JP2015182450A - ガラス積層体 - Google Patents

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鷹典 下坂
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大輔 内田
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Abstract

【課題】高温加熱処理後でもシリコーン樹脂層の分解が抑制されたガラス積層体を提供する。【解決手段】支持基材の層とシリコーン樹脂層とガラス基板の層とをこの順で備え、上記支持基材の層と上記シリコーン樹脂層との界面の剥離強度が上記ガラス基板の層と上記シリコーン樹脂層との界面の剥離強度よりも高い、ガラス積層体であって、上記シリコーン樹脂層のシリコーン樹脂が、架橋性オルガノポリシロキサンと、2個以上のヒドロシリル基(Si−H)を有する架橋剤との架橋物であり、上記架橋性オルガノポリシロキサンが、特定の式(1)で表されるシロキサン単位(A)を含み、かつ、アルケニル基を有する、ガラス積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス積層体に関する。
近年、太陽電池(PV)、液晶パネル(LCD)、有機ELパネル(OLED)などのデバイス(電子機器)の薄型化、軽量化が進行しており、これらのデバイスに用いるガラス基板の薄板化が進行している。薄板化によりガラス基板の強度が不足すると、デバイスの製造工程において、ガラス基板のハンドリング性が低下する。
最近では、上記の課題に対応するため、薄板ガラス基板と補強板とを積層したガラス積層体を用意し、ガラス積層体の薄板ガラス基板上に表示装置などの電子デバイス用部材を形成した後、薄板ガラス基板から支持板を分離する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。補強板は、支持板と、該支持板上に固定されたシリコーン樹脂層とを有し、シリコーン樹脂層と薄板ガラス基板とが剥離可能に密着される。ガラス積層体のシリコーン樹脂層と薄板ガラス基板の界面が剥離され、薄板ガラス基板から分離された補強板は、新たな薄板ガラス基板と積層され、ガラス積層体として再利用することが可能である。
国際公開第2007/018028号
特許文献1に記載のガラス積層体に関して、近年さらに高い耐熱性が要求されるようになってきた。ガラス積層体のガラス基板上に形成される電子デバイス用部材の高機能化や複雑化に伴い、電子デバイス用部材を形成する際の温度がさらに高温になると共に、その高温に曝される時間も長時間を要する場合が少なくない。
特許文献1に記載のガラス積層体は大気中300℃、1時間の処理に耐えうる。しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載のガラス積層体中のシリコーン樹脂層は、450℃においては短時間のうちに分解が起こり、多量のアウトガスが発生する。このようなアウトガスの発生は、ガラス基板上に形成される電子デバイス用部材を汚染し、結果として電子デバイスの生産性を低下させる原因となる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、高温加熱処理後でもシリコーン樹脂層の分解が抑制されたガラス積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、特定のシリコーン樹脂層を採用することで高温加熱処理後でも分解が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供する。
[1]支持基材の層とシリコーン樹脂層とガラス基板の層とをこの順で備え、上記支持基材の層と上記シリコーン樹脂層との界面の剥離強度が上記ガラス基板の層と上記シリコーン樹脂層との界面の剥離強度よりも高い、ガラス積層体であって、上記シリコーン樹脂層のシリコーン樹脂が、架橋性オルガノポリシロキサンと、2個以上のヒドロシリル基(Si−H)を有する架橋剤との架橋物であり、上記架橋性オルガノポリシロキサンが、後述する式(1)で表されるシロキサン単位(A)を含み、かつ、アルケニル基を有する、ガラス積層体。
[2]上記架橋剤が、さらに芳香族炭化水素基または複素環基を有する、[1]に記載のガラス積層体。
[3]上記架橋剤が、後述する式(5)で表される化合物である、[2]に記載のガラス積層体。
[4]上記シリコーン樹脂層のシリコーン樹脂が、上記架橋性オルガノポリシロキサンと上記架橋剤とを、上記架橋性オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基の個数に対する上記架橋剤が有するヒドロシリル基(Si−H)の個数の比が0.3〜1.8となる量で反応させて得られる、[1]〜[3]のいずれかに記載のガラス積層体。
[5]上記シロキサン単位(A)におけるR1〜R4が、それぞれ独立に、炭素数4以下のアルキル基またはフェニル基である、[1]〜[4]のいずれかに記載のガラス積層体。
[6]上記架橋性オルガノポリシロキサンが、さらに後述する式(2)で表されるシロキサン単位(B)を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のガラス積層体。
[7]上記架橋性オルガノポリシロキサンにおいて、上記シロキサン単位(A)と上記シロキサン単位(B)との合計に対する上記シロキサン単位(A)の割合が30〜90モル%であり、全シロキサン単位に対する上記シロキサン単位(A)と上記シロキサン単位(B)との合計の割合が80〜100モル%である、[6]に記載のガラス積層体。
[8]上記シロキサン単位(B)が、R5およびR6の少なくとも一方が炭素数3以下のアルケニル基であり上記アルケニル基でない場合は炭素数4以下のアルキル基であるシロキサン単位(B−1)、ならびに、R5およびR6のいずれも炭素数4以下のアルキル基であるシロキサン単位(B−2)からなる群から選択され、上記架橋性オルガノポリシロキサン中のシロキサン単位(B)が、上記シロキサン単位(B−1)のみからなるか、または、上記シロキサン単位(B−1)と上記シロキサン単位(B−2)とからなる、[6]または[7]に記載のガラス積層体。
本発明によれば、高温加熱処理後でもシリコーン樹脂層の分解が抑制されたガラス積層体を提供できる。
本発明のガラス積層体の一実施形態の模式的断面図である。 本発明に係る部材付きガラス基板の製造方法の一実施形態を工程順に示す模式的断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、以下の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、以下の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本発明のガラス積層体は、支持基材の層とシリコーン樹脂層とガラス基板の層とをこの順で備える。すなわち、支持基材の層とガラス基板の層との間にシリコーン樹脂層を有する。したがって、シリコーン樹脂層は一方の側が支持基材の層に接し、他方の側がガラス基板の層に接している。
本発明のガラス積層体においては、シリコーン樹脂層のシリコーン樹脂が、後述する架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤との架橋物であることにより、ガラス基板に対して所定の密着性を示すと共に、高温処理条件下においてシリコーン樹脂の分解が抑制される。結果として、アウトガスの発生や、ガラス基板の位置ずれなどがより抑制される。
シリコーン樹脂の分解が抑制される理由としては、架橋性オルガノポリシロキサンの主鎖中に2価の芳香族炭化水素基(例えば、フェニレン基)が含まれている点が挙げられる。この芳香族炭化水素基が含まれることにより、架橋性オルガノポリシロキサンの結合エネルギーが向上すると共に、架橋性オルガノポリシロキサンの運動性が低下し、シロキサン結合の開裂が進行しにくくなる。
結果として、開裂に伴い生成するシロキサンの環状化合物の発生が抑制され、アウトガスの発生や、ガラス基板の位置ずれなどがより抑制される。
また、本発明のガラス積層体によれば、次のような効果も奏する。
例えば、本発明における架橋剤を使用しない場合を考える。この場合、アルケニル基(代表的にはビニル基(Vi)であり、以下ではビニル基を例に説明する)を有する架橋性オルガノポリシロキサンのみを例えば約300℃以上で加熱硬化させると、Si−Vi部分が分解したり、Si−Vi部分が酸化されてSi−OHが生成し、さらに、このSi−OH同士が脱水縮合したりすることで、得られるシリコーン樹脂層に発泡やクラックが生じる場合がある。シリコーン樹脂層に発泡やクラックが生じると、シリコーン樹脂層上に積層されるガラス基板との密着性低下につながったり、そもそも、シリコーン樹脂層上にガラス基板を積層できなくなったりする。
そこで、このような発泡やクラック発生を回避するために、加熱硬化温度を低下させると、今度は、生成したSi−OHが縮合せずに残存し、残存したSi−OHによって、シリコーン樹脂層上に積層されるガラス基板に対する剥離強度が上がるおそれがある。
しかしながら、本発明においては、架橋性オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基(Si−Vi部分等)は、2個以上のヒドロシリル基(Si−H)を有する架橋剤と反応して消費されるため、残存したSi−Vi部分の分解やSi−Vi部分等が酸化されることによるSi−OHの生成が抑制され、その結果、シリコーン樹脂層における発泡およびクラックの発生や、加熱硬化温度を低下させた場合のガラス基板の剥離強度上昇を、抑制できる。
なお、一般的に、シリコーン樹脂層の厚さが増すに従ってクラックも生じやすくなる傾向にあるが、本発明のガラス積層体においては、上述したように、シリコーン樹脂層にクラックが生じにくいため、クラックの発生を抑制しつつ、シリコーン樹脂層を厚膜化できる。
図1は、本発明のガラス積層体の一例の模式的断面図である。
図1に示すように、ガラス積層体10は、支持基材12の層とガラス基板16の層とそれらの間にシリコーン樹脂層14が存在する積層体である。シリコーン樹脂層14は、その一方の面が支持基材12の層に接すると共に、その他方の面がガラス基板16の第1主面16aに接している。言い換えると、シリコーン樹脂層14はガラス基板16の第1主面16aに接している。
支持基材12の層およびシリコーン樹脂層14からなる2層部分は、液晶パネルなどの電子デバイス用部材を製造する部材形成工程において、ガラス基板16を補強する。なお、ガラス積層体10の製造のためにあらかじめ製造される支持基材12の層およびシリコーン樹脂層14からなる2層部分をシリコーン樹脂層付き支持基材18という。
このガラス積層体10は、後述する部材形成工程まで使用される。即ち、このガラス積層体10は、そのガラス基板16の第2主面16b表面上に液晶表示装置などの電子デバイス用部材が形成されるまで使用される。その後、電子デバイス用部材が形成されたガラス積層体は、支持基材12と部材付きガラス基板とに分離され、シリコーン樹脂層付き支持基材18は電子デバイスを構成する部分とはならない。シリコーン樹脂層付き支持基材18は、新たなガラス基板16と積層され、新たなガラス積層体10として再利用することができる。
支持基材12とシリコーン樹脂層14の界面は剥離強度(x)を有し、支持基材12とシリコーン樹脂層14の界面に剥離強度(x)を越える引き剥がし方向の応力が加えられると、支持基材12とシリコーン樹脂層14の界面が剥離する。シリコーン樹脂層14とガラス基板16の界面は剥離強度(y)を有し、シリコーン樹脂層14とガラス基板16の界面に剥離強度(y)を越える引き剥がし方向の応力が加えられると、シリコーン樹脂14層とガラス基板16の界面が剥離する。
本発明のガラス積層体10(後述の電子デバイス用部材付き積層体も意味する)においては、上記剥離強度(x)は上記剥離強度(y)よりも高い。したがって、本発明のガラス積層体10に支持基材12とガラス基板16とを引き剥がす方向の応力が加えられると、本発明のガラス積層体10は、シリコーン樹脂層14とガラス基板16の界面で剥離してガラス基板16とシリコーン樹脂層付き支持基材18に分離する。
