間よりも長すぎたり、反応温度が高すぎたりする場合には、オルガノポリシロキサン成分や硬化シリコーン樹脂の酸化分解が同時に起こり低分子量のオルガノポリシロキサン成分が生成して、シリコーン移行性が高くなるおそれがある。樹脂層14中に未反応のオルガノポリシロキサン成分が残らないように硬化反応をできるだけ進行させることは、加熱処理後の剥離性を良好にするためにも好ましい。
なお、樹脂層14と支持基板12との高い固定力(高い剥離強度)を付与するために、支持基板12表面に表面改質処理(プライミング処理)を行ってもよい。例えば、シランカップリング剤のような化学的に固定力を向上させる化学的方法(プライマー処理)や、フレーム(火炎)処理のように表面活性基を増加させる物理的方法、サンドブラスト処理のように表面の粗度を増加させることにより引っかかりを増加させる機械的処理方法などが例示される。
上記硬化シリコーン樹脂からなる樹脂層14の厚さは特に限定されず、ガラス基板16の種類などにより適宜最適な厚さが選択される。なかでも、5〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、7〜30μmであることがさらに好ましい。樹脂層14の厚さがこのような範囲であると、ガラス基板16表面と樹脂層14との密着がより良好となる。また、気泡や異物が介在しても、ガラス基板16のゆがみ欠陥の発生をより抑制することができる。また、樹脂層14の厚さが厚すぎると、形成するのに時間および材料を要するため経済的ではない。
なお、樹脂層14は2層以上からなっていてもよい。この場合「樹脂層の厚さ」は全ての層の合計の厚さを意味するものとする。
また、樹脂層14が2層以上からなる場合は、各々の層を形成する樹脂の種類が異なってもよい。
樹脂層14は、その剥離性表面の表面張力が30mN/m以下であることが好ましく、25mN/m以下であることがより好ましく、22mN/m以下であることがさらに好ましい。下限については特に限定はないが、15mN/m以上であることが好ましい。
このような表面張力であると、より容易にガラス基板16表面と剥離することができ、同時にガラス基板16表面との密着も十分になる。
樹脂層14はガラス転移点が室温(25℃程度)よりも低い、またはガラス転移点を有しない材料からなることが好ましい。上記のようなガラス転移点であれば、非粘着性を維持しながら適度な弾力性も併せ持つ事が出来、より容易にガラス基板16表面と剥離することができ、同時にガラス基板16表面との密着も十分になるからである。
また、樹脂層14は優れた耐熱性を有していることが好ましい。例えば、ガラス基板16の第2主面上に表示装置用パネルの構成部材18を形成する場合に、本発明のガラス基板積層体30を高温条件下の熱処理に供し得るからである。本発明における上記硬化シリコーン樹脂はこの熱処理に耐える充分な耐熱性を有する。
より具体的には、本発明における硬化シリコーン樹脂からなる樹脂層14の熱分解開始温度は、ガラス基板積層状態で400℃以上とすることができる。この耐熱温度は、420℃以上がより好ましく、430℃〜450℃が特に好ましい。上記範囲内であれば、TFTアレイの製造プロセスなど高温条件(約400℃以上)下においても樹脂層14の分解が抑制され、ガラス基板積層体30中の発泡の発生などがより抑制される。
なお、熱分解開始温度は、次の測定方法で表される。
50mm角の支持基板(厚さ=約0.4〜0.6mm)上に樹脂層(厚さ=約15〜20μm)を形成し、同じく50mm角のガラス基板(厚さ=約0.1〜0.4mm)をさらに積層した物を評価サンプルとする。そして、該サンプルを300℃に加熱したホットプレートに載置し、10℃毎分の昇温スピードで加熱し、サンプル内に発泡現象が確認された温度を熱分解開始温度と定義する。
<支持体>
本発明に係る支持体20は、図示例においては、上記した支持基板12と樹脂層14とから構成される。樹脂層14表面は良好な剥離性能を示すため、その上の積層されたガラス基板16を破壊することなく剥離することができる。そのため、ガラス基板を支持するための支持体として好適に使用できる。また、他の用途としては、有機EL照明用ガラス基板の支持体などが挙げられる。
なお、上述したように、支持基板表面上で上記オルガノポリシロキサン組成物を硬化させることにより形成された樹脂層14を備える支持体であることが好ましい。
<ガラス基板>
ガラス基板16は、その上に後述する表示装置用パネルの構成部材18を形成して、表示装置用パネルを製造するためのガラス基板である。
