この発明に係る映像記録装置は、映像記録装置の補助記憶装置の記録性能の変化に合わせてカメラ端末が配信する映像データ量を映像記録装置の記録装置の記録性能(書込み能力)を超えないように制御して記録することで、動作停止させることなく記録を継続するものである。以下に、この発明に係る映像記録装置の一例について説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1では、接続されるカメラ端末の撮像設定を制御して配送された映像データを記録する映像記録装置について説明する。ここでは、映像記録装置に接続されるカメラ端末には複数の撮像能力があり、実動するカメラ端末側の撮像設定を映像記録装置から変更制御するものとする。
図1は、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置の一例を示すブロック構成図である。図において、映像記録装置12は、撮像設定の変更が可能な複数のカメラ端末101〜104がネットワーク11を介して接続され、各カメラ端末101〜104から配信される映像データを受信して記録する。以下、映像記録装置12の内部構成をより詳細に説明する。
カメラ端末情報・動作設定情報記憶部121は、複数のカメラ端末101〜104のそれぞれの撮像能力と、この撮像能力の中から設定された撮像設定およびこの撮像設定で撮像された映像の記録設定からなる動作設定を記憶する。映像データ受信部122は、ネットワーク11を介して、複数のカメラ端末101〜104のそれぞれからカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121の撮像設定に基づく映像データを受信する。映像データ記録制御部123は、映像データ受信部122が受信した映像データの記録を制御する。記憶装置124は、映像データ記録制御部123によって制御された映像データを記録して、その記録の状況を示す稼働状況を検出する。記憶装置情報記憶部125は、記憶装置124の複数の稼働状態ごとの書込み能力を記憶する。記録状況監視部126は、記憶装置情報記憶部125が記憶する記憶装置124の稼働状態における書込み能力とカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121が記憶する複数のカメラ端末101〜104のそれぞれの動作設定である撮像設定とに基づいて、記憶装置124が検出した複数の補助記憶装置1242〜1246の稼働状況を監視する。動作設定制御部127は、記録状況監視部126が監視した結果と動作設定である記録設定に基づいて、カメラ端末情報・動作設定情報記憶部121が記憶する複数のカメラ端末101〜104のそれぞれの撮像能力の中から撮像設定を決定し、決定した撮像設定をカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121に記憶させるとともに、複数のカメラ端末101〜104のそれぞれに決定した撮像設定の更新を指示する。
ここで、記憶装置124は、RAIDコントローラ1241と複数の補助記憶装置1242〜1246から構成され、RAIDコントローラ1241は、複数のカメラ端末101〜104から受信した映像データおよびそれら受信された映像データに基づいて生成した誤り訂正符号データを複数の補助記憶装置1242〜1246に分散させて記憶させるとともに、複数の補助記憶装置1242〜1246の稼働状況を検出する。稼働状況は、例えば書込み速度を検出し、複数の補助記憶装置1242〜1246の書込み速度の合計が記憶装置124の稼働状況としての書込み速度となる。同様に、記憶装置情報記憶部125は、記憶装置124の複数の稼働状態ごとの書込み能力を例えば書込み速度で記憶することで、記録状況監視部126は、記憶装置124の複数の補助記憶装置1242〜1246ごとの書込み速度やそれらの合計の書込み速度と書込み能力とを比較して監視できる。
なお、記憶装置124を構成する複数の補助記憶装置1242〜1246は、5台に限らず、任意の台数を接続して構成することができる。
図2は、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121の内部テーブル(以下、カメラ端末情報・動作設定情報テーブルという)の一例である。カメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の各設定項目について説明すると、接続カメラ台数201は、映像記録装置12に接続されるカメラ端末の台数を保持する。カメラ番号202は、映像記録装置12に接続されるカメラ端末のカメラ番号を保持することでカメラ端末を識別する。このカメラ番号202で識別される各カメラ端末の撮像能力203は、フレームレート2031と画角サイズ2032を含む。ここでは、例えば、フレームレートは、「30」、「15」、「7」、「3」、「1」等のfps(frame per second)で定義し、また、画角サイズは、「SXGA」(Super eXtended Graphics Array)、「VGA」(Video Graphics Array)、「QVGA」(Quarter Video Graphics Array)等の映像の解像度で定義し、各カメラ端末に設定可能な撮像能力が保持される。また、動作設定301のうち、各カメラ端末の撮像設定204は、撮像能力203から選択された、動作中のフレームレート2041と画角サイズ2042の設定を含む。また、各カメラ端末の記録設定205は、映像記録装置に障害が発生したときに、各カメラ端末から受信した映像データを記録する優先度を示す記録優先度2051を含む。なお、この記録優先度2051は、映像記録装置に各カメラ端末から受信した映像データを記録する重要度を示す記録重要度として管理しても構わない。このような記録優先度または記録重要度は、例えば、カメラ端末の設置場所や撮影対象などによって設定することができる。