剥離強度(x)は、剥離強度(y)と比較して、充分高いことが好ましい。剥離強度(x)を高めることは、支持基材12に対するシリコーン樹脂層14の付着力を高め、かつ加熱処理後においてガラス基板18に対してよりも相対的に高い付着力を維持できることを意味する。
支持基材12に対するシリコーン樹脂層14の付着力を高めるためには、後述するように、架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤とを支持基材12上で架橋硬化させてシリコーン樹脂層14を形成することが好ましい。架橋硬化の際の接着力で、支持基材12に対して高い結合力で結合したシリコーン樹脂層14を形成することができる。
一方、架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤との架橋物であるシリコーン樹脂のガラス基板16に対する結合力は、上記架橋硬化時に生じる結合力よりも低いのが通例である。したがって、支持基材12上で架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤とを架橋硬化させてシリコーン樹脂層14を形成し、その後シリコーン樹脂層14の面にガラス基板16を積層して、ガラス積層体10を製造することが好ましい。
以下で、まず、ガラス積層体10を構成する各層(支持基材12、ガラス基板16、シリコーン樹脂層14)について詳述し、その後、ガラス積層体および部材付きガラス基板の製造方法について詳述する。
[支持基材]
支持基材12は、ガラス基板16を支持して補強し、後述する部材形成工程(電子デバイス用部材を製造する工程)において電子デバイス用部材の製造の際にガラス基板16の変形、傷付き、破損などを防止する。
支持基材12としては、例えば、ガラス板、プラスチック板、SUS板などの金属板などが用いられる。通常、部材形成工程が熱処理を伴うため、支持基材12はガラス基板16との線膨張係数の差の小さい材料で形成されることが好ましく、ガラス基板16と同一材料で形成されることがより好ましく、支持基材12はガラス板であることが好ましい。特に、支持基材12は、ガラス基板16と同じガラス材料からなるガラス板であることが好ましい。
支持基材12の厚さは、ガラス基板16よりも厚くてもよいし、薄くてもよい。好ましくは、ガラス基板16の厚さ、シリコーン樹脂層14の厚さ、およびガラス積層体10の厚さに基づいて、支持基材12の厚さが選択される。例えば、現行の部材形成工程が厚さ0.5mmの基板を処理するように設計されたものであって、ガラス基板16の厚さとシリコーン樹脂層14の厚さとの和が0.1mmの場合、支持基材12の厚さを0.4mmとする。支持基材12の厚さは、通常の場合、0.2〜5.0mmであることが好ましい。
支持基材12がガラス板の場合、ガラス板の厚さは、扱いやすく、割れにくいなどの理由から、0.08mm以上であることが好ましい。また、ガラス板の厚さは、電子デバイス用部材形成後に剥離する際に、割れずに適度に撓むような剛性が望まれる理由から、1.0mm以下であることが好ましい。
支持基材12とガラス基板16との25〜300℃における線膨張係数の差は、好ましくは500×10-7/℃以下であり、より好ましくは300×10-7/℃以下であり、さらに好ましくは200×10-7/℃以下である。差が大き過ぎると、部材形成工程における加熱冷却時に、ガラス積層体10が激しく反ったり、支持基材12とガラス基板16とが剥離したりする可能性がある。支持基材12の材料がガラス基板16の材料と同じ場合、このような問題が生じるのを抑制することができる。
[ガラス基板]
ガラス基板16は、第1主面16aがシリコーン樹脂層14と接し、シリコーン樹脂層14側とは反対側の第2主面16bに電子デバイス用部材が設けられる。
ガラス基板16の種類は、一般的なものであってよく、例えば、LCD、OLEDといった表示装置用のガラス基板などが挙げられる。ガラス基板16は耐薬品性、耐透湿性に優れ、且つ、熱収縮率が低い。熱収縮率の指標としては、JIS R 3102(1995年改正)に規定されている線膨張係数が用いられる。
ガラス基板16の線膨張係数が大きいと、部材形成工程は加熱処理を伴うことが多いので、様々な不都合が生じやすい。例えば、ガラス基板16上にTFTを形成する場合、加熱下でTFTが形成されたガラス基板16を冷却すると、ガラス基板16の熱収縮によって、TFTの位置ずれが過大になるおそれがある。
ガラス基板16は、ガラス原料を溶融し、溶融ガラスを板状に成形して得られる。このような成形方法は、一般的なものであってよく、例えば、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法、フルコール法、ラバース法などが用いられる。また、特に厚さが薄いガラス基板16は、いったん板状に成形したガラスを成形可能温度に加熱し、延伸などの手段で引き伸ばして薄くする方法(リドロー法)で成形して得られる。
ガラス基板16のガラスの種類は特に限定されないが、無アルカリホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、高シリカガラス、その他の酸化ケイ素を主な成分とする酸化物系ガラスが好ましい。酸化物系ガラスとしては、酸化物換算による酸化ケイ素の含有量が40〜90質量%のガラスが好ましい。
ガラス基板16のガラスとしては、電子デバイス用部材の種類やその製造工程に適したガラスが採用される。例えば、液晶パネル用のガラス基板は、アルカリ金属成分の溶出が液晶に影響を与えやすいことから、アルカリ金属成分を実質的に含まないガラス(無アルカリガラス)からなる(ただし、通常アルカリ土類金属成分は含まれる)。このように、ガラス基板16のガラスは、適用されるデバイスの種類およびその製造工程に基づいて適宜選択される。
ガラス基板16の厚さは、ガラス基板16の薄型化および/または軽量化の観点から、0.3mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.15mm以下である。0.3mm以下の場合、ガラス基板16に良好なフレキシブル性を与えることが可能である。0.15mm以下の場合、ガラス基板16をロール状に巻き取ることが可能である。
また、ガラス基板16の厚さは、ガラス基板16の製造が容易であること、ガラス基板16の取り扱いが容易であることなどの理由から、0.03mm以上であることが好ましい。
なお、ガラス基板16は2層以上からなっていてもよく、この場合、各々の層を形成する材料は同種材料であってもよいし、異種材料であってもよい。また、この場合、「ガラス基板16の厚さ」は全ての層の合計の厚さを意味するものとする。
[シリコーン樹脂層]
シリコーン樹脂層14は、ガラス基板16と支持基材12とを分離する操作が行われるまでガラス基板16の位置ずれを防止すると共に、ガラス基板16などが分離操作によって破損するのを防止する。
シリコーン樹脂層14のガラス基板16と接する表面14aは、ガラス基板16の第1主面16aに剥離可能に密着する。シリコーン樹脂層14はガラス基板16の第1主面16aに弱い結合力で結合しており、その界面の剥離強度(y)は、シリコーン樹脂層14と支持基材12との間の界面の剥離強度(x)よりも低い。
すなわち、ガラス基板16と支持基材12とを分離する際には、ガラス基板16の第1主面16aとシリコーン樹脂層14との界面で剥離し、支持基材12とシリコーン樹脂層14との界面では剥離し難い。
このため、シリコーン樹脂層14はガラス基板16の第1主面16aと密着するが、ガラス基板16を容易に剥離することができる表面特性を有する。すなわち、シリコーン樹脂層14は、ガラス基板16の第1主面16aに対してある程度の結合力で結合してガラス基板16の位置ずれなどを防止していると同時に、ガラス基板16を剥離する際には、ガラス基板16を破壊することなく、容易に剥離できる程度の結合力で結合している。
本発明では、このシリコーン樹脂層14表面の容易に剥離できる性質を剥離性という。一方、支持基材12の第1主面とシリコーン樹脂層14とは相対的に剥離しにくい結合力で結合している。
なお、シリコーン樹脂層14とガラス基板16との界面の結合力は、ガラス積層体10のガラス基板16の面(第2主面16b)上に電子デバイス用部材を形成する前後に変化してもよい(すなわち、剥離強度(x)や剥離強度(y)が変化してもよい)。しかし、電子デバイス用部材を形成した後であっても、剥離強度(y)は、剥離強度(x)よりも低い。
シリコーン樹脂層14とガラス基板16の層とは、弱い接着力やファンデルワールス力に起因する結合力で結合していると考えられる。シリコーン樹脂層14を形成した後その表面にガラス基板16を積層する場合、シリコーン樹脂層14のシリコーン樹脂が接着力を示さないほど充分に架橋している場合はファンデルワールス力に起因する結合力で結合していると考えられる。
しかし、シリコーン樹脂層14のシリコーン樹脂は、ある程度の弱い接着力を有することが少なくない。たとえ接着性が極めて低い場合であっても、ガラス積層体10製造後その積層体上に電子デバイス用部材を形成する際には、加熱操作などにより、シリコーン樹脂層14のシリコーン樹脂はガラス基板16面に接着し、シリコーン樹脂層14とガラス基板16の層との間の結合力は上昇すると考えられる。
場合により、積層前のシリコーン樹脂層14の表面や積層前のガラス基板16の第1主面16aに両者間の結合力を弱める処理を行って積層することもできる。積層する面に非接着性処理などを行い、その後積層することにより、シリコーン樹脂層14とガラス基板16の層の界面の結合力を弱め、剥離強度(y)を低くすることができる。
シリコーン樹脂層14は、接着力や粘着力などの強い結合力で支持基材12表面に結合されている。
たとえば、上述したように、架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤とを支持基材12表面で架橋硬化させることにより、架橋物であるシリコーン樹脂を支持基材12表面に接着して、高い結合力を得ることができる。また、支持基材12表面とシリコーン樹脂層14との間に強い結合力を生じさせる処理(例えば、カップリング剤を使用した処理)を施して支持基材12表面とシリコーン樹脂層14との間の結合力を高めることができる。
シリコーン樹脂層14と支持基材12の層とが高い結合力で結合していることは、両者の界面の剥離強度(x)が高いことを意味する。
シリコーン樹脂層14の厚さは特に限定されないが、2〜100μmであることが好ましく、3〜50μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。
シリコーン樹脂層14の厚さがこのような範囲であると、シリコーン樹脂層14とガラス基板16との間に気泡や異物が介在することがあっても、ガラス基板16のゆがみ欠陥の発生を抑制することができる。
また、シリコーン樹脂層14の厚さが厚すぎると、形成するのに時間および材料を要するため経済的ではなく、耐熱性が低下する場合がある。一方、シリコーン樹脂層14の厚さが薄すぎると、シリコーン樹脂層14とガラス基板16との密着性が低下する場合がある。
なお、シリコーン樹脂層14は2層以上からなっていてもよい。この場合「シリコーン樹脂層14の厚さ」は全ての層の合計の厚さを意味するものとする。
また、シリコーン樹脂層14が2層以上からなる場合は、各々の層を形成する樹脂が異なる架橋シリコーン樹脂からなってもよい。
シリコーン樹脂層14のシリコーン樹脂は、後述する架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤との架橋物である。
以下では、架橋性オルガノポリシロキサン、架橋剤、および、これらの架橋物の態様について詳述する。
(架橋性オルガノポリシロキサン)
本発明で使用される架橋性オルガノポリシロキサンは、式(1)で表されるシロキサン単位(A)を含み、かつ、アルケニル基を有する。アルケニル基としては、例えば、炭素数3以下のアルケニルが挙げられ、ビニル基が好ましい。
アルケニル基は、例えば、式(1)のR1〜R4が表す1価の炭化水素基として含まれていてもよいし、また、架橋性オルガノポリシロキサンが後述する式(2)で表されるシロキサン単位(B)を有する場合には、式(2)中のR5およびR6が表す1価の炭化水素基として含まれていてもよい。
