JP6063522B2 - 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 - Google Patents
支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6063522B2 JP6063522B2 JP2015127488A JP2015127488A JP6063522B2 JP 6063522 B2 JP6063522 B2 JP 6063522B2 JP 2015127488 A JP2015127488 A JP 2015127488A JP 2015127488 A JP2015127488 A JP 2015127488A JP 6063522 B2 JP6063522 B2 JP 6063522B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass substrate
- silicone resin
- support
- resin layer
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
この課題に対応するために、表示装置に用いるガラス基板の板厚をさらに薄くすることが望まれている。ガラス基板の板厚を薄くする一般的な方法としては、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する前または形成した後に、化学エッチングを用いてガラス基板をエッチング処理し、必要に応じてさらに物理研磨して薄くする方法が行われる。
また、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成した後にエッチング処理等をしてガラス基板の板厚を薄くすると、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する過程においてガラス基板の表面に形成された微細な傷が顕在化する問題、すなわちエッチピット(etchpit)の発生という問題が生じる。
例えば、特許文献1には、ガラス基板と、支持基板とを積層させてなるガラス基板積層体であって、上記ガラス基板と上記支持基板とが、剥離性表面を有し、さらに非粘着性を示すシリコーン樹脂層を介して積層されていることを特徴とするガラス基板積層体が記載されている。
また、400℃程度の高温環境下で製造プロセスが実施されるTFTアレイなどの表示装置用部材の製造のために上記ガラス基板積層体を適用した場合、樹脂層中や樹脂層と両基板間の界面に発泡が生じたりする不具合が生じており、更なる改良が必要とされていた。
本発明者らは、上記の知見をもとに、特定の構造を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有する付加反応型の硬化性シリコーン樹脂組成物を使用することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
支持基板と支持基板の片面に設けられた剥離性表面を有する硬化シリコーン樹脂層とを有する、該硬化シリコーン樹脂層表面にガラス基板を積層するための支持体であり、前記硬化シリコーン樹脂が、下記線状オルガノポリシロキサン(a)と下記線状オルガノポリシロキサン(b)とを含む硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物であり、前記硬化シリコーン樹脂層が、前記硬化性シリコーン樹脂組成物を前記支持基板表面上で硬化させることにより形成された硬化シリコーン樹脂層であることを特徴とする支持体である。
線状オルガノポリシロキサン(a):アルケニル基を1分子あたり少なくとも2個有する線状オルガノポリシロキサン。
線状オルガノポリシロキサン(b):ケイ素原子に結合した水素原子を1分子あたり少なくとも3個有する線状オルガノポリシロキサンであって、かつ、前記ケイ素原子に結合した水素原子の少なくとも1個が分子末端のケイ素原子に存在している線状オルガノポリシロキサン。
線状オルガノポリシロキサン(a):アルケニル基を1分子あたり少なくとも2個有する線状オルガノポリシロキサン。
線状オルガノポリシロキサン(b):ケイ素原子に結合した水素原子を1分子あたり少なくとも3個有する線状オルガノポリシロキサンであって、かつ、前記ケイ素原子に結合した水素原子の少なくとも1個が分子末端のケイ素原子に存在している線状オルガノポリシロキサン。
本発明の第3の態様においては、上記ガラス基板の厚さは0.05〜0.4mmであることが好ましい。
線状オルガノポリシロキサン(a):アルケニル基を1分子あたり少なくとも2個有する線状オルガノポリシロキサン。
線状オルガノポリシロキサン(b):ケイ素原子に結合した水素原子を1分子あたり少なくとも3個有する線状オルガノポリシロキサンであって、かつ、前記ケイ素原子に結合した水素原子の少なくとも1個が分子末端のケイ素原子に存在している線状オルガノポリシロキサン。
さらに、本発明の支持体を用いたガラス基板積層体の製造方法によれば、ガラス基板と樹脂層との間へ混入した気泡や塵介等の異物によるガラス欠陥の発生や、エッチピットの発生を抑制できる。
同図に示す支持体付き表示装置用パネル10は、本発明に係る支持体20を備えているもので、支持基板12、樹脂層14、ガラス基板16、表示装置用パネルの構成部材18をこの順で積層した積層構造を有する。なお、各層の厚さは、該図によって限定されない。
なお、支持基板12と樹脂層14とは本発明に係る支持体20を構成し、支持体20とガラス基板16とは本発明に係るガラス基板積層体30を構成し、ガラス基板16と表示装置用パネルの構成部材18とは本発明に係る表示装置用パネル40(支持体20がないもの)を構成する。
まず、本発明に係る支持体20、ガラス基板積層体30、表示装置用パネル40、支持体付き表示装置用パネル10を構成する各層について説明する。
本発明で使用される支持基板12は、後述する樹脂層14を介してガラス基板16を支持し、ガラス基板16の強度を補強するためのものであれば、特に限定されない。