図3は、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置の記憶装置情報記憶部125の内部テーブル(以下、記憶装置情報テーブルという)の一例である。記憶装置情報テーブル125の各設定項目について説明すると、RAIDレベル401は、映像記録装置12の記憶装置124のRAIDコントローラ1241の動作レベルを記憶し、例えば「RAID5」または「RAID6」で動作するものとし、ここではRAID5で動作するものとする。また、稼働状態402は、例えば、補助記憶装置に故障のない「通常」状態、故障した補助記憶装置を交換するまでの期間である「デグレード」状態および故障した補助記憶装置を交換し正常な状態に復旧するまでの期間である「リビルド」状態の3つの動作状態で定義する。書込み能力403は、RAIDレベル401で設定しうる「RAID5」4031、「RAID6」4032別に、稼働状態402の各状態に対応付けられた書込み能力を記憶する。ここで、RAIDレベル401は、記憶装置124のRAIDコントローラ1241の稼働開始時点に設定され、例えば「RAID5」が設定された場合、書込み能力403の「RAID5」4031が参照され、また「RAID6」が設定された場合、書込み能力403の「RAID6」4032が参照される。なお、書込み能力は、3つの動作状態に対応させて、例えば書込み速度の下限値や理論値、あるいは実効値などを設定する。
なお、記憶装置124を構成する複数の補助記憶装置1242〜1246のうち、故障やメンテナンスなどで交換されたものがあれば、交換された補助記憶装置の構成を反映した記憶装置124の書込み能力を記憶装置情報テーブル125に再設定する。
また、図4は、図1に示したこの発明の実施の形態1に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121の一例を示す詳細ブロック構成図である。図において、カメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121は、例えば、各カメラ端末の撮像能力を記憶するカメラ端末情報テーブル(記憶部)1211と、各カメラ端末の撮像設定および映像データの記録設定を記憶する動作設定情報テーブル(記憶部)1212の2つのテーブルで管理することもできる。
図5、図6は、図2に示したこの発明の実施の形態1に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121に対応した2つの内部テーブル、カメラ端末情報テーブル(記憶部)1211と動作設定情報テーブル(記憶部)1212の一例である。
次に、この発明の実施の形態1における映像記録装置の動作について説明する。
図7は、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図において、ステップST101では、記憶装置情報テーブルを参照して現稼働状態の書込み能力を確認する。すなわち、動作中のRAIDレベルにおいてRAIDコントローラから通知される稼働状態に対応した書込み能力を記憶装置情報テーブルから参照して確認する。
ステップST102では、書込み能力と書込み速度の差が閾値より大きいか判定する。すなわち、ステップST101で確認した書込み能力と、RAIDコントローラ1241から通知される記録装置124の書込み速度との差を算出し、所定の閾値より大きいか否かを判定する。ここで、書込み能力と書込み速度の差が所定の閾値より大きくないとき(判定結果No)、ステップST101から処理を繰り返す。一方、書込み能力と書込み速度の差が所定の閾値より大きいとき(判定結果Yes)、ステップST103以下が処理される。
ステップST103では、カメラ端末情報テーブル、動作設定情報テーブルを参照し、書込み能力と書込み速度に基づき、各カメラ端末の撮像設定を決定する。例えば、書込み能力と書込み速度の差に基づいて、複数のカメラ端末の撮像設定による書込み速度の更新量を見積もり、見積もった更新量を満たすように、参照する動作設定情報テーブルの記録設定(記録優先度)から撮像設定を更新する対象のカメラ端末を選択し、更新対象のカメラ端末の撮像設定を撮像能力の中から決定する。1台のカメラ端末の撮像設定の変更で、見積もった更新量を満たせないときは、複数台のカメラ端末の撮像設定を変更する。
なお、複数のカメラ端末のそれぞれの撮像設定による書込み速度は、撮像するフレームレートおよび画角サイズ、撮像した映像データの圧縮率または画質、伝送速度によって想定値を定義し、想定値の合計が書込み能力を超えないように、全カメラ端末の撮像設定を組み合わせて決定する。
ここで、カメラ端末が、映像記録装置から撮像設定として圧縮率または画質を設定可能なものであれば、撮像能力および撮像設定にその項目を追加して変更項目に加えて管理してもよい。
例えば、書込み速度に影響する映像データの発生量は、フレームレートを下げる、画角サイズを小さくする、また圧縮率を上げて画質を下げることで、低く抑える方向に制御できる。また、フレームレートを上げる、画角サイズを大きくする、また圧縮率を下げて画質を上げることで、映像データの発生量を大きくする方向に制御できる。
ステップST104では、決定した撮像設定に基づき、動作設定情報テーブルを更新する。
ステップST105では、決定した撮像設定に基づき、各カメラ端末へ変更指示する。この後、ステップST101に戻って処理手順を繰り返し実行する。
この図7のフローチャートのステップST103からステップST105において行われる映像記録装置に接続されたカメラ端末の撮像設定を変更する制御手順の一例を説明する。
例えば、図6に示した動作設定情報テーブル1212(記録設定205)の記録優先度2051を確認し、優先度が低いカメラ番号103のカメラ端末の撮像設定から画角サイズとフレームレートを低下させる。現在のカメラ番号103のカメラ端末の撮像設定は、VGA、15fpsであるが、この設定を図5に示したカメラ端末情報テーブル1211(撮像能力203)に記載してある撮像能力の画角サイズとフレームレートを基に映像データ情報量を低下させるように設定する。ここで、最小映像データ情報量になるQVGA、1fpsを設定しても、記録装置の書込み性能以下にならない場合は、記録優先度が中、高の順に他のカメラ端末の撮像設定を変更する。同一の記録優先度のカメラ端末が複数ある場合には、特定のカメラ端末の撮像設定を変更するようにしてもよいし、また特定のカメラ端末だけに撮像設定の変更が集中しないようにしても構わない。また、記録優先度を高中低の3段階でなく、同一の記録優先度が設定されないように重複しない順番を付けて撮像設定を変更しても構わない。