通常、オルガノポリシロキサンの基本構成単位は、メチル基やフェニル基に代表される1価の有機基がケイ素原子に何個結合しているかで分類され、以下に示すD単位と呼ばれる有機基が2つ結合した2官能性のシロキサン単位、T単位と呼ばれる有機基が1つ結合した3官能性のシロキサン単位、M単位と呼ばれる有機基が3つ結合した1官能性のシロキサン単位、Q単位と呼ばれる有機基が1つもない4官能性のシロキサン単位などからなる。
なお、Q単位はケイ素原子に結合した有機基(ケイ素原子に結合した炭素原子を有する有機基)を有しない単位であるが、本発明においてはシロキサン単位とみなす。以下の式中、Rはメチル基やフェニル基に代表される1価の有機基を表す。
シロキサン単位において、シロキサン結合は2個のケイ素原子が1個の酸素原子を介して結合した結合であることより、シロキサン結合におけるケイ素原子1個当たりの酸素原子は1/2個とみなし、式中O1/2と表現される。
より具体的には、例えば、1つのD単位においては、その1個のケイ素原子は2個の酸素原子と結合し、それぞれの酸素原子は他の単位のケイ素原子と結合していることより、その式は−O1/2−(R)2Si−O1/2−となる。O1/2が2個存在することより、D単位は(R)2SiO2/2と表現されるのが通常である。しかし、本発明では、後述するシロキサン単位(A)の表現に合わせて、以下のように、個々の酸素原子についてO1/2の表現を用い、M単位、D単位、T単位、Q単位を表現した。
なお、重合体鎖の末端の単位がM単位以外の単位である場合、末端単位のO1/2に結合するケイ素原子以外の原子は1/2個相当の酸素原子であり、合わせて1個の酸素原子となり、水酸基やアルコキシ基などにおける酸素原子を表現する。下記シロキサン単位の表現と同様に表現すれば、例えば末端単位のケイ素原子に結合する水酸基は−O1/2−Hとなる。
本発明における、後述するシロキサン単位(A)では、2つのケイ素原子のそれぞれが酸素原子と結合し、それぞれの酸素原子は単位外のケイ素原子と結合しているため、式(1)中、O1/2と表現される。シロキサン単位(A)は2官能性である点から、D単位とみなすことができる。
以下、本発明においてシロキサン単位(A)はD単位の1種とみなして、架橋性オルガノポリシロキサンを説明する。
式(1)のR1〜R4は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含有していてもよい1価の炭化水素基を表す。1価の炭化水素基としては、具体的には、1価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基など)または1価の芳香族炭化水素基が挙げられる。炭化水素基に含まれる炭素数は特に制限されないが、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制される点で、10個以下が好ましく、4個以下がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、フェニル基などが挙げられる。
1価の炭化水素基にはヘテロ原子が含有されていてもよく、ヘテロ原子としては例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはハロゲン原子などが挙げられる。より具体的には、−X1−、−N(Ra)−、−C(=X2)−、−CON(Rb)−、−C(=X3)X4−、−SON(Rc)−、ハロゲン原子、またはこれらを組み合わせた基の態様で含まれることが好ましい。X1〜X4は、それぞれ独立に、酸素原子および硫黄原子を表し、Ra、Rb、Rcは、それぞれ独立に、炭素数4以下の有機基を表す。
上記R1〜R4としては、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制される点で、炭素数4個以下のアルキル基(特に、メチル基が好ましい)またはフェニル基であることが好ましい。
式(1)中、Arは、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。なお、Arの2個の結合手は芳香族環を構成する炭素原子の結合手である。
2価の芳香族炭化水素基に含まれる炭素数は特に制限されないが、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制される点で、6〜18個が好ましく、6〜12個がより好ましい。
2価の芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基などが挙げられる。なかでも、低コスト化が可能で、かつ、シリコーン樹脂層14の柔軟性に優れ、シリコーン樹脂層14のガラス基板16に対する密着性および剥離性がより優れる点で、フェニレン基が好ましい。
なお、シリコーン樹脂層14により優れた耐熱性を付与したい場合は、Arとして多環の芳香族炭化水素基を使用することが好ましい。
なお、置換基の種類は特に制限されず、例えば、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基などが挙げられる。
本発明における架橋性オルガノポリシロキサンは、シロキサン単位として、シロキサン単位(A)のみを含む重合体であるか、または、シロキサン単位(A)と他のシロキサン単位とを含む共重合体である。
本発明における架橋性オルガノポリシロキサンは、線状重合体であることが好ましく、他のシロキサン単位としてはシロキサン単位(A)以外のD単位が好ましい。
架橋性オルガノポリシロキサンが線状重合体である場合、架橋性オルガノポリシロキサンはシロキサン単位(A)のみを含む重合体、シロキサン単位(A)と他のD単位とを含む重合体、シロキサン単位(A)とM単位とを含む重合体、シロキサン単位(A)と他のD単位とM単位とを含む重合体がある。ただし、シロキサン単位(A)、他のD単位、M単位はそれぞれ2種以上存在してもよい。
また、本発明における架橋性オルガノポリシロキサンは、少数の分岐を有する非線状の重合体であってもよい。この場合、分岐をもたらすT単位やQ単位を少数有する以外は上記線状重合体におけるD単位や場合によりさらにM単位を有する。
本発明における架橋性オルガノポリシロキサンとしては、D単位としてシロキサン単位(A)のみを含む重合体、および、シロキサン単位(A)と他のD単位とを含む重合体が好ましく、シロキサン単位(A)と他のD単位とを含む重合体がより好ましい。
他のD単位を含むオルガノポリシロキサンの架橋物(シリコーン樹脂)は、他のD単位を含まないオルガノポリシロキサンの架橋物(シリコーン樹脂)に比較して柔軟性が高く、ガラス基板に対するシリコーン樹脂層の密着性が良好である。
さらに、他のD単位がアルケニル基を含むD単位である場合には、架橋性が向上し、高温処理条件下における架橋物(シリコーン樹脂)の分解がより抑制される。
シロキサン単位(A)以外のD単位としては式(2)で表されるシロキサン単位(B)が好ましい。
式(2)中、R5およびR6は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含有していてもよい1価の炭化水素基を表す。ヘテロ原子を含有していてもよい1価の炭化水素の定義は、上述のR〜Rの場合と同一である。ただし、好ましい1価の炭化水素基としては上述に加え炭素数3以下のアルケニル基が挙げられる。
5およびR6としては、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制される点で、炭素数4個以下のアルキル(特に、メチル基が好ましい)または炭素数3個以下のアルケニル基(特に、ビニル基が好ましい)であることが好ましい。
シロキサン単位(B)の好適態様としては、架橋性オルガノポリシロキサン間での架橋がより進行し、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制される点で、シロキサン単位(B)が、R5とR6の少なくとも一方が炭素数3以下のアルケニル基であり該アルケニル基でない場合は炭素数4以下のアルキル基であるシロキサン単位(B−1)、および、R5とR6のいずれも炭素数4以下のアルキル基であるシロキサン単位(B−2)からなる群から選択され、架橋性オルガノポリシロキサン中のシロキサン単位(B)がシロキサン単位(B−1)のみからなるか、または、シロキサン単位(B−1)とシロキサン単位(B−2)からなる態様が挙げられる。
シロキサン単位(B−1)中、R5とR6の少なくとも一方は、炭素数3以下のアルケニル基であり、好ましくはビニル基である。また、R5とR6がアルケニル基以外の場合は、炭素数4以下のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
なお、シロキサン単位(B−1)の好適態様としては、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制される点で、R5またはR6の一方がメチル基で、他方がビニル基である態様が挙げられる。
シロキサン単位(B−2)中、R5とR6のいずれも炭素数4以下のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
シロキサン単位(B)がシロキサン単位(B−1)とシロキサン単位(B−2)とを含む場合、全シロキサン単位(B)に対するシロキサン単位(B−1)の割合である[シロキサン単位(B−1)]/[シロキサン単位(B−1)+シロキサン単位(B−2)]は特に制限されないが、架橋性オルガノポリシロキサン間での架橋がより進行し、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制されると共に、シリコーン樹脂層14のガラス基板16に対する密着性および剥離性がより優れる点で、30〜80モル%が好ましく、40〜60モル%がより好ましい。
なお、架橋性オルガノポリシロキサンは、上述したシロキサン単位(A)およびシロキサン単位(B)以外の他のシロキサン単位(例えば、M単位、T単位、Q単位)を含んでいてもよい。
しかし、分岐を有する単位(T単位やQ単位)が多く存在すると架橋物(シリコーン樹脂)の柔軟性が低下し、M単位が多く存在すると数平均分子量の低い重合体となり耐熱性等の物性が低下するおそれがある。
したがって、それらの数は少ない方が好ましく、D単位(シロキサン単位(A)とシロキサン単位(B))以外の単位の含有量は、0〜20モル%が好ましく、0〜5モル%がより好ましい。
架橋性オルガノポリシロキサンが上記シロキサン単位(A)および上記シロキサン単位(B)を含む場合、シロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との合計に対するシロキサン単位(A)の割合は、10〜90モル%が好ましく、30〜90モル%がより好ましく、40〜60モル%がさらに好ましい。
また、架橋性オルガノポリシロキサン中の全シロキサン単位に対するシロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との合計の割合は、80〜100モル%が好ましく、95〜100モル%がより好ましい。
さらに、架橋性オルガノポリシロキサン中におけるシロキサン単位(A)およびシロキサン単位(B)の結合形式は特に制限されず、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。なかでも、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制される点で、交互共重合体が好ましい。
本発明において、シロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との交互共重合体とは、シロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との結合が、シロキサン単位(A)とシロキサン単位(A)との結合およびシロキサン単位(B)とシロキサン単位(B)との結合の合計よりもはるかに多い共重合体を意味する。
これら3種の結合は、例えば1H NMR測定および29Si NMR測定により区別することができ、その測定によりそれら結合の相対的な数の割合を計算できる。