支持基板12の材質としては特に制限されないが、工業的な入手の容易性の観点より、ガラス、シリコン、合成樹脂、金属等が好適な例として例示される。なかでも、支持基板12としては、ガラス板、シリコンウエハ、合成樹脂板または金属板であることが好ましい。
ガラス基板16と支持基板12に用いるガラスとの線膨張係数の差は、150×10−7/℃以下であることが好ましく、100×10−7/℃以下であることがより好ましく、50×10−7/℃以下であることがさらに好ましい。ガラス基板16のガラスと支持基板12のガラスとは同一材質のガラスであってもよい。この場合は、両ガラスの線膨張係数の差は0である。
この場合、耐熱性の点では上記したガラスはどれも当てはまる。
耐熱性の観点より好ましいプラスチック材料としては、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、各種液晶ポリマー樹脂等が例示される。
例えば、現行の製造ラインが厚さ0.5mmの基板を処理するように設計されたものであって、ガラス基板の厚さが0.1mmである場合、支持基板の厚さと樹脂層の厚さとの和を0.4mmとする。また、現行の製造ラインは厚さが0.7mmのガラス基板を処理するように設計されているものが最も一般的であるが、例えば、ガラス基板の厚さが0.4mmならば、支持基板の厚さと樹脂層の厚さとの和を0.3mmとする。
支持基板12の大きさは限定されないが、例えば矩形の場合は100〜2000mm×100〜2000mmであってよく、500〜1000mm×500〜1000mmであることが好ましい。
本発明に係る樹脂層14は、上述した支持基板12の第1主面上に固定され、ガラス基板16が積層されたガラス基板積層体においては、第1主面および第2主面を有するガラス基板16の第1主面に密着している。ガラス基板16の第1主面と樹脂層14との間の剥離強度は、支持基板12の第1主面と樹脂層14との間の剥離強度よりも低いことが必要である。すなわち、ガラス基板16と支持基板12とを分離する際には、ガラス基板16の第1主面と樹脂層14との界面で剥離し、支持基板12の第1主面と樹脂層14との界面では剥離し難いことが必要である。このため、樹脂層14はガラス基板16の第1主面と密着するが、ガラス基板16を容易に剥離することができる表面特性を有する。すなわち、樹脂層14は、ガラス基板16の第1主面に対してある程度の結合力で結合してガラス基板16の位置ずれなどを防止していると同時に、ガラス基板16を剥離する際には、ガラス基板16を破壊することなく、容易に剥離できる程度の結合力で結合している。本発明では、この樹脂層表面の容易に剥離できる性質を剥離性という。一方、支持基板12の第1主面と樹脂層14とは相対的に剥離しがたい結合力で結合している。
一方、樹脂層14の上記支持基板12の第1主面に対する結合力は、ガラス基板16の第1主面に対する結合力よりも相対的に高い。本発明ではガラス基板16の第1主面に対する結合を密着といい、支持基板12の第1主面に対する結合を固定という。
また、樹脂層14の柔軟性が高いので、ガラス基板16と樹脂層14との間へ気泡や塵介等の異物が混入しても、ガラス基板16のゆがみ欠陥の発生を抑制することができる。
以下に樹脂層14の形成に使用される硬化性シリコーン樹脂組成物について詳述する。
本発明における硬化性シリコーン樹脂組成物は線状オルガノポリシロキサン(a)と線状オルガノポリシロキサン(b)とを含む。このうち、線状オルガノポリシロキサン(b)はオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1種である。線状オルガノポリシロキサン(b)は、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子あたり少なくとも3個有する線状オルガノポリシロキサンであって、かつ前記ケイ素原子に結合した水素原子の少なくとも1個が分子末端のケイ素原子に存在している線状オルガノポリシロキサンである。
本発明における線状オルガノポリシロキサン(b)は、2個のM単位の少なくとも一方にケイ素原子に結合した水素原子が存在していることを特徴とする。より好ましい線状オルガノポリシロキサン(b)は、2個のM単位のそれぞれにケイ素原子に結合した水素原子が存在し、かつn個存在するD単位の一部のD単位にもケイ素原子に結合した水素原子が存在する、線状オルガノポリシロキサンである。また、線状オルガノポリシロキサン(b)は、他の線状オルガノハイドロジェンポリシロキサンと併用することもできる。他の線状オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、M単位にケイ素原子に結合した水素原子が存在せず、D単位の一部のみにケイ素原子に結合した水素原子が存在する線状オルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
(M1)α(M2)β(D1)γ(D2)δ ・・・(1)
ただし、M1はケイ素原子に結合した水素原子が存在しないM単位、M2はケイ素原子に結合した水素原子が存在するM単位、D1はケイ素原子に結合した水素原子が存在しないD単位、およびD2はケイ素原子に結合した水素原子が存在するD単位を表し、αは0以上2未満の数、βは0でない2以下の数でα+β=2、γは0を超える数、δは0以上の数でγ+δ=nである。より好ましいオルガノハイドロジェンポリシロキサン(1)は、αは0以上1未満の数、βは1以上2以下の数、γは1以上の数、δは1以上の数である。なお、国際公開第2007/018028号パンフレットに記載の式(5)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンはβ=0の化合物である。
M2単位はケイ素原子に結合した水素原子を2個または3個有してもよいが、好ましくは1個有する。D2単位はケイ素原子に結合した水素原子を2個有してもよいが、好ましくは1個有する。M1単位、D1単位、好ましいM2単位、好ましいD2単位は下記式で表されるものであることが好ましい。R1〜R5は、それぞれ独立に、炭素数4以下のアルキル基もしくはフルオロアルキル基またはフェニル基を表す。R1〜R5は好ましくはすべてメチル基である。