本発明で使用されるガラス基板16の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。例えば、従来公知のガラス原料を溶解し溶融ガラスとした後、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法、リドロー法、引き上げ法等によって板状に成形して得ることができる。また、市販品を用いることもできる。
ガラス基板16の厚さ、形状、大きさ、物性(熱収縮率、表面形状、耐薬品性等)、組成等は特に限定されず、例えば、従来のLCD、OLED等の表示装置用のガラス基板と同様であってよい。
ガラス基板16の厚さは特に限定されないが、0.7mm未満であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.4mm以下であることがさらに好ましい。また、0.05mm以上であることが好ましく、0.07mm以上であることがより好ましく、0.1mm以上であることがさらに好ましい。
ガラス基板16は第1主面および第2主面を有しており、その形状は限定されないが、矩形であることが好ましい。ここで、矩形とは、実質的に略矩形であり、周辺部の角を切り落とした(コーナーカットした)形状をも含む。
ガラス基板16の大きさは限定されないが、例えば、矩形の場合は100〜2000mm×100〜2000mmであってよく、500〜1000mm×500〜1000mmであることが好ましい。
このような好ましい厚さおよび好ましい大きさであれば、本発明のガラス基板積層体30はガラス基板16と支持体20とを容易に剥離することができる。
ガラス基板16の熱収縮率、表面形状、耐薬品性等の特性も特に限定されず、製造する表示装置用パネルの種類により異なる。
ただし、ガラス基板16の熱収縮率は小さいことが好ましい。具体的には熱収縮率の指標である線膨張係数が150×10−7/℃以下であることが好ましく、100×10−7/℃以下であることがより好ましく、45×10−7/℃以下であることがさらに好ましい。その理由としては、熱収縮率が大きいと高精細な表示装置を作り難くなるためである。
なお、本発明において線膨張係数はJIS R3102(1995年)に規定のものを意味する。
ガラス基板16は、例えば、アルカリガラスや無アルカリガラスなどからなる。中でも、熱収縮率が小さいことから無アルカリガラスであることが好ましい。
上述したガラス基板16の表面は、研磨処理された研磨面でもよく、または研磨処理されていない非エッチング面(生地面)であってもよい。すなわち、作製する表示パネルの要求精度に応じて平坦性を満たす物を適宜選択すればよい。
<ガラス基板積層体>
本発明に係るガラス基板積層体30は、図示例においては、上記した支持基板12、樹脂層14、ガラス基板16から構成される。ガラス基板積層体は、400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用されることが好ましい。なお、上記のような用途としては、具体的には、後述する表示装置用パネルを製造する用途などが挙げられる。
上述したように、樹脂層14は剥離性表面を有し、ガラス基板16や表示装置用パネル40(表示装置用パネルの構成部材18が形成されたガラス基板16)を容易に剥離することができる。より具体的には、樹脂層14表面とガラス基板16表面との間の剥離強度が、8.5N/25mm以下であることが好ましく、7.8N/25mm以下がより好ましく、4.5N/25mm以下が特に好ましい。上記強度内であれば、剥離時の樹脂層14の破壊や、ガラス基板16等の破壊などが起こりにくく、好ましい。下限については、ガラス基板16が樹脂層14上で位置ずれを起こさない程度の密着力を有していればよく、通常は1.0N/25mm以上であることが好ましい。
樹脂層14表面とガラス基板16表面との間の剥離強度は、次の測定方法により表される。
25×50mm角の支持基板(厚さ=約0.4〜0.6mm)上の全面に樹脂層(厚さ=約15〜20μm)を形成し、25×75mm角のガラス基板(厚さ=約0.1〜0.4mm)を積層した物を評価サンプルとする。そして、該サンプルの支持基板の非吸着面を両面テープで台の端に固定したうえで、はみ出しているガラス基板(25×25mm)の中央部を、デジタルフォースゲージを用いて垂直に突き上げ、剥離強度を測定する。