本発明におけるシロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との交互共重合体は、少数のランダム結合部分やブロック結合部分を含んでいてもよい。
交互共重合体におけるシロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との結合の割合は、上記3種の結合の合計に対して、80〜100モル%が好ましく、90〜100モル%がより好ましく、95〜100モル%がさらに好ましい。
なお、交互共重合体であるか否かを区別するものではないが、本発明における架橋性ポリシロキサンが交互共重合体の場合、その交互共重合体におけるシロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との合計に対するシロキサン単位(A)の割合は50±5モル%が好ましい。
本発明における交互共重合体は、1種のシリコーン樹脂であってもよく、また2種以上のシリコーン樹脂を混合してシロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との結合の割合が上記の好ましい割合となるように調整して得てもよい。
架橋性オルガノポリシロキサンの数平均分子量は特に制限されないが、取扱い性に優れると共に、成膜性にも優れ、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制される点で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定による、ポリスチレン換算の数平均分子量は5,000〜30,000が好ましく、10,000〜20,000がより好ましい。
架橋性オルガノポリシロキサンの数平均分子量の調節は、反応条件を制御することにより行うことができる。例えば、末端基量や種類、またモノマー混合比率を変えることによって分子量を制御することができる。末端基量を多くすると低分子量物が得られ、量を少なくすると高分子量が得られる。また、モノマー比率を偏らせると低分子量物が得られ、比率を等しくすると高分子量物が得られる。
架橋性オルガノポリシロキサンの製造方法は、上述した式(1)で表されるシロキサン単位(A)が含まれれば特に制限されない。例えば、式(3)で表されるシラン化合物を縮合反応や加水分解・縮合反応で重合させて、製造することができる。
シロキサン単位(B)を有する架橋性オルガノポリシロキサンの場合はさらに式(4)で表わされるシラン化合物を使用して製造することができる。
さらに他のシロキサン単位を有する架橋性オルガノポリシロキサンは、シラノール基や加水分解性基を1個以上有するシラン化合物を使用して製造することができる。
重合反応は通常不活性溶媒中で行われ、無触媒下、加熱のみで反応させることできる。必要により、反応触媒を使用することもできる。
シロキサン単位(A)を有する架橋性オルガノポリシロキサンやその製造方法は基本的に公知であり、例えば、特開平9−59387号公報、特開2008−280402号公報に記載されている。本発明における架橋性オルガノポリシロキサンやその製造方法は、このような公知文献記載のものを使用できる。
式(3)および式(4)中、R1〜R6は、式(1)および式(2)中のR1〜R6と同義である。
式(3)中、X、Yは、それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基(例えば、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などの1〜3級のアミノ基;ハロゲン基;アルコキシ基;等)を表す。
交互共重合体は、反応性が異なる2種の単量体を重合させることにより得ることができる。例えば、シロキサン単位(A)となる上記式(3)で表わされるシラン化合物の重合反応性基であるXと、シロキサン単位(B)となる上記式(4)で表わされるシラン化合物の重合反応性基であるYとの相互の反応性が、X同士の反応性およびY同士の反応性のいずれよりも高くなるものを選択して、上記2種のシラン化合物を実質的に等モル量反応させることにより、交互共重合体を製造することができる。XとYの反応性が、X同士の反応性およびY同士の反応性のいずれよりもより高いものとすることにより、ランダム結合部分やブロック結合部分のより少ない交互共重合体が得られる。
交互共重合体を製造する場合、XおよびYのいずれか一方が水酸基であり、他方がアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などの1〜3級のアミノ基であることが好ましい。特に、一方が水酸基で他方がジアルキルアミノ基であることが好ましく、Xが水酸基でYがジアルキルアミノ基であることがより好ましい。なお、モノアルキルアミノ基やジアルキルアミノ基におけるアルキル基は炭素数4以下のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
オルガノポリシロキサンの交互共重合体やその製造方法は基本的に公知であり、例えば、Macromolecules 1998, 31, 8501またはJournal of Applied Polymer Science, Vol.106, 1007, 2007)にオルガノポリシロキサンの交互共重合体やその製造方法が記載されている。本発明における交互共重合体やその製造方法はこれら公知文献に記載のものを使用することができる。
具体的な製造方法としては、例えば、上記式(3)で表わされるシラン化合物(Xが水酸基であるもの)の有機溶媒溶液と、上記式(4)で表わされるシラン化合物(Yがジメチルアミノ基であるもの)の有機溶媒溶液とを両シラン化合物が等モル量となる割合で混合し加熱撹拌しながら反応させる方法;一方の有機溶媒溶液に加熱撹拌下に他方の有機溶媒溶液を分割してまたは連続的に添加しながら反応させる方法;などで交互共重合体を製造することができる。
本発明で使用される架橋性オルガノポリシロキサンの好適な態様は、式(1)で表わされるシロキサン単位(A)と、式(2)で表わされるシロキサン単位(B)とを有し、式(1)におけるR1〜R4が炭素数4以下のアルキル基またはフェニル基であり、式(2)におけるR5およびR6の少なくとも一方が炭素数3以下のアルケニル基である、オルガノポリシロキサンである。
(架橋剤)
次に、本発明で使用される架橋剤について説明する。本発明における架橋剤は、2個以上のヒドロシリル基(Si−H)を有する架橋剤であれば特に限定されないが、ヒドロシリル基の個数は、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂内の未架橋アルケニル基の数が減り、分解による発泡、クラック発生が抑制されるという理由から、2〜6個が好ましく、2〜4個がより好ましい。
本発明における架橋剤は、高温処理条件下におけるシリコーン樹脂の分解がより抑制されるという理由から、2個以上のヒドロシリル基のほかに、さらに芳香族炭化水素基または複素環基を有するのが好ましく、芳香族炭化水素基を有するのがより好ましい。
これらの芳香族炭化水素基または複素環基は、ヒドロシリル基(Si−H)中のケイ素原子(Si)と結合していることが好ましい。
芳香族炭化水素基としては、例えば、置換または無置換のベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ターフェニル、フルオレン、フェナントレン、トリフェニレン、ペリレン、クリセン、フルオランテン、ベンゾフルオレン、ベンゾトリフェニレン、ベンゾクリセン、アントラセンなどの芳香族炭化水素からヒドロシリル基中のケイ素原子の個数に対応する個数の水素原子を除いた残基が挙げられ、なかでも、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ターフェニル、フルオレン、フェナントレンから水素原子を除いた残基が好ましく、ベンゼン、ナフタレンから水素原子を除いた残基がより好ましい。
複素環基としては、例えば、置換または無置換のピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジヒドロアクリジン等の複素環からヒドロシリル基中のケイ素原子の個数に対応する個数の水素原子を除いた残基が挙げられ、なかでも、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノキサジン、ジヒドロアクリジンから水素原子を除いた残基が好ましい。
このような架橋剤としては、例えば、式(5)で表される化合物が好適に挙げられる。
式(5)中のR7およびR8は、それぞれ独立に、炭素数6以下のアルキル基または水素原子を表し、炭素数6以下のアルキル基が好ましい。
炭素数6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられ、なかでも、炭素数4以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
式(5)中のL1は、単結合または2価の連結基を表し、単結合が好ましい。
2価の連結基としては、例えば、メチレン基、エチレン基などのアルキレン基;ベンジリデン基などのアラルキレン基;フェニレン基などのアリーレン基;等が挙げられ、アルキレン基が好ましい。
式(5)中のnは2以上の整数を表し、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。
式(5)中のAr1は、n価の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、芳香族炭化水素基が好ましい。
芳香族炭化水素基としては、例えば、置換または無置換のベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ターフェニル、フルオレン、フェナントレン、トリフェニレン、ペリレン、クリセン、フルオランテン、ベンゾフルオレン、ベンゾトリフェニレン、ベンゾクリセン、アントラセンなどの芳香族炭化水素からn個の水素原子を除いた残基が挙げられ、なかでも、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ターフェニル、フルオレン、フェナントレンから水素原子を除いた残基が好ましく、ベンゼン、ナフタレンから水素原子を除いた残基がより好ましい。
複素環基としては、例えば、置換または無置換のピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジヒドロアクリジン等の複素環からn個の水素原子を除いた残基が挙げられ、なかでも、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノキサジン、ジヒドロアクリジンから水素原子を除いた残基が好ましい。
式(5)で表される化合物としては、入手しやすいものとして、例えば、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,3,5−トリス(ジメチルシリル)ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されないことはいうまでもない。
(架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤との架橋物)
アルケニル基を有する架橋性オルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル基を有する架橋剤とは、ヒドロシリル化触媒の存在下、ヒドロシリル化反応により架橋して架橋物となる。
ヒドロシリル化触媒としては例えば白金系触媒が好ましく用いられ、白金系触媒としては、公知のものを用いることができ、その具体例としては、塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸;塩化白金酸のアルコール化合物;アルデヒド化合物または塩化白金酸と各種オレフィンとの鎖塩;等が挙げられる。
白金系触媒の配合量としては、特に限定されず従来公知の配合量を採用できるが、例えば、架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤との合計100質量部に対して、白金換算で、0.001〜0.1質量部が挙げられ、0.005〜0.08質量部が好ましい。