線状オルガノポリシロキサン(b)以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの個々の分子は、αが2、βが0、γは0以上の整数、δが1以上の整数であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。なお、これら分子においてD1とD2がいずれも多数存在する場合、D1とD2の配列はランダム共重合鎖構造であってもブロック共重合鎖構造であってもよい。通常は環状シロキサンの開環重合で共重合鎖が形成されることより、開環した環状シロキサンのブロックがランダムに共重合した構造を有すると考えられる。
本発明における硬化性シリコーン樹脂組成物は、線状オルガノポリシロキサン(b)と反応する線状オルガノポリシロキサン(a)を含む。線状オルガノポリシロキサン(a)は、アルケニル基を1分子あたり少なくとも2個有する線状オルガノポリシロキサンである。なお、アルケニル基を有する線状オルガノポリシロキサンを、以下オルガノアルケニルポリシロキサンともいう。
(M1)a(M3)b(D1)c(D3)d ・・・(2)
ただし、M1はアルケニル基を有しないM単位(前記M1単位と同じ)、M3はケイ素原子に結合したアルケニル基を有するM単位、D1はアルケニル基を有しないD単位(前記D1単位と同じ)、およびD3はケイ素原子に結合したアルケニル基を有するD単位を表し、aは0〜2の数、bは0〜2の数でa+b=2、cは0以上の数、dは0以上の数でc+d=nである(ただし、b+dは2以上)。より好ましい式(2)で表されるオルガノアルケニルポリシロキサンは、aが0以上1未満の数、bは1以上2以下の数、cは1以上の数、dは1以上の数である。
また、前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの場合と同様に、前記式(2)はオルガノアルケニルポリシロキサンにおいてD1とD3がいずれも多数存在する場合、D1とD3の配列はランダム共重合鎖構造であってもブロック共重合鎖構造であってもよい。なお、オルガノアルケニルポリシロキサン(a)としては国際公開第2007/018028号パンフレットに記載の式(3)や同式(4)で表されるオルガノアルケニルポリシロキサンを使用できる。
さらに、オルガノアルケニルポリシロキサン(a)の100グラムあたりのアルケニル基の当量数Laで表して、0.001≦La≦1.0の範囲にあることが好ましい。より好ましいLaは0.0015≦La≦0.9であり、さらに好ましくは0.002≦La≦0.9である。Laをこの範囲とすることにより、硬化シリコーン樹脂の耐熱性が良好となり、また硬化シリコーン樹脂の層とガラス基板との剥離強度の経時安定性が向上する。
本発明における硬化性シリコーン樹脂組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤が含有されていてもよい。添加剤として、通常、ケイ素原子に結合した水素原子とアルケニル基の反応を促進する触媒(付加反応用触媒)を使用することが好ましい。この触媒としては白金族金属系触媒を用いることが好ましい。白金族金属系触媒としては、白金系、パラジウム系、ロジウム系などの触媒が挙げられ、特に白金系触媒として用いることが経済性、反応性の点から好ましい。白金系触媒としては、公知のものを用いることができる。具体的には、白金微粉末、白金黒、塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物、あるいは白金のオレフィン錯体、アルケニルシロキサン錯体、カルボニル錯体などがあげられる。
触媒は、線状オルガノポリシロキサン(a)と線状オルガノポリシロキサン(b)との合計質量に対する質量比で、2〜400ppmが好ましい。より好ましくは、5〜300ppm、さらに好ましくは8〜200ppmである。
また、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレンなどの有機溶媒や水などの分散媒は、硬化シリコーン樹脂を構成しない成分であるが、硬化性シリコーン樹脂組成物の塗布のための作業性向上などの目的で本発明における硬化性シリコーン樹脂組成物に配合して使用することができる。
前記のように、硬化性シリコーン樹脂組成物を支持基板12の第1主面上で硬化させて硬化シリコーン樹脂からなる樹脂層14を形成することが好ましい。そのために、硬化性シリコーン樹脂組成物を支持基板の片面に塗布して硬化性シリコーン樹脂組成物の層を形成し、次いで硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させて硬化シリコーン樹脂層を形成する。硬化性シリコーン樹脂組成物の層の形成は、硬化性シリコーン樹脂組成物が流動性の組成物の場合はそのまま塗布し、硬化性シリコーン樹脂組成物が流動性の低い組成物や流動性のない組成物の場合は、有機溶剤を配合して塗布する。また、硬化性シリコーン樹脂組成物の乳化液や分散液などを使用することもできる。有機溶剤などの揮発性成分を含む塗膜は、次いでその揮発性成分を蒸発除去して硬化性シリコーン樹脂組成物の層とする。硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化は、揮発性成分の蒸発除去と連続して行うことができる。
より具体的な加熱硬化条件は、触媒の配合量によっても異なるが、例えば、硬化性シリコーン樹脂組成物中に含まれる樹脂合計量100質量部に対して、白金系触媒を2質量部配合した場合、大気中で50℃〜300℃、好ましくは100℃〜270℃で反応させて硬化させる。また、この場合の反応時間は5〜180分間、好ましくは60〜120分間とする。
なお、樹脂層14は2層以上からなっていてもよい。この場合「樹脂層の厚さ」は全ての層の合計の厚さを意味するものとする。
また、樹脂層14が2層以上からなる場合は、各々の層を形成する樹脂の種類が異なってもよい。
このような表面張力であると、より容易にガラス基板16表面と剥離することができ、同時にガラス基板表面との密着も十分になる。