なお、この発明の実施の形態1では、補助記憶装置が故障することで記録性能が低下して、記録優先度が低いカメラ端末から映像データが最小映像データ情報量になるまで撮像設定を変更していくように説明したが、反対に故障した補助記憶装置を交換することで記録性能が向上するときに、例えば記録優先度が高いカメラ端末から映像データがより高い映像データ情報量になるように撮像設定を変更していくように制御してもよい。このとき、記録優先度の高いカメラを最大映像データ情報量になるまで撮像設定を変更してもよいし、また他の記録優先度のカメラ端末の映像データ情報量も高くなるようにしても構わない。
また、上記例では、記録優先度順にカメラ端末の撮像設定を最小映像データ情報量になるまで切り替えて設定する映像記録装置を説明したが、最小映像データ情報量となるように設定しても記録しきれないほど、記録装置の稼動状況が低下しているときには、映像データを記録しきれず、欠落が発生してしまうことになるが、記録優先度が高いカメラ端末の映像データを優先して記録を残せるように、記録優先度の低いカメラ端末の映像データから記録を停止させるようにしても構わない。
この発明の実施の形態1に係る映像記録装置12に接続される複数のカメラ端末101〜104は、複数の撮像能力をもつ説明したが、例えばフレームレートと画角サイズの両方ともに複数の撮像能力がある必要はなく、フレームレートと画角サイズの一方は単一の撮像能力しかないものであっても構わない。また、複数のカメラ端末101〜104の一部は、例えばフレームレートと画角サイズの両方ともに単一の撮像能力しかないものが接続されてもよく、記録設定の記録優先度によらず、動作設定制御部の制御対象とはせず、固定の撮像設定のまま動作させて映像データを記録させるようにしても構わない。
補助記憶装置1252〜1256は、ハードディスク装置に限らず、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子を適用したSSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスで構成しても構わない。
また、図1のこの発明の実施の形態1に係る映像記録装置の一例を示すブロック構成図では、記憶装置125を映像記録装置12に内蔵する構成について示したが、映像記録装置12の外部に記憶装置125を接続する構成で配置しても構わない。
このように、この発明の実施の形態1では、接続されるカメラ端末が複数の撮像能力を備える場合に、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、記録優先度順に各複数の撮像能力の中から撮像設定をカメラ端末側に指定して配信させ、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように映像データを記録する映像記録装置について説明した。
以上のように、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置によれば、接続されるカメラ端末が複数の撮像能力を備える場合に、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、記録優先度順に複数の撮像能力の中から撮像設定をカメラ端末側に指定して配信させ、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように映像データを記録することで、記録優先度の高い映像データを記録優先度の低い映像データより優先して記録することができる。
また、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置によれば、記録優先度の高い映像データが記録優先度の低い映像データより優先して、カメラ端末が備える複数の撮像能力の範囲で、大きい映像データ情報量で記録させるように指定することで、フレームレートや画角サイズが高い撮像設定の映像データを残すことができる。
また、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置によれば、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように、各カメラ端末の撮像設定を設定することで、映像データを欠落させることなく記録することができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2では、接続されるカメラ端末の撮像設定は変更せず、カメラ端末ごとに固定の撮像設定で配送された映像データの設定を受信後に調整して記録する映像記録装置について説明する。ここでは、映像記録装置に接続されるカメラ端末の設定は単一の撮像能力しかなく、変更できないものとして、映像記録装置の内部で映像データの設定を調整するものとする。
図8は、この発明の実施の形態2に係る映像記録装置の一例を示すブロック構成図である。図において、映像記録装置12は、撮像設定を変更できない複数のカメラ端末101〜104がネットワーク11を介して接続され、各カメラ端末101〜104から配信される映像データを受信後に内部で設定を調整して記録する。図1に示したこの発明の実施の形態1に係る映像記録装置の一例を示すブロック構成図の構成に対して、映像データ記録制御部123が映像データの調整部1231を備え、映像データ記録制御部123が調整部1231を制御するために、カメラ端末情報・動作設定情報記憶部121の内部テーブルを参照するようになっている。以下、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置と異なる点について、映像記録装置12の内部構成をより詳細に説明する。