ヒドロシリル化反応に際しては、架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤とを、架橋性オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基の個数に対する架橋剤が有するヒドロシリル基(Si−H)の個数の比が0.3〜1.8となる量で反応させるのが好ましく、上記比が0.4〜1.2となる量がより好ましい。
なお、架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤を、それそれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下、架橋性オルガノポリシロキサンと架橋剤とを架橋硬化させて架橋物であるシリコーン樹脂を形成することを、単に架橋性オルガノポリシロキサンの硬化ともいう。
[ガラス積層体およびその製造方法]
本発明のガラス積層体10は、上述したように、支持基材12とガラス基板16とそれらの間にシリコーン樹脂層14とが存在する積層体である。
本発明のガラス積層体10の製造方法は特に制限されないが、剥離強度(x)が剥離強度(y)よりも高い積層体を得るために、支持基材12表面上で所定の架橋性オルガノポリシロキサンを硬化させてシリコーン樹脂層14を形成する方法が好ましい。すなわち、架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤の層を支持基材12の表面に形成し、支持基材12表面上で架橋性オルガノポリシロキサンを硬化させてシリコーン樹脂層14を形成し、次いで、シリコーン樹脂層14のシリコーン樹脂面にガラス基板16を積層して、ガラス積層体10を製造する方法である。
架橋性オルガノポリシロキサンを支持基材12表面で硬化させると、硬化反応時の支持基材12表面との相互作用により接着し、シリコーン樹脂と支持基材12表面との剥離強度は高くなると考えられる。したがって、ガラス基板16と支持基材12とが同じ材質からなるものであっても、シリコーン樹脂層14と両者間の剥離強度に差を設けることができる。
以下、架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤の層を支持基材12の表面に形成し、支持基材12表面上で架橋性オルガノポリシロキサンを硬化させてシリコーン樹脂層14を形成する工程を「樹脂層形成工程」、シリコーン樹脂層14のシリコーン樹脂面にガラス基板16を積層してガラス積層体10とする工程を「積層工程」といい、各工程の手順について詳述する。
(樹脂層形成工程)
樹脂層形成工程では、架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤の層を支持基材12の表面に形成し、支持基材12表面上で架橋性オルガノポリシロキサンを硬化させてシリコーン樹脂層14を形成する。
支持基材12上に架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤の層を形成するためには、架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤を溶媒に溶解させたコーティング用組成物を使用し、この組成物を支持基材12上に塗布して溶液の層を形成し、次いで溶媒を除去して架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤の層とすることが好ましい。組成物中における架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤の濃度の調整などにより、架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤の層の厚さを制御することができる。
溶媒としては、作業環境下で架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤を容易に溶解でき、かつ、容易に揮発除去させることのできる溶媒であれば、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、THF、クロロホルム等を例示することができる。コーティング用組成物が溶媒を含む場合、溶媒は、後述する架橋の際に除去される。
支持基材12表面上に架橋性オルガノポリシロキサンおよび架橋剤を含む組成物を塗布する方法は特に限定されず、公知の方法を使用することができる。例えば、スプレーコート法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、グラビアコート法などが挙げられる。
次いで、支持基材12上の架橋性オルガノポリシロキサンを硬化させて、シリコーン樹脂層14を形成する。より具体的には、図2(A)に示すように、該工程では支持基材12の少なくとも片面の表面上にシリコーン樹脂層14が形成される。
硬化の方法は、上述したように、ヒドロシリル化反応による架橋である。すなわち、ヒドロシリル化反応によりシリコーン樹脂層14を製造する。
ヒドロシリル化反応に際しての温度条件は、60〜250℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。
また、加熱時間は、10〜120分が好ましく、20〜60分がより好ましい。
(積層工程)
積層工程は、上記の樹脂層形成工程で得られたシリコーン樹脂層14のシリコーン樹脂面上にガラス基板16を積層し、支持基材12の層とシリコーン樹脂層14とガラス基板16の層とをこの順で備えるガラス積層体10を得る工程である。
より具体的には、図2(B)に示すように、シリコーン樹脂層14の支持基材12側とは反対側の表面14aと、第1主面16aおよび第2主面16bを有するガラス基板16の第1主面16aとを積層面として、シリコーン樹脂層14とガラス基板16とを積層し、ガラス積層体10を得る。
ガラス基板16をシリコーン樹脂層14上に積層する方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。
例えば、常圧環境下でシリコーン樹脂層14の表面上にガラス基板16を重ねる方法が挙げられる。なお、必要に応じて、シリコーン樹脂層14の表面上にガラス基板16を重ねた後、ロールやプレスを用いてシリコーン樹脂層14にガラス基板16を圧着させてもよい。ロールまたはプレスによる圧着により、シリコーン樹脂層14とガラス基板16の層との間に混入している気泡が比較的容易に除去されるので好ましい。
真空ラミネート法や真空プレス法により圧着すると、気泡の混入の抑制や良好な密着の確保が行われるのでより好ましい。真空下で圧着することにより、微小な気泡が残存した場合でも、加熱により気泡が成長することがなく、ガラス基板16のゆがみ欠陥につながりにくいという利点もある。
ガラス基板16を積層する際には、シリコーン樹脂層14に接触するガラス基板16の表面を十分に洗浄し、クリーン度の高い環境で積層することが好ましい。クリーン度が高いほど、ガラス基板16の平坦性は良好となるので好ましい。
ガラス基板16を積層した後、必要に応じて、プレアニール処理(加熱処理)を行ってもよい。該プレアニール処理を行うことにより、積層されたガラス基板16のシリコーン樹脂層14に対する密着性が向上し、適切な剥離強度(y)とすることができ、後述する部材形成工程の際に電子デバイス用部材の位置ずれなどが生じにくくなり、電子デバイスの生産性が向上する。
プレアニール処理の条件は使用されるシリコーン樹脂層14の種類に応じて適宜最適な条件が選択されるが、ガラス基板16とシリコーン樹脂層14との間の剥離強度(y)をより適切なものとする点から、300℃以上(好ましくは、300〜400℃)で5分間以上(好ましく、5〜30分間)加熱処理を行うことが好ましい。
ガラス基板16の第1主面に対する剥離強度と支持基材12の第1主面に対する剥離強度とに差を設けたシリコーン樹脂層14の形成は、上記方法に限られるものではない。
例えば、シリコーン樹脂表面に対する密着性がガラス基板16よりも高い材質の支持基材12を用いる場合には、架橋性オルガノポリシロキサンを何らかの剥離性表面上で硬化してシリコーン樹脂のフィルムを製造し、このフィルムをガラス基板16と支持基材12との間に介在させ同時に積層することができる。
また、架橋性オルガノポリシロキサンの硬化による接着性がガラス基板16に対して充分低くかつその接着性が支持基材12に対して充分高い場合は、ガラス基板16と支持基材12の間で架橋性オルガノポリシロキサンを硬化させてシリコーン樹脂層14を形成することができる。
さらに、支持基材12がガラス基板16と同様のガラス材料からなる場合であっても、支持基材12表面の接着性を高める処理を施してシリコーン樹脂層14に対する剥離強度を高めることもできる。例えば、シランカップリング剤のような化学的に固定力を向上させる化学的方法(プライマー処理)や、フレーム(火炎)処理のように表面活性基を増加させる物理的方法、サンドブラスト処理のように表面の粗度を増加させることにより引っかかりを増加させる機械的処理方法などが例示される。
(ガラス積層体)
本発明のガラス積層体10は、種々の用途に使用することができ、例えば、後述する表示装置用パネル、PV、薄膜2次電池、表面に回路が形成された半導体ウェハ等の電子部品を製造する用途などが挙げられる。なお、該用途では、ガラス積層体10が高温条件(例えば、400℃以上)で曝される(例えば、1時間以上)場合が多い。
ここで、表示装置用パネルとは、LCD、OLED、電子ペーパー、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションパネル、量子ドットLEDパネル、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッターパネル等が含まれる。
[部材付きガラス基板およびその製造方法]
本発明においては、上述した積層体を用いて、ガラス基板と電子デバイス用部材とを含む部材付きガラス基板(電子デバイス用部材付きガラス基板)が製造される。
該部材付きガラス基板の製造方法は特に限定されないが、電子デバイスの生産性に優れる点から、上記ガラス積層体中のガラス基板上に電子デバイス用部材を形成して電子デバイス用部材付き積層体を製造し、得られた電子デバイス用部材付き積層体からシリコーン樹脂層のガラス基板側界面を剥離面として部材付きガラス基板とシリコーン樹脂層付き支持基材とに分離する方法が好ましい。
以下、上記ガラス積層体中のガラス基板上に電子デバイス用部材を形成して電子デバイス用部材付き積層体を製造する工程を「部材形成工程」、電子デバイス用部材付き積層体からシリコーン樹脂層のガラス基板側界面を剥離面として部材付きガラス基板とシリコーン樹脂層付き支持基材とに分離する工程を「分離工程」という。
以下に、各工程で使用される材料および手順について詳述する。
(部材形成工程)
部材形成工程は、上記積層工程において得られたガラス積層体10中のガラス基板16上に電子デバイス用部材を形成する工程である。より具体的には、図2(C)に示すように、ガラス基板16の第2主面16b(露出表面)上に電子デバイス用部材20を形成し、電子デバイス用部材付き積層体22を得る。
まず、本工程で使用される電子デバイス用部材20について詳述し、その後工程の手順について詳述する。
(電子デバイス用部材(機能性素子))
電子デバイス用部材20は、ガラス積層体10中のガラス基板16上に形成され電子デバイスの少なくとも一部を構成する部材である。
より具体的には、電子デバイス用部材20としては、表示装置用パネル、太陽電池、薄膜2次電池、または、表面に回路が形成された半導体ウェハ等の電子部品などに用いられる部材(例えば、表示装置用部材、太陽電池用部材、薄膜2次電池用部材、電子部品用回路)が挙げられる。
例えば、太陽電池用部材としては、シリコン型では、正極の酸化スズなど透明電極、p層/i層/n層で表されるシリコン層、および負極の金属等が挙げられ、その他に、化合物型、色素増感型、量子ドット型などに対応する各種部材等を挙げることができる。
また、薄膜2次電池用部材としては、リチウムイオン型では、正極および負極の金属または金属酸化物等の透明電極、電解質層のリチウム化合物、集電層の金属、封止層としての樹脂等が挙げられ、その他に、ニッケル水素型、ポリマー型、セラミックス電解質型などに対応する各種部材等を挙げることができる。