より具体的には、本発明における前記硬化シリコーン樹脂からなる樹脂層14の熱分解開始温度は、ガラス基板積層状態で400℃以上とすることができる。この耐熱温度は、420℃以上がより好ましく、430℃〜450℃が特に好ましい。上記範囲内であれば、TFTアレイの製造プロセスなど高温条件(約400℃以上)下においても樹脂層の分解が抑制され、ガラス基板積層体中の発泡の発生などがより抑制される。
50mm角の支持基板(厚さ=約0.4〜0.6mm)上に樹脂層(厚さ=約15〜20μm)を形成し、同じく50mm角のガラス基板(厚さ=約0.1〜0.4mm)をさらに積層した物を評価サンプルとする。そして、該サンプルを300℃に加熱したホットプレートに載置し、10℃毎分の昇温スピードで加熱し、サンプル内に発泡現象が確認された温度を熱分解開始温度と定義する。
本発明に係る支持体20は、図示例においては、上記した支持基板12と樹脂層14とから構成される。樹脂層14表面は良好な剥離性能を示すため、その上の積層されたガラス基板を破壊することなく剥離することができる。そのため、ガラス基板を支持するための支持体として好適に使用できる。また、他の用途としては、有機EL照明用ガラス基板の支持体などが挙げられる。
ガラス基板16は、その上に後述する表示装置用パネルの構成部材18を形成して、表示装置用パネルを製造するためのガラス基板である。
本発明で使用されるガラス基板16の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。例えば、従来公知のガラス原料を溶解し溶融ガラスとした後、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法、リドロー法、引き上げ法等によって板状に成形して得ることができる。また、市販品を用いることもできる。
ただし、ガラス基板16の熱収縮率は小さいことが好ましい。具体的には熱収縮率の指標である線膨張係数が150×10−7/℃以下であることが好ましく、100×10−7/℃以下であることがより好ましく、45×10−7/℃以下であることがさらに好ましい。その理由としては、熱収縮率が大きいと高精細な表示装置を作り難くなるためである。
なお、本発明において線膨張係数はJIS R3102(1995年)に規定のものを意味する。
ガラス基板16は、例えば、アルカリガラスや無アルカリガラスなどからなる。中でも、熱収縮率が小さいことから無アルカリガラスであることが好ましい。
本発明に係るガラス基板積層体30は、図示例においては、上記した支持基板12、樹脂層14、ガラス基板16から構成される。
上述したように、樹脂層14は剥離性表面を有し、ガラス基板16や表示装置用パネル40(表示装置用パネルの構成部材18が形成されたガラス基板16)を容易に剥離することができる。より具体的には、樹脂層14表面とガラス基板16表面との間の剥離強度が、8.5N/25mm以下であることが好ましく、7.8N/25mm以下がより好ましく、4.5N/25mm以下が特に好ましい。上記強度内であれば、剥離時の樹脂層の破壊や、ガラス基板等の破壊などが起こりにくく、好ましい。下限については、ガラス基板が樹脂層上で位置ずれを起こさない程度の密着力を有していればよく、通常は1.0N/25mm以上であることが好ましい。
なお、後述する実施例欄で示す密着性の指標である密着強度の経時安定性評価後の剥離強度も、上記範囲内であることが好ましい。
25×50mm角の支持基板(厚さ=約0.4〜0.6mm)上の全面に樹脂層(厚さ=約15〜20μm)を形成し、25×75mm角のガラス基板(厚さ=約0.1〜0.4mm)を積層した物を評価サンプルとする。そして、該サンプルの支持基板の非吸着面を両面テープで台の端に固定したうえで、はみ出しているガラス基板(25×25mm)の中央部を、デジタルフォースゲージを用いて垂直に突き上げ、剥離強度を測定する。
また、樹脂層14表面と支持基板12表面との間の剥離強度は、樹脂層14表面とガラス基板16表面との間の剥離強度よりも、10N/25mm以上高いことが好ましく、15N/25mm以上高いことが好ましい。
ガラス基板積層体の製造は、前記支持体の樹脂層14の表面にガラス基板を積層する方法(積層方法)が好ましい。しかし、ガラス基板積層体の製造方法は、この積層方法に限られるものではないことは、前述の通りである。積層方法では、ガラス基板の第1主面と樹脂層の剥離性表面とは、非常に近接した、相対する固体分子間におけるファンデルワールス力に起因する力、すなわち、密着力によって結合させることができると考えられる。したがって、この場合、支持基板とガラス基板とを樹脂層を介して積層させた状態に保持することができる。以下、前記支持体の樹脂層の表面にガラス基板を積層する方法によるガラス基板積層体の製造方法を説明する。
本発明において、表示装置用パネルの構成部材18とは、ガラス基板を使用したLCD、OLED等の表示装置において、ガラス基板上に形成された部材やその一部をいう。例えば、LCD、OLED等の表示装置においては、ガラス基板の表面にTFTアレイ(以下、単に「アレイ」という。)、保護層、カラーフィルタ、液晶、ITOからなる透明電極等、各種回路パターン等の部材、またはこれらを組み合わせたものが形成される。また、例えば、OLEDからなる表示装置においては、ガラス基板上に形成された透明電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層等が挙げられる。ガラス基板と構成部材18からなる表示装置用パネル40は、上記部材の少なくとも一部が形成されたガラス基板である。したがって、例えば、アレイが形成されたガラス基板や透明電極が形成されたガラス基板が表示装置用パネル40である。
支持体付き表示装置用パネル10は、図示例においては、支持基板12、樹脂層14、ガラス基板16、表示装置用パネルの構成部材18から構成される。
なお、支持体付き表示装置用パネル10には、例えば、アレイがガラス基板の第2主面に形成された支持体付き表示装置用パネルのアレイ形成面と、カラーフィルタがガラス基板の第2主面に形成された他の支持体付き表示装置用パネルのカラーフィルタ形成面とを、シール材等を介して貼り合わされた形態も含まれる。
また、このような表示装置用パネルから表示装置を得ることができる。表示装置としてはLCD、OLEDが挙げられる。LCDとしてはTN型、STN型、FE型、TFT型、MIM型が挙げられる。