カメラ端末情報・動作設定情報記憶部121は、複数のカメラ端末101〜104のそれぞれの撮像能力と、この撮像能力の中から設定された撮像設定およびこの撮像設定で撮像された映像の記録設定からなる動作設定を記憶する。映像データ記録制御部123は、映像データ受信部122が受信した映像データをカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121の記録設定に基づいて調整する調整部1231を備え、調整部1231に調整された映像データの記録を制御する。記録状況監視部126は、記憶装置情報記憶部125が記憶する記憶装置124の稼働状態における書込み能力とカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121が記憶する複数のカメラ端末101〜104のそれぞれの動作設定である撮像設定と記録設定とに基づいて、記憶装置124が検出した複数の補助記憶装置1242〜1246の稼働状況を監視する。動作設定制御部127は、記録状況監視部126が監視した結果に基づいて、記録設定を決定し、決定した記録設定をカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121に記憶させる。その他の映像データ受信部122、記憶装置124、記憶装置情報記憶部125は、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置の同一符号を付したものと同様に動作、機能するものとする。
図9は、この発明の実施の形態2に係る映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121の内部テーブル(以下、カメラ端末情報・動作設定情報テーブルという)の一例である。カメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の各設定項目については、図2に示したこの発明の実施の形態1に係る映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の各設定項目に対して、動作設定301のうち、記録設定205の記録優先度2051が比率2052に変更された構成である。
この記録設定205の比率2052は、映像データ記録制御部123の調整部1231によって、映像データ受信部122が受信した映像データの設定を調整するのに適用される。以下、この実施の形態2では、記録設定205の比率2052をフレームレートの調整に用いるものとして説明する。
なお、カメラ端末の撮像能力203のフレームレート2031および画角サイズ2032は、単一の設定のみであれば、撮像設定204のフレームレート2041および画角サイズ2042も同一となる。よって、撮像能力203および撮像設定204が常に同一となるときには二重に管理せず、例えば統合して管理する形態を採用してもよい。
この発明の実施の形態2に係る映像記録装置の記憶装置情報記憶部125は、図3に示したこの発明の実施の形態1に係る映像記録装置の記憶装置情報記憶部125と同様であるため、その内部テーブル(記憶装置情報テーブル)の説明は省略する。
また、図10は、図8に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121の一例を示す詳細ブロック構成図である。図において、カメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121は、例えば、各カメラ端末の撮像能力を記憶するカメラ端末情報テーブル(記憶部)1211と、各カメラ端末の撮像設定および映像データの記録設定を記憶する動作設定情報テーブル(記憶部)1212の2つのテーブルで管理することもできる。図8に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置における動作設定情報テーブル(記憶部)1212に対して、映像データ記録制御部123が参照できるようになっている。
図11、図12は、図9に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121に対応した2つの内部テーブル、カメラ端末情報テーブル(記憶部)1211と動作設定情報テーブル(記憶部)1212の一例である。
次に、この発明の実施の形態2における映像記録装置の動作について説明する。
図13は、この発明の実施の形態2に係る映像記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図において、ステップST101からステップST102は、図7に示したこの発明の実施の形態1に係る映像記録装置におけるフローチャートと同様に動作する。
ステップST102において、書込み能力と書込み速度の差が閾値より大きいと判定されたとき(判定結果Yes)、ステップST106以下が処理される。
ステップST106では、動作設定情報テーブルを参照し、書込み能力と書込み速度に基づき、各カメラ端末の記録設定を決定する。例えば、書込み能力と書込み速度の差に基づいて、複数のカメラ端末の撮像設定による書込み速度の更新量を見積もり、見積もった更新量を満たすように、更新対象のカメラ端末の記録設定である比率を決定する。
なお、複数のカメラ端末のそれぞれの撮像設定による書込み速度は、撮像するフレームレートおよび画角サイズ、撮像した映像データの圧縮率または画質、伝送速度によって想定値を定義し、想定値の合計が書込み能力を超えないように、全カメラ端末の撮像設定に対する比率として記録設定を決定する。
ステップST107では、決定した記録設定である比率に基づき、動作設定情報テーブルを更新する。この後、ステップST101に戻って処理手順を繰り返し実行する。
図14は、この発明の実施の形態2に係る映像記録装置の映像データ記録制御部123の調整部1231の動作の一例を示すフローチャートである。
図において、ステップST201では、記録設定の比率が1であるか判定する。このとき、記録設定の比率が1のとき(判定結果Yes)、ステップST201から処理を繰り返す。一方、記録設定の比率が1でないとき(判定結果No)、ステップST202が処理される。