一方、樹脂層14表面と支持基板12表面との間の剥離強度は、9.8N/25mm以上であることが好ましく、14.7N/25mm以上がより好ましく、19.6N/25mm以上が特に好ましい。上記剥離強度を有する場合、ガラス基板16等を樹脂層14から剥離する時にこの支持基板12と樹脂層14の剥離は起こり難く、ガラス基板積層体30からガラス基板16等と支持体20(支持基板12と樹脂層14の積層体)とに容易に分離することができる。上記のように、支持基板12上で硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させることで、この剥離強度を容易に達成することができる。また、樹脂層14表面と支持基板12表面との間の剥離強度があまりに高すぎると、支持基板12の再利用等のために支持基板12と樹脂層14の剥離が必要となった際に、その剥離が困難になるおそれがある。したがって、樹脂層14表面と支持基板12表面との間の剥離強度は29.4N/25mm以下が好ましい。
また、樹脂層14表面と支持基板12表面との間の剥離強度は、樹脂層14表面とガラス基板16表面との間の剥離強度よりも、10N/25mm以上高いことが好ましく、15N/25mm以上高いことが好ましい。
<ガラス基板積層体の製造方法>
ガラス基板積層体30の製造は、支持体20の樹脂層14の表面にガラス基板16を積層する方法(積層方法)が好ましい。しかし、ガラス基板積層体30の製造方法は、この積層方法に限られるものではない。積層方法では、ガラス基板16の第1主面と樹脂層14の剥離性表面とは、非常に近接した、相対する固体分子間におけるファンデルワールス力に起因する力、すなわち、密着力によって結合させることができると考えられる。したがって、この場合、支持基板12とガラス基板16とを樹脂層14を介して積層させた状態に保持することができる。
以下、支持体20の樹脂層14の表面にガラス基板16を積層する方法によるガラス基板積層体30の製造方法を説明する。
支持基板12に固定された樹脂層14の表面にガラス基板16を積層させる方法は特に限定されず、公知の方法を用いて実施することができる。例えば、常圧環境下で樹脂層14の表面にガラス基板16を重ねた後、加圧チャンバーを用いた非接触圧着方法、ロールやプレスを用いて樹脂層14とガラス基板16とを圧着させる方法などが挙げられる。加圧チャンバー、ロール、プレスなどで圧着することにより、樹脂層14とガラス基板16とがより密着するので好ましい。また、気体による加圧、およびロールまたはプレスによる圧着により、樹脂層14とガラス基板16との間に混入している気泡が比較的容易に除去されるので好ましい。真空ラミネート法や真空プレス法により圧着すると、気泡の混入の抑制や良好な密着の確保がより良好に行われるのでより好ましい。真空下で圧着することにより、微少な気泡が残存した場合でも加熱により気泡が成長することがなく、ガラス基板16のゆがみ欠陥につながりにくいという利点もある。
支持体20とガラス基板16とを積層させる際には、ガラス基板16の表面を十分に洗浄し、クリーン度の高い環境で積層することが好ましい。樹脂層14とガラス基板16との間に異物が混入しても、樹脂層14が変形するのでガラス基板16の表面の平坦性に影響を与えることはないが、クリーン度が高いほどその平坦性は良好となるので好ましい。
<表示装置用パネルの構成部材>
本発明において、表示装置用パネルの構成部材18とは、ガラス基板を使用したLCD、OLED等の表示装置において、ガラス基板16上に形成された部材やその一部をいう。例えば、LCD、OLED等の表示装置においては、ガラス基板16の表面にTFTアレイ(以下、単に「アレイ」という。)、保護層、カラーフィルタ、液晶、ITOからなる透明電極等、各種回路パターン等の部材、またはこれらを組み合わせたものが形成される。また、例えば、OLEDからなる表示装置においては、ガラス基板16上に形成された透明電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層等が挙げられる。ガラス基板16と構成部材18からなる表示装置用パネル40は、上記部材の少なくとも一部が形成されたガラス基板である。したがって、例えば、アレイが形成されたガラス基板や透明電極が形成されたガラス基板が表示装置用パネル40である。
<支持体付き表示装置用パネル>
支持体付き表示装置用パネル10は、図示例においては、支持基板12、樹脂層14、ガラス基板16、表示装置用パネルの構成部材18から構成される。
なお、支持体付き表示装置用パネル10には、例えば、アレイがガラス基板の第2主面に形成された支持体付き表示装置用パネルのアレイ形成面と、カラーフィルタがガラス基板の第2主面に形成された他の支持体付き表示装置用パネルのカラーフィルタ形成面とを、シール材等を介して貼り合わされた形態も含まれる。