上述した支持体付き表示装置用パネルの製造方法は特に限定されないが、上記したガラス基板積層体のガラス基板表面上に、表示装置用パネルの構成部材の少なくとも一部を形成することが好ましい。
例えば、OLEDを製造する場合を例にとると、ガラス基板積層体のガラス基板の第2主面上に有機EL構造体を形成するために、ガラス基板の第2主面上透明電極を形成する、さらに透明電極を形成した面上にホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する、裏面電極を形成する、封止板を用いて封止する、等の各種の層形成や処理が行われる。これらの層形成や処理として、具体的には、例えば、成膜処理、蒸着処理、封止板の接着処理等が挙げられる。これら構成部材の形成は、表示装置用パネルに必要な全構成部材の形成の一部であってもよい。その場合、その一部の構成部材を形成したガラス基板を樹脂層から剥離した後、残りの構成部材をガラス基板上に形成して表示装置用パネルを製造する。
上述した支持体付き表示装置用パネルを得た後、さらに、支持体付き表示装置用パネルにおけるガラス基板の第1主面と樹脂層の剥離性表面とを剥離して、表示装置用パネルを得ることができる。上記のように、剥離時のガラス基板上の構成部材が表示装置用パネルに必要な全構成部材の形成の一部である場合には、その後残りの構成部材をガラス基板上に形成して表示装置用パネルを製造する。
ガラス基板積層体を10組用意し、ガラス基板の第2主面を定盤に真空吸着させたうえで、ガラス基板積層体の1つのコーナー部のガラス基板と樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、上記ガラス基板の第1主面と上記樹脂層の剥離性表面との剥離のきっかけを与えた。そして、ガラス基板積層体の支持基板の第2主面を90mmピッチで複数の真空吸着パッドで吸着した上で、上記コーナー部に近い吸着パッドから順に上昇させることにより、ガラス基板の第1主面と樹脂層の剥離性表面とを剥離した。この処理を用意した10組のガラス基板積層体に対して連続して10回行い、何組の積層体がガラスの割れや吸着層の破壊なく剥離できたかを評価した。
ガラス基板積層体から50mm角のサンプルを切り出し、このサンプルを300℃に加熱したホットプレートに載置し、10℃毎分の昇温スピードで加熱し、サンプル内に発泡現象が確認された温度を熱分解開始温度と定義し、この温度の高低をもって評価した。
ガラス基板積層体の長期間放置状態で進行する樹脂層中の残存ヒドロシリル基の加水分解現象を短期間で再現するために、高温・高湿度下に曝し、その後改めて高温に曝す事で、耐久性(経時安定性)を評価した。
具体的にはガラス基板積層体から25×75mm角のサンプルを切り出し、このサンプルの支持基板側のみ25×25mm角を切り取った物を評価サンプルとした。この評価サンプルを80℃、95%相対湿度に保たれた恒温・恒湿オーブン内で20時間保持した後、210℃に保たれた恒温オーブンで更に4時間保持した。そして、常温に冷却した後、評価サンプルの支持基板の非吸着面を両面テープで台の端に固定したうえで、はみ出している薄板ガラス基板(25×25mm)の中央部を、デジタルフォースゲージを用いて垂直に突き上げ、剥離モードおよび剥離強度を測定した。
一方、別に評価サンプルを用意し、上記試験を行わずに剥離モードおよび剥離強度を測定し、初期値として記録しておいた。
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5.4g、テトラメチルシクロテトラシロキサン96.2g、オクタメチルシクロテトラシロキサン118.6gの混合物を5℃に冷却し、撹拌しながら濃硫酸11.0gをゆっくり加えた後、さらに水3.3gを1時間かけて滴下した。温度を10〜20℃に保ちながら8時間撹拌した後トルエンを加え、シロキサン層が中性になるまで水洗および廃酸分離を行った。中性になったシロキサン層を減圧加熱濃縮してトルエン等の低沸点留分を除去し、下記式(6)において、k=40、l=40のオルガノハイドロジェンシロキサンAを得た。
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5.4g、テトラメチルシクロテトラシロキサン19.2g、オクタメチルシクロテトラシロキサン296.6gを原料として用いる他は、合成例1と同じ方法で、上記式(6)において、k=100、l=8のオルガノハイドロジェンシロキサンBを得た。
ヘキサメチルジシロキサン6.5g、テトラメチルシクロテトラシロキサン192.4gを原料として用いる他は、合成例1と同じ方法で、下記式(7)において、a=0、b=80のオルガノハイドロジェンシロキサンCを得た。
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.7g、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン41.4g、オクタメチルシクロテトラシロキサン355.9gに水酸化カリウムのシリコネートをSi/K=20000/1(mol比)量加え、窒素雰囲気化で150℃、6時間平衡化反応させた後、エチレンクロロヒドリンをKに対して2mol量添加し、120℃、2時間中和した。その後、160℃、666Paで6時間加熱バブリング処理して揮発分をカットして、100gあたりのアルケニル当量数La=0.9、Mw:26,000のアルケニル基含有シロキサンDを得た。
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン1.9g、オクタメチルシクロテトラシロキサン889.8gを原料として用いる他は、合成例3と同じ方法で、100gあたりのアルケニル当量数La=0.002、Mw:91,000のアルケニル基含有シロキサンEを得た。
初めに縦280mm、横280mm、板厚0.5mm、線膨張係数480×10−7/℃、5%重量減温度560℃のポリイミド樹脂シート(宇部興産社製ユーピレックスADシートAD110)を支持基板として用意し、純水洗浄、UV洗浄して表面を清浄化した。