また、電子部品用回路としては、CCDやCMOSでは、導電部の金属、絶縁部の酸化ケイ素や窒化珪素等が挙げられ、その他に圧力センサ・加速度センサなど各種センサやリジッドプリント基板、フレキシブルプリント基板、リジッドフレキシブルプリント基板などに対応する各種部材等を挙げることができる。
(工程の手順)
上述した電子デバイス用部材付き積層体22の製造方法は特に限定されず、電子デバイス用部材の構成部材の種類に応じて従来公知の方法にて、ガラス積層体10のガラス基板16の第2主面16b表面上に、電子デバイス用部材20を形成する。
なお、電子デバイス用部材20は、ガラス基板16の第2主面16bに最終的に形成される部材の全部(以下、「全部材」という)ではなく、全部材の一部(以下、「部分部材」という)であってもよい。シリコーン樹脂層14から剥離された部分部材付きガラス基板を、その後の工程で全部材付きガラス基板(後述する電子デバイスに相当)とすることもできる。
シリコーン樹脂層14から剥離された、全部材付きガラス基板には、その剥離面(第1主面16a)に他の電子デバイス用部材が形成されてもよい。
また、全部材付き積層体を組み立て、その後、全部材付き積層体からシリコーン樹脂層付き支持基材18を剥離して、電子デバイスを製造することもできる。さらに、全部材付き積層体を2枚用いて組み立て、その後、全部材付き積層体から2枚のシリコーン樹脂層付き支持基材18を剥離して、2枚のガラス基板を有する部材付きガラス基板を製造することもできる。
例えば、OLEDを製造する場合を例にとると、ガラス積層体10のガラス基板16のシリコーン樹脂層14側とは反対側の表面上(ガラス基板16の第2主面16bに該当)に有機EL構造体を形成するために、透明電極を形成する、さらに透明電極を形成した面上にホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する、裏面電極を形成する、封止板を用いて封止する、等の各種の層形成や処理が行われる。これらの層形成や処理として、具体的には、例えば、成膜処理、蒸着処理、封止板の接着処理等が挙げられる。
また、例えば、TFT−LCDを製造する場合は、ガラス積層体10のガラス基板16の第2主面16b上に、レジスト液を用いて、CVD法およびスパッター法など、一般的な成膜法により形成される金属膜および金属酸化膜等にパターン形成して薄膜トランジスタ(TFT)を形成するTFT形成工程、別のガラス積層体10のガラス基板16の第2主面16b上に、レジスト液をパターン形成に用いてカラーフィルタ(CF)を形成するCF形成工程、および、TFT形成工程で得られたTFT付き積層体とCF形成工程で得られたCF付き積層体とを積層する貼合わせ工程等の各種工程を有する。
TFT形成工程やCF形成工程では、周知のフォトリソグラフィ技術やエッチング技術等を用いて、ガラス基板16の第2主面16bにTFTやCFを形成する。この際、パターン形成用のコーティング液としてレジスト液が用いられる。
なお、TFTやCFを形成する前に、必要に応じて、ガラス基板16の第2主面16bを洗浄してもよい。洗浄方法としては、周知のドライ洗浄やウェット洗浄を用いることができる。
貼合わせ工程では、TFT付き積層体の薄膜トランジスタ形成面と、CF付き積層体のカラーフィルタ形成面とを対向させて、シール剤(例えば、セル形成用紫外線硬化型シール剤)を用いて貼り合わせる。その後、TFT付き積層体とCF付き積層体とで形成されたセル内に、液晶材を注入する。液晶材を注入する方法としては、例えば、減圧注入法、滴下注入法がある。
(分離工程)
分離工程は、図2(D)に示すように、上記部材形成工程で得られた電子デバイス用部材付き積層体22から、シリコーン樹脂層14とガラス基板16との界面を剥離面として、電子デバイス用部材20が積層したガラス基板16(部材付きガラス基板)と、シリコーン樹脂層付き支持基材18とに分離して、電子デバイス用部材20およびガラス基板16を含む部材付きガラス基板24を得る工程である。
剥離時のガラス基板16上の電子デバイス用部材20が必要な全構成部材の形成の一部である場合には、分離後、残りの構成部材をガラス基板16上に形成することもできる。
ガラス基板16とシリコーン樹脂層付き支持基材18とを剥離する方法は、特に限定されない。具体的には、例えば、ガラス基板16とシリコーン樹脂層14との界面に鋭利な刃物状のものを差し込み、剥離のきっかけを与えた上で、水と圧縮空気との混合流体を吹き付けたりして剥離することができる。
好ましくは、電子デバイス用部材付き積層体22の支持基材12が上側、電子デバイス用部材20側が下側となるように定盤上に設置し、電子デバイス用部材20側を定盤上に真空吸着し(両面に支持基材が積層されている場合は順次行う)、この状態でまず刃物をガラス基板16とシリコーン樹脂層14との界面に刃物を侵入させる。そして、その後に支持基材12側を複数の真空吸着パッドで吸着し、刃物を差し込んだ箇所付近から順に真空吸着パッドを上昇させる。そうするとシリコーン樹脂層14とガラス基板16との界面やシリコーン樹脂層14の凝集破壊面へ空気層が形成され、その空気層が界面や凝集破壊面の全面に広がり、支持基材12を容易に剥離することができる。
また、支持基材12は、新たなガラス基板と積層して、本発明のガラス積層体10を製造することができる。
なお、ガラス積層体10から部材付きガラス基板24を分離する際においては、イオナイザによる吹き付けや湿度を制御することにより、シリコーン樹脂層14の欠片が部材付きガラス基板24に静電吸着することをより抑制することができる。
上述した部材付きガラス基板24の製造方法は、スマートフォンやタブレット型PCなどのモバイル端末に使用される小型の表示装置の製造に好適である。表示装置は主としてLCDまたはOLEDであり、LCDとしては、TN型、STN型、FE型、TFT型、MIM型、IPS型、VA型等を含む。基本的にパッシブ駆動型、アクティブ駆動型のいずれの表示装置の場合でも適用することができる。
上記方法で製造された部材付きガラス基板24としては、ガラス基板と表示装置用部材とを有する表示装置用パネル、ガラス基板と太陽電池用部材とを有する太陽電池、ガラス基板と薄膜2次電池用部材とを有する薄膜2次電池、ガラス基板と電子デバイス用部材とを有する電子部品などが挙げられる。表示装置用パネルとしては、液晶パネル、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションパネルなどを含む。
以下に、実施例等により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
以下では、ガラス基板として、無アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラス板(縦274mm、横274mm、板厚0.2mm、線膨張係数38×10-7/℃、旭硝子社製商品名「AN100」)を使用した。
また、支持基材としては、同じく無アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラス板(縦274mm、横274mm、板厚0.4mm、線膨張係数38×10-7/℃、旭硝子社製商品名「AN100」)を使用した。
<製造例1:架橋性オルガノポリシロキサン(P1)の製造>
窒素雰囲気中、シロキサン単位(A)を構成する化合物として1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼン(35質量部、ゲレスト社製)を、トルエン(90質量部)に加えた。次に、反応溶液を110℃に加熱して、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン(11質量部、ゲレスト社製)およびビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン(12質量部、ゲレスト社製)を溶解させたトルエン(40質量部)溶液を約5分かけて反応溶液に滴下した。その後、反応溶液を110℃で1時間攪拌した。攪拌終了後、反応溶液を室温まで自然冷却し、反応溶液をメタノール(3250質量部)中に加えて再沈殿処理を行った。次に、沈殿物を回収し、真空乾燥することにより、無色透明で液体状の架橋性オルガノポリシロキサン(P1)を得た。
得られた架橋性オルガノポリシロキサン(P1)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による数平均分子量(ポリスチレン換算)が、1.2×104であった。
さらに、1H NMR測定、29Si NMR測定、および13CNMR測定により、オルガノポリシロキサン(P1)の構造を同定した。1H NMR測定および29Si NMR測定におけるスペクトルの帰属は、Journal of Applied Polymer Science, 2007, 106, 1007-1013を参照した。
1H NMR、29Si NMR、および13C NMR測定装置:JEOL RESONANCE社製 ECA600
1H NMR測定方法:試料にCDCL3を添加し、試料濃度が10質量%になるように調製した。基準には、テトラメチルシランを用いた。
29Si NMR測定方法:試料にCDCL3を添加し、試料濃度が30質量%になるように調製した。また、緩和試薬としてアセチルアセトンクロム塩を添加し、試料に対して0.1質量%になるように調製した。基準には、テトラメチルシランを用いた。
13C NMR測定:試料にCDCL3を添加し、試料濃度が10質量%になるように調製した。基準には、テトラメチルシランを用いた。
1H NMR測定からは、共重合体の組成が求められる。1H NMR測定から得られたスペクトルを、Journal of Applied Polymer Science, 2007, 106, 1007-1013に記載の方法で各帰属を求めた。その結果、シロキサン単位(A)のフェニレン基由来である7.55ppm、シロキサン単位(B−1)と(B−2)のメチル基由来である0.337ppおよび0.142ppm、シロキサン単位(B−2)のビニル基由来である5.9ppm、が確認された。
29Si NMRおよび13C NMRからは、結合に関する情報が得られる。
29Si NMR測定から得られたスペクトルを、Journal of Applied Polymer Science, 2007, 106, 1007-1013に記載の方法で各帰属を求めた。
下記式(α)〜(δ)で表わされる式中の、Siの帰属である、それぞれ−19.5ppm、−33.4ppm、−2.5ppm、−1.6ppmのスペクトルが確認された。また、同じシロキサン単位が連結しているケイ素原子のスペクトルは観察されないか、観察されても極めて低い濃度であった。シロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)とが交互に配置された交互共重合体であることが確認された。また、−19.5ppmおよび−33.4ppmのスペクトルの積分値から、シロキサン単位(A)とシロキサン単位(B)との結合が架橋性オルガノポリシロキサン(P1)中90モル%であることが確認された。



架橋性オルガノポリシロキサン(P1)中の全シロキサン単位に対する割合は、シロキサン単位(A)が50モル%、シロキサン単位(B−1)が25モル%、シロキサン単位(B−2)が25モル%であった。
<製造例2:架橋剤(XL1)の製造>
窒素雰囲気中、ジメチルクロロシラン(60.11g)および金属マグネシウム(15.29)を、脱水THF(167.8g)に加えた(反応溶液A)。別の容器に、1,3,5−トリブロモベンゼン(40g)を脱水THF(108.8g)に溶解させた(反応溶液B)。反応溶液Aへ反応溶液Bを滴下し、その後、3時間還流(66℃)を行った。反応終了後、低沸点化合物およびTHFを真空下で除去し、ヘキサンを加えて抽出した。さらに、ヘキサンを真空中で留去した。得られた粗生成物を蒸留により精製し、無色透明液体状の1,3,5−トリス(ジメチルシリル)ベンゼンである架橋剤(XL1)を得た。収量は20.0g(収率64%)、純度>96%(GC)であった。
<実施例1>
(塗工液U1の調製)