また、このような支持体付き表示装置用パネル10から、表示装置用パネル40を得ることができる。つまり、支持体付き表示装置用パネル10から、ガラス基板16と支持基板12に固定されている樹脂層14とを剥離して、表示装置用パネルの構成部材18およびガラス基板16を有する表示装置用パネル40を得ることができる。
また、このような表示装置用パネルから表示装置を得ることができる。表示装置としてはLCD、OLEDが挙げられる。LCDとしてはTN型、STN型、FE型、TFT型、MIM型が挙げられる。
<支持体付き表示装置用パネルの製造方法>
上述した支持体付き表示装置用パネルの製造方法は特に限定されないが、上記したガラス基板積層体30のガラス基板16表面上に、表示装置用パネルの構成部材18の少なくとも一部を形成することが好ましい。
ガラス基板積層体30のガラス基板16表面上に、表示装置用パネルの構成部材18の少なくとも一部を形成する方法は特に限定されず、表示装置用パネルの構成部材18の種類に応じて従来公知の方法が実施される。
例えば、OLEDを製造する場合を例にとると、ガラス基板積層体30のガラス基板16の第2主面上に有機EL構造体を形成するために、ガラス基板16の第2主面上に透明電極を形成する、透明電極を形成した面上にホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する、裏面電極を形成する、封止板を用いて封止する、等の各種の層形成や処理が行われる。これらの層形成や処理として、具体的には、例えば、成膜処理、蒸着処理、封止板の接着処理等が挙げられる。これら構成部材の形成は、表示装置用パネルに必要な全構成部材の形成の一部であってもよい。その場合、その一部の構成部材を形成したガラス基板16を樹脂層14から剥離した後、残りの構成部材をガラス基板16上に形成して表示装置用パネルを製造する。
<表示装置用パネルの製造方法>
上述した支持体付き表示装置用パネル10を得た後、さらに、支持体付き表示装置用パネル40におけるガラス基板16の第1主面と樹脂層14の剥離性表面とを剥離して、表示装置用パネル40を得ることができる。上記のように、剥離時のガラス基板16上の構成部材が表示装置用パネルに必要な全構成部材の形成の一部である場合には、その後残りの構成部材をガラス基板16上に形成して表示装置用パネル40を製造する。
ガラス基板16の第1主面と樹脂層14の剥離性表面とを剥離する方法は、特に限定されない。具体的には、例えば、ガラス基板16と樹脂層14との界面に鋭利な刃物状のものを差し込み、剥離のきっかけを与えた上で、水と圧縮空気との混合流体を吹き付けたりして剥離することができる。好ましくは、支持体付き表示装置用パネル10の支持基板12が上側、パネル側が下側となるように定盤上に設置し、パネル側基板を定盤上に真空吸着し(両面に支持基板が積層されている場合は順次行う)、この状態でまず刃物をガラス基板16−樹脂層14界面に刃物を侵入させる。そして、その後に支持基板12側を複数の真空吸着パッドで吸着し、刃物を差し込んだ箇所付近から順に真空吸着パッドを上昇させる。そうすると樹脂層14とパネル側ガラス基板16との界面へ空気層が形成され、その空気層が界面の全面に広がり、支持基板12を容易に剥離することができる(支持体付き表示装置用パネル10の両面に支持基板12が積層されている場合は、上記剥離工程を片面ずつ繰り返す)。
また、上述した表示装置用パネル40を得た後、さらに、得られた表示装置用パネル40を用いて表示装置を製造することができる。ここで表示装置を得る操作は特に限定されず、例えば、従来公知の方法で表示装置を製造することができる。
例えば、表示装置としてTFT−LCDを製造する場合、従来公知のガラス基板上にアレイを形成する工程、カラーフィルタを形成する工程、アレイが形成されたガラス基板とカラーフィルタが形成されたガラス基板とをシール材等を介して貼り合わせる工程(アレイ・カラーフィルタ貼り合わせ工程)等の各種工程と同様であってよい。より具体的には、これらの工程で実施される処理として、例えば、純水洗浄、乾燥、成膜、レジスト液塗布、露光、現像、エッチングおよびレジスト除去が挙げられる。さらに、アレイ・カラーフィルタ貼り合わせ工程を実施した後に行われる工程として、液晶注入工程および該処理の実施後に行われる注入口の封止工程があり、これらの工程で実施される処理が挙げられる。
以下に示す実施例において作製されるガラス基板積層体に関して、次に示す項目の評価を行った。
<実施例1>