次に、リモートプラズマ法にて表面を活性化処理した後、オルガノハイドロジェンシロキサンAとアルケニル基含有シロキサンDを、全アルケニル基と全ケイ素原子に結合した水素原子とのモル比(水素原子/アルケニル基)が0.9となるように混合し、このシロキサン混合物100質量部に、下記式(8)で示されるアセチレン系不飽和基を有するケイ素化合物1質量部を混合し、白金金属濃度が100ppmとなるように白金系触媒を加えて、硬化性シリコーン樹脂組成物を得た。この組成物を、支持基板の第1主面上に縦278mm、横278mmの大きさで、スクリーン印刷にて塗工した(塗工量15g/m2)。さらに、210℃にて60分間大気中で加熱硬化して、厚さ15μmの硬化シリコーン樹脂層を形成し、支持体Aを得た。なお、支持体Aのシリコーン樹脂層の表面張力は20.5N/mであった。
HC≡C−C(CH3)2−O−Si(CH3)3 (8)
再剥離性:10/10(10組すべてが剥離可能)
耐熱性(熱分解開始温度):430℃
密着強度の経時安定性:初期値=2.9N/25mm、加速後=3.2N/25mm
初めに縦720mm、横600mm、板厚0.4mm、線膨張係数38×10−7/℃のガラス板(「AN100」。旭硝子株式会社製)を支持基板として用意し、純水洗浄、UV洗浄して表面を清浄化した。
次に、オルガノハイドロジェンシロキサンBとアルケニル基含有シロキサンDを、全アルケニル基と全ケイ素原子に結合した水素原子とのモル比(水素原子/アルケニル基)が0.9となるように混合し、さらにそのシロキサン混合物とn−ヘプタンとを1/1の重量比で混合して、シロキサン混合物の溶液を得た。溶液中のシロキサン混合物100質量部に対して、前記式(8)で示されるアセチレン系不飽和基を有するケイ素化合物1質量部を混合し、白金金属濃度が100ppmとなるように白金系触媒を加えて、付加反応型の硬化性シリコーン樹脂組成物の溶液を得た。
この溶液を、支持基板の第1主面上に縦718mm、横598mmの大きさで、ダイコーターにて塗工した(塗工量20g/m2)。次に、210℃にて60分間大気中で加熱硬化して、厚さ15μmの硬化シリコーン樹脂層を有する支持体Bを得た。なお、支持体Bの硬化シリコーン樹脂層の表面張力は20.5N/mであった。
そして、上記支持基板の第1主面上のシリコーン樹脂層の剥離性表面とガラス基板の第1主面とを、室温下、真空重ね合わせ装置にて両基板の重心が重なるように重ね合わせ、そして、加圧チャンバー内で0.49MPa×5分間静置し、ガラス基板積層体B(本発明のガラス基板積層体)を得た。
このような実施例2に係るガラス基板積層体Bにおいて、ガラス基板および支持基板は、硬化シリコーン樹脂層と気泡を発生することなく密着しており、凸状欠点もなく平滑性も良好であった。
再剥離性:10/10(10組すべてが剥離可能)
耐熱性(熱分解開始温度):440℃
密着強度の経時安定性:初期値=3.9N/25mm、加速後=4.0N/25mm
初めに縦720mm、横600mm、板厚0.6mm、線膨張係数38×10−7/℃のガラス板(「AN100」。旭硝子株式会社製)を支持基板として用意し、純水洗浄、UV洗浄して表面を清浄化した。
次に樹脂層を形成するための樹脂としてオルガノハイドロジェンシロキサンAと、アルケニル基含有シロキサンDとアルケニル基含有シロキサンEの95質量%/5質量%混合物を、全アルケニル基と全ケイ素原子に結合した水素原子とのモル比(水素原子/アルケニル基)が0.9となるように混合し、このシロキサン混合物100質量部に、前記式(8)で示されるアセチレン系不飽和基を有するケイ素化合物1質量部を混合し、白金金属濃度が100ppmとなるように白金系触媒を加えて、溶剤を含まない付加反応型の硬化性シリコーン樹脂組成物を得た。
そして、この組成物を支持基板の第1主面上に縦718mm、横598mmの大きさでスクリーン印刷装置にて塗工した(塗工量20g/m2)。次に、180℃にて60分間大気中で加熱硬化して、厚さ20μmの硬化シリコーン樹脂層を有する支持体Cを得た。なお、支持体Cの硬化シリコーン樹脂層の表面張力は20.0N/mであった。
このような実施例3に係るガラス基板積層体Cにおいて、ガラス基板および支持基板は、硬化シリコーン樹脂層と気泡を発生することなく密着しており、凸状欠点もなく平滑性も良好であった。
再剥離性:10/10(10組すべてが剥離可能)
耐熱性(熱分解開始温度):440℃
密着強度の経時安定性:初期値=3.6N/25mm、加速後=3.6N/25mm
本例では、実施例3で得たガラス基板積層体Cを用いてLCDを製造する。
2枚のガラス基板積層体Cを準備して、1枚はアレイ形成工程に供してガラス基板の第2主面上にアレイを形成する。残りの1枚は、カラーフィルタ形成工程に供して、ガラス基板の第2主面上にカラーフィルタを形成する。
アレイが形成された積層体C1(本発明の支持体付き表示装置用パネル)と、カラーフィルタが形成された積層体C2(本発明の支持体付き表示装置用パネル)とをそれぞれ支持基板が外側になるようにシール材を介して貼り合わせ、両側に積層体が着いたLCDの空セルを得る。
本例では、実施例2で得たガラス基板積層体Bを用いてLCDを製造する。
2枚のガラス基板積層体Cを準備して、1枚はアレイ形成工程に供してガラス基板の第2主面にアレイを形成する。残りの1枚は、カラーフィルタ形成工程に供して、ガラス基板の第2主面にカラーフィルタを形成する。
アレイが形成された積層体B1(本発明の支持体付き表示装置用パネル)と、カラーフィルタが形成された積層体B2(本発明の支持体付き表示装置用パネル)とをそれぞれ支持基板が外側になるようにシール材を介して貼り合わせ、両側に積層体が着いたLCDセルを得る。その後実施例4と同様の手順で各々のガラス基板の第1主面と樹脂層の剥離性表面とを剥離する。
こうして、厚さ0.3mmのガラス基板で構成されるLCDの空セルが得られる。
続いて、ケミカルエッチング処理によりそれぞれのガラス基板の厚さを0.15mmとする。ケミカルエッチング処理後のガラス基板の表面には光学的に問題となるようなエッチピットの発生はみられない。
その後、LCDの空セルを切断し、縦51mm×横38mmの168個のLCDの空セルに分断した後、液晶注入工程および注入口の封止工程を実施してLCDセルを形成する。形成されたLCDセルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは、特性上問題は生じない。