ステップST202では、記録設定の比率に基づいて、カメラ端末の撮像設定で受信した映像データのフレームレートを調整する。ここでは、調整を例えばフレームレートにのみ適用するものとして、この記録設定の比率をフレームの間引き率とした。この記録設定の比率は、各カメラ端末に対し共通の値となるので、撮像設定が異なれば調整後の撮像設定も異なることになる。また、記録設定の比率で調整したフレームレートが整数にならないときは、一定の時間幅の中で調整してもよい。
また、例えば画角サイズを調整するのであれば、一度復号して画角サイズを比率に基づいて調整してから再度圧縮してもよいし、圧縮率を調整するのであれば、一度復号して比率に基づいて圧縮率を調整して再度圧縮してもよい。いずれにしても一度復号することで処理負荷は大きくなるが、画角サイズと圧縮率の一方または両方を調整するようにすることで、フレームレートのみの間引きによる調整よりもさらに細かい調整が期待できる。
なお、ここでは、映像記録装置に接続されるカメラ端末の設定は単一の撮像能力しかなく、変更できないものとしたが、複数の撮像能力があって変更できるカメラ端末に初期設定した撮像設定から変更を加えずに、映像記録装置が映像データの設定を調整して運用する場合にも同様の効果が得られる。
このように、この発明の実施の形態2では、接続されるカメラ端末が単一の撮像能力しか備えない場合に、各カメラ端末の撮像設定も単一となることから、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、映像記録装置側で映像データの設定を記録設定である比率に合わせて調整し、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように映像データを記録する映像記録装置について説明した。
以上のように、この発明の実施の形態2に係る映像記録装置によれば、接続されるカメラ端末が単一の撮像能力しか適用できない場合に、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、映像記録装置側で各カメラ端末が配信する映像データの設定を記録設定である比率に合わせて調整し、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように映像データを記録することで、映像データを欠落させることなく記録することができる。
また、この発明の実施の形態2に係る映像記録装置によれば、映像データを一度復号して再圧縮する調整を適用することで、記録設定である比率では既定のフレームレートや画角サイズに調整が加えられない場合でも、より細かく調整することができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3では、この発明の実施の形態2と同様に、接続されるカメラ端末の撮像設定は変更せず、カメラ端末ごとに固定の撮像設定で配送された映像データの設定を受信後に調整して記録する映像記録装置について説明する。
この発明の実施の形態3に係る映像記録装置の一例を示すブロック構成図は、図8に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置の一例を示すブロック構成図と同様であるため、同一部分の説明は省略する。以下、この発明の実施の形態2に係る映像記録装置と異なる点について、映像記録装置12の内部構成をより詳細に説明する。
図15は、この発明の実施の形態3に係る映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121の内部テーブル(以下、カメラ端末情報・動作設定情報テーブルという)の一例である。カメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の各設定項目については、図9に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の各設定項目に対して、動作設定301のうち、記録設定205の比率2052がフレームレート2053に変更された構成である。この記録設定205のフレームレート2053は、映像データ記録制御部123の調整部1231によって、映像データ受信部122が受信した映像データの撮像設定204のフレームレート2041を調整するのに適用される。
この記録設定205のフレームレート2053と撮像設定204のフレームレート2041の比が、この発明の実施の形態2の映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報テーブル121におけるフレームレートを対象とした記録設定205の比率2052と考えてもよい。また、逆に、記録設定205のフレームレート2053は、撮像設定204のフレームレート2041をこの発明の実施の形態2における記録設定205の比率2052で調整したものと考えることもできる。
ここで、例えば、映像データ記録制御部123の調整部1231の調整が、撮像設定204の画角サイズ2042を対象とするのであれば、カメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の記録設定205をフレームレート2053から画角サイズに変更し、映像データ受信部122が受信した映像データの撮像設定204の画角サイズ2042を調整するようにしてもよい。
また、映像データ記録制御部123の調整部1231の調整が、撮像設定204のフレームレート2041と画角サイズ2042の両方を対象とするのであれば、カメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の記録設定205に画角サイズを追加し、映像データ受信部122が受信した映像データの撮像設定204のフレームレート2041と画角サイズ2042の両方を調整するようにしてもよい。