縦350mm、横300mm、板厚0.5mmのガラス基板(「AN100」、線膨張係数38×10-7/℃の無アルカリガラス板:旭硝子株式会社製)を支持基板として用意し、純水洗浄、UV洗浄して表面を浄化して表面を清浄化した支持基板を得た。
次に、成分(A)として直鎖状ビニルメチルポリシロキサン(「VDT−127」、25℃における粘度700−800cP(センチポアズ):アズマックス製、オルガノポリシロキサン1molにおけるビニル基のmol%:0.325)と、成分(B)として直鎖状メチルヒドロポリシロキサン(「HMS−301」、25℃における粘度25−35cP(センチポアズ):アズマックス製、1分子内におけるケイ素原子に結合した水素原子の数:8個)と、全アルケニル基と全ケイ素原子に結合した水素原子とのモル比(水素原子/アルケニル基)が0.9となるように混合し、このシロキサン混合物100重量部に対して、成分(D)として1−エチニル−1−シクロヘキサノールを0.3質量部加えた。次いで、成分(A)と成分(B)との合計量に対して、白金換算で1100ppmとなるように白金系触媒(信越シリコーン株式会社製、CAT−PL−56)を加えて、オルガノポリシロキサン組成物を得た。
得られた組成物を、先に清浄化した支持基板の第1主面上にスピンコータにより塗工した(2000rpm、20秒間、塗工量20g/m2)。その後、支持基板上に塗工した混合物を大気中で180℃、60分間加熱硬化させ、支持基板上に縦350mm×横300mm、厚さ30μmの硬化シリコーン樹脂層を形成し、支持体Aを得た。なお、硬化シリコーン樹脂層の表面張力は、20.0N/mであった。
一方、縦350mm、横300mm、板厚0.2mmのガラス基板(「AN100」、線膨張係数38×10-7/℃の無アルカリガラス板:旭硝子株式会社製)を純水洗浄、UV洗浄し、樹脂基板の表面を清浄化した。
その後、支持体Aとガラス基板とを位置合わせしたうえで、真空プレス装置を用いて、室温下で、ガラス基板の第1主面と、支持体Aの硬化シリコーン樹脂層の剥離性表面とを密着させガラス基板積層体Aを得た。
<実施例2>
白金系触媒量が成分(A)と成分(B)との合計量に対して、白金換算で1500ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の手順に従って、ガラス基板積層体を得た。なお、硬化シリコーン樹脂層の表面張力は、20.2N/mであった。
<実施例3>
白金系触媒量が成分(A)と成分(B)との合計量に対して、白金換算で2000ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の手順に従って、ガラス基板積層体を得た。なお、硬化シリコーン樹脂層の表面張力は、20.0N/mであった。
なお、後述するガラス基板と硬化シリコーン樹脂層との間で剥離が進行する剥離性試験の結果より、実施例1〜3におけるガラス基板と硬化シリコーン樹脂層との間の剥離強度は、支持基板と硬化シリコーン樹脂層との間の剥離強度よりも低いことが確認された。
<比較例1>
白金系触媒量が成分(A)と成分(B)との合計量に対して、白金換算で200ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の手順に従って、ガラス基板積層体を得た。
<比較例2>
白金系触媒量が成分(A)と成分(B)との合計量に対して、白金換算で700ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の手順に従って、ガラス基板積層体を得た。
次に、以下に示す項目の評価を行った。
<耐熱試験>
20mm×20mm角の上記ガラス基板積層体を卓上型ランプ加熱装置(アルバック理工製 MILA-5000)に投入し、450℃の温度で1時間加熱処理を行った。その後、室温まで冷却し、加熱前後での硬化シリコーン樹脂層の残存重量を確認した。尚、この加熱処理の温度は、液晶パネルの製造工程における加熱温度と略同じである。
通常、液晶パネルの製造工程においては、通常、少なくとも2回、450℃の加熱処理工程が実施される。そこで、上記耐熱試験において、残存重量%[(加熱後の樹脂層の重量/加熱前の樹脂層の重量)×100]が70重量%以上であれば「A」、50重量%以上であれば「B」、40重量%以上であれば、「C」と評価した。なお、50重量%以上であれば、上記2回の加熱処理工程を経ても樹脂層が残存し得る。40重量%以上であれば、加熱処理後でもガラス基板を支持体上に良好に保持し得る。一方、40重量%未満の場合を、「D」と評価した。