本例では、実施例3で得たガラス基板積層体Cを用いてOLEDを製造する。
透明電極を形成する工程、補助電極を形成する工程、ホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する工程、これらを封止する工程に供して、積層体C3(本発明の支持体付き表示装置用パネル)の薄板ガラス基板上に有機EL構造体を形成する。
続いて、封止体側を定盤に真空吸着させたうえで、積層体C3のコーナー部のガラス基板と樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、ガラス基板の第1主面と樹脂層の剥離性表面との剥離のきっかけを与える。そして、積層体の支持基板の第2主面を24個の真空吸着パッドで吸着した上で、積層体C3のコーナー部に近い吸着パッドから順に上昇させる。その結果、定盤上に有機EL構造体が形成されたガラス基板のみを残し、樹脂層が固定された支持基板を剥離することができる。
続いて、ガラス基板をレーザーカッタまたはスクライブ−ブレイク法を用いて切断し、縦41mm×横30mmの288個のセルに分断した後、有機EL構造体が形成されたガラス基板と対向基板とを組み立てて、モジュール形成工程を実施してOLEDを作成する。こうして得られるOLEDは、特性上問題は生じない。
オルガノハイドロジェンシロキサンCとアルケニル基含有シロキサンDを、全アルケニル基と全ケイ素原子に結合した水素原子とのモル比(水素原子/アルケニル基)が0.9となるように混合し、さらにそのシロキサン混合物とn−ヘプタンとを1/1の重量比で混合して、シロキサン混合物の溶液を得た。溶液中のシロキサン混合物100質量部に対して、前記式(8)で示されるアセチレン系不飽和基を有するケイ素化合物1質量部を混合し、白金金属濃度が100ppmとなるように白金系触媒を加えて、付加反応型の硬化性シリコーン樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を使用した以外は、実施例3と同様の手順で積層体Dを作製した。
再剥離性:10/10(10組すべてが剥離可能)
耐熱性(熱分解開始温度):390℃
密着強度の経時安定性:初期値=3.4N/25mm、加速後=8.8N/25mm(一部樹脂層に破壊が観察された)
12 支持基板
14 樹脂層
16 ガラス基板
18 表示装置用パネルの構成部材
20 支持体
30 ガラス基板積層体
40 表示装置用パネル
Claims (11)
- 支持基板と支持基板の片面に設けられた剥離性表面を有する硬化シリコーン樹脂層とを有する、前記硬化シリコーン樹脂層表面に表示装置に用いられるガラス基板を積層するための支持体であり、
前記支持基板は、前記ガラス基板との線膨張係数の差が50×10−7/℃以下であるガラス板であり、
前記硬化シリコーン樹脂が、アルケニル基を有する線状オルガノポリシロキサン(a)と、ケイ素原子に結合した水素原子を有する線状オルガノポリシロキサン(b)と、白金族金属系触媒とを含む硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物であり、
前記硬化シリコーン樹脂層の熱分解開始温度が400℃以上であり、
前記硬化シリコーン樹脂層と、前記ガラス基板との間の経時安定性評価後の剥離強度が4.5N/25mm以下である、支持体。 - 前記支持基板が、無アルカリガラス板である、請求項1に記載の支持体。
- 前記硬化性シリコーン樹脂組成物における全アルケニル基に対する全ケイ素原子に結合した水素原子のモル比(水素原子/アルケニル基)が0.7〜1.05である、請求項1または2に記載の支持体。
- 支持基板と支持基板の片面に設けられた剥離性表面を有する硬化シリコーン樹脂層とを有する、該硬化シリコーン樹脂層表面に表示装置に用いられるガラス基板を積層するための支持体、を製造する方法において、
前記支持基板として、前記ガラス基板との線膨張係数の差が50×10−7/℃以下であるガラス板を準備する工程と、
アルケニル基を有する線状オルガノポリシロキサン(a)と、ケイ素原子に結合した水素原子を有する線状オルガノポリシロキサン(b)と、白金族金属系触媒とを含む硬化性シリコーン樹脂組成物を準備する工程と、
前記硬化性シリコーン樹脂組成物を前記ガラス板の片面に塗布する工程と、
前記塗布した前記硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させ、熱分解開始温度が400℃以上であり、かつ前記ガラス基板との間の経時安定性評価後の剥離強度が4.5N/25mm以下となるような前記硬化シリコーン樹脂層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする支持体の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の支持体の硬化シリコーン樹脂層表面にガラス基板を積層することを特徴とするガラス基板積層体の製造方法。
- ガラス基板の厚さが0.05〜0.4mmである、請求項5に記載の製造方法。
- 支持基板と表示装置に用いられるガラス基板とそれらの間に存在する硬化シリコーン樹脂層とを有するガラス基板積層体であり、
前記支持基板は、前記ガラス基板との線膨張係数の差が50×10−7/℃以下であるガラス板であり、
前記硬化シリコーン樹脂が、アルケニル基を有する線状オルガノポリシロキサン(a)と、ケイ素原子に結合した水素原子を有する線状オルガノポリシロキサン(b)と、白金族金属系触媒とを含む硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物であり、
前記硬化シリコーン樹脂層の熱分解開始温度が400℃以上であり、
前記硬化シリコーン樹脂層と、前記ガラス基板との間の経時安定性評価後の剥離強度が4.5N/25mm以下であるガラス基板積層体。 - 前記硬化性シリコーン樹脂組成物における全アルケニル基に対する全ケイ素原子に結合した水素原子のモル比(水素原子/アルケニル基)が0.7〜1.05である、請求項7に記載のガラス基板積層体。