架橋性オルガノポリシロキサン(P1)20.0gを、トルエン32.4gに溶解させて、架橋性オルガノポリシロキサン(P1)を含む液状物を作製した。さらに、白金系触媒溶液0.54gを加えた。なお、白金系触媒溶液としては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)錯体溶液(溶媒:キシレン、白金量:〜2質量%、アルドリッチ社製)を使用した。その後、架橋剤(XL1)を1.61g加えた後、フィルターでろ過精製を行い、架橋性オルガノポリシロキサン(P1)および架橋剤(XL1)を含む塗工液(U1)を調製した。
すなわち、塗工液(U1)においては、架橋性オルガノポリシロキサン(P1)が有するビニル基の個数に対する架橋剤(XL1)が有するヒドロシリル基の個数の比の値を、0.5とした。
(シリコーン樹脂層付き支持基材の製造)
次に、支持基材を純水洗浄した後、さらにUV洗浄して清浄化した。
次に、支持基材の第1主面上に、液状物(U1)をスピンコータにて塗工した。
次に、これを150℃にて30分間大気中で加熱硬化して、支持基材の第1主面に厚さ7.5μmのシリコーン樹脂層を形成し、シリコーン樹脂層付き支持基材を得た。なお、得られたシリコーン樹脂層付き支持基材において、シリコーン樹脂層にクラックは確認されなかった。
(ガラス積層体S1の製造)
次に、シリコーン樹脂層付き支持基材のシリコーン樹脂層の剥離性表面と、ガラス基板の第1主面とを対向させて、室温下、大気圧下、積層装置にて両基板の重心が重なるように両基板を重ね合わせ、ガラス積層体S1を得た。
得られたガラス積層体S1は上述した図1のガラス積層体10に相当し、ガラス積層体S1においては、支持基材の層とシリコーン樹脂層の界面の剥離強度(x)が、シリコーン樹脂層とガラス基板の界面の剥離強度(y)よりも高かった。
次に、得られたガラス積層体S1を用いて、以下の評価を行なった。
(耐熱性評価)
ガラス積層体S1から50mm角のサンプルを切り出し、このサンプルを450℃(窒素雰囲気下)に加熱した熱風オーブン内に載置し、60分の放置後、取り出した。取り出したサンプル内のシリコーン樹脂層に発泡または着色は確認されなかったことから、シリコーン樹脂層の分解が抑制されたものと評価できる。
(剥離性評価)
ガラス積層体S1から50mm角のサンプルを切り出し、このサンプルを450℃(窒素雰囲気下)に加熱した熱風オーブン内に載置し、60分の放置後、取り出した。次いで、ガラス積層体S1のガラス基板の第2主面を定盤に真空吸着させたうえで、ガラス積層体S1の1つのコーナー部のガラス基板とシリコーン樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、上記ガラス基板の第1主面と上記シリコーン樹脂層の剥離性表面との間に剥離のきっかけを与えた。そして、ガラス積層体S1の支持基材の第2主面を90mmピッチで複数の真空吸着パッドで吸着した上で、上記コーナー部に近い吸着パッドから順に上昇させることにより、ガラス基板の第1主面とシリコーン樹脂層の剥離性表面とを剥離した。
上記結果より、高温加熱処理後もガラス基板が剥離(界面剥離)できることが確認された。
なお、シリコーン樹脂層の主要部は支持基材と共にガラス基板から分離され、該結果より、支持基材の層と樹脂層の界面の剥離強度(x)が、シリコーン樹脂層とガラス基板の界面の剥離強度(y)よりも高いことが確認された。
<実施例2>
使用した架橋剤(XL1)の量を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、塗工液(U2)を調製して、シリコーン樹脂層付き支持基材を得た後、ガラス積層体S2を得た。
塗工液(U2)においては、架橋性オルガノポリシロキサン(P1)が有するビニル基の個数に対する架橋剤(XL1)が有するヒドロシリル基の個数の比の値を、1とした。
なお、得られたシリコーン樹脂層付き支持基材においては、シリコーン樹脂層にクラックは確認されなかった。
また、得られたガラス積層体S2においては、支持基材の層とシリコーン樹脂層の界面の剥離強度(x)が、シリコーン樹脂層とガラス基板の界面の剥離強度(y)よりも高かった。
(耐熱性評価)
得られたガラス積層体S2を用いて、実施例1と同様にして耐熱性評価を行なった。その結果、取り出したサンプル内のシリコーン樹脂層に発泡または着色は確認されなかったことから、シリコーン樹脂層の分解が抑制されたものと評価できる。
(剥離性評価)
得られたガラス積層体S2を用いて、実施例1と同様にして剥離性評価を行なった。その結果、高温加熱処理後もガラス基板が剥離(界面剥離)できることが確認された。
なお、シリコーン樹脂層の主要部は支持基材と共にガラス基板から分離され、該結果より、支持基材の層と樹脂層の界面の剥離強度(x)が、シリコーン樹脂層とガラス基板の界面の剥離強度(y)よりも高いことが確認された。
<比較例1>
液状物(U1)の代わりに、無溶媒付加反応型剥離紙用シリコーン(信越シリコーン社製 商品名KNS−320A)100質量部と白金系触媒(信越シリコーン社製 商品名CAT−PL−56)2質量部との混合物を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、ガラス積層体C1を得た。
なお、上記ガラス積層体C1の態様は、特許文献1に記載の態様に相当する。
(耐熱性評価)
得られたガラス積層体C1を用いて、実施例1と同様にして耐熱性評価を行なった。その結果、取り出したサンプル内のシリコーン樹脂層に発泡および着色が確認された。このため、シリコーン樹脂層の分解が生じたものと考えられる。
(剥離性評価)
得られたガラス積層体C1を用いて、実施例1と同様にして剥離性評価を行なった。その結果、シリコーン樹脂層が発泡しており、その一部がガラス基板の第1主面に付着した凝集破壊のような状態で剥離された。
<実施例3>
本例では、実施例1で得たガラス積層体S1を用いてOLEDを製造する。
まず、ガラス積層体S1におけるガラス基板の第2主面上に、プラズマCVD法により窒化シリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンの順に成膜する。次に、イオンドーピング装置により低濃度のホウ素をアモルファスシリコン層に注入し、窒素雰囲気下450℃60分間加熱処理し脱水素処理をおこなう。次に、レーザアニール装置によりアモルファスシリコン層の結晶化処理をおこなう。次に、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングおよびイオンドーピング装置より、低濃度のリンをアモルファスシリコン層に注入し、N型およびP型のTFTエリアを形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、プラズマCVD法により酸化シリコン膜を成膜してゲート絶縁膜を形成した後に、スパッタリング法によりモリブデンを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりゲート電極を形成する。次に、フォトリソグラフィ法とイオンドーピング装置により、高濃度のホウ素とリンをN型、P型それぞれの所望のエリアに注入し、ソースエリアおよびドレインエリアを形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、プラズマCVD法による酸化シリコンの成膜で層間絶縁膜を、スパッタリング法によりアルミニウムの成膜およびフォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりTFT電極を形成する。次に、水素雰囲気下450℃60分間加熱処理し水素化処理をおこなった後に、プラズマCVD法による窒素シリコンの成膜で、パッシベーション層を形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、紫外線硬化性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ法により平坦化層およびコンタクトホールを形成する。次に、スパッタリング法により酸化インジウム錫を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより画素電極を形成する。
続いて、蒸着法により、ガラス基板の第2主面側に、正孔注入層として4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、正孔輸送層としてビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン、発光層として8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)に2,6−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル]アミノスチリル]ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(BSN−BCN)を40体積%混合したもの、電子輸送層としてAlq3をこの順に成膜する。次に、スパッタリング法によりアルミニウムを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより対向電極を形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、紫外線硬化型の接着層を介してもう一枚のガラス基板を貼り合わせて封止する。上記手順によって、ガラス基板上に有機EL構造体を形成する。ガラス基板上に有機EL構造体を有するガラス積層体S1(以下、パネルS1という。)が、本発明における電子デバイス用部材付き積層体(支持基材付き表示装置用パネル)である。
続いて、パネルS1の封止体側を定盤に真空吸着させたうえで、パネルS1のコーナー部のガラス基板とシリコーン樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、ガラス基板とシリコーン樹脂層の界面に剥離のきっかけを与える。そして、パネルS1の支持基材表面を真空吸着パッドで吸着した上で、吸着パッドを上昇させる。ここで刃物の差し込みは、イオナイザ(キーエンス社製)から除電性流体を当該界面に吹き付けながら行う。次に、形成した空隙へ向けてイオナイザからは引き続き除電性流体を吹き付けながら真空吸着パッドを引き上げる。その結果、定盤上に有機EL構造体が形成されたガラス基板のみを残し、シリコーン樹脂層付き支持基材を剥離することができる。
続いて、実施例1と同様の方法で分離したガラス基板の剥離面を清浄化し、分離されたガラス基板をレーザーカッタまたはスクライブ−ブレイク法を用いて切断し、複数のセルに分断した後、有機EL構造体が形成されたガラス基板と対向基板とを組み立てて、モジュール形成工程を実施してOLEDを作製する。こうして得られるOLEDは、特性上問題は生じない。
<実施例4>
本例では、実施例1で得たガラス積層体S1を用いてLCDを製造する。
まず、2枚のガラス積層体S1を準備して、片方のガラス積層体S1(以下「ガラス積層体S1−1」ともいう)におけるガラス基板の第2主面上に、プラズマCVD法により窒化シリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンの順に成膜する。次に、イオンドーピング装置により低濃度のホウ素をアモルファスシリコン層に注入し、窒素雰囲気下450℃60分間加熱処理し脱水素処理をおこなう。次に、レーザアニール装置によりアモルファスシリコン層の結晶化処理をおこなう。次に、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングおよびイオンドーピング装置より、低濃度のリンをアモルファスシリコン層に注入し、N型およびP型のTFTエリアを形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、プラズマCVD法により酸化シリコン膜を成膜しゲート絶縁膜を形成した後に、スパッタリング法によりモリブデンを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりゲート電極を形成する。次に、フォトリソグラフィ法とイオンドーピング装置により、高濃度のホウ素とリンをN型、P型それぞれの所望のエリアに注入し、ソースエリアおよびドレインエリアを形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、プラズマCVD法による酸化シリコンの成膜で層間絶縁膜を、スパッタリング法によりアルミニウムの成膜およびフォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりTFT電極を形成する。次に、水素雰囲気下450℃60分間加熱処理し水素化処理をおこなった後に、プラズマCVD法による窒素シリコンの成膜で、パッシベーション層を形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、紫外線硬化性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ法により平坦化層およびコンタクトホールを形成する。次に、スパッタリング法により酸化インジウム錫を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより画素電極を形成する。