<密着試験>
上記ガラス基板積層体のガラス基板の第2主面が上側となるように水平盤上に載置し、ガラス基板の第2主面の中央を直径20mmの吸着パッドで吸着して、鉛直方向に速度25mm/秒で持ち上げて、ガラス基板と支持基板とが分離せず、良好な密着力があるかどうかを評価した。
分離しなかった場合を密着性「○」と評価し、分離した場合を密着性「×」と評価した。
<剥離性評価>
上記ガラス基板積層体を10組用意し、60℃、90%RHの恒温高湿槽に24時間投入し、その後、恒温高湿槽からガラス基板積層体を取り出し220℃で、4時間加熱した。
加熱処理されたガラス基板積層体のガラス基板の第2主面を定盤に真空吸着させたうえで、ガラス基板積層体の1つのコーナー部のガラス基板と硬化シリコーン樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、上記ガラス基板の第1主面と硬化シリコーン樹脂層の剥離性表面との剥離のきっかけを与えた。
そして、ガラス基板積層体の支持基板の第2主面を90mmピッチで複数の真空吸着パッドで吸着した上で、上記剥離きっかけを与えたコーナー部に近い吸着パッドから順に上昇させることにより、ガラス基板の第1主面と硬化シリコーン樹脂層の剥離性表面とを剥離した。この処理を用意した10組のガラス基板積層体に対して連続して10回行い、何組の積層体がガラスの割れや硬化シリコーン樹脂層の破壊なく剥離できたかを評価した。
測定した10組中1組でも、ガラスの割れや硬化シリコーン樹脂層の破壊が生じた場合は「×」とし、10組すべて問題なく剥離できた場合を「○」として評価した。
実施例1〜3、および比較例1〜2で得られたガラス基板積層体を用いて、上記評価を行った結果を、表1にまとめて示す。
上記表1の結果より、本発明のオルガノポリシロキサン組成物を使用して得られる硬化シリコーン樹脂層は、優れた耐熱性、密着性、剥離性を示した。
特に、比較例1および2との比較から分かるように、優れた耐熱性を示しており、TFTアレイの製造など高温条件下の製造プロセスにも好適に適用できることが確認された。
(実施例4)
本例では、実施例2で得たガラス基板積層体Bを用いてLCDを製造する。
2枚のガラス基板積層体Bを準備して、1枚はアレイ形成工程に供してガラス基板の第2主面上にアレイを形成する。残りの1枚は、カラーフィルタ形成工程に供して、ガラス基板の第2主面上にカラーフィルタを形成する。本例のアレイ形成工程時の加熱条件は450℃、1時間である。
アレイが形成された積層体B1(本発明の支持体付き表示装置用パネル)と、カラーフィルタが形成された積層体B2(本発明の支持体付き表示装置用パネル)とをそれぞれ支持基板が外側になるようにシール材を介して貼り合わせ、両側に積層体が着いたLCDの空セルを得る。
続いて、積層体B1の第2主面を定盤に真空吸着させ、積層体B2のコーナー部のガラス基板と樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、ガラス基板の第1主面と樹脂層の剥離性表面との剥離のきっかけを与える。そして、積層体B2の支持基板の第2主面を24個の真空吸着パッドで吸着した上で、積層体B2のコーナー部に近い吸着パッドから順に上昇させる。その結果、定盤上に、積層体B1の支持基板が付いたLCDの空セルのみを残し、樹脂層が固定された支持基板を剥離することができる。
次に、第1主面にカラーフィルタが形成されたガラス基板の第2主面を定盤に真空吸着させ、積層体B1のコーナー部のガラス基板と樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、ガラス基板の第1主面と樹脂層の剥離性表面との剥離のきっかけを与える。そして、積層体B1の支持基板の第2主面を24個の真空吸着パッドで吸着した上で、積層体B1のコーナー部に近い吸着パッドから順に上昇させる。その結果、定盤上にLCDセルのみを残し、樹脂層が固定された支持基板を剥離することができる。こうして、厚さ0.1mmのガラス基板で構成されるLCDの空セルが得られる。
続いて、LCDの空セルを切断し、縦51mm×横38mmの168個のLCDの空セルに分断した後、液晶注入工程および注入口の封止工程を実施してLCDセルを完成する。完成されたLCDセルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは、特性上問題は生じない。