この発明の実施の形態3に係る映像記録装置の記憶装置情報記憶部125は、図3に示したこの発明の実施の形態1および実施の形態2に係る映像記録装置の記憶装置情報記憶部125と同様であるため、その内部テーブル(記憶装置情報テーブル)の説明は省略する。
また、この発明の実施の形態3に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121の一例を示す詳細ブロック構成図は、図10に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121の一例を示す詳細ブロック構成図と同様であるため、その説明は省略する。
図16は、図15に示したこの発明の実施の形態3に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121に対応した2つの内部テーブル、カメラ端末情報テーブル(記憶部)1211と動作設定情報テーブル(記憶部)1212のうち、動作設定情報テーブル(記憶部)1212の一例である。カメラ端末情報テーブル(記憶部)1211は、図11に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報テーブル(記憶部)1211と共通の構成とする。
次に、この発明の実施の形態3における映像記録装置の動作について説明する。
この発明の実施の形態3に係る映像記録装置の動作の一例を示すフローチャートは、図13に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置の動作の一例を示すフローチャートと同様に示せるが、異なる部分のみ説明する。
図において、ステップST101からステップST102は、図7および図13に示したこの発明の実施の形態1および実施の形態2に係る映像記録装置におけるフローチャートと同様に動作する。
ステップST102において、書込み能力と書込み速度の差が閾値より大きいと判定されたとき(判定結果Yes)、ステップST106以下が処理される。
ステップST106では、動作設定情報テーブルを参照し、書込み能力と書込み速度に基づき、各カメラ端末の記録設定を決定する。例えば、書込み能力と書込み速度の差に基づいて、複数のカメラ端末の撮像設定による書込み速度の更新量を見積もり、見積もった更新量を満たすように、更新対象のカメラ端末の記録設定であるフレームレートを決定する。
ステップST107では、決定した記録設定であるフレームレートに基づき、動作設定情報テーブルを更新する。この後、ステップST101に戻って処理手順を繰り返し実行する。
図17は、この発明の実施の形態3に係る映像記録装置の映像データ記録制御部123の調整部1231の動作の一例を示すフローチャートである。
図において、ステップST301では、撮像設定と記録設定のフレームレートが異なるか判定する。このとき、撮像設定と記録設定のフレームレートが異ならないとき(判定結果No)、ステップST301から処理を繰り返す。一方、撮像設定と記録設定のフレームレートが異なるとき(判定結果Yes)、ステップST302が処理される。
ステップST302では、記録設定のフレームレートに基づいて、カメラ端末の撮像設定で受信した映像データのフレームレートを調整する。
このように、この発明の実施の形態3では、この発明の実施の形態2と同様に、接続されるカメラ端末が単一の撮像能力しか備えない場合に、各カメラ端末の撮像設定も単一となることから、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、映像記録装置側で映像データの設定を記録設定であるフレームレートや画角サイズに合わせて調整し、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように映像データを記録する映像記録装置について説明した。
以上のように、この発明の実施の形態3に係る映像記録装置によれば、接続されるカメラ端末が単一の撮像能力しか備えない場合に、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、映像記録装置側で映像データの設定を記録設定であるフレームレートや画角サイズに合わせて調整し、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように映像データを記録することで、映像データを欠落させることなく記録することができる。
また、この発明の実施の形態3に係る映像記録装置によれば、映像データを一度復号して再圧縮する調整を適用することで、撮像設定から記録設定への変更だけでは映像データ情報量の調整が粗くなり過ぎる場合でも、より細かく調整することができる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4では、接続されるカメラ端末に、この発明の実施の形態1で説明したようなカメラ端末の撮像設定を制御できるものと、この発明の実施の形態3で説明したようなカメラ端末の撮像設定を変更できないものが混在する場合の映像記録装置について説明する。ここでは、映像記録装置から撮像設定を制御できるカメラ端末の映像データの設定はカメラ端末側で、また撮像設定を変更できないカメラ端末の映像データの設定は映像記録装置側で変更するものとする。
この発明の実施の形態4に係る映像記録装置の一例を示すブロック構成図は、図8に示したこの発明の実施の形態3に係る映像記録装置の一例を示すブロック構成図と同様であるため、同一部分の説明は省略する。図において、映像記録装置12は、撮像設定の変更が可能なカメラ端末、撮像設定を変更できないカメラ端末からなる複数のカメラ端末101〜104がネットワーク11を介して接続され、各カメラ端末101〜104に設定された撮像設定で配信される映像データを受信後に記録設定に合わせて調整して記録する。以下、この発明の実施の形態1および実施の形態3に係るそれぞれの映像記録装置と異なる点について、映像記録装置12の内部構成をより詳細に説明する。