次に、もう片方のガラス積層体S1(以下「ガラス積層体S1−2」ともいう)を大気雰囲気下450℃60分間加熱処理する。次に、ガラス積層体S1におけるガラス基板の第2主面上に、スパッタリング法によりクロムを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより遮光層を形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、ダイコート法によりカラーレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法および熱硬化によりカラーフィルタ層を形成する。次に、スパッタリング法により酸化インジウム錫を成膜し、対向電極を形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、ダイコート法により紫外線硬化樹脂液を塗布し、フォトリソグラフィ法および熱硬化により柱状スペーサを形成する。次に、ロールコート法によりポリイミド樹脂液を塗布し、熱硬化により配向層を形成し、ラビングをおこなう。
次に、ディスペンサ法によりシール用樹脂液を枠状に描画し、枠内にディスペンサ法により液晶を滴下した後に、上記で画素電極が形成されたガラス積層体S1−1を用いて、2枚のガラス積層体S1のガラス基板の第2主面側同士を貼り合わせ、紫外線硬化および熱硬化によりLCDパネルを得る。
続いて、ガラス積層体S1−1の第2主面を定盤に真空吸着させ、ガラス積層体S1−2のコーナー部のガラス基板とシリコーン樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、ガラス基板の第1主面とシリコーン樹脂層の剥離性表面との剥離のきっかけを与える。ここで刃物の差し込みは、イオナイザ(キーエンス社製)から除電性流体を当該界面に吹き付けながら行う。次に、形成した空隙へ向けてイオナイザからは引き続き除電性流体を吹き付けながら真空吸着パッドを引き上げる。そして、ガラス積層体S1−2の支持基材の第2主面を真空吸着パッドで吸着した上で、吸着パッドを上昇させる。その結果、定盤上に、ガラス積層体S1−1の支持基材が付いたLCDの空セルのみを残し、シリコーン樹脂層付き支持基材を剥離することができる。
次に、第1主面にカラーフィルタが形成されたガラス基板の第2主面を定盤に真空吸着させ、ガラス積層体S1−1のコーナー部のガラス基板とシリコーン樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、ガラス基板の第1主面とシリコーン樹脂層の剥離性表面との剥離のきっかけを与える。そして、ガラス積層体S1−1の支持基材の第2主面を真空吸着パッドで吸着した上で、吸着パッドを上昇させる。その結果、定盤上にLCDセルのみを残し、シリコーン樹脂層が固定された支持基材を剥離することができる。こうして、厚さ0.1mmのガラス基板で構成される複数のLCDのセルが得られる。
続いて、切断する工程により、複数のLCDのセルに分断する。完成された各々のLCDセルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは、特性上問題は生じない。
<実施例5>
本例では、実施例1で得たガラス積層体S1を用いてOLEDを製造する。
まず、ガラス積層体S1におけるガラス基板の第2主面上に、スパッタリング法によりモリブデンを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりゲート電極を形成する。次に、プラズマCVD法により、ガラス基板の第2主面側にさらに窒化ケイ素を成膜してゲート絶縁膜を形成し、続いてスパッタリング法により酸化インジウムガリウム亜鉛を成膜してフォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより酸化物半導体層を形成する。次に、プラズマCVD法により、ガラス基板の第2主面側にさらに窒化ケイ素を成膜してチャネル保護層を形成し、続いてスパッタリング法によりモリブデンを成膜してフォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりソース電極およびドレイン電極を形成する。次に、大気中で450℃にて60分間加熱処理を行う。次に、ガラス基板の第2主面側にさらにプラズマCVD法により窒化ケイ素を成膜してパッシベーション層を形成し、続いてスパッタリング法により酸化インジウム錫を成膜してフォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、画素電極を形成する。
続いて、蒸着法により、ガラス基板の第2主面側に、正孔注入層として4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、正孔輸送層としてビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン、発光層として8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)に2,6−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル]アミノスチリル]ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(BSN−BCN)を40体積%混合したもの、電子輸送層としてAlq3をこの順に成膜する。次に、スパッタリング法によりアルミニウムを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより対向電極を形成する。次に、ガラス基板の第2主面側に、紫外線硬化型の接着層を介してもう一枚のガラス基板を貼り合わせて封止する。上記手順によって、ガラス基板上に有機EL構造体を形成する。ガラス基板上に有機EL構造体を有するガラス積層体S1(以下、パネルS1という。)が、本発明における電子デバイス用部材付き積層体(支持基材付き表示装置用パネル)である。
続いて、パネルS1の封止体側を定盤に真空吸着させたうえで、パネルS1のコーナー部のガラス基板とシリコーン樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、ガラス基板とシリコーン樹脂層の界面に剥離のきっかけを与える。そして、パネルS1の支持基材表面を真空吸着パッドで吸着した上で、吸着パッドを上昇させる。ここで刃物の差し込みは、イオナイザ(キーエンス社製)から除電性流体を当該界面に吹き付けながら行う。次に、形成した空隙へ向けてイオナイザからは引き続き除電性流体を吹き付けながら真空吸着パッドを引き上げる。その結果、定盤上に有機EL構造体が形成されたガラス基板のみを残し、シリコーン樹脂層付き支持基材を剥離することができる。
続いて、実施例1と同様の方法で分離したガラス基板の剥離面を清浄化し、分離されたガラス基板をレーザーカッタまたはスクライブ−ブレイク法を用いて切断し、複数のセルに分断した後、有機EL構造体が形成されたガラス基板と対向基板とを組み立てて、モジュール形成工程を実施してOLEDを作製する。こうして得られるOLEDは、特性上問題は生じない。
10 ガラス積層体
12 支持基材
14 シリコーン樹脂層
14a シリコーン樹脂層の第1主面
16 ガラス基板
16a ガラス基板の第1主面
16b ガラス基板の第2主面
18 シリコーン樹脂層付き支持基材
20 電子デバイス用部材
22 電子デバイス用部材付き積層体
24 部材付きガラス基板

Claims (8)

  1. 支持基材の層とシリコーン樹脂層とガラス基板の層とをこの順で備え、前記支持基材の層と前記シリコーン樹脂層との界面の剥離強度が前記ガラス基板の層と前記シリコーン樹脂層との界面の剥離強度よりも高い、ガラス積層体であって、
    前記シリコーン樹脂層のシリコーン樹脂が、架橋性オルガノポリシロキサンと、2個以上のヒドロシリル基(Si−H)を有する架橋剤との架橋物であり、
    前記架橋性オルガノポリシロキサンが、式(1)で表されるシロキサン単位(A)を含み、かつ、アルケニル基を有する、ガラス積層体。

    (式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含有していてもよい1価の炭化水素基を表す。Arは、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。)
  2. 前記架橋剤が、さらに芳香族炭化水素基または複素環基を有する、請求項1に記載のガラス積層体。
  3. 前記架橋剤が、式(5)で表される化合物である、請求項2に記載のガラス積層体。

    (式(5)中、R7およびR8は、それぞれ独立に、炭素数6以下のアルキル基または水素原子を表す。L1は、単結合または2価の連結基を表す。nは2以上の整数を表す。Ar1は、n価の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。)
  4. 前記シリコーン樹脂層のシリコーン樹脂が、前記架橋性オルガノポリシロキサンと前記架橋剤とを、前記架橋性オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基の個数に対する前記架橋剤が有するヒドロシリル基(Si−H)の個数の比が0.3〜1.8となる量で反応させて得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス積層体。
  5. 前記シロキサン単位(A)におけるR1〜R4が、それぞれ独立に、炭素数4以下のアルキル基またはフェニル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス積層体。
  6. 前記架橋性オルガノポリシロキサンが、さらに式(2)で表されるシロキサン単位(B)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス積層体。
    (式(2)中、R5およびR6は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含有していてもよい1価の炭化水素基を表す。)
  7. 前記架橋性オルガノポリシロキサンにおいて、前記シロキサン単位(A)と前記シロキサン単位(B)との合計に対する前記シロキサン単位(A)の割合が30〜90モル%であり、全シロキサン単位に対する前記シロキサン単位(A)と前記シロキサン単位(B)との合計の割合が80〜100モル%である、請求項6に記載のガラス積層体。
  8. 前記シロキサン単位(B)が、R5およびR6の少なくとも一方が炭素数3以下のアルケニル基であり前記アルケニル基でない場合は炭素数4以下のアルキル基であるシロキサン単位(B−1)、ならびに、R5およびR6のいずれも炭素数4以下のアルキル基であるシロキサン単位(B−2)からなる群から選択され、
    前記架橋性オルガノポリシロキサン中のシロキサン単位(B)が、前記シロキサン単位(B−1)のみからなるか、または、前記シロキサン単位(B−1)と前記シロキサン単位(B−2)とからなる、請求項6または7に記載のガラス積層体。
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