実施例1〜4によれば、白金触媒を白金換算で900ppm以上添加することにより比較例の添加量に比べて400℃以上で10分以上加熱する条件で、樹脂層の分解量が顕著に低減することができる。さらに1100ppm以上する場合は樹脂層の分解量が50%未満であり、同じ加熱条件を2回繰り返すことが可能である。
10 支持体付き表示装置用パネル
12 支持基板
14 樹脂層
16 ガラス基板
18 表示装置用パネルの構成部材
20 支持体
30 ガラス基板積層体
40 表示装置用パネル

Claims (10)

  1. 支持基板と支持基板の片面に設けられた剥離性表面を有する硬化シリコーン樹脂層とを有する、前記硬化シリコーン樹脂層表面にガラス基板を積層するための支持体であり、
    前記硬化シリコーン樹脂層が、(A)アルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、(C)白金系触媒とを少なくとも含有し、前記(C)成分の含有量が前記(A)成分および前記(B)成分の合計量に対して白金換算で900〜3000質量ppmである付加反応で硬化するオルガノポリシロキサン組成物を、前記支持基板表面上で硬化させることにより形成された硬化シリコーン樹脂層であることを特徴とする支持体。
  2. 前記硬化シリコーン樹脂層の厚みが5〜50μmである、請求項1に記載の支持体。
  3. 支持基板とガラス基板とそれらの間に存在する硬化シリコーン樹脂層とを有するガラス基板積層体であり、
    前記硬化シリコーン樹脂層が、(A)アルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、(C)白金系触媒とを少なくとも含有し、前記(C)成分の含有量が前記(A)成分および前記(B)成分の合計量に対して白金換算で900〜3000質量ppmである、付加反応で硬化するオルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなり、
    前記ガラス基板と前記硬化シリコーン樹脂層との間の剥離強度が前記支持基板と前記硬化シリコーン樹脂層との間の剥離強度よりも低いことを特徴とするガラス基板積層体。
  4. 前記硬化シリコーン樹脂層が、支持基板表面に接触しかつガラス基板表面には接触していない状態にある前記オルガノポリシロキサン組成物を硬化させ、オルガノポリシロキサン組成物硬化後に前記ガラス基板表面に接触させて形成された層である、請求項3に記載のガラス基板積層体。
  5. 400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用される、請求項3または4に記載のガラス基板積層体。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のガラス基板積層体のガラス基板表面上に、表示装置用パネルの構成部材の少なくとも一部を形成してなる、表示装置用パネル製造用の支持体付き表示装置用パネル。
  7. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のガラス基板積層体のガラス基板表面上に、表示装置用パネルの構成部材の少なくとも一部を形成し、その後ガラス基板と硬化シリコーン樹脂層付支持基板とを分離することを特徴とするガラス基板を有する表示装置用パネルの製造方法。
  8. ガラス基板に対する剥離性樹脂層を形成する用途に用いられる、オルガノポリシロキサン組成物であって、
    (A)アルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、(C)白金系触媒とを少なくとも含有し、
    前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分および前記(B)成分の合計量に対して、白金換算で900〜3000質量ppmであることを特徴とする、付加反応で硬化するオルガノポリシロキサン組成物。
  9. 硬化物が400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用される、請求項8に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  10. 硬化物がガス非透過性の面材で密閉された状態で400℃以上の温度に10分以上暴露される用途に使用される、請求項8に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
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