カメラ端末情報・動作設定情報記憶部121は、複数のカメラ端末101〜104のそれぞれの撮像能力と、この撮像能力の中から設定された撮像設定およびこの撮像設定で撮像された映像の記録設定からなる動作設定を記憶する。映像データ記録制御部123は、映像データ受信部122が受信した映像データをカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121の記録設定に基づいて調整する調整部1231を備え、調整部1231に調整された映像データの記録を制御する。記録状況監視部126は、記憶装置情報記憶部125が記憶する記憶装置124の稼働状態における書込み能力とカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121が記憶する複数のカメラ端末101〜104のそれぞれの動作設定である撮像設定と記録設定とに基づいて、記憶装置124が検出した複数の補助記憶装置1242〜1246の稼働状況を監視する。動作設定制御部127は、撮像設定の変更が可能なカメラ端末に対しては、記録状況監視部126が監視した結果と動作設定である記録設定に基づいて、カメラ端末情報・動作設定情報記憶部121が記憶する複数のカメラ端末101〜104のそれぞれの撮像能力の中から撮像設定を決定し、決定した撮像設定をカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121に記憶させるとともに、複数のカメラ端末101〜104のそれぞれに決定した撮像設定の更新を指示する一方、撮像設定を変更できないカメラ端末に対しては、記録状況監視部126が監視した結果に基づいて、記録設定を決定し、決定した記録設定をカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121に記憶させる。その他の映像データ受信部122、記憶装置124、記憶装置情報記憶部125は、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置の同一符号を付したものと同様に動作、機能するものとする。
なお、この発明の実施の形態4に係る映像記録装置では、動作設定制御部127は、映像記録装置12に接続される複数のカメラ端末のうち、設定を変更することができないものは制御対象とはせずに、設定を変更できるものについて制御するものとする。
図18は、この発明の実施の形態3に係る映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報記憶部121の内部テーブル(以下、カメラ端末情報・動作設定情報テーブルという)の一例である。カメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の各設定項目については、動作設定301のうち、各カメラ端末の記録設定205に、図2に示したこの発明の実施の形態1に係る映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の記録優先度2051と図15に示したこの発明の実施の形態3に係る映像記録装置のカメラ端末情報・動作設定情報テーブル121のフレームレート2053、さらに画角サイズ2054を含むものとする。また、記録設定205に、圧縮率や画質の設定項目を含めてもよい。このテーブルにおけるその他の設定項目は、図2および図15に示したカメラ端末情報・動作設定情報テーブル121の同一名称、同一符号を付した設定項目と同様である。
ここで、図18のカメラ端末情報・動作設定情報テーブル121では、例えばカメラ番号202で識別されるカメラ端末101〜103は複数の撮像能力203を有し、カメラ端末104は単一の撮像能力203を有するものを示している。カメラ端末101〜104は、撮像能力203のフレームレート2031と画角サイズ2032を参照するか、または記録設定205の記録優先度2051に高中低といった優先度以外の値や記号、例えば図中「−」記号によって、単一の撮像能力か否かを判断してもよい。また、撮像能力が単一か、複数かを区別するフラグを設けても構わない。
この発明の実施の形態4に係る映像記録装置の記憶装置情報記憶部125は、図3に示したこの発明の実施の形態1ないし実施の形態3に係る映像記録装置の記憶装置情報記憶部125と同様であるため、その内部テーブル(記憶装置情報テーブル)の説明は省略する。
また、この発明の実施の形態4に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121の一例を示す詳細ブロック構成図は、図10に示したこの発明の実施の形態2に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121の一例を示す詳細ブロック構成図であるため、その説明は省略する。
図19、図20は、図18に示したこの発明の実施の形態4に係る映像記録装置におけるカメラ端末情報・動作設定情報テーブル(記憶部)121に対応した2つの内部テーブル、カメラ端末情報テーブル(記憶部)1211と動作設定情報テーブル(記憶部)1212の一例である。
次に、この発明の実施の形態4における映像記録装置の動作について説明する。
図21は、この発明の実施の形態4に係る映像記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図において、ステップST101からステップST102は、図7および図13に示したこの発明の実施の形態1ないし実施の形態3に係る映像記録装置におけるフローチャートと同様に動作する。
ステップST102において、書込み能力と書込み速度の差が閾値より大きいと判定されたとき(判定結果Yes)、ステップST108以下が処理される。
ステップST108では、カメラ端末情報テーブル、動作設定情報テーブルを参照し、書込み能力と書込み速度に基づき、各カメラ端末の記録設定を決定する。例えば、まず、各カメラ端末の撮像能力が複数あるのか、単一なのかを判定する。次に、書込み能力と書込み速度の差に基づいて、複数のカメラ端末の撮像設定による書込み速度の更新量を見積もり、見積もった更新量を満たすように、更新対象のカメラ端末の動作設定である撮像設定および記録設定を決定する。
ステップST109では、決定した動作設定である撮像設定および記録設定に基づき、動作設定情報テーブルを更新する。
ステップST105では、決定した撮像設定に基づき、複数の撮像能力を有する各カメラ端末へ変更指示する。この後、ステップST101に戻って処理手順を繰り返し実行する。
図22は、この発明の実施の形態4に係る映像記録装置の映像データ記録制御部123の調整部1231の動作の一例を示すフローチャートである。
図において、ステップST401では、撮像設定と記録設定のフレームレートまたは画角サイズが異なるか判定する。このとき、撮像設定と記録設定のフレームレートおよび画角サイズともに異ならないとき(判定結果No)、ステップST401から処理を繰り返す。一方、撮像設定と記録設定のフレームレートまたは画角サイズが異なるとき(判定結果Yes)、ステップST402が処理される。
ステップST402では、複数の撮像能力を有するカメラ端末では、この発明の実施の形態1に係る映像記録装置のように撮像能力の中で撮像設定を切り替え、また単一の撮像能力しか有しないカメラ端末では、この発明の実施の形態3に係る映像記録装置のようにフレームレートや画角サイズを変換して撮像設定から記録設定に調整する。
なお、複数の撮像能力を有するカメラ端末に対しても、動作設定の撮像設定と記録設定のフレームレート、画角サイズのうち、少なくとも一方を異なる設定とすることで、撮像設定にない記録設定にも調整を図ることもできる。
例えば、カメラ端末101の撮像能力のフレームレートには、10fpsはないが、撮像設定のフレームレートを15fpsとし、記録設定のフレームレートを10fpsと設定することで、フレームレートを2/3とする調整を図って10fpsの映像データの記録を実現してもよいし、また撮像設定のフレームレートを30fpsとし、記録設定のフレームレートを10fpsと設定することで、フレームレートを1/3とする調整を図って10fpsの映像データの記録を実現してもよい。このとき、撮像設定のフレームレートを記録設定のフレームレートの倍数とした方が、フレーム間隔を一定に間引くことができる。
また、例えば、カメラ端末101の撮像能力の最低の画角サイズがVGAであったとき、撮像設定の画角サイズをVGAに限らず、撮像能力内で設定し、記録設定の画角サイズをQVGAと設定することで、画角サイズの調整を図ることによりQVGAの映像データの記録を実現してもよい。画角サイズの調整に当たって、圧縮された映像データの復号を伴う場合は、カメラ端末の撮像設定をあらかじめ記録設定に近くしておくことで、復号処理の負荷軽減や作業メモリの節約が図れる。また、撮像設定の画角サイズが記録設定の画角サイズの倍数とした方が、間引きや荷重平均などによる調整処理の負荷軽減、画質劣化抑制に効果が期待できる。
このように、この発明の実施の形態4では、この発明の実施の形態1と同様に、接続されるカメラ端末が複数の撮像能力を備える場合に、各カメラ端末側で複数の撮像能力の中から撮像設定を切り替えさせることで映像データを記録する映像記録装置について説明した。一方、この発明の実施の形態3と同様に、接続されるカメラ端末が単一の撮像能力しか備えない場合に、各カメラ端末の撮像設定も単一となることから、映像記録装置側で映像データの設定を調整して記録する映像記録装置について説明した。
なお、この発明の実施の形態4では、撮像設定を変更できるカメラ端末と変更できないカメラ端末について、この発明の実施の形態1の記録優先度2051とこの発明の実施の形態3のフレームレート2053および画角サイズ2054からなる記録設定205を制御して映像データの設定を調整して記録するものとして説明したが、この発明の実施の形態1の記録優先度2051とこの発明の実施の形態2の比率2052からなる記録設定205を制御して映像データを調整して記録するようにしても構わない。
以上のように、この発明の実施の形態4に係る映像記録装置によれば、接続されるカメラ端末が複数の撮像能力を備える場合に、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、記録優先度順に複数の撮像能力の中から撮像設定をカメラ端末側に指定して配信させ、接続されるカメラ端末が単一の撮像能力しか備えない場合に、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、映像記録装置側で映像データの設定を記録設定に合わせて調整し、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように映像データを記録することで、映像データを欠落させることなく記録することができる。
また、この発明の実施の形態4に係る映像記録装置によれば、記録優先度の高い映像データが記録優先度の低い映像データより優先して、カメラ端末が備える複数の撮像能力の範囲で、大きい映像データ情報量で記録させるように指定することで、フレームレート、画角サイズ、画質が高い撮像設定の映像データを残すことができる。
また、この発明の実施の形態4に係る映像記録装置によれば、接続されるカメラ端末が複数の撮像能力を備える場合に、映像記録装置の記録装置の稼動状況の変化に合わせ、記録優先度順に複数の撮像能力の中から撮像設定をカメラ端末側に指定して配信させ、さらに映像記録装置側で映像データの設定を記録設定に合わせて調整し、映像記録装置の記録装置の書込み能力を超えないように映像データを記録することで、映像データを欠落させることなく記録することができる。また、カメラ端末が備える撮像能力以外の撮像設定で映像データを記録することができる。
また、この発明の実施の形態4に係る映像記録装置によれば、映像データを一度復号して再圧縮する調整を適用することで、撮像設定に対する記録設定による調整だけでは映像データ情報量の調整が粗くなり過ぎる場合でも、より細かく調整することができる。
以上、この発明に係る映像記録装置によれば、映像記録装置の補助記憶装置の記録性能の変化に合わせてカメラ端末が配信する映像データ量を映像記録装置の記録装置の記録性能(書込み能力)を超えないように制御して記録することで、動作停止させることなく記録を継続することができる。