- ガラス基板の厚さが0.05〜0.4mmである、請求項7または8に記載のガラス基板積層体。
- 請求項7〜9のいずれかに記載のガラス基板積層体のガラス基板表面上に、表示装置用パネルの構成部材の少なくとも一部を形成してなる、表示装置用パネル製造用の支持体付き表示装置用パネル。
- 請求項7〜9のいずれかに記載のガラス基板積層体のガラス基板表面上に、表示装置用パネルの構成部材の少なくとも一部を形成し、その後ガラス基板と硬化シリコーン樹脂層付支持基板とを分離することを特徴とするガラス基板を有する表示装置用パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015127488A JP6063522B2 (ja) | 2015-06-25 | 2015-06-25 | 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015127488A JP6063522B2 (ja) | 2015-06-25 | 2015-06-25 | 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014120695A Division JP5770890B2 (ja) | 2014-06-11 | 2014-06-11 | 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015232712A JP2015232712A (ja) | 2015-12-24 |
JP6063522B2 true JP6063522B2 (ja) | 2017-01-18 |
Family
ID=54934150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015127488A Expired - Fee Related JP6063522B2 (ja) | 2015-06-25 | 2015-06-25 | 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6063522B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101242951B (zh) * | 2005-08-09 | 2012-10-31 | 旭硝子株式会社 | 薄板玻璃层压体以及利用薄板玻璃层压体的显示装置的制造方法 |
JP5024087B2 (ja) * | 2008-02-05 | 2012-09-12 | 旭硝子株式会社 | ガラス積層体、支持体付き表示装置用パネル、およびそれらの製造方法 |
-
2015
- 2015-06-25 JP JP2015127488A patent/JP6063522B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015232712A (ja) | 2015-12-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5562597B2 (ja) | 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 | |
WO2011024690A1 (ja) | フレキシブル基材-支持体の積層構造体、支持体付き電子デバイス用パネル、および電子デバイス用パネルの製造方法 | |
JP5760376B2 (ja) | 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、オルガノポリシロキサン組成物、および表示装置用パネルの製造方法 | |
JP6555254B2 (ja) | ガラス積層体およびその製造方法、電子デバイスの製造方法 | |
JP5887946B2 (ja) | 電子デバイスの製造方法、およびガラス積層体の製造方法 | |
WO2015119210A1 (ja) | ガラス積層体 | |
JP6252490B2 (ja) | ガラス積層体およびその製造方法、並びに、シリコーン樹脂層付き支持基材 | |
JP6927203B2 (ja) | ガラス積層体およびその製造方法 | |
TWI666112B (zh) | 玻璃積層體及其製造方法、電子元件之製造方法 | |
TWI751253B (zh) | 積層體、附聚矽氧樹脂層之支持基材、附聚矽氧樹脂層之樹脂基板、電子器件之製造方法 | |
KR20170102239A (ko) | 유리 적층체, 전자 디바이스의 제조 방법, 유리 적층체의 제조 방법, 유리판 곤포체 | |
WO2015182766A1 (ja) | 粘着剤組成物、支持体およびその製造方法ならびにガラス積層体 | |
JP5770890B2 (ja) | 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 | |
JP2015231668A (ja) | ガラス積層体およびその製造方法、並びに、シリコーン樹脂層付き支持基材およびその製造方法 | |
JP6063522B2 (ja) | 支持体、ガラス基板積層体、支持体付き表示装置用パネル、および表示装置用パネルの製造方法 | |
JP2014080348A (ja) | ガラス積層体の製造方法、電子デバイスの製造方法 | |
TWI656967B (zh) | 玻璃積層體及其製造方法、電子裝置之製造方法 | |
JP2015182450A (ja) | ガラス積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160622 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160819 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161216 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6063522 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |